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特開2024-32046プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032046
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240305BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135478
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(72)【発明者】
【氏名】綱脇 彰則
(72)【発明者】
【氏名】田畑 里希
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】複数の互いに連携するデータセンターを組み合わせることにより構成されるデータ保存システムの安全性が十分であるか否かを判定することができるプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータ10を受付手段22と、演算手段24と、判定手段26として機能させる。受付手段22は、データ保存システム100を構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付ける。演算手段24は、受け付けた各不動産安全率および各機器設備安全率に基づいて設置されるべき各データセンター110の安全率を算出するとともに、算出された各データセンター110の安全率に基づいて、データ保存システム100の安全率を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、演算手段と、判定手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンターの各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付け、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けた各前記不動産安全率および各前記機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する、プログラム。
【請求項2】
前記受付手段は、前記データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々のコンピュータ安全率の情報も受け付け、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けた各前記コンピュータ安全率も参照して設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出する、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータを更に抽出手段として機能させ、
前記抽出手段は、前記受付手段が少なくとも前記不動産安全率および前記機器設備安全率の情報を受け付けた複数の前記データセンターのうち、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補を抽出する、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記受付手段は、各前記データセンターの費用の情報も受け付け、
前記抽出手段は、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補の中から、各前記データセンターの費用に基づいて算出される前記データ保存システムの費用が所定の金額以下となる前記データセンターの組み合わせの候補を更に抽出する、請求項3記載のプログラム。
【請求項5】
コンピュータを更に設定手段として機能させ、
前記設定手段は前記受付手段が受け付けた情報に基づいて前記所定の閾値を設定する、請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、演算手段と、判定手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、データセンターのスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々の前記スペックレベルの情報を受け付け、
前記演算手段は、前記記憶部に記憶されている情報によって前記受付手段が受け付けた各前記データセンターの前記スペックレベルから導かれる不動産安全率および機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する、プログラム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記データセンターのスペックレベル毎のコンピュータ安全率の情報も前記記憶部に記憶させ、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けたスペックレベルから導かれるコンピュータ安全率も参照して設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出する、請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
コンピュータを更に抽出手段として機能させ、
前記抽出手段は、前記受付手段が少なくとも前記スペックレベルの情報を受け付けた複数の前記データセンターのうち、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補を抽出する、請求項6記載のプログラム。
【請求項9】
前記受付手段は、各前記データセンターの費用の情報も受け付け、
前記抽出手段は、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補の中から、各前記データセンターの費用に基づいて算出される前記データ保存システムの費用が所定の金額以下となる前記データセンターの組み合わせの候補を更に抽出する、請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
コンピュータを更に設定手段として機能させ、
前記設定手段は前記受付手段が受け付けた情報に基づいて前記所定の閾値を設定する、請求項6記載のプログラム。
【請求項11】
プログラムを実行することにより受付手段と、演算手段と、判定手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンターの各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付け、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けた各前記不動産安全率および各前記機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する、コンピュータ。
【請求項12】
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、演算手段と、判定手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、データセンターのスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々の前記スペックレベルの情報を受け付け、
前記演算手段は、前記記憶部に記憶されている情報によって前記受付手段が受け付けた各前記データセンターの前記スペックレベルから導かれる不動産安全率および機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する、コンピュータ。
【請求項13】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータは、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンターの各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付け、
前記コンピュータは、受け付けた各前記不動産安全率および各前記機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記コンピュータは、算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する、情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータは、データセンターのスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶部に予め記憶させておき、
前記コンピュータは、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々の前記スペックレベルの情報を受け付け、
前記コンピュータは、前記記憶部に記憶されている情報によって受け付けた各前記データセンターの前記スペックレベルから導かれる不動産安全率および機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記コンピュータは、算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバやネットワーク機器を保管するための専用の建物としてデータセンターが各地に設置されている。従来では、このようなデータセンターの安全性を高めるために、免振装置、発電機、無停電電源装置等の機器設備の安全性を高める取り組みが行われている。このようなデータセンター用の建物として、特許文献1には、用地が限られているような場合であっても、多数のユニットを安全に配置することを可能としたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-12407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、データセンターの安全性を高めるために免振装置、発電機、無停電電源装置等の機器設備の安全性を高めても、データセンターを構成するサーバ等のコンピュータの安全率が低い場合にはデータ保存システム全体としての安全率が高くならないという問題がある。このため、本件特許出願の発明者は、複数の互いに連携するデータセンターを組み合わせることによりデータ保存システム全体としての安全率を高くすることを発見した。ここで、複数の互いに連携するデータセンターを組み合わせたときのデータ保存システム全体としての安全率を検討するにあたり、機器設備の安全率以外の要素も重要となる。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、複数の互いに連携するデータセンターを組み合わせることにより構成されるデータ保存システムの安全性が十分であるか否かを判定することができるプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、演算手段と、判定手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンターの各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付け、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けた各前記不動産安全率および各前記機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムにおいては、
前記受付手段は、前記データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々のコンピュータ安全率の情報も受け付け、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けた各前記コンピュータ安全率も参照して設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出してもよい。
【0008】
本発明のプログラムは、
コンピュータを更に抽出手段として機能させ、
前記抽出手段は、前記受付手段が少なくとも前記不動産安全率および前記機器設備安全率の情報を受け付けた複数の前記データセンターのうち、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補を抽出してもよい。
【0009】
また、前記受付手段は、各前記データセンターの費用の情報も受け付け、
前記抽出手段は、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補の中から、各前記データセンターの費用に基づいて算出される前記データ保存システムの費用が所定の金額以下となる前記データセンターの組み合わせの候補を更に抽出してもよい。
【0010】
本発明のプログラムは、
コンピュータを更に設定手段として機能させ、
前記設定手段は前記受付手段が受け付けた情報に基づいて前記所定の閾値を設定してもよい。
【0011】
本発明のプログラムは、
コンピュータを記憶手段と、受付手段と、演算手段と、判定手段として機能させるプログラムであって、
前記記憶手段は、データセンターのスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々の前記スペックレベルの情報を受け付け、
前記演算手段は、前記記憶部に記憶されている情報によって前記受付手段が受け付けた各前記データセンターの前記スペックレベルから導かれる不動産安全率および機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムにおいては、
前記記憶手段は、前記データセンターのスペックレベル毎のコンピュータ安全率の情報も前記記憶部に記憶させ、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けたスペックレベルから導かれるコンピュータ安全率も参照して設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出してもよい。
【0013】
本発明のプログラムは、
コンピュータを更に抽出手段として機能させ、
前記抽出手段は、前記受付手段が少なくとも前記スペックレベルの情報を受け付けた複数の前記データセンターのうち、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補を抽出してもよい。
【0014】
また、前記受付手段は、各前記データセンターの費用の情報も受け付け、
前記抽出手段は、前記判定手段により前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部の前記データセンターの組み合わせの候補の中から、各前記データセンターの費用に基づいて算出される前記データ保存システムの費用が所定の金額以下となる前記データセンターの組み合わせの候補を更に抽出してもよい。
【0015】
本発明のプログラムは、
コンピュータを更に設定手段として機能させ、
前記設定手段は前記受付手段が受け付けた情報に基づいて前記所定の閾値を設定してもよい。
【0016】
本発明のコンピュータは、
プログラムを実行することにより受付手段と、演算手段と、判定手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンターの各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付け、
前記演算手段は、前記受付手段が受け付けた各前記不動産安全率および各前記機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【0017】
本発明のコンピュータは、
プログラムを実行することにより記憶手段と、受付手段と、演算手段と、判定手段として機能するコンピュータであって、
前記記憶手段は、データセンターのスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶部に予め記憶させておき、
前記受付手段は、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々の前記スペックレベルの情報を受け付け、
前記演算手段は、前記記憶部に記憶されている情報によって前記受付手段が受け付けた各前記データセンターの前記スペックレベルから導かれる不動産安全率および機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記判定手段は、前記演算手段により算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【0018】
本発明の情報処理方法は、
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータは、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンターの各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付け、
前記コンピュータは、受け付けた各前記不動産安全率および各前記機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記コンピュータは、算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【0019】
本発明の情報処理方法は、
コンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記コンピュータは、データセンターのスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶部に予め記憶させておき、
前記コンピュータは、データ保存システムを構成する設置されるべき複数の互いに連携する前記データセンターの各々の前記スペックレベルの情報を受け付け、
前記コンピュータは、前記記憶部に記憶されている情報によって受け付けた各前記データセンターの前記スペックレベルから導かれる不動産安全率および機器設備安全率に基づいて設置されるべき各前記データセンターの安全率を算出するとともに、算出された各前記データセンターの安全率に基づいて、前記データ保存システムの安全率を算出し、
前記コンピュータは、算出された前記データ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のプログラム、コンピュータおよび情報処理方法によれば、複数の互いに連携するデータセンターを組み合わせることにより構成されるデータ保存システムの安全性が十分であるか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態によるデータ保存システムの構成を概略的に示す図である。
図2図1に示すデータ保存システムを構成する各データセンターの構成を概略的に示す図である。
図3】本発明の実施の形態によるコンピュータ(サーバ)の構成を概略的に示す図である。
図4図3に示すコンピュータにおいてデータ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定するときの動作を示すフローチャートである。
図5】データセンターの安全率の算出式を示す図である。
図6】データ保存システムの安全率の算出式を示す図である。
図7図3に示すコンピュータにおいてデータ保存システムの安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定するときの他の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は、本実施の形態に係るコンピュータ10および当該コンピュータ10による情報処理方法を示す図である。
【0023】
まず、データ保存システム100およびこのデータ保存システム100を構成する複数のデータセンター110について図1および図2を用いて説明する。本実施の形態では、サーバやネットワーク機器を保管するためのデータセンター110が各地に設置されており、これらの複数のデータセンター110が組み合わせられることによりデータ保存システム100が構築されている。図1に示すように、各データセンター110に設置されるサーバは例えば光回線により互いに通信可能に接続されている。このようにして各データセンター110のサーバを相互接続させることにより仮想の大規模データセンター群としてデータ保存システム100が構築される。このようなデータ保存システム100によれば、あるデータセンター110のサーバにトラブルが生じた場合でも、他のデータセンター110のサーバに支障が生じていないときは、これらの他のデータセンター110のサーバに記憶される情報を用いてデータ保存システム100全体として問題なく運用を行うことができる。このようなデータ保存システム100の運用時に、複数のデータセンター110にデータを分散して保存してもよいし、同じデータを各データセンター110に保存することによりデータセンター110をバックアップとして使用してもよい。
【0024】
図2に示すように、データ保存システム100を構成するデータセンター110としてハイスペックおよびロースペックのものがある。ハイスペックなデータセンター110は、変電所や発電機等の複数の電源から電力の供給を受け、UPS(無停電電源装置)を含む電源供給経路も複数のものが並列に設けられ、各電源供給経路に分電盤が配置されている。このように、ハイスペックなデータセンター110では、複数の電源供給経路からサーバに電力が供給されるため、データセンター110の安全率(所定の期間の間にデータセンター110全体としてのトラブルが生じない確率)は高くなるが、設置費用やランニングコストが大きくなる。
【0025】
一方、ロースペックなデータセンター110は、変電所や電源車等の単一の電源から電力の供給を受け、UPS(無停電電源装置)を含む電源供給経路も単一であり、この単一の電源供給経路に分電盤が配置されている。このように、ロースペックなデータセンター110では、単一の電源供給経路からサーバに電力が供給されるため、データセンター110の安全率はハイスペックなデータセンター110と比較して小さくなるが、設置費用やランニングコストは安価となる。
【0026】
本実施の形態では、ハイスペックなデータセンター110のサーバ同士が相互に通信可能に接続されたり、ロースペックなデータセンター110のサーバ同士が相互に通信可能に接続されたり、ハイスペックなデータセンター110のサーバとロースペックなデータセンター110のサーバとが相互に通信可能に接続されたりすることにより、データ保存システム100が構築される。
【0027】
従来は、データセンター110の安全性を高めるために、免振装置、発電機、無停電電源装置等の機器設備の安全性を高める取り組みが行われていた。しかしながら、免振装置、発電機、無停電電源装置等の機器設備の安全性を高めても、データセンター110を構成するサーバ等のコンピュータの安全率(所定の期間の間にサーバ等のコンピュータが使用不可となる等のトラブルが生じない確率)が低い場合にはデータ保存システム100全体としての安全率(所定の期間の間にデータ保存システム100全体としてのトラブルが生じない確率)が高くならないという問題がある。このため、本件特許出願の発明者は、複数の互いに連携するデータセンター110を組み合わせることによりデータ保存システム100全体としての安全率を高くすることを発見した。
【0028】
本実施の形態によるコンピュータ10は、このような複数のデータセンター110から構成されるデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定するものである。
【0029】
本実施の形態によるコンピュータ10の構成について図3を用いて説明する。コンピュータ10は、制御部20と、表示部34と、操作部36と、記憶部40と、通信インターフェース42とを備えている。このようなコンピュータ10の各構成要素の詳細について以下に説明する。
【0030】
制御部20は、例えばCPU(中央演算処理装置)等であり、記憶部40に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段22、演算手段24、判定手段26、抽出手段28、設定手段30および記憶手段32として機能する。受付手段22は、外部装置(例えば、他のコンピュータ50)から様々な情報を受け付ける。本実施の形態では、受付手段22は、データ保存システム100を構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々の不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報を受け付ける。これらの不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の詳細については後述する。演算手段24は、受付手段22が受け付けた各不動産安全率、各機器設備安全率および各コンピュータ安全率に基づいて設置されるべき各データセンター110の安全率を算出するとともに、算出された各データセンター110の安全率に基づいて、データ保存システム100の安全率を算出する。判定手段26は、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する。抽出手段28は、受付手段22が不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報を受け付けた複数のデータセンター110のうち、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補を抽出する。設定手段30は受付手段22が外部から受け付けた情報に基づいて所定の閾値を設定する。記憶手段32は、データセンター110のスペックレベル毎の不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報等を記憶部40に予め記憶させる。これらの受付手段22、演算手段24、判定手段26、抽出手段28、設定手段30および記憶手段32の機能の詳細については後述する。
【0031】
なお、制御部20により実行されるプログラムは記憶部40に記憶されたものであることに限定されることはない。制御部20により実行されるプログラムとして、外部装置から通信インターフェース42を介して制御部20に送信されるものや、コンピュータ10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、コンピュータ10とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0032】
表示部34は、例えばモニタ等から構成され、制御部20から表示指示信号が送られることにより様々な情報を表示するようになっている。操作部36は例えばキーボードやマウス等から構成され、操作者は操作部36により様々な情報を制御部20に入力することができるようになっている。また、本実施の形態では、表示部34および操作部36が一体化されたものとしてタッチパネル等が用いられるようになっていてもよい。記憶部40は例えばHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成され、様々な情報が記憶部40に記憶されるようになっている。
【0033】
通信インターフェース42は、制御部20を外部装置(例えば、他のコンピュータ50)と通信可能に接続するものである。制御部20は通信インターフェース42を介して外部装置(例えば、他のコンピュータ50)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0034】
次に、このようなコンピュータ10による情報処理方法について図4乃至図6を用いて説明する。図4は、図3に示すコンピュータ10においてデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定するときの動作を示すフローチャートである。また、図5は、データセンター110の安全率の算出式を示す図であり、図6は、データ保存システム100の安全率の算出式を示す図である。
【0035】
まず、データ保存システム100を構成する、設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々の不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率が制御部20に入力される。ここで、図5に示すように、不動産安全率とは、所定の期間の間にデータセンター110が設置される不動産が自然災害等により損壊(一部損壊を含む)する等のトラブルが生じない確率である。不動産安全率は、例えば柱の安全率(所定の期間の間にデータセンター110が設置される建物の柱が自然災害等により損壊(一部損壊を含む)する等のトラブルが生じない確率)および梁の安全率(所定の期間の間にデータセンター110が設置される建物の梁が自然災害等により損壊(一部損壊を含む)する等のトラブルが生じない確率)を掛け合わせることにより算出される。なお、不動産安全率の算出方法はこのような態様に限定されることはない。また、機器設備安全率とは、所定の期間の間にデータセンター110を構成する機器設備が使用不可になる等のトラブルが生じない確率である。機器設備安全率は、例えば免震装置の安全率(所定の期間の間にデータセンター110の免震装置が使用不可になる等のトラブルが生じない確率)、発電機の安全率(所定の期間の間にデータセンター110の全ての発電機が使用不可になる等のトラブルが生じない確率)、およびUPS(無停電電源装置)の安全率(所定の期間の間にデータセンター110の全ての無停電電源装置が使用不可になる等のトラブルが生じない確率)を掛け合わせることにより算出される。なお、機器設備安全率の算出方法はこのような態様に限定されることはない。また、コンピュータ安全率とは、所定の期間の間にデータセンター110のコンピュータ(具体的には、サーバや通信機器等)が使用不可になる等のトラブルが生じない確率である。具体的には、コンピュータ安全率は、所定の期間の間にデータセンター110のサーバや通信機器等が使用不可になる等のトラブルが生じない確率(サーバ安全率)である。なお、コンピュータ安全率の算出方法はこのような態様に限定されることはない。
【0036】
このような不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報は、他のコンピュータ50から通信インターフェース42を介して制御部20に送信されたり、操作部36によってユーザにより制御部20に入力されたりすることにより、受付手段22が受け付けるようになる(図4のSTEP1)。
【0037】
演算手段24は、受付手段22が受け付けた各データセンター110の不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報に基づいて、各データセンター110の安全率を算出する(図4のSTEP2)。具体的には、図5に示す式のように、データ保存システム100を構成するために設置されるべき各々のデータセンター110について不動産安全率と、機器設備安全率と、コンピュータ安全率とを掛けることにより各データセンター110の安全率が算出される。なお、各データセンター110の安全率の算出方法はこのような態様に限定されることはなく、他の様々な算出方法が用いられてもよい。
【0038】
次に、演算手段24は、算出された各データセンター110の安全率に基づいて、データ保存システム100の安全率を算出する(図4のSTEP3)。具体的には、図6に示す式のように、例えば第1データセンター110から第nデータセンター110までのn個のデータセンター110を設置したい場合は、1から各データセンター110の安全率を減算した値を掛け合わせ、これらの掛け合わせられた値を更に1から減算することによりデータ保存システム100の安全率が算出される。なお、データ保存システム100の安全率の算出方法はこのような態様に限定されることはなく、他の様々な算出方法が用いられてもよい。上述したように、あるデータセンター110のサーバにトラブルが生じた場合でも、他のデータセンター110のサーバに支障が生じていないときは、これらの他のデータセンター110のサーバに記憶される情報を用いてデータ保存システム100全体として問題なく運用を行うことができるため、データ保存システム100を構成するデータセンター110の数が増えるとデータ保存システム100の安全率もより大きくなる。
【0039】
次に、判定手段26は、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する(図4のSTEP4)。ここで、所定の閾値は、受付手段22が受け付けた情報に基づいて設定手段30により設定されるようになっている。具体的には、他のコンピュータ50から通信インターフェース42を介して制御部20に所定の閾値の情報が送信されたり、操作部36によってユーザにより制御部20に所定の閾値が入力されたりすることにより、受付手段22が所定の閾値を受け付けるようになる。
【0040】
その後、判定手段26による判定情報が制御部20から出力され、出力された情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりする(図4のSTEP6)。ここで、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上である場合には、不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報がそれぞれ入力された複数のデータセンター110からデータ保存システム100を構築したときの安全性が十分に保たれている旨のメッセージ等の情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりする。一方、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が所定の閾値よりも小さい場合には、不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報がそれぞれ入力された複数のデータセンター110からデータ保存システム100を構築したときの安全性が十分ではない旨のメッセージ等の情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりする。
【0041】
このように、判定手段26による判定情報が制御部20から出力されることにより、新規にデータ保存システム100を構築する場合にどのスペックのデータセンター110をいくつ設置すればデータ保存システム100の安全性を十分に確保するかを演算することができる。また、既に複数のデータセンター110から構築されるデータ保存システム100が存在する場合に、データセンター110を増やした場合にデータ保存システム100の安全率がどれくらい向上するか、またデータセンター110を減らした場合でもデータ保存システム100の安全性を十分に確保できるか否かを演算することができる。
【0042】
また、本実施の形態のコンピュータ10によれば、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にすることができるかを演算することができるようになっている。具体的には、制御部20の演算手段24により、複数のデータセンター110の候補についてあらゆるデータセンター110の組み合わせについてのデータ保存システム100の安全率を算出する。また、判定手段26は、あらゆるデータセンター110の組み合わせについてのデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する。そして、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補を抽出する(STEP5)。その後、抽出手段28による抽出情報が制御部20から出力され、出力された情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりする(STEP6)。このことにより、コンピュータ10の表示部34を見たユーザや、他のコンピュータ50を操作するユーザは、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にすることができるかを認識することができるようになる。
【0043】
また、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、各データセンター110の費用が分かっている場合は、制御部20に各データセンター110の費用も入力する。このことにより、受付手段22は、各データセンター110の費用の情報を受け付ける。この場合、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補の中から、各データセンター110の費用に基づいて算出されるデータ保存システム100の費用が所定の金額以下となるデータセンター110の組み合わせの候補を更に抽出してもよい。この場合には、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にするとともに費用を所定の金額以下とすることができるかをユーザが認識することができるようになる。また、更に別の態様として、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補の中から、各データセンター110の費用に基づいて算出されるデータ保存システム100の費用が最も安くなるデータセンター110の組み合わせの候補を更に抽出してもよい。
【0044】
なお、データセンター110の安全率を算出する方法として、制御部20の受付手段22が受け付けた不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率を掛ける態様について述べたが、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。データセンター110の種類にかかわらず、データセンター110のコンピュータ安全率(具体的には、サーバや通信機器等の安全率)が略同一である場合がある。この場合は、コンピュータ10の記憶部40にコンピュータ安全率が予め記憶されており、演算手段24は、受付手段22が受け付けた不動産安全率、機器設備安全率および記憶部40に記憶されているコンピュータ安全率を掛けることによりデータセンター110の安全率を算出してもよい。更に他の態様として、演算手段24は、コンピュータ安全率を使用せずに、制御部20の受付手段22が受け付けた不動産安全率および機器設備安全率を掛けることによりデータセンター110の安全率を算出してもよい。
【0045】
以上のような構成からなる本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法によれば、プログラムは、コンピュータ10の制御部20を受付手段22と、演算手段24と、判定手段26として機能させる。また、受付手段22は、データ保存システム100を構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付ける。また、演算手段24は、受付手段22が受け付けた各不動産安全率および各機器設備安全率に基づいて設置されるべき各データセンター110の安全率を算出するとともに、算出された各データセンター110の安全率に基づいて、データ保存システム100の安全率を算出する。また、判定手段26は、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する。このことにより、複数の互いに連携するデータセンター110を組み合わせることにより構成されるデータ保存システム100の安全性が十分であるか否かを判定することができる。
【0046】
より詳細に説明すると、従来は、データセンター110の安全性を高めるために免振装置、発電機、無停電電源装置等の機器設備の安全性を高めても、データセンター110を構成するサーバ等のコンピュータの安全率が低い場合にはデータ保存システム100全体としての安全率が高くならないという問題があった。これに対し、本実施の形態では、複数の互いに連携するデータセンター110を組み合わせることによりデータ保存システム100を構築し、この際のデータ保存システム100の安全性が十分であるか否かを判定することにより、安全性の高いデータ保存システム100を実際に構築することができる。
【0047】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、受付手段22は、データ保存システム100を構成する設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々のコンピュータ安全率の情報も受け付ける。また、演算手段24は、受付手段22が受け付けた各コンピュータ安全率も参照して設置されるべき各データセンター110の安全率を算出する。この場合は、各データセンター110の安全率をより精度良く算出することができる。
【0048】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、プログラムは、コンピュータ10(具体的には、制御部20)を更に抽出手段28として機能させ、抽出手段28は、受付手段22が少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付けた複数のデータセンター110のうち、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補を抽出する。この場合は、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にすることができるかをユーザが認識することができるようになる。
【0049】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、受付手段22は、各データセンター110の費用の情報も受け付け、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補の中から、各データセンター110の費用に基づいて算出されるデータ保存システム100の費用が所定の金額以下となるデータセンター110の組み合わせの候補を更に抽出する。この場合は、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にするとともに費用を所定の金額以下とすることができるかをユーザが認識することができるようになる。
【0050】
また、本実施の形態のプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においては、上述したように、プログラムは、コンピュータ10(具体的には、制御部20)を更に設定手段30として機能させ、設定手段30は受付手段22が受け付けた情報に基づいて所定の閾値を設定する。この場合は、データ保存システム100の安全性の基準となる閾値をユーザが設定することができるようになる。
【0051】
なお、本実施の形態によるプログラム、コンピュータ10および情報処理方法等は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0052】
例えば、データ保存システム100の安全率を算出するにあたり、データ保存システム100を構成する、設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々の不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率が制御部20に入力されるのではなく、設置されるべき各データセンター110のスペックレベルの情報が制御部20に入力されるようになっていてもよい。このような態様について図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0053】
変形例に係るプログラム、コンピュータ10および情報処理方法では、記憶手段32は、データセンター110のスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報(具体的には、スペックレベル毎の不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率の情報)を記憶部40に予め記憶させておく。例えば、図2に示すハイスペックなデータセンター110の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報およびロースペックなデータセンター110の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を記憶手段32は記憶部40に予め記憶させておく。この際に、ハイスペックなデータセンター110とロースペックなデータセンター110とでコンピュータ安全率として同じ値が記憶手段32によって記憶部40に記憶されてもよいし、異なる値が記憶手段32によって記憶部40に記憶されてもよい。
【0054】
そして、変形例に係るプログラム、コンピュータ10および情報処理方法においてデータ保存システム100の安全率を算出するにあたり、データ保存システム100を構成する、設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々のスペックレベルの情報が制御部20に入力される。具体的には、各データセンター110のスペックレベルの情報は、他のコンピュータ50から通信インターフェース42を介して制御部20に送信されたり、操作部36によってユーザにより制御部20に入力されたりすることにより、受付手段22が受け付けるようになる(図7のSTEP11)。
【0055】
演算手段24は、受付手段22が受け付けた各データセンター110のスペックレベルの情報から、記憶部40に記憶されているスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報に基づいて、少なくとも各データセンター110の不動産安全率および機器設備安全率(具体的には、不動産安全率、機器設備安全率およびコンピュータ安全率)を導き出し、この導き出された情報に基づいて、各データセンター110の安全率を算出する(図7のSTEP12)。各データセンター110の安全率の算出方法については既に述べたので(図5参照)説明を省略する。次に、演算手段24は、算出された各データセンター110の安全率に基づいて、データ保存システム100の安全率を算出する(図7のSTEP13)。データ保存システム100の安全率の算出方法については既に述べたので(図6参照)説明を省略する。そして、判定手段26は、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する(図7のSTEP14)。その後、判定手段26による判定情報が制御部20から出力され、出力された情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりする(図7のSTEP16)。このことにより、設置されるべき各データセンター110のスペックレベルを制御部20に入力するだけで、これらのデータセンター110を組み合わせることにより構成されるデータ保存システム100の安全性が十分であるか否かを判定することができる。
【0056】
また、変形例に係るコンピュータ10でも、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にすることができるかを演算することができるようになっている。具体的には、制御部20の演算手段24により、複数のデータセンター110の候補についてあらゆるデータセンター110の組み合わせについてのデータ保存システム100の安全率を算出する。また、判定手段26は、あらゆるデータセンター110の組み合わせについてのデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であるか否かを判定する。そして、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補を抽出する(図7のSTEP15)。その後、抽出手段28による抽出情報が制御部20から出力され、出力された情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりする(図7のSTEP16)。このことにより、コンピュータ10の表示部34を見たユーザや、他のコンピュータ50を操作するユーザは、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、ハイスペックなデータセンター110およびロースペックなデータセンター110を含む複数のデータセンター110の候補がある場合に、どのデータセンター110を組み合わせればデータ保存システム100の安全率を所定の閾値以上にすることができるかを認識することができるようになる。また、更に別の態様として、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補の中から、各データセンター110の費用に基づいて算出されるデータ保存システム100の費用が最も安くなるデータセンター110の組み合わせの候補を更に抽出してもよい。
【0057】
また、新規にデータ保存システム100を構築するにあたり、複数のデータセンター110の候補がある場合に、各データセンター110の費用が分かっている場合は、制御部20に各データセンター110の費用も入力してもよい。このときに、上述した方法と同様の方法により、抽出手段28は、判定手段26によりデータ保存システム100の安全率が所定の閾値以上であると判定される一部または全部のデータセンター110の組み合わせの候補の中から、各データセンター110の費用に基づいて算出されるデータ保存システム100の費用が所定の金額以下となるデータセンター110の組み合わせの候補を更に抽出する。更に他の態様として、記憶手段32は、データセンター110のスペックレベル毎の費用を記憶部40に予め記憶させておいてもよい。この場合は、データ保存システム100の安全率を算出するにあたり、このデータ保存システム100を構築するデータセンター110のスペックレベル毎の費用を制御部20に入力しなくても、記憶部40に記憶されているデータセンター110のスペックレベル毎の費用に基づいて、抽出手段28は各データセンター110の費用に基づいて算出されるデータ保存システム100の費用が所定の金額以下となるデータセンター110の組み合わせの候補を抽出することができる。
【0058】
また、更に別の態様として、記憶手段32はデータセンター110のスペックレベル毎の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報等をコンピュータ10の記憶部40に記憶させるのではなく、コンピュータ10とは別に設けられた外部装置(例えば、クラウドサーバ)や、コンピュータ10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶させてもよい。この場合、コンピュータ10とは別に設けられた外部装置や、コンピュータ10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体が、記憶手段32により様々な情報が記憶される記憶部として機能するようになる。
【0059】
また、更に他の態様として、受付手段22は、データ保存システム100を構成する、設置されるべき複数の互いに連携するデータセンター110の各々の少なくとも不動産安全率および機器設備安全率の情報を受け付けるのではなく、各データセンター110について不動産安全率または機器設備安全率のいずれか一方のみを受け付けてもよい。この場合、演算手段24は、受付手段22が受け付けた各データセンター110の不動産安全率または機器設備安全率に基づいて、設置されるべき各データセンター110の安全率を算出するとともに、算出された各データセンター110の安全率に基づいて、データ保存システム100の安全率を算出してもよい。
【0060】
また、制御部20がプログラムを実行しても判定手段26としては機能せず、演算手段24により算出されたデータ保存システム100の安全率が制御部20から出力され、この出力されたデータ保存システム100の安全率の情報が表示部34に表示されたり通信インターフェース42を介して他のコンピュータ50に送信されたりしてもよい。この場合でも、算出されたデータ保存システム100の安全率に基づいて、複数の互いに連携するデータセンター110を組み合わせることにより構成されるデータ保存システム100の安全性が十分であるか否かをユーザが認識することができる。
【0061】
また、ハイスペックなデータセンター110およびロースペックなデータセンター110は、それぞれ、図2に示す構成のものに限定されることはない。ハイスペックなデータセンター110およびロースペックなデータセンター110として、図2に示す構成以外の構成のものが用いられてもよい。また、データセンター110のスペックのレベルはハイスペックなデータセンター110およびロースペックなデータセンター110の2つのレベルに限定されることはない。データセンター110のスペックのレベルとして3つ以上のレベルが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 コンピュータ
20 制御部
22 受付手段
24 演算手段
26 判定手段
28 抽出手段
30 設定手段
32 記憶手段
34 表示部
36 操作部
40 記憶部
42 通信インターフェース
50 コンピュータ
100 データ保存システム
110 データセンター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7