(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032053
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】植物保護資材
(51)【国際特許分類】
A01G 13/00 20060101AFI20240305BHJP
E01C 5/22 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A01G13/00 D
E01C5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135486
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AC12
2D051AF03
2D051AG03
2D051AG11
2D051DA14
2D051DA16
2D051DB04
(57)【要約】
【課題】 人の安全な歩行及び車両の円滑な走行が可能でかつ植物を保護育成できる植物保護資材を提供する。
【解決手段】 複数の支柱及びストッパが平面方向に配列された下ブロックと、複数の開口及び縁部が平面方向に配列された上ブロックを有し、前記支柱と前記開口の位置を合わせて前記下ブロック上に前記上ブロックが配置され、前記縁部が弾性変形部材を有し、前記上ブロックへの荷重により前記開口が前記支柱に対して上下動可能である、地表配置型の植物保護資材とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の支柱及びストッパが平面方向に配列された下ブロックと、
複数の開口及び縁部が平面方向に配列された上ブロックを有し、
前記支柱と前記開口の位置を合わせて前記下ブロック上に前記上ブロックが配置され、
前記縁部が弾性変形部材を有し、前記上ブロックへの荷重により前記開口が前記支柱に対して上下動可能である、地表配置型の植物保護資材。
【請求項2】
前記ストッパが前記支柱の周囲に位置し、前記縁部が前記開口の周囲に位置する、請求項1に記載の植物保護資材。
【請求項3】
前記支柱が車圧によって実質的に変形しない剛性材料で形成され、前記縁部が人の踏圧で変型する弾性変形部材を有する、請求項1又は2に記載の植物保護資材。
【請求項4】
前記下ブロックと前記上ブロックの離脱及び/又は位置ずれ防止のための下フックおよび上フックを更に有し、前記下フックおよび上フックが相互に係合するための張り出しを有する、請求項1に記載の植物保護資材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を保護する植物保護資材に関する。
【背景技術】
【0002】
芝生やその他の植物を育成させた区画は、植物保護のために立ち入り禁止の場合が多い。近年では人や車両の踏圧から植物を保護するための踏圧部を設け、その間の透孔部で植物を植生する植物保護資材が知られている。さらに車両の重量(踏圧/車圧)を支持する支柱を有する下ブロックの上に平坦な上ブロックを設置し、人の足と上部枠との接触部の面積を大きくし踏圧部からの反力を軽減するなど様々な植物保護資材が知られている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-145137号公報
【特許文献2】特開平4-075541号公報
【特許文献3】特開平5-056724号公報
【特許文献4】特公平6-002012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献4の植物保護資材は車両のタイヤ等を支持するために支柱が上ブロックの表面と概略同じ高さであり、車圧を受けるうちに上ブロックが沈んで支柱が表面に突起する場合があり、歩行困難や転倒の危険といった問題が生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願には、
複数の支柱及びストッパが平面方向に配列された下ブロックと、
複数の開口及び縁部が平面方向に配列された上ブロックを有し、
前記支柱と前記開口の位置を合わせて前記下ブロック上に前記上ブロックが配置され、
前記縁部が弾性変形部材を有し、前記上ブロックへの荷重により前記開口が前記支柱に対して上下動可能である、地表配置型の植物保護資材が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の1実施形態の下ブロック20と上ブロック30を示す。
【
図2】下ブロック20と上ブロック30の配置を示す。
【
図4】他の実施形態における支柱21及び開口31付近の説明図。
【
図5】他の実施形態におけるフック23.33付近の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
植物保護資材10は、下ブロック20と上ブロック30を有する。
図1は、本発明の1実施形態の下ブロック20と上ブロック30を示す。下ブロック20及び上ブロック30は、例えば、プラスチックやコンクリートで形成できる。下ブロック20は複数の支柱21及びストッパ22を有し、上ブロック30は複数の開口31及び縁部32を有する。支柱21及び開口31は、図のように平面方向に(又はマトリクス状に)配列するとよい。支柱21及び開口31は、支柱21が開口31に挿入又は挿通可能な位置及びサイズを有するとよい。ストッパ22は支柱21の周囲に位置し、縁部32は開口31の周囲に位置するのがよい。支柱21とストッパ22及び/又は開口31と縁部32は相互に位置固定されているとよく、特に、一体に形成されているとよい。
【0008】
図2は植物保護資材10の配置(又は、設置方法)を示す。地面、砕石等の表面11の上に下ブロック20が配置され、その上に支柱21と開口31の位置を合わせて上ブロック30が配置される。このとき、
図3に示すように、上ブロック30は縁部32とストッパ22が当接するところで停止し、下ブロック20と上ブロック30の間に植物(又は土砂と植物)等を収容可能な空間Cが形成される。
【0009】
支柱21等の各部材のサイズや高さ位置は、無荷重のときに、支柱21の上端S1が上ブロック30の表面S2より低くなるように設定される(
図3(b))。
【0010】
支柱21及びストッパ22(及び下ブロック20)は、硬質プラスチックやコンクリートなど、高剛性の材料、及び/又は、応力による変形の小さい(弾性率の高い)材料で形成するとよい。縁部32の全部又は一部はゴム等の弾性変形部材32aとするとよい。弾性変形部材32aは縁部32の下端(ストッパ22と接触する部分)に設けるとよい。弾性変形部材32aは、支柱21及びストッパ22よりも弾性率が低く(すなわち、応力に対する変型が大きい)、及び/又は、弾性変型域が大きい材料で形成することが好ましい。
【0011】
上記植物保護資材10では、人の踏圧等の低荷重では支柱21の上端が上ブロック30の上端から突出しないので表面S2の平坦性が確保されて人が安全及び/又は容易に歩行できる。その一方で、車圧等の重荷重が掛かると弾性変形部材32aの変形で支柱上面S1が表面S2に接近(又は表面S2から突出)してタイヤ12等に接触/支持できるため車両がグリップを確保し、及び/又は、円滑に走行できる。しかも、踏圧/車圧から芝生等の植物を保護し育成することが可能であり、植物が生き生きとする。
【0012】
下ブロック20と上ブロック30は、平面方向の位置固定/外れ防止のための留具(例えば、雌雄のフック23,33)を有するとよい。軽量化のため、適宜箇所に開口24,34を有するとよい(
図1)。
【0013】
植物保護資材10は駐車場/公園/競技場等で使用できる。
【0014】
上記実施形態では縁部32の全部又は一部のみを弾性変形部材32aとしたが、上ブロック30の全体を弾性変形材料で形成してもよい。弾性変形部材32aに代えて、
図4のようにタイヤ12等の重荷重により屈曲し(
図4(b))、重荷重の除去により回復する(
図4(a))屈曲部材32bを使用してもよく、又は、バネを使用してもよい。
図5のように離脱又は平面方向の位置ずれの防止のためにフック23に張り出し23aを設け、フック33に受け部33aを設けてもよい。
【0015】
上記実施形態に記載した植物保護資材やその要素の寸法、形状、配置、個数、材料等は例示であり、他の態様も可能である。図に好ましい寸法を示したが、単なる例であり、変更可能である。
【符号の説明】
【0016】
10・・・植物保護資材
11・・・表面
12・・・タイヤ
20・・・下ブロック
21・・・支柱
21a・・・張り出し
22・・・ストッパ
23,33・・・フック
23a,33a・・・張り出し
24,34・・・開口
30・・・上ブロック
31・・・開口
32・・・縁部
32a・・・弾性変形部材
32b・・・屈曲部材
32c・・・受け部
S1・・・上端
S2・・・表面