IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社原清の特許一覧

<>
  • 特開-線香残滓清掃具 図1
  • 特開-線香残滓清掃具 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032061
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】線香残滓清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/00 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A47G33/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135498
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】523211095
【氏名又は名称】株式会社原清
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】原 武理
(57)【要約】
【課題】より簡便に香炉内の線香の残滓の清掃を行うことを可能とする線香残滓清掃具を提供することである。
【解決手段】線香残滓清掃具10は、天井側に開口部を含む円筒状を有する容器本体部12と、容器本体部12の開口部に装着可能であり、香炉の残滓を含む灰を収容し灰のみを容器本体部12内に篩い落とすための網目状の篩部16と、底面側に開口部を含む円筒状を有し、容器本体部12に篩部16が装着された上から容器本体部12の開口部を閉塞するための蓋部14と、磁石の吸着力を用いて容器本体部12と篩部16とを接触させることが可能な着脱機構と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井側に開口部を含む円筒状を有する容器本体部と、
前記容器本体部の前記開口部に装着可能であり、香炉の残滓を含む灰を収容し灰のみを前記容器本体部内に篩い落とすための網目状の篩部と、
底面側に開口部を含む円筒状を有し、前記容器本体部に前記篩部が装着された上から前記容器本体部の前記開口部を閉塞するための蓋部と、
磁石の吸着力を用いて前記容器本体部と前記篩部とを接触させることが可能な着脱機構と、
を備えることを特徴とする線香残滓清掃具。
【請求項2】
請求項1に記載の線香残滓清掃具において、
前記篩部は、前記容器本体部の天井側の上端部に係止するための突出部を有する笊であり、
前記突出部は、永久磁石を有しており、
前記容器本体部の前記上端部は、前記永久磁石に吸着される材料を含んで構成されることを特徴とする線香残滓清掃具。
【請求項3】
請求項2に記載の線香残滓清掃具において、
前記篩部は、前記突出部に重なるように倒伏可能であり、かつ、起立可能な取っ手部を有することを特徴とする線香残滓清掃具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線香残滓清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、線香立てとして使用する香炉内の線香の残滓の清掃に手間がかかっている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、把っ手の中に電源電池の格納部を設け、把っ手の上面の先端寄りの位置にスイッチを設け、筒箕の底面には網を設け、パイプ柄の先端が筒箕の外壁面の開口縁近くの任意の位置で結合され、結合部の下に筒箕に接地する形で振動モーターを取り付け、振動モーターは、把っ手に内蔵された電源電池からパイプ柄の中を通る配線によって接続していることを特徴とするお線香立て灰電動式クリーナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-18621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
香炉内の線香の残滓の清掃を簡便にするために、特許文献1のような電動式クリーナーが開発されているが、電動式の場合、電力源が必要となり、構造も複雑である。
【0005】
本発明の目的は、より簡便に香炉内の線香の残滓の清掃を行うことを可能とする線香残滓清掃具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る線香残滓清掃具は、天井側に開口部を含む円筒状を有する容器本体部と、 前記容器本体部の前記開口部に装着可能であり、香炉の残滓を含む灰を収容し灰のみを前記容器本体部内に篩い落とすための網目状の篩部と、底面側に開口部を含む円筒状を有し、前記容器本体部に前記篩部が装着された上から前記容器本体部の前記開口部を閉塞するための蓋部と、磁石の吸着力を用いて前記容器本体部と前記篩部とを接触させることが可能な着脱機構と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る線香残滓清掃具において、前記篩部は、前記容器本体部の天井側の上端部に係止するための突出部を有する笊であり、前記突出部は、永久磁石を有しており、前記容器本体部の前記上端部は、前記永久磁石に吸着される材料を含んで構成されることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る線香残滓清掃具において、前記篩部は、前記突出部に重なるように倒伏可能であり、かつ、起立可能な取っ手部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より簡便に香炉内の線香の残滓の清掃を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態の線香残滓清掃具を示す図である。
図2】本発明に係る実施形態の線香残滓清掃具において、容器本体部に篩部を装着した様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態の線香残滓清掃具10を示す図である。図1(a)は、線香残滓清掃具10において容器本体部12に蓋部14を装着している様子を示す図であり、図1(b)は、線香残滓清掃具10において容器本体部12から蓋部14を取り外している様子を示す図である。
【0013】
図2は、本発明に係る実施形態の線香残滓清掃具10において、容器本体部12に篩部16を装着した様子を示す図である。
【0014】
線香残滓清掃具10は、線香立てとして使用する香炉内の線香の残滓の清掃を簡単に行い得る器具である。線香残滓清掃具10は、容器本体部12と、蓋部14と、篩部16とを備えている。
【0015】
容器本体部12は、略凸形状を有しており、蓋部14は、略凹形状(逆方向の略凹形状)を有しており、これらを合わせることで茶筒のような容器を形成することが出来る。
【0016】
香炉は、線香を焚くために使う器のことで、仏壇にお祀りする仏具の中でも最も大切なもののひとつである。宗派や地域の風習によって使用する香炉に違いがあり、用途も若干の違いがある。香炉の材質は陶磁器や金属製、漆器などを用いることが出来る。
【0017】
仏壇用の香炉にはさまざまな種類があるが、前香炉と土香炉が一般的である。前香炉は、マッチ消しや線香立、経本、ロウソク消しなどと一緒に経机に置き、中に香炉灰を敷き詰めて線香を立てるために使用される。主に、浄土真宗以外の宗派で使われる。3本足のものは、1本の足の方を手前に向けて置く。
【0018】
土香炉は主に浄土真宗で使われる、いわゆる青磁の香炉が一般的である。浄土真宗で使われる香炉には、青磁製の土香炉と金属製の金香炉がある。土香炉は主に一般家庭、金香炉は寺院などで使われる。
【0019】
香炉を使う場合、そのままでは線香が刺さらないため、香炉灰が必要である。珪藻土(けいそうど)や珪砂(けいさ)、藁(わら)などの灰を香炉に入れ、そこに線香を立てて使用する。
【0020】
また、前香炉の場合は、中に香炉灰を敷き詰めて線香を立てる。香炉に灰を入れることによって安定するため、線香が倒れたり、風で燃えカスが散ってしまったりするのを防ぐことが可能である。
【0021】
容器本体部12は、天井側に開口部12cを含む円筒状を有する。容器本体部12の上端部12Tは、永久磁石に吸着される材料を含んで構成される。容器本体部12は、所定の直径Rを有する部分12aと、所定の直径Rよりも若干小さな直径rを有し蓋部14に収納される部分12bとを有する。これにより、断面形状が略凸形状となる。
【0022】
容器本体部12のサイズは、例えば、直径を7cmとし高さを11cmとすることができるが、適宜変更可能である。容器本体部12の材質は、ステンレス、ブリキ、木などで構成することが出来るが、もちろん、その他の材質を用いてもよい。
【0023】
蓋部14は、底面側に開口部14aを含む円筒状を有し、容器本体部12に篩部16が装着された上から容器本体部12の開口部12cを閉塞する蓋として機能する。蓋部14の断面形状は、略凹形状となる。図1(b)に示される例では、底面側を天井側に向けておいているため、開口部14aが露出している。
【0024】
蓋部14のサイズは、例えば、直径を7cmとし高さを4cmとすることができるが、適宜変更可能である。容器本体部12の材質は、ステンレス、ブリキ、木などで構成することが出来るが、もちろん、その他の材質を用いてもよい。
【0025】
篩部16は、容器本体部12の開口部12cに装着可能であり、香炉の残滓を含む灰を収容し灰のみを容器本体部12内に篩い落とすための網目状の部材である。
【0026】
篩部16は、容器本体部12の天井側の上端部12Tに係止するための突出部16aを有する笊である。篩部16は、紛粒状の固体混合物(香炉灰)から、その粒径やその他の物理的性質によって、特定の固体(線香の燃えカスなどの残滓)を選別する。
【0027】
篩部16のサイズは、直径を7cmとし、下方に向けて先細りとなるように窄む略円錐形状を有する。篩部16は、例えば、ステンレスなどで構成するものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0028】
篩部16は、突出部16aに重なるように倒伏可能であり、かつ、起立可能な取っ手部16bを有する。取っ手部16bは、円の中心を通った直径方向の両端で連結され、倒伏した際に突出部16aの半分(半円)に重なるように設けられている。この倒伏状態から、図1(b)に示されるように、起立させることで篩部16を持ち運ぶことが出来る。
【0029】
突出部16aは、永久磁石を含んで構成されている。これにより、磁石の吸着力を用いて容器本体部12と篩部16とを接触させることが出来る。永久磁石は、外部から磁場や電流の供給を受けることなく磁石としての性質を比較的長期にわたって保持し続ける物体のことであり、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石などを用いることが出来る。
【0030】
続いて、上記構成の線香残滓清掃具10の作用について説明する。仏壇の前には香炉を設置して線香をあげているが、長期間使用していると線香の燃えカスなどの残滓が香炉内に溜まるため、掃除が必要となる。
【0031】
従来は、香炉の中から灰をすくい出し、線香の燃えカスなどの残滓を取り除いて、灰を香炉内に戻していたが、手間が多く、周囲が灰で汚れてしまうなどの課題があった。このような課題に対して、本発明に係る実施形態の線香残滓清掃具10は顕著な効果を発揮する。
【0032】
仏壇に線香をあげて長期間経過すると、線香の残滓を清掃する必要がある。この際、線香残滓清掃具10を準備し、容器本体部12から蓋部14を取り外すと、図2に示されるように、容器本体部12の上端部12Tに装着された篩部16が露出する。
【0033】
そして、香炉内の線香の残滓を含んだ灰を篩部16に入れて、再び、容器本体部12に蓋部14を装着して、図1(a)のような状態とする。この状態で、線香残滓清掃具10を振ると、篩部16により、香炉灰のみが容器本体部12内に篩い落とされて、線香の燃えカスなどの残滓が篩部16に捕獲される。
【0034】
次いで、再び、蓋部14を取り外し、篩部16の取っ手部16bを起立させて、容器本体部12から取り外してゴミ箱などに残滓を捨てる。そして、容器本体部12に蓄積された香炉灰を香炉内に戻すことで清掃が完了する。このように、線香残滓清掃具10によれば、線香残滓清掃具10を振るだけで香炉灰と残滓とを分離することができるため、簡便に清掃することが出来るという顕著な効果を奏する。
【0035】
また、線香残滓清掃具10によれば容器本体部12と蓋部14が磁力によって吸着されており、線香残滓清掃具10を振るだけで外れることがないため、より好適に香炉灰と残滓とを分離することができるという利点がある。
【符号の説明】
【0036】
10 線香残滓清掃具、12 容器本体部、12a 部分、12b 部分、12c 開口部、12T 上端部、14 蓋部、14a 開口部、16 篩部、16a 突出部、16b 取っ手部。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井側に開口部を含む円筒状を有する容器本体部と、
前記容器本体部の前記開口部に装着可能であり、香炉の残滓を含む灰を収容し灰のみを前記容器本体部内に篩い落とすための網目状の篩部と、
底面側に開口部を含む円筒状を有し、前記容器本体部に前記篩部が装着された上から前記容器本体部の前記開口部を閉塞するための蓋部と、
磁石の吸着力を用いて前記容器本体部と前記篩部とを接触させることが可能な着脱機構と、
を備え
前記篩部は、前記容器本体部の天井側の上端部に係止するための突出部を有する笊であり、
前記突出部は、永久磁石を含む円環形状を有する部材であり、
前記容器本体部の前記上端部は、前記永久磁石に吸着される材料を含んで構成されて円環形状を有する部材であることを特徴とする線香残滓清掃具。
【請求項2】
請求項に記載の線香残滓清掃具において、
前記篩部は、前記突出部に重なるように倒伏可能であり、かつ、起立可能な取っ手部を有することを特徴とする線香残滓清掃具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る線香残滓清掃具は、天井側に開口部を含む円筒状を有する容器本体部と、 前記容器本体部の前記開口部に装着可能であり、香炉の残滓を含む灰を収容し灰のみを前記容器本体部内に篩い落とすための網目状の篩部と、底面側に開口部を含む円筒状を有し、前記容器本体部に前記篩部が装着された上から前記容器本体部の前記開口部を閉塞するための蓋部と、磁石の吸着力を用いて前記容器本体部と前記篩部とを接触させることが可能な着脱機構と、を備え、前記篩部は、前記容器本体部の天井側の上端部に係止するための突出部を有する笊であり、前記突出部は、永久磁石を含む円環形状を有する部材であり、前記容器本体部の前記上端部は、前記永久磁石に吸着される材料を含んで構成されて円環形状を有する部材であることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】