(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032063
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】投影装置用ケース
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240305BHJP
G03B 21/16 20060101ALI20240305BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240305BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20240305BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G03B21/14 E
G03B21/16
G09F9/00 304B
G09F9/00 351
H05K5/03 H
H04N5/74 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135500
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 航平
【テーマコード(参考)】
2K203
4E360
5C058
5G435
【Fターム(参考)】
2K203FA82
2K203FB04
2K203FB05
2K203FB06
2K203KA02
2K203KA07
2K203KA09
2K203KA93
2K203LA12
2K203LA23
2K203LA24
2K203LA26
2K203LA27
2K203LA29
2K203LA53
2K203MA12
2K203MA18
2K203MA23
4E360AB34
4E360BA04
4E360BA08
4E360BD03
4E360GA22
4E360GA46
4E360GB01
5C058BA35
5C058EA02
5G435AA11
5G435AA12
5G435BB17
5G435DD04
5G435DD06
5G435GG44
5G435LL15
5G435LL19
(57)【要約】
【課題】設置場所の制限を緩和して、投影方向変更の制限を緩和した投影装置用ケースを提供する。
【解決手段】投影装置100を収納可能な投影装置用ケース10は、吸排気孔40及び吸排気孔40の外周に設けられる複数の被取付孔40aが形成されたケース20と、ケース20に対して複数の向きで取り付け可能であって、吸排気孔40に接続する接続開口81、接続開口81と連通する外部開口84及び接続開口81の外周に設けられる複数の取付孔82が形成されたダクトカバーと、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影装置を収納可能な投影装置用ケースであって、
吸排気孔及び前記吸排気孔の外周に設けられる複数の被取付孔が形成されたケースと、
前記ケースに対して、複数の向きで取り付け可能であって、前記吸排気孔に接続する接続開口、前記接続開口と連通する外部開口、及び前記接続開口の外周に設けられる複数の取付孔が形成されたダクトカバーと、を備える、
投影装置用ケース。
【請求項2】
前記被取付孔及び前記取付孔は、夫々、正多角形の頂点に位置するように設けられる、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項3】
前記被取付孔は円弧状の長孔である、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項4】
前記ダクトカバーは、前記外部開口の軸心が前記接続開口の軸心と直交するように形成された第1ダクトカバー、前記外部開口の軸心が前記接続開口の軸心と平行に位置するように形成された第2ダクトカバー、または前記外部開口の軸心が前記接続開口の軸心と同心に位置するように形成された第3ダクトカバーのいずれかである、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項5】
前記被取付孔及び前記取付孔に挿通して前記ダクトカバーを前記ケースに固定する固定部材をさらに備える、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項6】
前記ケースは、投影光出射口と、前記投影光出射口と前記投影装置の投影口とを接続する接続部材を有し、
前記投影光出射口及び前記投影口と前記接続部材との間には、防塵部材が設けられる、
請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項7】
前記ケースは、前記投影装置が配置される台座を有し、
前記台座は、前記ケースの内面と空間を空けて前記投影装置を固定する、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項8】
前記吸排気孔に設けられたファンと、
前記ファンの外周に設けられた内部ダクトと、をさらに備え、
前記内部ダクトは、前記ファンの下側から前記ケースの底板の上面に向かって下るよう傾斜する傾斜板を備えている、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項9】
前記吸排気孔は、前記投影装置の吸気口または排気口の位置に対応して設けられている、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影装置用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、投影装置を屋外で設置するための投影装置用ケースが提供されている。例えば、特許文献1には、排気口部や吸気口部に雨水等の液体が進入するのを抑制するための進入抑制カバーが排気口部や吸気口部に設けられた投影装置用ケースが開示されている。投影装置用ケースには、投影装置が取付ステーを介して縦置きで取り付けられている。投影装置用ケースは、パン方向回転部により支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の投影装置用ケースでは、投影装置と取付ステーとの接続や、パン方向回転部を調整することで、所定範囲で投影方向を変更することができる。しかしながら、投影装置用ケースの本体に対するパン方向回転部や進入抑制カバーの取付方向が固定的であるため、床投影や水平方向への投影等、投影装置用ケースの設置場所を変更した投影方向の変更には制限がある。
【0005】
本発明は、設置場所の制限を緩和して、投影方向変更の制限を緩和した投影装置用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る投影装置用ケースは、投影装置を収納可能な投影装置用ケースであって、吸排気孔及び前記吸排気孔の外周に設けられる複数の被取付孔が形成されたケースと、前記ケースに対して、複数の向きで取り付け可能であって、前記吸排気孔に接続する接続開口、前記接続開口と連通する外部開口、及び前記接続開口の外周に設けられる複数の取付孔が形成されたダクトカバーと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、設置の制限を緩和して、投影方向変更の制限を緩和した投影装置用ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースを前方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースを後方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースの底面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースのケース蓋を開けた状態の上面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースと、投影装置、ACアダプタを分解して示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースの
図3のVI-VI断面図であり、A側及びB側から見た接続部材の斜視図を囲み図で示している。
【
図7】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースのダクトカバーをケース本体から分離して示す分解斜視図であり、C側から見たダクトカバーを囲み図で示している。
【
図8】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースの
図3のVIII-VIII断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースの内部ダクトをケース本体の内側から見た斜視図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースを天吊り状態で設置した場合を示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースを床面投影するよう設置した場合を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースを天井投影するよう設置した場合を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースを水平方向に縦画面投影するよう設置した場合を示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る投影装置用ケースにおける、被取付孔及び取付孔の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1、
図2は、投影装置用ケース10を平置きして、水平方向に投影するよう設置した状態の投影装置用ケース10である。投影装置用ケース10には、投影装置100が収納されている(
図4、
図5も参照)。投影装置用ケース10は、略直方体形状のケース20と、ケース20に固定される複数のダクトカバー80とを備えている。ケース20は、ケース本体30と、ケース蓋31とを備える。
【0010】
ケース本体30は、略長矩形状の底板30a(
図3参照)と、底板30aの前後、左右の縁から立設する側板30bとを有し、底板30aの反対側が開口領域30c(
図4参照)とされている。ケース本体30の側板30bには、投影装置100の投影口110に対応して投影光を出射する投影光出射口11が設けられている。
【0011】
なお、以下の説明においては、投影装置用ケース10(投影装置100)における上下とは、投影装置用ケース10のケース本体30の開口領域30c側(投影装置100の上側)を上として、投影装置用ケース10のケース本体30の底板30a側(投影装置100の下側)を下とし、投影装置用ケース10(投影装置100)における左右とは、投影光出射口11(投影口110)からの投影方向を向いたときの左側を左、右側を右とし、前後とは投影装置用ケース10(投影装置100)の投影光の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0012】
図1及び
図2に示すように、ケース本体30の側板30bは、前側板30b1、左側板30b2、右側板30b3、後側板30b4を含む。
図4及び
図5に示すように、側板30bは、上端が開口領域30c側に90度に折り曲げられて、上面視略長矩形枠状の枠面30dが設けられている。そして、ケース本体30は、枠面30dから垂直に立設する、上面視略長矩形枠状の開口枠30eを備える。ここで、開口領域30cは、開口枠30eにより画成されている。開口枠30eの上端は、外側に90度折り曲げられて、上面視略長矩形枠状の枠状面30e1が設けられている。
【0013】
図6に示すように、ケース本体30の前側板30b1に設けられる投影光出射口11は、前側板30b1の内側からガラス板11aが、縁部に接着剤が塗布される等して固定されている。ガラス板11aの後側には、枠形のブロック状の接続部材32が設けられている(
図4も参照)。接続部材32は、投影装置100の投影口110と接続する。
【0014】
接続部材32は、
図6の囲み図にも示すように、略矩形の板状のベース板32bの後面から後方に突出する略箱状の接続部32a1を備えている。接続部32a1は、ベース板32bの後面では凸状に後方に突出し、対応するベース板32bの前面側は凹状とされることで、接続部32a1の前側には空間32a2が設けられる。接続部32a1には、投影装置100の投影口110が臨まれる矩形の開口32aが設けられている。
【0015】
本実施形態においては、
図5及び
図6に示すように、投影装置100には、ズーム・フォーカスをリモコン操作で調整するZF調整装置150が設けられている。そして、ZF調整装置150を投影装置100に取り付けるための略枠状のZF固定装置151が、投影口110が露出するように投影口110周りに取り付けられている。ZF固定装置151は、ZF固定装置151の略枠状に開口する部分から投影口110が臨まれる。そして、ZF固定装置151の前面は、接続部材32の接続部32a1の後面と接続している。なお、
図6の断面図は、投影装置用ケース10のみ断面で示し、投影装置100(ZF調整装置150)は側面を示している。
【0016】
図6及び
図6の囲み
図Bに示すように、接続部材32の後面には、上側が開放された略矩形環状の壁部32a3が設けられ、取付けの際、ZF固定装置151がガイドされる。接続部材32における接続部32a1の後面とZF固定装置151の前面は、開口32aから投影口110が臨まれるように接続している。接続部32a1の後面は、網掛けにて示す矩形枠状のクッション32c1を介してZF固定装置151の前面と接続している。クッション32c1は、接続部32a1とZF固定装置151とで圧接されている。同様に、
図6及び
図6の囲み
図Aに示すように、接続部材32の空間32a2の周りのベース板32bの前面は、網掛けにて示す矩形枠状のクッション32c2を介してガラス板11aの後面と接続している。クッション32c2は、空間32a2周りのベース板32bの前面とガラス板11aの後面とで圧接されている。
【0017】
従って、空間32a2は、クッション32c2により、投影光出射口11とガラス板11aが接続する部分からの粉塵の進入が低減されている。更に、空間32a2は、クッション32c1により、投影装置用ケース10内からの粉塵や雨水の進入が低減されている。すなわち、クッション32c1,32c2は、投影光出射口11及び投影口110と接続部材32との間に設けられる防塵部材とされている。結果として、接続部32a1により、投影装置用ケース10内から投影口110への粉塵や雨水の進入を低減することができる。
【0018】
また、
図6及び
図6の囲み
図Aに示すように、接続部材32に対応するケース本体30の部位(前側板30b1、底板30a、枠面30d、開口枠30e)と接続部材32との間には、網掛けにて示すクッション32c3が圧接されて設けられている。クッション32c3は、ベース板32bの左右の前面に沿って上下方向に2本延び、当該2本の間を下側で左右方向に延びる部分で接続するようにして設けられている。詳細には、クッション32c3は、上下方向に2本延びる部位における、前側板30b1、枠面30d及び開口枠30eに対応する部位がクランク形状とされ、底板30aに対応する部位は後方に延びるように延設されて接続されている。
【0019】
防塵部材とされるクッション32c3により、投影装置用ケース10内から投影口110への粉塵や雨水の進入を、より低減することができる。なお、後述するベース板32bの上端面32dとケース蓋31のクッション31eとの圧接も、ガラス板11aの外周からの粉塵や雨水の進入低減に寄与している。また、上述した接続部材32は、投影装置100にZF調整装置150及びZF固定装置151が設けられていない実施形態にも適用することができる。この場合、上述の実施形態と同様に、接続部32a1の後面を、クッション32c1を介して投影装置100の前面(より具体的には、投影装置100の前面における投影口110の周囲)と接続することにより、投影口110への粉塵や雨水の進入を低減することができる。この場合、接続部材32は、壁部32a3を有さない。
【0020】
また、
図1に示すように、前側板30b1の投影光出射口11の右側には、投影装置100をリモコン操作するための赤外線が透過されるよう透明なアクリル板等を備えて開口する赤外線透過領域12が設けられている。赤外線透過領域12と、赤外線透過領域12に設けられるアクリル板等の間も、適宜防塵処理や雨水進入を規制する処理が施されている。
【0021】
また、
図7に示すように、前側板30b1の赤外線透過領域12の右側には、吸排気孔40としての前吸排気孔41が設けられている。ここで、吸排気孔40は、ケース20(ケース本体30)の内外を連通するようケース本体30に貫通する開口孔とされている。前吸排気孔41は、略八角形状とされている。前吸排気孔41の外周には、吸排気孔40の複数の被取付孔40aとしての、複数である4つの被取付孔41aが設けられている。4つの被取付孔41aは、正四角形の頂点に位置するように配置されている。換言すれば、4つの被取付孔41aは、夫々、前吸排気孔41の軸心41CL(前吸排気孔41が開口する開口面と直交する軸心41CL)から所定の配置寸法Lで設けられている。そして、被取付孔41aには、雌ねじが設けられている。具体的には、各被取付孔41aに対応する前側板30b1の後面に、ナット部材(不図示)が固定されている。
【0022】
前吸排気孔41に対応する前側板30b1の後面(内側面)には、ファン55が設けられている。ファン55は排気用の軸流ファンとされ、投影装置用ケース10の内部から、前吸排気孔41を介して外部に送風するよう設置されている。
図8及び
図9に示すように、ファン55の外周には、内部ダクト50が設けられている。内部ダクト50は、上側の上内部ダクト51と、下側の下内部ダクト52が組み合わされて一体的に設けられている。なお、上内部ダクト51と下内部ダクト52は、一体の一部品としての内部ダクト50としてもよい。
【0023】
上内部ダクト51は、ファン55の下側部分を除く外周から後方に延びる略筒状の筒状部51aを備える。筒状部51aは、投影装置100の上面及び右側面に近接して設けられている(
図4も参照)。筒状部51aの左側には、板面を前後方向に向けて上下方向に長い長矩形状の前板部51bが設けられている。前板部51bは、投影装置100の前面に近接して設けられている。なお、ファン55の下側部分は、下内部ダクト52の平板52dが配置されている。ファン55は、筒状部51aと平板52dにより、外周を囲まれている。
【0024】
下内部ダクト52は、ファン55の下側の平板52dからケース本体30の底板30aの上面に後側に向かって下るよう傾斜する傾斜板52aを備える。傾斜板52aの突端は、底板30aの上面に当接している。傾斜板52aの左側には、上内部ダクト51の前板部51bと板面が連続するように前板部52bが設けられている。上内部ダクト51及び下内部ダクト52は、左右の側面からフランジ状に突出する固定板51c,52cが設けられている。固定板51c,52cは、ケース本体30の底板30aに固定して設けられる固定用スペーサ6の雌ねじに螺合するビス7により共締めして固定されている。
【0025】
図2に示すように、側板30bの後側板30b4には、左右方向の略中央右寄りに、赤外線透過領域13が設けられている。赤外線透過領域13は、前側板30b1における赤外線透過領域12と同様の構成とされている。
【0026】
図7に示すように、後側板30b4の赤外線透過領域13の左右には、夫々、吸排気孔40である左後吸排気孔42及び右後吸排気孔43が設けられている。左後吸排気孔42及び右後吸排気孔43は、共に略正四角形状に設けられている。左後吸排気孔42及び右後吸排気孔43には、夫々、外周に、吸排気孔40の複数の被取付孔40aとしての、複数である4つの被取付孔42a,43aが設けられている。被取付孔42a,43aは、前吸排気孔41の被取付孔41aと同様に設けられている。すなわち、4つの被取付孔42a,43aは、夫々、正四角形の頂点に位置するように、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43の軸心から所定の配置寸法Lで設けられ、ナット部材が設けられる等して雌ねじが設けられている。
【0027】
図2に示すように、右側板30b3には、アイボルト14が設けられている。また、右側板30b3には、ケース蓋31のロック用のフック31cと係合してケース蓋31をロックするためのロック装置15が設けられている。
【0028】
また、
図1に示すように、左側板30b2には、画像データ等のデータを投影装置100に送信するための接続ケーブル17や、AC電源ケーブル18が、投影装置用ケース10の内外に挿通されている。各ケーブル(接続ケーブル17、AC電源ケーブル18)は、隣接して左側板30b2の後方側に設けられている。各ケーブル(接続ケーブル17、AC電源ケーブル18)は、左側板30b2との接続部にケーブルクランプ17a,18aが設けられ、各ケーブルが挿通される箇所からの投影装置用ケース10内部への粉塵や雨水の進入が低減されている。
【0029】
左側板30b2には、各ケーブル(接続ケーブル17、AC電源ケーブル18)の前側に、吸排気孔40としての左吸排気孔44が設けられている。左吸排気孔44は、略正四角形状に設けられている。左吸排気孔44は、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43と同形状(同寸法)で設けられている。左吸排気孔44は、夫々、外周に、吸排気孔40の複数の被取付孔40aとしての、複数である4つの被取付孔44aが設けられている。被取付孔44aは、前吸排気孔41の被取付孔41a(及び被取付孔42a,43a)と同様に設けられている。すなわち、4つの被取付孔44aは、夫々、正四角形の頂点に位置するように、左吸排気孔44の軸心から所定の配置寸法Lで設けられ、ナット部材が設けられる等して雌ねじが設けられている。
【0030】
図4及び
図5に示すように、投影装置100には、前述の通りZF調整装置150が設けられ、上面側にZF調整装置150用の回路基板が収納される基板ケース152が設けられている。ケース20は、台座160を有し、投影装置100は、台座160を介して投影装置用ケース10に固定されている。
図5に示すように、台座160は、ケース本体30の底板30aと平行な前後方向に長い板状の2つの台座固定板161と、各台座固定板161から立設する縦板162と、2つの縦板162を接続し、底板30aと平行な投影装置載置板163とを含む。
【0031】
台座160は、各台座固定板161が、
図8に示すように、底板30aに固定される固定用スペーサ6の上面に載置され、各台座固定板161のねじ孔に挿通されるビス7が各固定用スペーサ6の雌ねじに螺合することで固定されている(
図4も参照)。ここで、台座160の投影装置載置板163は、台座固定板161よりも上方に位置すると共に、各台座固定板161は、固定用スペーサ6上に載置される。従って、ケース本体30の底板30aの上面と、投影装置載置板163の下面との間には、空間165が設けられ、台座160は、ケース20の内面と空間165を空けて投影装置100を固定する。
【0032】
空間165には、投影装置100の電源ジャック101に接続されるACアダプタ120が配置されている。なお、投影装置載置板163には、略U字状の切欠きから下方に90度折り曲げられてなる規制板163aが複数設けられる(
図5も参照)。複数の規制板163aにより、ACアダプタ120が保持されている。また、台座160の投影装置載置板163には、その前後に、リモコン(不図示)からの赤外線を受光する受光センサ167が設けられている(
図2、
図4参照)。
【0033】
図4に示すように、左側(左側板30b2)から投影装置用ケース10の内部に引き込まれた接続ケーブル17は、投影装置100の左側面の接続端子に接続される。同様に、投影装置用ケース10の内部に引き込まれたAC電源ケーブル18は、投影装置用ケース10の内部における右側(投影装置100の右側)に引き込まれて、三叉18bが接続される。三叉18bを介して、配線は図示していないが、ACアダプタ120やZF調整装置150(基板ケース152に収納される基板の電源回路)に電源が接続される。なお、投影装置用ケース10内に引き込まれたAC電源ケーブル18の三叉18bの右側には、パンチングメタル等からなる電磁シールド19が設けられている。
【0034】
ケース本体30の左側の枠面30dには、2つのヒンジ36が、回転軸を前後方向に向けて設けられている。ケース蓋31は、2つのヒンジ36を介してケース本体30と接続している。ケース蓋31は、閉じた状態においてケース本体30の開口領域30cと対向する左右方向に長い長矩形状の蓋面板31aと、蓋面板31aの縁からケース本体30に向けて90度折り曲げられた蓋縁31bとを備える。前述のフック31cは、右側の蓋縁31bの外側面に設けられている。また、ヒンジ36は、一方はケース蓋31の蓋縁31bの内面に固定され、他方はケース本体30の枠面30dに固定されている。
【0035】
図4及び
図5に示すように、ケース蓋31の蓋面板31aの内側面には、縁に沿って、略長矩形枠状のクッション31d(防塵部材)が設けられている。また、ケース本体30の接続部材32(上端面32d)に対応する蓋面板31aの内側には、クッション31e(防塵部材)が設けられている。
図6、
図8に示すように、クッション31dは、ケース蓋31が閉じられた状態において、枠状面30e1と圧接する。同様に、クッション31eは、ケース蓋31が閉じられた状態において、前側に90度折り曲げられた接続部材32のベース板32bの上端面32dと圧接する。クッション31eにより、接続部材32に設けられる他のクッション(クッション32c2,32c3)と共に、ガラス板11a外周からの粉塵の進入が低減されている。
【0036】
吸排気孔40(前吸排気孔41、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43、左吸排気孔44)には、夫々、ダクトカバー80(ダクトカバー80A)が設けられている(
図1~
図3及び
図7参照)。各吸排気孔40に設けられるダクトカバー80A(第1ダクトカバー)は、同じ構造とされている。
図7において、ダクトカバー80をC側から見た囲み図に示すように、ダクトカバー80Aは、吸排気孔40と接続する接続開口81を有する。接続開口81は、吸排気孔40を含む大きさ(換言すれば、吸排気孔40の面積よりも大きい面積の開口)とされている。
【0037】
接続開口81の外周には、複数の取付孔82が設けられている。具体的には、複数である4つの取付孔82は、接続開口81の外周に矩形枠状に設けられるフランジ81aに、正四角形の頂点に位置するように上下左右に夫々配置されている。複数の取付孔82は、夫々、接続開口81の軸心81CL(接続開口81が開口する開口面と直交する軸心81CL)から所定の配置寸法Lで設けられている。
【0038】
接続開口81は、ダクト83を介して外部開口84と連通する。外部開口84は、ダクト83の外側の端部において略矩形形状に開口する。なお、本実施形態においては、外部開口84には、粉塵の進入を低減するためのフィルタ85が設けられている。外部開口84は、外部開口84の軸心84CL(外部開口84が開口する開口面と直交する軸心84CL)が接続開口81の軸心81CLと直交するよう配置されている。
【0039】
ダクトカバー80Aは、取付孔82と被取付孔40aとを合わせて、ケース本体30(ケース20)に取り付けられている。具体的には、取付孔82には、ビス8(ねじ部材)が挿通されて、被取付孔40aに設けられるナット部材(雌ねじ、不図示)と螺合して、ダクトカバー80Aが取り付けられる。すなわち、ビス8と、ナット部材は、ダクトカバー80をケース20に固定する固定部材とされている。
【0040】
ダクトカバー80Aのフランジ81aと、ケース本体30の被取付孔40aが設けられている面との間には、矩形枠状のクッション86が設けられている。
図7では、前吸排気孔41とダクトカバー80Aとの間に設けられるクッション86を例として示している。フランジ81aと、被取付孔41a(被取付孔40a)が設けられている面(前側板30b1の前面)とでクッション86が挟持されることにより、ケース本体30(投影装置用ケース10)は、吸排気孔40周りからの粉塵の進入が低減されている。
【0041】
前述の通り、吸排気孔40のうち、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43、左吸排気孔44は、略正四角形状の開口とされ、前吸排気孔41は略八角形状とされている。そして、ダクトカバー80Aの接続開口81は、略正四角形状であり、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43、左吸排気孔44及び前吸排気孔41を含む大きさに設けられている。
【0042】
ダクトカバー80Aの複数の取付孔82は、夫々、接続開口81の軸心81CLから所定の配置寸法Lの位置に設けられている。一方、被取付孔40a(被取付孔41a,42a,43a,44a)は、吸排気孔40(前吸排気孔41、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43、左吸排気孔44)の軸心40CL(吸排気孔40が開口する開口面と直交する軸心40CL)から所定の配置寸法Lの位置に設けられている。
【0043】
すなわち、ダクトカバー80Aは、取付孔82が被取付孔40a(被取付孔41a,42a,43a,44a)に合わせて取り付けられることで、接続開口81の軸心81CLと吸排気孔40(前吸排気孔41、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43、左吸排気孔44)の軸心40CLが略同心に配置される。
【0044】
従って、ダクトカバー80Aは、何れの吸排気孔40に取り付けることができると共に、吸排気孔40の軸心40CL(軸心40CLと同心とされる接続開口81の軸心81CL)周りに90度ずつ回転して取り付けることができる。換言すれば、ダクトカバー80Aは、ケース20に対して、複数の向きで取り付け可能である。
【0045】
本実施形態においては、ダクトカバー80Aは、軸心84CLが接続開口81の軸心81CLと直交する外部開口84がケース本体30の底板30a側に位置するようにケース本体30に取り付けられている。ここで、
図3に示すように、底板30aの外側面は、設置面30a1とされている。設置面30a1には、雌ねじを備えて円筒状に設けられる設置部材30fが複数(4個)設けられている(
図8も参照)。投影装置用ケース10は、設置面30a1を下側にして、平置き状態で設置して固定される。
【0046】
また、投影装置用ケース10は、設置面30a1及び設置面30a1と反対側の面に設けられるケース蓋31が大きい面とされ、4つの側面(側板30b)が小さい面とされている。そして、吸排気孔40は、側面(側板30b)のみに設けられている。換言すれば、設置面30a1は、吸排気孔40が設けられる面と異なる面に設けられている。従って、ダクトカバー80Aを小型とすることができ、よって投影装置用ケース10も小型とすることができる。
【0047】
また、
図4に示すように、投影装置100は、後面パネルの吸気口121(矢印IP1,IP2)、左側面パネルの前側に設けられる吸気孔122(矢印IP3)及び前面パネルの略中央部分の吸気孔123(矢印IP4)から吸気が行われ、前面パネルの右側部分の排気口124から排気(矢印EP1)が行われる。吸排気孔42,43は投影装置100の吸気孔121に対応して、吸排気孔44は、投影装置100の吸気口122の位置に対応して(投影装置100を投影装置用ケース10内に収納した状態における投影装置100の吸気口121,122の近傍に)設けられており、前吸排気孔41は、投影装置100の排気口124の位置に対応して(投影装置100の排気口124の近傍に)設けられている。従って、投影装置用ケース10は、投影装置100の吸排気の能力により、吸排気孔40のうち、左後吸排気孔42(矢印IE2)、右後吸排気孔43(矢印IE3)、左吸排気孔44(矢印IE4)から外部空気が吸気され、前吸排気孔41(矢印IE1)から外部に排気される。このような構成により、投影装置100が投影装置用ケース10に収納されている状態でも、効率よく投影装置100の吸排気を行うことができる。
【0048】
また、
図8の矢印で示すように、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43から吸気された空気(冷却風)は、投影装置100の内部に取り込まれるものの他、一部は投影装置100の上側や、投影装置100の下側(空間165)に流れていく。
【0049】
投影装置100の上側に流れた冷却風は、ZF調整装置150の基板ケース152を冷却する。投影装置100の上側に流れて基板ケース152を冷却した冷却風は、投影装置100の前側略中央部の吸気口から投影装置100の内部に取り込まれる(
図4の矢印IP4)。
【0050】
投影装置100の下側に流れた冷却風は、空間165に配置されているACアダプタ120を冷却する。投影装置100の下側に流れてACアダプタ120を冷却した空気は、内部ダクト50(下内部ダクト52)の傾斜板52aにより、ファン55に案内されて排気される(
図4の矢印IE1)。
【0051】
ここで、ファン55の周りは内部ダクト50により囲まれており、投影装置100の前面右側からの排気口に対応して内部ダクト50によりファン55に空気が流れるように設けられているので、ファン55と投影装置100との間での逆流等の損失が低減されている。
【0052】
本実施形態のように、投影装置用ケース10の吸排気孔40は、投影装置100の吸気口や排気口に対応して設けると好適である。なお、ファン55は、投影装置100の排気口からの排気能力(投影装置100の排気ファンの能力)に合わせて、投影装置100の排気ファンと同等能力のファン55とすることが好適である。投影装置100の吸排気の能力によっては、吸排気孔40(本実施形態においては、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43又は左吸排気孔44)に吸気目的のファンを設けても良い。
【0053】
また、ダクトカバー80(ダクトカバー80A)のフィルタ85は、求められる防塵性能に合わせて設けたり、省略したりすることができる。例えば、本実施形態のように、投影装置100の防塵性能以上の防塵性能が投影装置用ケース10に必要であれば、ダクトカバー80にフィルタ85が設けられる。なお、防塵性能の観点では、排気口となる前吸排気孔41のダクトカバー80Aにはフィルタ85を設けなくても良いが、屋外に設置される投影装置用ケース10においては、排気口となる前吸排気孔41のダクトカバー80Aにもフィルタ85を設けておくことで、投影装置用ケース10の内部への粉塵の進入を更に低減することができる。また、フィルタ85の外側に虫や埃などの進入を防ぐための金網などの網を設けても良い。このような網を設けることにより、フィルタの外れ防止や、雨水などの水や粉塵の侵入を更に低減することができる。
【0054】
図1~
図9の投影装置用ケース10は、前述の通り、平置き状態で設置されるので、ダクトカバー80Aの外部開口84が地上側を向くようダクトカバー80Aが配置される。換言すれば、外部開口84の軸心84CLは、設置面30a1に直交する。(すなわち、外部開口84は、設置面30a1と対向するように配置されている。)よって、投影装置用ケース10を屋外に設置した場合でも、雨水や粉塵が上から降ってきても、直接に外部開口84に当たってしまうことが低減されている。
【0055】
一方で、投影装置用ケース10は、
図10に示すように、設置面30a1を天井に取り付けて、天吊り状態、すなわち、ケース蓋31を地上側に配置して設置することもできる。このとき、ダクトカバー80Aは、
図1~
図9の平置き状態から、接続開口81の軸心81CL周りに180度回転して取り付けることで、外部開口84がケース蓋31側に向けて配置される。この場合も、上から降ってくる雨や粉塵が直接に外部開口84に当たってしまうことが低減される。
【0056】
また、投影装置用ケース10は、
図11に示すように、地上面に垂直な壁面等に取付て床面(地上面)に投影するよう投影光出射口11を床面側に向けて(前側板30b1を下側に向けて)配置することもできる。このとき、吸排気孔40のうち、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43には、夫々ダクトカバー80B(第2ダクトカバー)を設け、前吸排気孔41にはダクトカバー80C(第3ダクトカバー)が設けられる。
【0057】
ダクトカバー80Bは、
図11の上側の囲み図に示すように、接続開口81の軸心81CL(接続開口81が開口する開口面と直交する軸心81CL)と、外部開口84の軸心84CL(外部開口84が開口する開口面と直交する軸心84CL)が平行とされている。その他、フランジ81aの取付孔82、接続開口81と外部開口84を連通するダクト83、フィルタ85は、ダクトカバー80A(第1ダクトカバー)と同様に設けられている。ダクトカバー80Bの複数の取付孔82は、夫々、接続開口81の軸心81CLから所定の配置寸法Lの位置に設けられている。換言すれば、ダクトカバー80Bは、ケース20に対して、複数の向きで取り付け可能である。ダクトカバー80Bの外部開口84は、設置面30a1側に配置されている。
【0058】
また、
図11の下側の囲み図に示すように、ダクトカバー80Cは、接続開口81の軸心81CL(接続開口81が開口する開口面と直交する軸心81CL)と、外部開口84の軸心84CL(外部開口84が開口する開口面と直交する軸心84CL)が同心とされている(換言すれば、軸心81CLと、軸心84CLとは、重なっている)。ダクトカバー80Cにおいても、フランジ81aの取付孔82、接続開口81と外部開口84を連通するダクト83は、ダクトカバー80Aと同様に設けられている。ダクトカバー80Cの複数の取付孔82は、夫々、接続開口81の軸心81CLから所定の配置寸法Lの位置に設けられている。換言すれば、ダクトカバー80Cは、ケース20に対して、複数の向きで取り付け可能である。
【0059】
なお、左吸排気孔44には、ダクトカバー80Aが設けられ、当該ダクトカバー80Aは、外部開口84が床面(投影面)を向くように接続開口81の軸心81CL周りに回転して取り付けることで、外部開口84を投影光出射口11と同方向に向けて配置されている。
【0060】
更に、投影装置用ケース10は、
図12に示すように、設置面30a1を地上面に垂直な壁面等に設置して、天井に投影するように、前側板30b1を天井側に配置して設置することができる。この場合には、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43には、ダクトカバー80Cを設け、前吸排気孔41にはダクトカバー80Bが設けられている。図示しないが、左吸排気孔44には、ダクトカバー80Aが設けられている。ダクトカバー80Aは、外部開口84が投影光出射口11と反対側に向けて配置されている。
【0061】
そして更に、投影装置用ケース10は、
図13に示すように、設置面30a1を地上面に垂直な壁面等に取付て、投影が縦画面となるように(左右方向よりも上下方向が長い投影画像を投影するように)、右側板30b3が下側に配置されるよう設置することもできる。この場合には、前吸排気孔41、左後吸排気孔42、右後吸排気孔43には、ダクトカバー80Aが設けられる。これらのダクトカバー80Aは、下側に外部開口84が向けられて配置される。また、左吸排気孔44には、ダクトカバー80Bが設けられている。ダクトカバー80Bは、外部開口84が設置面30a1側に配置され、外部開口84が下側に向いて配置される。
【0062】
このように、投影装置用ケース10は、吸排気孔40に、ダクトカバー80(ダクトカバー80A,80B,80C)を適宜選択し、又は、接続開口81の軸心81CL(軸心40CL)周りに回転してケース20に取り付けることにより、種々の設置状態としても、外部開口84を地上面側に向けてダクトカバー80を配置することができる。
【0063】
吸排気孔40の外周に設けられる複数の被取付孔40aは、吸排気孔40の軸心40CL(すなわち、吸排気孔40と同心に配置される、吸排気孔40に接続されるダクトカバー80の接続開口81の軸心81CL)から所定の配置寸法Lで設けられていれば、上述の実施形態に限定されることはなく、種々の形態を採用することができる。
【0064】
例えば、
図14に示す変形例のように、円形の吸排気孔40の外周に、複数の略円弧状の長孔とされる被取付孔40aを設け、各被取付孔40aは、軸心40CLから所定の配置寸法Lで配置することもできる。本実施形態では、被取付孔40aは円弧状の長孔である。換言すれば、各被取付孔40aは、軸心40CLを中心とする同一円周上に配置されている。ダクトカバー80は、吸排気孔40を含む大きさの円形の接続開口81が設けられる。接続開口81の外周のフランジ81aには、丸孔とされる複数の取付孔82が設けられている。各取付孔82は、接続開口81の軸心81CLから所定の配置寸法Lで設けられている。
【0065】
ダクトカバー80は、被取付孔40aと取付孔82にボルトを挿通させて、当該ボルトの反対側からナットを螺合させることで吸排気孔40に固定することができる。このとき、軸心40CLと軸心81CLは同心に配置される。
図14の構成においては、ダクトカバー80は、軸心40CL(軸心81CL)周りに、被取付孔40aの円弧状の長さ分だけ回転させて配置させることができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態によれば、投影装置用ケース10は、投影装置100を収納可能な投影装置用ケース10であって、吸排気孔40及び吸排気孔40の外周に設けられる複数の被取付孔40aが形成されたケース20と、ケース20に対して、複数の向きで取り付け可能であって、吸排気孔40と接続する接続開口81、接続開口81と連通する外部開口84、及び接続開口81の外周に設けられる複数の取付孔82が形成されたダクトカバーと、を備える。
【0067】
これにより、ダクトカバー80は、投影装置用ケース10の設置状態に応じて外部開口84の向きを外部開口84の軸心84CL周りに回転する等してケース20に取り付けることができるので、平置き状態や天吊り状態、天井投影や床面投影等、種々の状態で投影装置用ケース10を屋外でも設置することができる。よって、設置の制限を緩和して、投影方向変更の制限を緩和した投影装置用ケースを提供することができる。
【0068】
また、被取付孔40a及び取付孔82は、夫々、正四角形の頂点に位置するよう4つ設けられる。これにより、ダクトカバー80を軸心81CL(軸心40CL)周りに90度ずつ回転してケース20に取り付けることができる。なお、本実施形態においては、被取付孔40a及び取付孔82は、正四角形の頂点に位置するように設けたが、この他、正三角形、正六角形や正八角形等の正多角形の頂点に位置するように設けることもできる。
【0069】
また、被取付孔40aは、円弧状の長孔とされる。これにより、長孔とされる被取付孔40aの長さで規定される所定角度範囲で、ダクトカバー80を軸心81CL(軸心40CL)周りに回転してケース20に取り付けることができる。
【0070】
また、ダクトカバー80は、外部開口84の軸心84CLが接続開口81の軸心81CLと直交するように形成されたダクトカバー80A(第1ダクトカバー)、外部開口84の軸心84CLが接続開口81の軸心81CLと平行に位置するように形成されたダクトカバー80B(第2ダクトカバー)、または外部開口84の軸心84CLが接続開口81の軸心81CLと同心に位置するように形成されたダクトカバー80C(第3ダクトカバー)の何れかである。投影装置用ケース10の設置状態に応じて、吸排気孔40の排気方向と直交する向き、平行な向き又は同じ向きに外部開口84を配置することができる。
【0071】
また、ケース20は、直方体形状とされ、吸排気孔40が設けられる面である側面と異なる面である底面に設置面30a1が設けられる。これにより、設置面30a1を固定的として設置面30a1に設置部材30fを設けていても、種々の態様で投影装置用ケース10を設置することができる。
【0072】
また、ケース20には、設置面30a1と反対側の面にケース蓋31が設けられる。これにより、大きく開口する開口領域30cを設けることができ、投影装置100やACアダプタ120の収納や、ケーブル類の配線作業がし易い投影装置用ケース10とすることができる。
【0073】
また、投影装置用ケース10は、被取付孔40a及び取付孔82に挿通してダクトカバー80をケース20に固定する固定部材をさらに備える。これにより、簡易なねじ構造等の固定部材を用いて、ダクトカバー80を確実にケース20に固定することができる。
【0074】
また、ケース20は、投影光出射口11と、投影光出射口11と投影装置100の投影口110とを接続する接続部材32を有し、投影光出射口11及び投影口110と接続部材32との間には、防塵部材としてのクッション32c1,32c2が設けられる。これにより、投影装置100の投影口110への粉塵や雨水の付着が低減され、良好な投影を行うことができる。
【0075】
また、ケース20は、投影装置100が配置される台座160を有し、台座160は、ケース20の内面と空間165を空けて投影装置100を固定する。これにより、投影装置100の下方に、ACアダプタ120等の、投影装置100に付属する機器をケース20に収納することができる。
【0076】
また、投影装置用ケース10は、前吸排気孔41に設けられたファン55と、ファン55の外周に設けられた内部ダクト50と、をさらに備え、内部ダクト50は、ファン55の下側からケース20の底板30aの上面に向かって下るよう傾斜する傾斜板52aを備えている。これにより、台座160の下側であって、底板30aの上面に流入した冷却風を確実にファン55に案内することができる。
【0077】
また、吸排気孔40は、投影装置100の吸気口121,122又は排気口124の位置に対応して設けられている。これにより、吸排気孔40から流入される冷却風は、直接的に投影装置100の吸気口121,122に流入し、投影装置100の排気口124からの排気は直接的に吸排気孔40から排気され、流路損失を低減することができる。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
6 固定用スペーサ 7 ビス
8 ビス 10 投影装置用ケース
11 投影光出射口 11a ガラス板
12 赤外線透過領域 13 赤外線透過領域
14 アイボルト 15 ロック装置
17 接続ケーブル 17a ケーブルクランプ
18 AC電源ケーブル 18a ケーブルクランプ
18b 三叉 19 電磁シールド
20 ケース 30 ケース本体
30a 底板 30a1 設置面
30b 側板 30b1 前側板
30b2 左側板 30b3 右側板
30b4 後側板 30c 開口領域
30d 枠面 30e 開口枠
30e1 枠状面 30f 設置部材
31 ケース蓋 31a 蓋面板
31b 蓋縁 31c フック
31d クッション 31e クッション
32 接続部材 32a 開口
32a1 接続部 32a2 空間
32a3 壁部 32b ベース板
32c1 クッション 32c2 クッション
32c3 クッション 32d 上端面
36 ヒンジ 40 吸排気孔
40CL 軸心 40a 被取付孔
41 前吸排気孔 41CL 軸心
41a 被取付孔 42 左後吸排気孔
42a 被取付孔 43 右後吸排気孔
43a 被取付孔 44 左吸排気孔
44a 被取付孔 50 内部ダクト
51 上内部ダクト 51a 筒状部
51b 前板部 51c 固定板
52 下内部ダクト 52a 傾斜板
52b 前板部 52c 固定板
52d 平板 55 ファン
80 ダクトカバー 80A ダクトカバー
80B ダクトカバー 80C ダクトカバー
81 接続開口 81CL 軸心
81a フランジ 82 取付孔
83 ダクト 84 外部開口
84CL 軸心 85 フィルタ
86 クッション 100 投影装置
101 電源ジャック 110 投影口
120 ACアダプタ 121 吸気口
122 吸気口 123 吸気口
124 排気口 150 ZF調整装置
151 ZF固定装置 152 基板ケース
160 台座 161 台座固定板
162 縦板 163 投影装置載置板
163a 規制板 165 空間
167 受光センサ L 配置寸法
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影装置を収納可能な投影装置用ケースであって、
吸排気孔及び前記吸排気孔の外周に設けられる複数の被取付孔が形成されたケースと、
前記ケースに対して、複数の向きで取り付け可能であって、前記吸排気孔に接続する接続開口、前記接続開口と連通する外部開口、及び前記接続開口の外周に設けられる複数の取付孔が形成されたダクトカバーと、を備える、
投影装置用ケース。
【請求項2】
前記被取付孔及び前記取付孔は、夫々、正多角形の頂点に位置するように設けられる、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項3】
前記被取付孔は円弧状の長孔である、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項4】
前記ダクトカバーは、前記外部開口の軸心が前記接続開口の軸心と直交するように形成された第1ダクトカバー、前記外部開口の軸心が前記接続開口の軸心と平行に位置するように形成された第2ダクトカバー、または前記外部開口の軸心が前記接続開口の軸心と同心に位置するように形成された第3ダクトカバーのいずれかであり、
前記第1ダクトカバー、前記第2ダクトカバー、及び前記第3ダクトカバーを取り付け可能に構成されている請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項5】
前記被取付孔及び前記取付孔に挿通して前記ダクトカバーを前記ケースに固定する固定部材をさらに備える、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項6】
前記ケースは、投影光出射口と、前記投影光出射口と前記投影装置の投影口とを接続する接続部材を有し、
前記投影光出射口及び前記投影口と前記接続部材との間には、防塵部材が設けられる、
請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項7】
前記ケースは、前記投影装置が配置される台座を有し、
前記台座は、前記ケースの内面と空間を空けて前記投影装置を固定する、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項8】
前記吸排気孔に設けられたファンと、
前記ファンの外周に設けられた内部ダクトと、をさらに備え、
前記内部ダクトは、前記ファンの下側から前記ケースの底板の上面に向かって下るよう傾斜する傾斜板を備えている、請求項1に記載の投影装置用ケース。
【請求項9】
前記吸排気孔は、前記投影装置の吸気口または排気口の位置に対応して設けられている、請求項1に記載の投影装置用ケース。