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特開2024-321審査基準設定装置、審査基準設定方法、および、審査基準設定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000321
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】審査基準設定装置、審査基準設定方法、および、審査基準設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20231225BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099044
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 元治
(72)【発明者】
【氏名】久保田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB15
(57)【要約】
【課題】系統金融機関における融資審査または保証審査の審査基準において、汎用項目を準備し、都道府県毎に異なる審査に必要な項目の開発を不要とすることができる審査基準設定装置、審査基準設定方法、および、審査基準設定プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】都道府県毎の審査に必要な汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、選択汎用項目を取得し、選択汎用項目の表示名が登録された場合、選択汎用項目、および、表示名を紐付けて記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定し、汎用項目名マスタに設定された選択汎用項目の判定条件項目が設定された場合、選択汎用項目および判定条件項目を紐付けて任意審査設定マスタに設定し、融資審査または保証審査の案件情報を取得し、要綱審査基準および任意審査設定マスタに基づいて、案件情報に対する審査結果を取得する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた審査基準設定装置であって、
前記記憶部は、
系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶する審査業務記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記都道府県毎の前記審査に必要な前記汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、前記案件情報登録画面にて前記汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、前記選択汎用項目を取得する汎用項目選択手段と、
前記選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、前記汎用項目名マスタ登録画面にて前記選択汎用項目の前記表示名が登録された場合、前記選択汎用項目、および、前記表示名を紐付けて前記記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定する汎用項目名設定手段と、
前記汎用項目名マスタに設定された前記選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、前記任意審査設定画面にて前記判定条件項目が設定された場合、前記選択汎用項目および前記判定条件項目を紐付けて前記記憶部に備えられた任意審査設定マスタに設定する任意審査設定手段と、
前記融資審査または前記保証審査の案件情報を取得する案件取得手段と、
前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記案件情報に対する審査結果を取得する審査結果取得手段と、
を備えたことを特徴とする審査基準設定装置。
【請求項2】
前記審査結果取得手段は、
更に、前記審査結果を設定した任意審査結果表示画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の審査基準設定装置。
【請求項3】
前記判定条件項目は、
接続詞、括弧、審査項目、比較演算子、および/または、審査基準であることを特徴とする請求項1または2に記載の審査基準設定装置。
【請求項4】
前記案件取得手段は、
更に、前記融資審査または前記保証審査の申込人情報を取得し、
前記審査結果取得手段は、
前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記申込人情報を加味した前記案件情報に対する前記審査結果を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の審査基準設定装置。
【請求項5】
前記案件取得手段は、
更に、前記融資審査または前記保証審査の申込人の個人信用情報、借入情報、および、スコアリング情報を取得し、
前記審査結果取得手段は、
前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記申込人情報、前記個人信用情報、前記借入情報および前記スコアリング情報を加味した前記案件情報に対する前記審査結果を取得することを特徴とする請求項4に記載の審査基準設定装置。
【請求項6】
記憶部と制御部とを備えた審査基準設定装置に実行させるための審査基準設定方法であって、
前記記憶部は、
系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶する審査業務記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記都道府県毎の前記審査に必要な前記汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、前記案件情報登録画面にて前記汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、前記選択汎用項目を取得する汎用項目選択ステップと、
前記選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、前記汎用項目名マスタ登録画面にて前記選択汎用項目の前記表示名が登録された場合、前記選択汎用項目、および、前記表示名を紐付けて前記記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定する汎用項目名設定ステップと、
前記汎用項目名マスタに設定された前記選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、前記任意審査設定画面にて前記判定条件項目が設定された場合、前記選択汎用項目および前記判定条件項目を紐付けて前記記憶部に備えられた任意審査設定マスタに設定する任意審査設定ステップと、
前記融資審査または前記保証審査の案件情報を取得する案件取得ステップと、
前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記案件情報に対する審査結果を取得する審査結果取得ステップと、
を含むことを特徴とする審査基準設定方法。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた審査基準設定装置に実行させるための審査基準設定プログラムであって、
前記記憶部は、
系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶する審査業務記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記都道府県毎の前記審査に必要な前記汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、前記案件情報登録画面にて前記汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、前記選択汎用項目を取得する汎用項目選択ステップと、
前記選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、前記汎用項目名マスタ登録画面にて前記選択汎用項目の前記表示名が登録された場合、前記選択汎用項目、および、前記表示名を紐付けて前記記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定する汎用項目名設定ステップと、
前記汎用項目名マスタに設定された前記選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、前記任意審査設定画面にて前記判定条件項目が設定された場合、前記選択汎用項目および前記判定条件項目を紐付けて前記記憶部に備えられた任意審査設定マスタに設定する任意審査設定ステップと、
前記融資審査または前記保証審査の案件情報を取得する案件取得ステップと、
前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記案件情報に対する審査結果を取得する審査結果取得ステップと、
を実行させるための審査基準設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、審査基準設定装置、審査基準設定方法、および、審査基準設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、賃貸物件の家賃保証会社の保証審査において、各申込者情報をそれぞれの審査基準と照合して評価を行うことで、保証サービスの提供の可否を判定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-211991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、系統金融機関における融資審査または保証審査の審査基準について、都道府県毎に変更がある度に開発を行うため、開発作業増大や不具合のリスクがあり、スピーディな対応ができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、系統金融機関における融資審査または保証審査の審査基準において、汎用項目を準備し、都道府県毎に異なる審査に必要な項目の開発を不要とすることができる審査基準設定装置、審査基準設定方法、および、審査基準設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る審査基準設定装置は、記憶部と制御部とを備えた審査基準設定装置であって、前記記憶部は、系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶する審査業務記憶手段、を備え、前記制御部は、前記都道府県毎の前記審査に必要な前記汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、前記案件情報登録画面にて前記汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、前記選択汎用項目を取得する汎用項目選択手段と、前記選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、前記汎用項目名マスタ登録画面にて前記選択汎用項目の前記表示名が登録された場合、前記選択汎用項目、および、前記表示名を紐付けて前記記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定する汎用項目名設定手段と、前記汎用項目名マスタに設定された前記選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、前記任意審査設定画面にて前記判定条件項目が設定された場合、前記選択汎用項目および前記判定条件項目を紐付けて前記記憶部に備えられた任意審査設定マスタに設定する任意審査設定手段と、前記融資審査または前記保証審査の案件情報を取得する案件取得手段と、前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記案件情報に対する審査結果を取得する審査結果取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る審査基準設定装置において、前記審査結果取得手段は、更に、前記審査結果を設定した任意審査結果表示画面を表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る審査基準設定装置において、前記判定条件項目は、接続詞、括弧、審査項目、比較演算子、および/または、審査基準であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る審査基準設定装置において、前記案件取得手段は、更に、前記融資審査または前記保証審査の申込人情報を取得し、前記審査結果取得手段は、前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記申込人情報を加味した前記案件情報に対する前記審査結果を取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る審査基準設定装置において、前記案件取得手段は、更に、前記融資審査または前記保証審査の申込人の個人信用情報、借入情報、および、スコアリング情報を取得し、前記審査結果取得手段は、前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記申込人情報、前記個人信用情報、前記借入情報および前記スコアリング情報を加味した前記案件情報に対する前記審査結果を取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る審査基準設定方法は、記憶部と制御部とを備えた審査基準設定装置に実行させるための審査基準設定方法であって、前記記憶部は、系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶する審査業務記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記都道府県毎の前記審査に必要な前記汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、前記案件情報登録画面にて前記汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、前記選択汎用項目を取得する汎用項目選択ステップと、前記選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、前記汎用項目名マスタ登録画面にて前記選択汎用項目の前記表示名が登録された場合、前記選択汎用項目、および、前記表示名を紐付けて前記記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定する汎用項目名設定ステップと、前記汎用項目名マスタに設定された前記選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、前記任意審査設定画面にて前記判定条件項目が設定された場合、前記選択汎用項目および前記判定条件項目を紐付けて前記記憶部に備えられた任意審査設定マスタに設定する任意審査設定ステップと、前記融資審査または前記保証審査の案件情報を取得する案件取得ステップと、前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記案件情報に対する審査結果を取得する審査結果取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る審査基準設定プログラムは、記憶部と制御部とを備えた審査基準設定装置に実行させるための審査基準設定プログラムであって、前記記憶部は、系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶する審査業務記憶手段、を備え、前記制御部において、前記都道府県毎の前記審査に必要な前記汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、前記案件情報登録画面にて前記汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、前記選択汎用項目を取得する汎用項目選択ステップと、前記選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、前記汎用項目名マスタ登録画面にて前記選択汎用項目の前記表示名が登録された場合、前記選択汎用項目、および、前記表示名を紐付けて前記記憶部に備えられた汎用項目名マスタに設定する汎用項目名設定ステップと、前記汎用項目名マスタに設定された前記選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、前記任意審査設定画面にて前記判定条件項目が設定された場合、前記選択汎用項目および前記判定条件項目を紐付けて前記記憶部に備えられた任意審査設定マスタに設定する任意審査設定ステップと、前記融資審査または前記保証審査の案件情報を取得する案件取得ステップと、前記要綱審査基準および前記任意審査設定マスタに基づいて、前記案件情報に対する審査結果を取得する審査結果取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
各系統金融機関(JA:農業協同組合、基金協会、または、信用農業協同組合連合会)では、全国統一の要綱審査基準をベースにして、基準となる数値の強化・緩和のみならず、別の切り口で各都道府県独自の基準を設定し、審査業務を実施しているが、本発明によれば、業務に対して開発不要な仕組みを提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、各系統金融機関の特色を生かしつつ、今後の制度改正、特性変更に対して、顧客自身がシステム運営者の対応を待たずに、柔軟に、即時に設定を変更できるという効果を奏する。また、本発明によれば、汎用項目に対する名称や設定値の設定から、これらの設定を基にした審査基準定義の生成をすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、各画面の振る舞いや、審査基準を基にした判定および判定結果に対するプロセス含めた確認手段などを提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、都度の開発・コーディングを不要とし、ユーザ側での対応を可能とすることで、スピーディな対応を可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、各都道府県の独自基準についても対応できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態における審査基準設定装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態における案件情報の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における申込人情報の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における汎用項目名マスタの一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における任意審査設定マスタの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における審査基準設定装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図14図14は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
図15図15は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
図16図16は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
図17図17は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
図18図18は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
図19図19は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
図20図20は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
まず、図1を参照して、本発明の概要を説明する。図1は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
【0017】
系統金融機関においては、全国統一の「要綱審査基準」に基づいて、融資審査・保証審査を実施しているが、従来、この要綱審査基準をベースにして、各都道府県の系統金融機関において、基準となる数値の強化・緩和のみならず、別の切り口で独自の基準を設定し、審査業務を実施しており、都道府県毎の独自基準に必要となる項目を追加開発していたため、開発作業増大や不具合のリスクがあり、スピーディな対応ができていなかった。
【0018】
そこで、本実施形態においては、i)汎用項目を準備し、都道府県毎に異なる審査に必要な項目の追加開発を不要とし、ii)汎用項目の名称をマスタ変更可能とし、iii)マスタ化された審査基準に対してマスタ設定画面にて、i)およびii)の内容を審査基準に利用可能とし、iv)設定したマスタを参照して、審査結果を提示する画面を表示する仕組みを提供している。また、本実施形態においては、マスタ設定値が正しいことを検証可能とするために、審査結果表示画面にて、設定されたマスタに沿って結果表示している。
【0019】
ここで、図1に示すように、本実施形態における審査業務フローにおいては、汎用項目名マスタ・任意審査設定マスタを設定し、融資(保証)審査の申込があった場合、各種情報を取得・登録し、登録された任意審査設定マスタの基準を参照して審査を実施し、審査結果を回答している。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る審査基準設定装置100の構成の一例について、図2から図6を参照して説明する。図2は、本実施形態における審査基準設定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、審査基準設定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、審査基準設定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
審査基準設定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。審査基準設定装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、審査基準設定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、審査基準設定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、審査業務データベース106aと汎用項目名マスタ106bと任意審査設定マスタ106cとを備えている。
【0026】
審査業務データベース106aは、系統金融機関の融資審査および保証審査における審査業務情報を記憶する。ここで、審査業務データベース106aは、系統金融機関の融資審査および保証審査における全国統一の要綱審査基準、ならびに、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を設定した審査業務情報を記憶していてもよい。また、審査業務データベース106aは、案件(申込)情報、申込人情報、申込人の個人信用情報、申込人の借入情報、および/または、申込人のスコアリングモデル情報等を記憶していてもよい。
【0027】
ここで、図3を参照して、本実施形態における案件情報の一例について説明する。図3は、本実施形態における案件情報の一例を示す図である。
【0028】
図3に示すように、本実施形態における案件情報には、案件情報番号、商品、申込金額、金利種類、および、汎用項目が設定されている。ここで、図3に示すように、本実施形態の汎用項目において、汎用区分(1)は、「借換フラグ」として利用され、汎用金額(1)は、「頭金額」として利用されている。なお、図3に示すように、本実施形態においては、汎用区分(1)および汎用金額(1)以外の汎用項目に対して、汎用項目名マスタ106bが設定され、各県域の独自基準の項目として利用されてもよい。
【0029】
また、図4を参照して、本実施形態における申込人情報の一例について説明する。図4は、本実施形態における申込人情報の一例を示す図である。
【0030】
図4に示すように、本実施形態における申込人情報には、申込人区分、申込人の名前、申込人の関係、申込人の借入時年齢、および、汎用項目が設定されている。ここで、図4に示すように、本実施形態の汎用項目において、汎用区分(1)は、「転職有無」として利用され、汎用区分(2)は、「既婚フラグ」として利用され、汎用文字列(1)は、「転職前勤務先」として利用されている。
【0031】
図2に戻り、汎用項目名マスタ106bは、汎用項目、および、表示名を紐付けて設定したマスタである。
【0032】
ここで、図5を参照して、本実施形態における汎用項目名マスタ106bの一例について説明する。図5は、本実施形態における汎用項目名マスタ106bの一例を示す図である。
【0033】
図5に示すように、本実施形態における汎用項目名マスタ106bには、画面ID、画面名、項目ID、初期設定内容、表示名、テーブル名、および、列名が設定されている。
【0034】
図2に戻り、任意審査設定マスタ106cは、選択汎用項目および判定条件項目を紐付けて設定したマスタである。
【0035】
ここで、図6を参照して、本実施形態における任意審査設定マスタ106cの一例について説明する。図6は、本実施形態における任意審査設定マスタ106cの一例を示す図である。
【0036】
図6に示すように、本実施形態における任意審査設定マスタ106cには、番号、通し番号、接続詞、開始括弧、テーブル名、項目、比較演算子、入力形式、値(数値、日付、および、文字)、マスタ値(コード、および、名称)、および、終了括弧が設定されている。
【0037】
図2に戻り、制御部102は、審査基準設定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、汎用項目選択部102aと汎用項目名設定部102bと任意審査設定部102cと案件取得部102dと審査結果取得部102eとを備えている。
【0038】
汎用項目選択部102aは、都道府県毎の審査に必要な汎用項目に対して選択された選択汎用項目を取得する。ここで、汎用項目選択部102aは、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を表示させ、案件情報登録画面にて汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、選択汎用項目を取得してもよい。
【0039】
汎用項目名設定部102bは、選択汎用項目、および、選択汎用項目の表示名を紐付けて汎用項目名マスタ106bに設定する。ここで、汎用項目名設定部102bは、選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を表示させ、汎用項目名マスタ登録画面にて選択汎用項目の表示名が登録された場合、選択汎用項目、および、選択汎用項目の表示名を紐付けて汎用項目名マスタ106bに設定してもよい。
【0040】
任意審査設定部102cは、選択汎用項目および判定条件項目を紐付けて任意審査設定マスタ106cに設定する。ここで、任意審査設定部102cは、汎用項目名マスタ106bに設定された選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を表示させ、任意審査設定画面にて判定条件項目が設定された場合、選択汎用項目および判定条件項目を紐付けて任意審査設定マスタ106cに設定してもよい。ここで、判定条件項目は、接続詞、括弧、審査項目、比較演算子、および/または、審査基準であってもよい。
【0041】
案件取得部102dは、融資審査または保証審査の案件情報を取得する。ここで、案件取得部102dは、融資審査または保証審査の申込人情報を取得してもよい。また、案件取得部102dは、融資審査または保証審査の申込人の個人信用情報、借入情報、および、スコアリング情報を取得してもよい。
【0042】
審査結果取得部102eは、案件情報に対する審査結果を取得する。ここで、審査結果取得部102eは、審査結果を設定した任意審査結果表示画面を表示させてもよい。また、審査結果取得部102eは、要綱審査基準および任意審査設定マスタ106cに基づいて、案件情報に対する審査結果を取得してもよい。また、審査結果取得部102eは、要綱審査基準および任意審査設定マスタ106cに基づいて、申込人情報を加味した案件情報に対する審査結果を取得してもよい。また、審査結果取得部102eは、要綱審査基準および任意審査設定マスタ106cに基づいて、申込人情報、個人信用情報、借入情報およびスコアリング情報を加味した案件情報に対する審査結果を取得してもよい。
【0043】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図7から図20を参照して説明する。
【0044】
[審査基準設定処理]
ここで、図7を参照して、本実施形態における審査基準設定処理の一例について説明する。図7は、本実施形態における審査基準設定装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図7に示すように、汎用項目選択部102aは、都道府県毎の審査に必要な汎用項目を選択可能とした案件情報登録画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して案件情報登録画面にて汎用項目が選択汎用項目として選択された場合、選択汎用項目を取得する(ステップSA-1)。
【0046】
そして、汎用項目名設定部102bは、選択汎用項目の表示名を登録させる汎用項目名マスタ登録画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して汎用項目名マスタ登録画面にて選択汎用項目の表示名が登録された場合、選択汎用項目、および、選択汎用項目の表示名を紐付けて汎用項目名マスタ106bに設定する(ステップSA-2)。
【0047】
そして、任意審査設定部102cは、汎用項目名マスタ106bに設定された選択汎用項目の判定条件項目を設定させる任意審査設定画面を出力装置114に表示させ、ユーザにより入力装置112を介して任意審査設定画面にて接続詞、括弧、審査項目、比較演算子および審査基準が設定された場合、選択汎用項目および判定条件項目を紐付けて任意審査設定マスタ106cに設定する(ステップSA-3)。
【0048】
そして、案件取得部102dは、融資審査または保証審査の案件情報、申込人情報、ならびに、申込人の個人信用情報、借入情報およびスコアリング情報を取得する(ステップSA-4)。
【0049】
そして、審査結果取得部102eは、要綱審査基準および任意審査設定マスタ106cに基づいて、申込人情報、個人信用情報、借入情報およびスコアリング情報を加味した案件情報に対する審査結果を取得する(ステップSA-5)。
【0050】
そして、審査結果取得部102eは、審査結果を設定した任意審査結果表示画面を出力装置114に表示させ(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0051】
ここで、図8から図14を参照して、本実施形態における審査基準設定処理の一例について説明する。図8から図14は、本実施形態における審査基準設定処理の一例を示す図である。
【0052】
本実施形態においては、図8に示すように、i)汎用項目が準備され、ユーザに案件情報登録画面にて選択させることで、都道府県毎に異なる審査に必要な項目の開発を不要としている。
【0053】
そして、本実施形態においては、図9に示すように、ii)汎用項目名マスタ登録画面を介して汎用項目の名称がマスタ変更可能としており、マスタ設定後、図10に示すように、案件情報登録画面に(A)表示名が設定される。
【0054】
そして、本実施形態においては、図11に示すように、iii)マスタ化された審査基準に対し、図11に示す任意審査設定画面、および、図12に示す表示名が設定された項目選択画面を介して、i)およびii)の内容を審査基準に利用可能とし、図13に示すように、i)にて設定された借換フラグを条件に追加され、変更後の審査内容を設定した任意審査設定画面が表示される。
【0055】
そして、本実施形態においては、図14に示すように、iv)設定された任意審査設定マスタ106cが参照されて、審査結果を設定した任意審査結果表示画面が表示される。
【0056】
また、図15から図20を参照して、本実施形態における判定条件項目設定の一例について説明する。図15から図20は、本実施形態における判定条件項目設定の一例を示す図である。
【0057】
本実施形態においては、任意審査設定画面にて、図15に示すように、接続詞が選択され、図16に示すように、括弧が選択され、図17に示すように、審査項目のテーブル名および項目名が選択され、図18に示すように、比較演算子が選択され、図19に示すように、審査基準が選択され、図20に示すように、任意審査設定マスタ106cに登録される。
【0058】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、審査基準設定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、審査基準設定装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて審査基準設定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、審査基準設定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、審査基準設定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、審査基準設定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、系統金融機関、または、個人融資を営む金融機関等の金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 審査基準設定装置
102 制御部
102a 汎用項目選択部
102b 汎用項目名設定部
102c 任意審査設定部
102d 案件取得部
102e 審査結果取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 審査業務データベース
106b 汎用項目名マスタ
106c 任意審査設定マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図20