(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032117
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
G01F3/22 D
G01F3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135586
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 裕
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CB01
2F030CE09
2F030CE13
2F030CE17
(57)【要約】
【課題】通信機器をネジ等の固定部材を用いずにガスメータ本体の正面に対して取り付けることができ、通信機器の取付時の作業性を向上させることができるガスメータを提供する。
【解決手段】ガスメータ1Aは、ガスメータ本体2と、外部装置との通信を行う無線機9が取り付けられる被取付部20と、ガスメータ本体2の正面2aの端子台14を覆う端子台カバー3とを備える。被取付部20は、ガスメータ本体2の正面2aに出没可能に配置される係止突起部21と、係止突起部21を収容する収容穴24と、係止突起部21を収容穴24の内部から外部へ向けて付勢するコイルばね27とを有する。端子台カバー3は、係止突起部21と無線機9の取付部41との係合部を覆うように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータ本体と、
外部装置との通信を行う通信機器が取り付けられる被取付部と、
前記ガスメータ本体の正面の端子台を覆う端子台カバーと、を備え、
前記被取付部は、
前記ガスメータ本体の正面に出没可能に配置される係止突起部と、
前記係止突起部を収容する収容部と、
前記係止突起部を前記収容部の内部から外部へ向けて付勢する付勢部と、を有し、
前記端子台カバーは、前記係止突起部と前記通信機器の取付部との係合部を覆うように構成される、
ガスメータ。
【請求項2】
前記ガスメータ本体は、内部を流れるガスの圧力を測定するものであって、
前記ガスメータ本体は、
前記ガスの圧力を測定する測定部が配置される内部空間部と、
前記ガスメータ本体の外部から前記内部空間部へ通気する通気経路部と、を有し、
前記通気経路部の途中には、前記収容部が配置され、
前記収容部には、前記収容部と前記内部空間部とを連通するフィルタが備えられ、
前記付勢部は、前記係止突起部と前記フィルタとの間に配置されるコイルばねから構成される、
請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記被取付部は、
前記通信機器の前記取付部を前記ガスメータ本体の側方から前記ガスメータ本体の幅方向内側にスライドして前記被取付部に取り付けるために前記通信機器の前記取付部を案内する案内部と、
前記係止突起部と係合した前記通信機器の前記取付部が前記ガスメータ本体の手前側へ移動することを規制する移動規制部と、を有する、
請求項1又は2に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガスメータ本体に計量機構部、ガスの異常流量時等の異常時にガスの流通を遮断する遮断機構部及びマイクロコンピュータ(CPU)を内蔵したガスメータに関する技術が開示されている。このようなガスメータに無線機等の通信機器(外部端末)を取り付ける場合には、一般的に、ガスメータ本体の側面にネジを用いて通信機器を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のようにガスメータ本体の側面にネジを用いて通信機器を取り付ける場合、通信機器の大きさに相当する分だけ隣接するガスメータ間の間隔を開ける必要があり、ガスメータの設置スペースによっては通信機器を設置できない場合がある。また、通信機器はネジを用いてガスメータ本体に対して固定することが一般的であったが、通信機器の取付時の作業性に難があり、ガスメータに通信機器を取り付ける構造に改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、通信機器をネジ等の固定部材を用いずにガスメータ本体の正面に対して取り付けることができ、通信機器の取付時の作業性を向上させることができるガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るガスメータは、ガスメータ本体と、外部装置との通信を行う通信機器が取り付けられる被取付部と、ガスメータ本体の正面の端子台を覆う端子台カバーと、を備え、被取付部は、ガスメータ本体の正面に出没可能に配置される係止突起部と、係止突起部を収容する収容部と、係止突起部を収容部の内部から外部へ向けて付勢する付勢部と、を有し、端子台カバーは、係止突起部と通信機器の取付部との係合部を覆うように構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通信機器をネジ等の固定部材を用いずにガスメータ本体の正面に対して取り付けることができ、通信機器の取付時の作業性を向上させることができるガスメータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係るガスメータの一例を示す斜視図である。
【
図2】一実施形態に係るガスメータの一例を示す分解斜視図である。
【
図3A】一実施形態に係るガスメータの正面図である。
【
図3B】端子台カバーを取り外した状態を示すガスメータの正面図である。
【
図3C】通信機器を取り付ける前の状態を示すガスメータの正面図である。
【
図4A】一実施形態に係るガスメータの側面図である。
【
図4B】端子台カバーを取り外した状態を示すガスメータの側面図である。
【
図5A】ガスメータ本体の要部拡大の斜視図である。
【
図5B】通信機器を取り付ける前の状態のガスメータ本体の要部拡大の斜視図である。
【
図6A】ガスメータ本体の被取付部の側断面図である。
【
図6B】ガスメータ本体の被取付部を分解して示す側断面図である。
【
図7】他の実施形態に係るガスメータの一例を示す要部拡大の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係るガスメータについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0010】
図1は、本実施形態に係るガスメータ1Aを正面側から見た斜視図であり、
図2は、本実施形態に係るガスメータ1Aを正面側から見た分解斜視図である。また、
図3Aは、ガスメータ1Aの正面図であり、
図3Bは、ガスメータ本体2から端子台カバー3を取り外した状態を示すガスメータ1Aの正面図であり、
図3Cは、無線機9を取り付ける前の状態を示すガスメータ1Aの正面図である。さらに、
図4Aは、ガスメータ1Aの側面図であり、
図4Bは、ガスメータ本体2から端子台カバー3を取り外した状態を示すガスメータ1Aの側面図である。
【0011】
なお、図面において、矢印Xはガスメータ1A及びガスメータ本体2の幅方向(左右方向)を示し、矢印Yはガスメータ1A及びガスメータ本体2の奥行き方向(前後方向)を示し、矢印Zはガスメータ1A及びガスメータ本体2の高さ方向(上下方向)を示す。
【0012】
ガスメータ1Aは、ガスメータ本体2と、端子台カバー3とを備えている。ガスメータ本体2は、フロントカバー4と本体ケース5とにより略直方体の箱状の外形が構成されている。フロントカバー4は、ネジ6を用いて本体ケース5に固定されている。
【0013】
ガスメータ本体2は、正面2aと、背面2bと、上面2cと、底面2dと、手前側から見て左側にある左側面2eと、手前側から見て右側にある右側面2fとを有して構成されている。ガスメータ1Aは、ガスメータ本体2の正面2aが手前側を向き、ガスメータ本体2の背面2bがガス使用者の住宅等側に向くようにして設置される。
【0014】
ガスメータ本体2の上面2cには、ガス供給源側に至るガス配管が接続される流入口10と、ガス消費側に至るガス配管が接続される流出口11とが形成されている。ガスメータ本体2の内部には、ガスが流れる流路(不図示)が形成されており、流入口10から流入したガスは、ガスメータ本体2の内部に形成された流路を経て、流出口11から流出する。
【0015】
また、ガスメータ本体2の正面2aには、ガス使用量等の情報を表示する表示部12と、リセットスイッチ13と、端子台14とが配置されている。さらに、ガスメータ本体2の正面2aには、ネジ穴7が形成されており、端子台14を覆う端子台カバー3がネジ8を用いて固定される。
【0016】
さらに、ガスメータ本体2の正面2a側には、外部装置との通信を行う無線機9等の通信機器が取り付けられる被取付部20を備えている。この被取付部20に無線機9の取付部41が固定され、無線機9の本体部40がガスメータ1Aの下方に位置する。無線機9の本体部40と端子台14との間は、不図示の通信線により互いに接続される。
【0017】
そして、端子台カバー3は、後述する係止突起部21と無線機9の取付部41との係合部を覆うように構成されている。なお、図示はしないが、端子台カバー3には、無線機9の取付部41を左右方向Xの外側から押さえる抜け止めのためのリブが設けられていてもよい。
【0018】
図5Aは、ガスメータ本体2の被取付部20を拡大して示す斜視図であり、
図5Bは、無線機9を取り付ける前の状態のガスメータ本体2の被取付部20を拡大して示す斜視図である。また、
図6Aは、ガスメータ本体2の被取付部20の側断面図であり、
図6Bは、ガスメータ本体2の被取付部20を分解して示す側断面図である。
【0019】
ガスメータ本体2の正面2aには、係止突起部21が出没可能に配置されており、ガスメータ本体2の内部に、係止突起部21を収容する収容部としての収容穴24が形成されている。係止突起部21は、付勢部としてのコイルばね27によって収容穴24の内部から外部へ向けて付勢されるように構成されている。
【0020】
本実施形態では、係止突起部21と、収容部(収容穴24)と、付勢部(コイルばね27)との組み合わせが、上下方向に複数組(図示例では、2組)配置されている。
【0021】
また、ガスメータ本体2には、ガスの圧力を測定する測定部としての圧力センサ30が配置される内部空間部31が形成されている。さらに、ガスメータ本体2には、圧力センサ30が配置されている内部空間部31を通気して大気圧にするために、ガスメータ本体2の外部から内部空間部31へ通気する通気経路部32が形成されている。なお、ガスメータ本体2には、圧力センサ30の他に、流量センサ、加速度センサ等が配置されていてもよい。
【0022】
ガスメータ本体2には、通気経路部32の一部を構成する通気用貫通穴33が上下方向Zに沿って形成されている。本実施形態では、通気用貫通穴33の下端部が、ガスメータ本体2の外部(大気)と連通している。
【0023】
係止突起部21は、ガスメータ本体2の正面2aを貫通して形成された挿通穴2hに挿通されている(
図6B参照)。
【0024】
係止突起部21の突起本体21aの基本形状は円柱状であるが、回り止めのために突起本体21aの下部を軸方向に沿って切り欠いて断面が非円形状とされて、突起本体21aの下部に前後方向Yに延びる平面部21bが形成されている。また、係止突起部21の突起本体21aは、左右方向Xの外側に傾斜面21cが形成された先細形状とされている。
【0025】
その一方、挿通穴2hの穴本体2haの断面形状は、係止突起部21の突起本体21aの断面形状と同様の形状に形成される。挿通穴2hの穴本体2haの基本形状は、円形状の丸穴であるが、係止突起部21の回り止めのために穴本体2haの下部は断面が非円形状とされて、穴本体2haの下部に前後方向Yに延びる平面部2hbが形成されている。
【0026】
係止突起部21が挿通穴2hに挿通された状態では、係止突起部21の突起本体21aの平面部21bが挿通穴2hの穴本体2haの平面部2hbに当接するため、係止突起部21に軸周りの力が加わっても係止突起部21が回らないようになっている。
【0027】
係止突起部21の突起本体21aは、回り止めができればよく、角柱形状等に形成されていてもよい。その一方、挿通穴2hの穴本体2haは、係止突起部21の回り止めのために係止突起部21の突起本体21aの断面形状と同様の形状に形成されていればよく、四角形等の角穴であってもよい。
【0028】
係止突起部21の前後方向Yの後端部には、収容穴24の内部を摺動する大径部22と、コイルばね27が装着される小径部23とが形成されている。すなわち、大径部22が、収容部を構成する収容穴24の内部を前後方向Yに摺動し、小径部23が、付勢部を構成するコイルばね27の内方に挿入して装着されるようになっている。
【0029】
収容部は、通気経路部32の一部を構成する通気用貫通穴33と連通するように、ガスメータ本体2に前後方向Yに沿って設けた収容穴24から構成される。収容穴24の前後方向Yの後端部側には、収容穴24よりも内径が大きい大径穴25が形成され、この大径穴25にフィルタ28が圧入されて固定されている。
【0030】
通気経路部32の途中には、上側の収容穴24が配置され、上側の収容穴24に、上側の収容穴24と内部空間部31とを連通するフィルタ28が備えられている。付勢部は、上側の係止突起部21とフィルタ28との間に配置されるコイルばね27から構成される。すなわち、フィルタ28が、コイルばね27の台座(ばね台座)を兼ねている。
【0031】
上側の収容穴24の前後方向Yの途中には、通気用貫通穴33と連通する連通穴26が開口して形成されており、通気用貫通穴33の下端部が大気開放されている。このため、通気用貫通穴33、上側の連通穴26、上側の収容穴24、上側のフィルタ28を通る経路が、通気経路部32を構成する。
【0032】
通気経路部32の途中には、下側の収容穴24が配置され、下側の収容穴24に、下側の収容穴24とガスメータ本体2の外部(大気)とを連通するフィルタ28が備えられている。付勢部は、下側の係止突起部21とフィルタ28との間に配置されるコイルばね27から構成される。すなわち、フィルタ28が、コイルばね27の台座(ばね台座)を兼ねている。
【0033】
下側の収容穴24の前後方向Yの途中には、通気用貫通穴33と連通する連通穴26が開口して形成されており、下側の収容穴24は下側のフィルタ28によって大気開放されている。このため、下側のフィルタ28、下側の収容穴24、下側の連通穴26、通気用貫通穴33、上側の連通穴26、上側の収容穴24、上側のフィルタ28を通る経路も、通気経路部32を構成する。
【0034】
例えば、ガスメータ本体2のフロントカバー4を成型する際に、通気用貫通穴33となる部分を含む金型を下方から挿入し、収容穴24となる部分を含む金型を前方又は後方から挿入することにより、両方の金型が接触する部分に連通穴26が形成される。このため、通気用貫通穴33は、係止突起部21の位置(収容穴24の中心)から左右方向Xの一方側にずれた位置に形成される。
【0035】
また、ガスメータ本体2の正面2aには、無線機9の取付部41をガスメータ本体2の側方から左右方向Xの内側にスライドして被取付部20に取り付けるために無線機9の取付部41を案内する案内部としてのガイド溝34が形成されている。本実施形態では、ガイド溝34は、上下一対でガスメータ本体2の正面2aに形成されている。
【0036】
さらに、ガスメータ本体2の正面2a側には、係止突起部21と係合した無線機9の取付部41がガスメータ本体2の手前側へ移動することを規制する移動規制部35が配置されている。本実施形態では、移動規制部35は、取付部41の挿入方向の奥側(左右方向Xの内側)にあり、上下方向Zに延在している。
【0037】
また、移動規制部35には、係止突起部21と無線機9の貫通穴42との係合の視認と、後述する治具により係止突起部21と無線機9の貫通穴42との係合を解除することを目的として、係止突起部21と重なる位置に係合解除用穴36が形成されている。本実施形態では、係合解除用穴36は、上下一対で移動規制部35に形成されている。
【0038】
その一方、無線機9は、箱状の本体部40を有しており、この本体部40には、例えば、外部装置との通信を行う通信装置が内蔵されている。本体部40の上部には、板状の取付部41が配置されている。この取付部41は、正面41aと背面41bとを貫通する貫通穴42を有し、取付部41の背面41bには、前述のガイド溝34と係合する突起43が形成されている。本実施形態では、突起43は、上下一対で取付部41の背面41bに形成されている。
【0039】
無線機9をガスメータ1Aに取り付ける際には、先ず、ガスメータ本体2の側方から左右方向Xの内側へスライドして無線機9の取付部41をガスメータ本体2の被取付部20に取り付ける。次いで、ガスメータ本体2に端子台カバー3を取り付ける。すなわち、取付部41によって被取付部20の係止突起部21を一旦後退させ、取付部41の貫通穴42と被取付部20の係止突起部21とが重なる位置において、係止突起部21が貫通穴42に入り込む。係止突起部21の手前側の端部に傾斜面21cが形成されており、この傾斜面21cに無線機9の取付部41が接触すると、係止突起部21に対して貫通穴42に入り込む方向にコイルばね27による力が作用するため、係止突起部21が貫通穴42に入り込む。このため、無線機9の取付部41をガスメータ本体2の被取付部20にスナップフィット(ワンタッチ装着)にて取り付けることができる。また、ガスメータ本体2に端子台カバー3を取り付けることにより、無線機9の取付部41がガスメータ本体2の手前側に移動して被取付部20の係止突起部21と取付部41の貫通穴42との係合が解除されることが抑制される。
【0040】
無線機9をガスメータ1Aから取り外す際には、先ず、ガスメータ本体2から端子台カバー3を取り外す。次いで、被取付部20の係止突起部21と取付部41の貫通穴42との係合を解除した状態で、無線機9の取付部41をガスメータ本体2の側方へと左右方向Xの外側へスライドして取り外す。被取付部20の係止突起部21と取付部41の貫通穴42との係合の解除は、例えば、係止突起部21を収容穴24の内部側へと押し込むことができる突起部を有する治具(不図示)を用いて行う。
【0041】
次に、ガスメータ1Aの作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態の第一の態様に係るガスメータ1Aは、ガスメータ本体2と、外部装置との通信を行う通信機器(無線機9)が取り付けられる被取付部20とを備える。また、ガスメータ1Aは、ガスメータ本体2の正面2aの端子台14を覆う端子台カバー3を備える。被取付部20は、ガスメータ本体2の正面2aに出没可能に配置される係止突起部21と、係止突起部21を収容する収容部(収容穴24)と、係止突起部21を収容部(収容穴24)の内部から外部へ向けて付勢する付勢部(コイルばね27)とを有する。端子台カバー3は、係止突起部21と通信機器(無線機9)の取付部41との係合部を覆うように構成される。
【0043】
ガスメータ本体2の被取付部20が前述の係止突起部21と収容部(収容穴24)と付勢部(コイルばね27)とを備えることにより、無線機9の取付部41をガスメータ本体2の被取付部20にスナップフィット(ワンタッチ装着)にて取り付けることができる。また、ガスメータ本体2に端子台カバー3を取り付けることにより、無線機9の取付部41がガスメータ本体2の手前側に移動して被取付部20の係止突起部21と無線機9の取付部41との係合が解除されることが抑制される。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、無線機9をネジ等の固定部材を用いずにガスメータ本体2の正面2aに対して取り付けることができ、無線機9の取付時の作業性を向上させることができるガスメータ1Aを提供することができる。
【0045】
本実施形態の第二の態様に係るガスメータ1Aにおいて、ガスメータ本体2は、内部を流れるガスの圧力を測定するものである。ガスメータ本体2は、ガスの圧力を測定する測定部(圧力センサ30)が配置される内部空間部31と、ガスメータ本体2の外部から内部空間部31へ通気する通気経路部32と、を有する。通気経路部32の途中には、収容部(収容穴24)が配置され、収容部(収容穴24)には、収容部(収容穴24)と内部空間部31とを連通するフィルタ28が備えられる。付勢部は、係止突起部21とフィルタ28との間に配置されるコイルばね27から構成される。
【0046】
収容部(収容穴24)を利用して通気経路部32の一部を構成するため、通気経路部32を収容部(収容穴24)とは別の位置に形成する場合と比較して、ガスメータ1Aの小型化を図ることができる。
【0047】
本実施形態の第三の態様に係るガスメータ1Aにおいて、被取付部20は、案内部(ガイド溝34)を有する。この案内部(ガイド溝34)は、通信機器(無線機9)の取付部41をガスメータ本体2の側方からスライドして被取付部20に取り付けるために通信機器(無線機9)の取付部41を案内する。また、被取付部20は、係止突起部21と係合した通信機器(無線機9)の取付部41がガスメータ本体2の手前側へ移動することを規制する移動規制部35を有する。
【0048】
通信機器(無線機9)をガスメータ本体2に取り付ける過程において、作業者は端子台カバー3をガスメータ本体2から外した状態で、無線機9と端子台14との間の通信線接続等の作業を行う。被取付部20が前述の移動規制部35を有することにより、端子台カバー3がガスメータ本体2から外れた状態でも、被取付部20の係止突起部21と無線機9の取付部41とが係合した状態を維持することができる。
【0049】
[他の実施形態]
図7は、他の実施形態に係るガスメータ1Bの被取付部20を拡大して示す斜視図である。なお、上述のガスメータ1Aと実質的に同一の構成部分は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0050】
図7に示されるガスメータ1Bにおいては、移動規制部37は、被取付部20の上部にあり、ガスメータ本体2の幅方向(左右方向X)に延在している。
【0051】
この実施形態に係るガスメータ1Bによれば、上述のガスメータ1Aと同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1A,1B ガスメータ
2 ガスメータ本体
2a 正面
3 端子台カバー
9 無線機
14 端子台
20 被取付部
21 係止突起部
24 収容穴
27 コイルばね
28 フィルタ
30 圧力センサ
31 内部空間部
32 通気経路部
34 ガイド溝
35 移動規制部
37 移動規制部
41 取付部