(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032128
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】チューブカット装置
(51)【国際特許分類】
B26D 3/16 20060101AFI20240305BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20240305BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20240305BHJP
B26D 5/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
B26D3/16 C
B26D3/16 G
B26D3/00 601A
B26D7/18 B
B26D5/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135608
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】397003219
【氏名又は名称】司ゴム電材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 徹洋
(72)【発明者】
【氏名】和田 芳美
(72)【発明者】
【氏名】舘野 博明
(72)【発明者】
【氏名】塚本 栄伸
(57)【要約】 (修正有)
【課題】小規模で作業者を限定することなく個別の調整が不要なチューブカット装置を提供すること。
【解決手段】チューブカットステージ70は、作業者により挿入口からチューブが挿入されるチューブガイドと、チューブガイドの挿入口と反対側の端部に設置されたスイッチと、を備えている。チューブガイドに挿入されたチューブがスイッチを押すと、チューブカットユニット30によるチューブのカットを行う動作と、チューブ排出ユニット50によるカットされたチューブの排出を行う動作とがチューブカットサイクルとして実行される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブがカットされるチューブカットステージと、
前記チューブカットステージで前記チューブのカットを行うチューブカットユニットと、
前記チューブカットユニットによりカットされた前記チューブを前記チューブカットステージから排出するチューブ排出ユニットと、
を備え、
前記チューブカットステージは、
作業者により挿入口から前記チューブが挿入されるチューブガイドと、
前記チューブガイドの前記挿入口と反対側の端部に設置されたスイッチと、
を備え、
前記チューブガイドに挿入された前記チューブが前記スイッチを押すと、前記チューブカットユニットによる前記チューブのカットを行う動作と、前記チューブ排出ユニットによるカットされた前記チューブの排出を行う動作とがチューブカットサイクルとして実行される、
チューブカット装置。
【請求項2】
請求項1に記載のチューブカット装置において、
前記チューブカットサイクル終了時、前記チューブカットユニットおよび前記チューブ排出ユニットは、原点の位置で停止する、
チューブカット装置。
【請求項3】
請求項2に記載のチューブカット装置において、
前記チューブカットユニットおよび前記チューブ排出ユニットが動作開始前の原点の位置にあるとき、前記チューブカットユニットおよび前記チューブ排出ユニットの動作を停止させる原点スイッチを備えている、
チューブカット装置。
【請求項4】
請求項1に記載のチューブカット装置において、
前記チューブガイドの長さは、カット後の前記チューブの長さに対応して設定される、
チューブカット装置。
【請求項5】
請求項1に記載のチューブカット装置において、
カットされた前記チューブを回収するチューブ回収部と、
前記チューブカット装置および前記チューブ回収部を支持する支持台と、
を備え、
前記支持台は、前記チューブカットステージ側が低くなるように前記チューブカット装置を支持し、
前記チューブカットステージから排出されたカットされた前記チューブが前記チューブ回収部に回収される、
チューブカット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブカット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場や作業場では、チューブカット装置を用いてチューブが所定の長さにカットされる。例えば、特許文献1には、簡易な構成でありながら巻き取ったチューブから捩れの発生を抑えつつチューブを引き出して所定の寸法に切断することができるチューブ切断装置が開示されている。
【0003】
特許文献1には、チューブカット装置は、巻き取ったチューブからチューブの一部を掴んで所定の長さ分だけ引き出す掴み引出し部と、掴み引出し部に比して巻き取ったチューブ寄りに配置し、かつ、引き出したチューブの一部を掴んで固定する掴み固定部47と、引き出したチューブを引き出し方向に直交する方向に切断する切断部と、を有している旨、記載されている。
【0004】
また、特許文献1には、切断部は、掴み引き出し部に比してチューブの引き出だし方向前方側に配置し、掴み固定部がチューブの一部を掴み、掴み引き出し部がチューブを離した状態で掴み固定部から切断部まで延びる部分に発生したチューブの捩れを解放し易いように掴み固定部と切断部との間隔を調整する旨、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のチューブカット装置では、掴み引き出し部においてチューブの一部を掴んで所定の長さ分だけ引き出す場合、チューブのクセや引き出しトルクのバラつき等に応じて個別の調整が必要である。また、個別の調整が不十分である場合には、チューブのカット寸法の誤差の要因となり、品質の低下を招くおそれがある。また、特許文献1のチューブカット装置は、ワイヤーハーネス組み立てシステムに含まれており、全体として大規模な装置となっている。
【0007】
そこで、本発明は、小規模で作業者を限定することなく個別の調整が不要なチューブカット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の代表的な実施の形態によるチューブカット装置は、チューブがカットされるチューブカットステージと、チューブカットステージでチューブのカットを行うチューブカットユニットと、チューブカットユニットによりカットされたチューブをチューブカットステージから排出するチューブ排出ユニットと、を備えている。チューブカットステージは、作業者により挿入口からチューブが挿入されるチューブガイドと、チューブガイドの挿入口と反対側の端部に設置されたスイッチと、を備えている。チューブガイドに挿入されたチューブがスイッチを押すと、チューブカットユニットによるチューブのカットを行う動作と、チューブ排出ユニットによるカットされたチューブの排出を行う動作とがチューブカットサイクルとして実行される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小規模で作業者を限定することなく個別の調整が不要なチューブカット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るチューブカット装置の構成を例示する図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係るチューブカット装置の構成を例示する図である。
【
図3】チューブカット装置の内部の構成を例示する図である。
【
図4】チューブカット装置の内部の構成を例示する図である。
【
図5】チューブ排出ユニットの構成を例示する図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係るチューブカット装置の構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は適宜省略する。
【0012】
<チューブカット装置の構成>
図1、
図2は、本発明の実施の形態1に係るチューブカット装置の構成を例示する図である。
図1(a)は、チューブカット装置1の斜視図である。
図1(b)は、チューブカット装置1の正面図である。なお、本実施の形態では、後述するチューブカットユニット70が設置された側を正面側としている。
図1(c)は、チューブカット装置1の平面図である。
図2(a)は、チューブカット装置1の左側面図である。
図2(b)は、チューブカット装置1の右側面図である。
【0013】
図3、
図4は、チューブカット装置の内部の構成を例示する図である。
図3(a)は、カバーを外した状態のチューブカット装置1の正面図である。
図3(b)は、カバーを外した状態のチューブカット装置1の平面図である。
図4(a)は、カバーを外した状態のチューブカット装置1の右側面図である。
図4(b)は、カバーを外した状態のチューブカット装置1の拡大斜視図である。
図4(b)では、チューブカット装置1の右側面およびチューブカットユニット70の一部が示されている。
図5は、チューブ排出ユニットの構成を例示する図である。
【0014】
図1、
図2に示すように、チューブカット装置1は、制御ユニット10、チューブカットユニット70等を備えている。制御ユニット10およびチューブカットユニット70は、ベースプレートBPに設置されている。
【0015】
<<制御ユニット>>
制御ユニット10は、チューブカットに関わる各種制御を行うユニットである。例えば、制御ユニット10は、カッターを動作させてチューブカットユニット70でチューブをカットする動作に関わる制御、カットされたチューブをチューブカットユニット70から排出する動作に関わる制御等の制御を行う。
【0016】
図1-
図4に示すように、制御ユニット10は、カバーCOV、カバーCOV内に収納されたモータMOR、リレー等を備えている。また、カバーCOVの上面には、チューブカット装置1のメインスイッチ11、チューブをカットした回数をカウントするカウンター12等を備えている。
また、制御ユニット10は、チューブ排出用カムチューブ排出用カム51およびチューブカット用カム31を備えている。
【0017】
また、制御ユニット10は、チューブカットリンク32、チューブカット用スライド板33、チューブカット用スライドレール34a、34b、チューブカッタ35を備えている。モータMOT、チューブカット用カム31、チューブカットリンク32、チューブカット用スライド板33、チューブカット用スライドレール34a、34b、およびチューブカッタ35は、チューブカットユニット30を構成する。
【0018】
また、制御ユニット10は、チューブ排出用スライド板52、チューブ排出用レール53、チューブ排出リンク54、56、支持部材57、チューブ排出シャッタ58を備えている。モータMOT、チューブ排出用カム51、チューブ排出用スライド板52、チューブ排出用レール53、チューブ排出リンク54、56、支持部材57、およびチューブ排出シャッタ58は、チューブ排出ユニット50を構成する。
【0019】
<<<チューブカットユニット>>>
チューブカットユニット30は、チューブのカットを行うユニットである。チューブカット用カム31は、円形の板状部材である。チューブカット用カム31は、モータ軸SHAに取り付けられ、モータ軸SHAとともに回転する。モータ軸SHAの回転方向は、右側方から見て半時計周りである。
【0020】
チューブカットリンク32は、モータMORの回転をチューブカッタ35へ伝えるための部材である。チューブカットリンク32は、横長の板状部材である。チューブカットリンク32の一端は、チューブカット用カム31のモータ軸SHAとは異なる位置に回転可能に取り付けられている。チューブカットリンク32の他端は、チューブカット用スライド板33に回転可能に接続されている。チューブカットリンク32は、モータ軸SHAの先端より外側に配置される。これにより、チューブカット用カム31が回転しても、チューブカットリンク32がモータ軸SHAと接触しないようになっている。
【0021】
モータ軸SHAおよびチューブカット用カム31が回転すると、チューブカットリンク32は、モータ軸SHAおよびチューブカット用カム31の回転に応じて、チューブカットステージ70に対して前進または後退する。これにより、チューブカットリンク32は、チューブカット用スライド板33をチューブカットステージ70に対して前進または後退させることができる。
【0022】
チューブカット用スライド板33は、チューブカッタ35を支持する部材である。チューブカット用スライド板33は、
図4等に示すように、板状部材である。チューブカット用スライド板33のチューブカットステージ70側の中段付近の端部には、チューブカッタ35が取り付けられている。
【0023】
チューブカット用スライド板33の上部は、接続部材を介して、チューブカッタ保護部材37aに設置されたチューブカット用スライドレール34aに、移動可能に接続されている。一方、チューブカット用スライド板33の下部は、接続部材を介して、チューブカッタ保護部材37aに設置されたチューブカット用スライドレール34bに、移動可能に接続されている。
【0024】
これにより、チューブカット用スライド板33は、チューブカットリンク32の動作に応じてチューブカット用スライドレール34a、34b上をスムーズに前進または後退することができる。これにより、チューブカット用スライド板33は、チューブカット時におけるチューブカットステージ70へのチューブカッタ35の前進、およびチューブカット後のチューブカッタ35の後退をスムーズに行うことができる。
【0025】
また、チューブカット用スライド板33は、モータ軸SHA側の上端付近に突部33aが形成されている。チューブカット用スライド板33は、チューブカットステージ70に対して最も後退した時に、突部33aがチューブカッタ保護部材37aに設置された原点スイッチSWを押すように設置されている。このように、チューブカット用スライド板33は、原点スイッチSWとの間で位置合わせされている。
【0026】
チューブカッタ35は、チューブステージ70(アタッチメント75)に挿入されたチューブをカットする刃である。前述した通り、チューブカッタ35はチューブカット用スライド板33に取り付けられているので、例えば、切れ味が低下したチューブカッタ、刃こぼれ等の破損したチューブカッタを容易に交換することができる。
【0027】
原点スイッチSWは、モータMORの動作を制御する装置である。原点スイッチSWは、ボタンBUTが設けられている。後退してきたチューブカット用スライド板33の突部33aが原点スイッチSWのボタンBUTに接触すると、モータMORが停止するようになっている。このように、原点スイッチSWは、チューブカットユニット30およびチューブ排出ユニット50が動作開始前の原点の位置にあるとき、チューブカットユニット30およびチューブ排出ユニット50の動作を停止させる。
【0028】
チューブカッタ保護部材37a、37bは、チューブカッタ35を保護する部材である。チューブカッタ保護部材37aは、
図1等に示すように、チューブカッタ保護部材37bより内側に設けられている。チューブカッタ保護部材37aの上端部分は、右側方に折れ曲がったL字形状となっている。折れ曲った部分は、カバーCOVの天板に接続されている。
【0029】
チューブカッタ保護部材37aの下端部分は、底面部分を有するU字形状となっている。底面部分はベースプレートBPと接続されている。また、チューブカッタ保護部材37aの下端部分の先端は、
図1等に示すようにチューブカットステージ70を下方から支持する支持部として機能している。
【0030】
チューブカッタ保護部材37bの上端部分は、S字形状となっている。チューブカッタ保護部材37bの上端部分は、S字形状の部分でチューブカッタ保護部材37aと接続されている。チューブカッタ保護部材37bの下端部分は、内側に折り曲げられたL字形状となっている。折り曲げられた部分は、底面部分はベースプレートBPと接続されている。
【0031】
また、チューブカッタ保護部材37bには、外側からチューブ挿入ガイド79が接続されている。チューブ挿入ガイド79は、
図1等に示すように、L字形状である。チューブカッタ保護部材37bに接続された部分79aには、チューブ挿入口79cが形成されている。チューブ挿入口79cは、後述するアタッチメント75の挿入口に合わせた位置に形成されている。チューブカッタ保護部材37bから突出した部分79bの上面にチューブを置き、チューブの先端を部分79bの上面からチューブ挿入口79cへ導入することで、チューブをスムーズに挿入することができる。
【0032】
<<<チューブ排出ユニット>>>
チューブ排出ユニット50は、チューブカットユニット30によりカットされたチューブをチューブカットステージ70から排出するユニットである。チューブ排出用カム51は、モータ軸SHAに取り付けられ、モータ軸SHAとともに回転する。チューブ排出用カム51は、板状部材である。チューブ排出用カム51は、
図2等に示すように、全周において半径が一様でなく、半径が小さい領域と半径が大きい領域とを有する。
【0033】
具体的には、チューブ排出用カム51は、半径が小さく、後述するチューブ排出用スライド板52の引っ掛け部52bに引っ掛からない領域であるベース部と、半径が大きく、チューブ排出用スライド板52の引っ掛け部52bに引っ掛ける領域であるフック部とを有する。フック部が、引っ掛け部52bに引っ掛かると、チューブ排出用スライド板52は、チューブカットステージ70とは反対側に引っ張られる。チューブカットユニット30によるチューブがカットされるのとほぼ同時にチューブが排出されるよう、フック部の位置は調整される。
【0034】
チューブ排出用カム51の形状は、特に限定されず、例えば、
図2等のようなイチョウ型、
図5のような横長で端部が丸い形状、楕円形等でもよい。
【0035】
チューブ排出用スライド板52は、チューブ排出用カム51の回転に応じて、チューブカットステージ70に対して前進または後退する。チューブ排出用スライド板52は、L字型の板状部材である。チューブ排出用スライド板52は、水平に延びるベース部52aと、垂直に延びる引っ掛け部52bとを備えている。ベース部52aは、接続部材を介して、チューブ排出用レール53に移動可能に接続されている。
【0036】
フック部に引っ掛け部52bが引っ掛かると、チューブ排出用スライド板52は、チューブカットステージ70とは反対側に引っ張られて後退し、後述するチューブ排出リンク54、56を引っ張る。これにより、アタッチメント75を下方から閉じるチューブ排出シャッタ58が下側に回転して、アタッチメント75の下方が開く。これにより、アタッチメント75内にあるカット済みのチューブが落下して、アタッチメント75から排出される。
【0037】
一方、フック部が引っ掛け部52bから外れると、チューブ排出用スライド板52は、チューブ排出リンク54、56によりチューブカットステージ70側に引っ張られて前進する。これにより、チューブ排出シャッタ58が上側に回転し、アタッチメント75の下方は、チューブ排出シャッタ58により閉じられる。
【0038】
チューブ排出リンク54、56は、チューブ排出用スライド板52の動きをチューブ排出シャッタ58に伝える部材である。チューブ排出リンク54は、一端がチューブ排出用スライド板52と回転可能に接続され、他端がチューブ排出シャッタ58と接続された取付部材55aと回転可能に接続されている。チューブ排出リンク56は、一端がチューブ排出シャッタ58と接続された取付部材55bと回転可能に接続され、他端が支持部材57の第2部分57bと回転可能に接続されている。
【0039】
支持部材57は、チューブ排出リンク56を支持する部材である。支持部材57は、一端がチューブカッタ保護部材37aに接続されている。支持部材57は、アタッチメント用レール71に沿ってアタッチメント75側に延びる第1部分57aと、モータMOT側に折れ曲がった第2部分57bとを有する。
【0040】
このように、チューブ排出リンク54とチューブ排出リンク56とを連動させてチューブ排出シャッタ58の開閉が行われるので、チューブの排出を安定して行うことができる。
【0041】
チューブ排出シャッタ58は、アタッチメント75を下側から開閉する部材である。チューブ排出シャッタ58は、アタッチメント用レール71の長さ方向のほぼ全域に渡って延在して設置されている。チューブ排出シャッタ58は、
図5等に示すように、L字型断面形状を有する棒状部材である。チューブ排出シャッタ58は、アタッチメント75の開閉を行う第1部分58aと、背面側の第2部分58bとを備えている。チューブ排出シャッタ58は、例えば蝶番等の取付部材59により第2部分58bとアタッチメント用レール71の背面側とが接続される。
【0042】
<<チューブカットステージ>>
チューブカットステージ70は、チューブがカットされるステージである。チューブカットユニット70は、アタッチメント用レール71、支持部材73、アタッチメント75を備えている。アタッチメント用レール71は、アタッチメント75を設置するための部材である。アタッチメント用レール71は、
図1等に示すように、正面側から見て横方向に延在して配置されている。
【0043】
アタッチメント用レール71は、正面側から見て左側の端部付近では支持部材73で支持されている。一方、アタッチメント用レール71は、正面側から見て右側の端部付近ではチューブカッタ保護部材37aの下端部分の先端で支持されている。アタッチメント用レール71には、
図1等に示すように、アタッチメント75の位置決めを行うための溝71aが形成されている。
【0044】
図6は、アタッチメントの構成を例示する図である。
図6(a)は、アタッチメントの斜視図である。
図6(b)は、アタッチメントの正面図である。
図6(c)は、アタッチメントの平面図である。
図6(d)は、アタッチメントの左側面図である。
図6(e)は、アタッチメントの中央付近の断面図である。
【0045】
図6に示すように、アタッチメント75は、チューブガイド76、レールガイド77、スイッチ部78等を備えている。チューブガイド76は、カットされるチューブが挿入される部材である。チューブガイド61の長さは、カット後のチューブの長さ(カット長)に対応して設定される。すなわち、アタッチメント75は、チューブのカット長ごとに専用品が用意される。また、アタッチメント75は、チューブの径に応じた専用品が用意されてもよい。
【0046】
チューブガイド76は、透明な樹脂等で構成される。これにより、外から内部の様子が見えるようになっている。前述の通り、チューブガイド76の下側は、ほぼ全域に渡って開口されており、チューブ排出シャッタ58により、チューブガイド76の下側の開閉が行われる。
【0047】
チューブガイド76の挿入口76b側には、位置決め用溝76aが形成されている。アタッチメント75は、チューブカッタ保護部材37aを挿通させるようにしてアタッチメント用レール71に設置される。その際、位置決め用溝76aによりアタッチメント75の挿入口76b側が位置決めされることで、チューブ挿入ガイド79のチューブ挿入口79cと、チューブガイド76の挿入口76bとの位置合わせを容易に行うことができるようになっている。
【0048】
チューブガイド76の挿入口76bと反対側は開口され、挿入されたチューブの先端がスイッチ78aを押せるようになっている。
【0049】
チューブカッタ35に近い、チューブガイド76の挿入口76b付近では、
図6(d)に示すように、チューブTUBが挿入される空間のモータMOT側の角が面取りされているが、チューブTUBが挿入される空間のモータMOTと反対側(手前)の角が面取りされておらず、垂直に切り立った形状となっている。
【0050】
一方、挿入口76b付近以外の領域では、
図6(e)に示すように、チューブTUBが挿入される空間のモータMOTと反対側の角も面取りされており、チューブガイド76の下側がテーパー状に広く開口された形状となっている。これにより、チューブがカットされる際にチューブが動きにくくして、精度よくチューブをカットすることができるとともに、カットされたチューブがスムーズに排出されるようになっている。
【0051】
レールガイド77は、アタッチメント75をアタッチメント用レール71に設置するための部材である。レールガイド77は、チューブガイド76に取り付けられている。レールガイド77は、背面側に突出し、突出した部分の先端はL字型に折れ曲がっている。折れ曲がった部分は、引っ掛け部77aとして、溝71aを挟んでチューブガイド76とは反対側のアタッチメント用レール71の側面に引っ掛かるようになっている。また、レールガイド77には、溝71aに嵌まる溝ガイド77bが設置されている。このように、レールガイド77は、引っ掛け部77aおよび溝ガイド77bにより、位置ずれが発生させることなく、アタッチメント75をアタッチメント用レール71の所定の位置に位置決めして設置することができるようになっている。
【0052】
スイッチ部78は、チューブガイド76の挿入口76bと反対側の端部に設置されている。スイッチ部78は、スイッチ78a、コネクタ78bを備えている。スイッチ部78は、スイッチ78aがチューブガイド76側を向くように設置される。コネクタ78bは、図示しないケーブルを介して、制御ユニット10と接続される。コネクタ78bと制御ユニット10間では、ケーブルを介した電源の供給、および信号の送受信が行われる。
【0053】
チューブガイド76に挿入されたチューブがスイッチ78aを押すと、モータMORが起動し、チューブカットユニット30によるチューブカット動作、およびチューブ排出ユニット50によるカットされたチューブの排出動作が実行される。
【0054】
<チューブカットサイクル>
次に、チューブカットサイクルについて説明する。前述の通り、チューブカットに係る一連の動作では、チューブカット動作およびチューブ排出動作が1サイクルとして連続して実行される。
図7は、チューブカット動作を説明する図である。
図8は、チューブ排出動作を説明する図である。
【0055】
図7の上段の図は、モータMOTが停止し、チューブカットユニット30およびチューブ排出ユニット50が原点の位置にいる状態を示している。
図8(a)は、チューブ排出ユニット50が原点の位置にいる状態を示している。
【0056】
チューブガイド76に挿入されたチューブTUBがスイッチ78aを押すと、モータMOTが起動しモータ軸SHAが回転を開始する。そうすると、
図7の上段および中段の図に示すように、チューブカットユニット30の動作により、チューブカッタ35がチューブガイド76に向かって前進し、チューブガイド76に挿入されたチューブTUBのカットが実行される。チューブのカットが実行されると、
図7の中段および下段の図に示すように、チューブカットユニット30の動作により、チューブカッタ35がチューブガイド76から後退する。
【0057】
一方、チューブTUBのカットが実行されるのとほぼ同時に、
図7の中段および下段の図、および
図8(b)に示すように、チューブ排出ユニット50の動作により、チューブ排出シャッタ58が下側に回転し、チューブガイド76の下端が開く。これにより、カットされたチューブTUBがチューブガイド76から排出される。そして、チューブTUBがチューブガイド76から排出されると、チューブ排出シャッタ58が上側に回転し、チューブガイド76の下端が閉じる。このときのチューブ排出シャッタ58の回転角は、
図8(b)では例えば48°としているが、これに限定されるものではない。
【0058】
そして、チューブカットユニット30、およびチューブ排出ユニット50が原点に戻ると、チューブカット用スライド板33の突部33aが原点スイッチSWを押す。これにより、モータMOTが停止し、チューブカットユニット30、およびチューブ排出ユニット50は、原点の位置で停止する。すなわち、チューブカットサイクル終了時、チューブカットユニット30、およびチューブ排出ユニット50は、原点の位置で停止する。ここまでがチューブカットに係る1サイクル動作である。
【0059】
作業者は、チューブTUBをチューブガイド76に挿入することで、チューブカットを連続して行うことができる。チューブカットの実行回数は、制御ユニット10に設置されたカウンターに表示される。作業者は、カウンターの数値を見ながら作業を行うことができる。
【0060】
<本実施の形態による主な効果>
本実施の形態によれば、チューブガイド76に挿入されたチューブTUBがスイッチ78aを押すと、チューブカット動作およびチューブ排出動作からなるチューブカットに係る1サイクルの動作が実行される。
【0061】
この構成によれば、小規模で作業者を限定することなくチューブカットが実行される。また、アタッチメント75は、カット後のチューブの長さに応じた専用品が使用される。また、作業者は、ねじれや巻きぐせを直しつつチューブをチューブガイド76に挿入することができるので、チューブカット装置における個別の調整が不要となる。
【0062】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。前述の実施の形態1では、カットされたチューブはベースプレートBPに排出される。このため、チューブがベースプレートBP付近に散らばり、一部のチューブが床に落下する可能性もある。
【0063】
そこで、本実施の形態では、カットされたチューブを効率的に回収することができるように構成されている。
図9は、本発明の実施の形態2に係るチューブカット装置の構成を例示する図である。
図9(a)は、チューブカット装置1の斜視図である。
図9(b)は、チューブカット装置1の正面図である。
図9(c)は、チューブカット装置1の平面図である。
図9(d)は、チューブカット装置1の右側面図である。
【0064】
図9に示すように、本実施の形態では、チューブカット装置1が支持台100に設置されている。また、支持台100には、チューブ回収部110が設置されている。
【0065】
支持台100は、背面側(制御ユニット10側)が高く、正面側(チューブカットステージ70側)が低くなっている。これにより、チューブカット装置1は、制御ユニット10側からチューブカットステージ70側に向かって傾斜しており、チューブガイド76から排出されたチューブTUBは、ベースプレートBPから落下したのち、チューブ回収部110に移動する。作業者は、チューブ回収部110に回収されたチューブを回収すればよいので、カットされたチューブの回収に関わる作業者の労力が大幅に軽減される。
【0066】
ここまで、本発明の各実施形態を説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、削除、変換することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
1…チューブカット装置、30…チューブカットユニット、50…チューブ排出ユニット、70…チューブカットステージ、76…チューブガイド、78…スイッチ部、78a…スイッチ、100…支持台、110…チューブ回収部、SW…原点スイッチ。