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  • 特開-経口組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003213
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】経口組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/26 20060101AFI20231228BHJP
   A61K 33/44 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20231228BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231228BHJP
   A61K 36/8998 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61K33/26
A61K33/44
A61P3/04
A61P43/00 121
A61K36/8998
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194855
(22)【出願日】2023-11-16
(62)【分割の表示】P 2021201377の分割
【原出願日】2018-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】友澤 寛
(72)【発明者】
【氏名】中島 千絵
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
(57)【要約】
【課題】胆汁酸排泄効果の高い新たな経口組成物を提供すること。
【解決手段】 炭、鉄及び大麦若葉を含有する経口組成物である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭、鉄及び大麦若葉を含有することを特徴とする抗肥満用経口組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胆汁酸排泄効果の高い経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、胆汁酸排泄効果があるものとして柿が知られており、例えば、未成熟柿果実を含有する胆汁酸の排泄促進剤が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の胆汁酸の排泄促進剤は、未成熟柿果実(開花から成熟2週間前までの間に摘果された柿果実を言う)を原料とし、かつ、未成熟柿果実を乾燥及び粉末化した組成物の水分が5.5~10%、タンニン酸が3.3~15%含有してなることを特徴としており、使用する柿の摘果時期や使用部位、含有される成分の割合が限定されるため、その調製は容易ではなかった。
したがって、このような胆汁酸排泄効果を有する新たな組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-063332号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、胆汁酸排泄効果の高い新たな経口組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、胆汁酸排泄効果のある組成物を探索する中で、炭及び鉄を含有する組成物に高い胆汁酸排泄効果があることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]炭及び鉄を含有することを特徴とする経口組成物。
[2]さらに、大麦若葉を含有することを特徴とする上記[1]に記載の経口組成物。
[3]胆汁酸の排泄のために用いられることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の経口組成物。
[4]脂肪の吸収抑制のために用いられることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれかに記載の経口組成物。
[5]血中コレステロールの上昇抑制のために用いられることを特徴とする上記[1]~[4]のいずれかに記載の経口組成物。
[6]抗肥満(ダイエット)のために用いられることを特徴とする上記[1]~[5]のいずれかに記載の経口組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明の経口組成物は、高い胆汁酸排泄効果を有する。
【0009】
また、本発明の経口組成物は、高い脂肪吸収抑制効果を有する。
すなわち、胆汁酸は腸で脂肪の吸収を促進するが、本発明の経口組成物は、腸で胆汁酸に吸着して胆汁酸を排泄するため、腸における脂肪吸収を抑制することができる。
【0010】
また、本発明の経口組成物は、高い血中コレステロール上昇抑制効果を有する。
すなわち、胆汁酸は、肝臓でコレステロールから異化されて生成され、腸において一部が体外へ排泄されるものの、多くは再吸収されて肝臓に戻るところ、本発明の経口組成物は、腸で胆汁酸に吸着して胆汁酸を排泄するため、腸から肝臓に戻る胆汁酸の量を低減することとなり、肝臓でのコレステロールから胆汁酸への生成を増加させ、血中コレステロールの上昇を抑制することができる。
【0011】
さらに、本発明の経口組成物は、以上の胆汁酸排泄効果、脂肪吸収抑制効果、及び血中コレステロール上昇抑制効果により、高い抗肥満効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の組成物による胆汁酸吸着量を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の経口組成物は、炭及び鉄を含有することを特徴とする。本発明の経口組成物においては、炭及び鉄を組み合わせて用いることから、胆汁酸を効果的に吸着し、排泄することができる。また、この胆汁酸排泄効果に基づき、血中のコレステロール(LDLコレステロール)の上昇や、腸における脂肪吸収を抑制することができる。したがって、本発明の経口組成物は、肥満の予防及び/又は改善の他、高脂血症や動脈硬化、脂肪肝、心血管疾患等の生活習慣病の予防及び/又は改善にも役立つ。
【0014】
本発明の経口組成物に含まれる炭としては、食用のものであれば特に制限されるものではなく、籾殻炭、椰子殻炭、胡桃殻炭、木炭、竹炭、純炭、活性炭等を挙げることができる。これらの炭は、例えば、籾殻、椰子殻、胡桃殻や、松、樫、楢などの樹木、竹、これらから抽出されたセルロース、合成されたセルロースを焼成して炭化し粉砕することにより、得ることができる。炭としては、籾殻炭、椰子殻炭、木炭、竹炭、純炭、活性炭が好ましく、籾殻炭、椰子殻炭、松炭、竹炭、活性炭が特に好ましい。活性炭は、籾殻や椰子殻、木、竹等の炭素質物質を熱処理によって炭化させ、賦活した多孔性の炭素物質である。
【0015】
本発明の経口組成物に含まれる鉄としては、鉄を含む化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、鉄クロロフィリンナトリウム、クエン酸鉄、ピロリン酸鉄を挙げることができる。
【0016】
本発明の経口組成物においては、炭及び鉄に加えて大麦若葉を含有することが好ましい。大麦若葉を含有することにより、胆汁酸排泄効果をさらに高めることができる。また、青汁として手軽に摂取することが可能となる。
【0017】
大麦(Hordeum vulgare L.)は、中央アジア原産とされ、イネ科に属する一年生又は越年生草本であり、穂形により、二条大麦や六条大麦などに大別される。本発明の経口組成物に用いられる大麦若葉としては、通常入手可能なものであれば特に限定されず、二条大麦や六条大麦などのいずれの大麦若葉を用いてもよい。また、いずれの品種の大麦若葉を用いてもよい。大麦若葉は、大麦の若葉が含まれていればよく、茎等の他の部位が含まれていてもよい。
【0018】
また、大麦若葉は、粉砕物、搾汁、抽出物等として用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水(温水、熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。
【0019】
本発明の経口組成物は、大麦若葉と共に、又は大麦若葉に代えて、他の青汁素材を含有してもよい。青汁素材としては、例えば、ケール、明日葉、クマザサ、長命草等を挙げることできる。
【0020】
本発明の経口組成物は、必要に応じて、上記以外の他の成分を添加して、混合等の公知の方法によって製造することができる。他の成分としては、例えば、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B12、B13、B15、B17、ビオチン、コリン、葉酸、イノシトール、PABA、ビタミンC、ビタミンP)、油溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)等のビタミン類;カルシウム、マグネシウム、リン等のミネラル類;タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【0021】
本発明の経口組成物は、胆汁酸排泄効果、この胆汁酸排泄効果に基づく脂肪吸収抑制効果及び血中コレステロール上昇抑制効果、さらにこの胆汁酸排泄効果、脂肪吸収抑制効果及び血中コレステロール上昇抑制効果に基づく抗肥満(ダイエット)効果等を有するものであり、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、一般的な食品、食品添加剤、飼料等として用いることができる。
【0022】
本発明の経口組成物は、脂肪吸収抑制のために用いられる脂肪吸収抑制用組成物として用いることができ、かかる脂肪吸収抑制用組成物としては、炭及び鉄を含有し、脂肪吸収抑制に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに脂肪吸収抑制作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の脂肪吸収抑制用組成物は、製品の包装等に、本発明における組合せの成分(炭及び鉄)が脂肪吸収抑制の有効成分として表示されているものに限られず、例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。
【0023】
具体的に、本発明の脂肪吸収抑制用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「脂肪の吸収を抑える」、「脂肪の吸収を減らす」、「脂肪の吸収を抑えたい方に」等を表示したものを例示することができる。
【0024】
本発明の経口組成物は、血中コレステロール上昇抑制のために用いられる血中コレステロール上昇抑制用組成物として用いることができ、かかる血中コレステロール上昇抑制用組成物としては、炭及び鉄を含有し、血中コレステロール上昇抑制に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血中コレステロール上昇抑制作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の血中コレステロール上昇抑制用組成物は、製品の包装等に、本発明における組合せの成分(炭及び鉄)が血中コレステロール上昇抑制の有効成分として表示されているものに限られず、例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。
【0025】
具体的に、本発明の血中コレステロール上昇抑制用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「コレステロールの上昇を抑える」、「コレステロールが気になる方に」、「コレステロールの吸収を抑える」、「コレステロールが高めの方に」等を表示したものを例示することができる。
【0026】
また、本発明の経口組成物は、抗肥満のために用いられる抗肥満用組成物として用いることができ、かかる抗肥満用組成物としては、炭及び鉄を含有し、抗肥満に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに抗肥満作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の抗肥満用組成物は、製品の包装等に、本発明における組合せの成分(炭及び鉄)が抗肥満の有効成分として表示されているものに限られず、例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。
【0027】
具体的に、本発明の抗肥満用組成物としては、医薬品(医薬部外品を含む)やいわゆる健康食品が挙げられ、いわゆる健康食品においては、「体脂肪の気になる方へ」、「肥満気味な方へ」、「体重(BMI)が気になる方へ」、「体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)を減らす」、「ウエスト周囲系を減らす」等を表示したものを例示することができる。
【0028】
本発明の経口組成物の形態としては、例えば、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、粒状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、クリーム状、カプレット状、ゲル状、チュアブル状、スティック状等を挙げることができる。これらの中でも、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むための粉末や、食品添加剤を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0029】
本発明の経口組成物における炭及び鉄(本発明の2成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0030】
一般的には、本発明の経口組成物が錠剤等の医薬品やサプリメントの場合には、本発明の2成分が乾燥質量換算で組成物全体の0.01~100質量%含まれていることが好ましく、0.03~85質量%含まれていることがより好ましく、0.05~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0031】
本発明の経口組成物が容器詰飲料である場合には、本発明の2成分が組成物全体の0.0001~50質量%含まれていることが好ましく、0.0005~40質量%含まれていることがより好ましく、0.001~30質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0032】
また、本発明の経口組成物が粉末飲料である場合には、本発明の2成分が乾燥質量換算で組成物全体の0.0001~80質量%含まれていることが好ましく、0.0005~70質量%含まれていることがより好ましく、0.001~60質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0033】
さらに、本発明の経口組成物が炭、鉄及び大麦若葉を含有する場合、錠剤等の医薬品やサプリメントの場合には、本発明の3成分が乾燥質量換算で組成物全体の0.05~100質量%含まれていることが好ましく、0.075~85質量%含まれていることがより好ましく、0.1~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0034】
本発明の経口組成物が容器詰飲料である場合には、本発明の3成分が組成物全体の0.0001~50質量%含まれていることが好ましく、0.0005~40質量%含まれていることがより好ましく、0.001~30質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0035】
また、本発明の経口組成物が粉末飲料である場合には、本発明の3成分が乾燥質量換算で組成物全体の0.0005~90質量%含まれていることが好ましく、0.001~80質量%含まれていることがより好ましく、0.005~70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0036】
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、本発明の3成分が乾燥質量換算で組成物全体の0.1質量%以上含まれていることが好ましく、1質量%以上含まれていることがより好ましく、5質量%以上含まれていることがさらに好ましく、10質量%以上含まれていることが特に好ましい。
【0037】
本発明の経口組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの本発明の2成分の摂取量が、5mg/日以上となるように摂取することが好ましく、10mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、20mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。本発明の経口組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2~3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0038】
炭及び鉄の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.01~2000:1であることが好ましく、0.05~1000:1であることがより好ましく、0.1~100:1であることがさらに好ましい。また、炭及び鉄と、大麦若葉との配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.01~2000:1の範囲であることが好ましく、0.05~1000:1の範囲であることがより好ましく、0.1~100:1の範囲であることがさらに好ましい。
【実施例0039】
以下、実施例に基づき、本発明を説明する。
【0040】
<胆汁酸吸着能試験>
(被験物質の調製)
各原料(炭、鉄、大麦若葉末)を表1に示すように配合し、比較例1~3、並びに実施例1及び2の被験物質を調製した。
【0041】
【表1】
【0042】
(サンプルの調製)
37℃に温めた食後人工腸液(FeSSIF:100mM タウロコール酸ナトリウム 15mL、レシチン 284.3mg、1M 酢酸 14.4mL、1M 水酸化ナトリウム 10.1mL、1M 塩化ナトリウム 17.3mL、pH5.0)6mLに対して、被験物質を0.05%(W/V)濃度で加え、ボルテックスをした。その後、37℃恒温槽にて30分間100rpmで揺らしながら温めた。また、コントロールとして食後人工腸液6mLを37℃の恒温槽にて30分間100rpmで揺らしながら温めた。
【0043】
30分温めた後、2000rpmにて10分間遠心した。
【0044】
沈殿物(被験物質)を吸い取らないように、上清を3mLとり、上清に等量の酢酸エチルを添加し、30秒ボルテックスした。ボルテックス後、2000rpmにて10分間遠心した。
【0045】
液の上層1.5mLを新しい遠沈管に移し、遠心エバポレーターを用いて、乾固した。
【0046】
乾固物に2-プロパノール600μLを加え、10秒間ボルテックスした。ボルテックス後、10分間超音波により懸濁した。
【0047】
その後、800rpmにて3分間遠心し、上清を1.5mLチューブに回収し、サンプルを得た。
【0048】
(胆汁酸濃度の測定)
総胆汁酸テストワコーを用いて、以下の方法でサンプル中の胆汁酸濃度を測定した。
【0049】
サンプル25μLに酵素液62.5μLを加え、よく混和した後に37℃で10分間加温した。その後、反応停止液を62.5μL加え、よく混和し、560nmにおける吸光度を測定した。また、サンプル25μLに盲検用酵素液62.5μLを加えたものも同様に反応させ、サンプルのブランクとした。
【0050】
グリココール酸の濃度を10、20、30、40、50μmol/Lに調整した2-プロパノール溶液25μLに、酵素液62.5μLを加え、よく混和した後に37℃で10分間加温した。その後、反応停止液を62.5μL加え、よく混和し、560nmにおける吸光度を測定し、検量線を作成した。また、グリココール酸の濃度を10μmol/Lに調整した2-プロパノール溶液25μLに、活性を持たない盲検用酵素液62.5μLを加えたものも同様に反応させ、それを標準液のブランクとした。
【0051】
検量線より、サンプルの胆汁酸濃度(μmol/L)を求め、コントロールを100%とした場合の相対値(%)に変換した上で、当該相対値からの吸着量を算定した。
【0052】
その結果を図1に示す。
【0053】
図1に示すように、炭と鉄を組み合わせることにより、炭及び鉄の単独添加と比較して胆汁酸吸着量が向上することがわかった。また、図1に示すように、炭及び鉄と大麦若葉を組み合わせることで、胆汁酸の吸着性が相乗的に上昇することがわかった。
【0054】
[製造例1](錠剤の製造)
下記成分からなる錠剤を製造した。得られた組成物は胆汁酸吸着作用が期待できるものであった。
【0055】
炭粉末(竹由来) 0.08%
鉄クロロフィル 0.0001%
大麦若葉末 0.04%
ビタミン 5%
二酸化ケイ素 6%
マルトース 55.5799%
還元麦芽糖 0.3%
ドロキシプロピルセルロース 15%
ステアリン酸カルシウム 3%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 15%
【0056】
[製造例2](顆粒剤の製造)
下記成分からなる顆粒剤を製造した。得られた組成物は胆汁酸吸着作用が期待できるものであった。
【0057】
炭粉末(椰子殻由来) 70%
鉄クロロフィル 20%
大麦若葉末 2.25%
ステアリン酸カルシウム 1.5%
ドロマイト 6.25%
[製造例3](粉末飲料の製造)
下記成分からなる粉末飲料を製造した。得られた組成物は胆汁酸吸着作用が期待できるものであった。
【0058】
炭粉末(籾殻由来) 0.02%
鉄クロロフィル 0.16%
大麦若葉エキス末 1%
ビタミン 3%
還元麦芽糖 35.82%
難消化性デキストリン 60%
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の経口組成物は、高い胆汁酸排泄効果を有することから、産業上有用である。

図1