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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032139
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ドア錠
(51)【国際特許分類】
   E05C 1/06 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
E05C1/06 Z
E05C1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135630
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】501176059
【氏名又は名称】株式会社ガードロック
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】南 完治
(57)【要約】
【課題】簡易な機構で、カム機構やリンク機構等の連動機構に起因する問題点を解消するようにしたデッドボルトを備えたドア錠を提供すること。
【解決手段】ケース1内にデッドボルト2と、デッドボルト操作部3とを備え、デッドボルト2の基部にデッドボルト操作部3によって操作される被操作部21を形成し、この被操作部21に、デッドボルト2の出没方向に間隔をあけて第1の磁石片41及び第2の磁石片42を配設し、デッドボルト操作部3に、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する2つの磁石片43、44を配設する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッドボルトと、デッドボルト操作部とを備えたドア錠であって、前記デッドボルトの基部にデッドボルト操作部によって操作される被操作部を形成し、該被操作部に磁石片を配設し、デッドボルト操作部に被操作部に配設した磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片を配設し、デッドボルトを出没操作するようにしたことを特徴とするドア錠。
【請求項2】
前記被操作部に、デッドボルトの出没方向に間隔をあけて第1の磁石片及び第2の磁石片を配設し、デッドボルト操作部に、第1の磁石片及び第2の磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片を配設したことを特徴とするドア錠。
【請求項3】
前記第1の磁石片及び第2の磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片が、第1の磁石片が吸着し、第2の磁石片が反発する第3の磁石片及び第2の磁石片が吸着し、第1の磁石片が反発する第4の磁石片からなることを特徴とする請求項2に記載のドア錠。
【請求項4】
前記第1の磁石片及び第2の磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片が、1つの磁石片からなることを特徴とする請求項2に記載のドア錠。
【請求項5】
前記デッドボルトの被操作部が、柔軟性を有する合成樹脂材料からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のドア錠。
【請求項6】
前記デッドボルトの先端部に、デッドボルトの突出時に、デッドボルトの表面から突出し、デッドボルトの没入時に、デッドボルト内に没入する係止部材を配設するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のドア錠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、住宅やマンション等の開き戸や引き戸に設置されるドア錠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅やマンション等の開き戸や引き戸には、デッドボルトを備えたドア錠が設置されている。
このデッドボルトを備えたドア錠は、サムターンや鍵を操作することで、カム機構やリンク機構等の連動機構を介して、デッドボルトを出没させ、施解や解錠を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-273370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デッドボルトを備えたドア錠は、デッドボルトを出没させるために、カム機構やリンク機構等の連動機構を用いているため、以下の問題があった。
・カム機構やリンク機構等の連動機構が複雑で、大型化する。
・カム機構やリンク機構等の連動機構のスムースな動きを維持するために摺動部に注油等のメンテナンスが必要で、メンテナンスを怠ると耐久性が低下する。
・カム機構やリンク機構等の連動機構の機械音が大きい。
・振動や不正操作等により施錠から解錠(若しくは逆)に切り替わらないようにカム機構やリンク機構等の連動機構にばねを使用する必要があり、ばねの耐久性の問題がある。
【0005】
本発明は、上記カム機構やリンク機構等の連動機構を用いたデッドボルトを備えたドア錠の有する問題点に鑑み、簡易な機構で、カム機構やリンク機構等の連動機構に起因する問題点を解消するようにしたデッドボルトを備えたドア錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のドア錠は、デッドボルトと、デッドボルト操作部とを備えたドア錠であって、前記デッドボルトの基部にデッドボルト操作部によって操作される被操作部を形成し、該被操作部に磁石片を配設し、デッドボルト操作部に前記被操作部に配設した磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片を配設したことを特徴とする。
【0007】
この場合において、前記被操作部に、デッドボルトの出没方向に間隔をあけて第1の磁石片及び第2の磁石片を配設し、デッドボルト操作部に、第1の磁石片及び第2の磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片を配設することができる。
【0008】
そして、前記第1の磁石片及び第2の磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片が、第1の磁石片が吸着し、第2の磁石片が反発する第3の磁石片及び第2の磁石片が吸着し、第1の磁石片が反発する第4の磁石片からなることができる。
【0009】
また、前記第1の磁石片及び第2の磁石片と選択的に吸着又は反発する磁石片が、1つの磁石片からなることができる。
【0010】
また、前記デッドボルトの被操作部が、柔軟性を有する合成樹脂材料(エラストマやゴムを含む。)からなることができる。
【0011】
また、前記デッドボルトの先端部に、デッドボルトの突出時に、デッドボルトの表面から突出し、デッドボルトの没入時に、デッドボルト内に没入する係止部材を配設するようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のドア錠によれば、簡易な機構で、カム機構やリンク機構等の連動機構に起因する問題点を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のドア錠の第1実施例を示し、(a1)は施錠状態のドア錠の正面図、(a2)は同側面図、(b1)は解錠状態のドア錠の正面図、(b2)は同側面図である。
図2】同ドア錠の上蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図、(d)は左側面図である。
図3】同ドア錠の下蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図、(d)は左側面図である。
図4】同ドア錠のデッドボルトを示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。
図5】同ドア錠のデッドボルトを示し、(a)は正面図、(b)は左側面図である。戸体拘束部のシリンダケースカバーの説明図である。
図6】本発明のドア錠の第2実施例を示し、(a)は施錠状態のドア錠の正面図、(b)は解錠状態のドア錠の正面図である。
図7】同ドア錠のデッドボルト操作部(サムターン)を取り付けた状態の上蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図である。
図8】同ドア錠の上蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図、(d)は左側面図である。
図9】同ドア錠の下蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図、(d)は左側面図である。
図10】同ドア錠のデッドボルト操作部(サムターン)を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図である。
図11】本発明のドア錠の第3実施例を示し、(a1)は施錠状態のドア錠の正面図、(a2)は同平面図、(a3)は左側面図、(b1)は解錠状態のドア錠の正面図、(b2)は同平面図、(b3)は左側面図である。
図12】同ドア錠のデッドボルト操作部を示し、(a)はデッドボルト操作部の押釦、(b)は同磁石収納部材、(c)はばね収納部材、(d)は施錠状態のデッドボルト操作部、(e)は解錠状態のデッドボルト操作部である。
図13】同ドア錠の上蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図、(d)は左側面図である。
図14】同ドア錠の下蓋を示し、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は背面図、(d)は左側面図である。
図15】本発明のドア錠の第4実施例を示し、(a)は施錠状態のドア錠の正面図、(b)は解錠状態のドア錠の正面図、(c)は丸穴側から見たストライクの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のドア錠の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1図4に、本発明のドア錠の第1実施例を示す。
このドア錠は、住宅やマンションの建造物の開き戸をロックするために用いられるドア錠であって、ケース1内にデッドボルト2と、デッドボルト操作部3とを備え、デッドボルト2の基部にデッドボルト操作部3によって操作される被操作部21を形成し、この被操作部21に、デッドボルト2の出没方向に間隔をあけて第1の磁石片41及び第2の磁石片42を配設し、デッドボルト操作部3に、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する2つの磁石片43、44を配設するようにしている。
【0016】
ここで、第1の磁石片41は、デッドボルト2の基部に形成した被操作部21のデッドボルト2の基端寄りの位置に、例えば、N極-S極の向きに、第2の磁石片42は、被操作部21のデッドボルト2の先端寄りの位置に、例えば、S極-N極の向きに、それぞれ配設するようにする。
【0017】
デッドボルト操作部3は、ケース1に揺動可能に軸支され、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する2つの磁石片43、44を配設するようにしている。
そして、デッドボルト操作部3が、図1(a1)及び(a2)に示す、第1の操作位置にあるとき、第1の磁石片41が、例えば、N極-S極の向きの第3の磁石片43に吸着し、第2の磁石片42が、第3の磁石片43に反発することで、デッドボルト2がケース1から突出した施錠状態となり、図1(b1)及び(b2)に示す、第2の操作位置にあるとき、第2の磁石片42が、例えば、S極-N極の向きの第4の磁石片44に吸着し、第1の磁石片41が、第4の磁石片44に反発することで、デッドボルト2が没入した解錠状態となる。
なお、各磁石片の磁力が強い場合やデッドボルト2の出没方向のストロークが小さい場合は、例えば、第1の磁石片41及び第2の磁石片42の一方を省略することもできる。
【0018】
ケース1は、上蓋11及び下蓋12とからなり、上蓋11及び下蓋12に形成した軸受部11a、12aに、デッドボルト操作部3の軸部31aを挟み込むようにして軸支するようにする。
【0019】
デッドボルト2に形成した被操作部21には、第1の磁石片41及び第2の磁石片42を配設するために、磁石片挿入穴21a、21bを備えるようにする。
【0020】
ところで、デッドボルト2は、ステンレススチール等の金属製とするほか、発生する機械音を低減するために、全体又は少なくとも被操作部21を、合成樹脂材料製、特に、柔軟性を有する合成樹脂材料(エラストマやゴムを含む。)製とすることができる。
これにより、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と第3の磁石片43及び第4の磁石片44との衝突音の発生を防止することができる。
【0021】
そして、デッドボルト2全体を合成樹脂材料(柔軟性を有する合成樹脂材料(エラストマやゴムを含む。))製とする場合は、デッドボルト2の強度を担保するために、図5に示すように、デッドボルト2に、ステンレススチール等の金属製のボルト・ナット22a、22b等の補強材を組み込むようにすることができる。
【0022】
このドア錠によれば、以下の作用を奏することで、カム機構やリンク機構等の連動機構に起因する問題点を解消することができる。
・カム機構やリンク機構等の連動機構がないため、機構が簡易で、小型化できる。
・注油等のメンテナンスが不要で、耐久性を有する。
・機械音や衝突音を小さくすることができる。
・振動や不正操作等の対策にばねを使用する必要がなく、ばねの耐久性の問題がない。
【0023】
図6図10に、本発明のドア錠の第2実施例を示す。
このドア錠は、住宅やマンションの建造物の開き戸をロックするために用いられるドア錠であって、ケース1内にデッドボルト2と、デッドボルト操作部3とを備え、デッドボルト2の基部にデッドボルト操作部3によって操作される被操作部21を形成し、この被操作部21に、デッドボルト2の出没方向に間隔をあけて第1の磁石片41及び第2の磁石片42を配設し、デッドボルト操作部3に、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する1つの磁石片45を配設するようにしている。
【0024】
ここで、デッドボルト操作部3は、ケース1に回転可能に支持されたサムターンからなり、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する1つの磁石片45を配設するようにしている。
そして、デッドボルト操作部3が、図6(a)に示す、第1の操作位置(位相)にあるとき、第1の磁石片41が、例えば、N極-S極の向きの磁石片45に吸着し、第2の磁石片42が、磁石片45に反発することで、デッドボルト2がケース1から突出した施錠状態となり、図6(b)に示す、第2の操作位置(位相)にあるとき、第2の磁石片42が、例えば、S極-N極の向きの磁石片45に吸着し、第1の磁石片41が、磁石片45に反発することで、デッドボルト2が没入した解錠状態となる。
【0025】
ケース1は、上蓋11及び下蓋12とからなり、上蓋11にデッドボルト操作部3を抜け止めリング32を用いて取り付けるとともに、下蓋12に形成した軸受部12a及び回転規制部12cに、デッドボルト操作部3の軸部31b及び回転規制軸部31cを支持するようにする。
【0026】
なお、本実施例のドア錠のその他の構成及び作用は、図1図4及び図5に記載した第1実施例のドア錠と同様である。
【0027】
図11図14に、本発明のドア錠の第3実施例を示す。
このドア錠は、住宅やマンションの建造物の開き戸をロックするために用いられるドア錠であって、ケース1内にデッドボルト2と、デッドボルト操作部3とを備え、デッドボルト2の基部にデッドボルト操作部3によって操作される被操作部21を形成し、この被操作部21に、デッドボルト2の出没方向に間隔をあけて第1の磁石片41及び第2の磁石片42を配設し、デッドボルト操作部3に、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する1つの磁石片45を配設するようにしている。
【0028】
ここで、デッドボルト操作部3は、ケース1に配設された押釦33を備えてなり、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する1つの磁石片45を配設するようにしている。
具体的には、デッドボルト操作部3は、押釦33のほか、押釦33に形成された接続ピン移動溝33aと係合することにより押釦33の押し下げ方向を軸として回転する、接続ピン34aを形成し、磁石片45を収納した磁石収納部材34と、押釦33を付勢するばね36を収納したばね収納部材35とからなる。
そして、押釦33に形成した突起33bがケース1の上蓋11に形成した窪み11bに係止されることで押釦33を押し下げた状態を保持することができるようにする。なお、押釦33の押し下げた状態の解除は、押釦33を横方向にスライドさせることにより突起33bの窪み11bに対する係止を解くことにより行うことができる。
ここで、突起33bをばね及びカム(図示省略)を用い、押釦33の上部に突出したスライド式としたり、磁石片45を回転する機構として、オルタネート機構を採用することもできる。
そして、デッドボルト操作部3の磁石収納部材34が、図11(a1)~(a3)に示す、第1の操作位置(位相)にあるとき、第1の磁石片41が、例えば、N極-S極の向きの磁石片45に吸着し、第2の磁石片42が、磁石片45に反発することで、デッドボルト2がケース1から突出した施錠状態となり、図11(b1)~(b3)に示す、第2の操作位置(位相)にあるとき、第2の磁石片42が、例えば、S極-N極の向きの磁石片45に吸着し、第1の磁石片41が、磁石片45に反発することで、デッドボルト2が没入した解錠状態となる。
【0029】
ケース1は、上蓋11及び下蓋12とからなり、上蓋11にデッドボルト操作部3を取り付けるとともに、下蓋12に形成した軸受部12dに、デッドボルト操作部3の磁石収納部材34を支持するようにする。
【0030】
なお、本実施例のドア錠のその他の構成及び作用は、図1図4に記載した第1実施例のドア錠及び図6図10に記載した第2実施例のドア錠と同様である。
【0031】
図15に、本発明のドア錠の第4実施例を示す。
このドア錠は、住宅やマンションの建造物の引き戸や開き戸をロックするために用いられるドア錠であって、ケース1内にデッドボルト2と、デッドボルト操作部3とを備え、デッドボルト2の基部にデッドボルト操作部3によって操作される被操作部21を形成し、この被操作部21に、デッドボルト2の出没方向に間隔をあけて第1の磁石片41及び第2の磁石片42を配設し、デッドボルト操作部3に、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する1つの磁石片45を配設するようにしている。
【0032】
ここで、デッドボルト操作部3は、ケース1に回転可能に支持されたサムターンからなり、第1の磁石片41及び第2の磁石片42と選択的に吸着又は反発する1つの磁石片45を配設するようにしている。
そして、デッドボルト操作部3が、図14(a)に示す、第1の操作位置(位相)にあるとき、第1の磁石片41が、例えば、N極-S極の向きの磁石片45に吸着し、第2の磁石片42が、磁石片45に反発することで、デッドボルト2がケース1から突出した施錠状態となり、図14(b)に示す、第2の操作位置(位相)にあるとき、第2の磁石片42が、例えば、S極-N極の向きの磁石片45に吸着し、第1の磁石片41が、磁石片45に反発することで、デッドボルト2が没入した解錠状態となる。
【0033】
デッドボルト2の先端部には、デッドボルト2の突出時に、デッドボルト2の表面から突出してストライク6の丸穴61内に形成された係止部62に係止され、デッドボルト2の没入時に、デッドボルト2内に没入する係止部材5を配設するようにしている。
係止部材5は、デッドボルト2に揺動可能に配設された2つの揺動係止片51と、2つの揺動係止片51に基端側を付勢するばね52とからなる。
そして、揺動係止片51の基端部がケース1の案内溝13に案内されることよって、デッドボルト2の突出時には、ばね52が圧縮され2つの揺動係止片51の先端側の間隔が拡がることでデッドボルト2の表面から突出し、デッドボルト2の没入時には、ばね52の付勢力によって2つの揺動係止片51の先端側の間隔が狭まることでデッドボルト2内に没入するようにしている。
なお、本実施例において、揺動係止片51を2つの部材で構成したが、揺動係止片51は、1つ又は3つ以上の部材で構成することもできる。
【0034】
このドア錠によれば、デッドボルト2の先端部に、デッドボルト2の突出時に、デッドボルト2の表面から突出してストライク6の丸穴61内に形成された係止部62に係止され、デッドボルト2の没入時に、デッドボルト2内に没入する係止部材5を配設するようにしているので、住宅やマンションの建造物の引き戸をロックするために用いることがで
きる。
また、このドア錠は、住宅やマンションの建造物の開き戸に使用することもでき、開き戸の不正開錠を防止し、開き戸の防犯性を高めることができる。
【0035】
なお、本実施例のドア錠のその他の構成及び作用は、図1図4に記載した第1実施例のドア錠及び図6図10に記載した第2実施例のドア錠と同様である。
【0036】
以上、本発明のドア錠について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができ、これを排除するものでない。
例えば、図1図4に記載した第1実施例のドア錠において、デッドボルト操作部3をケース1に揺動可能に軸支し、2つの磁石片43、44を配設するようにしているが、その操作を、シーソー式のボタン操作としたり、それに代えて、デッドボルト操作部3をケース1に、図1(a1)及び(b1)の上下方向に摺動可能に配設し、図1(a1)及び(b1)の上下方向に2つの磁石片43、44を並べて配設するようにしたり、デッドボルト操作部3をケース1に、図1(a2)及び(b2)の左右方向に摺動可能に配設し(オルタネート機構を併設することもできる。)、図1(a2)及び(b2)の左右方向に2つの磁石片43、44を並べて配設するようにしたりすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のドア錠は、簡易な機構で、カム機構やリンク機構等の連動機構に起因する問題点を解消することができることから、住宅やマンション等の開き戸や引き戸に設置されるドア錠に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ケース
11 上蓋
11a 軸受部
11b 窪み
12 下蓋
12a 軸受部
12b 軸受部
12c 回転規制部
12d 軸受部
13 案内溝
2 デッドボルト
21 被操作部
3 デッドボルト操作部
31a 軸部
31b 軸部
31c 回転規制軸部
32 抜け止めリング
33 押釦
33a 接続ピン移動溝
33b 突起
34 磁石収納部材
34a 接続ピン
35 ばね収納部材
36 ばね
41 第1の磁石片
42 第2の磁石片
43 第3の磁石片
44 第4の磁石片
45 磁石片
5 係止部材
51 揺動係止片
52 ばね
6 ストライク
61 丸穴
62 係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15