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特開2024-32144管理サーバ、管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032144
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】管理サーバ、管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240305BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240305BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135639
(22)【出願日】2022-08-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】石氏 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏実
(72)【発明者】
【氏名】岡野 豊
(72)【発明者】
【氏名】石本 さや香
(72)【発明者】
【氏名】横手 祥子
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
(72)【発明者】
【氏名】北原 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山本 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】栗林 知恵子
(72)【発明者】
【氏名】豊田 友英
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】100Vや200Vのコンセントを利用した充電サービスを実現する。
【解決手段】本発明は、ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得部11と、上記装置指定情報で指定される制御装置を制御する処理を実行する制御実行部12と、を有する管理サーバ10を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得手段と、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段と、
を有する管理サーバ。
【請求項2】
前記制御実行手段は、前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する制御システムに、前記コンセントへの電力供給を開始するリクエストを送信する請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記取得手段は、充電する電力量、充電処理を実行する時間、又は充電処理で支払う金額を指定する充電内容指定情報を取得し、
前記制御実行手段は、前記充電内容指定情報で特定される充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報を前記制御システムに送信する請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記制御装置を制御する前記制御システムは、
前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させ、
前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させ、
前記取得手段は、ユーザの識別情報を取得し、
前記制御実行手段は、
前記コンセントへの電力供給の開始から前記コンセントへの電力供給の停止までの間における前記コンセントを介した電力使用量の計量値を前記制御システムから取得し、
取得した前記計量値に基づき前記ユーザに対する精算処理を実行する請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記制御実行手段は、前記ユーザの識別情報を前記制御システムに送信しない請求項4に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記取得手段は、電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに指定する前記充電内容指定情報を取得する請求項4又は5に記載の管理サーバ。
【請求項7】
電力の需給バランスの時間変化を示す需給バランス情報に基づき、第1の種類の電力の充電を勧める時間帯を決定し、当該時間帯での充電を勧めるアドバイス情報をユーザに送信する情報送信手段をさらに有する請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項8】
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得するリクエスト取得手段と、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる電力制御手段と、
を有する制御システム。
【請求項9】
前記制御システムは、前記リクエストに基づき充電処理を行うユーザの識別情報を取得しない請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記コンセントへの電力供給の開始から前記コンセントへの電力供給の停止までの間における前記コンセントを介した電力使用量の計量値を、前記ユーザに紐付けず、前記コンセント又は前記コンセントの設置位置に紐付けて登録する計量値管理手段をさらに有する請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記計量値管理手段は、
前記ユーザに紐付けず、前記コンセント又は前記コンセントの設置位置に紐付けて登録された前記計量値を、環境負荷情報を算出する算出システムに送信する請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
前記算出システムは、地域別の前記計量値の積算値に基づき、地域別に前記環境負荷情報を算出する請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記リクエスト取得手段は、充電される電力の電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに示す前記制御内容情報を取得し、
前記計量値管理手段は、前記電力種別及び電力供給元の少なくとも一方を示す情報を前記算出システムに送信し、
前記算出システムは、前記電力種別及び電力供給元の少なくとも一方に基づき、前記環境負荷情報を算出する請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記環境負荷情報はカーボン排出量を含む請求項11に記載の制御システム。
【請求項15】
前記計量値管理手段は、前記環境負荷情報の算出に必要な情報を地域別に管理するシステム連携基盤を介して、前記計量値を前記算出システムに送信する請求項11から14のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項16】
1つ以上のコンピュータが、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得し、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する管理方法。
【請求項17】
コンピュータを、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得手段、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段、
として機能させるプログラム。
【請求項18】
1つ以上のコンピュータが、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得し、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる制御方法。
【請求項19】
コンピュータを、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得するリクエスト取得手段、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる電力制御手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバ、制御システム、管理方法、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術が特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
特許文献1には、電力供給手段と、操作端末機と、制御部とを備えた電動車両用充電装置が開示されている。電力供給手段は、電動車両に電力を供給するコンセントを有する。操作端末機は、充電指示情報を入力可能とする情報入力手段、情報表示手段、および利用者から料金を回収する料金回収手段を有する。制御部は、情報入力手段から入力された充電指示情報を記憶し、コンセント口毎に、充電開始時刻、充電終了時刻および充電料金を含む充電予約情報を計算し、充電予約情報に基づき電力供給手段による通電を制御する。そして、充電指示情報には充電時間が含まれ、制御部が充電時間Aに基づき充電開始時刻、充電終了時刻および充電料金を計算する。
【0004】
また、特許文献1に開示の技術では、盗電やいたずらを防止するため、コンセントは扉付きのコンセントボックス内に収容されており、この扉には機械式又は電気式の施錠がかけられている。利用者が不特定多数の場合には、例えば充電予約時に設定された暗証番号等で開錠される。
【0005】
特許文献2には、使用者のID(identifier)情報の入力を受付け、当該ID情報に基づき使用の許可・不許可を判断し、許可の場合には使用者の自動車に対する充電を開始させる電気自動車充電設備が開示されている。
【0006】
特許文献3には、発電機による発電電力のうちの余剰電力を購入希望者に効率よく配分する技術が開示されている。
【0007】
特許文献4には、個人による電力売買を容易にできるようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010-110044号公報
【特許文献2】特開2011-186875号公報
【特許文献3】特開2022-048626号公報
【特許文献4】特開2018-147029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電気自動車の普及に向けて、充電設備の整備が期待されている。例えば車両との間で通信を行う機能や、高速充電機能等を備えた専用の充電器が開発されているが、コスト面の問題等が当該充電器の普及の妨げとなっている。
【0010】
一般に広く普及している100Vや200Vのコンセントを利用して充電サービスを提供できれば、コスト面の問題が軽減される。またその手軽さから、当該充電サービスを提供する事業者が多数現れることが期待される。しかし、このようなコンセントを利用した充電サービスにおいては、盗電防止手段の確立や、電力の使用に対する精算手段の確立等の課題がある。
【0011】
特許文献1に開示の技術では、扉付きのコンセントボックス内にコンセントを収容し、この扉に機械式又は電気式の施錠をかけることで、盗電防止を実現している。また、事前予約制なので、コンセントを利用したユーザを特定でき、精算処理が可能になっている。しかし、特許文献1に開示の技術の場合、コンセントごとに扉付きのコンセントボックスを用意する必要がある。このようなコンセントボックスの用意や維持管理に要する労力や費用の問題がある。また、事前予約を面倒に感じるユーザもいる。特許文献2に開示の技術は、専用の充電器を利用することを前提としており、100Vや200Vのコンセントを利用することを前提としていない。特許文献3及び4に開示の技術は、100Vや200Vのコンセントを利用した充電サービスに関するものでない。
【0012】
本発明の目的の一例は、上述した問題を鑑み、100Vや200Vのコンセントを利用した充電サービスを実現するという課題を解決する管理サーバ、制御システム、管理方法、制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得手段と、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段と、
を有する管理サーバが提供される。
【0014】
本発明の一態様によれば、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得するリクエスト取得手段と、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる電力制御手段と、
を有する制御システムが提供される。
【0015】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得し、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する管理方法が提供される。
【0016】
本発明の一態様によれば、
1つ以上のコンピュータが、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得し、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる制御方法が提供される。
【0017】
本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得手段、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【0018】
本発明の一態様によれば、
コンピュータを、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得するリクエスト取得手段、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる電力制御手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、100Vや200Vのコンセントを利用した充電サービスを実現するという課題を解決する管理サーバ、制御システム、管理方法、制御方法及びプログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる公的な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0021】
図1】管理サーバの機能ブロック図の一例を示す図である。
図2】制御システムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図3】管理サーバ及び制御システムを有するシステムの機能ブロック図の一例を示す図である。
図4】管理サーバ及び制御システムのハードウエア構成の一例を示す図である。
図5】制御システムの機能ブロック図の他の一例を示す図である。
図6】管理サーバ及び制御システムを有するシステムの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7】管理サーバ及び制御システムを有するシステムの処理の流れの他の一例を示すシーケンス図である。
図8】管理サーバの機能ブロック図の他の一例を示す図である。
図9】ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】ユーザ端末に表示される画面の他の一例を示す図である。
図11】ユーザ端末に表示される画面の他の一例を示す図である。
図12】ユーザ端末に表示される画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0023】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る管理サーバ10の概要を示す機能ブロック図である。管理サーバ10は、取得部11と、制御実行部12とを有する。取得部11は、ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する。制御実行部12は、装置指定情報で指定される制御装置を制御する処理を実行する。
【0024】
このような構成を有する管理サーバ10を利用することで、通常時はコンセントへの電力供給を停止しておき、ユーザ端末を介した操作に応じてそのコンセントへの電力供給を開始することができる。結果、盗電を効果的に抑制することができる。また、ユーザ端末を介したユーザからの操作に応じてコンセントへの電力供給を開始するので、電力使用に対する対価の請求相手(そのユーザ)を確実に特定することができる。結果、確実に精算処理を行うことができる。また、ユーザは、あるコンセントを利用する直前にそのコンセントへの電力供給を開始させる操作を行えばよい。結果、ユーザは事前予約という面倒な作業を回避できる。
【0025】
このような第1の実施形態に係る管理サーバ10によれば、100Vや200Vのコンセントを利用した充電サービスを実現するという課題が解決される。
【0026】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係る制御システム20の概要を示す機能ブロック図である。制御システム20は、リクエスト取得部21と、電力制御部22とを有する。リクエスト取得部21は、所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバ10から取得する。電力制御部22は、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、上記リクエストに応じてコンセントへの電力供給を開始させるとともに、上記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、コンセントへの電力供給を停止させる。
【0027】
このような構成を有する制御システム20を利用することで、通常時はコンセントへの電力供給を停止しておき、外部装置からの所定のリクエストに応じて指定されたコンセントへの電力供給を開始することができる。そして、指定された充電処理の完了に応じて、そのコンセントへの電力供給を停止することができる。結果、盗電を効果的に抑制することができる。
【0028】
このような第2の実施形態に係る制御システム20によれば、100Vや200Vのコンセントを利用した充電サービスを実現するという課題が解決される。
【0029】
<第3の実施形態>
「概要」
本実施形態では、管理サーバ10及び制御システム20の構成がより具体化される。
【0030】
まず、図3に、管理サーバ10及び制御システム20を含むシステムの全体像を示す。なお、図3では説明に必要な構成要素のみを示し、説明に不要な構成要素を適宜省いている。本実施形態では、図示していない構成要素を適宜加えることができる。
【0031】
まず、図3に示す構成要素各々の概要を説明する。なお、詳細な説明は後述する。
【0032】
管理サーバ10は、100Vや200Vのコンセント70を利用した充電サービスを提供する事業者が管理するサーバである。事業者の一例は、電力小売事業者である。事業者は、不特定多数の者が利用する駐車場等の任意の位置に、充電サービス提供用のコンセント70を設置する。事業者は、例えば、自身が保有する駐車場等にコンセント70を設置してもよい。また、事業者は、アミューズメントパーク、スーパーマーケット、コインパーキング、月極駐車場等の施設の管理者と所定の契約を交わし、それらの施設の駐車場等にコンセント70を設置してもよい。
【0033】
制御装置30は、電力系統からコンセント70への電力供給を制御する。すなわち、制御装置30は、電力系統からコンセント70への電力供給を停止したり、開始したりする。制御装置30は、いわゆるスマートメータである。なお、スマートメータと同様の機能を有する他の装置を、制御装置30として利用してもよい。制御装置30は、コンセント70と同じエリアに設置される。制御装置30は、送配電事業者により管理される。
【0034】
制御システム20は、制御装置30のデータ、動作、設備等を管理するシステムである。制御システム20は、いわゆるMDMS(メータデータマネジメントシステム)である。なお、MDMSと同様の機能を有する他の装置を、制御システム20として利用してもよい。制御システム20は、送配電事業者により管理される。
【0035】
ユーザ端末40は、電気自動車80を利用するユーザが利用する端末である。ユーザ端末40は、例えばスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等である。
【0036】
電気自動車80は、電気を動力源としたモータで走行する自動車である。電気自動車80は、普通自動車(四輪車)であってもよいし、二輪車であってもよいし、大型車であってもよいし、その他であってもよい。
【0037】
算出システム50は、環境負荷情報を算出する。例えば、算出システム50は、地域別に環境負荷情報を算出する。環境負荷情報は温室効果ガス排出量(カーボン排出量)等を含む。算出システム50は、いわゆるスコープ1乃至3の少なくとも1つ、例えば全ての排出量を算出することができる。算出システム50は、任意の事業者により管理される。
【0038】
システム連携基盤60は、環境負荷情報の算出に必要な情報を地域別に管理する。システム連携基盤60は、任意の事業者により管理される。
【0039】
次に、このようなシステムにより実現される処理の概要を説明する。なお、詳細な説明は後述する。
【0040】
充電サービスを利用するユーザは、ユーザ端末40を介して、「利用する所定のコンセント70を制御する制御装置30を指定する情報」及び「充電する電力量、充電処理を実行する時間、充電処理で支払う金額、支払方法等を指定する充電内容指定情報」を管理サーバ10に送信する。当該情報を取得した管理サーバ10は、ユーザの認証処理等の所定の処理を実行した後、所定のコンセント70への電力供給を開始するリクエストを制御システム20に送信する。また、管理サーバ10は、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報を制御システム20に送信する。
【0041】
当該リクエスト及び情報を受信した制御システム20は、所定のコンセント70への電力供給を制御する制御装置30に対し、そのコンセント70への電力供給を開始させるとともに、制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、そのコンセント70への電力供給を停止させる制御を行う。制御装置30は、制御システム20からの当該制御に基づき、そのコンセント70への電力供給の開始及び停止を行う。また、制御装置30は、当該制御に基づきそのコンセント70への電力供給を行っている間におけるそのコンセント70を介した電力使用量を計量し、計量値を制御システム20に送信する。制御システム20は、受信した計量値を管理サーバ10に送信する。また、制御システム20は、受信した計量値をそのコンセント70又はそのコンセント70の設置位置に紐付けて登録することができる。
【0042】
管理サーバ10は、ユーザ端末40と通信し、上述した計量値及び充電内容指定情報で示される支払方法に基づく精算処理を実行する。
【0043】
また、制御システム20は、登録した計量値をコンセント70又はそのコンセント70の設置位置に紐付けてシステム連携基盤60に送信することができる。システム連携基盤60は、受信した当該情報を、算出システム50に送信する。算出システム50は、受信した情報に基づき、地域別に環境負荷情報を算出する。
【0044】
「ハードウエア構成」
次に、管理サーバ10及び制御システム20のハードウエア構成の一例を説明する。なお、図3に示すその他の構成要素の少なくとも一部も、同様のハードウエア構成を備えることができる。管理サーバ10及び制御システム20の各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記録媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0045】
図4は、管理サーバ10及び制御システム20のハードウエア構成を例示するブロック図である。図4に示すように、管理サーバ10及び制御システム20各々は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。管理サーバ10及び制御システム20の少なくとも一方は周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、管理サーバ10及び制御システム20の少なくとも一方は、物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよい。この場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0046】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ、カメラ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク、物理ボタン、タッチパネル等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0047】
「機能構成」
-管理サーバ10-
次に、本実施形態の管理サーバ10の機能構成を詳細に説明する。図1に、管理サーバ10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、管理サーバ10は、取得部11と、制御実行部12とを有する。
【0048】
取得部11は、ユーザ端末40から、(1)装置指定情報、(2)充電内容指定情報、及び、(3)ユーザの識別情報を取得する。
【0049】
「装置指定情報」は、ユーザが利用しようとしているコンセント70への電力供給を制御する制御装置30を指定する情報である。装置指定情報は、このような機能を実現可能な情報であればよい。例えば、装置指定情報は、複数の制御装置30を互いに識別する識別情報であってもよい。また、図3を用いた説明から明らかなように、コンセント70と制御装置30は予め紐付いている。このため、装置指定情報として、複数のコンセント70を互いに識別する識別情報が用いられてもよい。また、コンセント70の設置位置や制御装置30の設置位置を、装置指定情報として利用してもよい。
【0050】
ユーザは、ユーザ端末40を操作し、上述のような装置指定情報を入力するとともに、管理サーバ10に送信する操作を行う。装置指定情報の入力の実現手段は様々であるが、例えば以下のような例が挙げられる。
【0051】
例えば、コンセント70の設置位置に、コンセント70毎にユニークなコード情報(バーコード、2次元コード等)が提示されていてもよい。そして、ユーザは、ユーザ端末40を操作して当該コード情報を読み込むことで、装置指定情報の入力を実現してもよい。
【0052】
その他、コンセント70の設置位置に、コンセント70の識別情報や各コンセント70への電力供給を制御する制御装置30の識別情報が提示されていてもよい。これらの識別情報は、例えば数字、文字、記号等の組み合わせで構成される。そして、ユーザは、ユーザ端末40を操作してそれらの識別情報を入力することで、装置指定情報の入力を実現してもよい。
【0053】
その他、ユーザは、ユーザ端末40に所定の地図情報を表示させてもよい。この地図は、管理サーバ10から提供される。そして、この地図上には、コンセント70の設置位置を示すラベルが表示されている。ユーザは、当該地図上から所定のコンセント70を選択することで、装置指定情報の入力を実現してもよい。
【0054】
なお、ここで例示した装置指定情報の入力の実現手段は一例であり、これらに限定されない。
【0055】
「充電内容指定情報」は、実行する充電処理や精算処理のために必要な情報を含む。例えば、充電内容指定情報は、どれだけの電力量を充電するか指定する情報を含む。当該情報は、充電する電力量そのものであってもよいし、充電処理を実行する時間の長さ(分や時間等)であってもよいし、又は充電処理で支払う金額(円等)であってもよい。充電する電力量は、「X[kWh]」のように電力量の数値で指定されてもよい。
【0056】
その他、充電内容指定情報は、支払方法を指定した情報を含んでもよい。支払方法は、クレジットカード払い、電子マネー払い、所定の機関(銀行、郵便局、コンビニエンスストア等)で利用可能な請求書の郵送等が例示されるが、これらに限定されない。
【0057】
「ユーザの識別情報」は、管理サーバ10により実現される充電サービスを利用する複数のユーザを互いに識別する情報(いわゆるユーザID)である。ユーザの識別情報は、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス等やそれらの組み合わせであってもよいし、管理サーバ10により発行された数字、文字、記号等の組み合わせであってもよい。例えば、充電サービスの利用を希望するユーザは、予めユーザ端末40等を操作してユーザ登録処理を行う。当該ユーザ登録処理で、ユーザの氏名、住所、電話番号、メールアドレス、クレジットカード情報、電子マネー情報等が登録される。また、当該ユーザ登録処理で、ユーザ認証に必要な情報が登録されてもよい。当該情報は、パスワード、生体情報(顔情報、指紋情報、虹彩情報、声紋情報等)等が例示されるが、これらに限定されない。
【0058】
ユーザは、ユーザ端末40を操作し、所定のウェブページ又はアプリケーションを介して管理サーバ10にアクセスする。そして、ユーザは、当該ウェブページやアプリケーションの画面上で上述した装置指定情報や充電内容指定情報やユーザの識別情報等を入力し、管理サーバ10に送信する操作を行う。
【0059】
制御実行部12は、取得部11が取得した装置指定情報で指定される制御装置30を制御する処理を実行する。具体的には、制御実行部12は、(1)コンセント70への電力供給を開始させる処理と、(2)充電サービスに対する精算処理を実行する。
【0060】
コンセント70への電力供給を開始させる処理では、制御実行部12は、取得部11が取得した装置指定情報で指定される制御装置30を制御する制御システム20に、その制御装置30が制御する所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストを送信する。また、制御実行部12は、取得部11が取得した充電内容指定情報で特定される充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報を制御システム20に送信する。
【0061】
充電電力量は充電する電力量を示す。充電する電力量は、「X[kWh]」のように電力量の数値で示されてもよい。充電時間は、充電処理を実行する時間の長さ(分や時間等)を示す。これらの値は、上述した充電内容指定情報で示される。なお、充電内容指定情報において充電処理で支払う金額(円等)が示されている場合、制御実行部12は、当該金額と電力単価とに基づき、充電する電力量を算出することができる。電力単価の特定手段は特段制限されない。
【0062】
充電サービスに対する精算処理では、制御実行部12は、コンセント70への電力供給の開始からそのコンセント70への電力供給の停止までの間におけるそのコンセント70を介した電力使用量の計量値を制御システム20から取得する。そして、制御実行部12は、取得した計量値に基づきユーザに対する精算処理を実行する。具体的には、制御実行部12は、取得した計量値と、電力単価とに基づき、請求額を算出する。そして、制御実行部12は、その請求額分の支払いを受付ける精算処理を行う。
【0063】
支払方法が予め指定されている場合、制御実行部12は、その支払い方法での精算処理を実行する。支払方法が予め指定されていない場合、制御実行部12は、ユーザ端末40を介して請求額を提示するとともに、支払い方法の指定を受付け、指定された支払い方法での精算処理を実行する。各種支払方法での精算処理は、周知のあらゆる技術を利用して実現できる。
【0064】
管理サーバ10は、ユーザの識別情報を制御システム20に送信しないように構成することが好ましい。管理サーバ10から制御システム20にユーザの識別情報が送信されなくても、上述した処理は実行可能である。このように構成することで、個人情報の保護が実現される。
【0065】
なお、管理サーバ10は、精算処理のため、制御装置30で計量された計量値とユーザとを紐付ける必要がある。当該紐付は、ユーザの識別情報以外の任意の情報を紐付情報として利用することで実現することができる。すなわち、管理サーバ10は、ユーザの識別情報と任意の紐付情報とを紐付けて管理する。また、制御装置30、制御システム20及び管理サーバ10間での計量値の送受信において、その紐付情報が計量値に紐付けられる。紐付情報としては、例えば管理サーバ10から制御システム20に送信された電力供給開始リクエストの送信時刻や、当該リクエストに付与されたリクエスト番号等が例示されるが、これらに限定されない。
【0066】
-制御システム20-
次に、本実施形態の制御システム20の機能構成を詳細に説明する。図5に、制御システム20の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、制御システム20は、リクエスト取得部21と、電力制御部22と、計量値管理部23とを有する。
【0067】
リクエスト取得部21は、所定のコンセント70への電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバ10から取得する。リクエスト取得部21は、上述した制御実行部12が送信したリクエスト及び制御内容情報を取得する。当該リクエストには、上述した装置指定情報が含まれる。当該装置指定情報に基づき、所定のコンセント70が特定される。
【0068】
なお、制御システム20は、当該リクエストに基づき充電処理を行うユーザの識別情報を管理サーバ10等から取得しないように構成することが好ましい。このように構成した場合、制御システム20において、制御装置30から取得される計量値(コンセント70を介した電力使用量の計量値)とユーザとが紐付けられることはない。結果、個人情報の保護が実現される。
【0069】
電力制御部22は、所定のコンセント70への電力供給を制御する制御装置30を制御し、上記リクエストに応じて、所定のコンセント70への電力供給を開始させるとともに、制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、そのコンセント70への電力供給を停止させる。
【0070】
ここで、このような電力制御部22の制御に基づく制御装置30の処理の一例を説明する。なお、ここでの例示に限定されない。
【0071】
制御装置30は、コンセント70へ流れる電流すなわち、コンセント70に繋がる電線を流れる電流のオンオフを制御する。制御装置30は、例えば電線に取り付けられたスイッチを有している。このスイッチは、電気的な制御でオンオフの切り替えが可能になっており、電線を電気的に遮断する機能を有している。具体的には、このスイッチがオンになると、電線は電気を流すことができる。一方、このスイッチがオフになると、電線は電気を流すことができない。
【0072】
制御装置30は、制御システム20からの制御に従い、当該スイッチをオンにし、コンセント70への電力供給を開始する。また、制御装置30は、所定の終了タイミングの検知に応じて当該スイッチをオフにし、コンセント70への電力供給を停止する。
【0073】
終了タイミングは、例えば制御内容情報で示される充電電力量の充電が完了したタイミングである。制御装置30は、電線を流れる電流及び電流量の少なくとも一方を繰り返し測定する測定器を有する。測定器の構成は、周知のあらゆる構成とすることができる。制御装置30は、測定器による測定結果に基づき、制御システム20の制御に従いスイッチをオンにした後のそのコンセント70を介した電力使用量を計量する。そして、制御装置30は、その計量値が制御内容情報で示される充電電力量に達したタイミングを、終了タイミングとして検知する。
【0074】
その他、終了タイミングは、例えば制御内容情報で示される充電時間の充電が完了したタイミングである。制御装置30は、所定の開始タイミングからの経過時間を監視しておき、その経過時間が制御内容情報で示される充電時間になったタイミングを、終了タイミングとして検知する。開始タイミングは、スイッチをオンにしたタイミングでもよいし、スイッチをオンにした後、電力の使用(充電処理)が開示されたタイミングでもよい。
【0075】
また、制御装置30は、スイッチがオンになっている間、測定器による測定結果、又は上記計量値の少なくとも一方を、所定時間ごとに繰り返し制御システム20に送信することができる。そして、制御装置30は、制御システム20との通信が維持されていない場合に、スイッチをオフにし、コンセント70の電力供給を停止してもよい。
【0076】
これを実現するため、制御装置30は、制御システム20との通信が維持されているか否かの確認処理を行うことができる。この処理は、例えば、IEEE802.1ag/ITU-T Y.1731に定められた処理である。この確認処理には、例えばCC(Continuity check)が用いられてもよいし、LB(Loop Back)が用いられてもよいし、LT(Link Trace)が用いられてもよい。
【0077】
ここで、CCは、2つの装置間の通信において、相互にHelloパケットを送信することである。また、LBは、相手先にLoop Back Messageを送信し、Loop Back Responseの返信があったことで、通信が維持されていると判断することである。この場合、どちらがLoop Back Messageを送信してもよい。また、LTは、いわゆるリンクトレース機能である。
【0078】
計量値管理部23は、コンセント70への電力供給の開始からコンセント70への電力供給の停止までの間におけるそのコンセント70を介した電力使用量の計量値を制御装置30から取得する。そして、計量値管理部23は、その計量値を管理サーバ10に送信する。また、計量値管理部23は、その計量値を、ユーザに紐付けず、コンセント70又はコンセント70の設置位置に紐付けて登録する。
【0079】
そして、計量値管理部23は、ユーザに紐付けず、コンセント70又はコンセント70の設置位置に紐付けて登録された計量値を、環境負荷情報を算出する算出システム50に送信する。計量値管理部23は、システム連携基盤60を介して、当該情報を算出システム50に送信してもよい。すなわち、計量値管理部23は、当該情報をシステム連携基盤60に送信してもよい。そして、システム連携基盤60が、当該情報を算出システム50に送信してもよい。
【0080】
算出システム50は、当該情報に基づき、地域別の計量値の積算値を算出し、当該積算値に基づき、地域別に環境負荷情報を算出することができる。なお、地域別の計量値の積算値は制御システム20又はシステム連携基盤60が算出し、その算出結果が算出システム50に送信されてもよい。
【0081】
算出システム50が算出する環境負荷情報は、温室効果ガス排出量(カーボン排出量)等を含む。例えば、予め計量値の積算値から温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する算出方法(関数等)が生成される。そして、算出システム50は、当該算出方法と計量値の積算値に基づき、温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する。
【0082】
なお、算出システム50は、いわゆるスコープ1乃至3の少なくとも1つ、例えば全ての排出量を算出することができる。算出システム50は、当該算出のために必要なその他の情報を任意の手段で取得することができる。以下の実施形態で、使用された電力の電力種別や電力供給元等を示す情報を取得する手段を説明する。
【0083】
次に、図6及び図7のシーケンス図を用いて、管理サーバ10及び制御システム20を含むシステムの処理の流れの一例を説明する。
【0084】
まず、図6のシーケンス図に示すように、ユーザ端末40は、充電サービスを利用するユーザから各種入力を受付ける(S10)。ユーザは、あるコンセント70を利用する直前に当該入力を行う。すなわち、ユーザは、自身の電気自動車80をそのコンセント70の近くに位置させ、コンセント70を利用可能な状態(他のユーザが使用しておらず、コンセント70への電力供給が開始されたらいつでも自身の電気自動車80への充電を開始できる状態)を確保した上で、当該入力を行う。
【0085】
例えば、ユーザはユーザ端末40に表示された図9に示すようなUI(user interface)画面を介して、S10の入力を行うことができる。図9に示すUI画面は、使用するコンセント70(制御装置30)の指定、実行する充電処理の内容の指定、及び支払方法の指定を受付けるように構成されている。
【0086】
図9に示す例の場合、使用するコンセント70(制御装置30)の指定は、「コード読み込み」、「直接入力」及び「地図から指定」のいずれかで実現可能となっている。「コード読み込み」が選択された場合には、ユーザ端末40のコード読み取り機能が立ち上がり、例えばユーザ端末40のディスプレイがコードを撮影するためのカメラのファインダーとして機能する。そして、周知の技術を利用して、ユーザ端末40を介したコードの読み取りを実現することができる。「直接入力」が選択された場合、制御装置30やコンセント70の識別情報を直接入力するためのUI部品を備えた画面が表示される。「地図から指定」が選択された場合、例えば図10に示すように近傍の地図であって、コンセント70の位置が明示された地図が表示される。ユーザは、この地図上で1つのコンセント70を指定することができる。なお、ある箇所に多数のコンセント70が設置されている場合には、図10に示すような比較的広域な地図上で1つの位置が指定されると、その後、指定された位置に設置されている複数のコンセント70各々の設置位置を示すより詳細な地図に遷移し、その詳細な地図上で1つのコンセント70が指定されてもよい。ユーザ端末40が備えるGPS機能等で特定されたユーザ端末40の位置に基づき、ユーザ端末40に表示する地図の範囲(近傍の地図)を決定することができる。
【0087】
また、図9の例の場合、充電内容は、充電する電力量の指定、充電する時間の指定、及び支払う金額の中のいずれかで指定可能となっている。また、図9の例の場合、ドロップダウンリストで支払方法を選択可能になっている。
【0088】
なお、図9に示した例はあくまで一例であり、これに限定されない。図9に示した手段と異なる手段でユーザの入力を受付けてもよい。
【0089】
S10でユーザの入力を受付けた後、ユーザ端末40は、当該入力に応じて、装置指定情報、充電内容指定情報及びユーザの識別情報を管理サーバ10に送信する(S11)。装置指定情報は、ユーザが利用しようとしているコンセント70への電力供給を制御する制御装置30を指定する情報である。充電内容指定情報は、充電する電力量、充電処理を実行する時間、充電処理で支払う金額、支払方法等を指定する情報である。
【0090】
次いで、管理サーバ10は、装置指定情報で指定される制御装置30が制御する所定のコンセント70への電力供給を開始するリクエスト、及び制御内容情報を制御システム20に送信する(S12)。制御内容情報は、充電電力量又は充電時間を示す。
【0091】
なお、管理サーバ10は、S12の前に各種処理を行い、その結果に応じてS12の処理を実行してもよい。例えば、管理サーバ10は、ユーザの識別情報を用いてユーザ認証処理を実行してもよい。そして、管理サーバ10は、その認証処理に成功した場合にS12の処理を実行してもよい。ユーザ認証は、周知のあらゆる技術を用いて実現される。
【0092】
次いで、制御システム20は、管理サーバ10からのリクエストに応じて所定の制御装置30を制御し、所定のコンセント70への電力供給を開始させるとともに、制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、そのコンセント70への電力供給を停止させる(S13)。制御装置30は、当該制御に従い、所定のコンセント70への電力供給を開始し(S14)、その後、所定の終了タイミングの検知に応じて、そのコンセント70への電力供給を停止する(S15)。終了タイミングは、例えば制御内容情報で示される充電電力量の充電が完了したタイミング、又は制御内容情報で示される充電時間の充電が完了したタイミング等である。
【0093】
S15の後、制御装置30は、S14の電力供給を開始したタイミングからS15の電力供給を停止したタイミングまでの間におけるコンセント70を介した電力使用量の計量値を制御システム20に送信する(S16)。制御システム20は、その計量値を、ユーザに紐付けず、コンセント70又はコンセント70の設置位置に紐付けて登録する(S17)。また、制御システム20は、その計量値を管理サーバ10に送信する(S18)。
【0094】
ついで、管理サーバ10はユーザ端末40と通信し、取得した計量値に基づき精算処理を実行する(S19)。具体的には、管理サーバ10、取得した計量値と、電力単価とに基づき、請求額を算出する。そして、管理サーバ10は、その請求額分の支払いを受付ける精算処理を行う。支払方法が予め指定されている場合、管理サーバ10は、その支払い方法での精算処理を実行する。支払方法が予め指定されていない場合、管理サーバ10は、ユーザ端末40を介して請求額を提示するとともに、支払い方法の指定を受付け、指定された支払い方法での精算処理を実行する。各種支払方法での精算処理は、周知のあらゆる技術を利用して実現できる。
【0095】
その後、図7のシーケンス図に示すように、制御システム20は、任意のタイミングで、ユーザに紐付けず、コンセント70又はコンセント70の設置位置に紐付けて登録された計量値を、システム連携基盤60に送信する(S20)。制御システム20は、例えばシステム連携基盤60からのリクエストに応じてS20の処理を実行してもよいし、予め定められたタイミング(例:1時間おきのタイミング、12時間おきのタイミング、1日おきのタイミング等)の到来に応じてS20の処理を実行してもよいし、ユーザ操作に応じてS20の処理を実行してもよいし、その他のタイミングでS20の処理を実行してもよい。
【0096】
制御システム20は、各コンセント70での各回の充電処理の計量値の集合をシステム連携基盤60に送信してもよいし、当該データを地域別にまとめてシステム連携基盤60に送信してもよい。また、制御システム20は、地域別の計量値の積算値を算出し、その積算値をシステム連携基盤60に送信してもよい。また、制御システム20は、これらの複数をシステム連携基盤60に送信してもよい。
【0097】
システム連携基盤60は、制御システム20から受信した計量値を登録する(S21)。例えば、システム連携基盤60は、コンセント70の設置位置に基づき、受信した計量値を地域別に登録してもよい。また、システム連携基盤60は、計量値を地域別に積算してもよい。
【0098】
そして、システム連携基盤60は、地域別の計量値を算出システム50に送信する(S22)。システム連携基盤60は、例えば算出システム50からのリクエストに応じてS22の処理を実行してもよいし、予め定められたタイミング(例:1時間おきのタイミング、12時間おきのタイミング、1日おきのタイミング等)の到来に応じてS22の処理を実行してもよいし、ユーザ操作に応じてS22の処理を実行してもよいし、その他のタイミングでS22の処理を実行してもよい。
【0099】
システム連携基盤60は、各コンセント70での各回の充電処理の計量値の集合を算出システム50に送信してもよいし、当該データを地域別にまとめて算出システム50に送信してもよい。また、システム連携基盤60は、地域別の計量値の積算値を算出し、その積算値を算出システム50に送信してもよい。また、システム連携基盤60は、これらの複数を算出システム50に送信してもよい。
【0100】
算出システム50は、受信した情報に基づき、地域別に環境負荷情報を算出する(S23)。算出システム50が算出する環境負荷情報は、温室効果ガス排出量(カーボン排出量)等を含む。例えば、予め計量値の積算値から温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する算出方法(関数等)が生成される。そして、算出システム50は、当該算出方法と計量値の積算値に基づき、温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する。
【0101】
なお、算出システム50は、いわゆるスコープ1乃至3の少なくとも1つ、例えば全ての排出量を算出することができる。算出システム50は、当該算出のために必要なその他の情報を任意の手段で取得することができる。
【0102】
「作用効果」
本実施形態の管理サーバ10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果(盗電防止手段の確立、電力の使用に対する精算手段の確立等)が実現される。
【0103】
また、本実施形態の場合、ユーザの識別情報の拡散を最小限に抑えることができる。すなわち、本実施形態の場合、ユーザの識別情報を扱うのは図3に示す構成要素の中のユーザ端末40及び管理サーバ10のみであり、その他の構成要素(制御システム20、制御装置30、算出システム50、システム連携基盤60)にユーザの識別情報が渡るのを抑制することができる。結果、ユーザの個人情報を十分に保護することができる。また、当該保護を実現しつつ、温室効果ガス排出量等の環境情報の算出を実現することができる。
【0104】
また、コンセント70を利用した充電サービスを提供する事業者は、例えばアミューズメントパーク、スーパーマーケット、コインパーキング、月極駐車場等の施設の管理者と所定の契約を交わし、それらの施設の駐車場等にコンセント70を設置することができる。施設の管理者は、充電サービスを目的とした来場者や顧客を獲得することができる。また、充電サービスを提供する事業者は、充電サービスを介して収益を上げることができる。このように、施設の管理者及び充電サービスを提供する事業者の双方にとって好ましい結果を生み出すことができる。結果、当該充電サービスを提供する事業者の数、及びコンセント70の設置を許可する施設の数の増加が期待され、それにより電気自動車の充電設備のさらなる普及が期待される。
【0105】
また、本実施形態の充電サービスの場合、制御装置30(スマートメータ等)と電気自動車80との間の通信や、電気自動車80の特定などが不要である。このため、制御装置30及び制御システム20が電気自動車80に関する情報を扱うことを回避できる。結果、個人情報の保護がより実現される。
【0106】
<第4の実施形態>
本実施形態では、ユーザは、購入する電力種別をさらに指定することができる。以下、詳細に説明する。
【0107】
管理サーバ10の取得部11は、電力種別をさらに指定する充電内容指定情報をユーザ端末40から取得する。
【0108】
「電力種別」は、「再生可能エネルギー電力」と「その他電力」を有してもよい。再生可能エネルギー電力は、太陽光、風力、水力、地熱などの自然エネルギーで発電された電力である。その他電力は、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料で発電された電力等である。
【0109】
電力種別の分類のその他の例として、「再生可能エネルギー電力」は、太陽光電力、風力電力、水力電力、地熱電力などのように、発電に利用された自然エネルギーの種類に応じてさらに細分化されてもよい。また、「その他電力」は、石油電力、石炭電力、天然ガス電力等のように、発電に利用された燃料の種類に応じてさらに細分化されてもよい。
【0110】
第3の実施形態で説明したように、ユーザは、ユーザ端末40を操作し、所定のウェブページ又はアプリケーションを介して管理サーバ10にアクセスする。そして、ユーザは、当該ウェブページやアプリケーションの画面上で、装置指定情報や充電内容指定情報やユーザの識別情報等を入力し、管理サーバ10に送信する操作を行う。本実施形態では、このように入力・送受信される充電内容指定情報に、電力種別を含めることができる。
【0111】
予め、充電サービスを提供する事業者が販売できる(扱っている)電力種別は定まっている。上記ウェブページやアプリケーションでは、充電サービスを提供する事業者が販売できる電力種別が表示され、その中から1つを指定するユーザ入力を受付けることができる。
【0112】
なお、電力種別ごとに単価が異なってもよい。また、電力種別ごとに受けられるサービスの内容が互いに異なってもよい。例えば、再生可能エネルギー電力を購入したユーザには、エコポイントが付与されたり、エコクーポン(割引クーポンなど)が提供されたりしてもよい。
【0113】
例えば、ユーザはユーザ端末40に表示された図11に示すようなUI画面を介して、電力種別を指定する入力を行うことができる。図11に示すUI画面では、各電力種別の単価を表示することで、ユーザによる選択を補助している。なお、単価以外のその他の情報が表示されてもよい。
【0114】
制御実行部12は、指定された電力種別に基づき、精算処理を行う。例えば、電力種別ごとに単価が異なる場合、制御実行部12は、指定された電力種別の単価と、制御システム20から取得した計量値とに基づき、請求額を算出する。また、再生可能エネルギー電力を購入したユーザにエコポイントが付与されたり、エコクーポン(割引クーポンなど)が提供されたりする場合には、制御実行部12は、ポイントの付与やクーポンの発行等を行う。これらの処理は、周知の技術を用いて実現することができる。
【0115】
また、制御実行部12は、所定のコンセント70への電力供給を開始するリクエストや充電内容指定情報に加えて、購入される電力種別を示す情報を制御システム20に送信する。
【0116】
制御システム20は、制御装置30から受信した計量値に、購入された電力種別を示す情報を紐付けて登録する。また、制御システム20は、制御装置30から受信した計量値に、購入された電力種別を示す情報を紐付けてシステム連携基盤60に送信する。制御システム20は、電力種別毎に計量値を積算し、その結果をシステム連携基盤60に送信してもよい。制御システム20は、地域別かつ電力種別毎に計量値を積算し、その結果をシステム連携基盤60に送信してもよい。
【0117】
このように、制御システム20のリクエスト取得部21は、充電される電力の電力種別をさらに示す制御内容情報を取得することができる。そして、計量値管理部23は、電力種別を示す情報をシステム連携基盤60に送信することができる。
【0118】
システム連携基盤60は、受信した上記情報を算出システム50に送信する。システム連携基盤60は、電力種別毎に計量値を積算し、その結果を算出システム50に送信してもよい。システム連携基盤60は、地域別かつ電力種別毎に計量値を積算し、その結果を算出システム50に送信してもよい。
【0119】
当該情報に基づけば、算出システム50は、各地域において、各電力種別の電力がどれだけ購入されたかを把握することができる。そして、算出システム50は、その内容に基づき、地域別に環境負荷情報を算出することができる。例えば、電力種別ごとに、予め計量値の積算値から温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する算出方法(関数等)が生成される。そして、算出システム50は、電力種別ごとの算出方法と、電力種別ごとの計量値の積算値とに基づき、電力種別ごとに温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する。
【0120】
本実施形態の管理サーバ10、制御システム20、制御装置30、ユーザ端末40、算出システム50、システム連携基盤60、コンセント70及び電気自動車80のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0121】
本実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態によれば、ユーザは、コンセント70を利用した充電時に、複数種類の電力の中から購入する電力を選択することができる。このようなユーザフレンドリーな機能により、当該充電サービスを利用するユーザの数が増えることが期待される。
【0122】
また、本実施形態によれば、ユーザが購入した電力種別を管理し、環境負荷情報の算出に利用できる。結果、より高精度かつ有益な環境負荷情報の算出が可能となる。
【0123】
<第5の実施形態>
本実施形態では、ユーザは、電力供給元をさらに指定することができる。以下、詳細に説明する。
【0124】
管理サーバ10の取得部11は、電力供給元をさらに指定する充電内容指定情報をユーザ端末40から取得する。
【0125】
「電力供給元」は、電力小売事業者である。本実施形態では、あるコンセント70を利用して充電サービスを受ける際に、ユーザは、どの電力小売事業者から電力を購入するか選択することができる。
【0126】
本実施形態の取得部11の構成は様々であるが、以下一例を説明する。
【0127】
まず、第1の事業者が設置したコンセント70を利用した充電サービスを受けるユーザは、自身のユーザ端末40を操作し、第1の事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションを介して、第1の事業者が管理する管理サーバ10にアクセスする。そして、ユーザは、当該ウェブページやアプリケーションの画面上で電力供給元を指定する。すなわち、ユーザは、どの電力小売事業者から電力を購入するか選択する。
【0128】
予め、第1の事業者が設置したコンセント70を介して電力を販売できる電力小売事業者(電力供給元)は定まっている。例えば、第1の事業者と、その他の電力小売事業者との間の契約等で定まっている。上記ウェブページやアプリケーションでは、選択できる電力小売事業者が表示され、その中から1つを指定するユーザ入力を受付けることができる。
【0129】
例えば、ユーザはユーザ端末40に表示された図12に示すようなUI画面を介して、電力供給元を指定する入力を行うことができる。図12に示すUI画面では、各電力供給元の単価を表示することで、ユーザによる選択を補助している。なお、単価以外のその他の情報が表示されてもよい。
【0130】
上記ユーザ入力で第1の事業者が指定された場合、ユーザは、そのウェブページやアプリケーション上で、充電内容指定情報の入力を行う。一方、他の電力小売事業者が選択された場合には、選択された電力小売事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションに遷移する。例えば、第1の事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションに、他の電力小売事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションに遷移するリンクが張られている。そして、ユーザは、その他の電力小売事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーション上で、充電内容指定情報の入力を行う。ユーザ端末40は、その他の電力小売事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションを介して、その他の電力小売事業者が管理する管理サーバ10にアクセスする。
【0131】
第1の事業者が管理する管理サーバ10及びその他の電力小売事業者が管理する管理サーバ10はいずれも、第1乃至第4の実施形態で説明した機能を有し、第1乃至第4の実施形態で説明した処理を実行する。
【0132】
また、制御実行部12は、所定のコンセント70への電力供給を開始するリクエストや充電内容指定情報に加えて、電力供給元を示す情報を制御システム20に送信する。
【0133】
制御システム20は、制御装置30から受信した計量値に、電力供給元を示す情報を紐付けて登録する。また、制御システム20は、制御装置30から受信した計量値に、電力供給元を示す情報を紐付けてシステム連携基盤60に送信する。制御システム20は、電力供給元毎に計量値を積算し、その結果をシステム連携基盤60に送信してもよい。制御システム20は、地域別かつ電力供給元毎に計量値を積算し、その結果をシステム連携基盤60に送信してもよい。
【0134】
このように、制御システム20のリクエスト取得部21は、充電される電力の電力供給元をさらに示す制御内容情報を取得することができる。そして、計量値管理部23は、電力供給元を示す情報をシステム連携基盤60に送信することができる。
【0135】
システム連携基盤60は、受信した上記情報を算出システム50に送信する。システム連携基盤60は、電力供給元毎に計量値を積算し、その結果を算出システム50に送信してもよい。システム連携基盤60は、地域別かつ電力供給元毎に計量値を積算し、その結果を算出システム50に送信してもよい。
【0136】
当該情報に基づけば、算出システム50は、各地域において、各電力供給元の電力がどれだけ購入されたかを把握することができる。そして、算出システム50は、その内容に基づき、地域別に環境負荷情報を算出することができる。例えば、電力供給元ごとに、予め計量値の積算値から温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する算出方法(関数等)が生成される。そして、算出システム50は、電力供給元ごとの算出方法と、電力供給元ごとの計量値の積算値とに基づき、電力供給元ごとに温室効果ガス排出量(カーボン排出量)を算出する。
【0137】
本実施形態の管理サーバ10、制御システム20、制御装置30、ユーザ端末40、算出システム50、システム連携基盤60、コンセント70及び電気自動車80のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0138】
本実施形態によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態によれば、ユーザは、コンセント70を利用した充電時に、複数の電力小売事業者のいずれから電力を購入するか選択することができる。このようなユーザフレンドリーな機能により、当該充電サービスを利用するユーザの数が増えることが期待される。
【0139】
なお、本実施形態の場合、同じコンセント70を利用した充電であっても、ユーザ毎に、また各回の充電ごとに、コンセント70を介してユーザに電力を販売する電力小売事業者が異なり得る。例えばスマートコントラクトの活用によりこのような形態を実現することができる。
【0140】
また、本実施形態によれば、ユーザが各コンセント70で電力を購入した電力供給元を管理し、環境負荷情報の算出に利用できる。結果、より高精度かつ有益な環境負荷情報の算出が可能となる。
【0141】
<第6の実施形態>
本実施形態では、ユーザは、電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに指定することができる。すなわち、管理サーバ10の取得部11は、電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに指定する充電内容指定情報を取得する。そして、制御システム20のリクエスト取得部21は、充電される電力の電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに示す制御内容情報を取得する。計量値管理部23は、電力種別及び電力供給元の少なくとも一方を示す情報を、システム連携基盤60を介して算出システム50に送信する。算出システム50は、電力種別及び電力供給元の少なくとも一方に基づき、環境負荷情報を算出する。詳細は、第4及び第5の実施形態で説明した通りである。
【0142】
本実施形態の管理サーバ10、制御システム20、制御装置30、ユーザ端末40、算出システム50、システム連携基盤60、コンセント70及び電気自動車80のその他の構成は、第1乃至第5の実施形態と同様である。本実施形態によれば、第1乃至第5の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0143】
<第7の実施形態>
本実施形態では、充電サービスを提供する事業者は、コンセント70を介して再生可能エネルギー電力を販売する。例えば、太陽光で発電された太陽光電力を販売してもよい。再生可能エネルギー電力及び太陽光電力は、発電量が自然の影響を受ける。このため、電力単価も動的に変化する。
【0144】
そして、図8に示すように、管理サーバ10は、情報送信部13を有する。情報送信部13は、電力の需給バランスの時間変化を示す需給バランス情報に基づき、第1の種類の電力の充電を勧める時間帯を決定し、当該時間帯での充電を勧めるアドバイス情報をユーザに送信する。
【0145】
第1の種類の電力は、再生可能エネルギー電力又は太陽光電力である。
【0146】
まず、情報送信部13は、(1)ある日の第1の種類の電力の発電量の時間変化を示す情報、(2)ある日の電力需要量の時間変化を示す情報、及び(3)ある日の電力供給量の時間変化を示す情報を取得する。電力供給量の時間変化は、第1の種類の電力だけでなく、複数種類の電力全体での電力供給量の時間変化を示す。情報送信部13は、これらの情報を生成してもよいし、これらの情報を生成した外部装置からその情報を取得してもよい。これらの情報の生成は、周知のあらゆる技術を用いて実現される。
【0147】
「第1の種類の電力の充電を勧める時間帯」は、上述した3つの情報が所定の条件を満たす時間帯である。このような時間帯においては、第1の種類の電力の電力単価が相対的に安くなることが期待される。
【0148】
所定の条件は様々であるが、例えば「電力供給量が電力需要量を基準値(例:所定%)以上上回り、かつ、第1の種類の電力の発電量が閾値以上」等が例示される。
【0149】
情報送信部13は、任意の手段でアドバイス情報をユーザに送信することができる。例えば、情報送信部13は、アプリケーションのプッシュ通知機能を利用してもよいし、予め登録されたメールアドレス宛に送信することで実現してもよい。
【0150】
本実施形態の管理サーバ10、制御システム20、制御装置30、ユーザ端末40、算出システム50、システム連携基盤60、コンセント70及び電気自動車80のその他の構成は、第1乃至第6の実施形態と同様である。
【0151】
本実施形態によれば、第1乃至第6の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態によれば、再生可能エネルギー電力又は太陽光電力の単価が相対的に安くなる時間帯を算出し、その時間帯に充電を行うことを勧めるアドバイス情報をユーザに提供することができる。このようなユーザフレンドリーな機能により、当該充電サービスを利用するユーザの数が増えることが期待される。
【0152】
また、再生可能エネルギー電力は日中に余りやすい。そして、電力が余る日中に電力単価が低くなる傾向にある。本実施形態のようにアドバイス情報をユーザに提供することで、ユーザは比較的安く電力を充電することができる。また、100Vや200Vのコンセントを利用した場合、充電には数時間を要することとなる。例えばアミューズメントパーク、スーパーマーケット等の施設にたくさんのコンセント70を設置すれば、その施設は、充電目的での顧客を集客することができる。そして、充電処理を行っている数時間の間に、施設を利用してもらい、十分な収益を上げることができる。なお、電気自動車80に充電した電力を電気自動車80の駆動以外の目的で使用することも可能である。本実施形態のようにアドバイス情報をユーザに提供することで、ユーザは比較的安く電力を電気自動車80に充電し、その電力を家庭等に持ち帰って他の目的で使用することもできる。結果、電力ピークの抑制効果も期待される。
【0153】
<変形例>
以下、第1乃至第7の実施形態に適用可能な変形例を説明する。当該変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0154】
「第1の変形例」
第5の実施形態では、ユーザは、あるコンセント70を利用して充電サービスを受ける際に、どの電力小売事業者から電力を購入するか選択することができた。そして、第5の実施形態では、第1の事業者が設置したコンセント70を利用した充電サービスを受けるユーザは、第1の事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションを介して、どの電力小売事業者から電力を購入するか選択した。
【0155】
第1の変形例では、ユーザは、複数の電力小売事業者をまとめる他の事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションを介して、どの電力小売事業者から電力を購入するか選択する。
【0156】
具体的には、第1の事業者が設置したコンセント70を利用した充電サービスを受けるユーザは、まず、ユーザ端末40を操作して、上記他の事業者が提供する所定のウェブページ又はアプリケーションを開き、そこで、どの電力小売事業者から電力を購入するか選択する。そのウェブページ又はアプリケーションには、選択された電力小売り事業者のウェブページ又はアプリケーションに遷移するリンクが張られている。このため、ユーザの選択に応じて、選択された電力小売事業者のウェブページ又はアプリケーションに遷移する。その後、ユーザは、その電力小売事業者のウェブページ又はアプリケーション上で、充電内容指定情報の入力を行う。
【0157】
「第2の変形例」
上記実施形態では、制御システム20はシステム連携基盤60を介して算出システム50に計量値を送信した。第2の変形例では、制御システム20は、システム連携基盤60を介さずに、計量値を算出システム50に送信する。
【0158】
「第3の変形例」
第3の実施形態において、算出システム50及びシステム連携基盤60を有さない構成とすることもできる。
【0159】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。上述した実施形態の構成は、互いに組み合わせたり、一部の構成を他の構成に入れ替えたりしてもよい。また、上述した実施形態の構成は、趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。また、上述した各実施形態や変形例に開示される構成や処理を互いに組み合わせてもよい。
【0160】
また、上述の説明で用いたシーケンス図では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施の形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0161】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得手段と、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段と、
を有する管理サーバ。
2. 前記制御実行手段は、前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する制御システムに、前記コンセントへの電力供給を開始するリクエストを送信する1に記載の管理サーバ。
3. 前記取得手段は、充電する電力量、充電処理を実行する時間、又は充電処理で支払う金額を指定する充電内容指定情報を取得し、
前記制御実行手段は、前記充電内容指定情報で特定される充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報を前記制御システムに送信する1又は2に記載の管理サーバ。
4. 前記制御装置を制御する前記制御システムは、
前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させ、
前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させ、
前記取得手段は、ユーザの識別情報を取得し、
前記制御実行手段は、
前記コンセントへの電力供給の開始から前記コンセントへの電力供給の停止までの間における前記コンセントを介した電力使用量の計量値を前記制御システムから取得し、
取得した前記計量値に基づき前記ユーザに対する精算処理を実行する2に従属する3に記載の管理サーバ。
5. 前記制御実行手段は、前記ユーザの識別情報を前記制御システムに送信しない1から4のいずれかに記載の管理サーバ。
6. 前記取得手段は、電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに指定する前記充電内容指定情報を取得する1から5のいずれかに記載の管理サーバ。
7. 電力の需給バランスの時間変化を示す需給バランス情報に基づき、第1の種類の電力の充電を勧める時間帯を決定し、当該時間帯での充電を勧めるアドバイス情報をユーザに送信する情報送信手段をさらに有する1から6のいずれかに記載の管理サーバ。
8. 所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得するリクエスト取得手段と、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる電力制御手段と、
を有する制御システム。
9. 前記制御システムは、前記リクエストに基づき充電処理を行うユーザの識別情報を取得しない8に記載の制御システム。
10. 前記コンセントへの電力供給の開始から前記コンセントへの電力供給の停止までの間における前記コンセントを介した電力使用量の計量値を、前記ユーザに紐付けず、前記コンセント又は前記コンセントの設置位置に紐付けて登録する計量値管理手段をさらに有する9に記載の制御システム。
11. 前記計量値管理手段は、
前記ユーザに紐付けず、前記コンセント又は前記コンセントの設置位置に紐付けて登録された前記計量値を、環境負荷情報を算出する算出システムに送信する10に記載の制御システム。
12. 前記算出システムは、地域別の前記計量値の積算値に基づき、地域別に前記環境負荷情報を算出する11に記載の制御システム。
13. 前記リクエスト取得手段は、充電される電力の電力種別及び電力供給元の少なくとも一方をさらに示す前記制御内容情報を取得し、
前記計量値管理手段は、前記電力種別及び電力供給元の少なくとも一方を示す情報を前記算出システムに送信し、
前記算出システムは、前記電力種別及び電力供給元の少なくとも一方に基づき、前記環境負荷情報を算出する11又は12に記載の制御システム。
14. 前記環境負荷情報はカーボン排出量を含む11から13のいずれかに記載の制御システム。
15. 前記計量値管理手段は、前記環境負荷情報の算出に必要な情報を地域別に管理するシステム連携基盤を介して、前記計量値を前記算出システムに送信する11から14のいずれかに記載の制御システム。
16. 1つ以上のコンピュータが、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得し、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する管理方法。
17. コンピュータを、
ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報を取得する取得手段、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段、
として機能させるプログラム。
18. 1つ以上のコンピュータが、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得し、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる制御方法。
19. コンピュータを、
所定のコンセントへの電力供給を開始するリクエストと、充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報とを管理サーバから取得するリクエスト取得手段、
コンセントへの電力供給を制御する制御装置を制御し、前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させるとともに、前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させる電力制御手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0162】
10 管理サーバ
11 取得部
12 制御実行部
13 情報送信部
20 制御システム
21 リクエスト取得部
22 電力制御部
23 計量値管理部
30 制御装置
40 ユーザ端末
50 算出システム
60 システム連携基盤
70 コンセント
80 電気自動車
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末に、指定可能な電力供給元各々の電力単価を表示させる手段と、
前記ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報、及び電力供給元を指定する充電内容指定情報を取得する取得手段と、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段と、
を有する管理サーバ。
【請求項2】
前記制御実行手段は、前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する制御システムに、前記コンセントへの電力供給を開始するリクエストを送信する請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記取得手段は、充電する電力量、充電処理を実行する時間、又は充電処理で支払う金額をさらに指定する前記充電内容指定情報を取得し、
前記制御実行手段は、前記充電内容指定情報で特定される充電電力量又は充電時間を示す制御内容情報を前記制御システムに送信する請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記制御装置を制御する前記制御システムは、
前記リクエストに応じて、前記コンセントへの電力供給を開始させ、
前記制御内容情報で示される充電処理の完了に応じて、前記コンセントへの電力供給を停止させ、
前記取得手段は、ユーザの識別情報を取得し、
前記制御実行手段は、
前記コンセントへの電力供給の開始から前記コンセントへの電力供給の停止までの間における前記コンセントを介した電力使用量の計量値を前記制御システムから取得し、
取得した前記計量値に基づき前記ユーザに対する精算処理を実行する請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記制御実行手段は、前記ユーザの識別情報を前記制御システムに送信しない請求項4に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記取得手段は、電力種別をさらに指定する前記充電内容指定情報を取得する請求項に記載の管理サーバ。
【請求項7】
電力の需給バランスの時間変化を示す需給バランス情報に基づき、第1の種類の電力の充電を勧める時間帯を決定し、当該時間帯での充電を勧めるアドバイス情報をユーザに送信する情報送信手段をさらに有する請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項8】
1つ以上のコンピュータが、
ユーザ端末に、指定可能な電力供給元各々の電力単価を表示させ、
前記ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報、及び電力供給元を指定する充電内容指定情報を取得し、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザ端末に、指定可能な電力供給元各々の電力単価を表示させる手段、
前記ユーザ端末から、コンセントへの電力供給を制御する制御装置を指定する装置指定情報、及び電力供給元を指定する充電内容指定情報を取得する取得手段、
前記装置指定情報で指定される前記制御装置を制御する処理を実行する制御実行手段、
として機能させるプログラム。