(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032169
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】鋳造金型
(51)【国際特許分類】
B22D 29/04 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
B22D29/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135678
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真弓 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 隆徳
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性を従来よりも向上させることが可能な鋳造金型を提供する。
【解決手段】キャビティ内に形成された鋳造体を型開きした状態で押しピンによって押圧することにより固定金型又は可動金型から分離させる鋳造金型であって、キャビティに連通するとともに補助成形体を形成する補助キャビティと、押しピンと同一方向から補助成形体を押圧する補助押しピンとを備え、補助押しピンは、押しピンよりも先に鋳造体と接触する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ内に形成された鋳造体を型開きした状態で押しピンによって押圧することにより固定金型又は可動金型から分離させる鋳造金型であって、
前記キャビティに連通するとともに前記可動金型の可動方向へ延びる補助成形体を形成する補助キャビティと、
前記押しピンと同一方向から前記補助成形体を押圧する補助押しピンとを備えた鋳造金型。
【請求項2】
前記補助押しピンと前記補助成形体との接触位置は、前記押しピン及び前記補助押しピンの移動方向において、前記鋳造体と前記押しピンの接触位置が少なくとも同一である請求項1に記載の鋳造金型。
【請求項3】
前記補助キャビティは、前記キャビティ内のガスを排出するガス抜き部キャビティに設けられる請求項1又は2に記載の鋳造金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造金型に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、鋳造品を製造するに際してオーバーフロー量を容易に調整可能な金型が開示されている。この金型は、固定型部材と、当該固定型部材との間に製品形状に対応した空間部を形成する可動型部材と、第1のブロックと当該第1のブロックとの間にガス抜き路を形成する第2のブロックとを備えたチルベントと、先端部が上記ガス抜き路に露出するとともに当該ガス抜き路に進退自在に設けられており、先端部で鋳造品を押圧することにより可動型部材から鋳造品を分離させる第1の押出ピン等を具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術では、第1の押出ピンの先端に突き出し機構を介して配置された補助押出ピンがガス抜き路に形成された鋳造品の部位を直接押す複雑な構造なので、補助延長押出ピンの先端部が摩耗や変形した後、補助延長押出ピンの交換する工程(メンテナンス)が困難となる。すなわち、押しピンのメンテナンス性が悪い分、生産性が低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、メンテナンス性を従来よりも向上させることが可能な鋳造金型の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、鋳造金型に係る解決手段として、キャビティ内に形成された鋳造体を型開きした状態で押しピンによって押圧することにより固定金型又は可動金型から分離させる鋳造金型であって、前記キャビティに連通するとともに前記可動金型の可動方向へ延びる補助成形体を形成する補助キャビティと、前記押しピンと同一方向から前記補助成形体を押圧する補助押しピンとを備えた、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メンテナンス性を従来よりも向上させることが可能な鋳造金型を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る鋳造金型Aの概要を示す上面図(a)及び正面図(b)である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る半製品鋳造体Bの構造を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る鋳造金型Aの作用効果を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る鋳造金型Aは、複数の製品鋳造体が一体に接続された半製品鋳造体の製造装置である。上記製品鋳造体は、例えばスロットルボディの筐体である。スロットルボディは、周知のようにエンジンに取り込む空気の流量(給気量)を調節するバタフライ弁であり、所定の金属(例えばアルミ)を素材とする筐体(スロットルボディ筐体)を備えている。本実施形態に係る鋳造金型Aは、このような半製品鋳造体の製造に使用される。
【0010】
この鋳造金型Aは、
図1に示すように、固定金型A1、可動金型A2、複数の第1押しピンF1及び複数の第2F2を少なくとも備えている。鋳造金型Aは、固定金型A1と可動金型A2とを型締めすることにより、内部に半製品鋳造体の形状に相当するキャビティC(成形空間)を形成する。
【0011】
このキャビティCは、図示するようにゲート部キャビティc1、ランナ部キャビティc2、一対の連結部キャビティc3a、c3b、一対の本体部キャビティc4a、c4b、一対のガス抜き部キャビティc5a、c5b及び5つの柱状成形体キャビティc6a~c6eを備えている。
【0012】
これらゲート部キャビティc1、ランナ部キャビティc2、一対の連結部キャビティc3a、c3b、一対の本体部キャビティc4a、c4b、一対のガス抜き部キャビティc5a、c5b及び5つの柱状成形体キャビティc6a~c6eは、全体として連通している。
【0013】
このような鋳造金型Bには、一端部に金属の溶湯が流入するとともにキャビティCに臨む射出口Dが設けられている。金属の溶湯は、射出口DからキャビティCに供給され、当該キャビティCに充満し、その後冷却されることにより半製品鋳造体Bとなる。
【0014】
また、この鋳造金型Aには、一対のガス抜き口Ea、Ebが設けられている。これらガス抜き口Ea、Ebは、溶湯がキャビティCに注入された際にキャビティC内の空気等のガスを外部に排出する排気口である。
【0015】
鋳造金型Aでは、固定金型A1と可動金型A2とが接触することによりキャビティCが形成され、キャビティC内に溶湯が注入されて冷却されることにより半製品鋳造体Bが成形される。そして、この鋳造金型Aでは、固定金型A1と可動金型A2が離間させることにより半製品鋳造体Bを取り出す。
【0016】
ここで、
図2に示すように、鋳造金型Aで製造される半製品鋳造体Bは、柱状ゲート部1、ランナ部2、一対の連結部3a、3b、一対の本体部4a、4b、一対のガス抜き部5a、5b及び一対の柱状成形体6a~6eを備えている。これら各部位の一体物である半製品鋳造体Bは、鋳造金型AにおけるキャビティCの形状に基づくものであり、キャビティCの形状と略同一形状である。
【0017】
すなわち、鋳造金型AのキャビティCのうち、ゲート部キャビティc1は柱状ゲート部1を成形する内部空間であり、ランナ部キャビティc2はランナ部2を成形する内部空間である。また、一対の連結部キャビティc3a、c3bのうち、一方の連結部キャビティc3aは一方の連結部3aを成形する内部空間であり、他方の連結部キャビティc3bは、他方の連結部3bを成形する内部空間である。
【0018】
また、一対の本体部キャビティc4a、c4bのうち、一方の本体部キャビティc4aは一方の連結部3aを成形する内部空間であり、他方の本体部キャビティc4bは、他方の連結部3bを成形する内部空間である。また、一対のガス抜き部キャビティc5a、c5bのうち、一方のガス抜き部キャビティc5aは一方のガス抜き部5aを成形する内部空間であり、他方のガス抜き部キャビティc5bは他方のガス抜き部5bを成形する内部空間である。
【0019】
さらに、5つの柱状成形体キャビティc6a~6eのうち、第1の柱状成形体キャビティc6aは、第1の柱状成形体6aを成形する内部空間であり、第2の柱状成形体キャビティc6bは、第2の柱状成形体6bを成形する内部空間である。また、第3の柱状成形体キャビティc6cは、第3の柱状成形体6cを成形する内部空間であり、第4の柱状成形体キャビティc6dは、第4の柱状成形体6dを成形する内部空間であり、第5の柱状成形体キャビティc6eは、第5の柱状成形体6eを成形する内部空間である。
【0020】
複数の第1押しピンF1及び第2押しピンF2は、鋳造金型Aが型開きした状態で可動金型A2側から半製品鋳造体Bを押圧する可動ピンであり、同一長さを有する。すなわち、複数の第1押しピンF1及び第2押しピンF2は、半製品鋳造体Bに向かって前進することにより半製品鋳造体Bを側方から押圧することにより、半製品鋳造体Bを可動金型A2から分離させる。
【0021】
このような複数の第1押しピンF1及び第2押しピンF2は、図示するようにキャビティCに対して進退自在に設けられている。すなわち、複数の第1押しピンF1及び第2押しピンF2は、キャビティCに対して正対するように可動金型A2に埋め込まれた棒状部材であり、中心軸方向がキャビティCに正対する方向に設定されている。
【0022】
複数(7つ)の第1押しピンF1及び第2押しピンF2のうち、2つの第1押しピンF1は、一対の本体部キャビティc4a、c4bに正対するように可動金型A2に設けられた通常押しピンである。5つの第2押しピンF2は、6つの柱状成形体キャビティc6a~c6eに正対するように可動金型A2に設けられた補助押しピンである。
図1(a)に補助線Lで示すように、第2押しピンF2の接触位置は、第1押しピンF1の接触位置と少なくとも同一である。
【0023】
本実施形態の半製品鋳造体Bにおいて、柱状ゲート部1は、略円柱状の形状を有する部位である。この柱状ゲート部1は、中心軸方向の一端側(
図2の奥側)の射出口Dから金属の溶湯が射出されることによって形成された部位である。このような柱状ゲート部1の中心軸方向の他端側にはランナ部2の一端が接続されている。すなわち、射出口Dからゲート部キャビティc1の一端側に射出された溶湯は、ゲート部キャビティc1の他端側からランナ部キャビティc2の一端部に流入する。
【0024】
ランナ部2は、柱状ゲート部1の中心軸線に直交する方向に延在する略平板状の形状を有する部位である。すなわち、このランナ部2は、柱状ゲート部1の中心軸に直交する一対の主面を有する。このようなランナ部2は、一端部(
図2の下端部)が柱状ゲート部1の他端に接続し、他端部(
図2の上端部)が一対の連結部3a、3bにおける各一端部に接続している。
【0025】
一対の連結部3a、3bは、一対の本体部4a、4bをランナ部2に接続させる部位である。一対の連結部3a、3bは、一対の本体部4a、4bを直線状に接続するとともに中間部位がランナ部2の他端部(
図2の上端部)に接続する部位である。
【0026】
ここで、ランナ部2及び一対の連結部3a、3bは、柱状ゲート部1の中心軸線方向に直交する面に平行に延在する。すなわち、一対の本体部4a、4bは、このような延在方向を有するランナ部2及び一対の連結部3a、3bによって相互に接続されている。
【0027】
一対の本体部4a、4bは、スロットルバルブの筐体を形成する部位である。より正確には、一対の本体部4a、4bは、スロットルバルブの筐体の全部ではなく、主要部(一部)を形成する部位である。
【0028】
一対の本体部4a、4bのうち、一方の本体部4aは、車両の給気管(円筒管)に接続する円筒部を備えている。この円筒部は、中心軸線の方向が柱状ゲート部1の中心軸線に対して同一方向又は略同一方向に設定されている。すなわち、一方の本体部4aにおける円筒部は、上述したランナ部2及び一対の連結部3a、3bの延在方向に直交する方向を中心軸線方向とする。
【0029】
他方の本体部4bは、車両の給気管(円筒管)に接続する円筒部を備えている。この円筒部は、中心軸線の方向が柱状ゲート部1の中心軸線に対して同一方向又は略同一方向に設定されている。すなわち、他方の本体部4bにおける円筒部は、一方の本体部4aにおける円筒部と同様にランナ部2及び一対の連結部3a、3bの延在方向に直交する方向を中心軸線方向とする。
【0030】
一対のガス抜き部5a、5bは、一対の本体部4a、4bと一対のガス抜き口Ea、Ebとの間に形成される薄肉部位である。すなわち、一対のガス抜き部5a、5bのうち、一方のガス抜き部5aは、一方の本体部4aと一方のガス抜き口Eaとの間に形成される薄肉部位である。他方のガス抜き部5bは、他方の本体部4bと他方のガス抜き口Ebとの間に形成される薄肉部位である。
【0031】
5つの柱状成形体6a~6eは、一対のガス抜き部5a、5bの途中、一対の連結部3a、3bの途中及びランナ部2の途中に設けられた柱状部位である。すなわち、5つの柱状成形体6a~6eのうち、第1の柱状成形体6aは、一方のガス抜き部5aの途中に設けられた柱状部位であり、第2の柱状成形体6bは、他方のガス抜き部5bの途中に設けられた柱状部位である。
【0032】
また、第3の柱状成形体6cは、一方の連結部3aの途中に設けられた柱状部位であり、第4の柱状成形体6dは、他方の連結部3aの途中に設けられた柱状部位である。さらに、第5の柱状成形体6eは、ランナ部2の途中に設けられた柱状部位である。このような5つの柱状成形体6a~6eは、中心軸方向が固定金型A1と可動金型A2との対向方向つまり複数の押しピンF1、F2の進退方向と平行に設定されている。
【0033】
次に、本実施形態に係る鋳造金型Aを用いた半製品鋳造体Bの製造方法について
図3をも参照して説明する。
【0034】
鋳造金型Aを用いた半製品鋳造体Bの製造方法では、最初に固定金型A1と可動金型A2とを型合わせすることにより、内部に半製品鋳造体Bの形状に相当するキャビティC(成形空間)を形成する。そして、この製造方法では、金属の溶湯を鋳造金型Aの射出口DからキャビティCに射出することにより、当該キャビティC内を金属の溶湯で充満させる。
【0035】
そして、この製造方法では、鋳造金型Aを冷却してキャビティC内の溶湯を冷却することにより、溶湯を凝固させて半製品鋳造体Bを形成させる。そして、この製造方法では、鋳造金型Aを型開きし、さらに複数の第1押しピンF1及び第2押しピンF2によって半製品鋳造体Bを押圧することにより半製品鋳造体Bを可動金型A2(鋳造金型A)から分離させる。このように鋳造された半製品鋳造体Bは、形状や傷等が検査されて製造が完了する。
【0036】
従来の鋳造体を金型から分離させる場合、押しピンで鋳造体を押圧するが、押しピンと接触し加圧される部位がゲート部、半製品鋳造体によって長さが異なり、ゲート部を加圧する押しピンの長さが長くなることで加圧持の曲げ応力の影響から変形し易い。したがって、ゲート部を加圧する押しピンの長さが長くなる従来の鋳造体は、押出ピンの寿命が短く、押しピンのメンテナンス性が悪い分だけ生産性が低下するという問題があった。
【0037】
これに対して、本実施形態に係る鋳造金型Aは、可動金型A2から半製品鋳造体Bを分離させる際に、
図3の矢印で示すように半製品鋳造体を押す第1押しピンF1(通常押しピン)及びゲート部に設けた補助成形体を押す第2押しピンF2(補助押しピン)によって半製品鋳造体Bに押圧力を作用させる。
【0038】
この際、第2押しピンF2(補助押しピン)は、第1押しピンF1(通常押しピン)が製品鋳造体Bと同じタイミングで製品鋳造体Bに接触して押圧力を作用させる。したがって、第1押しピンF1(通常押しピン)と第2押しピンF2(補助押しピン)は長さを調節することが容易となり、第2押しピンF2(補助押しピン)を短縮することで第1押しピンF1(押しピン)との曲げ応力の差が縮小され、第1押しピンF1(通常押しピン)と第2押しピンF2(補助押しピン)の寿命の差が無くなり、第2押しピンF2(補助押しピン)の寿命が延びることでメンテナンスの頻度が下がり生産性が向上する。
【0039】
また、2つの第2押しピンF2は、3つの第1押しピンF1よりも摩耗が激しくなるが、第1押しピンF1及び第2押しピンF2が同一長さに設定されており、また複数の第1押しピンF1及び第2押しピンF2の進退方向における第2露出面の位置が第1露出面よりも後退側に位置設定されているので、摩耗に対する余裕度が3つの第1押しピンF1よりも大きい。
【0040】
すなわち、本実施形態によれば、半製品鋳造体B(鋳造品)を鋳造金型A(金型)から分離させる第1押しピンF1の寿命を従来よりも長くすることが可能である。また、本実施形態によれば、2つの第2押しピンF2が第1押しピンF1よりも摩耗するものの摩耗に対する余裕度が十分に確保することができる。したがって、本実施形態によれば、メンテナンス性を従来よりも向上させることが可能な鋳造金型A及び半製品鋳造体Bの製造方法を提供することが可能である。
【0041】
また、本実施形態によれば、キャビティC内のガスを外部に排出するガス抜き部キャビティc5a、c5bに柱状成形体キャビティc6a、c6b(補助キャビティ)を設け、柱状成形体キャビティc6a、c6bで形成される柱状成形体6a、6b(補助成形体)を第2押しピンF2(補助押しピン)で押すので、鋳造金型Aから半製品鋳造体Bを取り出す際、傾かずに且つ円滑に取り出すことが可能となる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、スロットルボディに関する半製品鋳造体Aに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、上記実施形態における一対の本体部4a、4bは、スロットルバルブの筐体に限定されず、様々な部品の全体又は一部であってもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、一対の本体部4a、4bを備えて半製品鋳造体Aについて説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本体部の個数は2つ(一対)に限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0044】
(3)上記実施形態では、3つの第1押しピンF1と2つの第2押しピンF2とを設けたが、本発明はこれに限定されない。第1押しピンF1(通常押しピン)と第2押しピンF2(補助押しピン)の個数及び位置は、鋳造品の大きさや形状等に応じて適宜設定されるべきものである。
【0045】
(4)上記実施形態では、第1押しピンF1(通常押しピン)と第2押しピンF2(補助押しピン)とを同一長さに設定したが、本発明はこれに限定されない。摩耗し易い第2押しピンF2(補助押しピン)を第1押しピンF1(通常押しピン)よりも長くすることにより、メンテナンス性をさらに向上させてもよい。
【0046】
(付記1)
キャビティ内に形成された鋳造体を型開きした状態で押しピンによって押圧することにより固定金型又は可動金型から分離させる鋳造金型であって、前記キャビティに連通するとともに前記可動金型の可動方向へ延びる補助成形体を形成する補助キャビティと、前記押しピンと同一方向から前記補助成形体を押圧する補助押しピンとを備えた鋳造金型。
【0047】
(付記2)
前記補助押しピンと前記補助成形体との接触位置は、前記押しピン及び前記補助押しピンの移動方向において、前記鋳造体と前記押しピンの接触位置が少なくとも同一である付記1に記載の鋳造金型。
【0048】
(付記3)
前記補助キャビティは、前記キャビティ内のガスを排出するガス抜き部キャビティに設けられる付記1又は2に記載の鋳造金型。
【符号の説明】
【0049】
A 鋳造金型
A1 固定金型
A2 可動金型
B 半製品鋳造体
C キャビティC
c1 ゲート部キャビティ
c2 ランナ部キャビティ
c3a、c3b 連結部キャビティ
c4a、c4b 本体部キャビティ
c5a、c5b ガス抜き部キャビティ
c6a~c6e 柱状成形体キャビティ(補助キャビティ)
D 射出口
Ea、Eb ガス抜き口
1 柱状ゲート部
2 ランナ部
3a、3b 連結部
4a、4b1 本体部
5a、5b ガス抜き部
6a~6e 柱状成形体(補助成形体)