(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032180
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】レイアウトシステム
(51)【国際特許分類】
E04H 1/06 20060101AFI20240305BHJP
A47B 83/02 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
E04H1/06
A47B83/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135690
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】前田 光夫
(72)【発明者】
【氏名】古賀 貴秀
【テーマコード(参考)】
3B260
【Fターム(参考)】
3B260AB01
3B260AB02
3B260AB06
3B260AB07
3B260AC01
(57)【要約】
【課題】オフィス空間などの限られた空間内での作業空間を増大する。
【解決手段】本発明のレイアウトシステムは、第1作業空間11,12と、間仕切体31,32によって第1作業空間11,12とは横方向に区分けされた第2作業空間21,22とを備えている。第2作業空間21,22に設置された作業用の天板23又は人が腰掛け可能な座板26が第1作業空間11又は12の上方に延設されていることで、第1作業空間11,12と第2作業空間21,22が上下方向に重複している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1作業空間と、間仕切体によって前記第1作業空間とは横方向に区分けされた第2作業空間とを備え、
前記第2作業空間に設置された作業用の天板又は人が腰掛け可能な座板が前記第1作業空間の上方に延設されていることで、前記第1作業空間と前記第2作業空間が上下方向に重複している、
レイアウトシステム。
【請求項2】
前記第2作業空間の床面を構成する第2床面の高さは、前記第1作業空間の床面を構成する第1床面の高さよりも高くなっている、
請求項1に記載のレイアウトシステム。
【請求項3】
前記第2床面の下方に物品収納空間が形成されている、
請求項2に記載のレイアウトシステム。
【請求項4】
前記第2作業空間の前記天板又は座板は、少なくとも前記第1作業空間と上下方向に重なる部分の下面に緩衝部材を備えている、
請求項1~3のいずれか一項に記載のレイアウトシステム。
【請求項5】
前記第2作業空間の前記天板又は座板は、前記第1作業空間の上方に位置する下側角部が丸みを帯びている、又は前記下側角部に緩衝部材を備えている、
請求項1~3のいずれか一項に記載のレイアウトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の作業空間を間仕切体によって区分けしたレイアウトシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィス空間を作業目的に応じて執務スペースやミーティングスペースなどの複数の作業空間に区分けすることがよく行われている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また、近年では、ワーカーがオフィスには出勤せずにオンラインで作業を行うテレワーク化が進んでいる。これに伴い、オフィスに出勤するワーカー数が減少することから、オフィス空間を縮小する傾向にある。
【0004】
オフィス空間の縮小化にともなって、オフィス内に配置可能な作業空間広さも縮小している。しかしながら、例えばテレワークの必要性が低下してワーカーの出勤率が上昇した場合や、オフィス内に作業空間以外の空間を作りたい場合など、限られた空間内での作業空間を増大させたい要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような現状を改善すべく成されたものであり、限られた空間内での作業空間を増大できるレイアウトシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレイアウトシステムは、第1作業空間と、間仕切体によって前記第1作業空間とは横方向に区分けされた第2作業空間とを備え、前記第2作業空間に設置された作業用の天板又は人が腰掛け可能な座板が前記第1作業空間の上方に延設されていることで、前記第1作業空間と前記第2作業空間が上下方向に重複している。
【0008】
本発明のレイアウトシステムは、隣接する作業空間を上下方向で重複させることで、例えばオフィス空間などの限られた空間において、上部の空き空間を有効活用して作業空間を増やすことができる。
【0009】
本発明のレイアウトシステムにおいて、前記第2作業空間の床面を構成する第2床面の高さは、前記第1作業空間の床面を構成する第1床面の高さよりも高くなっているようにしてもよい。
【0010】
このような態様によれば、第2床面高さを第1床面高さよりも高くすることで、第2作業空間の天板又は座板の高さをワーカーが無理なく使用できる高さに設定しながら、第1床面に対する天板又は座板の高さを高くできる。これにより、天板又は座板の下方における第1作業空間の空間高さを高くして、第1作業空間で作業するワーカーに生じる圧迫感を低減できる。
【0011】
さらに、前記第2床面の下方に物品収納空間が形成されているようにしてもよい。
【0012】
このような態様によれば、第2床面の下方における第1床面と第2床面との間のスペースを物品収納空間として使用することで、更なる空間の有効活用を実現できる。この物品収納空間に収容される物品としては、例えば、可搬式給電装置やキャビネット、ロッカー、カバンなどの携帯物、観葉植物などを挙げることができる。
【0013】
本発明のレイアウトシステムにおいて、前記第2作業空間の前記天板又は座板は、少なくとも前記第1作業空間と上下方向に重なる部分の下面に緩衝部材を備えているようにしてもよい。
【0014】
このような態様によれば、第1作業空間を使用するワーカーの頭部が第2作業空間の上記天板又は座板の下面に当たっても、上記緩衝部材が衝撃を低減するので、ワーカーの怪我を防止できる。また、上記緩衝部材は、上記天板又は座板の下方で作業するワーカーが伸びをして腕を上方へ向けて伸ばしたときにワーカーの手が上記天板又は座板の下面に当たる場合にも、ワーカーの怪我防止に有効である。
【0015】
本発明のレイアウトシステムにおいて、前記第2作業空間の前記天板又は座板は、前記第1作業空間の上方に位置する下側角部が丸みを帯びている、又は前記下側角部に緩衝部材を備えているようにしてもよい。
【0016】
このような態様によれば、上記天板又は座板の下側角部に第1作業空間を使用するワーカーの体の一部(例えば頭部)が当たったときのワーカーの怪我を防止できる。例えば、第1作業空間を使用するワーカーが上記天板又は座板の下方へ出入りする時に、ワーカーが上記天板又は座板の下側角部で頭を打っても、頭部の怪我を防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のレイアウトシステムは、作業空間を増大できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】レイアウトシステムの実施形態を示す概略斜視図である。
【
図4】レイアウトシステムの他の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図5】レイアウトシステムのさらに他の実施形態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、レイアウトシステムの実施形態を示す概略斜視図である。
図2は、同実施形態の概略側面図である。
図3は、同実施形態の概略平面図である。
【0020】
図1~
図3に示すように、本実施形態のレイアウトシステム100,200は、複数の第1作業空間11,12と、第1作業空間11,12とは区分けされた複数の第2作業空間21,22とを備えている。レイアウトシステム100を構成する第1作業空間11と第2作業空間21は、間仕切体31によって横方向に区分けされている。レイアウトシステム200を構成する第1作業空間12と第2作業空間22は、間仕切体32によって横方向に区分けされている。
【0021】
第1作業空間11,12は例えばミーティングスペースとして使用可能な空間である。第1作業空間11,12には、ワーカーが対面着席可能なように向い合せに配置された複数の椅子13と、向い合せに配置された椅子13の間に配置された複数の机14とが配置されている。本実施形態では、ソファータイプの椅子13と、移動可能なミーティング用の机14とが配置されている。
【0022】
なお、第1作業空間11,12に配置される什器や家具は特に限定されるものではない。例えば、椅子13はスツールなどの移動可能な椅子であってもよい。また、机14は据付タイプの机であってもよい。また、第1作業空間11,12に配置される什器等のレイアウトは特に限定されない。例えば、第1作業空間11,12において、後述する第2作業空間21,22の天板23又は座板26の下方に、第1作業空間11,12で作業するワーカーが使用できる天板が配置されていても構わない。
【0023】
第2作業空間21,22は例えばワーカーがデスクワークを行う執務スペースである。レイアウトシステム100において、第2作業空間21に、ワーカーが使用する作業用の天板23が設置されている。天板23は、その一部分が第1作業空間11の上方に延出するようにして第2作業空間21に設置されている。本実施形態では、天板23は、天板下面23aの奥行き方向中途部が間仕切体31の上端に固着され、天板23の奥側部分が第1作業空間11の上方に張り出している。
【0024】
天板23の上面側は、第2作業空間21で作業するワーカーが作業スペースとして使用できる空間である。これにより、第1作業空間11と第2作業空間21が天板23を介在して上下方向に重複している。このように、レイアウトシステム100は、隣接する作業空間11,12を上下方向で重複させることで、オフィス空間上部の空き空間を有効活用して作業空間を増やすことができる。
【0025】
図1及び
図2に示すように、レイアウトシステム100において、第2作業空間21の床面を構成する第2床面24の高さは、第1作業空間11の床面を構成する第1床面15の高さよりも高くなっている。第1床面15は例えばオフィスフロアの床面である。一方、第2床面24は、第1床面15上に設置された箱型の床面形成用構造体25の上面で構成されている。なお、図示は省略するが、ワーカーが第1床面15と第2床面24との間を無理なく移動できるように、階段やスロープ等の昇降設備が設けられていることが好ましい。
【0026】
本実施形態では、第1床面15からの天板下面23aの高さは、第1作業空間11で作業するワーカーが少し屈んだ状態で天板23の下方へ出入り可能な高さ(例えば1600mm程度)に設定されている。第1床面15からの天板23上面の高さは、第1作業空間11で作業するワーカーによる使用が困難な高さになっている。つまり、天板23の上方側は第2作業空間21で作業するワーカーの作業スペースである。
【0027】
また、第2床面24からの天板23上面の高さは、第2床面24上で作業するワーカーが起立姿勢で無理なく天板23を使用して作業できる高さ(例えば1000mm程度)に設定されている。例えば、第2床面24の高さは第1床面15よりも650mm程度高くなっている。また、天井41の高さは例えば2900mm程度であり、第2床面24の高さは、第2床面24上に起立するワーカーが天井41の存在をあまり気にせずに作業を行える高さになっている。なお、天板23、第2床面24及び天井41の高さは、一例であり、上記数値に限定されず適宜変更可能である。
【0028】
このように、第2床面24の高さを第1床面15の高さよりも高くすることで、第2作業空間21の天板23の高さをワーカーが無理なく使用できる高さに設定しながら、第1床面15に対する天板23の高さを高くできる。これにより、天板23の下方における第1作業空間11の空間高さを高くして、第1作業空間11で作業するワーカーに生じる圧迫感を低減できる。
【0029】
本実施形態では、天板23の手前側縁部が間仕切体31に対して第1作業空間11とは反対側へ張り出している。これにより、起立姿勢で天板23を使用するワーカーが足を動かしたときに膝やつま先が間仕切体31に接触しづらくなっており、ユーザーフレンドリーである。
【0030】
また、第2作業空間21において、作業用の天板23以外の什器等を配置することが可能である。例えば、ワーカーが着座しながら天板23を使用可能な高さのハイチェアが第2作業空間21に配置されていても構わない。また、第2床面24の床面高さを高くし、第2床面24上に設置したローチェアに着座して天板23を使用可能に構成しても構わない。
【0031】
図1~
図3に示すように、レイアウトシステム200において、第2作業空間22に、ワーカーが腰かけ可能な座板26が設置されている。座板26は、その一部分が第1作業空間12の上方に延出している。本実施形態では、座板26は、座板下面26aの前端部(座板26に腰掛けるワーカーの膝側)が間仕切体32の上端に固着されている。そして、座板26の後端側(座板26に腰掛けるワーカーの臀部側)の部分が第1作業空間12の上方に張り出している。
【0032】
座板26の上方側の空間は、第2作業空間22で作業するワーカーが使用する空間である。一方、座板26の下方側の空間は、第1作業空間12で作業するワーカーが使用する空間である。つまり、レイアウトシステム200において、第1作業空間12と第2作業空間22は、間仕切体32を介在して横方向に区分けされながら、天板23を介在して上下方向に重複している。このように、レイアウトシステム200は、隣接する作業空間12,22を上下方向で重複させることで、オフィス空間上部の空き空間を有効活用して作業空間を増やすことができる。
【0033】
レイアウトシステム200において、第2作業空間22の床面を構成する第2床面27の高さは、第1作業空間12の床面を構成する第1床面15の高さよりも高くなっている。なお、本実施形態では、第1作業空間11,12の各第1床面15は、ともにオフィスフロアの床面で構成され、それらの床面高さは同じである。
【0034】
第2床面27は、第1床面15上に設置された箱型の床面形成用構造体28の上面で構成されている。なお、図示は省略するが、第1床面15と第2床面27との間のアクセスが容易になるように、階段やスロープ等の昇降設備が設けられている。
【0035】
本実施形態では、第1床面15からの座板下面26aの高さは、第1作業空間12で作業するワーカーが少し屈んだ状態で座板26の下方へ出入り可能な高さ(例えば1600mm程度)に設定されている。第1床面15からの座板26上面の高さは、第1作業空間12で作業するワーカーによる使用が困難な高さになっている。つまり、座板26の上方側は第2作業空間22で作業するワーカーの作業スペースである。なお、本実施形態では、第2作業空間21の天板23の高さと、第2作業空間22の座板26の高さはほぼ同じであるが、これらの高さは互いに異なっていても構わない。
【0036】
第2床面27からの座板26上面の高さ(座面高さ)は、第2床面27上で作業するワーカーが第2床面27に足を着けて腰掛け可能な高さ(例えば400mm程度)に設定されている。座板26の座面高さを実現するために、第2床面27の高さは第1床面15よりも1300mm程度高くなっている。本実施形態では、第1床面15からの座板26上面の高さは、例えば1700mm程度であり、座板26に腰掛けたワーカーの頭部が天井41(高さ2900mm程度)に接触しない程度の高さになっている。なお、座板26、第2床面27及び天井41の高さは一例であり、上記数値に限定されず、適宜変更可能である。
【0037】
このように、第2床面27の高さを第1床面15の高さよりも高くすることで、第2作業空間22における座板26の座面高さをワーカーが無理なく使用できる高さに設定しながら、第1床面15に対する座板26の高さを高くできる。これにより、座板26の下方における第1作業空間12の空間高さを高くして、第1作業空間12で作業するワーカーに生じる圧迫感を低減できる。
【0038】
本実施形態では、第2作業空間22において、座板26に腰掛けたワーカーが使用可能な机29が第2床面27上に配置されている。机29は据置きタイプのものであってもよいし、移動可能なタイプであってもよいが、第2床面27からの転落防止の観点から第2床面27に固定することが好ましい。なお、第2作業空間22に机29以外の什器等を配置することが可能である。例えば、座板26とは別に、ワーカーが着座できる椅子が第2床面27上に配置されていても構わない。
【0039】
図1及び
図3に示すように、レイアウトシステム200において、第2床面27の下方に物品収納空間33が形成されている。物品収納空間33は、床面形成用構造体28の内部に設けられ、床面形成用構造体28の側方からアクセス可能に設けられている。
【0040】
物品収納空間33に収納される物品は特に限定されるものではないが、例えば、可搬式給電装置34や可搬式ワゴン35などの持ち運び可能な物のほか、パーソナルロッカー等の据置き物品を配置できる。また、カバンなどの携帯物や観葉植物などを載置可能な棚を物品収納空間33に設けても構わない。また、第1作業空間11,12に面する床面形成用構造体28の側部に開口を設けて、第1作業空間11,12からアクセス可能な物品収納空間33を第2床面27の下方に設けても構わない。また、物品収納空間33は、電源ケーブルや通信ケーブルなどの配線を通す配線空間としても利用可能である。また、床面形成用構造体28の同一側部又は異なる側部に複数の物品収納空間33を設けても構わない。また、1つの物品収納空間33に床面形成用構造体28の複数の側部からアクセス可能に構成しても構わない。
【0041】
このように、第2床面27の下方における第1床面15と第2床面27との間のスペースを物品収納空間33として使用することで、更なる空間の有効活用を実現できる。
【0042】
また、レイアウトシステム100における第2床面24の下方に物品収納空間を設けても構わない。この場合、例えば、床面形成用構造体25の側部に開口を設けて当該物品収納空間にアクセス可能に構成できる。また、第2床面24に蓋部材を着脱可能な開口部を設けて、当該物品収納空間を床下収納として利用しても構わない。
【0043】
図4は、レイアウトシステムの他の実施形態を示す概略側面図である。
図4において、
図1~
図3と同じ部分には同じ符号を付し、それらの部分の説明は省略する。
図4では、床面形成用構造体28の一部分を切り欠いて断面で示している。
【0044】
この実施形態では、レイアウトシステム100と200との間(第1作業空間11と第2作業空間22との間)に通路40が設けられている。第2作業空間22の第2床面27を形成する床面形成用構造体28には、通路40に面する側部に、第2床面27下方の物品収納空間33へのアクセスを可能にする開口が形成されている。物品収納空間33を通路40からアクセス可能に設けることで、当該物品収納空間33をフロア内で共有の収納スペースとして利用できる。なお、
図1~
図3に示した物品収納空間33も通路(図示省略)に面して設けられている。
【0045】
レイアウトシステム100の第2作業空間21に配置された天板23は、天板下面23aのうち少なくとも第1作業空間11に露出する部分に緩衝部材36を備えている。緩衝部材36は、第1作業空間11の上方に位置する天板23の天板下側角部23bも覆っている。本実施形態では、緩衝部材36は第1作業空間11の上方に位置する天板23の天板上側角部23cも覆っている。このような緩衝部材36は、例えば発泡ゴムなどのクッション素材で形成され、接着剤によって天板下面23a、天板下側角部23b及び天板上側角部23cに固着している。
【0046】
このように、第1作業空間11に露出する天板下面23a及び天板下側角部23bを緩衝部材36で覆うことで、第1作業空間11を使用するワーカーの頭部が天板23に当たっても、緩衝部材36が衝撃を低減するので、ワーカーの怪我を防止できる。また、緩衝部材36は、天板23の下方で作業するワーカーが伸びをして腕を上方へ向けて伸ばしたときにワーカーの手が天板23に当たる場合にも、ワーカーの怪我防止に有効である。特に、天板下側角部23bが緩衝部材36で覆われていることで、ワーカーが天板23の下方へ出入りする際のワーカー頭部の怪我を防止できる。
【0047】
また、この実施形態では、レイアウトシステム200の第2作業空間22に配置された座板26は、第1作業空間12に露出する座板下側角部26bが丸みを帯びている。これにより、第1作業空間12を使用するワーカーの体の一部(例えば頭部)が、座板下側角部26bに当たったときのワーカーの怪我を防止できる。例えば、第1作業空間12を使用するワーカーが座板26の下方へ出入りする時に、ワーカーが座板下側角部26bで頭を打っても、頭部の怪我を防止できる。なお、
図4に示すように、第1作業空間12側の座板上側角部26cも丸みを帯びているようにしてもよい。
【0048】
なお、座板26に座板下面26a、座板下側角部26b、座板上側角部26cを覆う緩衝部材を設けてもよい。この場合、座板下側角部26b、座板上側角部26cは角張っていてもよいし、丸みを帯びていてもよい。また、天板23の天板下側角部23b、天板上側角部23cは丸みを帯びていても構わない。そして、丸みを帯びた天板下側角部23b、天板上側角部23cが緩衝部材36で覆われていても構わない。
【0049】
本実施形態では、レイアウトシステム200の第1作業空間12を執務スペースとして使用し、机14を床面形成用構造体28に隣接して配置し、ワーカーが間仕切体32に向かって執務をするように椅子13を配置したレイアウト例を示している。このレイアウト態様であれば、第1作業空間12の机14を使用するワーカーと、第2作業空間22の座板26に着座したワーカーとが同じ向きで作業することとなる。これにより、第1作業空間12で作業するワーカーは、上方からの視線が気になることが抑止され、作業に集中しやすくなる。
【0050】
また、本実施形態は、レイアウトシステム100の第1作業空間11を執務スペースとして使用するレイアウト例を示している。第1作業空間11では、ワーカーが使用する机14を間仕切体31に隣接して配置して、天板23の下方に配置している。これにより、第1作業空間11で作業するワーカーの作業内容が第2作業空間21から覗かれにくくなり、ワーカーは作業に集中しやすくなる。
【0051】
図4では、第1作業空間11,12でワーカーが使用する椅子13と机14は、ワーカーが間仕切体31又は32に向かって作業する位置に配置しているが、執務スペースのレイアウトはこれに限定されない。例えば、ワーカーが天板23又は座板26の下方に入り込んで間仕切体31又は32と平行な方向(
図4の紙面垂直方向)を向いて作業をするようにしてもよい。具体的には、机14の幅方向の一縁部を間仕切体31又は32に隣接して配置するとともに、椅子13を間仕切体31又は32の横に配置しても構わない。
【0052】
以上、実施形態を説明したが、本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、実施形態及び変形例(尚書き等)で説明した各構成を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。
【0053】
例えば、第2作業空間21,22はミーティングスペースであってもよい。また、本発明を構成する各作業空間は、執務スペースやミーティングスペースのほか、ワーカーがリフレッシュできるリラックススペースやカフェスペースであっても構わない。
【0054】
また、第1作業空間に対する第2作業空間の配置は上記実施形態に限定されず、適宜変更可能である。例えば、複数の第2作業空間21,22それぞれが1つの第1作業空間11又は12と上下方向に重なるようにレイアウトしてもよい。このようなレイアウト例として、
図5に示したレイアウトシステム300のように2つの第2作業空間21が1つの第1作業空間11を挟むレイアウトや、1つの第1作業空間11を囲うように第2作業空間21,22をL字形、コ字形又はロ字形に配置したレイアウトなどを挙げることができる。
【0055】
また、天板23の奥縁部及び側縁部に起立体を立設し、天板23上から物品が転落しないようにしてもよい。座板26の後縁部に背凭れ部や安全柵を立設したり、座板26の側縁部に起立体を立設したりすることで、座板26からのワーカーや物品の転落防止性を高めて、安全性を向上しても構わない。また、第2床面24,27の周縁部に転落防止用の安全柵を立設し、安全性を向上しても構わない。
【符号の説明】
【0056】
11,12 第1作業空間
13 椅子
14 机
15 第1床面
21,22 第2作業空間
23 天板
23a 天板下面
23b 天板下側角部
24,27 第2床面
25,28 床面形成用構造体
26 座板
26a 座板下面
26b 座板下側角部
29 机
31,32 間仕切体
33 物品収納空間
34 可搬式給電装置
35 可搬式ワゴン
36 緩衝部材
40 通路
41 天井
100,200,300 レイアウトシステム