(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032204
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
G06F11/34 176
G06F11/34 138
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135732
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】木下 陽介
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042MA08
5B042MA09
5B042MA11
5B042MC35
5B042MC37
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高める。
【解決手段】情報処理システムを構成する管理サーバ10は、制御部11を備え、制御部11では、ログ取得部103が、管理サーバ10側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、管理サーバ10側にて記録された第1の操作ログと、その電子ファイルをダウンロードしたユーザ端末30側にて記録され送信された第2の操作ログとを取得し、分類部104が、取得された第1の操作ログおよび第2の操作ログを、第1の操作ログおよび第2の操作ログの記録日時と、第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
サーバ側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、当該サーバ側にて記録された第1の操作ログと、当該電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置にて記録され送信された第2の操作ログとを取得し、
取得した前記第1の操作ログおよび前記第2の操作ログを、当該第1の操作ログおよび前記第2の操作ログの記録日時と、当該第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類することを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、予め定められたタイミングで前記クライアント側の装置により一括送信される未送信分の前記第2の操作ログを取得することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、
取得した前記第2の操作ログに基づいて、前記クライアント側の装置ごとの当該第2の操作ログの直近の取得日時と、当該取得日時のうち最先の日時とを特定し、
特定した前記最先の日時よりも前記記録日時が前である操作ログを、前記時系列が確定した操作ログに分類し、当該最先の日時よりも当該記録日時が後である操作ログを、前記時系列が確定していない操作ログに分類することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、予め定められた前記クライアント側の装置の前記第2の操作ログのうち、前記タイミングで取得できていないものがある場合、前記分類を行わないことを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記予め定められたクライアント側の装置が、前記電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置であることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2の操作ログには、前記予め定められたクライアント側の装置にて前記電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報が含まれることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記取得できていない第2の操作ログが存在する旨をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記取得できていない第2の操作ログに対応する前記クライアント側の端末に向けて、当該第2の操作ログの送信を依頼することを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、前記時系列が確定した操作ログと、前記時系列が確定していない操作ログとをユーザに識別させるための情報を当該ユーザに提示する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザに識別させるための情報として、一覧表示された前記時系列が確定した操作ログおよび前記時系列が確定していない操作ログのうち、当該時系列が確定していない操作ログの外観を変化させた情報を前記ユーザに提示することを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サーバ側の共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を操作ログとして記録し、
記録した前記操作ログのうち未送信分のものを、予め定められたタイミングで前記サーバ側に向けて一括送信する制御を行い、
前記電子ファイルに対する操作が行われていない場合、前記操作ログとして、当該電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、前記タイミングで前記サーバ側に向けて送信する制御を行うことを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータに、
サーバ側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、当該サーバ側にて記録された第1の操作ログと、当該電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置にて記録され送信された第2の操作ログとを取得する機能と、
取得した前記第1の操作ログおよび前記第2の操作ログを、当該第1の操作ログおよび前記第2の操作ログの記録日時と、当該第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータに、
サーバ側の共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を操作ログとして記録する機能と、
記録した前記操作ログのうち未送信分のものを、予め定められたタイミングで前記サーバ側に向けて一括送信する制御を行う機能と、
前記電子ファイルに対する操作が行われていない場合、前記操作ログとして、当該電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、前記タイミングで前記サーバ側に向けて送信する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のクライアント側の端末が同一の電子ファイルを共有できるファイルストレージサービスがある。例えば、ファイルストレージサービスを提供するサーバが、クライアント端末にダウンロードされた電子ファイルの操作ログを管理する技術として、クライアント端末ごとに記憶された操作ログを収集して一括管理する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、ネットワークの不調や、クライアント端末の不稼働等を原因とする操作ログの収集の不備が生じていることがあるため、サーバ側で収集された操作ログの信頼性が損なわれる。
【0005】
本発明の目的は、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、サーバ側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、当該サーバ側にて記録された第1の操作ログと、当該電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置にて記録され送信された第2の操作ログとを取得し、取得した前記第1の操作ログおよび前記第2の操作ログを、当該第1の操作ログおよび前記第2の操作ログの記録日時と、当該第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、予め定められたタイミングで前記クライアント側の装置により一括送信される未送信分の前記第2の操作ログを取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、取得した前記第2の操作ログに基づいて、前記クライアント側の装置ごとの当該第2の操作ログの直近の取得日時と、当該取得日時のうち最先の日時とを特定し、特定した前記最先の日時よりも前記記録日時が前である操作ログを、前記時系列が確定した操作ログに分類し、当該最先の日時よりも当該記録日時が後である操作ログを、前記時系列が確定していない操作ログに分類することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、予め定められた前記クライアント側の装置の前記第2の操作ログのうち、前記タイミングで取得できていないものがある場合、前記分類を行わないことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記予め定められたクライアント側の装置が、前記電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置であることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記第2の操作ログには、前記予め定められたクライアント側の装置にて前記電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報が含まれることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記取得できていない第2の操作ログが存在する旨をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記取得できていない第2の操作ログに対応する前記クライアント側の端末に向けて、当該第2の操作ログの送信を依頼することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記時系列が確定した操作ログと、前記時系列が確定していない操作ログとをユーザに識別させるための情報を当該ユーザに提示する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザに識別させるための情報として、一覧表示された前記時系列が確定した操作ログおよび前記時系列が確定していない操作ログのうち、当該時系列が確定していない操作ログの外観を変化させた情報を前記ユーザに提示することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、サーバ側の共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を操作ログとして記録し、記録した前記操作ログのうち未送信分のものを、予め定められたタイミングで前記サーバ側に向けて一括送信する制御を行い、前記電子ファイルに対する操作が行われていない場合、前記操作ログとして、当該電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、前記タイミングで前記サーバ側に向けて送信する制御を行うことを特徴とする、情報処理装置である。
請求項12に記載された発明は、コンピュータに、サーバ側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、当該サーバ側にて記録された第1の操作ログと、当該電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置にて記録され送信された第2の操作ログとを取得する機能と、取得した前記第1の操作ログおよび前記第2の操作ログを、当該第1の操作ログおよび前記第2の操作ログの記録日時と、当該第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項13に記載された発明は、コンピュータに、サーバ側の共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を操作ログとして記録する機能と、記録した前記操作ログのうち未送信分のものを、予め定められたタイミングで前記サーバ側に向けて一括送信する制御を行う機能と、前記電子ファイルに対する操作が行われていない場合、前記操作ログとして、当該電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、前記タイミングで前記サーバ側に向けて送信する制御を行う機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることができる情報処理システムを提供できる。これにより、例えば、クライアント側からサーバ側への操作ログの送信がない場合に、その理由が、そもそも操作ログが存在しないのか、それとも操作ログは存在するが通信障害等により送信が失敗したのか等の判断ができないような事態に陥ることが抑制される。その結果、例えば、情報漏洩が発生した電子ファイルを対象とする監査が行われるような場合であっても、信頼性の低い操作ログに起因する事実誤認等が生じることを抑制することもできる。
請求項2の本発明によれば、未送信分の第2の操作ログが、予め定められたタイミングで一括送信されるので、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとの分類を、複数の操作ログに対して一度に行うことができる。
請求項3の本発明によれば、クライアント側の装置ごとの第2の操作ログの取得日を管理することで、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとを分類することができる。
請求項4の本発明によれば、取得すべき第2の操作ログが揃っていない状態で分類が行われることを防ぐことができる。これにより、収集された操作ログの信頼性を向上させることができる。
請求項5の本発明によれば、電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置の第2の操作ログのうち、予め定められたタイミングで取得できていないものがある場合、分類が行われないので、収集された操作ログの信頼性を向上させることができる。
請求項6の本発明によれば、クライアント側の装置にてダウンロードされた電子ファイルに対する操作が行われなかった場合にも、その旨を示す第2の操作ログが送信されるので、「操作が行われなかったこと」が明確化される。これにより、収集された操作ログの信頼性を向上させることができる。
請求項7の本発明によれば、第2のログ情報を取得できていない旨がユーザに報知されるので、第2の操作ログが送信されない状況の把握が容易化される。これにより、例えば、クライアント側の装置の盗難、紛失、廃棄等の対応の迅速化を図ることができる。
請求項8の本発明によれば、第2のログ情報を取得できていない旨がクライアント側の装置に報知されるので、クライアント側の装置を管理する者に対応を求めることができる。
請求項9の本発明によれば、ユーザは、分類結果の識別が容易になる。
請求項10の本発明によれば、ユーザは、分類結果を一見して把握できる。
請求項11の本発明によれば、情報処理装置ごとに記録された操作ログがサーバ側で一括管理される際、操作ログの信頼性を高めることができる情報処理装置を提供できる。
請求項12の本発明によれば、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることができるプログラムを提供できる。
請求項13の本発明によれば、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることができるプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】管理サーバの処理のうち、ユーザ端末に向けてログ一覧情報を送信するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】ユーザ端末の処理のうち、ログ一覧情報をユーザインターフェースに表示するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】(A)乃至(E)は、
図1の情報処理システムの処理の具体例を示す図である。
【
図8】
図7(A)乃至(C)の具体例にかかるイベントの流れを示す図である。
【
図9】
図7(A)乃至(F)の具体例にかかるイベントの流れを示す図である。
【
図10】
図7(A)乃至(F)の具体例にかかるイベントの流れを示す図である。
【
図11】
図7(A)乃至(F)の具体例にかかるイベントの流れを示す図である。
【
図12】
図7(A)乃至(F)の具体例にかかるイベントの流れを示す図である。
【
図13】ユーザ端末の表示部に表示される、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとをユーザに識別させるためのログ一覧情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末30-1乃至30-n(nは2以上の整数値)との各々とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、ユーザ端末30-1乃至30-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめてユーザ端末30と呼ぶ。
【0010】
管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、複数のユーザに対し、ファイルストレージ機能を有するコラボレーションサービスを提供する。管理サーバ10は、コラボレーションサービスの共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として記録される操作ログ(以下、「第1の操作ログ」と呼ぶ。)を取得する。また、管理サーバ10は、コラボレーションサービスの共有領域から電子ファイルをダウンロードしたユーザ端末30における操作のログ情報として記録される操作ログであって、コラボレーションサービスの共有領域に向けて送信された操作ログ(以下、「第2の操作ログ」と呼ぶ。)を取得する。
【0011】
本実施の形態において、「コラボレーションサービス」とは、複数のユーザが属する組織における共同作業を実現させるサービスのことをいう。コラボレーションサービスには、例えば、クラウドコンピューティングを利用したファイルストレージ機能、ウェブ会議機能、メール機能、チャット機能、タスク管理機能、スケジュール管理機能等が含まれる。また、「共有領域」とは、複数のユーザがファイルを共有できる領域のことをいう。
【0012】
管理サーバ10は、取得した第1の操作ログおよび第2の操作ログを、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する。具体的には、管理サーバ10は、第1の操作ログおよび第2の操作ログの各々の記録日時と、第2の操作ログの取得日時とに基づいて、第1の操作ログおよび第2の操作ログの分類を行う。なお、管理サーバ10の構成および処理の詳細については後述する。
【0013】
ユーザ端末30は、コラボレーションサービスを利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末30は、コラボレーションサービスの共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を第2の操作ログとして記録する。そして、ユーザ端末30は、記録した第2の操作ログのうち未送信分のものをコラボレーションサービスの共有領域に向けて一括送信する。
【0014】
また、ユーザ端末30は、ダウンロードした電子ファイルに対する操作が行われていない場合には、電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、第2の操作ログとしてコラボレーションサービスの共有領域に向けて送信する。第2の操作ログの送信は、予め定められたタイミングで行われる。なお、ユーザ端末30の構成および処理の詳細については後述する。
【0015】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部をユーザ端末30の機能としてもよいし、また、ユーザ端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10およびユーザ端末30の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0016】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置としての管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0017】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0018】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、電子ファイルが記憶されたファイルDB131、操作ログが記憶されたログDB132等が格納されている。
【0019】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0020】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
ユーザ端末30のハードウェア構成は、いずれも
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末30は、
図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0021】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図3は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、ファイル管理部101と、ログ管理部102と、ログ取得部103と、分類部104と、ログ要求受付部105と、送信制御部106とが機能する。
【0022】
ファイル管理部101は、コラボレーションサービスの共有領域に格納されている電子ファイルをデータベースに記憶して管理する。具体的には、ファイル管理部101は、コラボレーションサービスの共有領域に格納されている電子ファイルを、記憶部13のファイルDB131に記憶して管理する。
ログ管理部102は、第1の操作ログおよび第2の操作ログをデータベースに記録して管理する。具体的には、ログ管理部102は、第1の操作ログおよび第2の操作ログを、記憶部13(
図2参照)のログDB132に記憶して管理する。
【0023】
ログ取得部103は、第1の操作ログおよび第2の操作ログを取得する。具体的には、ログ取得部103は、ログ管理部102により管理されている第1の操作ログを取得する。また、ログ取得部103は、ユーザ端末30から送信されてきた第2の操作ログを、通信部14を介して取得する。第2の操作ログは、予め定められたタイミングで一括送信されてくる。具体的には、ユーザ端末30にて未送信分として管理されている1または複数の第2の操作ログが、予め定められたタイミングで一括送信されてくる。ユーザ端末30から送信されてくる第2の操作ログには、電子ファイルをダウンロードしたユーザ端末30にてその電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報が含まれる場合がある。
【0024】
分類部104は、ログ取得部103により取得された第1の操作ログおよび第2の操作ログの分類を行う。具体的には、分類部104は、第1の操作ログおよび第2の操作ログを、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する。分類部104は、第1の操作ログおよび第2の操作ログの各々の記録日時と、ログ取得部103が第2の操作ログを取得した日時とに基づいて、上記の分類を行う。
【0025】
例えば、分類部104は、第2の操作ログの内容に基づいて、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得日時と、その直近の取得日時のうち最先の日時とを特定する。そして、分類部104は、特定した「最先の日時」よりも記録日時が早い操作ログを、抜けや漏れのない「時系列が確定した操作ログ」に分類し、「最先の日時」よりも記録日時が後である操作ログを、抜けや漏れのおそれがある「時系列が確定していない操作ログ」に分類する。ただし、分類部104は、ユーザ端末30にて記憶された第2の操作ログのうち、管理サーバ10のログ取得部103が取得できていないものがある場合、その第2の操作ログを未確定の操作ログとして取り扱い、上記の分類を行わない。
【0026】
ログ要求受付部105は、ユーザ端末30の表示部に一覧表示された、時系列が確定した操作ログ、および時系列が確定していない操作ログを示す情報(以下、「ログ一覧情報」と呼ぶ。)を要求するための情報(以下、「ログ要求情報」と呼ぶ。)を受け付ける。
【0027】
送信制御部106は、ユーザ端末30または外部に向けて各種情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部106は、管理サーバ10が取得できていない第2の操作ログが存在することを示す情報と、その第2の操作ログの送信を依頼するための情報とをユーザ端末30に向けて送信する制御を行う。以下、管理サーバ10が取得できていない第2の操作ログが存在することを示す情報と、その第2の操作ログの送信を依頼するための情報とのことを併せて「サーバ未受信情報」と呼ぶ。また、送信制御部106は、ログ要求受付部105により受け付けられたログ要求情報から特定されるログ一覧情報を、ユーザ端末30に向けて送信する制御を行う。
【0028】
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図4は、ユーザ端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末30の制御部では、ファイル管理部301と、ログ管理部302と、送信制御部303と、情報取得部304と、表示制御部305とが機能する。
【0029】
ファイル管理部301は、コラボレーションサービスの共有領域からダウンロードした電子ファイルを管理する。具体的には、ファイル管理部301は、管理サーバ10から送信されてきた電子ファイルを取得し、記憶部のデータベースに記憶して管理する。
ログ管理部302は、第2の操作ログを記録して管理する。具体的には、ログ管理部302は、ユーザ端末30の記憶部のデータベースに第2の操作ログを記憶して管理する。
送信制御部303は、管理サーバ10や外部に向けて各種情報を送信する制御を行う。具体的には、例えば、送信制御部303は、データベースに記憶されている第2の操作ログを、通信部を介して管理サーバ10に向けて送信する制御を行う。また、送信制御部303は、ログ要求情報を管理サーバ10に向けて送信する制御を行う。
【0030】
情報取得部304は、管理サーバ10や外部から送信されてきた各種情報を取得する。具体的には、例えば、情報取得部304は、管理サーバ10から送信されてきたサーバ未受信情報を取得する。また、情報取得部304は、ログ一覧情報を取得する。また、情報取得部304は、操作部に入力された情報を取得する。操作部に入力される情報としては、例えば、ログ要求情報などが挙げられる。
【0031】
表示制御部305は、各種情報を表示部に表示する制御を行う。具体的には、例えば、表示制御部305は、ユーザインターフェースを表示部に表示する制御を行う。ユーザインターフェースに表示される情報としては、例えば、ログ一覧情報、サーバ未受信情報等が挙げられる。なお、ユーザインターフェースに表示されるログ一覧情報の具体例については、
図13を参照して後述する。
【0032】
(管理サーバの処理の流れ)
図5は、管理サーバ10の処理のうち、ユーザ端末30に向けてログ一覧情報を送信するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、コラボレーションサービスの共有領域に格納されている電子ファイルをデータベースに記憶して管理する(ステップ501)。そして、管理サーバ10は、第1の操作ログを記録して管理する(ステップ502)。次に、管理サーバ10は、データベースに記憶されている第1の操作ログを取得する(ステップ503)。
【0033】
管理サーバ10は、ユーザ端末30から第2の操作ログが送信されてくると(ステップ504でYES)、その第2の操作ログを取得する(ステップ505)。これに対して、ユーザ端末30から第2の操作ログが送信されてきていない場合(ステップ504でNO)、管理サーバ10は、ユーザ端末30から第2の操作ログが送信されてくるまでステップ504を繰り返す。
【0034】
次に、管理サーバ10は、第1の操作ログおよび第2の操作ログを、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する(ステップ506)。具体的には、管理サーバ10は、ステップ503で取得した第1の操作ログと、ステップ505で取得した第2の操作ログとを対象とする分類を行う。次に、管理サーバ10は、第2の操作ログの内容に基づいて、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得日時を特定する(ステップ507)。さらに、管理サーバ10は、特定したユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得日時のうち最先の日時を特定する(ステップ508)。
【0035】
次に、管理サーバ10は、ユーザ端末30にて記憶された第2の操作ログのうち、管理サーバ10が取得できていないものがなく(ステップ509でYES)、分類の対象となる操作ログの記録日時が、ステップ508で特定した「最先の日時」よりも前である場合には(ステップ510でYES)、その操作ログを「時系列が確定した操作ログ」に分類して(ステップ511)、ステップ515に進む。
【0036】
また、管理サーバ10は、ユーザ端末30にて記憶された第2の操作ログのうち、管理サーバ10が取得できていないものがないが(ステップ509でYES)、分類の対象となる操作ログの記録日時が、ステップ508で特定した「最先の日時」よりも後である場合には(ステップ510でNO)、その操作ログを「時系列が確定していない操作ログ」に分類して(ステップ512)、ステップ515に進む。
【0037】
これに対して、ユーザ端末30にて記憶された第2の操作ログのうち、管理サーバ10が取得できていないものがある場合(ステップ509でNO)、管理サーバ10は、その第2の操作ログを「未確定の操作ログ」として取り扱う(ステップ513)。そして、管理サーバ10は、対象となるユーザ端末30に向けてサーバ未受信情報を送信して(ステップ514)、ステップ515に進む。
【0038】
管理サーバ10は、ユーザ端末30からログ要求情報が送信されてくると(ステップ515でYES)、そのログ要求情報を取得し(ステップ516)、ユーザ端末30に向けてログ一覧情報を送信する(ステップ517)。これにより、処理が終了する(END)。これに対して、ユーザ端末30からログ要求情報が送信されてきていない場合(ステップ515でNO)、管理サーバ10は、ユーザ端末30からログ要求情報が送信されてくるまでステップ515を繰り返す。
【0039】
(ユーザ端末の処理の流れ)
図6は、ユーザ端末30の処理のうち、ログ一覧情報をユーザインターフェースに表示するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末30は、コラボレーションサービスの共有領域に格納されている電子ファイルをダウンロードし(ステップ601)、その電子ファイルを対象とする操作が行われると(ステップ602でYES)、第2の操作ログを記録する(ステップ603)。そして、ユーザ端末30は、予め定められたタイミングで、データベースに記憶されている第2の操作ログを管理サーバ10に向けて一括送信する(ステップ604)。具体的には、データベースに記憶されている第2の操作ログのうち未送信のものが一括送信される。これに対して、ダウンロードされた電子ファイルを対象とする操作が行われていない場合(ステップ602でNO)、ユーザ端末30の処理はステップ604に進む。
【0040】
ユーザ端末30は、管理サーバ10からサーバ未受信情報が送信されてくると(ステップ605でYES)、そのサーバ未受信情報を取得する(ステップ606)。そして、ユーザ端末30は、取得したサーバ未受信情報をユーザインターフェースに表示する(ステップ607)。これに対して、管理サーバ10からサーバ未受信情報が送信されてきていない場合(ステップ605でNO)、ユーザ端末30の処理はステップ610に進む。
【0041】
そして、ユーザ端末30は、サーバ未受信情報にかかる第2の操作ログを送信するための入力操作が行われると(ステップ608YES)、ユーザ端末30は、サーバ未受信情報にかかる第2の操作ログを管理サーバ10に向けて送信する(ステップ609)。これに対して、サーバ未受信情報にかかる第2の操作ログを送信するための入力操作が行われていない場合(ステップ608NO)、ユーザ端末30は、サーバ未受信情報にかかる第2の操作ログを送信するための入力操作が行われるまで、または一括送信されるタイミングまでステップ608を繰り返す。
【0042】
ユーザ端末30は、管理サーバ10からログ一覧情報が送信されてくると(ステップ610でYES)、そのログ一覧情報を取得する(ステップ611)。そして、ユーザ端末30は、取得したログ一覧情報をユーザインターフェースに表示する(ステップ612)、これにより、処理が終了する(END)。これに対して、管理サーバ10からログ一覧情報が送信されてきていない場合(ステップ610でNO)、ユーザ端末30は、管理サーバ10からログ一覧情報が送信されてくるまでステップ610を繰り返す。
【0043】
(具体例)
図7は、
図1の情報処理システム1の処理の具体例を示す図である。
図7(A)乃至(C)には、管理サーバ10(
図1参照)が、ユーザA(User-A)乃至C(User-C)の各々が操作するユーザ端末30から取得した第2の操作ログの内容が示されている。具体的には、第2の操作ログの内容として、管理サーバ10が第2の操作ログを取得したタイミングを示す「取得日時」と、イベントが発生したタイミングを示す「日時」と、イベントに係る操作を行ったユーザを示す「ユーザ」と、イベントの内容を示す「イベント」とを対応付けた情報が示されている。
【0044】
なお、
図7乃至
図13において、「(A-1)」乃至「(A-3)」、「(B-1)」乃至「(B-3)」、「(C-1)」乃至「(C-3)」は、いずれもイベントを一意に識別するための文字列である。例えば、「(A-1)」は、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30にて発生した1回目のイベントであることを示している。また、「T(A-1)」は、1回目のイベントが発生したタイミングとなる日時を示す文字列である。また、「(A-1:3)」は、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30にて発生した1乃至3回目のイベントであることを示す文字列である。また、「T(A-1:3)」は、1乃至3回目のイベントにかかる第2の操作ログが管理サーバ10により取得されたタイミングであることを示す文字列である。
【0045】
図7(A)には、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30から管理サーバ10が取得した第2の操作ログの内容が示されている。具体的には、「取得日時」が「T(A-1:3)」、「日時」が「T(A-1)」、「ユーザ」が「User-A」、「イベント」が「Read」(閲覧)である第2の操作ログが示されている。また、「取得日時」が「T(A-1:3)」、「日時」が「T(A-2)」、「ユーザ」が「User-A」、「イベント」が「Write」(編集)である第2の操作ログが示されている。また、「取得日時」が「T(A-1:3)」、「日時」が「T(A-3)」、「ユーザ」が「User-A」、「イベント」が「Write」(編集)である第2の操作ログが示されている。
【0046】
また、例えば、
図7(B)には、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30から取得した第2の操作ログの内容が示されている。具体的には、「取得日時」が「T(B-1:3)」、「日時」が「T(B-1)」、「ユーザ」が「User-B」、「イベント」が「Read」(閲覧)である操作ログが示されている。また、「取得日時」が「T(B-1:3)」、「日時」が「T(B-2)」、「ユーザ」が「User-B」、「イベント」が「Write」(編集)である操作ログが示されている。また、「取得日時」が「T(B-1:3)」、「日時」が「T(B-3)」、「ユーザ」が「User-B」、「イベント」が「Write」(編集)である操作ログが示されている。
【0047】
また、例えば、
図7(C)には、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30から取得した第2の操作ログの内容が示されている。具体的には、「取得日時」が「T(C-1:2)」、「日時」が「T(C-1)」、「ユーザ」が「User-C」、「イベント」が「Read」(閲覧)である操作ログが示されている。また、「取得日時」が「T(C-1:2)」、「日時」が「T(C-2)」、「ユーザ」が「User-C」、「イベント」が「Write」(編集)である操作ログと示されている。
【0048】
図7(D)には、第2の操作ログにかかるイベント(イベント)が実際に発生したタイミング、および管理サーバ10が第2の操作ログを取得したタイミングの各々の前後関係が可視化された時間軸Tが示されている。
図7(D)に示すように、第2の操作ログにかかるイベントが実際に発生したタイミング、および管理サーバ10が第2の操作ログを取得したタイミングの各々の前後関係は、発生したタイミングが早い順に、「T(A-1)」、「T(B-1)」、「T(A-2)」、「T(C-1)」、「T(A-3)」、「T(C-2)」、「T(B-2)」、「T(C-1:2)」、「T(A-1:3)」、「T(C-3)」、「T(B-3)」、「T(B-1:3)」となっている。
【0049】
図7の例において、管理サーバ10が第2の操作ログを取得したタイミングの前後関係は、発生したタイミングが早い順に、ユーザC(User-C)、ユーザA(User-A)、ユーザB(User-B)になっている。本実施の形態では、管理サーバ10が取得した第2の操作ログの取得日時のうち最先のタイミングである「T(C-1:2)」よりも前に発生したイベントは、「時系列が確定した操作ログ」に分類される。具体的には、太枠F1で囲まれたイベントが、「時系列が確定した操作ログ」に分類される。これに対して、「T(C-1:2)」よりも後に発生したイベントは、「時系列が確定していない操作ログ」に分類される。具体的には、「T(B-3)」のタイミングで発生したイベント(B-3)と、太枠F2に囲まれたイベント(C-3)とが、「時系列が確定していない操作ログ」に分類される。なお、太枠F2の意味については後述する。
【0050】
図7(E)には、ユーザ端末30(
図1参照)のユーザインターフェースに表示された第2の操作ログの具体例が示されている。具体的には、上述の
図7(A)乃至(C)の各々に示す第2の操作ログをまとめて、時系列順に並び替えたものが
図7(E)に示されている。このユーザインターフェースでは、ユーザが、「時系列が確定した操作ログ」と、「時系列が確定していない操作ログ」とを識別できるように表示される。例えば、ユーザが、「時系列が確定した操作ログ」の欄の外観と、「時系列が確定していない操作ログ」が表示された欄の外観とを一見して識別できる態様で表示される。なお、
図7(E)の例では、「取得日時」が「T(B-1:3)」、「日時」が「T(B-3)」、「ユーザ」が「User-B」、「イベント」が「Write」(編集)である第2の操作ログが、「時系列が確定していない操作ログ」として網掛けで示されており、それ以外の第2の操作ログが、「時系列が確定した操作ログ」として表示されている。
【0051】
ここで、上述の
図7(D)に示す時間軸T上に可視化された複数のイベントのうち、太枠F2に囲まれたイベント、すなわち、「T(C-3)」のタイミングで発生したイベント(C-3)は、
図7(E)のユーザインターフェースに表示されていない。これは、「T(C-3)」のタイミングで発生したイベント(C-3)が、何らかの理由で管理サーバ10にて記録されていないことを示している。「何らかの理由」としては、例えば、通信障害やハードウェアの不具合等により、イベント(C-3)にかかる第2の操作ログがユーザ端末30から管理サーバ10に向けて送信されなかった場合や、イベント(C-3)にかかる第2の操作ログがユーザ端末30から管理サーバ10に向けて送信されたものの、管理サーバ10にて受信されなかった場合等が挙げられる。
【0052】
図8乃至
図12は、
図7の具体例の詳細な流れを示す図である。なお、「(Sys-1)」乃至「(Sys-4)」は、いずれも管理サーバ10側(「System」側)の共有領域で発生したイベントを一意に識別するための文字列である。また、「T(Sys-1)」乃至「T(Sys-4)」は、1乃至4回目のイベントの各々が発生したタイミングを示す時刻、および第1の操作ログを管理サーバ10が受信したタイミングを示す時刻を示す文字列である。
【0053】
このうち、例えば、「(Sys-1)」は、ユーザX(User-X)が操作するユーザ端末30が管理サーバ10にアクセスすることで発生した、管理サーバ10側(「System」側)の共有領域における1回目のイベントであることを示している。また、「T(Sys-1)」は、1回目のイベントが発生したタイミング、および1回目のイベントにかかる第1の操作ログを管理サーバ10が受信したタイミングとなる時刻を示している。
【0054】
図8(A)には、管理サーバ10側の共有領域にて発生した1乃至4回目のイベントの内容および発生時刻が時系列で示されている。すなわち、1回目のイベントの内容は、ユーザX(User-X)が管理サーバ10側の共有領域(システム)にファイルをアップロードする操作であり、1回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(Sys-1)」である。また、2回目のイベントの内容は、ユーザA(User-A)が、管理サーバ10側の共有領域(システム)からユーザAが操作するユーザ端末30(クライアントA)にファイルをダウンロードする操作であり、2回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(Sys-2)」である。
【0055】
また、3回目のイベントの内容は、ユーザB(User-B)が、管理サーバ10側の共有領域(システム)からユーザBが操作するユーザ端末30(クライアントB)にファイルをダウンロードする操作であり、3回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(Sys-3)」である。また、4回目のイベントの内容は、ユーザC(User-C)が、管理サーバ10側の共有領域(システム)からユーザCが操作するユーザ端末30(クライアントC)にファイルをダウンロードする操作であり、4回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(Sys-4)」である。
【0056】
図8(B)には、上述の
図8(A)に示す1乃至4回目のイベントにかかる操作ログが記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。このデータベースでは、管理サーバ10が操作ログを取得したタイミングを示す「ログ受信時刻」と、イベントが発生したタイミングを示す「イベント発生時刻」と、イベントが発生した場所を示す「イベント発生場所」と、イベントに係る操作を行ったユーザを示す「ユーザ」と、イベントの内容を示す「イベント」と、「時系列が確定した操作ログ」であるか「時系列が確定していない操作ログ」であるかを示す「確定フラグ」とが対応付けられている。
【0057】
例えば、「ログ受信時刻」および「イベント発生時刻」が「T(Sys-1)」、「イベント発生場所」が「System」(管理サーバ10側の共有領域)、「ユーザ」が「User-X」(ユーザX)、「イベント」が「Upload」(アップロード)、「確定フラグ」が「Y」(確定)である1回目のイベントにかかる第1の操作ログが示されている。また、「ログ受信時刻」および「イベント発生時刻」が「T(Sys-2)」、「イベント発生場所」が「System」(管理サーバ10側の共有領域)、「ユーザ」が「User-A」(ユーザA)、「イベント」が「Download」(ダウンロード)、「確定フラグ」が「Y」(確定)である2回目のイベントにかかる第1の操作ログが示されている。
【0058】
また、「ログ受信時刻」および「イベント発生時刻」が「T(Sys-3)」、「イベント発生場所」が「System」(管理サーバ10側の共有領域)、「ユーザ」が「User-B」(ユーザB)、「イベント」が「Download」(ダウンロード)、「確定フラグ」が「Y」(確定)である3回目のイベントにかかる第1の操作ログが示されている。また、「ログ受信時刻」および「イベント発生時刻」が「T(Sys-4)」、「イベント発生場所」が「System」(管理サーバ10側の共有領域)、「ユーザ」が「User-C」(ユーザC)、「イベント」が「Download」(ダウンロード)、「確定フラグ」が「Y」(確定)である4回目のイベントにかかる第1の操作ログが示されている。
【0059】
図8(C)には、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得時刻が記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。このデータベースでは、管理サーバ10に向けて第2の操作ログを送信したユーザ端末30を操作するユーザを示す「ダウンロードしたクライアント」と、管理サーバ10が第2の操作ログを直近で取得したタイミングを示す「直近ログ取得時刻」とが対応付けられている。なお、上述の
図8(A)に示すように、1乃至4回目のイベントには、管理サーバ10が第2の操作ログを取得するイベントが含まれていないため、
図8(C)の「直近ログ取得時刻」はいずれも「-」(記録なし)の状態になっている。
【0060】
図9(A)には、ユーザ端末30側にて発生した5乃至11回目のイベントの内容および発生時刻が時系列で示されている。すなわち、5回目のイベントの内容は、ユーザA(User-A)がユーザ端末30を操作してファイルを「Read」(閲覧)する操作であり、5回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(A-1)」である。また、6回目のイベントの内容は、ユーザB(User-B)がユーザ端末30を操作してファイルを「Read」(閲覧)する操作であり、6回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(B-1)」である。
【0061】
また、7回目のイベントの内容は、ユーザA(User-A)がユーザ端末30を操作してファイルを「Write」(編集)する操作であり、7回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(A-2)」である。また、8回目のイベントの内容は、ユーザC(User-C)がユーザ端末30を操作してファイルを「Read」(閲覧)する操作であり、8回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(C-1)」である。また、9回目のイベントの内容は、ユーザA(User-A)がユーザ端末30を操作してファイルを「Write」(編集)する操作であり、9回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(A-3)」である。
【0062】
また、10回目のイベントの内容は、ユーザC(User-C)がユーザ端末30を操作してファイルを「Write」(編集)する操作であり、10回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(C-2)」である。また、11回目のイベントの内容は、ユーザB(User-B)がユーザ端末30を操作してファイルを「Write」(編集)する操作であり、11回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(B-2)」である。
【0063】
図9(B)には、上述の
図8(A)および
図9(A)に示す1乃至11回目のイベントにかかる操作ログが記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。なお、上述の
図9(A)に示すように、5乃至11回目のイベントはいずれもユーザ端末30側のみで発生しているため、操作ログは追加されていない。このため、
図9(B)に示すデータベースの内容は、上述の
図8(B)に示すデータベースの内容のままになっている。
【0064】
図9(C)には、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得時刻が記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。なお、上述の
図9(A)に示すように、5乃至11回目のイベントには、管理サーバ10が第2の操作ログを取得するイベントが含まれていない。このため、
図9(C)に示すデータベースの内容は、上述の
図8(C)に示すデータベースの内容のままになっている。
【0065】
図9(D)乃至(F)には、ユーザ端末30の各々の記憶部のデータベースに記録されている第2の操作ログの一例が示されている。このうち、
図9(D)には、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30の記憶部のデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。具体的には、ユーザ端末30側でイベントが発生したタイミングを示す「イベント発生時刻」が「T(A-1)」、ユーザが「User-A」、「イベント」が「Read」(閲覧)、管理サーバ10への「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。
【0066】
また、
図9(D)には、「イベント発生時刻」が「T(A-2)」、ユーザが「User-A」、「イベント」が「Write」(編集)、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。また、「イベント発生時刻」が「T(A-3)」、ユーザが「User-A」、「イベント」が「Write」(編集)、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。すなわち、
図9(D)には、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30に記憶されている第2の操作ログは合計3件であり、いずれも管理サーバ10に向けて送信されていない状態であることが示されている。
【0067】
また、
図9(E)には、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30の記憶部のデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。具体的には、「イベント発生時刻」が「T(B-1)」、ユーザが「User-B」、「イベント」が「Read」(閲覧)、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。また、「イベント発生時刻」が「T(B-2)」、ユーザが「User-B」、「イベント」が「Write」(編集)、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。すなわち、
図9(E)には、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30に記憶されている第2の操作ログは合計2件であり、いずれも管理サーバ10に向けて送信されていない状態であることが示されている。
【0068】
また、
図9(F)には、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30の記憶部のデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。具体的には、「イベント発生時刻」が「T(C-1)」、ユーザが「User-C」、「イベント」が「Read」(閲覧)、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。また、「イベント発生時刻」が「T(C-2)」、ユーザが「User-C」、「イベント」が「Write」(編集)、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが示されている。すなわち、
図9(F)には、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30に記憶されている第2の操作ログは合計2件であり、いずれも管理サーバ10に向けて送信されていない状態であることが示されている。
【0069】
図10(A)には、ユーザ端末30側にて発生した12回目のイベントの内容および発生時刻が示されている。すなわち、12回目のイベントの内容は、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30(クライアントC)から管理サーバ10に向けた第2の操作ログの送信であり、12回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(C-1:2)」である。
【0070】
図10(B)には、上述の
図8(A)、
図9(A)、および
図10(A)に示す1乃至12回目のイベントにかかる操作ログが記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。12回目のイベントは、管理サーバ10が第2の操作ログを取得するものである。このため、
図10(B)に示す操作ログのうち、「イベント発生場所」が「Client-C」である2つの操作ログは、いずれも管理サーバ10により取得された第2の操作ログであり、上述の
図9(F)の2つの操作ログが管理サーバ10に向けて送信されたものである。そして、これらの2つの第2の操作ログの「確定フラグ」は、いずれも「N」(未確定)となっている。
【0071】
また、
図10(B)に示す操作ログのうち、「イベント発生場所」が「System」、「ユーザ」が「Client-C」である操作ログは、「Sync Log」(同期)にかかる第1の操作ログである。すなわち、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30から送信されてきた第2の操作ログを管理サーバ10が取得したというイベントにかかる第1の操作ログである。そして、この操作ログの「確定フラグ」は、「N」(未確定)となっている。
【0072】
図10(C)には、上述の
図9(C)と同様に、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得時刻が記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。上述の
図10(A)に示すように、12回目のイベントには、管理サーバ10が第2の操作ログを取得するイベントが含まれている。このため、
図10(C)に示すデータベースには、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30を示す「Client-C」から管理サーバ10に向けて送信された第2の操作ログの「直近ログ取得時刻」が「T(C-1:2)」であることが記録されている。
【0073】
図10(D)には、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。なお、上述の
図10(A)に示すように、12回目のイベントはユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30にかかるものであるため、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30には関係のないイベントである。このため、
図10(D)に示すデータベースの内容は、上述の
図9(D)に示すデータベースの内容のままとなっている。
【0074】
図10(E)には、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。なお、上述の
図10(A)に示すように、12回目のイベントはユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30にかかるものであるため、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30には関係のないイベントである。このため、
図10(E)に示すデータベースの内容は、上述の
図9(E)に示すデータベースの内容のままとなっている。
【0075】
図10(F)には、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。上述の
図10(A)に示すように、12回目のイベントはユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30にかかるものである。このため、
図10(F)に示すデータベースの内容は、上述の
図9(F)に示すデータベースの内容に変更が加えられたものになっている。具体的には、イベント(C-1)および(C-2)の送信時刻が「T(C-1:2)」に変更されるとともに、「イベント」が「SyncLog」である第2の操作ログが追加されている。すなわち、イベント(C-1)および(C-2)の各々にかかる第2の操作ログが、ユーザ端末30から管理サーバ10に向けて送信されたことがデータベースに記録されている。
【0076】
図11(A)には、ユーザ端末30側にて発生した13回目のイベントの内容および発生時刻が示されている。すなわち、13回目のイベントの内容は、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30(クライアントA)から管理サーバ10に向けた第2の操作ログの送信であり、13回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(A-1:3)」である。
【0077】
図11(B)には、上述の
図8(A)、
図9(A)、
図10(A)、および
図11(A)に示す1乃至13回目のイベントにかかる第1の操作ログが記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。13回目のイベントは、管理サーバ10が第2の操作ログを取得するものである。このため、
図11(B)に示す操作ログのうち、「イベント発生場所」が「Client-A」である3つの操作ログは、いずれも管理サーバ10により取得された第2の操作ログであり、上述の
図10(D)の3つの操作ログが管理サーバ10に向けて送信されたものである。そして、これらの3つの第2の操作ログの「確定フラグ」は、いずれも「N」(未確定)となっている。
【0078】
また、
図11(B)に示す操作ログのうち、「イベント発生場所」が「System」、「ユーザ」が「Client-A」、「イベント」が「Sync Log」(同期)である操作ログは、第1の操作ログである。すなわち、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30から送信されてきた第2の操作ログを管理サーバ10が取得したというイベントにかかる第1の操作ログである。そして、この第1の操作ログの「確定フラグ」は「N」(未確定)となっている。
【0079】
図11(C)には、上述の
図10(C)と同様に、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得時刻が記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。上述の
図11(A)に示すように、13回目のイベントには、ユーザAが操作するユーザ端末30を示す「クライアントA」から管理サーバ10が第2の操作ログを取得するイベントが含まれている。このため、
図11(C)に示すデータベースには、クライアントA(Client-A)から管理サーバ10に向けて送信された第2の操作ログの「直近ログ取得時刻」が「T(A-1:3)」であることが記録されている。また、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30を示す「Client-C」から管理サーバ10に向けて送信された第2の操作ログの「直近ログ取得時刻」が「T(C-1:2)」であることが記録されている。
【0080】
図11(D)には、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。上述の
図11(A)に示すように、13回目のイベントはユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30にかかるものである。このため、
図11(D)に示すデータベースの内容は、上述の
図10(D)に示すデータベースの内容に変更が加えられたものになっている。具体的には、イベント(A-1)乃至(A-3)の送信時刻が「T(A-1:3)」に変更されるとともに、「イベント」が「SyncLog」(同期)である第2の操作ログが追加されている。すなわち、イベント(A-1)乃至(A-3)の各々にかかる第2の操作ログが、ユーザ端末30から管理サーバ10に向けて送信されたことがデータベースに記録されている。
【0081】
図11(E)には、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。なお、上述の
図11(A)に示すように、13回目のイベントはユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30にかかるものであるため、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30には関係のないイベントである。このため、
図11(E)に示すデータベースの内容は、上述の
図10(E)に示すデータベースの内容のままとなっている。
【0082】
図11(F)には、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。なお、上述の
図11(A)に示すように、13回目のイベントはユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30にかかるものであるため、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30には関係のないイベントである。このため、
図11(F)に示すデータベースの内容は、上述の
図10(F)に示すデータベースの内容のままとなっている。
【0083】
図12(A)には、ユーザ端末30側にて発生した14乃至16回目のイベントの内容および発生時刻が示されている。すなわち、14回目のイベントの内容は、ユーザC(User-C)がユーザ端末30を操作してファイルを「Read」(閲覧)する操作であり、14回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(C-3)」である。また、15回目のイベントの内容は、ユーザB(User-B)がユーザ端末30を操作してファイルを「Write」(編集)する操作であり、15回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(B-3)」である。また、16回目のイベントの内容は、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30(クライアントB)から管理サーバ10に向けた第2の操作ログの送信であり、16回目のイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(B-1:3)」である。
【0084】
図12(B)には、上述の
図8(A)、
図9(A)、
図10(A)、
図11(A)、および
図12(A)に示す1乃至16回目のイベントにかかる第1の操作ログおよび第2の操作ログが記録されたデータベース(例えば、
図2のログDB132)の一例が示されている。このうち、「ログ受信時刻」が「T(B-1:3)」、「イベント発生時刻」が「T(B-1)」、「イベント発生場所」が「Client-B」である操作ログ、「ログ受信時刻」が「T(B-1:3)」、「イベント発生時刻」が「T(B-2)」、「イベント発生場所」が「Client-B」である操作ログ、「ログ受信時刻」が「T(B-1:3)」、「イベント発生時刻」が「T(B-3)」、「イベント発生場所」が「Client-B」である操作ログ、「ログ受信時刻」および「イベント発生時刻」が「T(B-1:3)」、「イベント発生場所」が「System」である操作ログは、15回目のイベントおよび16回目のイベントで追加されたものである。
【0085】
具体的には、15回目のイベントの内容は、ユーザB(User-B)がユーザ端末30を操作してファイルを「Write」(編集)する操作であり、そのイベントが発生したタイミングを示す時刻は「T(B-3)」である。また、16回目のイベントは、管理サーバ10が第2の操作ログを取得するものである。
図12(B)に示す操作ログのうち、網掛けで示された操作ログの「確定フラグ」は「N」(未確定)になっている。
【0086】
図12(C)には、上述の
図11(C)と同様に、ユーザ端末30ごとの第2の操作ログの直近の取得時刻が記録されたデータベースの一例が示されている。上述の
図12(A)に示すように、16回目のイベントには、ユーザBが操作するユーザ端末30を示す「クライアントB」から管理サーバ10が第2の操作ログを取得するイベントが含まれている。このため、
図12(C)に示すデータベースには、クライアントB(Client-B)から管理サーバ10に向けて送信された第2の操作ログの「直近ログ取得時刻」が「T(B-1:3)」であることが記録されている。
【0087】
また、
図12(C)に示すデータベースには、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30を示す「Client-A」から管理サーバ10に向けて送信された第2の操作ログの「直近ログ取得時刻」が「T(A-1:3)」であることが記録されている。また、
図12(C)に示すデータベースには、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30を示す「Client-C」から管理サーバ10に向けて送信された第2の操作ログの「直近ログ取得時刻」が「T(C-1:2)」であることが記録されている。
【0088】
図12(D)には、ユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。なお、上述の
図12(A)に示すように、14乃至16回目のイベントにはユーザA(User-A)が操作するユーザ端末30にかかるものがない。このため、
図12(D)に示すデータベースの内容は、上述の
図11(D)に示すデータベースの内容のままとなっている。
【0089】
図12(E)には、ユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。上述の
図12(A)に示すように、15および16回目のイベントはユーザB(User-B)が操作するユーザ端末30にかかるものである。このため、
図12(E)に示すデータベースの内容は、上述の
図11(E)に示すデータベースの内容に変更が加えられたものになっている。具体的には、「イベント発生時刻」が「T(B-3)」、「ユーザ」が「User-B」、「イベント」が「Write」、「送信時刻」が「T(B-1:3)」である第2の操作ログが追加されている。
【0090】
また、
図12(E)に示すデータベースでは、イベント(B-1)および(B-2)の「送信時刻」が「T(B-1:3)」に変更されるとともに、「イベント」が「Sync Log」である第2の操作ログが追加されている。すなわち、イベント(B-1)乃至(B-3)の各々にかかる第2の操作ログが、ユーザ端末30から管理サーバ10に向けて送信されたことがユーザ端末30のデータベースに記録されている。
【0091】
図12(F)には、ユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30の記憶部に格納されたデータベースに記録されている第2の操作ログが示されている。上述の
図12(A)に示すように、14回目のイベントはユーザC(User-C)が操作するユーザ端末30にかかるものである。このため、
図12(F)に示すデータベースの内容は、上述の
図11(F)に示すデータベースの内容に変更が加えられたものになっている。具体的には、「イベント発生時刻」が「T(C-3)」、「ユーザ」が「User-C」、「イベント」が「Read」、「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログが追加されている。なお、この追加された第2の操作ログは、「送信時刻」が「未送信」であるため、上述の
図12(B)のデータベースには記録されていない状態になっている。
【0092】
図13は、ユーザ端末30の表示部に表示される、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとをユーザに識別させるためのログ一覧情報の具体例を示す図である。
管理サーバ10による処理により、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとが分類されると、その分類結果をユーザに識別させるための情報として、
図13に示すような一覧表が生成される。生成された一覧表は、ログ要求情報に基づいて、ユーザ端末30の表示部に表示される。この一覧表には、管理サーバ10が第1の操作ログおよび第2の操作ログを取得したタイミングを示す「ログ受信時刻」と、第1の操作ログおよび第2の操作ログにかかるイベントが発生したタイミングを示す「イベント発生時刻」との各々を示す情報が含まれる。また、そのイベントが発生した場所を示す「イベント発生場所」と、イベントにかかる操作や処理を行ったユーザを示す「ユーザ」と、イベントの内容を示す「イベント」との各々を示す情報が含まれる。
【0093】
図13に示すログ一覧表では、時系列が確定した操作ログには網掛けが施されていないが、時系列が確定していない操作ログには網掛けが施されており、ユーザが一見して分類結果を識別できる。具体的には、「ログ受信時刻」が「T(B-1:3)」、「イベント発生時刻」が「T(B-3)」、「イベント発生場所」が「Client-B」、「ユーザ」が「User-B」、「イベント」が「Write」である第2の操作ログに網掛けが施されているが、それ以外の操作ログには網掛けが施されていない。また、上述の
図12(F)に示す「送信時刻」が「未送信」である第2の操作ログは、
図13に示すログ一覧表に表示されない。
【0094】
(他の実施の形態)
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、および
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図3に示す管理サーバ10の機能構成、および
図4に示すユーザ端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図3および
図4の例に限定されない。
【0095】
また、
図5に示す管理サーバ10の処理のステップ、および
図6に示すユーザ端末30の処理のステップの各々の順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図7乃至
図13に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0096】
例えば、
図13の例では、網掛けの有無により、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとが識別できるようになっているが、これに限定されない。例えば、色の違いによって識別できるようにしてもよいし、文字の太さの違いによって識別できるようにしてもよい。
【0097】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
サーバ側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、当該サーバ側にて記録された第1の操作ログと、当該電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置にて記録され送信された第2の操作ログとを取得し、
取得した前記第1の操作ログおよび前記第2の操作ログを、当該第1の操作ログおよび前記第2の操作ログの記録日時と、当該第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類することを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、予め定められたタイミングで前記クライアント側の装置により一括送信される未送信分の前記第2の操作ログを取得することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、
取得した前記第2の操作ログに基づいて、前記クライアント側の装置ごとの当該第2の操作ログの直近の取得日時と、当該取得日時のうち最先の日時とを特定し、
特定した前記最先の日時よりも前記記録日時が前である操作ログを、前記時系列が確定した操作ログに分類し、当該最先の日時よりも当該記録日時が後である操作ログを、前記時系列が確定していない操作ログに分類することを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、予め定められた前記クライアント側の装置の前記第2の操作ログのうち、前記タイミングで取得できていないものがある場合、前記分類を行わないことを特徴とする、
(((2)))または(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記予め定められたクライアント側の装置が、前記電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置であることを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記第2の操作ログには、前記予め定められたクライアント側の装置にて前記電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報が含まれることを特徴とする、
(((4)))または(((5)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記取得できていない第2の操作ログが存在する旨をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、
(((4)))乃至(((6)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記取得できていない第2の操作ログに対応する前記クライアント側の端末に向けて、当該第2の操作ログの送信を依頼することを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、前記時系列が確定した操作ログと、前記時系列が確定していない操作ログとをユーザに識別させるための情報を当該ユーザに提示する制御を行うことを特徴とする、
(((1)))乃至(((8)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザに識別させるための情報として、一覧表示された前記時系列が確定した操作ログおよび前記時系列が確定していない操作ログのうち、当該時系列が確定していない操作ログの外観を変化させた情報を前記ユーザに提示することを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
サーバ側の共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を操作ログとして記録し、
記録した前記操作ログのうち未送信分のものを、予め定められたタイミングで前記サーバ側に向けて一括送信する制御を行い、
前記電子ファイルに対する操作が行われていない場合、前記操作ログとして、当該電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、前記タイミングで前記サーバ側に向けて送信する制御を行うことを特徴とする、
情報処理装置。
(((12)))
コンピュータに、
サーバ側の共有領域に格納された電子ファイルに対する操作のログ情報として、当該サーバ側にて記録された第1の操作ログと、当該電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置にて記録され送信された第2の操作ログとを取得する機能と、
取得した前記第1の操作ログおよび前記第2の操作ログを、当該第1の操作ログおよび前記第2の操作ログの記録日時と、当該第2の操作ログの取得日時とに基づいて、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとに分類する機能と、
を実現させるためのプログラム。
(((13)))
コンピュータに、
サーバ側の共有領域からダウンロードした電子ファイルに対する操作のログ情報を操作ログとして記録する機能と、
記録した前記操作ログのうち未送信分のものを、予め定められたタイミングで前記サーバ側に向けて一括送信する制御を行う機能と、
前記電子ファイルに対する操作が行われていない場合、前記操作ログとして、当該電子ファイルに対する操作が行われていないことを示すログ情報を、前記タイミングで前記サーバ側に向けて送信する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0098】
(((1)))の本発明によれば、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることができる情報処理システムを提供できる。
(((2)))の本発明によれば、未送信分の第2の操作ログが、予め定められたタイミングで一括送信されるので、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとの分類を、複数の操作ログに対して一度に行うことができる。
(((3)))の本発明によれば、クライアント側の装置ごとの第2の操作ログの取得日を管理することで、時系列が確定した操作ログと、時系列が確定していない操作ログとを分類することができる。
(((4)))の本発明によれば、取得すべき第2の操作ログが揃っていない状態で分類が行われることを防ぐことができる。これにより、収集された操作ログの信頼性を向上させることができる。
(((5)))の本発明によれば、電子ファイルをダウンロードしたクライアント側の装置の第2の操作ログのうち、予め定められたタイミングで取得できていないものがある場合、分類が行われないので、収集された操作ログの信頼性を向上させることができる。
(((6)))の本発明によれば、クライアント側の装置にてダウンロードされた電子ファイルに対する操作が行われなかった場合にも、その旨を示す第2の操作ログが送信されるので、「操作が行われなかったこと」が明確化される。これにより、収集された操作ログの信頼性を向上させることができる。
(((7)))の本発明によれば、第2のログ情報を取得できていない旨がユーザに報知されるので、第2の操作ログが送信されない状況の把握が容易化される。これにより、例えば、クライアント側の装置の盗難、紛失、廃棄等の対応の迅速化を図ることができる。
(((8)))の本発明によれば、第2のログ情報を取得できていない旨がクライアント側の装置に報知されるので、クライアント側の装置を管理する者に対応を求めることができる。
(((9)))の本発明によれば、ユーザは、分類結果の識別が容易になる。
(((10)))の本発明によれば、ユーザは、分類結果を一見して把握できる。
(((11)))の本発明によれば、情報処理装置ごとに記録された操作ログがサーバ側で一括管理される際、操作ログの信頼性を高めることができる情報処理装置を提供できる。
(((12)))の本発明によれば、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることができるプログラムを提供できる。
(((13)))の本発明によれば、クライアント側の端末ごとに記録された操作ログをサーバ側で収集して一括管理する際、収集された操作ログの信頼性を高めることができるプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0099】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…ユーザ端末、90…ネットワーク、101…ファイル管理部、102…ログ管理部、103…ログ取得部、104…分類部、105…ログ要求受付部、106…送信制御部、301…ファイル管理部、302…ログ管理部、303…送信制御部、304…情報取得部、305…表示制御部