(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032217
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】検索システム及び検索方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/36 20190101AFI20240305BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20240305BHJP
【FI】
G06F16/36
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135768
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 恭子
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA01
5B175FB03
5B175GB04
5B175HA05
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】利用者の経験によらず、情報を容易に検索できる検索システム及び検索方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】検索システムは、検索対象となる組織又は業務に関連する補足情報を記憶する記憶部と、利用者により入力された識別情報と、検索キーワードとを取得する取得部と、記憶部から、識別情報に対応する補足情報を抽出し、補足情報から補足キーワードを抽出する抽出部と、検索キーワード及び補足キーワードを用いて検索を行う検索部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象となる組織又は業務に関連する補足情報を記憶する記憶部と、
利用者により入力された識別情報と、検索キーワードとを取得する取得部と、
前記記憶部から、前記識別情報に対応する前記補足情報を抽出し、前記補足情報から補足キーワードを抽出する抽出部と、
前記検索キーワード及び前記補足キーワードを用いて検索を行う検索部と、
を備える検索システム。
【請求項2】
前記補足情報は、組織情報、業務情報、業務に関する履歴情報、顧客ごとの契約情報、又は顧客製品ごとの設置情報の少なくとも何れかを含む請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記識別情報は、利用者ID又は顧客IDである請求項1又は2に記載の検索システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記利用者により入力されたシーン情報を取得し、
前記抽出部は、前記シーン情報に基づき、前記補足キーワードの絞り込みを行う請求項1又は2に記載の検索システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記利用者により入力された前記検索に関連する関連情報を取得し、
前記抽出部は、前記識別情報及び前記関連情報に対応する前記補足情報を抽出する請求項1又は2に記載の検索システム。
【請求項6】
前記識別情報は利用者IDであり、前記関連情報は顧客IDである請求項5に記載の検索システム。
【請求項7】
前記検索部は、前記補足情報に対応する同義語辞書から、前記検索キーワード又は前記補足キーワードに対応する同義語を抽出し、抽出した前記同義語を用いて前記検索を行う請求項1又は2に記載の検索システム。
【請求項8】
検索装置により実行される検索方法であって、
利用者により入力された識別情報と、検索キーワードとを取得するステップと、
検索対象となる組織又は業務に関連する補足情報を記憶する記憶部から、前記識別情報に対応する前記補足情報を抽出し、前記補足情報から補足キーワードを抽出するステップと、
前記検索キーワード及び前記補足キーワードを用いて検索を行うステップと、
を含む検索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を検索するための検索システム及び検索方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、チャットボット又はFAQ検索エンジンなどの言語に関する検索システムが知られている。このような検索システムとして、例えば、特許文献1には、利用者が入力したメッセージからキーワードを抽出し、さらにキーワードから抽出された絞り込みキーワードを提示して利用者に選択させて、FAQ又は文書を検索するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、企業又は事業所などの組織内においては、技術革新又は法改正等により、システムの分割又は統合が発生すると、業務分類、実行部門又は責任部門の変更が発生する。これにより、同一のシステムにおいても、年度又は実行時期等により最適参照文書が変化すること、又は同一のシステムにおいて、複数の類似文書が存在することがある。このような状況において、検索対象の文書は組織内の複数の箇所に分散しており、目的の文書を見つけるためには、大量の文書を検索して抽出する必要があるため時間がかかる。また、検索を行う利用者の経験が少ない場合は、検索の際にどこを検索すればよいか、どのキーワードが適切か、又は検索された文書が適切か否か等の判断が困難である。
【0005】
本発明は、上記のような課題を背景としたものであり、利用者の経験によらず、情報を容易に検索できる検索システム及び検索方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検索システムは、検索対象となる組織又は業務に関連する補足情報を記憶する記憶部と、利用者により入力された識別情報と、検索キーワードとを取得する取得部と、記憶部から、識別情報に対応する補足情報を抽出し、補足情報から補足キーワードを抽出する抽出部と、検索キーワード及び補足キーワードを用いて検索を行う検索部と、を備える。
【0007】
また、本発明に係る検索方法は、検索装置により実行される検索方法であって、利用者により入力された識別情報と、検索キーワードとを取得するステップと、検索対象となる組織又は業務に関連する補足情報を記憶する記憶部から、識別情報に対応する補足情報を抽出し、補足情報から補足キーワードを抽出するステップと、検索キーワード及び補足キーワードを用いて検索を行うステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の検索システム及び検索方法によると、利用者により入力された検索キーワードと、識別情報に対応して抽出された補足キーワードとに基づいて検索を行うことで、利用者の経験によらず、利用者の業務に適した情報を容易に検索できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る検索システムの概略構成図である。
【
図2】実施の形態1に係る検索システムの動作を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態1に係る検索システムにおけるログイン画面の一例である。
【
図4】実施の形態1における補足キーワード抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1における組織情報の抽出を説明する図である。
【
図6】実施の形態1における業務情報の抽出を説明する図である。
【
図7】実施の形態1における出動記録の抽出を説明する図である。
【
図8】実施の形態1における受付履歴の抽出を説明する図である。
【
図9】実施の形態1における対応履歴の抽出を説明する図である。
【
図10】実施の形態1に係る抽出部によって抽出された補足情報の一例である。
【
図11】実施の形態1に係る検索システムにおけるキーワード入力画面の一例である。
【
図12】実施の形態1に係る検索システムにおける検索結果画面の一例である。
【
図13】実施の形態2に係る検索システムの動作を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2に係る検索システムにおけるシーン選択画面の一例である。
【
図15】実施の形態2に係る検索システムにおけるキーワード入力画面の一例である。
【
図16】実施の形態3に係る検索システムの概略構成図である。
【
図17】実施の形態3に係る検索システムの動作を示すフローチャートである。
【
図18】実施の形態3に係る検索システムにおける関連項目選択画面の一例である。
【
図19】実施の形態3に係る検索システムにおける関連情報入力画面の一例である。
【
図20】実施の形態3における補足キーワード抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図21】実施の形態3における契約情報の抽出を説明する図である。
【
図22】実施の形態3における設置情報の抽出を説明する図である。
【
図23】実施の形態4に係る検索システムの概略構成図である。
【
図24】実施の形態4における同義語辞書の一例である。
【
図25】実施の形態4における同義語辞書の別の例である。
【
図26】変形例に係る検索システムにおけるキーワード入力画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
(検索システムの構成)
図1は、実施の形態1に係る検索システム100の概略構成図である。
図1に示すように、本実施の形態の検索システム100は、記憶装置1と、検索装置2と、端末装置3とからなる。記憶装置1と検索装置2とは、LAN等によりデータ通信可能に接続されている。また、検索装置2と端末装置3とは、インターネットなどのネットワーク200を介してデータ通信可能に接続されている。なお、
図1における各装置の通信接続方法は一例であり、記憶装置1と検索装置2とがネットワーク200を介してデータ通信可能に接続されてもよいし、検索装置2と端末装置3とがLAN等によりデータ通信可能に接続されてもよい。
【0011】
本実施の形態の検索システム100は、企業又は事業所などにおける情報を検索するためのシステムである。具体的には、検索システム100は、社内で該当文書を検索する際、各種製品、サービス、又はシステムの不具合時の対処方法を検索する際、もしくは各種製品、サービス、又はシステムの申し込み又はトラブルなどの問い合わせを受付ける際などに用いられる。検索システム100では、利用者によって端末装置3を用いて入力された情報に基づき、検索装置2によって記憶装置1に記憶された情報の検索及び抽出が行われ、端末装置3に検索結果が表示される。
【0012】
記憶装置1は、検索システム100が採用された事業所又は企業における様々な情報を記憶するHDD又はSSDなどの記憶装置である。なお、
図1では、記憶装置1は、検索装置2とは別に独立した装置として設けられているが、記憶装置1は検索装置2の記憶部として設けられてもよいし、検索装置2以外の装置(サーバなど)の記憶部として設けられてもよい。
【0013】
記憶装置1には、組織情報データベース11と、業務情報データベース12と、履歴情報データベース13と、検索情報データベース14とが記憶されている。組織情報データベース11、業務情報データベース12、及び履歴情報データベース13に記憶される情報は、検索対象となる組織又は業務に関連する情報であり、後述する補足情報として用いられる。組織情報データベース11は、利用者ID、所属事業部名、所属部門名、所属チーム名、担務、及び組織コードなどの組織情報を記憶している。業務情報データベース12は、組織コード、担当製品、及び分類などの業務に関する情報を記憶している。
【0014】
履歴情報データベース13は、業務に関する履歴情報を記憶している。例えば、保守又は障害対応業務に関する履歴情報としては、出動記録情報と、受付履歴情報と、対応履歴情報とを記憶している。出動記録情報は、保守又は障害対応のために出動したチームごとの出動履歴を記録した情報であり、日付、時間、利用者ID、組織コード、指令ID、及び位置情報などを含む。受付履歴情報は、コンタクトセンタにおける保守又は障害対応の受付履歴であり、指令ID、顧客ID、エラー番号、マシンID、及び日時などを含む。対応履歴情報は、出動時の対応履歴であり、利用者ID、オーダーID、顧客ID、マシンID、及び対応内容などを含む。
【0015】
検索情報データベース14は、検索システム100において、検索の対象となる検索情報を記憶している。検索情報は、例えば手順書、製品情報、マニュアル、試験情報、及びサポート情報などである。
【0016】
検索装置2は、チャットボット機能を実現する装置であり、CPU又はGPUなどのプロセッサ及びメモリを備えたサーバなどのコンピュータである。検索装置2は、プロセッサがプログラムを実行することにより実現される機能部として、通信部21と、取得部22と、抽出部23と、検索部24と、表示制御部25とを有する。なお、検索装置2の各機能部は、専用の機器又は専用の回路、もしくは専用の機器又は専用の回路とソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
【0017】
通信部21は、端末装置3とネットワーク200を介して通信を行うネットワークインターフェースである。通信部21は、端末装置3との通信に必要な各種フレームの生成及びプロトコル制御を行う。
【0018】
取得部22は、通信部21にて受信した端末装置3からの入力情報を取得する。入力情報は、例えば利用者IDなどの識別情報と、検索のための検索キーワードとを含む。取得部22によって取得された入力情報のうち、識別情報は抽出部23に送信され、検索キーワードは検索部24に送信される。
【0019】
抽出部23は、取得部22から受信した識別情報に基づき、記憶装置1に記憶される補足情報から、利用者の業務に関連する補足情報を抽出する。そして、抽出した補足情報から補足キーワードを抽出し、検索部24に送信する。
【0020】
検索部24は、取得部22から受信した検索キーワードと、抽出部23から受信した補足キーワードとを用いて、記憶装置1の検索情報データベース14を検索し、利用者が求める条件に該当する情報を抽出する。検索部24で抽出された情報は、検索結果として表示制御部25に送信される。
【0021】
表示制御部25は、端末装置3の表示部33に表示する表示画面を生成し、通信部21を介して端末装置3へ送信する。具体的には、表示制御部25は、利用者が利用者IDを入力するためのログイン画面、検索キーワードを入力するためのキーワード入力画面、及び検索部24から受信した検索結果を含む検索結果画面等を生成し、端末装置3の表示部33に表示させる。
【0022】
端末装置3は、例えばPC、スマートフォン又はタブレットなどの通信端末であり、利用者により、目的の情報の検索を行うために用いられる装置である。端末装置3は、通信部31と、制御部32と、表示部33と、操作部34とを備えている。通信部31は、検索装置2とネットワーク200を介して通信を行うネットワークインターフェースである。通信部31は、検索装置2との通信に必要な各種フレームの生成及びプロトコル制御を行う。
【0023】
制御部32は、端末装置3の各部を制御するCPU又はGPUなどのプロセッサである。端末装置3は、操作部34を介して入力された入力情報を、通信部31を介して検索装置2へ送信する。また、制御部32は、検索装置2から受信したデータに基づき検索に関する画面などを表示部33に表示させる。
【0024】
表示部33は、例えば液晶ディスプレイであり、検索に関する画面などを表示する。具体的には、表示部33は、利用者が利用者IDを入力するためのログイン画面、検索キーワードを入力するためのキーワード入力画面、及び検索装置2による検索結果を含む検索結果画面等を表示する。
【0025】
操作部34は、キーボード又はタッチパネルなどであり、利用者の操作を受付け、制御部32に送信する。利用者は、操作部34を操作して、利用者ID及び検索キーワードなどの入力情報を入力する。
【0026】
(検索システムの動作)
次に、検索システム100の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る検索システム100の動作を示すフローチャートである。
図2のフローチャートにおける各処理は、検索装置2により実行される。検索システム100の動作は、端末装置3において、検索システム100による情報検索のための検索エンジン又はアプリケーションが起動されることなどにより開始される。本動作では、まず、表示制御部25により、端末装置3の表示部33にログイン画面が表示される(S1)。
【0027】
図3は、実施の形態1に係る検索システム100におけるログイン画面の一例である。ログイン画面は、ログインを促すメッセージと、利用者IDを入力するための入力フィールド51と、を含む。利用者は、端末装置3の操作部34を操作して、入力フィールド51に自身のIDを入力する。
図3の例では、利用者IDとして「999」が入力される。
【0028】
図2に戻って、入力フィールド51に入力された利用者IDは、検索装置2の取得部22によって取得され、抽出部23に送信される(S2)。抽出部23は、取得部22によって取得された利用者IDに基づいて、補足情報及び補足キーワードを抽出する(S3)。
【0029】
図4は、実施の形態1における補足キーワード抽出処理の流れを示すフローチャートである。補足キーワード抽出処理において、抽出部23は、まず記憶装置1から利用者IDに対応する補足情報を抽出する。詳しくは、抽出部23は、記憶装置1の組織情報データベース11から、利用者IDに対応する組織情報を抽出する(S31)。
図5は、実施の形態1における組織情報の抽出を説明する図である。
図5に示すように、抽出部23は、組織情報として、入力された利用者ID「999」に対応する所属事業部名、所属部門名、所属チーム名、担務、及び組織コードを抽出する。組織コードは、例えば所属チームごとに割り当てられた識別情報である。
【0030】
図4に戻って、抽出部23は、記憶装置1の業務情報データベース12から、抽出した組織情報に対応する業務情報を抽出する(S32)。
図6は、実施の形態1における業務情報の抽出を説明する図である。
図6に示すように、抽出部23は、組織情報として抽出した組織コード「M300」に対応する担当製品及び分類を業務情報として抽出する。
【0031】
図4に戻って、抽出部23は、記憶装置1の履歴情報データベース13から、抽出した組織情報に対応する出動記録を抽出する(S33)。
図7は、実施の形態1における出動記録の抽出を説明する図である。
図7に示すように、抽出部23は、組織情報として抽出した組織コード「M300」に対応する指令IDを出動記録として抽出する。なお、ここでは、利用者以外のチーム員が対応している可能性もあるため、組織コードを利用して対応する出動記録を抽出するものとしたが、利用者IDに対応する出動記録を抽出してもよい。
【0032】
図4に戻って、抽出部23は、記憶装置1の履歴情報データベース13から、抽出した出動記録に対応する受付履歴を抽出する(S34)。
図8は、実施の形態1における受付履歴の抽出を説明する図である。
図8に示すように、抽出部23は、出動記録として抽出した指令IDに対応する顧客ID、エラー番号、及びマシンIDを受付履歴として抽出する。
【0033】
図4に戻って、抽出部23は、記憶装置1の履歴情報データベース13から、抽出した出動記録に対応する対応履歴を抽出する(S35)。
図9は、実施の形態1における対応履歴の抽出を説明する図である。
図9に示すように、抽出部23は、出動記録として抽出した指令IDに対応する顧客ID、マシンID、及び対応内容を対応履歴として抽出する。
【0034】
ステップS31~S35において、記憶装置1の組織情報データベース11、業務情報データベース12、及び履歴情報データベース13から抽出された情報が、利用者の業務に関連する補足情報となる。
図10は、実施の形態1に係る抽出部23によって抽出された補足情報の一例である。
図10に示すように、補足情報は、利用者の対応顧客の顧客ID、利用者の担務、担当製品、及び過去の障害対応時の情報を含む。また、過去の障害対応時の情報は、過去の障害対応時の指令ID、マシンID、エラー番号及び対応内容を含む。
【0035】
図4に戻って、抽出部23は、抽出した補足情報から1つ又は複数の補足キーワードを抽出する(S36)。例えば、抽出部23は、補足情報における担務、担当製品、又は過去の対応内容を補足キーワードとしてもよい。もしくは、今回の検索が、出動要請に伴うものである場合、抽出部23は、今回の出動記録と同じ顧客ID及び同じエラー番号の過去の対応内容、又は今回の出動記録と同じ顧客ID及びマシンIDの過去の対応内容を補足キーワードとしてもよい。そして、抽出部23は、抽出した補足キーワードを検索部24へ送信する(S37)。なお、このとき、抽出部23は、補足キーワードと、補足情報とを検索部24に送信してもよい。
【0036】
図2に戻って、表示制御部25により、端末装置3の表示部33にキーワード入力画面が表示される(S4)。
図11は、実施の形態1に係る検索システム100におけるキーワード入力画面の一例である。キーワード入力画面は、検索キーワードの入力を促すメッセージと、検索キーワードを入力するための入力フィールド52と、を含む。利用者は、端末装置3の操作部34を操作して、入力フィールド52に目的の情報に関連するキーワードを入力する。
図11の例では、検索キーワードとして「DB」と、「マニュアル」が入力される。
【0037】
図2に戻って、入力フィールド52に入力された検索キーワードは、検索装置2の取得部22によって取得され、検索部24に送信される(S5)。そして、検索部24は、取得部22によって取得された検索キーワードと、抽出部23により抽出された補足キーワードとに基づいて、検索情報データベース14から条件に該当する情報を抽出する(S6)。
【0038】
検索部24における補足キーワードの利用について説明する。検索部24は、例えば補足キーワードに基づき、検索情報データベース14の情報を分類した上で、検索キーワードによる検索を行う。具体的には、検索部24は、補足キーワードとして抽出された利用者の担務(
図10の例の場合、「カスタマサポート」、「保守・障害対応」)に関連する情報を分類して抽出し、抽出した情報を対象に、検索キーワードによる検索を行う。
【0039】
もしくは、検索部24は、検索情報データベース14の全ての情報に対し、補足キーワードと、利用者が入力した検索キーワードとを用いて検索を行ってもよい。例えば、検索部24は、これらのキーワードに対してAND検索又はOR検索を行って、条件に該当する情報を抽出してもよい。
【0040】
図2に戻って、検索部24によって条件に該当する情報が抽出されると、表示制御部25により、端末装置3の表示部33に検索結果画面が表示される(S7)。
図12は、実施の形態1に係る検索システム100における検索結果画面の一例である。検索結果画面は、検索装置2の検索部24で抽出された複数の情報とそのリンクを含む。利用者は、検索結果画面のリンクを選択することで、必要な情報を入手することができる。
【0041】
以上のように、本実施の形態に係る検索システム100によると、利用者により入力された検索キーワードだけでなく、利用者IDに基づき抽出した利用者の業務に関連する補足キーワードを用いて検索が行われる。これにより、経験が少なく適切なキーワードが入力できない利用者でも、利用者の業務シーンに応じた検索を容易に行うことができる。
【0042】
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る検索システム100の動作を示すフローチャートである。実施の形態2では、検索装置2において抽出された補足キーワードを、利用者が選択したシーン情報を用いて絞り込む点において実施の形態1と相違する。本実施の形態における検索システム100の構成は、実施の形態1と同じである。
【0043】
図13に示すように、本実施の形態における検索システム100の動作のステップS101~S103は、実施の形態1におけるステップS1~S3と同じである。そして、抽出部23により、利用者IDに基づく補足情報及び補足キーワードが抽出されると、表示制御部25により、端末装置3の表示部33にシーン選択画面が表示される(S104)。
【0044】
図14は、実施の形態2に係る検索システム100におけるシーン選択画面の一例である。シーン選択画面は、シーンの選択を促すメッセージと、複数のシーンの選択ボタン53と、を含む。ここで表示される複数のシーンは、抽出部23によって抽出された補足情報に基づく利用者の組織又は業務に応じたシーンである。利用者は、端末装置3の操作部34を操作して、表示される複数のシーンから現在の業務シーンに相当するシーンの選択ボタン53を選択する。
【0045】
図13に戻って、利用者によりシーンが選択されると、選択されたシーン情報が検索装置2の取得部22によって取得され、抽出部23に送信される(S105)。そして、抽出部23において、選択されたシーンに基づいて補足キーワードの絞り込みが行われる(S106)。具体的には、例えばシーン情報が「保守」である場合、抽出部23は「保守」に関連しない補足キーワードを削除する。
【0046】
そして、表示制御部25により、端末装置3の表示部33にキーワード入力画面が表示される(S107)。
図15は、実施の形態2に係る検索システム100におけるキーワード入力画面の一例である。キーワード入力画面は、選択されたシーンを示す選択ボタン53と、検索キーワードの入力を促すメッセージと、検索キーワードを入力するための入力フィールド52と、を含む。利用者は、端末装置3の操作部34を操作して、入力フィールド52に目的の情報に関連するキーワードを入力する。以降のステップS108~S110の処理は、実施の形態1におけるステップS5~S7の処理と同じである。
【0047】
以上のように、本実施の形態に係る検索システム100においても、実施の形態1と同様に、利用者の経験によらず容易に検索を行うことができる。また、利用者によりシーンを選択して補足キーワードを絞り込むことで、補足キーワードの精度が向上し、検索の精度も向上する。
【0048】
実施の形態3.
図16は、実施の形態3に係る検索システム100Aの概略構成図である。実施の形態3では、利用者により入力された利用者ID及び検索関連情報に基づき、検索装置2において補足情報及び補足キーワードを抽出する点において実施の形態1と相違する。本実施の形態における検索システム100Aのその他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0049】
図16に示すように、本実施の形態の記憶装置1Aは、実施の形態1と同じ組織情報データベース11、業務情報データベース12、履歴情報データベース13、検索情報データベース14に加え、関連情報データベース15を記憶している。関連情報データベース15は、検索の際に補足情報として用いられる検索関連情報を記憶している。検索関連情報は、例えば顧客ごとの契約情報及び顧客製品ごとの設置情報等である。
【0050】
図17は、実施の形態3に係る検索システム100Aの動作を示すフローチャートである。本実施の形態における検索システム100Aの動作のステップS201~S202は、実施の形態1におけるステップS1~S2と同じである。そして、利用者IDが取得されると、表示制御部25により、端末装置3の表示部33に関連項目選択画面が表示される(S203)。
【0051】
図18は、実施の形態3に係る検索システム100Aにおける関連項目選択画面の一例である。関連項目選択画面は、検索に関連する項目の選択を促すメッセージと、複数の関連項目の選択ボタン54と、を含む。利用者は、端末装置3の操作部34を操作して、複数の関連項目から、検索に関連する項目の選択ボタン54を選択する。
【0052】
図17に戻って、利用者により関連項目が選択されると、選択された関連項目が検索装置2の取得部22によって取得され、抽出部23に送信される(S204)。そして、表示制御部25により、選択された関連項目に関する情報を入力するための関連情報入力画面が表示される(S205)。
【0053】
図19は、実施の形態3に係る検索システム100における関連情報入力画面の一例である。
図19では、関連項目として「顧客」が選択された場合であって、関連情報として「顧客ID」が入力される場合の例を示している。関連情報入力画面は、選択された関連項目を示す選択ボタン54と、関連情報(「顧客名」又は「顧客ID」)の入力を促すメッセージと、関連情報を入力するための入力フィールド55と、を含む。利用者は、端末装置3の操作部34を操作して、入力フィールド55に関連情報である「顧客名」又は「顧客ID」を入力する。
図19の例では、顧客IDとして「N100200」が入力される。
【0054】
図17に戻って、入力フィールド55に入力された関連情報(「顧客ID」)は、検索装置2の取得部22によって取得され、抽出部23に送信される(S206)。抽出部23は、取得部22によって取得された利用者ID及び顧客ID(関連情報)に基づいて、補足情報及び補足キーワードを抽出する(S207)。
【0055】
図20は、実施の形態3における補足キーワード抽出処理の流れを示すフローチャートである。本処理のステップS301~S305は、実施の形態1のステップS31~S35と同じである。そして、抽出部23は、記憶装置1Aの関連情報データベース15から、顧客IDに対応する契約情報を抽出する(S306)。
図21は、実施の形態3における契約情報の抽出を説明する図である。
図21に示すように、抽出部23は、契約情報として、入力された顧客ID「N100200」に対応する契約番号、製品番号、サポートソフトウェア及び満了日を抽出する。
【0056】
図20に戻って、抽出部23は、記憶装置1の関連情報データベース15から、顧客ID又は抽出した契約情報に対応する設置情報を抽出する(S307)。
図22は、実施の形態3における設置情報の抽出を説明する図である。
図22に示すように、抽出部23は、設置情報として抽出した契約番号「CT1804001」又は顧客ID「N100200」に対応するマシンID、OS、ミドルウェア、ディスク及び日付を抽出する。
【0057】
ステップS301~S307において、記憶装置1の組織情報データベース11、業務情報データベース12、履歴情報データベース13、及び関連情報データベース15から抽出された情報が、利用者の業務に関連する補足情報となる。
【0058】
図20に戻って、抽出部23は、抽出した補足情報から補足キーワードを抽出する(S308)。本実施の形態では、例えば設置情報として抽出した「SQLServer2018」等を補足キーワードとして抽出する。そして、抽出部23は、抽出した補足キーワードを検索部24へ送信する(S309)。
【0059】
図17の以降のステップS208~S211の処理は、実施の形態1におけるステップS4~S7の処理と同じである。
【0060】
以上のように、本実施の形態に係る検索システム100Aにおいても、実施の形態1と同様に、利用者の経験によらず容易に検索を行うことができる。また、利用者により入力された検索に関連する関連情報を用いて補足キーワードを抽出することで、補足キーワードの精度が向上し、検索の精度も向上する。
【0061】
実施の形態4.
図23は、実施の形態4に係る検索システム100Bの概略構成図である。実施の形態4では、検索装置2Aが検索キーワード又は補足キーワードの同義語を用いて検索を行う点において実施の形態1と相違する。検索システム100Bにおけるその他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0062】
図23に示すように、本実施の形態の検索装置2Aは、実施の形態1と同じ通信部21、取得部22、抽出部23、検索部24、及び表示制御部25に加え、記憶部26を備える。記憶部26は、RAM、ROM、HDD又はSSDなどのメモリである。記憶部26は、部門、組織、又は業務により分類された複数の同義語辞書261を記憶している。
【0063】
また、検索装置2Aは、ネットワーク200を介して、外部のシソーラスデータベース6と通信可能に接続されている。外部のシソーラスデータベース6は、クラウド上に保存された業界別、市場別、年齢別のシソーラス、又はAGRVOCなどの構造的シソーラスである。
【0064】
本実施の形態の検索装置2Aの検索部24は、検索を行う際に、検索キーワード、及び検索キーワードの同義語を用いて検索を行う。このとき、検索部24は、補足情報に対応する同義語辞書261又はシソーラスデータベース6を選択し、検索キーワードの同義語を抽出する。そして、検索部24は、検索キーワードと、抽出した同義語とをOR検索して、条件に該当する情報を抽出する。なお、検索装置2Aは、検索の都度、シソーラスデータベース6と通信を行って同義語を取得してもよいし、定期的にバッチ処理でシソーラスデータベース6の情報を取得して、同義語辞書261として記憶部26に記憶してもよい。
【0065】
図24は、実施の形態4における同義語辞書261の一例であり、
図25は、実施の形態4における同義語辞書261の別の例である。
図24は、事業部に対応する同義語辞書261を示し、
図25は、担務に対応する同義語辞書261を示す。検索部24は、例えば、補足情報に含まれる事業部(例えば「カスタマサポート」)に対応する同義語辞書261を記憶部26から抽出する。そして、例えば検索キーワードとして「DB」、「マニュアル」が入力された場合、検索部24は、
図24に示すように、同義語辞書261から、検索キーワードと同義の異表記(「データベース」、「手順書」など)を抽出し、検索に用いる。
【0066】
また、検索部24は、補足情報に含まれる担務(例えば「保守・障害」)に対応する同義語辞書261を記憶部26から抽出してもよい。そして、検索部24は、
図25に示すように、同義語辞書261から、検索キーワードと同義の異表記(「障害解析手順書」など)を抽出し、検索に用いる。
【0067】
また、検索部24は、事業部に対応する同義語辞書261と、担務に対応する同義語辞書261との両方から同義語を抽出してもよい。もしくは、検索部24は、外部のシソーラスデータベース6から業界別の同義語を抽出してもよい。さらに、検索部24は、補足キーワードの同義語を同義語辞書261又はシソーラスデータベース6から抽出して、検索に用いてもよい。また、何れの同義語辞書261を用いるかを利用者が選択してもよい。
【0068】
以上のように、本実施の形態に係る検索システム100Bにおいても、実施の形態1と同様に、利用者の経験によらず容易に検索を行うことができる。また、補足情報に基づき抽出した同義語を含めて検索を行うことより、検索精度が向上する。
【0069】
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、上記の実施の形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形又は組み合わせが可能である。例えば、実施の形態1~4の全て又は何れかを任意に組み合わせることができる。具体例として、実施の形態1~3における検索キーワードを用いた検索と、実施の形態4における同義語を用いた検索とを利用者が選択的に実施できるようにしてもよい。
【0070】
図26は、変形例に係る検索システム100におけるキーワード入力画面の一例である。本変形例において、利用者は、検索キーワードでの検索を行う場合、入力フィールド56に検索キーワードを入力し、検索ボタン57を選択する。一方、検索キーワードの同義語を用いて検索を行う場合、利用者は、入力フィールド58に検索キーワードを入力し、あいまい検索ボタン59を選択する。また、このとき、辞書選択ボタン60を操作し、同義語辞書を選択してもよい。
【0071】
検索装置2の検索部24は、利用者によって検索ボタン57が選択された場合は、入力された検索キーワードと補足キーワードとを用いて検索を行う。また、検索部24は、利用者によってあいまい検索ボタン59が選択された場合は、検索キーワード及び補足キーワードに加えて、これらの同義語を用いて検索を行う。また、辞書選択ボタン60で同義語辞書が選択された場合は、選択された同義語辞書を用いて同義語を抽出する。
【0072】
また、上記実施の形態では、検索システム100は、個別の記憶装置1と、検索装置2と、端末装置3とからなる構成としたが、検索システム100の構成はこれに限定されるものではない。記憶装置1、検索装置2、及び端末装置3の各機能の全て又は一部は、他の装置に設けられてもよい。例えば、検索装置2又は端末装置3が記憶装置1に記憶される情報の一部又は全てを記憶してもよいし、検索装置2が端末装置3の表示部33及び操作部34を備えてもよい。もしくは、記憶装置1は、個別に設けられた複数の記憶装置からなるものでもよいし、検索装置2の機能の一部が、別の装置に設けられてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、検索装置2の抽出部23で抽出された補足情報及び補足キーワードを検索部24で用いる構成としたが、抽出部23で抽出された補足情報及び補足キーワードを用いるか否かを利用者に選択させてもよい。この場合、抽出部23で補足情報及び補足キーワードが抽出されると、表示制御部25は、端末装置3の表示部33に選択画面を表示する。利用者は、操作部34を操作して、検索の目的にあった補足情報及び補足キーワードを選択する。利用者による選択結果は取得部22により取得され、抽出部23に送信される。抽出部23は、利用者の選択結果に基づいて、補足情報及び補足キーワードを絞り込む。これにより、補足情報及び補足キーワードの精度が向上し、より利用者の目的に沿った検索を行うことができる。もしくは、検索装置2は、抽出部23で抽出された補足情報及び補足キーワードを、検索キーワードのレコメンド(ヒント)として、端末装置3の表示部33に表示させてもよい。
【0074】
また、検索装置2による情報の検索先は、記憶装置1の検索情報データベース14に限定されるものではなく、ネットワーク200を介して接続される外部装置における情報を検索し、条件に該当する情報として抽出してもよい。これにより、外部の最新の情報にもアクセス可能となり、社内ではまだ未該当だが世の中で発生している障害情報等も検索して表示することができる。
【0075】
また、利用者による利用者IDの入力は必須ではなく、顧客IDの入力のみが行われてもよい。この場合、抽出部23は、顧客IDに基づいて補足情報及び補足キーワードを抽出する。さらに、顧客ID以外にも、利用者が利用者の業務に関連する識別情報を入力し、当該識別情報に基づいて補足情報及び補足キーワードが抽出される構成としてもよい。
【0076】
また、検索システム100が自治体業務で用いられる場合は、関係省庁の情報又は近隣の自治体の情報、そこから生成した同義語辞書などを用いて検索を行ってもよい。もしくは、検索システム100がコールセンター業務で用いられる場合は、同一市場又は同一業種での対応マニュアル又は過去の対応履歴、そこから生成した同義語辞書などを用いて検索を行ってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1、1A 記憶装置、2、2A 検索装置、3 端末装置、6 シソーラスデータベース、11 組織情報データベース、12 業務情報データベース、13 履歴情報データベース、14 検索情報データベース、15 関連情報データベース、21 通信部、22 取得部、23 抽出部、24 検索部、25 表示制御部、26 記憶部、31 通信部、32 制御部、33 表示部、34 操作部、51、52、55、56、58 入力フィールド、53、54 選択ボタン、57 検索ボタン、59 あいまい検索ボタン、60 辞書選択ボタン、100、100A、100B 検索システム、200 ネットワーク、261 同義語辞書。