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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032231
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】繰出容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A45D40/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135787
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】391048500
【氏名又は名称】大扇産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】合田 昭男
(57)【要約】
【課題】粘性塗布物質を使い切った後も、繰出容器そのものを全部廃棄することなく、繰出容器の一部をプラスチックごみとして分別し廃棄することにより粘性塗布物質を取り替えることができる繰出容器を提供する。
【解決手段】キャップ1と、外筒2と、内筒3と、受皿4と、ネジ筒5とから構成されている。キャップ1は、天面11を有する円筒体とし、下端を外筒2の上端に着脱自在としている。外筒2は、円筒体とし、内周壁の下部にネジ筒5の下部を嵌脱自在としている。内筒3は、外筒2に挿脱自在とした円筒体とし、下部に螺合部16を形成している。受皿4は、底面17を有する受体とし、粘性塗布物質Mを装填可能とすると共に、内筒3に挿脱自在とし、下部にネジ筒5に挿脱自在とした挿入部18が形成されている。ネジ筒5は、外周壁全面にネジ溝19が形成されると共に、ネジ溝19に内筒3の螺合部16が螺合して、内筒3が上下動するようにしている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップと、外筒と、内筒と、受皿と、ネジ筒とから構成され、
前記キャップは、天面を有する円筒体としており、下端を前記外筒の上端に着脱自在としており、
前記外筒は、円筒体としており、内周壁の下部に前記ネジ筒の下部を嵌脱自在としており、
前記内筒は、前記外筒に挿脱自在とした円筒体としており、下部に螺合部を形成しており、
前記受皿は、底面を有する受体としており、粘性塗布物質を装填可能とすると共に、前記内筒に挿脱自在とし、下部に前記ネジ筒に挿脱自在とした挿入部が形成されており、
前記ネジ筒は、外周壁全面にネジ溝が形成されると共に、このネジ溝に前記内筒の螺合部が螺合して、この内筒が上下動するようにしたことを特徴とする繰出容器。
【請求項2】
前記内筒に前記受皿を挿入すると共に、この内筒の螺合部を前記ネジ筒のネジ溝の上部に螺合させた状態で、この内筒の上方から受皿に粘性塗布物質を内筒の上端まで装填し、
前記粘性塗布物質を装填した内筒を、前記外筒に挿入すると共に、この外筒の下部に前記ネジ筒の下部を嵌脱自在として嵌め込み、
前記外筒の上端に前記キャップの下端を装着したことを特徴とする請求項1に記載の繰出容器。
【請求項3】
前記内筒に前記受皿を挿入した状態で、この内筒の上方から受皿に粘性塗布物質を内筒の上端まで装填し、前記内筒の螺合部を前記ネジ筒のネジ溝の上部に螺合させ、
前記粘性塗布物質を装填した内筒を、前記外筒に挿入すると共に、この外筒の下部に前記ネジ筒の下部を嵌脱自在として嵌め込み、
前記外筒の上端に前記キャップの下端を装着したことを特徴とする請求項1に記載の繰出容器。
【請求項4】
内筒に受皿を挿入すると共に、前記内筒の螺合部を前記ネジ筒のネジ溝の上部に螺合させた状態で、この内筒の上方から受皿に内筒の上端まで装填した粘性塗布物質を、取り替え用としたことを特徴とする請求項2に記載の繰出容器。
【請求項5】
前記内筒の上端に、着脱自在とした閉鎖キャップを取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の繰出容器。
【請求項6】
内筒に受皿を挿入した状態で、この内筒の上方から受皿に内筒の上端まで装填した粘性塗布物質を、取り替え用としたことを特徴とする請求項3に記載の繰出容器。
【請求項7】
前記内筒の上端および下端にそれぞれ、着脱自在とした閉鎖キャップを取り付けたことを特徴とする請求項6に記載の繰出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップクリームや口紅、糊などの粘性塗布物質を繰り出すようにした繰出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の繰出容器としては、例えば図13に示したように、ネジ溝21が周壁に設けられたネジ筒22が一体的に底面中央に起立された外筒23と、ネジ筒22の上端部に係止固定され、粘性塗布物質Mを収納した受皿24と、ネジ筒22のネジ溝21に螺合するネジ山25を内周壁全面に設けられた螺合壁26を底面に有し、外筒23と受皿24との間に介在され、外筒23の内面に沿って上下動する内筒27と、外筒23に被せられるキャップ28とから構成されたものが存在する(特許文献1)。
【0003】
前記繰出容器は、外筒23の内部に内筒27を挿入し、ネジ筒22のネジ溝21に螺合壁26のネジ山25を螺合し、受皿24の下部係止片29をネジ筒22の穴30に強制挿入して係止し、受皿24を外筒23に固定することにより組立てられる。
【0004】
そして、前記繰出容器は、図14に示したように、外筒23からキャップ28を外し、内筒27の外壁を指先で押さえて回転することによって、螺合壁26がネジ筒22に沿って上下動し、内筒27を上下動させ、受皿24に収納した粘性塗布物質Mを露出させて使用することができる。
【0005】
以上のように構成された繰出容器は、内筒27を指先で持って回転するのみで外筒23に沿って上下動させ、容器内部に収納された粘性塗布物質Mを適宜露出させて使用することができるので便利であるとしている。
【0006】
さらに、前記繰出容器は、ネジ筒22が外筒23と一体的に設けられているので安定しており、内筒27の螺合壁26がネジ筒22のネジ山25と全面的に螺合されながら上下動するので故障が少ないという効果を有するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭50ー35905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載された繰出容器では、ネジ筒22が外筒23と一体的に設けられているので、このネジ筒22を取り外すことができず、さらに粘性塗布物質Mを収納した受皿24の下部係止片29をネジ筒22の穴30に強制挿入して係止しているので、このネジ筒22から粘性塗布物質Mを収納した受皿24を取り外すことができない。そのため、粘性塗布物質Mを使い切った後は、この粘性塗布物質Mを取り替えることができず、繰出容器そのものを廃棄しなければならず、環境問題への対策がまったくなされていないという課題を有していた。
【0009】
そこで、本発明は、従来の課題を解決するものであり、ネジ筒と外筒を別体とし、このネジ筒を外筒から取り外すことができ、さらにこのネジ筒から粘性塗布物質を収納した受皿を取り外すことができるようにして、粘性塗布物質を使い切った後も、繰出容器そのものを全部廃棄することなく、繰出容器の一部をプラスチックごみとして分別し廃棄することにより粘性塗布物質を取り替えることができるようにして、少なからずとも環境問題に貢献することができる繰出容器を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の繰出容器は、キャップ1と、外筒2と、内筒3と、受皿4と、ネジ筒5とから構成されている。前記キャップ1は、天面11を有する円筒体としており、下端を前記外筒2の上端に着脱自在としている。前記外筒2は、円筒体としており、内周壁の下部に前記ネジ筒5の下部を嵌脱自在としている。前記内筒3は、前記外筒2に挿脱自在とした円筒体としており、下部に螺合部16を形成している。前記受皿4は、底面17を有する受体としており、粘性塗布物質Mを装填可能とすると共に、前記内筒3に挿脱自在とし、下部に前記ネジ筒5に挿脱自在とした挿入部18が形成されている。前記ネジ筒5は、外周壁全面にネジ溝19が形成されると共に、このネジ溝19に前記内筒3の螺合部16が螺合して、この内筒3が上下動するようにしている。
【0011】
さらに、本発明の繰出容器は、前記内筒3に前記受皿4を挿入すると共に、この内筒3の螺合部16を前記ネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させた状態で、この内筒3の上方から受皿4に粘性塗布物質Mを内筒3の上端まで装填する。次に、前記粘性塗布物質Mを装填した内筒3を、前記外筒2に挿入すると共に、この外筒2の下部に前記ネジ筒5の下部を嵌脱自在として嵌め込む。さらに、前記外筒2の上端に前記キャップ1の下端を装着している。
【0012】
また、本発明の繰出容器は、前記内筒3に前記受皿4を挿入した状態で、この内筒3の上方から受皿4に粘性塗布物質Mを内筒3の上端まで装填する。次に、前記内筒3の螺合部16を前記ネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させる。さらに、前記粘性塗布物質Mを装填した内筒3を、前記外筒2に挿入すると共に、この外筒2の下部に前記ネジ筒5の下部を嵌脱自在として嵌め込む。最後に、前記外筒2の上端に前記キャップ1の下端を装着している。
【0013】
そして、本発明の繰出容器において、内筒3に受皿4を挿入すると共に、前記内筒3の螺合部16を前記ネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させた状態で、この内筒3の上方から受皿4に内筒3の上端まで装填した粘性塗布物質Mを、取り替え用としている。
【0014】
さらに、本発明の繰出容器において、前記内筒3の上端に、着脱自在とした閉鎖キャップ6を取り付けている。
【0015】
また、本発明の繰出容器において、内筒3に受皿4を挿入した状態で、この内筒3の上方から受皿4に内筒3の上端まで装填した粘性塗布物質Mを、取り替え用としている。
【0016】
さらに、本発明の繰出容器において、前記内筒3の上端および下端にそれぞれ、着脱自在とした閉鎖キャップ6を取り付けている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の繰出容器は、粘性塗布物質を使い切った後も、繰出容器そのものを全部廃棄することなく、繰出容器の一部をプラスチックごみとして分別し廃棄することにより粘性塗布物質を取り替えることができるので、少なからずとも環境問題に貢献することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の繰出容器の一実施形態を示す外観斜視図である。
図2図1に示す本発明の繰出容器の分解斜視図である(粘性塗布物質を除く)。
図3図1に示す本発明の繰出容器の断面図である。
図4図1に示す本発明の繰出容器の分解断面図である(粘性塗布物質を除く)。
図5】本発明の繰出容器から粘性塗布物質を繰出した状態を示す斜視図である。
図6図5に示す本発明の繰出容器の断面図である。
図7】本発明の繰出容器の取り替え用とした部分の一形態を示す斜視図である。
図8図7に示す本発明の繰出容器の取り替え用とした部分の分解斜視図である(粘性塗布物質を除く)。
図9図7に示す本発明の繰出容器の取り替え用とした部分の断面図である。
図10】本発明の繰出容器の取り替え用とした部分の他の形態を示す斜視図である。
図11図10に示す本発明の繰出容器の取り替え用とした部分の分解斜視図である(粘性塗布物質を除く)。
図12図10に示す本発明の繰出容器の詰替え用とした部分の断面図である。
図13】従来の繰出容器の一例を示す断面図である。
図14図13に示す従来の繰出容器の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の繰出容器を実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
本発明の繰出容器は、図1~4に示したように、キャップ1と、外筒2と、内筒3と、受皿4と、ネジ筒5とから構成された合成樹脂成形品としている。
【0021】
前記キャップ1は、天面11を有する円筒体としており、下端の内周壁に係合リブ12を形成して、この係合リブ12を後に述べる外筒2の上端の外周壁の周溝13に形成した係合突起13aに係脱させ、その下端を前記外筒2の上端に着脱自在としている。
【0022】
前記外筒2は、前記キャップ1と同径とした円筒体としており、上端の外周壁に前記周溝13を形成しており、この周溝13を前記キャップ1の下端に挿入することにより、前記キャップ1を外筒2に装着したときに、このキャップ1と外筒2の境目が面一になるようにしている。また、前記外筒2は、内周壁の下部に前記ネジ筒5との嵌脱凹部14を形成しており、この嵌脱凹部14に後に述べるネジ筒5の下部に形成した嵌脱凸部20を嵌脱自在として嵌め込んでいる。
【0023】
前記内筒3は、前記外筒2より小径とした円筒体としており、この外筒2に挿脱自在としており、下部の内周壁に後に述べる受皿4の底面17を支持する支持段部15を形成すると共に、その下方に後に述べるネジ筒5のネジ溝19との螺合部16を形成している。この螺合部16は、ネジ筒5のネジ溝19に沿って上下動するようにした突起としている。
【0024】
前記受皿4は、底面17を有する受体としており、この底面17を前記内筒3の支持段部15に支持されるようにしており、内部に粘性塗布物質Mを装填可能とすると共に、前記内筒3の内部に挿脱自在とし、下部に前記ネジ筒5の内部に挿脱自在とした挿入部18が形成されている。
【0025】
前記ネジ筒5は、前記内筒3より小径とした円筒体としており、外周壁全面に前記ネジ溝19が形成されると共に、このネジ溝19に前記内筒3の螺合部16が螺合して、この内筒3が上下動するようにしており、さらに下部に前記外筒2の嵌脱凹部14との嵌脱凸部20が形成されている。なお、前記ネジ溝19には、上部に内筒3の螺合部16と遊嵌合する凹部19aが形成されている。この凹部19aは、前記螺合部16をネジ溝19の上部に螺合させたとき、この螺合部16が遊嵌合して、自由に移動しないようにし、勝手にねじ込まれたり、外れたりしないようにするためのものである。
【0026】
そして、本発明の繰出容器は、以下のような手順で組み立てられるものとしている。
【0027】
先ず、第一の組立て手順としては、前記内筒3に前記受皿4を挿入すると共に、この内筒3の螺合部16を前記ネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させた状態で、この内筒3の上方から受皿4に粘性塗布物質Mを内筒3の上端まで装填する。
【0028】
次に、前記粘性塗布物質Mを装填した内筒3を、前記外筒2に挿入すると共に、この外筒2の下部の嵌脱凹部14に前記ネジ筒5の下部の嵌脱凸部15を嵌脱自在として嵌め込む。
【0029】
さらに、前記外筒2の上端の周溝13を前記キャップ1の下端の周溝12に嵌め込み、この外筒2の上端に前記キャップ1の下端を装着すればよい。
【0030】
また、第二の組立て手順としては、前記内筒3に前記受皿4を挿入した状態で、この内筒3の上方から受皿4に粘性塗布物質Mを内筒3の上端まで装填する。
【0031】
次に、前記内筒3の螺合部16を前記ネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させる。
【0032】
さらに、前記粘性塗布物質Mを装填した内筒3を、前記外筒2に挿入すると共に、この外筒2の下部の嵌脱凹部14に前記ネジ筒5の下部の嵌脱凸部15を嵌脱自在として嵌め込む。
【0033】
最後に、前記外筒2の上端の周溝13を前記キャップ1の下端の周溝12に嵌め込み、この外筒2の上端に前記キャップ1の下端を装着すればよい。
【0034】
本発明の繰出容器は、以上に述べたように構成されているので、次のようにして使用される。
【0035】
先ず、図1に示した状態の本発明の繰出容器の外筒2を手に持ち、キャップ1に指をかけてこのキャップ1を外筒2から外す。
【0036】
次に、内筒3を指先で摘んで回転させ、この内筒3の螺合部16をネジ筒5のネジ溝19に沿って下降させると、内筒3自体も下降する。この内筒3の下降によって受皿4に装填した粘性塗布物質Mが、図5、6に示したように、内筒3の上端から露出することになり、この状態で使用することができる。
【0037】
そして、本発明の繰出容器は、前記受皿4に装填した粘性塗布物質Mを使い切ると、この粘性塗布物質Mを、以下のような手順によって取り替えることができる。
【0038】
先ず、第一の取り替え手順としては、外筒2を手に持ち、内筒3の上端を下方に押し付けると、外筒2の下部の嵌脱凹部14からネジ筒5の下部の嵌脱凸部15が外れる。すると、外筒2から内筒3を受皿4とネジ筒5ごと外すことができるので、これら内筒3、受皿4およびネジ筒5をプラスチックごみとして分別し廃棄する。
【0039】
そこで、図7~9に示したような、内筒3に受皿4を挿入すると共に、内筒3の螺合部16をネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させた状態で、この内筒3の上方から受皿4に内筒3の上端まで装填した粘性塗布物質Mを、取り替え用として用意する。
【0040】
前記取り替え用として用意した粘性塗布物質Mを受皿4に装填した内筒3を手に持ち、この内筒3を前記外筒2の下方からこの外筒2に挿入し、外筒2の嵌脱凹部14に前記ネジ筒5の嵌脱凸部15を嵌め込む。さらに、前記外筒2をキャップ1に挿入すれば、粘性塗布物質Mを取り替えることができ、図1に示した元の状態となる。
【0041】
なお、前記取り替え用として用意した粘性塗布物質Mは、この粘性塗布物質Mが汚れたり、乾燥したりしないように、前記内筒3の上端には、着脱自在とした閉鎖キャップ6を取り付けて保管しておく。そして、この粘性塗布物質Mを取り替えるときには、前記内筒3の上端の閉鎖キャップ6を外すようにしている。
【0042】
また、第二の取り替え手順としては、外筒2を手に持ち、内筒3を逆ねじ方向に回転させると、内筒3の下部の螺合部16とネジ筒5のネジ溝19の上部との螺合が外れる。すると、ネジ筒5から内筒3を受皿4ごと外すことができるので、これら内筒3および受皿4を廃棄する。
【0043】
そこで、図10~12に示したような、内筒3に受皿4を挿入した状態で、この内筒3の上方から受皿4に内筒3の上端まで装填した粘性塗布物質Mを、取り替え用として用意する。
【0044】
前記取り替え用として用意した粘性塗布物質Mを受皿4に装填した内筒3を手に持ち、この内筒3の螺合部16をネジ筒5のネジ溝19の上部に螺合させ、さらに外筒2をキャップ1に挿入すれば、粘性塗布物質Mを取り替えることができ、図1に示した元の状態となる。
【0045】
なお、前記取り替え用として用意した粘性塗布物質Mも、前記内筒3の上端には、この粘性塗布物質Mが汚れたり、乾燥したりしないように、着脱自在とした閉鎖キャップ6を取り付けておき、前記内筒3の下端には、受皿4の挿入部18が押し戻されたりしないように、着脱自在とした閉鎖キャップ6を取り付けて保管しておく。そして、この粘性塗布物質Mを取り替えるときには、前記内筒3の上端および下端の閉鎖キャップ6をそれぞれ外すようにしている。
【0046】
本発明の繰出容器は、以上に述べたように構成されているので、粘性塗布物質Mを使い切った後も、繰出容器そのものを全部廃棄することなく、内筒3、受皿4およびネジ筒5を廃棄するか、または内筒3および受皿4を廃棄することにより粘性塗布物質Mを取り替えることができるので、少なからずとも環境問題に貢献することができるものとなった。
【符号の説明】
【0047】
1 キャップ
2 外筒
3 内筒
4 受皿
5 ネジ筒
6 閉鎖キャップ
11 天面
16 螺合部
17 底面
18 挿入部
19 ネジ溝
M 粘性塗布物質
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14