(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032260
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】生産財機械の保全のための作業手順作成システム、作業手順作成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240305BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20240305BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20240305BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q10/06
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135828
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】宗 陽一郎
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA16
3C100AA22
3C100AA38
3C100AA62
3C100AA63
3C100BB13
3C100BB17
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】生産財機械の保全作業のための作業手順を、業務経験が少ない作成者でも容易に作成可能にする。
【解決手段】生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得する取得部と、複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、各作業予定日に実施する作業項目が各作業予定日の作業時間内に収まるように決定する決定部と、を備える、生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得する取得部と、
前記複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、当該複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、当該各作業予定日に実施する作業項目が当該各作業予定日の作業時間内に収まるように決定する決定部と、
を備える、生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記複数の作業項目のうちの少なくとも2つの作業項目が予め定められた先後関係で実施されるという条件である、請求項1に記載の生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記複数の作業項目のうちの少なくとも2つの作業項目が併せて実施されるという条件である、請求項1に記載の生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項4】
前記取得部は、未完了の前記複数の作業項目を取得する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項5】
前記決定部は、前記各作業予定日に実施する作業項目を、作業中の作業項目の残り作業時間に基づいて決定する、請求項4に記載の生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項6】
前記決定部は、前記各作業予定日に実施する作業項目を、各作業項目を実施するのに要する作業所要時間に基づいて決定する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項7】
前記決定部は、作業者の経験度に応じて、前記作業所要時間を変更する、請求項6に記載の生産財機械の保全のための作業手順作成システム。
【請求項8】
コンピュータの取得部が、生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得するステップと、
コンピュータの決定部が、前記複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、当該複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、当該各作業予定日に実施する作業項目が当該各作業予定日の作業時間内に収まるように決定するステップと、
を含む、生産財機械の保全のための作業手順作成方法。
【請求項9】
コンピュータに、
生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得する機能と、
前記複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、当該複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、当該各作業予定日に実施する作業項目が当該各作業予定日の作業時間内に収まるように決定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産財機械の保全のための作業手順作成システム、作業手順作成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、営業対象の顧客情報に基づく支援情報を情報受給者に提供する建設機械の営業支援システムであって、サーバが、営業パソコンを介し入力された顧客に関する検索条件に基づいて、営業パソコンに、データベースに予め記憶された顧客情報から検索条件に合致したものを抽出して表示する抽出表示信号を出力し、営業パソコンを介し入力された、図象化表示に用いる少なくとも2つの評価項目の組み合わせに基づいて、抽出した顧客情報を分析評価し情報受給者側の情報端末に表示する評価表示信号を出力する営業支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産財機械の保全作業のための作業手順を、業務経験が少ない作成者が作成するのは、困難であった。
【0005】
本発明の目的は、生産財機械の保全作業のための作業手順を、業務経験が少ない作成者でも容易に作成可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得する取得部と、複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、各作業予定日に実施する作業項目が各作業予定日の作業時間内に収まるように決定する決定部と、を備える、生産財機械の保全のための作業手順作成システムを提供する。
所定の条件は、複数の作業項目のうちの少なくとも2つの作業項目が予め定められた先後関係で実施されるという条件であってよい。
所定の条件は、複数の作業項目のうちの少なくとも2つの作業項目が併せて実施されるという条件であってもよい。
取得部は、未完了の複数の作業項目を取得する、ものであってよい。その場合、決定部は、各作業予定日に実施する作業項目を、作業中の作業項目の残り作業時間に基づいて決定する、ものであってよい。
決定部は、各作業予定日に実施する作業項目を、各作業項目を実施するのに要する作業所要時間に基づいて決定する、ものであってよい。その場合、決定部は、作業者の経験度に応じて、作業所要時間を変更する、ものであってよい。
【0007】
また、本発明は、コンピュータの取得部が、生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得するステップと、コンピュータの決定部が、複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、各作業予定日に実施する作業項目が各作業予定日の作業時間内に収まるように決定するステップと、を含む、生産財機械の保全のための作業手順作成方法も提供する。
【0008】
更に、本発明は、コンピュータに、生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目を取得する機能と、複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たし、かつ、各作業予定日に実施する作業項目が各作業予定日の作業時間内に収まるように決定する機能と、を実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生産財機械の保全作業のための作業手順を、業務経験が少ない作成者でも容易に作成可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態における工程表作成システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本実施の形態における工程表作成装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図3】本実施の形態における工程表作成装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図4】オーバーホール工事計画の策定に関するデータの構造例を示す図である。
【
図5】工程表の作成に関するデータの構造例を示す図である。
【
図6】本実施の形態におけるデータベースの構成例を示したブロック図である。
【
図7】工事計画管理DBの構成例を示した図である。
【
図8】業務項目管理DBの構成例を示した図である。
【
図10】作業計画管理DBの構成例を示した図である。
【
図11】作業実績管理DBの構成例を示した図である。
【
図12】作業予定日管理DBの構成例を示した図である。
【
図13】作業者管理DBの構成例を示した図である。
【
図14】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図15】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図16】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図17】本実施の形態における第1の工程表作成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図18】
図17のステップ604の整列化処理の流れを示したフローチャートである。
【
図19A】
図17のステップ605の第1の振り分け処理の流れを示したフローチャートである。
【
図19B】
図17のステップ605の第1の振り分け処理の流れを示したフローチャートである。
【
図20】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図21】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図22】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図23】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図24】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図25】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図26】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図27】本実施の形態における第2の工程表作成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図28】
図27のステップ704の未完了項目抽出処理の流れを示したフローチャートである。
【
図29】本実施の形態における第3の工程表作成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図30A】
図29のステップ806の第2の振り分け処理の流れを示したフローチャートである。
【
図30B】
図29のステップ806の第2の振り分け処理の流れを示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[本実施の形態の背景]
例えば、メーカ等の生産活動におけるエネルギー動力源としてのプロセスガス圧縮機や化学プラント等の製造装置又は生産装置といった、一般に、非汎用で一品一様な、それ故、高額な産業用の機械製品がある。本実施の形態で対象とする生産財機械等の保全業務とは、このような機械製品の性能を長期間維持するため、定期的にプラントを停止し、その機械製品を分解又は解体して機能を点検したり、機能を復旧させるために補修工事を行ったりすることである。
【0013】
このような保全業務は、計画的に実施する必要があり、そのためには作業手順を作成しておく必要がある。しかしながら、作業手順作成業務では、プラントを構成する生産財機械群の、機能仕様的知識や、保全計画、保全業務、作業遂行に関する経験的ノウハウが求められる。従って、一定実務経験年数を経たベテラン作成者しか、作業手順作成業務を遂行し難い、といった課題がある。
【0014】
以下、このような保全業務をオーバーホール工事として、本実施の形態について説明する。また、作業手順は如何なる形式のものであってもよいが、作業工程表(以下、単に「工程表」という)を例にとって説明する。
【0015】
[工程表作成システムの構成]
図1は、本実施の形態における工程表作成システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、工程表作成システム1は、工程表作成装置100と、データベース200と、端末装置300とを備えている。工程表作成装置100及び端末装置300は、インターネット(ワイドエリアネットワーク)等の通信ネットワークに接続されており、相互にデータ通信が可能である。
【0016】
工程表作成装置100は、例えばサーバ型コンピュータ等のコンピュータである。端末装置300は、例えばラップトップ型コンピュータ又はデスクトップ型コンピュータ等のコンピュータである。端末装置300は、オーバーホール工事の工程表を作成する作成者又はオーバーホール工事の作業を実施する作業者によって使用される。端末装置300の数は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
【0017】
工程表作成装置100は、データベース200にアクセス可能である。データベース200は、工程表作成装置100の内部に設けられてもよいし、工程表作成装置100の外部に設けられ、通信ネットワークを通じてアクセスされてもよい。
【0018】
工程表作成装置100は、例えばHTTPデーモンを起動しており、端末装置300からブラウザを介して送信された処理要求(HTTPリクエスト)を受け付けると、処理要求に応じた処理結果(HTTPレスポンス)を端末装置300に返答する。
【0019】
例えば、工程表作成装置100は、ウェブページ記述言語で記述されたページデータを処理結果として端末装置300に送信し、端末装置300は、工程表作成装置100から受信したページデータを表すページ画像を自装置の表示部に出力する。
【0020】
[工程表作成装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における工程表作成装置100のハードウェア構成例を示した図である。
【0021】
図示するように、工程表作成装置100は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU11と、記憶手段であるメインメモリ12及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、CPU11は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、工程表作成装置100の各機能を実現する。また、メインメモリ12は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。そして、HDD13は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
【0022】
また、工程表作成装置100は、外部との通信を行うための通信I/F14と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ17とを備える。尚、
図2は、工程表作成装置100をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、工程表作成装置100は図示の構成に限定されない。
【0023】
[工程表作成装置の構成]
図3は、本実施の形態における工程表作成装置100の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、工程表作成装置100は、受信部101と、工事情報取得部102と、工程表作成部103と、画面作成部104と、送信部105とを備える。
【0024】
受信部101は、端末装置300に表示された画面上で入力された情報を受信する。
【0025】
工事情報取得部102は、受信部101が受信した情報に基づいて、データベース200に記憶されたオーバーホール工事に関する工事情報を取得する。
具体的には、工事情報取得部102は、工事情報として、オーバーホール工事計画の情報を取得する。
また、工事情報取得部102は、工事情報として、オーバーホール工事計画の情報に関連付けられた複数の業務項目及び各業務項目を構成する複数の小項目の情報を取得する。複数の業務項目又は複数の小項目は、生産財機械の保全作業を構成する複数の作業項目の一例であり、工事情報取得部102は、複数の作業項目を取得する取得部の一例である。
その際、工事情報取得部102は、複数の業務項目又は複数の小項目の情報から、作業未完了の項目の情報を抽出することもある。その場合、工事情報取得部102は、未完了の複数の作業項目を取得する取得部の一例である。
【0026】
工程表作成部103は、受信部101が受信した情報と、データベース200に記憶された作業予定日の情報と、工事情報取得部102が取得した情報とに基づいて、オーバーホール工事の工程表を作成し、その工程表の情報を画面作成部104に出力する。
具体的には、工程表作成部103は、工事情報取得部102が取得した複数の業務項目又は複数の小項目を、その実施順序が所定の条件を満たすように整列化する。ここで、所定の条件としては、優先順位の高い業務項目が先に実施されるという第1の条件と、ある小項目よりも前又は後に別の小項目が実施されるという第2の条件と、ある小項目と別の小項目とが同時に実施されるという第3の条件とがある。工程表作成部103は、複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、複数の作業項目の実施順序が所定の条件を満たすように決定する決定部の一例である。第2の条件は、複数の作業項目のうちの少なくとも2つの作業項目が予め定められた先後関係で実施されるという条件の一例であり、第3の条件は、複数の作業項目のうちの少なくとも2つの作業項目が併せて実施されるという条件の一例である。
また、工程表作成部103は、整列化された複数の業務項目又は複数の小項目を、データベース200に記憶された各作業予定日に振り分ける。その際、工程表作成部103は、複数の業務項目又は複数の小項目を実施するのに要する作業所要時間を用いて、この振り分けを行う。特に、工程表作成部103は、作業中の業務項目又は小項目については、その業務項目又は小項目の残りを実施するのに要する残り作業時間を用いて、この振り分けを行う。また、工程表作成部103は、作業者の業務経験度合に基づいて、作業所要時間を変更することもある。例えば、工程表作成部103は、作業者の業務経験年数が長ければ、作業所要時間は短くすればよい。工程表作成部103は、複数の作業項目のうち、複数の作業予定日の各作業予定日に実施する作業項目を、各作業予定日に実施する作業項目が各作業予定日の作業時間内に収まるように決定する決定部の一例である。工程表作成部103は、各作業予定日に実施する作業項目を、各作業項目を実施するのに要する作業所要時間に基づいて決定する決定部の一例でもある。工程表作成部103は、各作業予定日に実施する作業項目を、作業中の作業項目の残り作業時間に基づいて決定する決定部の一例でもある。工程表作成部103は、作業者の経験度に応じて、作業所要時間を変更する決定部の一例でもある。
【0027】
画面作成部104は、工程表作成部103により作成された工程表を含む画面を作成する。
【0028】
送信部105は、画面作成部104により作成された画面を端末装置300へ送信する。
【0029】
[データベースの構成]
まず、データベース200に記憶される基本的なデータの構造について説明する。具体的には、オーバーホール工事計画の策定に関するデータの構造と、オーバーホール工事のための工程表の作成に関するデータの構造とについて説明する。
【0030】
図4は、プラントを構成する生産財機械毎のオーバーホール工事計画の策定に関するデータの構造例を示す図である。
図では、生産財機械を表すデータに、ユニット(A1)、ユニット(A2)、ユニット(A3)を表すデータが関連付けられている。ここで、ユニットとは、プロセスガス供給システム、〇〇製造装置等である。
また、ユニット(A1)を表すデータに、主要部位(A1-B1)、主要部位(A1-B2)、主要部位(A1-B3)を表すデータが関連付けられている。ここで、主要部位とは、圧縮機本体、補機システム等である。尚、ユニット(A2)、ユニット(A3)を表すデータにも同様に主要部位を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、主要部位(A1-B1)を表すデータに、点検箇所(A1-B1-C1)、点検箇所(A1-B1-C2)、点検箇所(A1-B1-C3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検箇所とは、ガス関係ユニット、油関係ユニット等である。尚、主要部位(A1-B2)、主要部位(A1-B3)を表すデータにも同様に主要部位を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、点検箇所(A1-B1-C1)を表すデータに、点検内容(A1-B1-C1-D1)、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検内容とは、外観検査、分解検査、新品交換、補修等である。尚、点検箇所(A1-B1-C2)、点検箇所(A1-B1-C3)を表すデータにも同様に点検内容を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、点検内容(A1-B1-C1-D1)を表すデータに、処置内容(E1)、処置内容(E2)、処置内容(E3)を表すデータが関連付けられている。ここで、処置内容とは、通常処置による復旧、運転調整等を実施しての復旧、応急処置的補修による復旧、交換相当の補修による復旧、交換による復旧等である。尚、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータにも同様に処置内容を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
【0031】
図5は、生産財機械毎のオーバーホール工事のための工程表の作成に関するデータの構造例を示す図である。
図では、生産財機械を表すデータに、点検内容(A1-B1-C1-D1)、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検内容とは、前述の通り、外観検査、分解検査、新品交換、補修等である。
また、点検内容(A1-B1-C1-D1)を表すデータに、業務項目(X001)、業務項目(X002)、業務項目(X003)を表すデータが関連付けられている。ここで、業務項目とは、外観検査業務、分解検査業務、新品交換業務、補修業務等である。尚、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータにも同様に業務項目を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、業務項目(X001)を表すデータに、小項目(X001-001)、小項目(X001-002)、小項目(X001-003)を表すデータが関連付けられている。ここで、小項目とは、外観検査業務における点検前安全処置作業、点検作業、点検後動作確認及び調整作業、安全処置復旧作業等である。尚、業務項目(X002)、業務項目(X003)を表すデータにも同様に小項目を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
【0032】
図6は、本実施の形態におけるデータベース200の構成例を示した図である。図示するように、データベース200は、工事計画管理DB209と、業務項目管理DB210と、小項目管理DB211と、作業計画管理DB212と、作業実績管理DB213と、作業予定日管理DB214と、作業者管理DB215とを含む。尚、
図4に示したデータの構造を実現するためのDBについては、図示を省略している。
【0033】
工事計画管理DB209は、生産財機械のユニット別にオーバーホール工事の計画内容を管理するデータベースである。
図7は、工事計画管理DB209の構成例を示した図である。図示するように、工事計画管理DB209は、工事IDと、工事実施時期と、機械IDと、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDと、点検内容IDとを含む。
【0034】
工事IDは、オーバーホール工事を特定するIDであり、プラントの定期点検や補修工事の機会毎に割り当てられる。工事実施時期は、オーバーホール工事を実施した時期である。工事実施時期は、例えば、工事実施年月によって設定されるとよい。機械IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械を特定するIDである。ユニットIDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械のユニットを特定するIDである。主要部位IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械の主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械の点検箇所を特定するIDである。点検内容IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械の点検内容を特定するIDである。
【0035】
業務項目管理DB210は、オーバーホール工事を構成する業務項目を管理するデータベースである。
図8は、業務項目管理DB210の構成例を示した図である。図示するように、業務項目管理DB210は、業務項目IDと、業務項目名称と、点検箇所IDと、点検内容IDと、優先順位とを含む。業務項目管理DB210では、業務項目IDがプライマリキーとなっている。
【0036】
業務項目IDは、後述する小項目の作業をまとめた上位単位の作業項目である業務項目を特定するIDであり、業務項目名称は、この業務項目の名称である。点検箇所IDは、本業務項目の作業に含まれる、点検箇所を特定するIDであり、点検内容IDは、本業務項目の作業に含まれる、点検内容を特定するIDである。優先順位は、本業務項目のオーバーホール工事全体での優先順位であり、例えば、高中低の3段階で設定されるとよい。優先順位は、例えば、当該生産財機械のユニットの設計仕様上の制約条件等から決まる点検作業の段取りの優先順位である。
【0037】
小項目管理DB211は、オーバーホール工事の業務項目を構成する小項目を管理するデータベースである。
図9は、小項目管理DB211の構成例を示した図である。図示するように、小項目管理DB211は、小項目IDと、小項目名称と、点検箇所IDと、点検内容IDと、標準作業時間と、難易度と、天候影響度合と、業者連携度合と、前実施小項目群と、後実施小項目群と、同時実施小項目群と、業務項目IDとを含む。小項目管理DB211では、小項目IDがプライマリキーとなっている。
【0038】
小項目IDは、オーバーホール工事の点検箇所別の点検内容の作業を実施するための最小単位の作業項目である小項目を特定するIDであり、小項目名称は、この小項目の名称である。点検箇所IDは、本小項目の作業に含まれる、点検箇所を特定するIDであり、点検内容IDは、本小項目の作業に含まれる、点検内容を特定するIDである。標準作業時間は、作業者が1人で小項目の作業を行った場合の標準の作業の所要時間であり、例えば、時間を単位として設定されるとよい。難易度は、本小項目の作業の難易度であり、例えば、低い方から高い方へ1、2、3、4、5のように5段階評価で設定されるとよい。天候影響度合は、本小項目の作業が天候により影響を受ける度合であり、例えば、低い方から高い方へ1、2、3のように3段階評価で設定されるとよい。業者連携度合は、本小項目の作業が外部業者と連携している度合であり、低い方から高い方へ1(なし)、2、3、4、5(100%作業委託)のように5段階評価で設定されるとよい。前実施小項目群は、本小項目の作業を実施する前に必ず実施しておく必要がある他の小項目群である。後実施小項目群は、本小項目の作業を実施した後に速やかに実施した方が望ましい他の小項目群である。同時実施小項目群は、本小項目の作業と同時に作業を実施すると効果的となる他の小項目群である。業務項目IDは、本小項目の作業をまとめた上位単位の作業項目である業務項目を特定するIDである。
【0039】
作業計画管理DB212は、作業日別の作業計画を管理するデータベースである。
図10は、作業計画管理DB212の構成例を示した図である。図示するように、作業計画管理DB212は、工事IDと、作業予定日と、業務項目IDと、小項目IDと、作業順番と、作業者IDとを含む。作業計画管理DB212では、作業予定日と業務項目IDと小項目IDとの組み合わせが、プライマリキーとなっている。
【0040】
工事IDは、プラントの、定期点検及び補修工事機会毎に割り当てられるIDである。作業予定日は、作業を実施することが予定される日であり、YYYYMMDDの形式で設定されるとよい。業務項目IDは、業務項目を特定するIDである。小項目IDは、業務項目の小項目を特定するIDである。作業順番は、作業実施日内での、作業順番であり、例えば、1以上の整数値によって設定されるとよい。作業者IDは、当該作業を実施する作業者を特定するIDである。本実施の形態では、作業者IDは、システム画面490で「特記事項」欄491に作業者を入力した場合に設定されるものとする(
図26参照)。
【0041】
作業実績管理DB213は、作業日別の作業実績を管理するデータベースである。
図11は、作業実績管理DB213の構成例を示した図である。図示するように、作業実績管理DB213は、工事IDと、作業実施日と、業務項目IDと、小項目IDと、作業者IDと、作業結果と、概算作業時間とを含む。作業実績管理DB213では、作業実施日と業務項目IDと小項目IDとの組み合わせが、プライマリキーとなっている。
【0042】
工事IDは、プラントの、定期点検及び補修工事機会毎に割り当てられるIDである。作業実施日は、作業を実施した日であり、YYYYMMDDの形式で設定されるとよい。業務項目IDは、業務項目を特定するIDであり、小項目IDは、業務項目の小項目を特定するIDである。作業者IDは、業務項目の小項目の作業を実施した作業者を特定するIDである。作業結果は、業務項目の小項目の作業の、作業実施日における作業結果であり、作業完了、作業中、作業未着手の何れかが設定されるとよい。概算作業時間は、業務項目の小項目の作業の、作業実施日での概算の作業時間である。
【0043】
本実施の形態では、工事ID、作業予定日、業務項目IDをキーに、作業計画管理DB212が検索され、その検索結果に基づいてシステム画面440(
図21参照)が構成される。その上で、作業実績が登録された場合に、作業実績管理DB213に上記データ形式で値が格納されるものとする。
【0044】
作業予定日管理DB214は、作業予定日を管理するデータベースである。
図12は、作業予定日管理DB214の構成例を示した図である。図示するように、作業予定日管理DB214は、工事IDと、作業予定日と、作業者数と、作業進捗と、天候予測と、作業時間とを含む。作業予定日管理DB214では、作業予定日がプライマリキーとなっている。
【0045】
工事IDは、プラントの、定期点検及び補修工事機会毎に割り当てられるIDである。作業予定日は、作業を実施することが予定される日であり、YYYYMMDDの形式で設定されるとよい。作業者数は、作業予定日に作業を行う作業者の数である。作業進捗は、未作業(作業予定日登録直後の状態)、作業開始、計画作成、作業完了の、何れかの状態である。天候予測は、晴れ、曇り、小雨、雨の、何れかの天候予測情報である。天候予測は、作業予定日に基づいて、その作業予定日のインターネット公開されている天候予測情報が取得され、設定されるとよい。作業時間は、作業予定日における作業時間である。本実施の形態では、作業時間は、固定値(例えば、7時間)とするが、作業予定日単位で作業時間を設定する手段を設け、この手段によって設定されてもよい。
【0046】
本実施の形態では、工事ID、作業予定日をキーに、システム画面420(
図16参照)が構成される。その上で、作業日が追加登録された場合に、作業予定日管理DB214に上記データ形式で値が格納されるものとする。但し、作業進捗は、システム画面420で作業日が追加登録された直後は「未作業」とし、工程表が自動生成された直後は「作業開始」とし、システム画面440(
図21参照)で作業予定日の全小項目の実績が登録された直後に「作業完了」とする。加えて、システム画面470(
図24参照)で作業進捗が変更された場合、作業進捗には変更後の値が設定される。
【0047】
作業者管理DB215は、作業者を管理するデータベースである。
図13は、作業者管理DB215の構成例を示した図である。図示するように、作業者管理DB215は、作業者IDと、作業者氏名と、業務経験度合とを含む。作業者管理DB215では、作業者IDがプライマリキーとなっている。
【0048】
作業者IDは、作業者を特定するIDであり、作業者氏名は、作業者の氏名である。業務経験度合は、作業時のオーバーホール工事の業務経験の度合であり、1未満の、0より大きい小数値で設定されるとよい。業務経験度合は、業務経験年数が長い作業者程、0に近づく。
【0049】
[工程表作成装置の動作]
図14は、システム画面310を示した図である。システム画面310は、最もシンプルな実施例で端末装置300に表示される工程表作成システム1のトップ画面である。本画面起動直後には、「お客様」欄311に、データベース200に記憶されたプラント別の生産財機械とユニットとの対応情報(図示せず)に基づいて、プラントの一覧が表示される。そして、プラント毎、生産財機械毎のオーバーホール工事計画の内容及び範囲が表示され、確認可能となる。尚、ここでは、生産財機械を構成するユニットの一覧を含むシステム画面310を表示するようにしたが、これには限らない。例えば、ユニットを構成する主要部位の一覧を含むシステム画面や、主要部位を構成する点検内容の点検箇所に対する処置を含むシステム画面を表示するようにしてもよい。
【0050】
システム画面310で「工程表起動」ボタン312が押下されると、システム画面310の「お客様」欄311で選択表示中のプラント及び生産財機械に対する区分表毎のシステム画面410に、画面が遷移する。区分表とは、オーバーホール工事計画の内容及び範囲の作成単位のことである。
図15は、システム画面410を示した図である。このシステム画面410は、区分表毎の工程表作成のトップ画面である。但し、システム画面410は、区分表「21年度OH」に関する工程表が既に作成されている場合の画面例である。区分表の作成直後にシステム画面410が起動された場合には、工程表の作成前であるため、システム画面410上の、「主要部位-点検箇所」単位での、業務項目別、作業日別での作業予定がブランクになる。具体的には、作業予定有りを意味する「●」が1つも表示されない状態となる。また、システム画面410の「区分表」欄411で選択表示中の区分表の工事実施期間は、データベース200に記憶されたプラント別のオーバーホール工事とオーバーホール工事開始日とプラント停止可能日数との対応情報(図示せず)から算出されるとよい。そして、本実施の形態では、工事実施期間は、週単位で表示されるようにしている。
【0051】
システム画面410で、工程表を自動作成する前処理として、「作業日追加」ボタン412がクリックされると、システム画面420が端末装置300に表示される。
図16は、システム画面420を示した図である。システム画面420で作業年月日及び作業員数が選択又は入力された後、「追加」ボタン421が押下されると、工事実施期間内で作業を実施する年月日が、作業予定日管理DB214に登録される。このように工事実施期間中の全作業日が予め登録された状態で、システム画面410で「工程表自動生成」ボタン413が押下されたとする。すると、工程表作成装置100は、今回のオーバーホール工事計画に関する情報と、作業項目に関する情報と、作業予定日に関する情報とに基づいて、第1の工程表作成ロジックにより工程表を自動生成する。ここで、今回のオーバーホール工事計画に関する情報とは、工事計画管理DB209であり、作業項目に関する情報とは、業務項目管理DB210及び小項目管理DB211であり、作業予定日に関する情報は、作業予定日管理DB214である。
【0052】
図17は、第1の工程表作成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0053】
図示するように、工程表作成装置100では、まず、工事情報取得部102が、今回のオーバーホール工事計画に関する情報群を抽出する(ステップ601)。具体的には、工事情報取得部102は、オーバーホール工事対象を特定する機械ID及びオーバーホール工事を特定する工事IDをキーに、工事計画管理DB209を検索する。そして、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画における作業対象のユニット、主要部位、点検箇所、点検内容に関する情報群を抽出する。
【0054】
次に、工事情報取得部102は、工程表の作成対象の業務項目に関する情報群を抽出する(ステップ602)。具体的には、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画での点検箇所及び点検内容群をキーに、業務項目管理DB210を検索し、工程表の作成対象の業務項目に関する情報群を抽出する。
【0055】
次に、工事情報取得部102は、工程表の作成対象の業務項目の小項目に関する情報群を抽出する(ステップ603)。具体的には、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目に関する情報群をキーに、小項目管理DB211を検索し、工程表の作成対象の業務項目の小項目に関する情報群を抽出する。
【0056】
そして、工程表作成装置100では、工程表作成部103が、業務項目の小項目群を整列化する整列化処理を行う(ステップ604)。具体的には、工程表作成部103は、ステップ603で抽出された、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目に関する情報群に基づいて、整列化処理を行う。
【0057】
次に、工程表作成部103は、整列化された業務項目の小項目群を作業日に振り分ける第1の振り分け処理を行う(ステップ605)。具体的には、工程表作成部103は、ステップ604における、今回のオーバーホール工事計画での、業務項目の小項目群の整列化結果に基づいて、第1の振り分け処理を行う。
【0058】
その後、画面作成部104が、振り分け結果に基づいて、システム画面410及びシステム画面430を作成する(ステップ606)。具体的には、画面作成部104は、ステップ605における、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目群の作業日への振り分け結果に基づいて、システム画面410及びシステム画面430を作成する。
【0059】
図18は、
図17のステップ604の整列化処理の流れを示したフローチャートである。
【0060】
図示するように、まず、工程表作成部103は、業務項目の小項目群に対して、第1の整列化処理を行う(ステップ641)。具体的には、工程表作成部103は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目に関する情報群における、各小項目の業務項目IDをキーに、業務項目管理DB210の優先順位を抽出する。そして、工程表作成部103は、第1ソート条件をこの優先順位が高い順とし、第2ソート条件を小項目IDの昇順として、小項目群を整列化する。
【0061】
そして、工程表作成部103は、今回のオーバーホール工事計画での小項目を、ステップ641の第1の整列化処理で整列化された順に処理対象とする(ステップ642)。
【0062】
次に、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目に対する前実施小項目群及び後実施小項目群を抽出する(ステップ643)。
【0063】
次に、工程表作成部103は、これらの小項目群に対して、第2の整列化処理を行う(ステップ644)。
具体的には、現在の処理対象の小項目に前実施小項目群が設定されている場合、工程表作成部103は、その小項目群を、小項目IDの昇順で、現在の処理対象の小項目の前に整列化する。尚、現在の処理対象の小項目の前に整列化させる小項目が、現在の処理対象の小項目の前に既に整列化されている場合、この既に整列化されている小項目は、第2の整列化処理の対象外とする。
また、現在の処理対象の小項目に後実施小項目群が設定されている場合、工程表作成部103は、その小項目群を、小項目IDの昇順で、現在の処理対象の小項目の後に整列化する。尚、現在の処理対象の小項目の後に整列化させる小項目が、現在の処理対象の小項目の後に既に整列化されている場合、この既に整列化されている小項目は、第2の整列化処理の対象外とする。
【0064】
次に、工程表作成部103は、全ての小項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ645)。全ての小項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない小項目がある場合、工程表作成部103は、処理をステップ642へ戻し、次の小項目を処理対象とする。全ての小項目を処理対象とした場合、工程表作成部103は、処理をステップ646へ進める。
【0065】
その後、工程表作成部103は、今回のオーバーホール工事計画での小項目を、ステップ644の第2の整列化処理で整列化された順に処理対象とする(ステップ646)。
【0066】
次に、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目に対する同時実施小項目群を抽出する(ステップ647)。
【0067】
次に、工程表作成部103は、この小項目群と現在の処理対象の小項目とを含む小項目群に対して、第3の整列化処理を行う(ステップ648)。
具体的には、現在の処理対象の小項目に同時実施小項目群が設定されている場合、工程表作成部103は、その小項目群と現在の処理対象の小項目群とを、第1ソート条件乃至第3ソート条件で整列化する。ここで、第1ソート条件は、天候影響度合が高い順とし、第2ソート条件は、業者連携度合が高い順とし、第3ソート条件は難易度が高い順とするとよい。但し、第1ソート条件乃至第3ソート条件と、天候影響度合、業者連携度合、難易度との対応関係は、上記に限らず、入れ替えてもよい。尚、同時実施小項目群が、現在の処理対象の小項目の前後に既に整列化されている場合、この既に整列化されている小項目は、第3の整列化処理の対象外とする。
【0068】
次に、工程表作成部103は、全ての小項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ649)。全ての小項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない小項目がある場合、工程表作成部103は、処理をステップ646へ戻し、次の小項目を処理対象とする。全ての小項目を処理対象とした場合、工程表作成部103は、処理を
図17へ戻す。
【0069】
【0070】
図19Aに示すように、まず、工程表作成部103は、今回のオーバーホール工事での作業予定日に関する情報群を抽出する(ステップ661)。具体的には、工程表作成部103は、オーバーホール工事を特定する工事IDをキーに、作業予定日管理DB214を検索し、工程表作成日の翌日以降の作業予定日に関する情報群を抽出する。
【0071】
次に、工程表作成部103は、ステップ661で抽出された作業予定日を、その昇順に処理対象とする(ステップ662)。
【0072】
次に、工程表作成部103は、現在の処理対象の作業予定日の割当可能作業時間を算出する(ステップ663)。具体的には、工程表作成部103は、現在の処理対象の作業予定日の作業者数及び作業時間を作業予定日管理DB214から抽出し、「割当可能作業時間=作業者数×作業時間」を計算することにより、割当可能作業時間を算出する。尚、割当可能作業時間として、最初は、このようにして算出されたものが用いられるが、以降は、後述するステップ682又はステップ685で算出されたものが用いられる。
【0073】
次に、工程表作成部103は、天気予測が雨であるか否かを判定する(ステップ664)。具体的には、工程表作成部103は、現在の処理対象の作業予定日の天気予測を作業予定日管理DB214から抽出し、これに基づいて天気予測が雨であるか否かを判定する。天気予測が雨である場合、工程表作成部103は、処理をステップ662へ戻し、次の作業予定日を処理対象とする。
【0074】
一方、天気予測が雨でない場合、工程表作成部103は、今回のオーバーホール工事計画での小項目を、
図18の整列化処理で整列化された順に処理対象とする(ステップ665)。
【0075】
次に、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目に対して定められた標準作業時間(以下、「現標準作業時間」という)を、現在の処理対象の小項目の作業に要する時間(以下、「現作業所要時間」という)とする(ステップ666)。具体的には、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目の小項目IDをキーに、小項目管理DB211から標準作業時間を抽出して現標準作業時間とし、これをそのまま現作業所要時間とする。
【0076】
次に、工程表作成部103は、次の処理対象の小項目に対して定められた標準作業時間(以下、「次標準作業時間」という)を、次の処理対象の小項目の作業に要する時間(以下、「次作業所要時間」という)とする(ステップ667)。具体的には、工程表作成部103は、次の処理対象の小項目の小項目IDをキーに、小項目管理DB211から標準作業時間を抽出して次標準作業時間とし、これをそのまま次作業所要時間とする。
【0077】
次に、工程表作成部103は、現作業所要時間が、現在の処理対象の作業予定日の割当可能作業時間以下であるか否かを判定する(ステップ668)。
【0078】
現作業所要時間が割当可能作業時間以下である場合、
図19Bに示すように、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目を、現在の処理対象の作業予定日の作業として確定する(ステップ681)。具体的には、工程表作成部103は、作業計画管理DB212に、確定した小項目の情報を、工事ID、作業予定日、業務項目ID、小項目ID、及び作業順番によって保存する。尚、工程表作成部103は、作業順番には、現在の処理対象の作業予定日での通し番号をセットするとよい。
また、工程表作成部103は、現在の処理対象の作業予定日の割当可能作業時間を減算する(ステップ682)。具体的には、工程表作成部103は、「割当可能作業時間=割当可能作業時間-現作業所要時間」を計算することにより、割当可能作業時間を減算する。
【0079】
一方、現標準作業時間が割当可能作業時間以下でない場合、
図19Bに示すように、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目の一部を、現在の処理対象の作業予定日の作業として確定する(ステップ683)。現在の処理対象の小項目の一部とは、現在の処理対象の小項目のうち、現在の処理対象の作業予定日の割当可能作業時間分である。具体的には、工程表作成部103は、作業計画管理DB212に、確定した小項目の情報を、工事ID、作業予定日、業務項目ID、小項目ID、及び作業順番によって保存する。尚、工程表作成部103は、作業順番には、現在の処理対象の作業予定日での通し番号をセットするとよい。
また、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目の残りの作業に要する新たな作業所要時間を算出する(ステップ684)。具体的には、工程表作成部103は、「新たな作業所要時間=現作業所要時間-現在の処理対象の作業予定日の割当可能作業時間」を計算することにより、新たな作業所要時間を算出する。
更に、工程表作成部103は、現在の処理対象の作業予定日の割当可能作業時間を0とする(ステップ685)。
【0080】
次に、工程表作成部103は、次作業所要時間が割当可能作業時間を超えたか否かを判定する(ステップ686)。次作業所要時間が割当可能作業時間を超えていない場合、工程表作成部103は、処理を
図19Aのステップ665へ戻し、次の小項目を処理対象とする。
次作業所要時間が割当可能作業時間を超えた場合、工程表作成部103は、全ての作業予定日を処理対象としたか否かを判定する(ステップ687)。全ての作業予定日を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない作業予定日がある場合、工程表作成部103は、全ての小項目を振り分けたか否かを判定する(ステップ688)。全ての小項目を振り分けていない場合、つまり、振り分けられていない小項目がある場合、工程表作成部103は、処理を
図19Aのステップ662へ戻し、次の作業予定日を処理対象とする。
一方、ステップ687で全ての作業予定日を処理対象とした場合、又は、ステップ688で全ての小項目を振り分けた場合、工程表作成部103は、処理を
図17へ戻す。
【0081】
尚、この動作例では、予め登録されていた作業予定日では、全ての小項目の作業予定日への振り分けができない場合も発生する。その場合には、工程表作成装置100が、第1の工程表作成ロジックのステップ606で、その旨を画面に表示し、作業予定日を追加させた上で、第1の工程表作成ロジックを再実行するとよい。
【0082】
第1の工程表作成ロジックにより工程表が自動作成されると、その結果は、作業計画管理DB212に登録され、
図15のようにシステム画面410に表示される。
【0083】
このシステム画面410において、工程表作成結果は、作業予定日に実施予定がある小項目を1つ以上含む業務項目に「●」を印字する形で表示される。また、システム画面410において、工程表の自動生成後、作業予定日毎の「業務項目」ボタン414がクリックされると、端末装置300では、システム画面430が起動する。
図20は、システム画面430を示した図である。このシステム画面430では、選択された作業予定日の業務項目が一覧表示される。
【0084】
本実施の形態では、作業者は、作業を実施した後、作業日の作業実績を、業務項目の小項目単位で登録する。具体的には、
図15のシステム画面410で、作業を実施した業務項目の「●」に設定されたハイパーリンク415がクリックされると、システム画面440が端末装置300に表示される。
図21は、システム画面440を示した図である。このシステム画面440では、業務項目の小項目単位で、作業結果、作業者、及び概算作業時間が選択又は入力される。具体的には、作業結果としては、「作業完了」、「作業中」、「作業未着手」の中から1つが選択される。作業者としては、作業者一覧の中から1人が選択される。概算作業時間は、時間を単位とした値が入力される。その後、「実績保存」ボタン441が押下されると、作業実績管理DB213にデータが登録される。作業結果として「作業完了」が選択された業務項目の小項目は、次回の工程表作成ロジックにおいて、計画対象外となる。
【0085】
第1の工程表作成ロジックが実行された結果、その作業日に実施予定がある業務項目又は小項目が1つ以上計画された場合に、
図15のシステム画面例410で、作業日毎の「作業進捗」欄416に「作業開始」と表示される。また、作業日毎の「作業進捗」欄416は、その作業日に計画された全ての作業について作業実績の登録を完了した時点、つまり、作業結果を全て登録した時点で、「作業完了」となる。
図22は、このときのシステム画面410を示す。
図22に示すように、作業日毎の「作業進捗」欄416は「作業完了」に自動更新される。
【0086】
作業実績が登録された後、
図22のシステム画面410で、主要部位及び点検箇所毎の、業務項目の名称に設定されたハイパーリンク417がクリックされると、システム画面460が表示される。
図23は、システム画面460を示した図である。このシステム画面460では、選択された業務項目に紐付く小項目の作業状況が表示される。そして、システム画面460で「作業済」となっている小項目が選択され「実績解除」ボタン461がクリックされると、その小項目の作業実績はクリアされ、作業実績管理DB213の小項目に関する作業結果は「作業完了」から「作業中」に変更される。これにより、選択された小項目を、再度工程表作成の対象に戻すことが可能となる。
【0087】
第1の工程表作成ロジックを実行後の
図15又は
図22のシステム画面410で、作業日毎の「作業進捗」欄416に設定されたハイパーリンク418がクリックされると、システム画面470が端末装置300に表示される。
図24は、システム画面470を示した図である。このシステム画面470では、選択された作業日の作業進捗が変更可能となる。作業進捗を「計画作成」に変更した作業日については、システム画面480において、作業予定が変更可能となる。
図25は、システム画面480を示した図である。このシステム画面480では、実施予定の小項目を1つ以上含む業務項目に対しては「削除」ボタン481が表示され、この「削除」ボタン481が押下されると、その実施予定の情報がクリアされる。また、「追加」ボタン482が押下されると、システム画面490が表示される。
図26は、システム画面490を示した図である。このシステム画面490では、業務項目の小項目単位で作業実施予定を追加することが可能となる。
【0088】
システム画面490において、「特記事項」欄491に特記事項が記入され「登録」ボタン492が押下されると、業務項目の小項目単位で、作業計画管理DB212に特記事項が登録される。そして、登録された内容は、
図21のシステム画面440において、作業者に提示し確認させることが可能となる。本実施の形態では、「特記事項」欄491を、当該業務項目の小項目の作業を実施する作業者を指示するために活用する場合を例にとって、説明する。
【0089】
一般に、オーバーオール工事の工程表作成業務では、天候や工事遂行上のトラブル発生等により工程表を定期的に見直し作成する場合が多い。そこで、本実施の形態では、工事期間中、その日の工事が終了して実績が登録された後に、
図15のシステム画面410の「工程表自動生成」ボタン413が押下され、工程表自動作成処理が再実行されることが想定されている。
【0090】
工事作業を開始され作業実績が登録された後に「工程表自動生成」ボタン413が押下されると、工程表作成装置100は、第2の工程表作成ロジックにより工程表を自動作成する。
【0091】
図27は、第2の工程表作成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0092】
図示するように、工程表作成装置100では、工事情報取得部102が、ステップ701~703の処理を実行する。ステップ701~703の処理は、
図17のステップ601~603の処理と同じなので、説明を省略する。
【0093】
次に、工事情報取得部102は、業務項目の小項目群から、作業未完了の小項目群を抽出する未完了項目抽出処理を行う(ステップ704)。具体的には、工事情報取得部102は、ステップ703で抽出した、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目に関する情報群に基づいて、未完了項目抽出処理を行う。
【0094】
そして、工程表作成装置100では、工程表作成部103が、業務項目の小項目群を整列化する整列化処理を行う(ステップ705)。具体的には、工程表作成部103は、ステップ704で抽出された、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目のうちの作業未完了の小項目に関する情報群に基づいて、整列化処理を行う。
【0095】
次に、工程表作成部103は、整列化された業務項目の小項目群を作業日に振り分ける第1の振り分け処理を行う(ステップ706)。具体的には、工程表作成部103は、ステップ705における、今回のオーバーホール工事計画での、作業未完了の小項目群の整列化結果に基づいて、第1の振り分け処理を行う。
【0096】
その後、画面作成部104が、振り分け結果に基づいて、システム画面410及びシステム画面430を作成する(ステップ707)。具体的には、画面作成部104は、ステップ706における、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目群の作業日への振り分け結果に基づいて、システム画面410及びシステム画面430を作成する。
【0097】
図28は、
図27のステップ704の未完了項目抽出処理の流れを示したフローチャートである。
【0098】
図示するように、まず、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目のうち、1つの小項目を処理対象とする(ステップ721)。
【0099】
次に、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目の作業結果を取得する(ステップ722)。具体的には、工事情報取得部102は、現在の小項目の小項目ID及びオーバーホール工事の工事IDをキーに、作業実績管理DB213を検索し、現在の処理対象の小項目の作業結果を取得する。
【0100】
次に、工事情報取得部102は、作業結果があるか否かを判定する(ステップ723)。
作業結果がない場合、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目を作業未完了として、内部に保持する(ステップ727)。そして、工事情報取得部102は、処理をステップ728へ進める。
【0101】
作業結果がある場合、工事情報取得部102は、作業結果が「作業未着手」であるか否かを判定する(ステップ724)。作業結果が「作業未着手」である場合、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目を作業未完了として、内部に保持する(ステップ727)。そして、工事情報取得部102は、処理をステップ728へ進める。
【0102】
作業結果が「作業未着手」でない場合、工事情報取得部102は、作業結果が「作業完了」であるか否かを判定する(ステップ725)。作業結果が「作業完了」である場合、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目を抽出しなくてよいので、そのまま処理をステップ728へ進める。
【0103】
作業結果が「作業完了」でない場合、つまり、作業結果が「作業中」である場合、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目の残り作業時間を算出する(ステップ726)。具体的には、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目に対する、小項目管理DB211の標準作業時間(X)と、作業実績管理DB213の概算作業時間(Y)とから、残り作業時間(Z)を、「Z=X-Y」により算出する。
そして、工事情報取得部102は、現在の処理対象の小項目を作業未完了として、内部に保持する(ステップ727)。そして、工事情報取得部102は、処理をステップ728へ進める。
【0104】
次に、工事情報取得部102は、全ての小項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ728)。全ての小項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない小項目がある場合、工程表作成部103は、処理をステップ721へ戻し、次の小項目を処理対象とする。全ての小項目を処理対象とした場合、工事情報取得部102は、作業未完了として内部に保持した小項目群のみを抽出する(ステップ729)。具体的には、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目群のうち、ステップ727で作業未完了として内部に保持された小項目のみを抽出する。
【0105】
図27のステップ705の整列化処理の流れは、
図18のフローチャートに示したものと同じなので、説明を省略する。
【0106】
図27のステップ706の第1の振り分け処理は、
図19A及び
図19Bのフローチャートに示したものと概ね同じである。但し、この場合は、
図28の未完了項目抽出処理で算出した残り作業時間(Z)を、
図19A及び
図19Bにおける小項目の標準作業時間として用いるものとする。
【0107】
第2の工程表作成ロジックにより工程表が自動作成されると、その結果は、
図15のようにシステム画面410に表示されることになる。
【0108】
また、天候や工事遂行上のトラブル発生等によりオーバーホール工事に遅れが発生している場合は、工事途中で作業者数を増やしたり、或いは特定の日に一時的にベテランの作業者を現場に派遣して進捗遅れの挽回を図ったりすることがある。このような場合、本実施の形態では、第3の工程表作成ロジックを適用することにより、効果的な工程表の作成を可能とする。
【0109】
図29は、第3の工程表作成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0110】
図示するように、工程表作成装置100では、工事情報取得部102が、ステップ801~804の処理を実行する。ステップ801~804の処理は、
図27のステップ701~704の処理と同じなので、説明を省略する。
【0111】
そして、工程表作成装置100では、工程表作成部103が、業務項目の小項目群を整列化する整列化処理を行う(ステップ805)。具体的には、工程表作成部103は、ステップ804で抽出された、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目のうちの作業未完了の小項目に関する情報群に基づいて、整列化処理を行う。
【0112】
次に、工程表作成部103は、整列化された業務項目の小項目群を作業日に振り分ける第2の振り分け処理を行う(ステップ806)。具体的には、工程表作成部103は、ステップ805における、今回のオーバーホール工事計画での、作業未完了の小項目群の整列化結果に基づき、新たに派遣された作業者の情報も考慮して、第2の振り分け処理を行う。
【0113】
その後、画面作成部104が、振り分け結果に基づいて、システム画面410及びシステム画面430を作成する(ステップ807)。具体的には、画面作成部104は、ステップ806における、今回のオーバーホール工事計画での業務項目の小項目群の作業日への振り分け結果に基づいて、システム画面410及びシステム画面430を作成する。
【0114】
図29のステップ805の整列化処理の流れは、
図18のフローチャートに示したものと同じなので、説明を省略する。
【0115】
【0116】
図30Aに示すように、工程表作成部103は、ステップ861~865の処理を実行する。ステップ861~865の処理は、
図19Aのステップ661~665の処理と同じなので、説明を省略する。
【0117】
次に、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目に対して定められた標準作業時間(現標準作業時間)と、作業者の業務経験度合とに基づいて、現在の処理対象の小項目の作業に要する時間(現作業所要時間)を算出する(ステップ866)。具体的には、工程表作成部103は、現在の処理対象の小項目の小項目IDをキーに、小項目管理DB211から標準作業時間を抽出して現標準作業時間とする。また、工程表作成部103は、作業計画管理DB212から、作業者IDが設定されていれば、作業者IDを抽出し、この作業者IDをキーに、作業者管理DB215から業務経験度合を抽出する。業務経験度合は、上述したように、1未満の値である。これにより、工程表作成部103は、現標準作業時間にこの業務経験度合を乗算することにより、現作業所要時間を算出する。
【0118】
次に、工程表作成部103は、次の処理対象の小項目に対して定められた標準作業時間(次標準作業時間)と、作業者の業務経験度合とに基づいて、次の処理対象の小項目の作業に要する時間(次作業所要時間)を算出する(ステップ867)。具体的には、工程表作成部103は、次の処理対象の小項目の小項目IDをキーに、小項目管理DB211から標準作業時間を抽出して次標準作業時間とする。また、工程表作成部103は、作業計画管理DB212から、作業者IDが設定されていれば、作業者IDを抽出し、この作業者IDをキーに、作業者管理DB215から業務経験度合を抽出する。業務経験度合は、上述したように、1未満の値である。これにより、工程表作成部103は、次標準作業時間にこの業務経験度合を乗算することにより、次作業所要時間を算出する。
【0119】
次に、工程表作成部103は、ステップ868の処理を実行する。ステップ868の処理は、
図19Aのステップ668の処理と同じなので、説明を省略する。
次に、
図30Bに示すように、工程表作成部103は、ステップ881~888の処理を実行する。ステップ881~888の処理は、
図19Bのステップ681~688の処理と同じなので、説明を省略する。
【0120】
[まとめ]
本実施の形態では、業務経験が少ない作成者でも、生産財機械の保全のための作業の工程表を作成することが可能となった。その結果、例えば、納期内での保全業務が、安定的かつ無駄なく、つまり、不要なコストを最小にして、遂行可能となる効果が期待される。
【符号の説明】
【0121】
1…工程表作成システム、100…工程表作成装置、101…受信部、102…工事情報取得部、103…工程表作成部、104…画面作成部、105…送信部、200…データベース、300…端末装置