(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032261
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20240305BHJP
B41J 3/42 20060101ALI20240305BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240305BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240305BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240305BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J3/42
B41J21/00 Z
B41J29/38 301
B41J2/01 103
B41J2/01 451
B41J2/01 305
B41J2/01 201
B65H29/58 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135829
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 良介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 ひとみ
(72)【発明者】
【氏名】江崎 康浩
(72)【発明者】
【氏名】篠原 章郎
(72)【発明者】
【氏名】石山 泰弘
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
2C187
3F053
【Fターム(参考)】
2C056EB13
2C056EB27
2C056EC12
2C056EC79
2C056FA13
2C056HA29
2C056HA58
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061HJ06
2C061HK11
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV49
2C061KK22
2C061KK24
2C061KK28
2C187AC08
2C187AE01
2C187AE07
2C187AF01
2C187AF03
2C187AG01
2C187BF09
2C187DB21
2C187HA01
2C187HA33
3F053BA03
3F053BA29
3F053LA01
3F053LB01
(57)【要約】
【課題】検査エラーが連続し、印刷用紙や印刷インク等の無駄になってしまう事態を回避する。
【解決手段】用紙Pに対して、表面画像を第1印刷装置10に印刷させ、裏面画像を第2印刷装置30に印刷させる印刷制御部42と、第1印刷装置10により印刷された用紙P内の表面画像を検査する検査部16と、検査部16により表面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合に、用紙Pを反転させる中間装置20と、第2印刷装置30が、中間装置20により反転された用紙Pに、裏面画像を印刷した後、用紙Pを反転させる搬送路R3‘とを備え、印刷制御部42は、搬送路R3‘により反転された用紙Pに対して、表面画像の白抜け部分を補完するような画像を、第2印刷装置30に行わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に対して、表面画像を第1印刷部に印刷させ、裏面画像を第2印刷部に印刷させる印刷制御部と、
前記第1印刷部により印刷された印刷媒体内の表面画像を検査する検査部と、
前記検査部により前記表面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合に、前記印刷媒体を反転させる第1反転部と、
前記第2印刷部が、前記第1反転部により反転された印刷媒体に、前記裏面画像を印刷した後、前記印刷媒体を反転させる第2反転部とを備え、
前記印刷制御部は、前記第2反転部により反転された印刷媒体に対して、前記表面画像の白抜け部分を補完するような画像を、前記第2印刷部に行わせる
ことを特徴とする印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷部を備えた複数の印刷装置を、用紙の搬送経路に沿って直列的に配置した印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、両面印刷の場合に、印刷部の下流に検査装置を配置して、両面印刷完了後に、印刷画像の検査を行うことが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、検査物の検査手段として第1検査部及び第2検査部を有した画像検査装置が開示されている。第1検査部は、第1吸着搬送部の上流側の端部の上方に、搬送ベルトに対向するよう下向きに設けられており、第2検査部は、第2吸着搬送部の上流側の端部の下方に、搬送ベルトに対向するよう上向きに設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像検査装置では、第1検査部で表面を検査し、第2検査部で裏面を検査して排紙するので、印刷部の一部に不良が生じて、印刷画像に白抜け部分があった場合に、不良に気づくまで、検査エラーが連続し、印刷用紙や印刷インク等の無駄になってしまう。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、検査エラーが連続し、印刷用紙や印刷インク等の無駄になってしまう事態を回避する印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷システムの特徴は、
印刷媒体に対して、表面画像を第1印刷部に印刷させ、裏面画像を第2印刷部に印刷させる印刷制御部と、
前記第1印刷部により印刷された印刷媒体内の表面画像を検査する検査部と、
前記検査部により前記表面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合に、前記印刷媒体を反転させる第1反転部と、
前記第2印刷部が、前記第1反転部により反転された印刷媒体に、前記裏面画像を印刷した後、前記印刷媒体を反転させる第2反転部とを備え、
前記印刷制御部は、前記第2反転部により反転された印刷媒体に対して、前記表面画像の白抜け部分を補完するような画像を、前記第2印刷部に行わせる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る印刷システムの特徴によれば、検査エラーが連続し、印刷用紙や印刷インク等の無駄になってしまう事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システムの機能を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システムにおける印刷結果の一例を示した図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システムにおける処理内容を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の変形例に係るタンデム方式印刷システムにおける処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0011】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
(タンデム方式印刷システムの概略構成)
まず、本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システム1の構成について説明する。タンデム方式印刷システム1は、PCなどの端末装置から送信された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブに基づいて、印刷媒体である用紙に画像を印刷する。
【0013】
また、本実施形態に係るタンデム方式印刷システム1は、用紙に所定の印刷処理を各々行う2つの印刷装置を、用紙の搬送経路に沿って直列的に配置した構成の印刷システムである。
【0014】
ここで、
図1は、本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システム1の概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るタンデム方式印刷システム1は、第1印刷装置10と、中間装置20と、第2印刷装置30と、統括制御装置40とを備える。
【0015】
なお、本実施形態において、第1印刷装置10と第2印刷装置30とは、上述の2つの印刷装置を示しており、以下においては、単に印刷装置として適宜説明する。
【0016】
また、本実施形態において、所定の印刷処理とは、用紙の片面に対して、要求された画像の印刷を完成させる処理であり、第1印刷装置10が、用紙の一方の面に対して所定の印刷処理を実行し、第2印刷装置30が、用紙の他方の面に対して印刷処理を実行する。
【0017】
例えば、印刷ジョブに基づく印刷処理として、片面印刷処理が実行される場合、第1印刷装置10又は第2印刷装置30のいずれかが片面印刷処理を実行する。一方で、両面印刷処理が実行される場合、第1印刷装置10が用紙の表面に印刷処理を実行し、第2印刷装置30が、用紙の裏面に印刷処理を実行することで、両面印刷処理が実行される。なお、所定の印刷処理は、白黒印刷又はカラー印刷処理を含む。
【0018】
また、
図1において、太線で示す経路が、用紙が搬送される搬送経路である。当該搬送経路は、第1印刷装置10における搬送経路R1と、中間装置20における搬送経路R2と、第2印刷装置30における搬送経路R3とを含む。第1印刷装置10における搬送経路R1は、中間装置20を介して第2印刷装置30へ搬送する経路であり、反転して両面印刷する場合には、搬送経路R1’に切り替えられ、排紙トレイ11Pへ排紙される。第1印刷装置10でスイッチバックすることも可能であり、その際には、搬送経路R1’を経由して再度、搬送経路R1へと搬送される。
【0019】
また、中間装置20における搬送経路R2は、用紙を反転させる反転経路であり、用紙の反転が不要な場合には、用紙を反転させずに搬送する直進搬送経路R2’に切り替えられる。
【0020】
第2印刷装置30における搬送経路R3は、中間装置20からの用紙Pを搬送する経路であり、反転して両面印刷する場合には、搬送経路R3’に切り替えられ、排紙トレイ31Pへ排紙される。第2印刷装置30でスイッチバックすることも可能であり、その際には、搬送経路R3’を経由して再度、搬送経路R3へと搬送される。
【0021】
図1に示すように、第1印刷装置10は、搬送部12と、印刷部13と、クリーニング実行手段14と、装置制御部15と、検査部16とを備える。
【0022】
搬送部12は、外部給紙ローラ12aと、レジストローラ12bとを備える。外部給紙ローラ12aは、給紙台10Pに積載される用紙Pを、レジストローラ12bに向けて搬送する。レジストローラ12bは、外部給紙ローラ12aから搬送されてきた用紙Pを一旦止めた後、印刷部13へと送り出す。
【0023】
印刷部13は、用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに画像を印刷する。印刷部13は、インクヘッド部13aと、ベルト搬送部13bと、排紙ローラ13cとを備える。
【0024】
インクヘッド部13aは、ベルト搬送部13bの上方に配置され、用紙Pの搬送方向と略直交する方向に複数のノズルが配列されたラインタイプの複数のインクジェットヘッドを有する。インクヘッド部13aは、ベルト搬送部13bにより搬送される用紙Pにインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を印刷する。なお、本実施形態では、インクヘッド部13aは、K色インク(ブラック色インク)とC色インク(シアン色インク)とM色インク(マゼンタ色インク)とY色インク(イエロー色インク)とのそれぞれを吐出可能なインクジェットヘッドを備える。
【0025】
ベルト搬送部13bは、レジストローラ12bから搬送されてきた用紙Pをベルトに吸着保持して搬送する。ベルト搬送部13bは、レジストローラ12bの下流側で、インクヘッド部13aの下方に配置されている。
【0026】
排紙ローラ13cは、インクヘッド部13aによって印刷された用紙Pを中間装置20に排紙する。
【0027】
クリーニング実行手段14は、インクヘッド部13aのインク吐出面をクリーニングするクリーニング処理を実行する。
【0028】
クリーニング実行手段14は、印刷処理時には、
図1に示すホームポジション(収納位置)に配置される。また、クリーニング実行手段14は、クリーニング処理時には、インクヘッド部13aが上方の退避ポジションへ移動した後、クリーニング実行手段14がインクヘッド部13aの下方へ移動することによりクリーニングポジションに移動される。
【0029】
検査部16は、搬送経路R1の上方に配置され、搬送経路R1を搬送され印刷部13により用紙Pに印刷された表面画像を検査する。検査部16は、用紙Pに印刷された画像を撮像する例えばCIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)等の撮像部を有する。
【0030】
装置制御部15は、第1印刷装置10内の各種機能を制御する。装置制御部15は、搬送部12や印刷部13を制御して、用紙Pに画像を印刷する。また、装置制御部15は、クリーニング実行条件が満たされた場合、印刷部13とクリーニング実行手段14とを制御して、インクヘッド部13aに対してクリーニング処理を実行する。また、装置制御部15は、検査部16を制御して、用紙Pに印刷された表面画像を検査させる。
【0031】
中間装置20は、第1印刷装置10の搬送方向下流側に配置される。中間装置20は、第1印刷装置10から搬出された用紙Pを、第2印刷装置30に搬送する。中間装置20は、搬送部22と、装置制御部25とを備える。
【0032】
搬送部22は、搬送ローラ22a、22b、22cを備え、搬送ローラ22a、22b、22cによって、搬送経路R2又は直進搬送経路R2’に沿って、用紙Pを搬送する。
【0033】
装置制御部25は、中間装置20の各種機能を制御する。装置制御部25は、搬送部22を制御することで、搬送経路R2又は直進搬送経路R2’の何れに切り替えながら、用紙Pを搬送する。
【0034】
第2印刷装置30は、中間装置20の搬送方向下流側に配置される。第2印刷装置30は、第1印刷装置10と概ね同様に構成される。第2印刷装置30は、搬送部32と、印刷部33と、クリーニング実行手段34と、装置制御部35とを備える。
【0035】
搬送部32は、搬送ローラ32aを備え、中間装置20から搬出された用紙Pを印刷部33に搬送する。
【0036】
印刷部33は、用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに画像を印刷する。印刷部33は、インクヘッド部33aと、ベルト搬送部33bと、排紙ローラ33cとを備える。
【0037】
なお、インクヘッド部33aとベルト搬送部33bとの構成は、上述した第1印刷装置10のインクヘッド部13aとベルト搬送部13bとの構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0038】
排紙ローラ33cは、インクヘッド部33aによって印刷された用紙Pを排紙部30Pに排紙する。
【0039】
クリーニング実行手段34は、第2印刷装置30においてクリーニング実行条件を満たす場合に、インクヘッド部33aのインク吐出面のクリーニングを行うクリーニング処理を実行する。なお、クリーニング実行手段34の構成は、上述した第1印刷装置10のクリーニング実行手段14の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0040】
また、第2印刷装置30は、第1印刷装置10と同様に、クリーニング実行手段34がホームポジション及びクリーニングポジションのいずれに配置された場合であっても、用紙Pを搬送経路R3に沿って搬送可能に構成されている。
【0041】
検査部36は、搬送経路R3の上方に配置され、搬送経路R3を搬送され印刷部33により用紙Pに印刷された裏面画像を検査する。検査部16は、用紙Pに印刷された画像を撮像する例えばCIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)等の撮像部を有する。
【0042】
装置制御部35は、第2印刷装置30内の各種機能を制御する。装置制御部35は、搬送部32や印刷部33を制御して、用紙Pに画像を印刷する。また、装置制御部35は、クリーニング実行条件が満たされた場合、印刷部33とクリーニング実行手段34とを制御して、インクヘッド部33aに対してクリーニング処理を実行する。また、装置制御部35は、検査部36を制御して、用紙Pに印刷された裏面画像を検査させる。
【0043】
統括制御装置40は、タンデム方式印刷システム1内の各種機能を制御する。また、統括制御装置40は、印刷ジョブに基づく印刷処理を実行するように、第1印刷装置10と、中間装置20と、第2印刷装置30とを統括して制御する。
【0044】
(統括制御装置40の構成)
次に、統括制御装置40の構成について、具体的に説明する。
図2は、タンデム方式印刷システム1の機能を示すブロック図である。
【0045】
図2に示すように、統括制御装置40は、ジョブ受信部41と、印刷制御部42と、記憶部46と、通信部47とを備える。
【0046】
ジョブ受信部41は、端末装置100との間で情報を送受信する。具体的に、ジョブ受信部41は、ユーザが使用する端末装置100から印刷ジョブを受信する。なお、ここでの通信は、例えば、イントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワーク等を含むとともに、有線通信と無線通信との何れであってもよい。
【0047】
印刷制御部42は、第1印刷装置10と、中間装置20と、第2印刷装置30とに印刷の指示を出す。特に、印刷制御部42は、中間装置20により反転された用紙Pに対して、表面画像の白抜け部分を補完するような画像を、第2印刷装置30に行わせる。
【0048】
具体的には、検査部16において表面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合に、印刷制御部42は、中間装置20に用紙Pを反転するように制御する。そして、印刷制御部42は、第2印刷装置30が、中間装置20により反転された用紙Pに裏面画像を印刷した後、搬送経路R3’でスイッチバックさせて用紙Pを反転させ、再度、搬送経路R3へと搬送される。そして、印刷制御部42は、反転させた用紙Pに対して、表面画像の白抜け部分を補完するような画像の印刷を第2印刷装置30に行わせる。
【0049】
記憶部46は、ハードディスク又はメモリ等によって構成され、統括制御装置40の処理に用いられる各種情報を記憶する。例えば、記憶部46は、検査部16における検査結果や、検査部36における検査結果なども記憶する。
【0050】
通信部47は、第1印刷装置10、中間装置20、第2印刷装置30のそれぞれとの間で、各種情報を送受信する。
【0051】
図3は、本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システム1における印刷結果の一例を示した図である。
【0052】
図3に示す印刷画像D101は、第1印刷装置10の印刷部13で印刷された表面画像の一例を示している。印刷画像D101は、印刷部13のインクジェットノズルの閉塞などの原因でインクの吐出不良が生じ、白筋D101aが発生している。この時点では、印刷画像D201に示すように、裏面には印刷されていない。
【0053】
そして、用紙Pは中間装置20にて表裏が反転された後、裏面が印刷される。
図3に示す印刷画像D202は、第2印刷装置30の印刷部33で印刷された裏面画像の一例を示している。
【0054】
検査部16における検査の結果、白筋D101aが発生していると判定された場合、印刷制御部42は、搬送経路R3’でスイッチバックさせて用紙Pを反転させ、再度、搬送経路R3へと搬送させ、用紙Pに対して、印刷画像D102に示すような表面画像の白抜け部分を補完するような画像の印刷を第2印刷装置30に行わせる。
【0055】
印刷画像D102には、補完画像D102aが含まれている。
【0056】
これにより、白筋D101aが発生した印刷画像D101は、補完画像D102aにより補完され、印刷画像D103として印刷される。これにより、白筋を補完することができる。
【0057】
なお、ここでは、印刷画像D202には白筋は発生していないため、補完することなく印刷され、印刷画像D203を得ることができる。
【0058】
図4は、本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システム1における処理内容を示したフローチャートである。
【0059】
ステップS101において、第1印刷装置10の印刷部13が用紙Pに対して表面の印刷を実行する。
【0060】
ステップS103において、検査部16が印字面、すなわち用紙Pの表面をスキャンして、表面画像に白抜け部分(白筋)が存在するか否かを判定する。
【0061】
検査部16において表面画像に白抜け部分が存在しないと検査された場合(ステップS103:白筋なし)に、処理をステップS109に移行する。
【0062】
一方、検査部16において表面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合(ステップS103:白筋あり)に、ステップS105において、統括制御装置40は白筋の位置を記憶部46に記憶させる。
【0063】
ステップS107において、統括制御装置40は第2印刷装置30に印刷指示を行う。
【0064】
ステップS109において、統括制御装置40の指示に基づいて、中間装置20が用紙Pを反転し、第2印刷装置30が、中間装置20により反転された用紙Pに裏面画像を印刷する。
【0065】
ステップS111において、統括制御装置40は白筋の補完が必要か否かを判定する。具体的には、記憶部46に白筋の位置が記憶されている場合、白筋の白筋の補完が必要と判定する。
【0066】
統括制御装置40は白筋の補完が必要でないと判定した場合(ステップS111:白筋なし)、処理を終了する。
【0067】
一方、統括制御装置40は白筋の補完が必要と判定した場合(ステップS111:白筋あり)、ステップS113において、統括制御装置40は、用紙Pを搬送経路R3’でスイッチバックさせて反転させ、再度、搬送経路R3へと搬送する。
【0068】
ステップS115において、統括制御装置40は反転させた用紙Pに対して、表面画像の白抜け部分を補完するような画像の印刷を第2印刷装置30に行わせる。
【0069】
<変形例>
本発明の第1実施形態に係るタンデム方式印刷システム1では、表面について補完を行ったが、裏面についても補完するようにしてもよい。
【0070】
本発明の変形例に係るタンデム方式印刷システム1では、表面および裏面について補完する例について説明する。
【0071】
図5は、本発明の変形例に係るタンデム方式印刷システム1における処理内容を示したフローチャートである。ここで、ステップS101~S109までの処理は、
図4のフローチャートに示したステップS101~S109までの処理と同一の処理内容であるため説明を省略する。
【0072】
ステップS201において、検査部36が印字面、すなわち用紙Pの裏面をスキャンして、裏面画像に白抜け部分(白筋)が存在するか否かを判定する。
【0073】
検査部36において裏画像に白抜け部分が存在しないと検査された場合(ステップS201:白筋なし)、ステップS203において、統括制御装置40は表面の白筋の補完が必要か否かを判定する。具体的には、記憶部46に表面の白筋の位置が記憶されている場合、表面の白筋の補完が必要と判定する。
【0074】
統括制御装置40は表面の白筋の補完が必要でないと判定した場合(ステップS203:補完不要)、処理を終了する。
【0075】
一方、統括制御装置40は表面の白筋の補完が必要と判定した場合(ステップS203:補完必要)、ステップS205において、統括制御装置40は、用紙Pを搬送経路R3’でスイッチバックさせて反転させ、再度、搬送経路R3へと搬送する。
【0076】
ステップS207において、統括制御装置40は反転させた用紙Pに対して、表面画像の白抜け部分を補完するような画像の印刷を第2印刷装置30に行わせる。
【0077】
一方、検査部36において裏面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合(ステップS201:白筋あり)に、ステップS211において、統括制御装置40は表面の白筋の補完が必要か否かを判定する。具体的には、記憶部46に表面の白筋の位置が記憶されている場合、表面の白筋の補完が必要と判定する。
【0078】
統括制御装置40は表面の白筋の補完が必要でないと判定した場合(ステップS211:補完不要)、ステップS213において、統括制御装置40は、印刷した用紙Pを、例えば、排紙トレイ31Pなどの別の排出口に排出する。
【0079】
ステップS215において、統括制御装置40は、第1印刷装置10に再度、両面印刷を指示する。
【0080】
ステップS217において、統括制御装置40は、第2印刷装置30のインクジェットヘッドのノズルのクリーニングを実行させる。具体的には、クリーニング実行手段34が、インクヘッド部33aのインク吐出面をクリーニングするクリーニング処理を実行する。
【0081】
一方、統括制御装置40は表面の白筋の補完が必要と判定した場合(ステップS211:補完必要)、第1印刷装置10および第2印刷装置30のいずれもインクジェットヘッドのノズルが閉塞している可能性が高いので、ステップS221において、統括制御装置40は、印刷を停止する。
【0082】
ステップS223において、統括制御装置40は、第1印刷装置10および第2印刷装置30のインクジェットヘッドのノズルのクリーニングを実行させる。具体的には、クリーニング実行手段14が、インクヘッド部13aのインク吐出面をクリーニングするクリーニング処理を実行すると共に、クリーニング実行手段34が、インクヘッド部33aのインク吐出面をクリーニングするクリーニング処理を実行する。
【0083】
ステップS225において、統括制御装置40は、印刷を再開させる。
【0084】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0085】
(付記1)
印刷媒体に対して、表面画像を第1印刷部に印刷させ、裏面画像を第2印刷部に印刷させる印刷制御部と、
前記第1印刷部により印刷された印刷媒体内の表面画像を検査する検査部と、
前記検査部により前記表面画像に白抜け部分が存在すると検査された場合に、前記印刷媒体を反転させる第1反転部と、
前記第2印刷部が、前記第1反転部により反転された印刷媒体に、前記裏面画像を印刷した後、前記印刷媒体を反転させる第2反転部とを備え、
前記印刷制御部は、前記第2反転部により反転された印刷媒体に対して、前記表面画像の白抜け部分を補完するような画像を、前記第2印刷部に行わせる
ことを特徴とする印刷システム。
【0086】
これにより、第1印刷部により印刷された表面画像の検査を検査部が行い、白抜け部分がある場合には、第2印刷部で裏面画像の印刷後に、印刷用紙を反転させて、表面画像の白抜け部分を補完印刷するので、検査エラーが連続し、印刷用紙や印刷インク等の無駄になってしまう事態を回避することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 タンデム方式印刷システム
10 第1印刷装置(第1印刷部)
10P 給紙台
11P 排紙トレイ
12 搬送部
13 印刷部
14 クリーニング実行手段
15 装置制御部
16 検査部
20 中間装置
22 搬送部
25 装置制御部
30 第2印刷装置(第2印刷部)
30P 排紙部
32 搬送部
33 印刷部
34 クリーニング実行手段
35 装置制御部
36 検査部
40 統括制御装置
41 ジョブ受信部
42 印刷制御部
46 記憶部
47 通信部