(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032263
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】生産財機械の保全のための教育支援システム、教育支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240305BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135831
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】宗 陽一郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】生産財機械の保全作業前の教育を、保全作業を実施する業者に対して効率的に実行可能にする。
【解決手段】生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得する取得部と、作業項目を実施する業者が作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、業者の教育の受講履歴に基づいて決定する決定部と、を備える、生産財機械の保全のための教育支援システム。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得する取得部と、
前記作業項目を実施する業者が当該作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、当該業者の当該教育の受講履歴に基づいて決定する決定部と、
を備える、生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項2】
前記決定部は、前記業者が前記教育を前回受講してからの期間を前記受講履歴から取得し、当該期間に基づいて前記内容を決定する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記業者の前記作業項目に関するスキルレベルに更に基づいて前記内容を決定する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記保全作業の開始前に特定の作業項目を選択せずに前記教育の受講を要求する操作に応じて、前記作業項目として、当該保全作業を構成する複数の作業項目を取得する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記保全作業の開始後に当該保全作業の作業手順を表示する画面から特定の作業項目を選択して前記教育の受講を要求する操作に応じて、前記作業項目として当該特定の作業項目を取得する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項6】
前記取得部は、前記保全作業の開始後に当該保全作業の作業結果を登録するための画面から特定の作業項目を選択して前記教育の受講を要求する操作に応じて、前記作業項目として当該特定の作業項目を取得する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項7】
前記決定部は、前記業者の前記保全作業の開始前における当該保全作業のための前記教育の受講の有無を前記受講履歴から取得し、当該有無に基づいて前記内容を決定する、請求項5又は請求項6に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項8】
前記決定部は、前記受講履歴が所定の条件を満たす場合に、前記作業項目を実施するのに要する作業所要時間を変更する、請求項1に記載の生産財機械の保全のための教育支援システム。
【請求項9】
コンピュータの取得部が、生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得するステップと、
コンピュータの決定部が、前記作業項目を実施する業者が当該作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、当該業者の当該教育の受講履歴に基づいて決定するステップと、
を含む、生産財機械の保全のための教育支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得する機能と、
前記作業項目を実施する業者が当該作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、当該業者の当該教育の受講履歴に基づいて決定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産財機械の保全のための教育支援システム、教育支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、営業対象の顧客情報に基づく支援情報を情報受給者に提供する建設機械の営業支援システムであって、サーバが、営業パソコンを介し入力された顧客に関する検索条件に基づいて、営業パソコンに、データベースに予め記憶された顧客情報から検索条件に合致したものを抽出して表示する抽出表示信号を出力し、営業パソコンを介し入力された、図象化表示に用いる少なくとも2つの評価項目の組み合わせに基づいて、抽出した顧客情報を分析評価し情報受給者側の情報端末に表示する評価表示信号を出力する営業支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産財機械の保全作業前の教育を、保全作業を実施する業者に対して効率的に実行することは困難であった。
【0005】
本発明の目的は、生産財機械の保全作業前の教育を、保全作業を実施する業者に対して効率的に実行可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得する取得部と、作業項目を実施する業者が作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、業者の教育の受講履歴に基づいて決定する決定部と、を備える、生産財機械の保全のための教育支援システムを提供する。
決定部は、業者が教育を前回受講してからの期間を受講履歴から取得し、期間に基づいて内容を決定する、ものであってよい。
決定部は、業者の作業項目に関するスキルレベルに更に基づいて内容を決定する、ものであってよい。
取得部は、保全作業の開始前に特定の作業項目を選択せずに教育の受講を要求する操作に応じて、作業項目として、保全作業を構成する複数の作業項目を取得する、ものであってよい。
取得部は、保全作業の開始後に保全作業の作業手順を表示する画面から特定の作業項目を選択して教育の受講を要求する操作に応じて、作業項目として特定の作業項目を取得する、ものであってもよいし、保全作業の開始後に保全作業の作業結果を登録するための画面から特定の作業項目を選択して教育の受講を要求する操作に応じて、作業項目として特定の作業項目を取得する、ものであってもよい。その場合、決定部は、業者の保全作業の開始前における保全作業のための教育の受講の有無を受講履歴から取得し、有無に基づいて内容を決定する、ものであってよい。
決定部は、受講履歴が所定の条件を満たす場合に、作業項目を実施するのに要する作業所要時間を変更する、ものであってよい。
【0007】
また、本発明は、コンピュータの取得部が、生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得するステップと、コンピュータの決定部が、作業項目を実施する業者が作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、業者の教育の受講履歴に基づいて決定するステップと、を含む、生産財機械の保全のための教育支援方法も提供する。
【0008】
更に、本発明は、コンピュータに、生産財機械の保全作業を構成する作業項目を取得する機能と、作業項目を実施する業者が作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、業者の教育の受講履歴に基づいて決定する機能と、を実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生産財機械の保全作業前の教育を、保全作業を実施する業者に対して効率的に実行可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態における教育支援システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本実施の形態における教育支援装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図3】本実施の形態における教育支援装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図4】オーバーホール工事計画の策定に関するデータの構造例を示す図である。
【
図5】工程表の作成に関するデータの構造例を示す図である。
【
図6】工事前教育の作成に関するデータの構造例を示す図である。
【
図7】本実施の形態におけるデータベースの構成例を示したブロック図である。
【
図8】工事計画管理DBの構成例を示した図である。
【
図9】業務項目管理DBの構成例を示した図である。
【
図10】業者スキルレベル管理DBの構成例を示した図である。
【
図11】作業スキルレベル管理DBの構成例を示した図である。
【
図12】教育内容管理DBの構成例を示した図である。
【
図13】受講履歴管理DBの構成例を示した図である。
【
図14】削減効果管理DBの構成例を示した図である。
【
図15】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図16A】本実施の形態における第1の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図16B】本実施の形態における第1の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図17】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図18】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図19】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図20】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図21A】本実施の形態における第2の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図21B】本実施の形態における第2の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図22A】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図22B】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図22C】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図23】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図24A】本実施の形態における第3の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図24B】本実施の形態における第3の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図25A】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図25B】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図25C】本実施の形態で表示されるシステム画面を示した図である。
【
図26A】本実施の形態における作業所要時間補正ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図26B】本実施の形態における作業所要時間補正ロジックの流れを示したフローチャートである。
【
図27】最大教育内容レベルと基準回数と基準間隔との対応情報を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
[本実施の形態の背景]
例えば、メーカ等の生産活動におけるエネルギー動力源としてのプロセスガス圧縮機や化学プラント等の製造装置又は生産装置といった、一般に、非汎用で一品一様な、それ故、高額な産業用の機械製品がある。本実施の形態で対象とする生産財機械等の保全業務とは、このような機械製品の性能を長期間維持するため、定期的にプラントを停止し、その機械製品を分解又は解体して機能を点検したり、機能を復旧させるために補修工事を行ったりすることである。
【0013】
このような保全業務は、非汎用機械を対象とするため、保全業務を遂行できる業者が限定される。また、保全業務を実施する機会も少ないため、保全業務を委託できる業者を見つけて業務委託するのが難しかったり労力を要したりする場合が多い。その結果、業務経験が少ない業者に委託して工期に間に合わなくなったり、工期に間に合わせるために途中で作業者を増やして予定よりも多くの費用がかかったりする、といった課題がある。
【0014】
以下、このような保全業務をオーバーホール工事として、本実施の形態について説明する。また、委託先業者がオーバーホール工事前に受講すべき教育を「工事前教育」として説明する。
【0015】
[教育支援システムの構成]
図1は、本実施の形態における教育支援システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、教育支援システム1は、教育支援装置100と、データベース200と、端末装置300とを備えている。教育支援装置100及び端末装置300は、インターネット(ワイドエリアネットワーク)等の通信ネットワークに接続されており、相互にデータ通信が可能である。
【0016】
教育支援装置100は、例えばサーバ型コンピュータ等のコンピュータである。端末装置300は、例えばラップトップ型コンピュータ又はデスクトップ型コンピュータ等のコンピュータである。端末装置300は、オーバーホール工事の工程表を作成する作成者又はオーバーホール工事の委託先業者(以下、単に「業者」ともいう)の作業者によって使用される。端末装置300の数は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
【0017】
教育支援装置100は、データベース200にアクセス可能である。データベース200は、教育支援装置100の内部に設けられてもよいし、教育支援装置100の外部に設けられ、通信ネットワークを通じてアクセスされてもよい。
【0018】
教育支援装置100は、例えばHTTPデーモンを起動しており、端末装置300からブラウザを介して送信された処理要求(HTTPリクエスト)を受け付けると、処理要求に応じた処理結果(HTTPレスポンス)を端末装置300に返答する。
【0019】
例えば、教育支援装置100は、ウェブページ記述言語で記述されたページデータを処理結果として端末装置300に送信し、端末装置300は、教育支援装置100から受信したページデータを表すページ画像を自装置の表示部に出力する。
【0020】
[教育支援装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における教育支援装置100のハードウェア構成例を示した図である。
【0021】
図示するように、教育支援装置100は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU11と、記憶手段であるメインメモリ12及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、CPU11は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、教育支援装置100の各機能を実現する。また、メインメモリ12は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。そして、HDD13は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
【0022】
また、教育支援装置100は、外部との通信を行うための通信I/F14と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ17とを備える。尚、
図2は、教育支援装置100をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、教育支援装置100は図示の構成に限定されない。
【0023】
[教育支援装置の構成]
図3は、本実施の形態における教育支援装置100の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、教育支援装置100は、受信部101と、工事情報取得部102と、工程表作成部103と、教育内容生成部104と、画面作成部105と、送信部106とを備える。
【0024】
受信部101は、端末装置300に表示された画面上で入力された情報を受信する。
【0025】
工事情報取得部102は、受信部101が受信した情報に基づいて、データベース200に記憶されたオーバーホール工事に関する工事情報を取得する。
具体的には、工事情報取得部102は、工事情報として、オーバーホール工事計画の情報を取得する。
また、工事情報取得部102は、工事情報として、オーバーホール工事計画の情報に関連付けられた業務項目及び各業務項目を構成する小項目の情報を取得する。業務項目又は小項目は、生産財機械の保全作業を構成する作業項目の一例であり、工事情報取得部102は、作業項目を取得する取得部の一例である。
例えば、工事情報取得部102は、作業者がオーバーホール工事の開始前に特定の業務項目又は小項目を選択せずに工事前教育受講ボタンを押下すると、オーバーホール工事計画の情報に関連付けられた複数の業務項目及び複数の小項目の情報を取得すればよい。その場合、工事情報取得部102は、保全作業の開始前に特定の作業項目を選択せずに教育の受講を要求する操作に応じて、作業項目として、保全作業を構成する複数の作業項目を取得する取得部の一例である。
或いは、工事情報取得部102は、作業者がオーバーホール工事の開始後に工程表を表示する画面上で特定の業務項目又は小項目を選択して工事前教育受講ボタンを押下すると、その特定の業務項目又は小項目の情報を取得してもよい。その場合、工事情報取得部102は、保全作業の開始前に特定の作業項目を選択せずに教育の受講を要求する操作に応じて、作業項目として、保全作業を構成する複数の作業項目を取得する取得部の一例である。
或いは、工事情報取得部102は、作業者がオーバーホール工事の開始後に工事結果を登録する画面上で特定の業務項目又は小項目を選択して工事前教育受講ボタンを押下すると、その特定の業務項目又は小項目の情報を取得してもよい。その場合、工事情報取得部102は、保全作業の開始後に保全作業の作業結果を登録するための画面から特定の作業項目を選択して教育の受講を要求する操作に応じて、作業項目として特定の作業項目を取得する取得部の一例である。
【0026】
工程表作成部103は、受信部101が受信した情報と、データベース200に記憶された作業予定日の情報と、工事情報取得部102が取得した情報とに基づいて、オーバーホール工事の工程表を作成し、その工程表の情報を画面作成部105に出力する。
具体的には、工程表作成部103は、工事情報取得部102が取得した複数の業務項目又は複数の小項目を、その実施順序が所定の条件を満たすように整列化する。
また、工程表作成部103は、整列化された複数の業務項目又は複数の小項目を、データベース200に記憶された各作業予定日に振り分ける。その際、工程表作成部103は、複数の業務項目又は複数の小項目を実施するのに要する作業所要時間を用いて、この振り分けを行う。
【0027】
教育内容生成部104は、受信部101が受信した情報と、データベース200に記憶された情報と、工事情報取得部102が取得した情報とに基づいて、業者が受講すべき工事前教育の内容を生成し、その結果を画面作成部105に出力する。
具体的には、教育内容生成部104は、データベース200に記憶された業者の受講履歴に基づいて、業者が受講すべき工事前教育の内容を生成する。教育内容生成部104は、作業項目を実施する業者が作業項目を実施する前に受講すべき教育の内容を、業者の教育の受講履歴に基づいて決定する決定部の一例である。
例えば、教育内容生成部104は、業者の受講履歴から、業者が今回実施するオーバーホール工事の工事前教育を前回受講してからどの程度の期間が経過したかを判定し、その判定結果に基づいて、工事前教育の内容を生成すればよい。その場合、教育内容生成部104は、業者が教育を前回受講してからの期間を受講履歴から取得し、期間に基づいて内容を決定する決定部の一例である。
或いは、教育内容生成部104は、業者の受講履歴から、業者が今回実施するオーバーホール工事の工事前教育を今回の工事前に受講したか否かを判定し、その判定結果に基づいて、工事前教育の内容を生成してもよい。その場合、教育内容生成部104は、業者の保全作業の開始前における保全作業のための教育の受講の有無を受講履歴から取得し、有無に基づいて内容を決定する決定部の一例である。
また、教育内容生成部104は、データベース200に記憶された業者スキルレベルにも基づいて、業者が受講すべき工事前教育の内容を生成する。教育内容生成部104は、業者の作業項目に関するスキルレベルに更に基づいて内容を決定する決定部の一例である。
更に、教育内容生成部104は、業者の受講履歴が所定の条件を満たす場合に、工程表作成部103が複数の業務項目又は複数の小項目を各作業予定日に振り分ける際に用いる作業所要時間を変更する。例えば、教育内容生成部104は、業者の受講履歴が、業者スキルレベルが向上していると判断できる条件を満たす場合に、作業所要時間を短くすればよい。そして、教育内容生成部104は、作業所要時間の変更結果を工程表作成部103に通知する。教育内容生成部104は、受講履歴が所定の条件を満たす場合に、作業項目を実施するのに要する作業所要時間を変更する決定部の一例である。
【0028】
画面作成部105は、工程表作成部103により作成された工程表を含む画面を作成する。また、画面作成部105は、教育内容生成部104により生成された内容の工事前教育を受講するための画面を作成する。
【0029】
送信部106は、画面作成部105により作成された画面を端末装置300へ送信する。
【0030】
[データベースの構成]
まず、データベース200に記憶される基本的なデータの構造について説明する。具体的には、オーバーホール工事計画の策定に関するデータの構造と、オーバーホール工事のための工程表の作成に関するデータの構造と、オーバーホール工事の工事前教育の作成に関するデータの構造とについて説明する。
【0031】
図4は、プラントを構成する生産財機械毎のオーバーホール工事計画の策定に関するデータの構造例を示す図である。
図では、生産財機械を表すデータに、ユニット(A1)、ユニット(A2)、ユニット(A3)を表すデータが関連付けられている。ここで、ユニットとは、プロセスガス供給システム、〇〇製造装置等である。
また、ユニット(A1)を表すデータに、主要部位(A1-B1)、主要部位(A1-B2)、主要部位(A1-B3)を表すデータが関連付けられている。ここで、主要部位とは、圧縮機本体、補機システム等である。尚、ユニット(A2)、ユニット(A3)を表すデータにも同様に主要部位を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、主要部位(A1-B1)を表すデータに、点検箇所(A1-B1-C1)、点検箇所(A1-B1-C2)、点検箇所(A1-B1-C3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検箇所とは、ガス関係ユニット、油関係ユニット等である。尚、主要部位(A1-B2)、主要部位(A1-B3)を表すデータにも同様に主要部位を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、点検箇所(A1-B1-C1)を表すデータに、点検内容(A1-B1-C1-D1)、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検内容とは、外観検査、分解検査、新品交換、補修等である。尚、点検箇所(A1-B1-C2)、点検箇所(A1-B1-C3)を表すデータにも同様に点検内容を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、点検内容(A1-B1-C1-D1)を表すデータに、処置内容(E1)、処置内容(E2)、処置内容(E3)を表すデータが関連付けられている。ここで、処置内容とは、通常処置による復旧、運転調整等を実施しての復旧、応急処置的補修による復旧、交換相当の補修による復旧、交換による復旧等である。尚、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータにも同様に処置内容を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
【0032】
図5は、生産財機械毎のオーバーホール工事のための工程表の作成に関するデータの構造例を示す図である。
図では、生産財機械を表すデータに、点検内容(A1-B1-C1-D1)、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検内容とは、前述の通り、外観検査、分解検査、新品交換、補修等である。
また、点検内容(A1-B1-C1-D1)を表すデータに、業務項目(X001)、業務項目(X002)、業務項目(X003)を表すデータが関連付けられている。ここで、業務項目とは、外観検査業務、分解検査業務、新品交換業務、補修業務等である。尚、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータにも同様に業務項目を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、業務項目(X001)を表すデータに、小項目(X001-001)、小項目(X001-002)、小項目(X001-003)を表すデータが関連付けられている。ここで、小項目とは、外観検査業務における点検前安全処置作業、点検作業、点検後動作確認及び調整作業、安全処置復旧作業等である。尚、業務項目(X002)、業務項目(X003)を表すデータにも同様に小項目を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
【0033】
図6は、生産財機械毎のオーバーホール工事の工事前教育に関するデータの構造例を示す図である。
図では、生産財機械を表すデータに、点検内容(A1-B1-C1-D1)、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータが関連付けられている。ここで、点検内容とは、前述の通り、外観検査、分解検査、新品交換、補修等である。
また、点検内容(A1-B1-C1-D1)を表すデータに、業務項目(X001)、業務項目(X002)、業務項目(X003)を表すデータが関連付けられている。ここで、業務項目とは、前述の通り、外観検査業務、分解検査業務、新品交換業務、補修業務等である。尚、点検内容(A1-B1-C1-D2)、点検内容(A1-B1-C1-D3)を表すデータにも同様に業務項目を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
また、業務項目(X001)を表すデータに、教育内容(X001-E01)、教育内容(X001-E02)、教育内容(X001-E03)、教育内容(X001-E04-G1,…,G5)を表すデータが関連付けられている。ここで、教育内容(X001-E01)とは、初学者用の教育内容、つまり、業務項目(X001)に関する教育を始めて受講する場合の教育内容である。教育内容(X001-E02)とは、再教育用の教育内容、つまり、初学者用の教育と同等の教育を再度行う場合の教育内容である。教育内容(X001-E03)とは、必須教育用の教育内容、つまり、業務項目(X001)に関する教育をポイントを押さえて必須として行う場合の教育内容である。教育内容(X001-E04-G1,…,G5)とは、スキルレベルアップ用の教育内容、つまり、業務項目(X001)に関する業者スキルレベルを向上するために行う場合の教育内容である。スキルレベルアップ用の教育内容は、G1で表されるグレード1からG5で表されるグレード5までの5段階に分かれている。尚、業務項目(X002)、業務項目(X003)を表すデータにも同様に教育内容を表すデータが関連付けられるが、これについては図示を省略している。
【0034】
図7は、本実施の形態におけるデータベース200の構成例を示した図である。図示するように、データベース200は、工事計画管理DB209と、業務項目管理DB210と、業者スキルレベル管理DB216と、作業スキルレベル管理DB217と、教育内容管理DB218と、受講履歴管理DB219と、削減効果管理DB220とを含む。尚、
図4及び
図5に示したデータの構造を実現するためのDBについては、図示を省略している。
【0035】
工事計画管理DB209は、生産財機械のユニット別にオーバーホール工事の計画内容を管理するデータベースである。
図8は、工事計画管理DB209の構成例を示した図である。図示するように、工事計画管理DB209は、工事IDと、工事実施時期と、機械IDと、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDと、点検内容IDとを含む。
【0036】
工事IDは、オーバーホール工事を特定するIDであり、プラントの定期点検や補修工事の機会毎に割り当てられる。工事実施時期は、オーバーホール工事を実施した時期である。工事実施時期は、例えば、工事実施年月によって設定されるとよい。機械IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械を特定するIDである。ユニットIDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械のユニットを特定するIDである。主要部位IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械の主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械の点検箇所を特定するIDである。点検内容IDは、オーバーホール工事を実施する生産財機械の点検内容を特定するIDである。
【0037】
業務項目管理DB210は、オーバーホール工事を構成する業務項目を管理するデータベースである。
図9は、業務項目管理DB210の構成例を示した図である。図示するように、業務項目管理DB210は、業務項目IDと、業務名称と、点検箇所IDと、点検内容IDと、優先順位とを含む。業務項目管理DB210では、業務項目IDがプライマリキーとなっている。
【0038】
業務項目IDは、小項目の作業をまとめた上位単位の作業項目である業務項目を特定するIDであり、業務名称は、この業務項目の名称である。点検箇所IDは、本業務項目の作業に含まれる、点検箇所を特定するIDであり、点検内容IDは、本業務項目の作業に含まれる、点検内容を特定するIDである。優先順位は、本業務項目のオーバーホール工事全体での優先順位であり、例えば、高中低の3段階で設定されるとよい。優先順位は、例えば、当該生産財機械のユニットの設計仕様上の制約条件等から決まる点検作業の段取りの優先順位である。
【0039】
業者スキルレベル管理DB216は、業者別のオーバーホール工事に関する業者スキルレベル等を管理するデータベースである。
図10は、業者スキルレベル管理DB216の構成例を示した図である。図示するように、業者スキルレベル管理DB216は、業者IDと、業者名と、機械IDと、前回委託時期と、業者スキルレベルとを含む。業者スキルレベル管理DB216では、業務項目IDと機械IDとの組み合わせが、プライマリキーとなっている。
【0040】
業者IDは、業務委託先の業者を特定するIDであり、業者名は、この業者の名称である。機械IDは、オーバーホール工事を実施した経験がある生産財機械を特定するIDである。前回委託時期は、その生産財機械のオーバーホール工事の前回の委託時期であり、例えば、年月によってYYYYMMの形式で設定されるとよい。業者スキルレベルは、前回委託時のオーバーホール工事の工事結果に基づく、その業者のその生産財機械のオーバーホール工事の実施に関するスキルレベルのランク値であり、例えば、低い方から高い方へ1、2、3、4、5のように5段階評価で設定されるとよい。
【0041】
本実施の形態では、オーバーホール工事の実施が完了した際に、業者スキルレベルが、工事期間中の作業状況や作業品質等から総合的に判断され、5段階で評価される。そして、この業者スキルレベルが、上記データ構造にて、前回委託時の年月情報と併せて登録される。
【0042】
作業スキルレベル管理DB217は、業務項目別の必要な作業スキルレベル等を管理するデータベースである。
図11は、作業スキルレベル管理DB217の構成例を示した図である。図示するように、作業スキルレベル管理DB217は、業務項目IDと、作業スキルレベルと、スキルレベル維持間隔とを含む。作業スキルレベル管理DB217では、業務項目IDがプライマリキーとなっている。
【0043】
業務項目IDは、業務項目を特定するIDである。作業スキルレベルは、業務項目に紐付く小項目群の作業を実施するために必要となるスキルレベルであり、例えば、低い方から高い方へ1、2、3、4、5のように5段階評価で設定されるとよい。スキルレベル維持間隔は、その作業スキルレベルでその業務項目に紐付く小項目群の作業を実施可能と判断される、つまり、スキルレベルを維持することが可能な、業務項目の実施間隔であり、例えば、月数によって設定されるとよい。
【0044】
本実施の形態では、業者が業務項目を実施しないまま、前回受託時期より一定期間(スキルレベル維持間隔)が経過した場合、業務項目に必要な作業スキルレベルでの作業が保証されないので、工事前教育を実施する必要があると判断される。
【0045】
教育内容管理DB218は、業務項目別の必要な作業スキルレベルを獲得するための工事前教育の内容を管理するデータベースである。
図12は、教育内容管理DB218の構成例を示した図である。図示するように、教育内容管理DB218は、業務項目IDと、教育内容IDと、教育内容種別と、教育実施条件と、教育内容レベルと、教育内容名と、テキスト教材情報と、テスト教材情報とを含む。教育内容管理DB218では、業務項目IDと教育内容IDと教育内容種別との組み合わせが、プライマリキーとなっている。
【0046】
業務項目IDは、業務項目を特定するIDである。教育内容IDは、教育内容を特定するIDである。教育内容種別は、教育内容の種別であり、初学者用、再教育用、必須教育用、スキルレベルアップ用の何れかが設定されるとよい。教育実施条件は、教育を実施するための条件であり、必須実施、任意実施の何れかが設定されるとよい。教育内容レベルは、教育内容種別がスキルレベルアップ用である場合の教育内容のレベルであり、教育内容種別がスキルレベルアップ用であれば1から5までの整数値が設定され、そうでなければ0が設定されるとよい。教育内容名は、教育内容の名称であり、名称は、教育内容の概要を含んでいてもよい。テキスト教材情報は、教育で用いられるテキスト教材に関する情報であり、例えば、テキスト教材ID付きの動画教材視聴サイトのURLが設定されるとよい。テスト教材情報は、教育で用いられるテスト教材に関する情報であり、例えば、テスト教材ID付きのオンラインテスティングサイトのURLが設定されるとよい。
【0047】
本実施の形態では、テキスト教材及びテスト教材が、教育内容に設定された初学者用、再教育用、必須教育用、スキルレベルアップ用に応じて用意されることになる。
【0048】
受講履歴管理DB219は、業者別の工事前教育の受講履歴を管理するデータベースである。
図13は、受講履歴管理DB219の構成例を示した図である。図示するように、受講履歴管理DB219は、業者IDと、工事IDと、業務項目IDと、教育内容IDと、教育内容種別と、教育内容レベルと、受講時期とを含む。受講履歴管理DB219では、業者IDと工事IDと業務項目IDと教育内容IDと教育内容種別との組み合わせが、プライマリキーとなっている。
【0049】
業者IDは、業務委託先の業者を特定するIDである。工事IDは、プラントの、定期点検及び補修工事機会毎に割り当てられるIDである。業務項目IDは、業務項目を特定するIDである。教育内容IDは、教育内容を特定するIDである。教育内容種別は、教育内容の種別であり、初学者用、再教育用、必須教育用、スキルレベルアップ用の何れかが設定されるとよい。教育内容レベルは、教育内容種別がスキルレベルアップ用である場合の教育内容のレベルであり、教育内容種別がスキルレベルアップ用であれば1から5までの整数値が設定され、そうでなければ0が設定されるとよい。受講時期は、その教育内容を受講した時期であり、例えば、年月によってYYYYMMの形式で設定されるとよい。
【0050】
削減効果管理DB220は、業務項目別の作業所要時間の削減効果を管理するデータベースである。
図14は、削減効果管理DB220の構成例を示した図である。図示するように、削減効果管理DB220は、業務項目IDと、教育内容レベルと、小項目IDと、削減効果値とを含む。削減効果管理DB220では、業務項目IDと教育内容レベルと小項目IDとの組み合わせが、プライマリキーとなっている。
【0051】
業務項目IDは、業務項目を特定するIDである。教育内容レベルは、教育内容種別がスキルレベルアップ用である場合の教育内容のレベルであり、教育内容種別がスキルレベルアップ用であれば1から5までの整数値が設定され、そうでなければ0が設定されるとよい。小項目IDは、業務項目に紐付く小項目を特定するIDである。削減効果値は、小項目を実施するのに要する作業所要時間の削減度合を示す値であり、例えば、0より大きく1より小さい小数値が設定されるとよい。
【0052】
[教育支援装置の動作]
図15は、システム画面310を示した図である。システム画面310は、最もシンプルな実施例で端末装置300に表示される教育支援システム1のトップ画面である。本画面起動直後には、「お客様」欄311に、データベース200に記憶されたプラント別の生産財機械とユニットとの対応情報(図示せず)に基づいて、プラントの一覧が表示される。そして、プラント毎、生産財機械毎のオーバーホール工事計画の内容及び範囲が表示され、確認可能となる。尚、ここでは、生産財機械を構成するユニットの一覧を含むシステム画面310を表示するようにしたが、これには限らない。例えば、ユニットを構成する主要部位の一覧を含むシステム画面や、主要部位を構成する点検内容の点検箇所に対する処置を含むシステム画面を表示するようにしてもよい。
【0053】
システム画面310で「工事前教育受講」ボタン312が押下されると、教育支援装置100は、第1の教育内容生成ロジックにより業者別の工事前教育の内容を自動生成する。具体的には、教育支援装置100は、システム画面310の「お客様」欄311で選択表示中のプラント及び生産財機械に対する今回のオーバーホール工事計画に関する情報と、工事前教育の内容に関する情報とに基づいて、工事前教育の内容を自動生成する。ここで、今回のオーバーホール工事計画に関する情報とは、工事計画管理DB209であり、工事前教育の内容に関する情報とは、業者スキルレベル管理DB216、作業スキルレベル管理DB217、及び教育内容管理DB218である。
【0054】
図16A及び
図16Bは、第1の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0055】
図16Aに示すように、教育支援装置100では、まず、工事情報取得部102が、今回のオーバーホール工事計画に関する情報群を抽出する(ステップ601)。具体的には、工事情報取得部102は、オーバーホール工事対象を特定する機械ID及びオーバーホール工事を特定する工事IDをキーに、工事計画管理DB209を検索する。そして、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画における作業対象のユニット、主要部位、点検箇所、点検内容に関する情報群を抽出する。
【0056】
次に、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画の業務項目に関する情報群を抽出する(ステップ602)。具体的には、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画での点検箇所及び点検内容群をキーに、業務項目管理DB210を検索し、業務項目に関する情報群を抽出する。
【0057】
次に、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事計画の業務項目毎の工事前教育の内容に関する情報群を抽出する(ステップ603)。具体的には、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目ID群をキーに、教育内容管理DB218を検索し、業務項目毎の工事前教育の内容に関する情報群を抽出する。
【0058】
次に、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事の委託先業者の工事前教育の受講履歴に関する情報群を抽出する(ステップ604)。具体的には、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事の委託先業者を特定する業者IDをキーに、受講履歴管理DB219を検索し、委託先業者の工事前教育の受講履歴に関する情報群を抽出する。
【0059】
そして、教育内容生成部104が、今回のオーバーホール工事の委託先業者の業者スキルレベル(X1)と前回委託時期(X2)とを抽出する(ステップ605)。具体的には、教育内容生成部104は、オーバーホール工事対象を特定する機械ID及びオーバーホール工事の委託先業者を特定する業者IDをキーに、業者スキルレベル管理DB216を検索し、業者スキルレベル(X1)と前回委託時期(X2)とを抽出する。
【0060】
次に、教育内容生成部104は、業務項目毎の作業スキルレベル(Y1)とスキルレベル維持間隔(Y2)とを抽出する(ステップ606)。具体的には、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目ID群をキーに、作業スキルレベル管理DB217を検索し、作業スキルレベル(Y1)とスキルレベル維持間隔(Y2)とを抽出する。
【0061】
次に、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事計画の業務項目を処理対象とする(ステップ607)。具体的には、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目のうち、1つの業務項目を、業務項目IDの昇順で処理対象とする。
【0062】
その後、
図16Bに示すように、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在するか否かを判定する(ステップ621)。具体的には、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目の業務項目IDをキーに、ステップ604で抽出された受講履歴を検索し、この業務項目に対応する受講履歴が存在するか否かを判定する。
【0063】
現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在しない場合、教育内容生成部104は、初学者用、必須実施の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ622)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ603で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1及び第2の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が初学者用であるという条件である。第2の条件は、教育実施条件が必須実施であるという条件である。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ628へ進める。
【0064】
一方、現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在する場合、教育内容生成部104は、前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内であるか否かを判定する(ステップ623)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ604で抽出した受講履歴に含まれる受講時期が、ステップ606で抽出したスキルレベル維持間隔(Y2)以内であるか否かを判定する。
【0065】
前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内である場合、教育内容生成部104は、業者スキルレベル(X1)が作業スキルレベル(Y1)以上であるか否かを判定する(ステップ624)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ605で抽出した業者スキルレベル(X1)が、ステップ606で抽出した作業スキルレベル(Y1)以上であるか否かを判定する。
【0066】
業者スキルレベル(X1)が作業スキルレベル(Y1)以上である場合、教育内容生成部104は、スキルレベルアップ用、必須実施の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ625)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ603で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1乃至第3の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別がスキルレベルアップ用であるという条件である。第2の条件は、教育内容レベルが、業者スキルレベル(X1)以上のグレードのうち最も低いグレードであるという条件である。第3の条件は、教育実施条件が必須実施であるという条件である。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ628へ進める。
【0067】
業者スキルレベル(X1)が作業スキルレベル(Y1)以上でない場合、教育内容生成部104は、必須教育用、必須実施の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ626)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ603で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1及び第2の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が必須教育用であるという条件である。第2の条件は、教育実施条件が必須実施であるという条件である。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ628へ進める。
【0068】
一方、前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内でない場合、教育内容生成部104は、再教育用、必須実施の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ627)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ603で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1及び第2の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が再教育用であるという条件である。第2の条件は、教育実施条件が必須実施であるという条件である。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ628へ進める。
【0069】
次に、教育内容生成部104は、全ての業務項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ628)。全ての業務項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない業務項目がある場合、教育内容生成部104は、処理をステップ607へ戻し、次の業務項目を処理対象とする。
【0070】
ステップ628で全ての業務項目が処理対象とされた場合、画面作成部105が、選定され内部に保持された教育内容に基づいて、システム画面410を作成する(ステップ629)。具体的には、画面作成部105は、ステップ622、ステップ625、ステップ626、ステップ627の何れかで選定され内部に保持された、今回のオーバーホール工事計画での業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面410を作成する。
【0071】
第1の教育内容生成ロジックにより教育内容が自動作成されると、このシステム画面410が端末装置300に表示される。
図17は、システム画面410を示した図である。このシステム画面410は、工事前教育受講のトップ画面である。システム画面410では、区分表「21年度OH」に関する工事前教育の内容が一覧表示されている。また、システム画面410で「テキスト視聴開始」ボタン411が押下されると、対応するテキスト教材情報に基づいて動画教材視聴サイト(一般的なeラーニングシステム)がアクセスされ、テキスト教材が視聴可能となる。更に、システム画面410で「終了テスト開始」ボタン412が押下されると、対応するテスト教材情報に基づいてオンラインテスティングサイト(一般的なeラーニングシステム)がアクセスされ、テスト教材が利用可能となる。動画教材視聴サイトでテキスト教材が全て視聴され、かつオンラインテスティングサイトでテスト教材の学習が終了すると、一般的なeラーニングシステムの受講結果が読み込まれ、受講履歴管理DB219に、受講が終了した教育内容の履歴データが登録される。
【0072】
工事前教育の受講完了後に教育支援システム1が再起動された場合、システム画面340に画面が遷移する。
図18は、システム画面340を示した図である。システム画面340で「工程表起動」ボタン341が押下されると、システム画面340の「お客様」欄342で選択表示中のプラント及び生産財機械に対する区分表毎のシステム画面510に、画面が遷移する。区分表とは、オーバーホール工事計画の内容及び範囲の作成単位のことである。
図19は、システム画面510を示した図である。このシステム画面510は、区分表毎の工程表作成のトップ画面である。システム画面510は、区分表「21年度OH」に関する工程表が既に作成されている場合の画面例である。
【0073】
工事前に、第1の教育内容生成ロジックで自動生成され、システム画面410に一覧表示された全教育内容の受講を完了することが望ましいが、時間的制約等から難しい場合が多い。本実施の形態では、教育実施条件として必須実施が設定されている教育内容のみをシステム画面410に一覧表示し、その教育内容の全ての受講を完了したらシステム画面340に画面遷移可能としてもよい。
【0074】
この場合には、教育実施条件として任意実施が設定されている教育内容の受講が工事前に完了することなく、工事が開始されることとなる。そこで、その教育内容の受講は、第2の教育内容生成ロジック及び第3の教育内容生成ロジックにより、工事開始後に促されることになる。
【0075】
具体的には、教育支援装置100が、システム画面510で選択された作業予定日の業務項目の一覧を含むシステム画面520を端末装置300に表示する。
図20は、システム画面520を示した図である。このシステム画面520では、業務項目毎に「工事前教育受講」ボタン521が表示される。そして、「工事前教育受講」ボタン521が押下されると、教育支援装置100は、第2の教育内容生成ロジックにより、その業務項目に対応する工事前教育の内容を自動生成する。
【0076】
図21A及び
図21Bは、第2の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0077】
図21Aに示すように、教育支援装置100では、まず、工事情報取得部102が、選択中の作業予定日の業務項目毎の工事前教育の内容に関する情報群を抽出する(ステップ701)。具体的には、教育内容生成部104は、選択中の作業予定日の業務項目ID群をキーに、教育内容管理DB218を検索し、業務項目毎の工事前教育の内容に関する情報群を抽出する。
【0078】
次に、工事情報取得部102は、今回のオーバーホール工事の委託先業者の工事前教育の受講履歴に関する情報群を抽出する(ステップ702)。具体的には、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事の委託先業者を特定する業者IDをキーに、受講履歴管理DB219を検索し、委託先業者の工事前教育の受講履歴に関する情報群を抽出する。
【0079】
そして、教育内容生成部104が、今回のオーバーホール工事の委託先業者の業者スキルレベル(X1)と前回委託時期(X2)とを抽出する(ステップ703)。具体的には、教育内容生成部104は、オーバーホール工事対象を特定する機械ID及びオーバーホール工事の委託先業者を特定する業者IDをキーに、業者スキルレベル管理DB216を検索し、業者スキルレベル(X1)と前回委託時期(X2)とを抽出する。
【0080】
次に、教育内容生成部104は、業務項目毎の作業スキルレベル(Y1)とスキルレベル維持間隔(Y2)とを抽出する(ステップ704)。具体的には、教育内容生成部104は、今回のオーバーホール工事計画での業務項目ID群をキーに、作業スキルレベル管理DB217を検索し、作業スキルレベル(Y1)とスキルレベル維持間隔(Y2)とを抽出する。
【0081】
次に、教育内容生成部104は、選択中の作業予定日の業務項目を処理対象とする(ステップ705)。具体的には、教育内容生成部104は、選択中の作業予定日の業務項目のうち、1つの業務項目を、業務項目IDの昇順で処理対象とする。
【0082】
その後、
図21Bに示すように、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在するか否かを判定する(ステップ721)。具体的には、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目の業務項目IDをキーに、ステップ702で抽出された受講履歴を検索し、この業務項目に対応する受講履歴が存在するか否かを判定する。
【0083】
現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在しない場合、教育内容生成部104は、初学者用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ722)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ701で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が初学者用であるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ727へ進める。
【0084】
一方、現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在する場合、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目に対する教育を、今回の工事前に受講済であるか否かを判定する(ステップ723)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ702で抽出した受講履歴に含まれる工事IDが、今回の工事の工事IDであるか否かを判定する。或いは、教育内容生成部104は、ステップ702で抽出した受講履歴に含まれる受講時期が、予め定められた工事前の期間内にあるか否かを判定してもよい。
【0085】
現在の処理対象の業務項目に対する教育を、今回の工事前に受講済でない場合、教育内容生成部104は、前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内であるか否かを判定する(ステップ724)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ702で抽出した受講履歴に含まれる受講時期が、ステップ704で抽出したスキルレベル維持間隔(Y2)以内であるか否かを判定する。
【0086】
前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内である場合、教育内容生成部104は、必須教育用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ725)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ701で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が必須教育用であるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ727へ進める。
【0087】
前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内でない場合、教育内容生成部104は、再教育用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ726)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ701で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が再教育用であるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ727へ進める。
【0088】
一方、現在の処理対象の業務項目に対する教育を、今回の工事前に受講済である場合、教育内容生成部104は、教育内容を選定することなく、処理をステップ727へ進める。
【0089】
次に、教育内容生成部104は、全ての業務項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ727)。全ての業務項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない業務項目がある場合、教育内容生成部104は、処理をステップ705へ戻し、次の業務項目を処理対象とする。
【0090】
ステップ727で全ての業務項目が処理対象とされた場合、画面作成部105が、選定され内部に保持された教育内容に基づいて、システム画面420a~420cを作成する(ステップ728)。具体的には、画面作成部105は、ステップ722で選定され内部に保持された、選択中の作業予定日の業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面420aを作成する。また、画面作成部105は、ステップ725で選定され内部に保持された、選択中の作業予定日の業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面420bを作成する。更に、画面作成部105は、ステップ726で選定され内部に保持された、選択中の作業予定日の業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面420cを作成する。
【0091】
第2の教育内容生成ロジックにより教育内容が自動作成されると、このシステム画面420a~420cが端末装置300に表示される。
図22A~
図22Cは、それぞれ、システム画面420a~420cを示した図である。このシステム画面420a~420cでも工事前教育が受講可能となる。尚、システム画面420aは、業者が、ある業務項目の工事前教育を未受講で、初めてその業務項目を実施する場合のシステム画面である。システム画面420bは、業者が、ある業務項目の工事前教育を未受講で、所定期間内にその業務項目を再実施する場合のシステム画面である。システム画面420cは、業者が、ある業務項目の工事前教育を未受講で、所定期間経過後にその業務項目を再実施する場合のシステム画面である。
【0092】
また、
図19のシステム画面510から、作業実施後、作業日の作業実績を業務項目の小項目単位で登録するためのシステム画面530に画面が遷移する。
図23は、システム画面530を示した図である。このシステム画面530では、「工事前教育受講」ボタン531が表示される。そして、「工事前教育受講」ボタン531が押下されると、教育支援装置100は、第3の教育内容生成ロジックにより、その業務項目に対応する工事前教育の内容を自動生成する。
【0093】
図24A及び
図24Bは、第3の教育内容生成ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0094】
図24Aに示すように、教育支援装置100では、工事情報取得部102が、ステップ801及び802の処理を実行する。ステップ801及び802の処理は、
図21Aのステップ701及び702の処理と同じなので、説明を省略する。
【0095】
そして、教育支援装置100では、教育内容生成部104が、ステップ803~805の処理を実行する。ステップ803~805の処理は、
図21Aのステップ703~705の処理と同じなので、説明を省略する。
【0096】
その後、
図24Bに示すように、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在するか否かを判定する(ステップ821)。具体的には、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目の業務項目IDをキーに、ステップ802で抽出された受講履歴を検索し、この業務項目に対応する受講履歴が存在するか否かを判定する。
【0097】
現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在しない場合、教育内容生成部104は、必須教育用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ822)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ801で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が必須教育用であるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ828へ進める。
【0098】
一方、現在の処理対象の業務項目に対する受講履歴が存在する場合、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目に対する教育を、今回の工事前に受講済であるか否かを判定する(ステップ823)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ802で抽出した受講履歴に含まれる工事IDが、今回の工事の工事IDであるか否かを判定する。或いは、教育内容生成部104は、ステップ802で抽出した受講履歴に含まれる受講時期が、予め定められた工事前の期間内にあるか否かを判定してもよい。
【0099】
現在の処理対象の業務項目に対する教育を、今回の工事前に受講済でない場合、教育内容生成部104は、前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内であるか否かを判定する(ステップ824)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ802で抽出した受講履歴に含まれる受講時期が、ステップ804で抽出したスキルレベル維持間隔(Y2)以内であるか否かを判定する。
【0100】
前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内である場合、教育内容生成部104は、必須教育用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ825)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ801で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が必須教育用であるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ828へ進める。
【0101】
前回の受講時期が、スキルレベル維持間隔(Y2)以内でない場合、教育内容生成部104は、再教育用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ826)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ801で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別が再教育用であるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ828へ進める。
【0102】
一方、現在の処理対象の業務項目に対する教育を、今回の工事前に受講済である場合、教育内容生成部104は、スキルレベルアップ用の教育内容を選定し、内部に保持する(ステップ827)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ801で抽出した工事前教育の内容に関する情報群のうち、現在の処理対象の業務項目に対する教育内容であって、第1乃至第3の条件を満たす教育内容を選定し、内部に保持する。ここで、第1の条件は、教育内容種別がスキルレベルアップ用であるという条件である。第2の条件は、教育内容レベルが、業者スキルレベル(X1)以上のグレードのうち最も低いグレードであるという条件である。尚、教育実施条件による制限は設けないものとする。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ828へ進める。
【0103】
次に、教育内容生成部104は、全ての業務項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ828)。全ての業務項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない業務項目がある場合、教育内容生成部104は、処理をステップ805へ戻し、次の業務項目を処理対象とする。
【0104】
ステップ828で全ての業務項目が処理対象とされた場合、画面作成部105が、選定され内部に保持された教育内容に基づいて、システム画面430a~430cを作成する(ステップ829)。具体的には、画面作成部105は、ステップ822又はステップ825で選定され内部に保持された、選択中の作業予定日の業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面430aを作成する。また、画面作成部105は、ステップ826で選定され内部に保持された、選択中の作業予定日の業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面430bを作成する。更に、画面作成部105は、ステップ827で選定され内部に保持された、選択中の作業予定日の業務項目毎の教育内容に関する情報群に基づいて、システム画面430cを作成する。
【0105】
第3の教育内容生成ロジックにより教育内容が自動作成されると、このシステム画面430a~430cが端末装置300に表示される。
図25A~
図25Cは、それぞれ、システム画面430a~430cを示した図である。このシステム画面430a~430cでも工事前教育が受講可能となる。尚、システム画面430aは、業者が、ある業務項目の工事前教育を未受講で、初めてその業務項目を実施した場合のシステム画面である。システム画面430bは、業者が、ある業務項目の工事前教育を未受講で、その業務項目を再実施した場合のシステム画面である。システム画面430cは、業者が、ある業務項目の工事前教育を受講しており、その業務項目を再実施した場合のシステム画面である。
【0106】
本実施の形態が想定する生産財機械のオーバーホール工事では、天候等の事由により、計画された作業予定日に工事を実施できない場合も想定される。そこで、工事を実施できない日に、
図20のシステム画面520により工事前教育を受講させることができる。また、一般に、工事の作業時間は長めに設定される場合が多いので、工事は順調に進むと予定より早く終了する場合も考えられる。そのような場合に、
図23のシステム画面530により工事前教育を受講させることができる。作業日の工事内容が作業途中で終了した場合、工事前教育の実施により作業内容の手順確認ができ、翌日の作業の生産性及び効率性が高められることが期待できる。
【0107】
更に、第1の教育内容生成ロジック及び第3の教育内容生成ロジックでは、業者スキルレベルと業務項目毎の作業スキルレベルとから、業者スキルレベルを高めるための教育内容を効果的に提示し受講させるようにしている。これにより、委託先業者の作業生産性及び効率性を更に高められることが期待できる。
【0108】
このように委託先業者の作業生産性及び効率性を高められるので、教育支援装置100は、作業所要時間補正ロジックにより作業所要時間を補正することもできる。
【0109】
図26A及び
図26Bは、作業所要時間補正ロジックの流れを示したフローチャートである。
【0110】
図26Aに示すように、教育支援装置100では、工事情報取得部102が、ステップ901~904の処理を実行する。ステップ901~904の処理は、
図16Aのステップ601~604の処理と同じなので、説明を省略する。
【0111】
そして、教育支援装置100では、教育内容生成部104が、ステップ905~907の処理を実行する。ステップ905~907の処理は、
図16Aのステップ605~607の処理と同じなので、説明を省略する。
【0112】
その後、
図26Bに示すように、教育内容生成部104は、教育内容種別がスキルレベルアップ用の受講履歴が存在するか否かを判定する(ステップ921)。具体的には、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目の業務項目IDをキーに、ステップ904で抽出された受講履歴を検索し、この業務項目に対応し、かつ、教育内容種別がスキルレベルアップ用である受講履歴が存在するか否かを判定する。
【0113】
教育内容種別がスキルレベルアップ用の受講履歴が存在する場合、教育内容生成部104は、受講履歴から、最大教育内容レベルの累積受講回数及び直近の受講時期を算出する(ステップ922)。具体的には、教育内容生成部104は、最大教育内容レベルを含む受講履歴の数を、最大教育内容レベルの累積受講回数とする。また、最大教育内容レベルを含む受講履歴における受講時期を、最大教育内容レベルの直近の受講時期とする。
【0114】
次に、教育内容生成部104は、累積受講回数が基準回数以上であり、かつ、直近の受講時期からの間隔が基準間隔以下である、という条件が満たされているか否かを判定する(ステップ923)。この場合、教育内容生成部104は、基準回数及び基準間隔として、例えば、
図27に示すような対応情報で最大教育内容レベルに対応付けられた値を用いればよい。
【0115】
累積受講回数が基準回数以上であり、かつ、直近の受講時期からの間隔が基準間隔以下である、という条件が満たされている場合、教育内容生成部104は、小項目群の削減効果値を抽出し、内部に保持する(ステップ924)。具体的には、教育内容生成部104は、現在の処理対象の業務項目に紐付く小項目ID群をキーに、削減効果管理DB220を検索し、その小項目群の削減効果値を抽出し、内部保持する。そして、教育内容生成部104は、処理をステップ925へ進める。
【0116】
累積受講回数が基準回数以上であり、かつ、直近の受講時期からの間隔が基準間隔以下である、という条件が満たされていない場合、教育内容生成部104は、小項目群の削減効果値を抽出することなく、処理をステップ925へ進める。
【0117】
ステップ921で教育内容種別がスキルレベルアップ用の受講履歴が存在しない場合も、教育内容生成部104は、小項目群の削減効果値を抽出することなく、処理をステップ925へ進める。
【0118】
次に、教育内容生成部104は、全ての業務項目を処理対象としたか否かを判定する(ステップ925)。全ての業務項目を処理対象としていない場合、つまり、処理対象としていない業務項目がある場合、教育内容生成部104は、処理をステップ907へ戻し、次の業務項目を処理対象とする。
【0119】
ステップ925で全ての業務項目が処理対象とされた場合、教育内容生成部104は、抽出されて内部に保持された削減効果値に基づいて、工程表作成部103で用いられる新たな作業所要時間を算出する(ステップ926)。具体的には、教育内容生成部104は、ステップ924で削減効果値が内部に保持された業務項目の小項目群について、「新たな作業所要時間=現在の作業所要時間×(1-削減効果値)」を計算することにより、新たな作業所要時間を算出する。
【0120】
これにより、作業所要時間バッファを最小化した最適な工程表を作成可能となり、工程表作成システムと組み合わせることで、工期内に、委託先業者によるオーバーホール工事が確実に遂行可能となることも期待できる。
【0121】
[まとめ]
本実施の形態では、委託先業者に対して効果的に工事前教育を実施することが可能となった。その結果、プラント停止期間内に、オーバーホール工事を、安定的かつ無駄なく、つまり、不要なコストを最小にして、遂行可能となる効果が期待される。
【符号の説明】
【0122】
1…教育支援システム、100…教育支援装置、101…受信部、102…工事情報取得部、103…工程表作成部、104…教育内容生成部、105…画面作成部、106…送信部、200…データベース、300…端末装置