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特開2024-32281取引装置、取引システム、端末装置、取引方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032281
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】取引装置、取引システム、端末装置、取引方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240305BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135857
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 賢次
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】設置スペース及びシステムコストを低減することが可能な取引装置、取引システム、端末装置、取引方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】取引システムは、帳票をカメラで撮影して得られた帳票画像データを受信する受信部と、受信した帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成する取引データ生成部T6と、取引データに基づく取引処理を実行する取引実行部T8と、取引実行部で実行された取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成する取引状況情報生成部T9と、帳票画像データ、取引データ及び取引状況情報を対応付けて格納する記憶部T2,T10と、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票による取引の依頼を受け付ける取引装置であって、
前記帳票をカメラで撮影して得られた帳票画像データを受信する受信部と、
受信した前記帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成する取引データ生成部と、
前記取引データに基づく取引処理を実行する取引実行部と、
前記取引実行部で実行された前記取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成する取引状況情報生成部と、
前記帳票画像データ、前記取引データ及び前記取引状況情報を対応付けて格納する記憶部と、を含むことを特徴とする取引装置。
【請求項2】
外部から送信された取引状況照会指令を受信した場合に、前記記憶部に記憶されている前記取引状況情報を前記取引状況照会指令の送信元に送信する取引状況送信部を含むことを特徴とする請求項1に記載の取引装置。
【請求項3】
帳票による取引の依頼を受ける端末装置と、取引処理を行う取引装置と、を含む取引システムであって、
前記端末装置は、
前記帳票をカメラで撮影して帳票画像データを取得する帳票画像データ取得部と、
前記帳票画像データを前記取引装置に送信する帳票画像送信部と、を含み、
前記取引装置は、
前記帳票画像データを受信する受信部と、
受信した前記帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成する取引データ生成部と、
前記取引データに基づく取引処理を実行する取引実行部と、
前記取引実行部で実行された前記取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成する取引状況情報生成部と、
前記帳票画像データ、前記取引データ及び前記取引状況情報を対応付けて格納する記憶部と、を含むことを特徴とする取引システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
ユーザによる取引状況確認の操作を受けた場合に取引状況照会指令を前記取引装置に送信する取引状況照会指令送信部と、
前記取引装置から送信された前記取引状況情報を受信した場合には、受信した前記取引状況情報を告知する告知部と、を含み、
前記取引装置は、
前記取引状況照会指令を受信した場合に前記記憶部に記憶されている前記取引状況情報を前記端末装置に送信する取引状況送信部を含むことを特徴とする請求項3に記載の取引システム。
【請求項5】
前記端末装置は前記カメラを内蔵する、少なくとも1つのタブレット端末であることを特徴とする請求項3又は4に記載の取引システム。
【請求項6】
帳票による取引の依頼を受け付ける取引方法であって、
前記帳票をカメラで撮影して帳票画像データを取得するステップと、
前記帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成するステップと、
前記取引データに基づく取引処理を実行するステップと、
前記取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成するステップと、
前記帳票画像データ、前記取引データ及び前記取引状況情報を対応付けて記憶するステップと、を含むことを特徴とする取引方法。
【請求項7】
帳票による取引の依頼を受け付ける端末装置であって、
前記帳票をカメラで撮影して帳票画像データを取得する帳票画像データ取得部と、
前記帳票画像データを、取引処理を行う取引装置に送信する帳票画像送信部と、を有することを特徴とする端末装置。
【請求項8】
ユーザによる取引状況確認の操作を受け付ける操作部と、
前記操作部が前記取引状況確認の操作を受けた場合に、取引状況照会指令を前記取引装置に向けて送信する取引状況照会指令送信部と、
前記取引状況照会指令に応じて前記取引装置が送信した取引の進捗状況を表す取引状況情報を受信した場合には、受信した前記取引状況情報を告知する告知部と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記端末装置は前記カメラを内蔵するタブレット端末であることを特徴とする請求項7又は8に記載の端末装置。
【請求項10】
カメラを搭載しており帳票による取引の依頼を受け付ける端末装置が実行するプログラムであって、
前記帳票を前記カメラで撮影した帳票画像データを取得する帳票画像データ取得ステップと、
前記帳票画像データを、取引処理を行う取引装置に送信する帳票画像送信ステップと、を有することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引装置、取引システム、特に帳票に基づく取引を行う取引システム、帳票を受け付ける端末装置、取引方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関では、伝票などの帳票を受付、当該帳票に記載された内容に従った金融取引を行うサービスが行われている。このような金融取引を行う取引システムとして、金融機関に設置されている端末に接続されているスキャナで、顧客の取引依頼内容を記入した紙媒体としての帳票を読み込み、その読み取られた帳票に従って決済を実施する取引システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-196524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した取引システムでは、端末毎に専用のスキャナが接続されているので、スキャナの為の設置スペースが必要になるという問題が生じる。尚、当該スキャナを端末内に設置することもできるが、この場合、端末の表面に帳票を挿入する為の挿入口、及びこの挿入口からスキャナ部へ帳票を搬送するローディング機構が必要となり、システムコストが増加するという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、設置スペース及びシステムコストを抑えることが可能な取引装置、取引システム、端末装置、取引方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る取引装置は、帳票による取引の依頼を受け付ける取引装置であって、前記帳票をカメラで撮影して得られた帳票画像データを受信する受信部と、受信した前記帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成する取引データ生成部と、前記取引データに基づく取引処理を実行する取引実行部と、前記取引実行部で実行された前記取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成する取引状況情報生成部と、前記帳票画像データ、前記取引データ及び前記取引状況情報を対応付けて格納する記憶部と、を含む。
【0007】
本発明に係る取引システムは、帳票による取引の依頼を受ける端末装置と、取引処理を行う取引装置と、を含む取引システムであって、前記端末装置は、前記帳票をカメラで撮影して帳票画像データを取得する帳票画像データ取得部と、前記帳票画像データを前記取引装置に送信する帳票画像送信部と、を含み、前記取引装置は、前記帳票画像データを受信する受信部と、受信した前記帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成する取引データ生成部と、前記取引データに基づく取引処理を実行する取引実行部と、前記取引実行部で実行された前記取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成する取引状況情報生成部と、前記帳票画像データ、前記取引データ及び前記取引状況情報を対応付けて格納する記憶部と、を含む。
【0008】
本発明に係る取引方法は、帳票による取引の依頼を受け付ける取引方法であって、前記帳票をカメラで撮影して帳票画像データを取得するステップと、前記帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成するステップと、前記取引データに基づく取引処理を実行するステップと、前記取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成するステップと、前記帳票画像データ、前記取引データ及び前記取引状況情報を対応付けて記憶するステップと、を含む。
【0009】
本発明に係る端末装置は、帳票による取引の依頼を受け付ける端末装置であって、前記帳票をカメラで撮影して帳票画像データを取得する帳票画像データ取得部と、前記帳票画像データを、取引処理を行う取引装置に送信する帳票画像送信部と、を有する。
【0010】
本発明に係るプログラムは、
カメラを搭載しており帳票による取引の依頼を受け付ける端末装置が実行するプログラムであって、前記帳票を前記カメラで撮影した帳票画像データを取得する帳票画像データ取得ステップと、前記帳票画像データを、取引処理を行う取引装置に送信する帳票画像送信ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、紙媒体としての帳票を端末装置に搭載されているカメラで撮影して得た画像データをこの端末装置から取引装置に送信することで、帳票に基づく取引を受けるようにしている。
【0012】
これにより、端末装置にスキャナを接続し、このスキャナで帳票を取り込む従来の取引システムに比べて、設置スペース及びシステムコストを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る情報処理システムの一例としての取引システム100の全体構成を示すブロック図である。
図2】タブレット端末10の前面を概略的に表す正面図である。
図3】タブレット端末10の撮影対象となる帳票FMの一例を示す図である。
図4】タブレット端末10に表示される取引受付操作画像の一例を示す図である。
図5】取引システム100内で行われる第1の通信フローを示す図である。
図6】マルチイメージサーバ11の記憶装置DBxに格納される格納内容の一例を示す図である。
図7】取引システム100内で行われる第2の通信フローを示す図である。
図8】タブレット端末10の内部構成の一例を示すブロック図である。
図9】取引エントリプログラムによる取引エントリ処理手順を示すフローチャートである。
図10】取引状況確認プログラムによる取引状況確認処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る取引システム100の全体構成を示すブロック図である。
【0015】
取引システム100は、取引を依頼するための必要事項が記入されている、例えば振込依頼書、振替依頼書、入金依頼書又は出金依頼書のような紙媒体としての帳票を受け付け、この帳票による依頼の内容に従った取引処理を実施するものである。
【0016】
取引システム100は、帳票による取引の依頼を受け付けるタブレット端末10と、マルチイメージサーバ11、文字認識サーバ12、勘定系端末13及びホスト14からなる取引装置と、を含む。
【0017】
タブレット端末10は、カメラ及び無線通信機能を搭載した、行員専用の携帯型の端末である。尚、図1に示す一例では、1台のタブレット端末10を表しているが、複数台であっても良い。
【0018】
図2は、タブレット端末10の前面を概略的に表す正面図である。
【0019】
図2に示すように、タブレット端末10の前面には、タッチパネルが全面に貼付された画像表示面DSPが設けられており、裏面にはカメラのレンズLZが設置されている。
【0020】
尚、図2では、画像表示面DSPには、初期画像として、レンズLZを介した画像が表示されるモニタ領域MA、並びに夫々が操作ボタンとして機能する撮影ボタンKs及び完了ボタンKfが表示されている。
【0021】
タブレット端末10を所持する行員は、顧客から提出された少なくとも1枚の帳票をこのタブレット端末10で撮影する。例えば、行員は、タブレット端末10のレンズLZを、例えば図3に示す払込取扱票のような帳票FMに向け、その帳票FMに記載の内容が全てモニタ領域MAに表示されたら、図2に示す撮影ボタンKsを押圧することで静止画としての帳票FMを撮影する。尚、帳票FMが複数ある場合には、行員は、同様な方法で残りの帳票を1枚ずつ順に撮影する。
【0022】
そして、全ての帳票FMの撮影が終了すると、行員は、図2に示す完了ボタンKfを押圧する。これにより、タブレット端末10の画像表示面DSPの表示画像が、例えば図4に示すような取引受付操作画像に切り替わる。
【0023】
図4に示す一例では、行員によって3枚の帳票FMを撮影して得られた3つの帳票画像A~Cが、3つの帳票画像領域Arに夫々個別に表示される。更に、帳票画像領域Ar各々の右横には、その帳票画像領域Arに表示されている帳票における現時点での取引状況を文字で表示させるための取引状況表示領域Atと、操作ボタンとして機能するエントリ開始ボタンKe又は取引状況確認ボタンKvと、が並置して表示されている。
【0024】
尚、各取引状況表示領域Atの右横に並置する操作ボタンとして、エントリ開始ボタンKe及び取引状況確認ボタンKvのうちのいずれが表示されるのかは、帳票画像領域Arに表示されている帳票による取引がエントリ済みであるか否かによる。
【0025】
例えば図4に示す取引受付操作画像が表示されている段階では、帳票画像Aに対応した帳票による取引がエントリされていないので、帳票画像Aの右横にはエントリ開始ボタンKeが表示される。一方、帳票画像B及びCに夫々対応した帳票による取引は夫々エントリ済みであるので、帳票画像B及びC各々の右横には取引状況確認ボタンKvが表示される。つまり、行員が図4に示す帳票画像Aの右横に並置されているエントリ開始ボタンKeを押圧すると、帳票画像Aに対応した帳票による取引がエントリされ、その後、エントリ開始ボタンKeか取引状況確認ボタンKvの表示に切り替わる。
【0026】
以下に、撮影ボタンKs、エントリ開始ボタンKe、取引状況確認ボタンKvの押圧操作に応じて、タブレット端末10、マルチイメージサーバ11、文字認識サーバ12、勘定系端末13及びホスト14よって実行される動作について、図5及び図7に示す通信フローに沿って詳細に説明する。
【0027】
先ず、行員が、タブレット端末10のレンズLZを帳票に向けた状態で図2に示す撮影ボタンKsを押圧すると、タブレット端末10は、この帳票を撮影して得られた帳票画像データを取得する(ステップT0)。
【0028】
次に、行員が、タブレット端末10の画像表示面DSPに表示されている図4に示す取引受付操作画像中から、帳票画像Aに対応した帳票の取引エントリを行うべく、エントリ開始ボタンKeを押圧する。
【0029】
すると、図5に示すように、タブレット端末10は、この帳票画像Aを表す画像データにユニークな受付番号を付与した帳票画像データをマルチイメージサーバ11に無線送信する(ステップT1)。これにより、タブレット端末10は、マルチイメージサーバ11、勘定系端末13及びホスト14に対して、撮影した帳票画像による取引のエントリを行う。
【0030】
マルチイメージサーバ11は、タブレット端末10から無線送信された帳票画像データを受信すると、この帳票画像データを文字認識サーバ12に転送する。更にマルチイメージサーバ11は、当該帳票画像データに含まれる受付番号及び帳票画像を表すデータを図6に示すように対応付けして、自身の記憶装置DBxに格納する(ステップT2)。
【0031】
マルチイメージサーバ11から転送された帳票画像データを受信すると、文字認識サーバ12は、当該帳票画像データにて示される帳票画像に対して文字認識処理を施す(ステップT3)。文字認識サーバ12は、当該文字認識処理により、帳票画像中に含まれる文字を表す文字コードからなる文字認識結果(例えばテキストデータ)を得て、これをマルチイメージサーバ11に送信する(ステップT4)。
【0032】
ここで、文字認識サーバ12から送信された文字認識結果を受信すると、マルチイメージサーバ11は、図6に示すように受付番号に対応付けしてこの文字認識結果を記憶装置DBxに格納する(ステップT5)。マルチイメージサーバ11は、この文字認識結果に基づき、上記したようにタブレット端末10で撮影された帳票による取引の依頼内容を表す取引データを生成し、これを勘定系端末13に送信する(ステップT6)。
【0033】
勘定系端末13が取引データを受信すると、勘定系端末13のオペレータがその内容を校正した適正な取引データを、自身の記憶装置DByに格納すると共にマルチイメージサーバ11及びホスト14に送信する(ステップT7)。ここで、勘定系端末13から送信された取引データを受信すると、ホスト14は、その内容に従った取引処理、例えば金銭の振り込み、引き出し、又は預け入れ等を行う(ステップT8)。
【0034】
ここで、勘定系端末13は、ホスト14による取引処理が完了しているのか、又は取引処理中であるのか、或いは取消されたのか等の取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成し、これをマルチイメージサーバ11に送信する(ステップT9)。
【0035】
マルチイメージサーバ11は、勘定系端末13から送信された取引データ及び取引状況情報を受信すると、図6に示すように、取引データ及び取引状況情報を受付番号に対応付けして自身の記憶装置DBxに格納する(ステップT10)。
【0036】
その後、行員(ユーザ)が、図4に示すようにタブレット端末10の画像表示面DSPに表示されている帳票画像Bに対応した帳票の取引状況を確認すべく、取引状況確認ボタンKvを押圧する。
【0037】
すると、図7に示すように、タブレット端末10は、帳票画像Bに対応した受付番号を示す取引状況照会指令をマルチイメージサーバ11に無線送信する(ステップT21)。
【0038】
タブレット端末10から送信された取引状況照会指令を受信したマルチイメージサーバ11は、この取引状況照会指令にて示される受付番号に対応付けして図6に示されるように記憶装置DBxに格納されている取引状況情報を読み出す(ステップT22)。そして、マルチイメージサーバ11は、この取引状況情報をタブレット端末10に無線送信する(ステップT23)。
【0039】
マルチイメージサーバ11から送信された取引状況情報を受信したタブレット端末10は、図4に示すように、上記した受付番号に対応した帳票画像が表示されている帳票画像領域Arに並置された取引状況表示領域Atに、上記取引状況情報にて示される内容を文字表示する(ステップT24)。
【0040】
上記したように、取引システム100では、帳票による取引の依頼を受け付け、当該帳票に記入された内容の取引処理を行うにあたり、タブレット端末10に内蔵のカメラで帳票を撮影して得られた帳票画像データで取引の依頼を行えるようにしている。
【0041】
これにより、端末に接続されているスキャナで帳票を取り込むようにした従来の取引システムに比べて、設置スペース及びシステムコストを抑えることが可能となる。また、行員によるタブレット端末10の操作(取引状況確認ボタンKvの押圧)により、現時点での取引の状況、つまり取引が完了しているのか否かを知るとこが可能となる。
【0042】
更に、取引システム100では、帳票画像データにて示される帳票画像から帳票に記載されている文字を認識するための文字認識処理をタブレット端末10ではなく、取引装置側の文字認識サーバ12で実施しているので、タブレット端末10の処理負荷の低減が可能となる。
【0043】
尚、上記した実施例では、帳票画像データを受けて取引処理を行う取引装置を、マルチイメージサーバ11、文字認識サーバ12、勘定系端末13及びホスト14で構成しているが、当該取引装置としては、以下の受信部、取引データ生成部、取引実行部、取引状況情報生成部及び記憶部を含むものであれば良い。
【0044】
すなわち、受信部(11、12)は、帳票をカメラで撮影して得られた帳票画像データを受信する。取引データ生成部(11、T6)は、受信した帳票画像データに基づき取引の内容を表す取引データを生成する。取引実行部(14、T8)は、取引データに基づく取引処理を実行する。取引状況情報生成部(13、T9)は、取引実行部で実行された取引処理の進捗状況を示す取引状況情報を生成する。記憶部(11、DBx、T2、T10)は、帳票画像データ、取引データ及び取引状況情報を対応付けて格納する。
【0045】
また、上記実施例では、専用のタブレット端末10で帳票の撮影及び送信を行っているが、市販のタブレット端末や、スマートフォン、或いはノートPCのようなカメラ及びこのカメラで撮影して得られた帳票画像データを送信する通信機能を備えた端末装置であればよい。
【0046】
以下に、タブレット端末10について更に詳細に説明する。
【0047】
図8は、タブレット端末10の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図8に示すように、タブレット端末10は、表示部61、コマンド検知回路62、カメラ63及び通信回路64、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)70、ROM(Read Only Memory)71及びRAM(Random Access Memory)72を含む。
【0049】
表示部61は、図2に示す画像表示面DSPを有し、CPU70による制御に従って、例えば図1に示す初期画像又は図4に示す取引受付操作画像を画像表示面DSPに表示させる。更に、表示部61の画像表示面DSP上には、この画像表示面DSPを一様に覆うタッチパネル(図示せず)が設置されている。
【0050】
コマンド検知回路62は、このタッチパネルが押圧された場合に、その押圧された画像表示面DSP上の領域に表示されているボタン(例えばKs、Kf、Ke、Kv)対応したコマンドを検知し、当該コマンドを表す各種の操作信号をCPU70又はカメラ63に供給する。
【0051】
すなわち、コマンド検知回路62は、表示部61の画像表示面DSPに図4に示す取引受付操作画像が表示されている際に、エントリ開始ボタンKeが押圧されるとエントリ開始操作信号ENをCPU70に供給する一方、取引状況確認ボタンKvが押圧されると取引状況確認操作信号TSをCPU70に供給する。
【0052】
また、コマンド検知回路62は、表示部61の画像表示面DSPに図2に示す初期画像が表示されている際に、完了ボタンKfが押圧されると画像切替信号SCをCPU70に供給する一方、撮影ボタンKsが押圧されると撮影実行信号EXをカメラ63に供給する。
【0053】
カメラ63は、撮影実行信号EXに応じてレンズLZに映る景色(帳票)を撮影して得られた帳票画像データをRAM72に記憶させる。
【0054】
通信回路64は、CPU70による制御に従って、マルチイメージサーバ11やインターネット網との無線通信を確立する。
【0055】
ROM71には、タブレット端末10を制御するためのメインプログラム、画像切替を行う画像切替プログラム、帳票による取引のエントリを開始させる取引エントリプログラム、及び取引状況の確認を行う取引状況確認プログラムが格納されている。
【0056】
RAM72は、前述したようにカメラ63から供給された帳票画像データを直接記憶すると共に、CPU70による制御に従って当該帳票画像データの読出し、並びに各種情報データの記憶及び読み出しを行う。
【0057】
CPU70は、ROM71に格納されているメインプログラムを実行することで、表示部61、カメラ63、通信回路64及びRAM72を制御する。
【0058】
更に、CPU70は、当該メインプログラムの実行中に、画像切替信号SC、エントリ開始操作信号EN又は取引状況確認操作信号TS等のコマンドを受けると、ROM71に格納されている各コマンドに対応したプログラムに従った制御を実行する。
【0059】
例えば、画像切替信号SCを受けた場合、CPU70は、メインプログラムを抜けてROM71に格納されている画像切替プログラムに従った処理に移行する。すなわち、CPU70は、表示部61の画像表示面DSPに表示中の初期画像(図2)を、取引受付操作画像(図4)に切り替える制御を表示部61に施す。その後、CPU70は、メインプログラムの実行に戻る。
【0060】
また、エントリ開始操作信号ENを受けた場合、CPU70は、メインプログラムを抜けてROM71に格納されている取引エントリプログラムに従った処理に移行する。
【0061】
図9は、取引エントリプログラムによる取引エントリ処理手順を示すフローチャートである。
【0062】
図9に示すように、CPU70は、先ず、エントリ開始操作信号ENの発令元のエントリ開始ボタンKeに対応した、エントリ開始対象となる帳票を表す帳票画像データをRAM72から読み出す(ステップS11)。次に、CPU70は、ユニークな受付番号を発行し(ステップS12)、当該受付番号を帳票画像データに付加したものをマルチイメージサーバ11に無線送信させるべく通信回路64を制御する(ステップS13)。ステップS13の実行後、CPU70は、メインプログラムの実行に戻る。
【0063】
かかる取引エントリプログラムの実行により、タブレット端末10は、図5に示すステップT1を行う。
【0064】
また、取引状況確認操作信号TSを受けた場合、CPU70は、メインプログラムを抜けてROM71に格納されている取引状況確認プログラムに従った処理に移行する。
【0065】
図10は、取引状況確認プログラムによる取引状況確認処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図10に示すように、CPU70は、先ず、取引状況確認操作信号TSの発令元の取引状況確認ボタンKvに対応した、確認対象となる受付番号を含む取引状況照会指令をマルチイメージサーバ11に無線送信させるべく通信回路64を制御する(ステップS21)。ここで、取引状況照会指令を受信したマルチイメージサーバ11は、図7に示すステップT22及びT23により、取引状況情報をタブレット端末10に無線送信する。
【0067】
ステップS21の実行後、CPU70は、通信回路64が取引状況情報を受信したか否かの判定を行う(ステップS22)。
【0068】
ステップS22において、取引状況情報を受信したと判定した場合、CPU70は、通信回路64を介して取引状況情報を取り込む(ステップS23)。そして、CPU70は、確認対象の受付番号に対応した図4に示す取引状況表示領域Atに、取引状況情報にて示される取引の進捗状況(取引完了、取引処理中、取引取消し)を示す文字表示を行わせるべく表示部61を制御する(ステップS24)。尚、ステップS24では、取引状況情報の内容を示す文字列を表示部61に表示させることで、取引の進捗状況を告知しているが、この取引状況情報の内容を、タブレット端末10に内蔵のスピーカ又はイヤフォンを介して音声で告知するようにしても良い。
【0069】
ステップS24の実行後、CPU70は、メインプログラムの実行に戻る。
【0070】
要するに、タブレット端末10としては、以下の帳票画像データ取得部、帳票画像送信部、操作部、取引状況照会指令送信部、及び告知部を含むものであれば良い。
【0071】
帳票画像データ取得部(T0)は、帳票をカメラ(63)で撮影して帳票画像データを取得する。帳票画像送信部(64、T1、S13)は、取得した帳票画像データを、取引処理を行う取引装置(11、12)に送信する。操作部(Kv)は、ユーザによる取引状況確認の操作を受け付ける。取引状況照会指令送信部(64、T21、S21)は、操作部が取引状況確認の操作を受けた場合に、取引状況照会指令を取引装置に向けて送信する。告知部(DSP)は、取引状況照会指令に応じて取引装置が送信した取引の進捗状況を表す取引状況情報を受信した場合に、この取引状況情報をユーザに告知する。
【0072】
尚、上記した実施例では、帳票のエントリをタブレット端末10で行う際のシステム構成について説明したが、当該タブレット端末10以外の端末、例えば各種の事務処理を行う事務集中センタ(図示せず)に設置された情報処理端末でエントリを行うようにしても良い。この際、タブレット端末10は、適宜、情報処理端末のエントリの処理状況に基づいて、自身の表示部の表示内容を制御してもよい。例えば、図4に示す取引状況表示領域Atに、「エントリ中」、「エントリ済み」、「ホスト送信済み」、「照会中」等の処理状況を表すテキストを表示してもよい。
【符号の説明】
【0073】
10 タブレット端末
11 マルチイメージサーバ11
12 文字認識サーバ
13 勘定系端末
14 ホスト
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