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特開2024-32285送信装置、送信方法、プログラム、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032285
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/32 20060101AFI20240305BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H04N1/32 037
H04N1/387 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135863
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅道
【テーマコード(参考)】
5C076
【Fターム(参考)】
5C076AA14
5C076BA06
(57)【要約】
【課題】送信情報に対する受信結果の通知の手間を軽減することを可能とする。
【解決手段】画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、を備える、送信装置。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、
前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、
前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、
を備える、送信装置。
【請求項2】
前記符号化情報生成部は、さらに通知内容を含む前記符号化情報を生成する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記符号化情報生成部は、前記通知内容が正常受信の第一の符号化情報と、前記通知内容が異常受信の第二の符号化情報とを生成し、
前記画像生成部は、前記第一の符号化情報の画像と、前記第二の符号化情報の画像を一部の領域に含む前記送信用画像を生成する、
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記送信用画像は、前記第一の符号化情報の近傍に正常受信である旨の文字列画像が配置され、前記第二の符号化情報の近傍に異常受信である旨の文字列画像が配置される、請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記符号化情報生成部は、前記通知内容が正常受信の符号化情報を生成し、
前記画像生成部は、当該符号化情報の画像を一部の領域に含む前記送信用画像を生成する、
請求項2に記載の送信装置。
【請求項6】
前記送信装置は、読取部をさらに備え、
前記画像は、前記読取部により読み取られた情報である、
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
前記通知先は、前記画像の送信元である前記送信装置である、請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
前記通知先の情報は、前記画像の送信元である前記送信装置のメールアドレスである、請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
前記通知先は、前記画像の送信元である前記送信装置に対して前記受信結果の通知を送信するサーバである、請求項1に記載の送信装置。
【請求項10】
前記受信結果の通知は、前記他の装置を利用する受信者の受信者端末により、前記他の装置で出力された前記符号化情報に基づいて生成され、前記サーバを経由して、前記送信装置に送信される、請求項9に記載の送信装置。
【請求項11】
前記送信装置は、
記憶部と、
前記画像の識別情報および前記画像の受信結果を対応付けて前記記憶部に記憶する処理を行う管理部と、
をさらに備える、請求項1に記載の送信装置。
【請求項12】
前記管理部は、前記通知先から送信された受信結果の通知に応じて、当該通知に含まれる前記画像の識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記画像の識別情報とを照合し、一致する識別情報に受信結果を対応付けて保存する処理を行う、請求項11に記載の送信装置。
【請求項13】
前記送信装置は、
データを紙に印刷して出力する印刷部をさらに備え、
前記管理部は、前記通知先から送信された受信結果の通知に応じて、当該通知に含まれる前記画像の識別情報と、受信結果とを、前記印刷部により出力する、
請求項11に記載の送信装置。
【請求項14】
前記送信制御部は、ファクシミリ通信により前記送信用画像を前記他の装置に送信する処理を行う、請求項1~13のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項15】
前記受信結果の通知は、前記通知先から、ネットワーク回線を介して送信される、請求項14に記載の送信装置。
【請求項16】
前記受信結果の通知は、前記通知先から、電話回線を介して送信される、請求項14に記載の送信装置。
【請求項17】
プロセッサが、
画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成することと、
前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成することと、
前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行うことと、
を含む、送信方法。
【請求項18】
コンピュータを、
画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、
前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、
前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、
として機能させる、プログラム。
【請求項19】
画像を送信する送信装置と、サーバと、を備え、
前記送信装置は、
画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、
前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、
前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、
を有し、
前記サーバは、前記他の装置を利用する受信者の受信者端末により、前記他の装置で出力された前記符号化情報に基づいて生成された前記受信結果の通知を、前記受信者端末から受信し、さらに当該受信結果の通知を前記送信装置に送信する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送信データが送信先に正常に受信されたか否かを確認するため、受領確認の返送を送信先に依頼していた。例えば下記特許文献1には、QRコード(登録商標)の表現を利用して情報伝達を行い、情報の復号に成功すると、同様にQRコードの表現を用いて受領確認を表す情報を送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-179829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、送信先に受領確認の返送を依頼する場合、受信者に受領確認の準備および宛先の設定等の手間が発生し、負担となる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、送信情報に対する受信結果の通知の手間を軽減することが可能な、新規かつ改良された送信装置、送信方法、プログラム、およびシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、を備える、送信装置が提供される。
【0007】
前記符号化情報生成部は、さらに通知内容を含む前記符号化情報を生成してもよい。
【0008】
前記符号化情報生成部は、前記通知内容が正常受信の第一の符号化情報と、前記通知内容が異常受信の第二の符号化情報とを生成し、前記画像生成部は、前記第一の符号化情報の画像と、前記第二の符号化情報の画像を一部の領域に含む前記送信用画像を生成してもよい。
【0009】
前記送信用画像は、前記第一の符号化情報の近傍に正常受信である旨の文字列画像が配置され、前記第二の符号化情報の近傍に異常受信である旨の文字列画像が配置されてもよい。
【0010】
前記符号化情報生成部は、前記通知内容が正常受信の符号化情報を生成し、前記画像生成部は、当該符号化情報の画像を一部の領域に含む前記送信用画像を生成してもよい。
【0011】
前記送信装置は、読取部をさらに備え、前記画像は、前記読取部により読み取られた情報であってもよい。
【0012】
前記通知先は、前記画像の送信元である前記送信装置であってもよい。
【0013】
前記通知先の情報は、前記画像の送信元である前記送信装置のメールアドレスであってもよい。
【0014】
前記通知先は、前記画像の送信元である前記送信装置に対して前記受信結果の通知を送信するサーバであってもよい。
【0015】
前記受信結果の通知は、前記他の装置を利用する受信者の受信者端末により、前記他の装置で出力された前記符号化情報に基づいて生成され、前記サーバを経由して、前記送信装置に送信されてもよい。
【0016】
前記送信装置は、記憶部と、前記画像の識別情報および前記画像の受信結果を対応付けて前記記憶部に記憶する処理を行う管理部と、をさらに備えてもよい。
【0017】
前記管理部は、前記通知先から送信された受信結果の通知に応じて、当該通知に含まれる前記画像の識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記画像の識別情報とを照合し、一致する識別情報に受信結果を対応付けて保存する処理を行ってもよい。
【0018】
前記送信装置は、データを紙に印刷して出力する印刷部をさらに備え、前記管理部は、前記通知先から送信された受信結果の通知に応じて、当該通知に含まれる前記画像の識別情報と、受信結果とを、前記印刷部により出力してもよい。
【0019】
前記送信制御部は、ファクシミリ通信により前記送信用画像を前記他の装置に送信する処理を行ってもよい。
【0020】
前記受信結果の通知は、前記通知先から、ネットワーク回線を介して送信されてもよい。
【0021】
前記受信結果の通知は、前記通知先から、電話回線を介して送信されてもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、プロセッサが、画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成することと、前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成することと、前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行うことと、を含む、送信方法が提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、として機能させる、プログラムが提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、画像を送信する送信装置と、サーバと、を備え、前記送信装置は、画像の受信結果についての通知先の情報および前記画像の識別情報を少なくとも含む符号化情報を生成する符号化情報生成部と、前記符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像を生成する画像生成部と、前記送信用画像を他の装置に送信する制御を行う送信制御部と、を有し、前記サーバは、前記他の装置を利用する受信者の受信者端末により、前記他の装置で出力された前記符号化情報に基づいて生成された前記受信結果の通知を、前記受信者端末から受信し、さらに当該受信結果の通知を前記送信装置に送信する、システムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、送信情報に対する受信結果の通知の手間を軽減することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施形態に係る通信システムの概要について説明する図である。
図2】本実施形態によるファクシミリ装置10aの構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による受信者端末20の構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態のファクシミリ装置10aによる画像送信処理の流れの一例を示すフロチャートである。
図5】本実施形態による送信用画像の一例を示す図である。
図6】本実施形態の受信者端末20による受信結果の通知処理の流れの一例を示すフロチャートである。
図7】本実施形態の受信者端末20により生成される受信結果の通知メールの一例を示す図である。
図8】本実施形態によるファクシミリ装置10aによる受信結果の保存処理の流れの一例を示すフロチャートである。
図9】本実施形態によるファクシミリ装置10aで管理される受信結果についてのデータ例を示す図である。
図10】本実施形態の変形例による通信システム2のシステム構成例を示す図である。
図11】本実施形態の変形例による通信システム2の動作処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12】本実施形態による情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
<<1.概要>>
本実施形態は、送信情報に対する受信結果の通知の手間を軽減する仕組みに関する。本実施形態では、一例として、ファクシミリ通信により送信される情報に対する受信結果の通知の手間を軽減する仕組みについて説明する。
【0029】
(課題の整理)
従来、ファクシミリ通信において、原稿データが受信側で正常に受信されたか否かを確認するために、送信者は、受信者に対して、電話またはファクシミリ通信により受信結果を通知するよう依頼していた。受信者は、原稿データが印字された紙(受信紙)に対して受領確認のサインまたはスタンプ等を付加して受領確認の準備を行い、サイン等を行った受信紙を送受信装置に読み取らせ、送信元に受領確認の通知を行っていた。
【0030】
しかしながら、このような受領確認の作業の手間は受信者に負担となっていた。また、受領確認の返送の際は、送受信装置において受信者が送信元を宛先に設定しなければならず、宛先を間違える恐れもあった。また、受信結果をマーキングできるマーカ部を含む受信通知書を原稿データと共にファクシミリ送信し、受信通知書を受信側のファクシミリ装置から返送させる方法もあるが、ファクシミリ装置は複数人に共有されている場合が多く、装置の利用時間は短い方が望ましい。
【0031】
そこで、本発明の一実施形態では、送信情報に対する受信結果の通知の手間を軽減することを可能とする。
【0032】
以下、図1を参照して本実施形態に係る通信システム(情報処理システム)の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る通信システムの概要について説明する図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態による通信システム1は、画像(送信情報)を送信するファクシミリ装置10a(送信側の装置)と、ファクシミリ装置10aから画像を受信するファクシミリ装置10b(受信側の装置)と、受信者が利用する受信者端末20と、を含む。ファクシミリ装置10aおよびファクシミリ装置10bは、ファクシミリ通信により画像を送受信することが可能な送受信装置である。本実施形態では、ファクシミリ装置10aを送信装置、ファクシミリ装置10bを受信装置の一例として用いる。なお、ファクシミリ装置10aとファクシミリ装置10bは同じ装置構成を有する装置であってもよいし、ファクシミリ装置10bの方は一般的なファクシミリ装置であってもよい。
【0034】
ファクシミリ装置10aとファクシミリ装置10bは、モジュラーケーブルを介して電話回線30に接続している。また、ファクシミリ装置10aは、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWi-Fi(登録商標)等を介して、ネットワーク回線40にも接続している。また、受信者端末20は、スマートフォンまたは携帯端末等の情報処理端末であって、ネットワーク回線40に接続している。
【0035】
本実施形態によるファクシミリ装置10aは、原稿を画像として読み取り、読み取った画像を、ファクシミリ通信により送信可能な形式のデータである電気信号に変換して、電話回線30を介してファクシミリ装置10bに送信する。ここで、ファクシミリ装置10aは、画像の受信結果についての通知先の情報および画像の識別情報(以下、原稿IDと称する)を少なくとも含む符号化情報を生成し、当該符号化情報を画像として一部の領域に含む送信用画像(読み取った原稿の画像を含む画像)を生成する。符号化情報とは、例えばQRコード(登録商標)である。
【0036】
次いで、ファクシミリ装置10aは、送信用画像をファクシミリ通信によりファクシミリ装置10bに送信する。具体的には、ファクシミリ装置10aは、送信用画像をファクシミリ通信により送信可能な形式のデータである電気信号に変換して送信する。
【0037】
受信側の装置であるファクシミリ装置10bは、受信した電気信号に基づいて画像を受信紙に描画し、出力する。かかる画像には、原稿の画像と、上記符号化情報の画像が含まれる。受信者は、受信紙に印刷された画像に含まれる符号化情報を、受信者端末20で読み取り、受信者端末20で自動生成された受信結果の通知を、ネットワーク回線40を介してファクシミリ装置10aに送信する。例えば、受信者端末20は、符号化情報から抽出した通知先の情報を宛先にセットし、符号化情報から抽出した原稿IDを本文に含めたemailを、受信結果の通知として生成する。
【0038】
受信者端末20から送信された受信結果の通知は、ネットワーク回線40を介してファクシミリ装置10aに送信される。これにより、ファクシミリ装置10aは、原稿IDに対応付けられる原稿の送信に対しての受信結果を得ることができる。なお、ファクシミリ装置10aは、受信結果の通知を受信した場合、受信側で原稿が正常受信されたと判断してもよい。または、受信結果の通知に、正常受信か異常受信かを示す情報が含まれていてもよい。
【0039】
以上説明したように、受信者が出力された符号化情報を受信者端末20で読み取るだけで、受信結果の通知が自動生成されるため、受信紙にサインまたはスタンプを付加してファクシミリ装置10bにセットしたり宛先を設定したりといった受信者の手間が軽減される。また、受信者が誤った宛先を入力する恐れも解消される。また、受信結果の通知は、受信者が利用する個人の受信者端末20を用いて行われ、ファクシミリ装置10bは利用されないため、複数人に共有され得るファクシミリ装置10bの利用時間を削減することができる。
【0040】
以上、本実施形態による通信システムの概要について説明した。なお、ファクシミリ装置10aは、送信装置の一例である。本発明による送信装置は、ファクシミリ装置に限定されず、情報を送信する装置であればよい。
【0041】
<<2.構成例>>
続いて、本実施形態によるファクシミリ装置10aおよび受信者端末20の構成例について、図面を用いて具体的に説明する。
【0042】
<2-1.ファクシミリ装置10aの構成例>
図2は、本実施形態によるファクシミリ装置10aの構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、ファクシミリ装置10aは、制御部110、電話回線通信部120、ネットワーク通信部130、表示部140、操作部150、読取部160、印刷部170、および記憶部180を有する。
【0043】
(電話回線通信部120)
電話回線通信部120は、電話回線30を介して他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。電話回線通信部120は、例えば、読取部160により読み取られた画像をファクシミリ通信により送信可能なデータ形式に変換した電気信号を、電話回線30を介してファクシミリ装置10bに送信する。
【0044】
(ネットワーク通信部130)
ネットワーク通信部130は、ネットワーク回線40を介して他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。ネットワーク回線40は、公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で実現されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)、5G(第5世代移動通信システム)等の無線通信網によりネットワーク回線40に接続し得る。
【0045】
(表示部140および操作部150)
表示部140は、制御部110の制御に従って各種操作画面を表示する機能を有する。また、操作部150は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作情報を制御部110に出力する機能を有する。表示部140および操作部150は、別々の構成としてファクシミリ装置10に設けられてもよいし、一体の構成としてファクシミリ装置10に設けられてもよい。例えば、表示部140は、タッチ検出を行う操作部150に積層されたタッチパネルディスプレイにより実現されてもよい。
【0046】
(読取部160)
読取部160は、原稿を画像(イメージデータ)として読み取る機能を有する。例えば読取部160は、原稿を光学的に読み取る光学式スキャナであってもよい。
【0047】
(印刷部170)
印刷部170は、受信した画像(ファクシミリ通信により送信された画像)を受信紙(記録紙)に印刷する機能を有する。具体的には、印刷部170は、電話回線通信部120により電話回線30を介して受信した電気信号を制御部110が復調したイメージデータを、受信紙に描画して出力する。
【0048】
(制御部110)
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等を中心に構成されており、ファクシミリ装置10aの動作を全般的に制御する。
【0049】
また、本実施形態による制御部110は、符号化情報生成部111、画像生成部112、送信制御部113、および受信状態管理部114としても機能する。
【0050】
符号化情報生成部111は、受信結果についての通知先の情報および原稿IDを少なくとも含む符号化情報を生成する。画像の受信結果についての通知先の情報は、例えばファクシミリ装置10aのメールアドレスである。また、符号化情報は、一次元コードまたは二次元コードであってもよい。本実施形態では、符号化情報の一例としてQRコードを用いる。
【0051】
また、符号化情報生成部111は、さらに通知内容を含む符号化情報を生成してもよい。通知内容は、例えば受信結果を示す情報である。より具体的には、符号化情報生成部111は、原稿IDと、通知先の情報と、通知内容(「正常受信」または「異常受信」)を含むQRコードを生成してもよい。また、符号化情報生成部111は、通知内容が「正常受信」のQRコード(第一の符号化情報)と、通知内容が「異常受信」のQRコード(第二の符号化情報)といった、2つのQRコードを生成してもよい。なお、符号化情報生成部111は、通知先の情報、原稿ID、および通知内容といった、受信結果通知を生成するために必要な情報を、mailtoスキームに従った文字列にして符号化情報に含めてもよい。
【0052】
画像生成部112は、ファクシミリ通信により送信する情報である送信用画像を生成する。具体的には、画像生成部112は、読取部160で読み取った原稿の画像と、符号化情報生成部111により生成した符号化情報の画像を含む送信用画像を生成する。
【0053】
送信制御部113は、画像生成部112により生成された送信用画像を、電話回線通信部120から、電話回線30を介して所定の送信先(例えばファクシミリ装置10b)に送信する制御を行う。この際、送信制御部113は、画像生成部112により生成された送信用画像を、ファクシミリ通信により送信可能なデータ形式の電気信号に変換した上で送信する制御を行う。
【0054】
受信状態管理部114は、各原稿の受信状態を管理する。具体的には、受信状態管理部114は、原稿IDと受信結果(受信状態を示す情報)とを対応付けたテーブルデータを、記憶部180に記憶する処理を行う。受信状態管理部114は、各原稿IDに対応付けられる受信結果を、適宜更新する。例えば、受信状態管理部114は、受信結果の通知を取得した場合に、当該受信結果の通知に含まれる原稿IDに対応付けられる受信結果を、「正常受信」とする処理を行う。または、受信状態管理部114は、受信結果の通知を取得した場合に、当該受信結果の通知に含まれる原稿IDに対応付けられる受信結果を、当該受信結果の通知に含まれる通知内容(例えば、「正常受信」または「異常受信」)とする処理を行う。
【0055】
受信状態管理部114は、受信結果の通知を取得した際、印刷部170により、原稿IDと受信結果(通知内容)を印刷して出力してもよい。また、受信状態管理部114は、受信結果の通知を取得した際、原稿IDと受信結果(通知内容)を送信者端末(不図示)に通知してもよい。また、受信状態管理部114は、記憶部180に記憶されている各原稿IDに対応付けられる受信結果(通知内容)の一覧を、ファクシミリ装置10aの表示部140に表示してもよい。
【0056】
(記憶部180)
記憶部180は、制御部110の処理に関するデータ、制御部110の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。また、本実施形態による記憶部180は、原稿IDと受信状態とを対応付けたテーブルデータを格納する。
【0057】
以上、本実施形態によるファクシミリ装置10aの構成の一例について説明した。なお、本実施形態によるファクシミリ装置10aの構成は、図2に示す例に限定されない。例えば、ファクシミリ装置10aは、複数の装置により構成されていてもよい。
【0058】
<2-2.受信者端末20の構成例>
図3は、本実施形態による受信者端末20の構成の一例を示す図である。受信者端末20は、図3に示すように、制御部210、ネットワーク通信部220、撮像部230、表示部240、操作部250、および記憶部260を有する。
【0059】
(ネットワーク通信部220)
ネットワーク通信部220は、ネットワーク回線を介して他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。
【0060】
(撮像部230)
撮像部230は、撮像により撮像画像を取得し、取得した撮像画像を制御部210に送信する。また、本実施形態による撮像部230は、ファクシミリ装置10bがファクシミリ装置10aから受信した電気信号に基づいて画像(QRコードを含む画像)を描画して出力した受信紙に印字されているQRコードを撮像し、QRコードの撮像画像を制御部210に出力する。
【0061】
(制御部210)
制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等を中心に構成されており、受信者端末20の動作を全般的に制御する。
【0062】
また、本実施形態による制御部210は、撮像部230により取得されたQRコードの撮像画像を画像解析し、受信結果についての通知先の情報および原稿IDを抽出する。QRコードの解析は、受信者端末20が有する2次元コード読み取りアプリケーションを用いて行われてもよい。次いで、制御部210は、QRコードの画像から抽出した通知先の情報がメールアドレスの場合、メールアプリケーションを起動し、当該メールアドレスを宛先にセットする。また、制御部210は、QRコードの画像から抽出した原稿IDを、メール本文に含める。そして、制御部210は、このようにして生成したemail(受信結果の通知)をネットワーク通信部220から送信する制御を行う。かかるQRコードの読み取り結果に応じた受信結果の通知の生成および送信の処理は、受信者端末20に予めダウンロードされた受信確認アプリケーションにより行われもよい。また、本実施形態では、通知先の情報がメールアドレスであり、受信結果の通知としてemailを生成したが、本発明はこれに限定されない。受信結果の通知は、ネットワーク回線40を介して送信可能なデータ、例えばショートメッセージ、またはSNS(Social Networking Service)アプリケーションを利用して送信されるメッセージであってもよい。
【0063】
(表示部240および操作部250)
表示部240は、制御部210の制御に従って各種操作画面を表示する機能を有する。また、操作部250は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作情報を制御部210に出力する機能を有する。表示部240および操作部250は、別々の構成として受信者端末20に設けられてもよいし、一体の構成として受信者端末20に設けられてもよい。例えば、表示部240は、タッチ検出を行う操作部250に積層されたタッチパネルディスプレイにより実現されてもよい。
【0064】
(記憶部260)
記憶部260は、制御部210の処理に関するデータ、制御部210の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。
【0065】
以上、本実施形態による受信者端末20の構成の一例について説明した。なお、本実施形態による受信者端末20の構成は、図3に示す例に限定されない。例えば、受信者端末20は、複数の装置により実現されていてもよい。また、受信者端末20は、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末、スマートウォッチ、スマートリング、HMD(Head Mounted Display)等の各種モバイル端末により実現されてもよい。
【0066】
<<3.動作処理>>
次に、本実施形態による情報処理システムの動作処理について具体的に説明する。
【0067】
<3-1.送信処理>
図4は、本実施形態のファクシミリ装置10aによる画像送信処理の流れの一例を示すフロチャートである。
【0068】
図4に示すように、まず、ファクシミリ装置10aは、読取部160により原稿の読み取りを行う(ステップS103)。読取部160は、原稿を画像として光学的に読み取る。
【0069】
次いで、ファクシミリ装置10aは、制御部110により、読み取った原稿を示す識別情報である原稿IDの生成する(ステップS106)。制御部110は、例えばファクシミリ装置10aが有する固有の番号と読取時刻等を組み合わせて原稿IDを生成してもよい。また、制御部110は、生成した原稿IDに、受信結果を「未受信」とする情報を対応付けて、記憶部180に格納する。本実施形態では、各原稿IDの最新の受信結果を保存しておくことで、原稿の受信状態を管理し得る。
【0070】
次に、ファクシミリ装置10aは、符号化情報生成部111により、2つのQRコードを生成する(ステップS109)。各QRコードには、原稿IDと、受信結果の通知先の情報と、受信結果を示す情報とが含まれる。受信結果の通知先の情報は、例えばメールアドレスであってもよい。符号化情報生成部111は、2つのQRコードとして、受信結果が「正常受信」のQRコードと、受信結果が「異常受信」のQRコードとを生成する。
【0071】
次いで、ファクシミリ装置10aは、画像生成部112により、読み取った原稿の画像と2つのQRコードを含む送信用画像を生成する(ステップS112)。図5は、本実施形態による送信用画像の一例を示す図である。図5に示すように、送信用画像500は、原稿画像であるファクシミリ本文501と、ファクシミリ本文501の末尾に付加される、受信者向け案内情報502と、から成る。受信者向け案内情報502には、通知内容として「正常受信」を含むQRコードの画像503と、通知内容として「異常受信」を含むQRコードの画像504と、案内の文章506とが含まれる。また、送信用画像500では、通知内容として「正常受信」を含むQRコードの画像503(第一の符号化情報の一例)の近傍に、正常受信である旨の文字列画像が配置され、通知内容として「異常受信」を含むQRコードの画像504(第二の符号化情報の一例)の近傍に、異常受信である旨の文字列画像が配置される。
【0072】
次に、ファクシミリ装置10aは、送信制御部113により、送信用画像を送信先(ここでは、一例としてファクシミリ装置10b)に送信する(ステップS115)。この際、送信制御部113は、送信用画像を、ファクシミリ通信により送信可能な形式のデータである電気信号に変換した上で、送信先に送信する。そして、本動作は終了する。
【0073】
以上、本実施形態による画像送信処理の一例について説明した。なお、図4に示す動作処理の流れは一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0074】
<3-2.受信結果の通知処理>
図6は、本実施形態の受信者端末20による受信結果の通知処理の流れの一例を示すフロチャートである。
【0075】
図6に示すように、まず、受信者端末20は、QRコードの読み取りを行う(ステップS123)。ここでは、ファクシミリ装置10bがファクシミリ装置10aから受信した電気信号に基づいて画像(上記送信用画像500)を描画して出力した受信紙を、受信者が受け取った場合を想定する。受信者は、案内の文章506に従って、受信者端末20により、受信紙に印字されているQRコードを読み取る。具体的には、受信者は、受け取った受信紙を目視し、正常受信または異常受信のどちらであるかを判断し、判断結果に応じて、2つのQRコードのどちらか一方を受信者端末20で読み取る。受信者端末20は、QRコードの撮像画像を解析し、受信結果の通知先の情報、原稿ID、および受信結果の情報を抽出する。
【0076】
次いで、受信者端末20は、QRコードの読み取りに応じて、メールアプリケーションを起動する(ステップS126)。具体的には、例えば受信結果の通知先の情報がメールアドレスの場合に、受信者端末20は、メールアプリケーションを起動する。
【0077】
次に、受信者端末20は、QRコードから読み取った情報に基づいて、受信結果を通知するメール(以下、通知メールとも称する)を生成する(ステップS129)。図7は、本実施形態の受信者端末20により生成される受信結果の通知メールの一例を示す図である。受信者端末20は、図7に示すように、通知先の情報601を宛先にセットし、本文には、原稿ID602と、受信結果603とを含める。例えば上記ステップS123において、受信者がファクシミリ装置10bから出力された受信紙を目視して正常受信と判断し、受信結果の情報として「正常受信」を含むQRコードの画像503を読み取った場合、受信者端末20は、図7に示すように、メール本文に、受信結果603として「正常受信」と入力する。この場合、例えば、QRコード内にmailtoスキームに従った文字列が含められる。mailtoスキームに従って、宛先として通知先の情報601や、本文として原稿ID602や、受信結果603(「正常受信」等の文字列)の情報を指定した文字列をQRコード内に含めておくことで、受信者端末20は、必要な情報を指定した通知メールを生成することができる。
【0078】
次いで、受信者端末20は、通知メールをファクシミリ装置10aに送信する(ステップS132)。具体的には、受信者が受信者端末20の表示部240に表示されるメール内容を確認の上、送信ボタンをタップする。そして、本動作は終了する。
【0079】
以上、本実施形態による受信結果の通知処理の一例について説明した。このように、本実施形態では、QRコードを読み取るだけで受信結果の通知が自動生成され、受信者による受信結果の通知準備の手間を省くことができる。また、本実施形態では、QRコードから読み取った宛先を用いるため、受信結果の宛先間違いによる誤送信を低減することができる。また、受信結果の通知にファクシミリ装置10bを利用しないため、複数人に共有され得るファクシミリ装置10bの利用時間を削減することができる。なお、図6に示す動作処理の流れは一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0080】
<3-3.受信結果の保存処理>
図8は、本実施形態によるファクシミリ装置10aによる受信結果の保存処理の流れの一例を示すフロチャートである。
【0081】
図8に示すように、まず、ファクシミリ装置10aは、受信者端末20からネットワーク回線40を介してファクシミリ装置10bから受信結果の通知メールを受信する(ステップS143)。
【0082】
次いで、ファクシミリ装置10aは、通知メールの本文に含まれる原稿IDを照合する(ステップS146)。具体的には、ファクシミリ装置10aは、記憶部180に記憶された、これまでにファクシミリ通信により送信された情報の原稿IDと、通知メールに含まれる原稿IDとを照合する。
【0083】
次に、ファクシミリ装置10aは、一致した原稿IDの受信結果として、通知メールに含まれる受信結果を保存する(ステップS149)。図9は、本実施形態によるファクシミリ装置10aで管理される受信結果についてのデータ例を示す図である。記憶部180には、図9に示すように、受信結果のテーブルデータ182として、原稿ID1821と、受信結果1822が対応付けて記憶されている。ファクシミリ装置10aは、受信状態管理部114により、通知メールに含まれる原稿IDと一致する原稿ID(例えば、FAX001-20210810140523)の受信結果として、新たに「正常受信」を保存する。受信状態管理部114は、記憶部180のテーブルデータ182に対し、常に最新の受信結果を上書き保存するようにしてもよいし、受信結果の保存履歴を残してもよい。そして、本動作は終了する。
【0084】
以上、本実施形態による受信結果の保存処理の一例について説明した。ファクシミリ装置10aは、送信者による操作部150の操作により、テーブルデータ182を表示部140に表示してもよいし、印刷部170で紙に印刷して排出してもよいし、送信者端末(不図示)に送信してもよい。なお、図8に示す動作処理の流れは一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0085】
<<4.変形例>>
次に、本実施形態の変形例について、図10および図11を参照して説明する。
【0086】
<4-1.システム構成>
図10は、本実施形態の変形例による通信システム2のシステム構成例を示す図である。図10に示すように、変形例による通信システム2は、ファクシミリ装置10aと、ファクシミリ装置10bと、受信者端末20と、サーバ50と、を含む。
【0087】
サーバ50は、LANまたはWAN(Wide Area Network)等を介してネットワーク回線40を介して受信者端末20と接続する。また、サーバ50は、電話回線30に接続する機能を有する。具体的には、サーバ50は、ネットワーク回線40と通信接続してデータの送受信を行うネットワーク通信部と、電話回線30と通信接続してデータの送受信を行う電話回線通信部とを有する。
【0088】
ファクシミリ装置10aは、図2を参照して説明した構成を全て有していてもよいし、ネットワーク通信部130を有さなくてもよい。
【0089】
本変形では、受信者端末20からの受信結果の通知を、ネットワーク回線40を介してサーバ50に送信する。前提として、ファクシミリ装置10aにより生成される符号化情報には、受信結果の通知先の情報として、サーバ50の宛先(例えばメールアドレス)が含められる。次いで、サーバ50が、受信者端末20から受信した受信結果の通知を、ファクシミリ通信により送信可能な形式のデータに変換した上で、電話回線30を介してファクシミリ装置10aに送信する。
【0090】
これにより、ファクシミリ装置10aがネットワーク回線40に接続する機能を有していなくとも本発明を適用することができ、また、ファクシミリ装置10aの製造費用削減も期待できる。
【0091】
<4-2.動作処理>
図11は、本実施形態の変形例による通信システム2の動作処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図11に示す動作処理は、ファクシミリ装置10aから送信された電気信号に基づいてファクシミリ装置10bが画像を受信紙に描画して出力(排出)した後に行われる処理である。
【0092】
図11に示すように、まず、受信者端末20が、QRコードの読み取りを行う(ステップS203)。具体的には、受信者端末20は、QRコードの撮像画像を解析し、受信結果の通知先の情報、原稿ID、および受信結果の情報を抽出する。
【0093】
次に、受信者端末20は、メールアプリを起動する(ステップS206)。
【0094】
次いで、受信者端末20は、受信結果の通知メールを生成する(ステップS209)。本変形例では、QRコードに、受信結果の通知先の情報として、サーバ50のメールアドレスが含まれている。受信者端末20は、サーバ50のメールアドレスを宛先にセットしたメールを生成する。また、QRコードには、上述した実施形態と同様に、原稿IDおよび受信結果を示す情報が含まれており、受信者端末20は、メール本文に原稿IDおよび受信結果を示す情報(例えば「正常受信」および「異常受信」のいずれか)を含める。
【0095】
そして、受信者端末20は、通知メールをサーバ50に送信する(ステップS212)。
【0096】
続いて、サーバ50は、受信者端末20から当該通知メールを受信すると、受信した通知メールの本文(原稿IDおよび受信結果を示す情報)を、ファクシミリ通信により送信可能なデータ形式の電気信号に変換する(ステップS215)。
【0097】
その後、サーバ50は、上記変換した電気信号をファクシミリ装置10aに送信する(ステップS218)。
【0098】
そして、ファクシミリ装置10aは、サーバ50から上記変換した電気信号を受信すると、当該電気信号から通知メールの本文を復元し、通知メールの本文に含まれる原稿IDを照合する(ステップS221)。具体的には、ファクシミリ装置10aは、上述した実施形態と同様に、記憶部180に記憶された、これまでにファクシミリ通信により送信された情報の原稿IDと、通知メールに含まれる原稿IDとを照合する。
【0099】
続いて、ファクシミリ装置10aは、一致した原稿IDの受信結果として、通知メールに含まれる受信結果を保存する(ステップS224)。
【0100】
以上、本実施形態の変形例による動作処理について具体的に説明した。なお、図11に示す動作処理の流れは一例であって、本発明はこれに限定されない。
【0101】
<<5.ハードウェア構成例>>
続いて、本実施形態に係るファクシミリ装置10a、受信者端末20、またはサーバ50のハードウェア構成について説明する。上記の動作は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0102】
図12は、本実施形態による情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、本実施形態によるファクシミリ装置10a、受信者端末20、またはサーバ50に適用されるハードウェア構成の一例である。
【0103】
情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力機器908と、出力機器909と、ストレージ機器910と、ドライブ911と、通信機器913と、を備える。
【0104】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。CPU901、ROM902およびRAM903の協働により、ファクシミリ装置10aの制御部110、受信者端末20の制御部210、またはサーバ50の制御部(不図示)が実現される。
【0105】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0106】
入力機器908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロフォン等、操作者が情報を入力するための入力手段と、操作者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作する操作者は、この入力機器908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。入力機器908により、ファクシミリ装置10aの操作部150、または受信者端末20の操作部250が実現される。
【0107】
出力機器909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。出力機器909により、ファクシミリ装置10aの表示部140、または受信者端末20の表示部240が実現される。
【0108】
ストレージ機器910は、データ格納用の機器である。ストレージ機器910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ機器910により、ファクシミリ装置10aの記憶部180、受信者端末20の記憶部260、またはサーバ50の記憶部(不図示)が実現される。
【0109】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に外付けされる。ドライブ911は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むこともできる。
【0110】
通信機器913は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。当該通信機器913により、ファクシミリ装置10aの電話回線通信部120、ネットワーク通信部130、受信者端末20のネットワーク通信部220、またはサーバ50の通信部(ネットワーク通信部および電話回線通信部)が実現される。
【0111】
なお、情報処理装置900のハードウェア構成は、図12に示す構成に限られない。例えば、情報処理装置900は、接続されている外部の通信デバイスを介して通信を行う場合には、通信機器913を備えていなくてもよい。また、情報処理装置900は、例えば、入力機器908または出力機器909等を備えなくてもよい。また、例えば、図12に示す構成の一部または全部は、1または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0112】
<<6.補足>>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0113】
例えば、上述した実施形態では、2つのQRコードを生成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ファクシミリ装置10aは、通知内容が「正常受信」のQRコードのみを生成し、原稿の画像に付加してもよい。この場合、ファクシミリ装置10aは、各原稿IDに対応付けられる受信結果として未受信か正常受信かを管理する。
【0114】
また、ファクシミリ装置10aは、通知内容を含めず、原稿IDおよび通知先の情報のみを含めたQRコードを生成し、原稿の画像に付加してもよい。この場合、ファクシミリ装置10aは、QRコードの画像に添える案内の文章として、正常受信した場合に受信結果を通知するよう依頼する旨を入れてもよい。かかるQRコードを読み取った場合、受信者端末20では、メール本文に原稿IDのみが含まれるメールが生成される。ファクシミリ装置10aは、受信結果の通知を受信した際、メール本文に含まれる原稿IDを照合し、記憶部180に記憶された一致する原稿IDに対応付けられる受信結果として、「正常受信」を保存する。
【0115】
また、ファクシミリ装置10aは、通知内容として、単なる受信結果でなく、原稿内容を読了したか、または原稿内容を理解したか等を示す情報を含むQRコードを生成して、送信用画像に付加してもよい。
【0116】
また、ファクシミリ装置10aは、記憶部180に原稿IDと受信結果を保存する処理を行わなくともよい。例えば、ファクシミリ装置10aは、受信結果の通知を受信する度に、受信結果の通知に含まれる原稿IDおよび受信結果を紙に印刷して出力(排出)してもよい。また、ファクシミリ装置10aは、受信結果の通知を受信する度に、受信結果の通知に含まれる原稿IDおよび受信結果を、予め登録された送信者端末に、LANまたはWi-Fi等を介して送信してもよい。
【0117】
また、ファクシミリ装置10aは、受信した受信結果の通知の内容が「異常受信」の場合、送信者に対して、原稿の再送を促す旨の通知を行ってもよい。通知方法は特に限定しないが、例えばファクシミリ装置10aは、表示部140に通知を表示してもよいし、予め登録された送信者端末に通知を行ってもよい。
【0118】
また、ファクシミリ装置10aは、「未受信」の状態(受信者側から、受信結果の通知が返送されない状態)が一定期間経過した場合、「受信結果が未受信」であることを送信者に通知してもよい。
【0119】
また、ファクシミリ装置10bがファクシミリ装置10aから受信した電気信号に基づいて描画した画像(原稿画像およびQRコードを含む画像)の出力は、受信紙への印刷に限られない。例えば、ファクシミリ装置10bは、ファクシミリ装置10aから受信した電気信号に基づいて描画した画像を、表示部に表示してもよいし、予め登録された受信者の装置(例えばPC)に送信してもよい。受信者は、表示画面に表示されたQRコードの画像を、受信者端末20により読み取ってもよい。
【0120】
また、ファクシミリ装置10a、受信者端末20、またはサーバ50に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、ファクシミリ装置10a、受信者端末20、またはサーバ50の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0121】
1、2 通信システム
10a、10b ファクシミリ装置
110 制御部
111 符号化情報生成部
112 画像生成部
113 送信制御部
114 受信状態管理部
120 電話回線通信部
130 ネットワーク通信部
140 表示部
150 操作部
160 読取部
170 印刷部
180 記憶部
20 受信者端末
210 制御部
220 ネットワーク通信部
230 撮像部
240 表示部
250 操作部
260 記憶部
30 電話回線
40 ネットワーク回線
50 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12