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特開2024-32298制御システム、制御装置、制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032298
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】制御システム、制御装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240305BHJP
   G07D 11/14 20190101ALI20240305BHJP
   G07D 11/20 20190101ALI20240305BHJP
   G07D 11/32 20190101ALI20240305BHJP
【FI】
G06Q40/02
G07D11/14
G07D11/20
G07D11/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135881
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】政本 隆志
【テーマコード(参考)】
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141CA02
3E141CA12
3E141CB01
3E141DA05
3E141FF09
5L055BB01
(57)【要約】
【課題】予定された所定の取引金額の一部の出金に対応し、顧客の利便性を向上させることを可能とする。
【解決手段】現金を出金する出金部と、前記出金部から出金する現金の出金取引を実行する制御部と、を有する現金処理装置と、取引情報を記憶する記憶部と、前記取引情報を管理する制御部と、を有する制御サーバと、を備え、前記制御サーバの制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、制御システム。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を出金する出金部と、前記出金部から出金する現金の出金取引を実行する制御部と、を有する現金処理装置と、
取引情報を記憶する記憶部と、前記取引情報を管理する制御部と、を有する制御サーバと、
を備え、
前記制御サーバの制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、
制御システム。
【請求項2】
前記所定の取引金額は、顧客により入力された出金予定金額である、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御サーバの制御部は、前記現金処理装置から、前記出金予定金額のうち一部の金額の現金しか出金されず前記出金取引を中断した旨の通知を受けた場合に、前記記憶部に記憶されている、前記出金予定金額であった前記取引金額を、前記出金額に修正する制御を行う、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御サーバの制御部は、前記出金取引を行った顧客に、前記出金予定金額を全て出金出来ておらず当該出金取引が中断している旨を通知する制御を行う、請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御サーバの制御部は、前記顧客により取引の完結が承認された場合、前記出金額を前記取引金額として修正して記憶する制御を行う、請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御サーバの制御部は、前記顧客への前記出金予定金額の残額出金手続き完了通知を前記現金処理装置から受信すると、前記記憶部に記憶される取引情報における前記出金取引の取引金額を、前記出金予定金額に一致する出金額に確定する制御を行う、請求項4に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御サーバの制御部は、所定時間が経過した際、前記出金額を前記取引金額として修正して記憶する制御を行う、請求項4に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御サーバは、前記記憶部に記憶された取引情報を修正した場合、修正内容を勘定サーバに送信する制御を行う、請求項3に記載の制御システム。
【請求項9】
前記現金は、紙幣または硬貨である、請求項1~8のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
現金処理装置で行われる現金の出金取引に関する情報を少なくとも含む取引情報を記憶する記憶部と、
前記取引情報を管理する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、
制御装置。
【請求項11】
プロセッサが、
現金処理装置で行われる現金の出金取引に関する情報を少なくとも含む取引情報を記憶部に記憶することと、
前記取引情報を管理することと、
を含み、
前記取引情報の管理として、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する、
制御方法。
【請求項12】
コンピュータを、
現金処理装置で行われる現金の出金取引に関する情報を少なくとも含む取引情報を記憶する記憶部と、
前記取引情報を管理する制御部と、
として機能させ、
前記制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の店舗、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売店、または商業施設等に、現金の入金および出金を取り扱う現金処理装置が設置されている。現金処理装置は、現金を入金する入金取引、および現金を出金する出金取引などを実行する。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、金融取引を行った際に媒体の取り忘れが発生し、媒体が現金処理装置に取り込まれた場合に、顧客のメールアドレスに電子メールによって通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-31355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、出金取引において、出金予定金額の一部が顧客に受け取られ、受け取り残しがある状態で顧客がその場を立ち去った場合、出金予定金額と実際に出金した金額(出金額)とが一致しないため、出金取引が中断し、現金処理装置の運用が停止してしまう場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、予定された所定の取引金額の一部の出金に対応し、顧客の利便性を向上させることが可能な、新規かつ改良された制御システム、制御装置、制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、現金を出金する出金部と、前記出金部から出金する現金の出金取引を実行する制御部と、を有する現金処理装置と、取引情報を記憶する記憶部と、前記取引情報を管理する制御部と、を有する制御サーバと、を備え、前記制御サーバの制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、制御システムが提供される。
【0008】
前記所定の取引金額は、顧客により入力された出金予定金額であってもよい。
【0009】
前記制御サーバの制御部は、前記現金処理装置から、前記出金予定金額のうち一部の金額の現金しか出金されず前記出金取引を中断した旨の通知を受けた場合に、前記記憶部に記憶されている、前記出金予定金額であった前記取引金額を、前記出金額に修正する制御を行ってもよい。
【0010】
前記制御サーバの制御部は、前記出金取引を行った顧客に、前記出金予定金額を全て出金出来ておらず当該出金取引が中断している旨を通知する制御を行ってもよい。
【0011】
前記制御サーバの制御部は、前記顧客により取引の完結が承認された場合、前記出金額を前記取引金額として修正して記憶する制御を行ってもよい。
【0012】
前記制御サーバの制御部は、前記顧客への前記出金予定金額の残額出金手続き完了通知を前記現金処理装置から受信すると、前記記憶部に記憶される取引情報における前記出金取引の取引金額を、前記出金予定金額に一致する出金額に確定する制御を行ってもよい。
【0013】
前記制御サーバの制御部は、所定時間が経過した際、前記出金額を前記取引金額として修正して記憶する制御を行ってもよい。
【0014】
前記制御サーバは、前記記憶部に記憶された取引情報を修正した場合、修正内容を勘定サーバに送信する制御を行ってもよい。
【0015】
前記現金は、紙幣または硬貨であってもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、現金処理装置で行われる現金の出金取引に関する情報を少なくとも含む取引情報を記憶する記憶部と、前記取引情報を管理する制御部と、を備え、前記制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、制御装置が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、プロセッサが、現金処理装置で行われる現金の出金取引に関する情報を少なくとも含む取引情報を記憶部に記憶することと、前記取引情報を管理することと、を含み、前記取引情報の管理として、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する、制御方法が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、現金処理装置で行われる現金の出金取引に関する情報を少なくとも含む取引情報を記憶する記憶部と、前記取引情報を管理する制御部と、として機能させ、前記制御部は、前記現金処理装置において所定の取引金額が予定された出金取引が行われた際に、前記所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがあることに応じて、当該出金された現金の金額である出金額を前記出金取引の取引金額として前記記憶部に記憶する制御を行う、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、予定された所定の取引金額の一部の出金に対応し、顧客の利便性を向上させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による制御システムの一例について説明する図である。
図2】本実施形態による現金処理装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による制御サーバ3の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態による現金処理装置1で行われる出金取引の動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】本実施形態による制御サーバ3で行われる動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態による現金処理装置1の出金手続き動作の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】本実施形態による情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
<1.システム構成>
本発明の実施形態は、主に、現金処理装置から現金を出金する出金取引に関する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による制御システムの一例について説明する図である。本実施形態による制御システムは、図1に示すように、金融機関の店舗に設置される現金処理装置1と、同店舗で顧客が操作する顧客操作端末2と、本システムに含まれる各装置に対して動作の制御を行う制御サーバ3(制御装置の一例)と、金融機関のホストコンピュータである勘定サーバ4と、顧客が所有する顧客端末8と、を含む。
【0024】
(顧客操作端末2)
顧客操作端末2は、例えば店頭に設置されるカウンター7に載置される。顧客操作端末2は、通信網51を介して制御サーバ3と通信接続し得る。また、顧客操作端末2は、表示部および操作入力部を有する。顧客操作端末2は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(Personal Computer)、またはデスクトップ型PC等により実現され得る。
【0025】
顧客は、顧客操作端末2を操作して取引内容を入力する。取引内容には、入金取引または出金取引の指定、入金額または出金額、顧客の氏名、顧客の口座番号等が含まれる。なお、金融機関の店員がカウンター7の付近に待機し、顧客による顧客操作端末2の操作をアシストしてもよい。
【0026】
顧客操作端末2は、入力された取引内容の情報を、通信網51を介して制御サーバ3に送信する。また、顧客操作端末2は、入力された取引内容を示す取引番号を、カウンター7に載置され、顧客操作端末2と通信接続されたプリンター6から印字出力する制御を行う。取引番号は、顧客操作端末2で割り振ってもよいし、制御サーバ3が取引内容を受け付けた際に割り振ってもよい。また、印字出力される取引番号は、取引番号の英数字そのままであってもよいし、取引番号を示すバーコードや二次元コード(例えばQRコード(登録商標))であってもよい。
【0027】
顧客は、プリンター6から印字出力されたレシートを受け取って現金処理装置1の場所まで移動し、当該レシートを現金処理装置1に読み取らせることで、顧客操作端末2で入力した取引を開始し得る。
【0028】
なお、本実施形態では一例として取引番号をレシート(紙媒体)に印字出力する旨を説明したが、本発明は紙媒体による印字出力に限定されない。例えば、顧客操作端末2は、所定のICカードに取引番号の情報を書き込んで排出する制御を行ってもよいし、顧客が携帯する個人端末(スマートフォンまたはスマートウォッチ等)に取引番号の情報を送信する制御を行ってもよい。
【0029】
(現金処理装置1)
本実施形態では、現金処理装置1として、顧客が操作するセルフ型現金処理装置を想定する。図1に示す例では1つの現金処理装置1を図示しているが、店頭には複数の現金処理装置1が設置されていてもよい。
【0030】
現金処理装置1は、紙幣の入出金を行う紙幣処理部140と、硬貨の入出金を行う硬貨処理部150を有する。現金処理装置1の紙幣処理部140には、紙幣の入金および出金を行う紙幣入出金口11が設けられ、硬貨処理部150には、硬貨の入金を行う硬貨投入口19と、硬貨を返却する硬貨返却箱22と、硬貨の出金を行う硬貨出金箱24が設けられる。
【0031】
また、現金処理装置1の上面には、操作入力および表示の機能を有する操作表示部110と、レシートに印字されたバーコードまたはQRコードを光学的に読み取る読取部120が設けられる。現金処理装置1は、読み取った取引番号を制御サーバ3に問い合わせ、対応する取引内容の情報を制御サーバ3から取得する。現金処理装置1は、制御サーバ3から取得した取引内容に従って、取引を開始する。
【0032】
(制御サーバ3)
制御サーバ3は、各店舗に設けられた顧客操作端末2および現金処理装置1と通信網51を介して通信接続する。また、制御サーバ3は、金融機関のホストコンピュータである勘定サーバ4とも、通信網51を介して通信接続する。さらに、制御サーバ3は、通信網52を介して、顧客端末8とも通信接続する。制御サーバ3は、例えばIEEEの規格に則ったイーサネットケーブル、Wi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等の無線通信を利用し、通信網51および通信網52に接続し得る。通信網51は、インターネット回線または金融機関独自の専用回線であってもよい。通信網52は、インターネット回線または公衆電話通信網であってもよい。
【0033】
制御サーバ3は、通信接続する各装置に対して各種情報の送信および動作制御の指示を行い得る。
【0034】
例えば、制御サーバ3は、顧客操作端末2から受信した取引内容を記憶する。また、制御サーバ3は、現金処理装置1からの問い合わせに応じて、対応する取引内容を実行するよう現金処理装置1に指示する。
【0035】
また、制御サーバ3は、現金処理装置1から受信した取引結果の情報に基づいて、現金処理装置1の有高の管理を行ってもよい。また、制御サーバ3は、取引情報を勘定サーバ4に通知する。また、制御サーバ3は、取引内容の受け付け時など、必要に応じて顧客情報を勘定サーバ4から取得し得る。
【0036】
また、制御サーバ3は、必要に応じて、顧客端末8に対して各種の通知を行う。具体的には、制御サーバ3は、現金処理装置1で顧客が行った取引が途中である旨の通知(取引中断の通知)を顧客端末8に対して行い、制御サーバ3により適宜対応することで、取引が未完の状態でも現金処理装置1の運用を継続させることを可能とする。詳細については後述する。
【0037】
(勘定サーバ4)
勘定サーバ4は、顧客の個人情報の管理、および各店舗の情報の管理等を行う。顧客の個人情報は、例えば、氏名、ID、電話番号、メールアドレス、住所、口座番号、取引履歴、勤務先、および家族構成等である。各店舗の情報には、現金処理装置1の有高が含まれる。
【0038】
(顧客端末8)
顧客端末8は、顧客が所有または所持する情報処理端末である。顧客端末8は、例えばスマートフォン、携帯電話端末、スマートウォッチ、スマートバンド、タブレット端末、またはPC(Personal Computer)等により実現され得る。
【0039】
<2.現金処理装置1について>
本実施形態による現金処理装置1は、一例として顧客が自身で操作するセルフ型現金処理装置を想定するが、本発明はこれに限定されず、金融機関の店舗の店員、または小売店等の従業員が操作する現金処理装置であってもよい。
【0040】
現金処理装置1は、現金を入金する入金取引、現金を出金する出金取引、装置から現金を回収する回収取引、現金を装置に補充する補充取引等を行い得る。また、現金処理装置1は、装置内の有高(金額および金種別枚数)を集計し得る。
【0041】
(2-1.現金処理装置1の機能構成)
図2は、本実施形態による現金処理装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、現金処理装置1は、制御部100、操作表示部110、読取部120、通信部130、紙幣処理部140、硬貨処理部150、および記憶部160を有する。
【0042】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等を中心に構成されており、現金処理装置1の各機能部を制御して、各種の取引を実行する。
【0043】
例えば、制御部100は、読取部120で読み取った取引番号を制御サーバ3に問い合わせ、制御サーバ3から受信した取引内容の情報に従って各種取引(入金取引、出金取引等)を実行する制御を行う。また、制御部100は、現金処理装置1で行われた各種取引の内容を示す情報(取引情報の一例)を制御サーバ3に送信する制御を行う。取引情報には、例えば、入金または出金の金額(取引金額)、金種枚数、顧客のID、および取引時刻等が含まれる。
【0044】
操作表示部110は、操作の誘導画面を表示する表示部および顧客が操作入力を行うための入力部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、入力部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、図1および図2では、表示部および入力部の機能が一体に構成される例を示しているが、表示部および入力部の機能は分離して構成されてもよい。
【0045】
読取部120は、一次元バーコードまたはQRコード等の符号化された情報を光学的に読み取る機能を有する。読取部120は、例えばカメラまたはバーコードリーダにより実現されてもよい。また、取引番号の読み取りをICカードから行う場合、読取部120はカードリーダにより実現されてもよい。
【0046】
通信部130は、例えば専用網(LANなど)を介して、上位PCとデータの送受信を行う。具体的には、通信部130は、通信網51を介して制御サーバ3と通信接続し、制御サーバ3に対して問い合わせを行ったり、取引内容に関する情報を受信したり、取引結果を送信したりする。
【0047】
紙幣処理部140は、紙幣入出金口11(入金部の一例)から投入された紙幣の入金処理、および紙幣入出金口11への紙幣の出金処理を行う。硬貨処理部150は、硬貨投入口19(入金部の一例)から投入された硬貨の入金処理、および硬貨出金箱24等への硬貨の出金処理を行う。
【0048】
記憶部160は、ROM(Read Only Memory)およびRAM等から実現され、現金処理装置1の動作を制御するための制御プログラムや、現金処理装置1の取引時における入力データ、表示画面等を格納する。
【0049】
(2-2.紙幣処理部140および硬貨処理部150の内部構成)
紙幣処理部140は、紙幣入出金口11、紙幣一時保留部、紙幣鑑別部、紙幣カセットを有する。紙幣入出金口11は、紙幣を投入するための投入口と、出金取引において紙幣を出金するための出金口と、入金された紙幣を返却するための返却口と、を兼ねる。紙幣一時保留部は、入金計数時に一時的に紙幣を集積する。紙幣鑑別部は、投入された紙幣の真偽、金種、正損等を鑑別する。紙幣鑑別部は、投入された紙幣の計数を行う計数部でもある。紙幣カセットは、金種別に紙幣を収納するカセット(例えば、万券カセット、五千券カセット、および千券カセット)と、回収カセットと、を有する。また、紙幣処理部140の内部には、紙幣を搬送する搬送路が設けられている。搬送路は、例えば紙幣入出金口11から入金された現金を紙幣鑑別部に搬送したり、紙幣鑑別部を通過した紙幣を紙幣一時保留部に搬送したり、紙幣一時保留部に集積された紙幣を紙幣カセットに搬送したりする。
【0050】
硬貨処理部150は、硬貨投入口19、硬貨鑑別部、硬貨一時保留部、硬貨返却箱22、出金ホッパ、硬貨出金箱24、および硬貨回収庫を有する。硬貨投入口19は、操作者が硬貨を入金するための投入口である。硬貨鑑別部は、投入された硬貨の真偽、金種、正損等の鑑別を行う。硬貨鑑別部は、投入された硬貨の計数を行う計数部でもある。また、硬貨処理部150の内部には、硬貨を搬送する搬送路が設けられている。搬送路は、例えば硬貨投入口19から入金された現金を硬貨鑑別部に搬送したり、硬貨鑑別部を通過した硬貨を硬貨一時保留部に搬送したりする。
【0051】
(2-3.出金取引の説明)
現金処理装置1では、出金取引において、現金収納部(紙幣カセット、出金ホッパ)から繰り出された現金が、搬送路により鑑別部(紙幣鑑別部、硬貨鑑別部)を通って出金部(紙幣入出金口11、硬貨出金箱24)に搬送される。また、現金が鑑別部を通過する際に計数が行われ得る。そして、出金部から顧客により現金が取り出されると、出金取引が完了する。
【0052】
ここで、出金部の大きさから、出金部から出金できる出金枚数は制限される。出金したい枚数が制限枚数(以下、出金部最大枚数とも称する)より多い場合、顧客は、複数回に分けて現金を出金することも可能である。複数回に分けた出金(分割出金とも称される)を可能とすることで、出金部最大枚数に関わらず、一取引において大量出金が可能となる。
【0053】
しかしながら、複数回に分けて出金する出金取引の途中、具体的には、予定した金額分の出金が全て出来ていない状態で、顧客がその場から離れてしまうと、現金処理装置は取引を正常に完了することができず、運用が停止してしまい、現金処理装置の可用性が損なわれる。また、分割出金を行わない通常の出金取引においても、出金部からの現金の一部受け取り残しがある状態で顧客がその場から離れてしまうと、同様に取引を正常に完了することができず、現金処理装置の運用が停止し得る。
【0054】
そこで、本実施形態では、予定された所定の取引金額の一部の出金に対応できるようにすることで、現金処理装置の運用を継続させ、顧客の利便性を向上させる制御システムを実現する。
【0055】
具体的には、次に説明する制御サーバ3により、顧客端末8への通知および現金処理装置1で行われた取引における取引金額の管理を行い、取引を完了させることを可能とする。
【0056】
<3.制御サーバ3の構成>
図3は、本実施形態による制御サーバ3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御サーバ3は、通信部310、制御部320、および記憶部330を有する。
【0057】
(通信部310)
通信部310は、他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。例えば、通信部310は、通信網51を介して、顧客操作端末2および現金処理装置1とデータの送受信を行う。また、通信部310は、通信網52を介して、顧客端末8とデータの送受信を行う。
【0058】
(制御部320)
制御部320は、CPUおよびRAM等を中心に構成されており、制御サーバ3の動作を全般的に制御する。また、本実施形態による制御部320は、取引情報管理部321、取引制御部322、および通知制御部323としても機能する。
【0059】
取引情報管理部321は、取引に関する情報である取引情報の管理を行う。具体的には、取引情報管理部321は、顧客が顧客操作端末2で事前に入力した取引内容の情報(取引情報の一例)を、記憶部330に格納される取引情報DB(データベース)331に記憶する制御を行う。取引内容の情報には、例えば、出金取引であること、出金予定金額、および顧客のIDが含まれる。また、取引情報管理部321は、現金処理装置1で実際に行われた取引内容の情報(取引情報の一例)を、現金処理装置1から取得し、取引情報DB331に記憶する制御を行う。また、取引情報管理部321は、事前に入力した取引内容の情報および実際に行われた取引内容の情報を取引情報DB331に記憶する他、勘定サーバ4にも送信する。
【0060】
また、取引情報管理部321は、所定の取引金額が事前に予定されている出金取引において、当該所定の取引金額のうち一部の金額の現金の受け取り残しがある場合、実際に出金された現金の金額(出金額)を当該出金取引における取引金額として、記憶部330の取引情報DB331に記憶する制御を行う。具体的には、まず、現金処理装置1では、事前に入力された取引金額(出金予定金額)と実際に出金された金額(出金額)が合わない場合、取引の中断と判断して制御サーバ3にその旨の情報(取引中断に関する情報。取引情報の一例。)を送信する。取引情報管理部321は、取引中断に関する情報に基づいて、取引の状態が中断であること、一部出金の金額(出金額)、および出金された金種枚数等を、取引情報DB331に記憶する。また、取引情報管理部321は、取引中断に関する情報を勘定サーバ4に送信する。出金予定金額に対して一部の出金が出来ておらず(すなわち、出金額が足りない状態で)取引が中断された場合、取引情報管理部321は、出金額を取引金額として記憶(取引内容を修正)することで、中断した取引を完了させ得る。
【0061】
取引情報管理部321は、かかる出金額を取引金額として取引を完了させる処理を、顧客の承認を得た場合に行う。また、取引情報管理部321は、取引が中断した日の営業時間中に顧客から承認を得られなかった場合は、出金額を取引金額として取引を完了させる処理を強制的に行ってもよい。また、取引情報管理部321は、顧客が一部出金の承認を拒否し、現金処理装置1において顧客への残額分の出金手続きが行われた場合、出金予定金額を取引金額として確定し、取引を完結できる。
【0062】
また、取引情報管理部321は、取引情報DB331に記憶されている取引内容を修正する他、勘定サーバ4に対して、取引内容の修正に関する情報を送信する。勘定サーバ4では、修正情報に基づいて勘定処理が行われる。
【0063】
取引制御部322は、現金処理装置1における取引を制御する。本実施形態では、顧客操作端末2において事前に取引内容(出金予定金額等)が入力され、取引番号と対応付けて取引情報DB331に記憶される。制御サーバ3は、現金処理装置1から受信した問い合わせに含まれる取引番号に基づいて、対応する取引内容を現金処理装置1に送信し、取引を開始するよう指示する。また、取引制御部322は、金融機関の店舗の店員用のPC(以下、行員PCとも称する)から指示を受け、現金処理装置1に対して所定の制御を行うよう指示することも可能である。
【0064】
通知制御部323は、顧客への各種通知を行う。例えば、通知制御部323は、取引が中断している旨を顧客端末8に通知し、出金額で取引を完結させるか否かの選択を行うよう顧客に依頼する。かかる通知内容には、出金額および出金取引の残額が含まれ得る。また、通知制御部323は、顧客により取引の完結が拒否された場合、残額分の出金手続きが発生することを顧客に通知する。かかる通知内容には、店舗に来訪して残額分の出金手続きを行うよう促す案内文が含まれ得る。
【0065】
(記憶部330)
記憶部330は、制御部320の処理に関するデータ、制御部320の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。
【0066】
また、記憶部330は、取引情報DB(データベース)331を格納する。取引情報DB331には、取引内容に関する情報が格納される。取引内容に関する情報は、例えば、顧客のID、取引番号、出金予定金額、実際に出金された金額(出金額)、金種別出金枚数、取引時刻、および取引の状態情報(未取引、中断、完了)等を含む。
【0067】
以上、本実施形態による制御サーバ3の構成の一例について説明した。なお、本実施形態による制御サーバ3の構成は、図3に示す例に限定されない。例えば、制御サーバ3は、複数の装置により構成されていてもよい。
【0068】
<4.動作処理>
続いて、本実施形態による制御システムの動作処理について、図4図6を参照して具体的に説明する。
【0069】
(4-1.出金取引の動作処理)
まず、図4を参照して出金取引の動作処理について説明する。図4は、本実施形態による現金処理装置1で行われる出金取引の動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここでは一例として紙幣の出金取引を説明する。また、現金処理装置1で行われる出金取引の前提として、顧客は顧客操作端末2で事前に取引内容を入力する。次いで、取引内容を示す情報(具体的には取引番号)を格納したQRコードが印字されたレシートがプリンター6から出力され、顧客は当該レシートを受け取る。顧客操作端末2に入力された取引内容は、現金処理装置1から制御サーバ3に送信される。取引内容には、例えば出金予定金額、および顧客のIDが含まれる。
【0070】
次いで、顧客は現金処理装置1の読取部120によりQRコードを読み取らせる。現金処理装置1は、QRコードから取得した取引番号を制御サーバ3に送信して取引内容の問い合わせを行い、制御サーバ3から、顧客により事前に入力された取引内容を取得し、取引を開始する。
【0071】
まず、現金処理装置1は、出金紙幣を計数する(ステップS103)。具体的には、現金処理装置1は、紙幣カセットから繰り出した紙幣を、紙幣鑑別部を通して紙幣入出金口11に搬送する。この際、紙幣鑑別部において出金紙幣の計数が行われる。本実施形態では、出金部最大枚数を超える枚数の出金、すなわち分割出金を想定するため、現金処理装置1は、まず、出金予定金額の現金うち、出金部最大枚数を出金する。また、現金処理装置1は、分割出金の際、紙幣鑑別部により、一回毎の出金紙幣の計数と、出金額の合計の計数を行う。計数結果は、記憶部160に記憶される。
【0072】
次いで、現金処理装置1は、紙幣入出金口11の開口部を開閉するシャッターをオープンする(ステップS106)。これにより、顧客は、紙幣入出金口11から出金紙幣を抜き取ることができる。
【0073】
次に、現金処理装置1は、紙幣入出金口11において所定時間以上アクションなしか否かを判断する(ステップS109)。紙幣入出金口11におけるアクションの有無は、紙幣入出金口11に設けられたセンサにより検出され得る。アクションとは、例えば顧客が紙幣入出金口11に手を入れて紙幣を出し入れすることが想定される。
【0074】
次いで、紙幣入出金口11において所定時間以上アクションなしではなく(ステップS109/No)、顧客による紙幣の取り出しが検知されると(ステップS112)、現金処理装置1は、紙幣入出金口11のシャッターをクローズする(S115)。
【0075】
次に、現金処理装置1は、合計出金額が出金予定金額に達したか否かを判断する(ステップS118)。
【0076】
次いで、合計出金額が出金予定金額に達していない場合(ステップS118/No)、現金処理装置1は、出金予定金額の残額に対応する残りの出金紙幣を紙幣カセットから繰り出して計数し(ステップS103)、紙幣入出金口11に搬送し、紙幣入出金口11を再度オープンする(ステップS106)。例えば出金部最大枚数が200枚の場合に、万券210枚で210万円の出金を行う際、現金処理装置1は、1回目の出金で万券200枚(200万円)を出金し、続く2回目の出金で万券10枚(10万円)を出金する。このように、複数回に分けて出金することで、顧客は出金部最大枚数より多い枚数の紙幣を出金することができる。
【0077】
一方、ステップS118において出金額が出金予定金額に達した場合(ステップS118/Yes)、現金処理装置1は、実際に行った取引内容の情報(取引情報の一例)を制御サーバ3に送信する(ステップS121)。当該取引内容の情報には、例えば、出金額、金種別出金枚数、取引時刻、取引番号、顧客のID、および取引の状態(ここでは、「完了」状態)等が含まれる。制御サーバ3では、現金処理装置1から受信した取引情報を、取引情報DB331に格納し、また、当該取引情報を勘定サーバ4に送信する。
【0078】
ここで、出金額が出金予定金額に達する前に、顧客が現金処理装置1から離れてしまい、取引が中断する場合について説明する。具体的には、まず、ステップS109で、紙幣入出金口11において所定時間以上アクションなしと判断された場合(ステップS109/Yes)、現金処理装置1は、紙幣入出金口11をクローズする(ステップS124)。例えば、分割出金において、1回目の出金(例えば上述した万券200枚の出金)で全て出金したと勘違いして顧客が立ち去ることが想定される。また、分割出金を行わない通常の出金取引においても、紙幣入出金口11からの現金の一部受け取り残しがある状態で顧客がその場から離れてしまう場合も想定される。所定時間は、例えば5分程度であってもよい。現金処理装置1は、紙幣入出金口11をクローズした後、紙幣入出金口11に取り残された出金紙幣を紙幣カセットに収納する。本実施形態では、出金額が出金予定金額に達しない状態、すなわち取引が中断した状態であっても、現金処理装置1は運行を停止せず、操作表示部110にホーム画面を表示して次の顧客を受け付ける。
【0079】
次いで、現金処理装置1は、実際に行った取引内容の情報(取引情報の一例)を制御サーバに送信し(ステップS130)、動作が終了する。当該取引内容の情報には、例えば、出金額、金種別出金枚数、取引時刻、取引番号、顧客のID、および取引の状態(ここでは、「中断」状態)等が含まれる。
【0080】
以上、現金処理装置1における出金取引の動作処理について説明した。上述したように、本実施形態による現金処理装置1は、出金予定金額の一部しか出金されず取引が中断した場合も、運行を停止せず、次の顧客を受け付けることが可能である。中断した取引に対する処理は、制御サーバ3により適宜行われる。制御サーバ3の動作処理について次に説明する。
【0081】
(4-2.出金取引が中断した際の動作処理)
図5は、本実施形態による制御サーバ3で行われる動作処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、制御サーバ3は、出金取引が途中であることを顧客に通知する(ステップS143)。かかる通知には、一部金額しか出金されておらず出金取引が中断した状態であることを説明する内容と、出金済みの一部金額(出金額)で取引を完結させるか否かの選択を顧客に依頼する内容が含まれる。制御サーバ3は、改め登録された顧客のメールアドレス宛に通知を行ってもよい。また、制御サーバ3は、顧客端末8に改めダウンロードされたアプリケーションとの連携により、顧客に通知を行ってもよい。また、制御サーバ3は、改め登録された顧客の電話番号宛に自動音声による通知を行ってもよい。また、顧客の電話番号宛に行員が電話して通知してもよい。
【0083】
顧客端末8では、顧客により取引完結か否かの選択操作が行われる。例えば、顧客端末8の操作表示部に表示された「取引完結OK」ボタンのタップ、または、「取引完結キャンセル(残額出金)」ボタンのタップが行われる。顧客端末8は、選択内容を顧客の回答として制御サーバ3に返信する。
【0084】
次いで、制御サーバ3は、取引が行われた当日の営業時間までに、顧客から回答があったか否かを判断する(ステップS146)。ステップS146において当日営業時間までに回答があった場合(ステップS146/Yes)、制御サーバ3は、取引完結が承認された否かを判断する(ステップS149)。
【0085】
次に、取引完結が承認された場合(ステップS149/Yes)、制御サーバ3は、取引金額として出金額を取引情報DB331に記憶する(ステップS152)。取引情報DB331では、顧客により事前に入力された出金予定金額が暫定的に取引金額として記憶されていてもよく、制御サーバ3は、当該取引金額を出金額に修正する処理を行う。また、制御サーバ3は、取引情報DB331に記憶されている取引の状態を、「中断」から「完結」に変更する修正を行う。このように、制御サーバ3は、取引情報DB331に格納されている取引情報を適宜修正する。
【0086】
次いで、制御サーバ3は、取引情報の修正内容を勘定サーバ4に送信する(ステップS155)。勘定サーバ4では、修正内容に基づいて勘定処理が行われる。勘定サーバ4は、金融機関のホストコンピュータであり、これによりホストにおける電子的な記帳が行われ得る。なお、制御サーバ3は、事前入力された取引内容に基づいて作成される電子帳票を管理する帳票サーバと通信接続し、取引情報の修正内容を帳票サーバにも送信してもよい。帳票サーバでは、修正内容に基づいて電子帳票の修正が行われ得る。
【0087】
一方、取引完結が承認されなかった場合(ステップS149/No)、制御サーバ3は、残額分の出金手続きの発生を顧客に通知する(ステップS158)。顧客は、通知に応じて店舗に来訪し、残額分の出金手続きを行員に依頼する。この際、顧客は、取引番号、顧客のID、および残額分の出金手続きの通知等を行員に伝えてもよい。行員は、行員PCを操作し、現金処理装置1から顧客に対して残額分の出金手続きを行うよう、制御サーバ3に依頼する。
【0088】
制御サーバ3は、行員PCからの要求に応じて、残額分の出金手続きの制御を行う(ステップS161)。具体的には、制御サーバ3は、残額分の出金手続きを行うよう現金処理装置1に指示する。なお、店舗に複数の現金処理装置1がある場合、どの現金処理装置1から残額分の出金手続きを行うかは行員が指定して顧客を案内してもよいし、制御サーバ3により指定された結果が行員PCに通知され、行員が顧客を案内してもよい。
【0089】
ここで、現金処理装置1による残額分の出金手続き制御の動作処理について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態による現金処理装置1の出金手続き動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
まず、現金処理装置1は、残額分に対応する出金紙幣を、紙幣カセットから紙幣入出金口11に搬送する(ステップS183)。次いで、現金処理装置1は、紙幣入出金口11をオープンする(ステップS186)。次に、現金処理装置1は、紙幣が取り出されたか否かを判断する(ステップS189)。紙幣が取り出されたと判断されるまで、S189の判断が繰り返される。
【0091】
ステップS189において紙幣が取り出されたと判断された場合(ステップS189/Yes)、現金処理装置1は、紙幣入出金口11をクローズする(ステップS192)。
【0092】
そして、現金処理装置1は、残額分の出金手続き完了通知を制御サーバ3に送信し(ステップS195)、動作が終了する。
【0093】
図5に戻り、制御サーバ3の動作処理の説明を続ける。制御サーバ3は、現金処理装置1から残額分の出金手続き完了通知を受信すると(ステップS164)、取引金額を確定して取引を完結させ(ステップS167)、動作が終了する。具体的には、制御サーバ3は、取引情報DB331に記憶されている当該取引の状態を「完結」に修正する。また、制御サーバ3は、取引情報DB331に記憶されている当該取引の取引金額を、出金予定金額と一致する出金額で確定する。なお、制御サーバ3は、取引情報の修正内容を、勘定サーバ4および帳票サーバに送信してもよい。
【0094】
また、ステップS146において当日営業時間までに回答ありと判断されなかった場合(ステップ146/No)、制御サーバ3は、取引金額を出金額に強制的に修正し(S170)、動作が終了する。制御サーバ3は、強制修正の内容を、勘定サーバ4および帳票サーバにも送信し得る。
【0095】
以上、図4図6を参照して説明したように、取引情報を管理する制御サーバ3において、取引中断時の対応として取引金額の修正または残額分の出金手続き等を行えるようにすることで、現金処理装置1で出金額と出金予定金額が一致しない取引(すなわち、全額出金できなかった取引)が発生した場合でも、現金処理装置1は引き続き運行を継続させることができる。
【0096】
なお、図4図6を参照して説明した動作処理では、一例として紙幣の場合について説明したが、硬貨の場合も同様の処理が行われる。現金処理装置1は、図4のステップS124に対応する処理として、硬貨出金箱24に取り残された出金硬貨を出金ホッパに収納する処理を行い得る。また、出金取引において出金される現金は、紙幣および硬貨の両方であってもよい。
【0097】
<5.ハードウェア構成例>
続いて、本実施形態に係る制御サーバ3および現金処理装置1のハードウェア構成について説明する。上記の動作は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0098】
図7は、本実施形態による情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、本実施形態による制御サーバ3および現金処理装置1のいずれにも適用され得るハードウェア構成の一例である。
【0099】
情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力機器908と、出力機器909と、ストレージ機器910と、ドライブ911と、通信機器913と、を備える。
【0100】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。CPU901、ROM902およびRAM903の協働により、制御サーバ3の制御部320、または現金処理装置1の制御部100が実現される。
【0101】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0102】
入力機器908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチまたはマイクロフォン等、操作者が情報を入力するための入力手段と、操作者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作する操作者は、この入力機器908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。入力機器908により、現金処理装置1の操作表示部110が実現される。
【0103】
出力機器909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカ等の音声出力装置を含む。出力機器909により、現金処理装置1の操作表示部110が実現される。
【0104】
ストレージ機器910は、データ格納用の機器である。ストレージ機器910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ機器910により、制御サーバ3の記憶部330、または現金処理装置1の記憶部160が実現される。
【0105】
ドライブ911は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置900に外付けされる。ドライブ911は、装着される磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体912に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ911は、リムーバブル記憶媒体912に情報を書き込むこともできる。
【0106】
通信機器913は、通信を行うための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。当該通信機器913により、制御サーバ3の通信部310、または現金処理装置1の通信部130が実現される。
【0107】
なお、情報処理装置900のハードウェア構成は、図7に示す構成に限られない。例えば、情報処理装置900は、接続されている外部の通信デバイスを介して通信を行う場合には、通信機器913を備えていなくてもよい。また、情報処理装置900は、例えば、入力機器908または出力機器909等を備えなくてもよい。また、例えば、図7に示す構成の一部または全部は、1または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
【0108】
<6.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0109】
例えば、上述した実施形態では、顧客操作端末2から取引内容を事前に入力しているが、取引内容の事前入力はこれに限定されず、顧客端末8から事前に入力して制御サーバ3に送信してもよいし、現金処理装置1の操作表示部110から入力して制御サーバ3に送信されてもよい。
【0110】
また、入力される取引内容の情報には、出金予定金額に加えて、出金予定枚数(例えば金種別枚数)が含まれていてもよい。現金処理装置1は、図4のステップS118で、出金済枚数が出金予定枚数に達したか否かを判断してもよい。
【0111】
また、図5のステップS146で示す「当日営業時間まで」は、所定時間の一例であって、本発明による所定時間は「当日営業時間まで」に限定されない。例えば所定時間は、所定のタイミングから2時間または3時間等であってもよい。所定のタイミングとは、出金取引が中断した時刻であってもよいし、顧客に出金取引が中断したことを通知した時刻であってもよい。所定時間は任意に設定され、特に限定しない。制御サーバ3は、所定時間が経過した際、出金額を取引金額として修正して記憶する制御を行う。
【0112】
また、現金処理装置1は、セルフ型の現金処理装置に限定されず、ATM(Automatic Teller Machine)、または、金融機関の店員または小売店の従業員が操作する現金処理装置であってもよい。また、現金処理装置1は、小売店等の売上金の入金や、釣銭準備金の出金を行う装置であってもよい。また、現金処理装置1は、店舗において金庫として用いられてもよい。
【0113】
また、本発明による制御システムは、金融機関に限定されず、スーパーマーケットまたはコンビニエンスストア等の小売業、旅行代理店、レジャー施設、鉄道または航空等の旅客およびインフラ業、医療機関、または官公庁等、現金を取り扱うすべての業界に適用可能である。
【0114】
また、現金処理装置1は現金として紙幣および硬貨の両方を取り扱う旨を説明したが、紙幣および硬貨のどちらか一方を取り扱う装置であってもよい。
【0115】
また、現金処理装置1または制御サーバ3に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、現金処理装置1または制御サーバ3の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0116】
1 現金処理装置
100 制御部
110 操作表示部
120 読取部
130 通信部
140 紙幣処理部
11 紙幣入出金口
150 硬貨処理部
19 硬貨投入口
24 硬貨出金箱
160 記憶部
2 顧客操作端末
3 制御サーバ
310 通信部
320 制御部
321 取引情報管理部
322 取引制御部
323 通知制御部
330 記憶部
331 取引情報DB
8 顧客端末

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7