(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032302
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】八木・宇田アンテナ及びアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/30 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
H01Q19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135886
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(71)【出願人】
【識別番号】000232287
【氏名又は名称】日本電業工作株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】木村 泰子
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】水村 慎
(72)【発明者】
【氏名】曽我 智之
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
5J020BC09
5J020DA03
5J020DA04
(57)【要約】
【課題】サイドローブレベルを効果的に低減できる八木・宇田アンテナ及びアンテナ装置の提供を目的とする。
【解決手段】八木・宇田アンテナは、放射器を基準として、導波器とは反対側に放射器に沿って設けられる反射板を備える、反射板の表面サイズは、放射器のサイズよりも大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射器と導波器とを備える八木・宇田アンテナであって、
前記放射器を基準として、前記導波器とは反対側に前記放射器に沿って設けられる反射板を備え、
前記反射板の表面サイズは、前記放射器のサイズよりも大きい八木・宇田アンテナ。
【請求項2】
前記放射器と前記反射板との間には、前記放射器に沿って設けられる反射器を備える請求項1に記載の八木・宇田アンテナ。
【請求項3】
前記反射板と前記放射器との距離は、前記八木・宇田アンテナが送信または受信する電波の波長をλとした場合、0.25λ以下である請求項2に記載の八木・宇田アンテナ。
【請求項4】
前記反射板は、正方形状であり、
前記反射板の一辺のサイズは、1.0λ以上、2.0λ以下である請求項3に記載の八木・宇田アンテナ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかの八木・宇田アンテナを放射状または周状に複数配置したアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、八木・宇田アンテナ及びアンテナ装置に関し、特に、移動通信の基地局に好適に用い得る八木・宇田アンテナ及びアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送などを視聴するために広く普及している八木・宇田アンテナは、導波器の素子数を増やすことによって利得が上昇するため、利得の調整が可能なアンテナとして知られている。
【0003】
このような八木・宇田アンテナを移動通信の基地局に用いることが提案されている(非特許文献1)。具体的には、3rd Generation Partnership Project(3GPP:登録商標)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)用として割り当てられている周波数に対応した屋内基地局用アンテナとして、28GHz帯室内基地局用マルチセクタアンテナが提案されている。このアンテナは、円形に垂直偏波用八木・宇田アンテナと、水平偏波用八木・宇田アンテナを互い違いに配置させた構造を採用しており、各偏波を切り替えることによってセクタ構成で無指向性を実現している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】新井他、“28GHz帯室内基地局用マルチセクタアンテナ、信学技報、B-1-50、2022年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動通信の場合、サイドローブは隣り合うセクタへの干渉となり、容量の減少につながるため、サイドローブレベルは極力抑圧することが望ましい。一方、八木・宇田アンテナは、利得の上昇のため、導波器の数や配置を調整すること多いが、サイドローブレベルの抑圧には配慮されていない。
【0006】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、サイドローブレベルを効果的に抑圧できる八木・宇田アンテナ及びアンテナ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、放射器(放射器20)と導波器(導波器40)とを備える八木・宇田アンテナ(例えば、八木・宇田アンテナ10)であって、前記放射器を基準として、前記導波器とは反対側に前記放射器に沿って設けられる反射板(反射板50)を備え、前記反射板の表面サイズは、前記放射器のサイズよりも大きい。
【0008】
本開示の一態様は、上述した八木・宇田アンテナを放射状または周状に複数配置したアンテナ装置(アンテナ装置100, 100A)である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、八木・宇田アンテナ10の平面図である。
【
図2】
図2は、八木・宇田アンテナ10の斜視図である。
【
図3】
図3は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=20、S
RefP=0.25λ、第1SLL)を示すグラフである。
【
図4】
図4は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=20、S
RefP=0.25λ、第3SLL)を示すグラフである。
【
図5】
図5は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=15、S
RefP=0.25λ、第1SLL)を示すグラフである。
【
図6】
図6は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=15、S
RefP=0.25λ、第2SLL)を示すグラフである。
【
図7】
図7は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=20、W
RefP=1λ、第1SLL)を示すグラフである。
【
図8】
図8は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=20、W
RefP=1λ、第3SLL)を示すグラフである。
【
図9】
図9は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=15、W
RefP=1λ、第1SLL)を示すグラフである。
【
図10】
図10は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=15、W
RefP=1λ、第2SLL)を示すグラフである。
【
図11】
図11は、反射板距離(S
RefP)の指向性(N=20、W
RefP=1λ、E面)を示すグラフである。
【
図12】
図12は、反射板距離(S
RefP)の指向性(N=20、W
RefP=1λ、H面)を示すグラフである。
【
図13】
図13は、八木・宇田アンテナ10Aの平面図である。
【
図14】
図14は、八木・宇田アンテナ10Bの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0011】
(1)八木・宇田アンテナの構成
図1は、八木・宇田アンテナ10の平面図である。具体的には、
図1は、八木・宇田アンテナ10の上面形状を示す。
図2は、八木・宇田アンテナ10の斜視図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、八木・宇田アンテナ10は、一般的な八木・宇田アンテナと同様に、放射器20、反射器30及び導波器40を備える。八木・宇田アンテナは、八木アンテナ或いは指向性アンテナなどと呼ばれてもよい。ここでは、便宜上、導波器40側を前方と呼び、反射器30側を後方と呼ぶ。八木・宇田アンテナ10は、前方に対して指向性を有する。
【0013】
放射器20は、給電部と接続される。放射器20は、輻射器、ラジエータ或いは投射器などと呼ばれてもよい。
【0014】
反射器30(リフレクタ)は、放射器20の隣(後方)に設けられる。反射器30は、放射器20に沿って設けられる。具体的には、反射器30は、八木・宇田アンテナ10の上面視において、放射器20と平行になるように設けられる。反射器30の長さ(LRef1)は、放射器20の長さ(LD)よりも長くてよい。
【0015】
導波器40(ディレクタ)は、要求される利得または指向性などに応じて本数が決定されてよい。導波器40の長さ(Ldir1, Ldir2, Ldir3,…, Ldirn)は、放射器20の長さ(LD)よりも短くてよい。
【0016】
放射器20、反射器30及び導波器40は、エレメント(素子)と呼ばれてもよい。このように、八木・宇田アンテナ10は、放射器20と導波器40とを備え、放射器20の後方には反射器30を備えるが、さらに、反射板50を備える。
【0017】
反射板50は、放射器20を基準として、導波器40とは反対側に放射器20に沿って設けられる。つまり、反射板50は、放射器20の後方に設けられる。八木・宇田アンテナ10では、放射器20と反射板50との間には、反射器30を備えられる本実施形態では、反射板50は、反射器30の後方に設けられる。本実施形態では、反射板50は、反射器30の後方に設けられるが、反射器30は、反射板50と一体となるように設けられてよいし、省略されてもよい。または、反射器30は、反射板50より後方に備え付けられてもよい。
【0018】
反射板50は、放射器20に沿って設けられていればよいが、八木・宇田アンテナ10の上面視において、放射器20と平行になるように設けられることが好ましい。反射板50は、板状であればよく、反射板50の厚さは特に限定されない。反射板50は、反射器30などと同様に、電波を反射する金属などの材料によって形成することができる。
【0019】
反射板50は、放射器20よりも大きい。具体的には、反射板50の表面サイズは、放射器20のサイズよりも大きい。より具体的には、反射板50のx方向のサイズ(WRefP)は、放射器20のx方向のサイズ(LRef1)よりも大きい。また、反射板50のz方向のサイズ(WRefP)は、放射器20のz方向のサイズよりも大きい。
【0020】
反射板50と放射器20との距離(SRefP)は、八木・宇田アンテナ10が送信または受信する電波の波長をλとした場合、0.35λ以下であればよく、0.25λ以下であることが好ましい。放射器20と反射器30との距離(SRef1)は、反射板50と放射器20との距離(SRefP)と長くても短くてよい。
【0021】
なお、放射器20と、放射器20の隣に設けられる導波器40との距離、及び隣り合う導波器40間の距離(Sdir)は、放射器20と反射器30との距離(SRef1)よりも大きくてもよい。
【0022】
本実施形態では、反射板50は、正方形状である。反射板50の一辺のサイズは、1.0λ以上、2.0λ以下であることが好ましく、特に、1.3λ程度とすることが望ましい。1.3λ程度とは、1.3λ±10%の範囲を意味してもよい。
【0023】
なお、反射板50は、必ずしも正方形状でなくてもよく、長方形状でもよいし、円形或いは楕円形状などでもよい。
【0024】
(2)八木・宇田アンテナの特性
次に、上述した構造を有する八木・宇田アンテナ10の特性について説明する。
図1及び
図2に示したように、八木・宇田アンテナ10は、従来のN素子を備える八木・宇田アンテナの反射器の後方(背面)に正方形状の反射板を配置した構造を有する。
【0025】
八木・宇田アンテナ10は、上述したように、反射板50(RefP)、反射器30(Ref1)、放射器20(D)、導波器40(dir)によって構成される。導波器40は、便宜上、放射器20側から#1, #2,…, #(N-2)とする。以下では、反射板50の影響について計算(シミュレーション)した結果を示す。計算に用いたパラメータは、次のとおりである。
【0026】
・放射器と反射器との距離:SRef1=0.175λ
・放射器と導波器#1との距離、及び導波器#1と導波器#2となど、導波器間の間隔:Sdir=0.204λ
・放射器と反射板との距離:SRefP
・反射器の長さ:LRef1=0.441λ
・放射器の長さ:LD=0.408λ
・導波器#1の長さ:Ldir1=0.376λ
・導波器#2の長さ:Ldir2=0.359λ
・導波器#3、及び導波器#N>3以上の長さ:Ldir3=0.343λ
・反射板の一辺の長さ:WRefP
シミュレーションは、3.5GHzの周波数帯において実施した。シミュレーションソフトとしては、モーメント法(ソフトウェア:Open-MOM)を利用した。なお、適用可能な周波数帯は、3.5GHzに限定される訳ではなく、例えば、5Gでも利用される28GHz帯などであってもよい。
【0027】
図3は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=20、S
RefP=0.25λ、第1SLL)を示すグラフである。
図4は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=20、S
RefP=0.25λ、第3SLL)を示すグラフである。
【0028】
なお、E面は、八木・宇田アンテナ10の上面におけるサイドローブレベル(SLL)を示し、H面は、八木・宇田アンテナ10の側面におけるSLLを示している。第3SLLは、N=20のときにおいて、主ビームを0°方向としたとき、両ヌル点が収まっているサイドローブの0°~±90°の範囲において、±90°に一番近いサイドローブのレベルを示す。第2SLLは、N=15のときにおいて、両ヌル点が収まっているサイドローブの0°~±90°の範囲において、±90°に一番近いサイドローブのレベルを示す。
【0029】
図3及び
図4に示すように、第1SLL及び第3SLLとも、E面での抑圧効果が高い。特に、第3SLLは、反射板がある場合、大きく低減している。
【0030】
図5は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=15、S
RefP=0.25λ、第1SLL)を示すグラフである。
図6は、反射板サイズ(W
RefP)によるSLL影響(N=15、S
RefP=0.25λ、第2SLL)を示すグラフである。15素子の場合も、第2SLLは、反射板がある場合、大きく低減している。
【0031】
図7は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=20、W
RefP=1λ、第1SLL)を示すグラフである。
図8は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=20、W
RefP=1λ、第3SLL)を示すグラフである。
【0032】
図7及び
図8に示すように、SLLは、S
RefPが0.2λ~0.25λまでの領域では、反射板がない場合と同程度であるが、S
RefPが0.25λを超えると大きくなる、つまり、SLL(第3SLL)は、反射板が放射器から離れると高くなることがわかる。
【0033】
図9は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=15、W
RefP=1λ、第1SLL)を示すグラフである。
図10は、反射板距離(S
RefP)によるSLL影響(N=15、W
RefP=1λ、第2SLL)を示すグラフである。15素子の場合も、SLL(第2SLL)は、反射板が放射器から離れると高くなることがわかる。
【0034】
図11は、反射板距離(S
RefP)の指向性(N=20、W
RefP=1λ、E面)を示すグラフである。
図12は、反射板距離(S
RefP)の指向性(N=20、W
RefP=1λ、H面)を示すグラフである。
【0035】
図3~
図6に示したように、反射板サイズ(W
RefP)による影響は1λ程度まで大きな差はないが、1λを過ぎると第3SLLまたは第2SLLが低減できることがわかる。また、第1SLLでは、1.3λあたりに最適解があることがわかる。
【0036】
また、
図7~
図10に示したように、反射板距離(S
RefP)は、0.2λと0.25λまでは反射板がない場合と同等程度となっているが、距離が離れるとSLLが高くなることがわかる。これは、
図11及び
図12に示した指向性のパターンからも同じことが言える。
【0037】
(3)作用・効果
八木・宇田アンテナ10によれば、放射器20の背面(後方)に、放射器20のサイズよりも大きい反射板50が放射器20に沿って設けられているため、上述したように、サイドローブを抑圧できる。
【0038】
特に、反射板のパラメータを調整すること、具体的には、正方形状の反射板サイズ(WRefP)を1.3λ程度、反射板距離(SRefP)を0.2λ~0.25λ程度とすることによって、SLLを効果的に抑圧できる。
【0039】
(4)変更例
八木・宇田アンテナ10は、次のように変更されてもよい。
図13は、八木・宇田アンテナ10Aの平面図である。
【0040】
図13に示すように、八木・宇田アンテナ10Aは、八木・宇田アンテナ10と比較すると、反射器30と反射板50とが離れておらず、反射器30と反射板50とが隣接するように配置されている。このような八木・宇田アンテナ10Aの場合、反射器30と反射板50とは、一体として形成されてもよい。或いは、上述したように、反射器30は、反射板50より後方に備え付けられて(設けられて)もよい。
【0041】
図14は、八木・宇田アンテナ10Bの平面図である。八木・宇田アンテナ10及び八木・宇田アンテナ10Aでは、反射器30が設けられていたが、八木・宇田アンテナ10Bのように、反射器30は、必ずしも設けられていなくても構わない。具体的には、放射器20の後方には、反射器30が配置されず、反射板50のみが配置されてよい。
【0042】
また、八木・宇田アンテナ10のような反射板を備える八木・宇田アンテナを複数用いてアンテナ装置を構成してもよい。
【0043】
図15は、アンテナ装置100の平面図である。
図15に示すように、アンテナ装置100は、複数の八木・宇田アンテナ10Cを備える。具体的には、アンテナ装置100は、円形の導体板110を有し、8つの八木・宇田アンテナ10Cが導体板110内に放射状に配置される。このようなアンテナ装置100は、マルチセクタアンテナと呼ばれてもよい。
【0044】
八木・宇田アンテナ10Cは、八木・宇田アンテナ10と同様に反射板50Cを備える。八木・宇田アンテナ10Cは、放射状に配置されるため、隣接する反射板50Cは、一体として形成されてもよい。なお、アンテナ装置100では、8つの八木・宇田アンテナ10C全てが同一偏波(垂直偏波または水平偏波)用であるが、垂直偏波用八木・宇田アンテナ10Cと、水平偏波用八木・宇田アンテナ10Cを互い違いに配置させた構造を採用してもよい。
【0045】
図16は、アンテナ装置100Aの平面図である。
図16に示すように、アンテナ装置100Aは、複数の八木・宇田アンテナ10Cを備える。具体的には、アンテナ装置100Aは、三角形状に配置された3つの長方形状の導体板120内に、2つの八木・宇田アンテナ10Cがそれぞれ配置される。このように、八木・宇田アンテナ10Cは、周状に複数配置される。なお、八木・宇田アンテナ10Cは、周状に配置されていれば、必ずしも三角形状ではなく、四角形状などでもよい。
【0046】
アンテナ装置100Aでは、同一の導体板120内に背中合わせに配置される八木・宇田アンテナ10Cの反射板50Cは、一体として形成されてもよい。
【0047】
(5)その他の実施形態
以上、実施例に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0048】
例えば、上述した実施形態では、20素子または15素子の八木・宇田アンテナ10などについて説明したが、素子数は、要求される性能または環境などによって、適宜変更されてよい。
【0049】
適用される周波数帯についても特に制限はなく、周波数帯に関わらずサイドローブレベル(SLL)を低減し得る。
【0050】
また、本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0051】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0052】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0053】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0054】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0055】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0056】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0057】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0058】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0059】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。従って、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0060】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0061】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0062】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)したことを「判断」「決定」したとみなすことなどを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)したことを「判断」「決定」したとみなすことなどを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などしたことを「判断」「決定」したとみなすことを含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなすことを含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0063】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0064】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0065】
10, 10A, 10B, 10C 八木・宇田アンテナ
20 放射器
30 反射器
40 導波器
50, 50C 反射板
100, 100A アンテナ装置
110 導体板
120 導体板