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  • 特開-通信装置、通信プログラム、通信方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032311
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】通信装置、通信プログラム、通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0806 20220101AFI20240305BHJP
【FI】
H04L41/0806
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135898
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 文基
(57)【要約】
【課題】ネットワークの規模に関わらず、通信設定に必要な共通パラメータを送受信するための通信量の消費、及びネットワーク帯域の占有を軽減する。
【解決手段】自装置(通信端末装置12F)は、接続先装置(通信端末装置12E)から取得した共通パラメータを取得する。自装置は、物理的に最も近く、既に通信ネットワーク10に参加している端末装置(通信端末装置12E)に対してアクセスすることで、通信ネットワーク10に参加するための共通パラメータを取得することができ、最も少ない通信量の消費、及びネットワーク帯域の占有で、通信ネットワーク10への参加が可能となる。今回、管理パラメータを接続先装置から取得した自装置が、将来、自装置に接続した通信ネットワーク10へ参加する通信端末装置(他装置)に対して、接続先装置となり得るように、管理パラメータを保存しておくようにした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を制御する通信制御機能、ネットワークの参加に必要な個別パラメータを管理する個別パラメータ管理機能、及びネットワーク内で統一しておく必要のある設定及びパラメータを含む共通パラメータを管理する共通パラメータ管理機能を備えた通信装置であって、
自装置のネットワーク参加時に前記自装置とネットワークに接続されたネットワーク参加済の接続先装置との通信を、前記通信制御機能により確立する通信確立部と、
前記個別パラメータ管理機能で管理されている前記個別パラメータを、前記通信制御機能を介して、前記接続先装置へ送信する送信部と、
前記個別パラメータの送信に対する前記接続先装置からの返信として、前記接続先装置で管理されている前記共通パラメータを、前記通信制御機能を介して取得する取得部と、
前記取得部で取得した共通パラメータを、前記共通パラメータ管理機能で管理可能に格納する格納部と、
を有する通信装置。
【請求項2】
前記取得部が取得した前記共通パラメータと、前記格納部に予め格納されている共通パラメータとを比較して、不一致の場合に、少なくとも通信障害発生の報知を実行する障害管理部をさらに有する、請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記ネットワークに参加済の自装置は、当該自装置に接続してネットワークに参加する他装置に対して、前記格納部に格納した前記共通パラメータを提供する、請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記ネットワークの接続形態が、デイジーチェーン接続である、請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
コンピュータを、
請求項1~請求項4の何れか1項記載の通信装置の各部として動作させる、
通信プログラム。
【請求項6】
通信を制御する通信制御機能、ネットワークの参加に必要な個別パラメータを管理する個別パラメータ管理機能、及びネットワーク内で統一しておく必要のある設定及びパラメータを含む共通パラメータを管理する共通パラメータ管理機能を備えた通信装置による通信方法であって、
自装置のネットワーク参加時に前記自装置とネットワークに接続されたネットワーク参加済の接続先装置との通信を、前記通信制御機能により確立する第1処理ステップと、
前記個別パラメータ管理機能で管理されている前記個別パラメータを、前記通信制御機能を介して、前記接続先装置へ送信する第2処理ステップと、
前記個別パラメータの送信に対する前記接続先装置からの返信として、前記接続先装置で管理されている前記共通パラメータを、前記通信制御機能を介して取得する第3処理ステップと、
取得した前記共通パラメータを、前記共通パラメータ管理機能で管理可能に格納する第4処理ステップと、
を備えることを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置間で、ネットワークを介して相互に通信するための通信設定に必要な共通パラメータを送受信するための通信装置、通信プログラム、通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ネットワーク装置にユーザが個別に設定した設定情報を、容易に再設定することができる自動設定システムが開示されている。
【0003】
特許文献1では、自動設定機能を備えたネットワーク装置と、ネットワーク装置に自動設定用データを提供する自動設定サーバとを備え、ネットワーク装置は、自動設定サーバからダウンロードした自動設定用データをもとに、自装置の自動設定を行い、自動設定後に、自装置の設定が更新された場合に、設定の更新内容を示す設定更新情報を自動設定サーバにアップロードする設定手段を含み、自動設定サーバは、設定更新情報をもとに、ネットワーク装置の自動設定用データを更新する管理手段を含む構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-149165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、ネットワーク内に設定値やパラメータを管理する専用の(機能ブロックを具備する)装置を用意し、その専用装置からパラメータを入手するようになっている。
【0006】
このため、設定を管理する専用装置に対して設定値やパラメータを取得するための通信が必要である。ネットワークの規模が大きくなると、設定値やパラメータを取得するための通信量が大きくなる。
【0007】
特に、新規にネットワークに参加する装置が構成済みネットワーク内の複数の装置を中継して設定を管理する場合、すべての中継装置を経由して通信する必要があり、ネットワーク帯域などを多く占有する。
【0008】
本発明は、ネットワークの規模に関わらず、通信設定に必要な共通パラメータを送受信するための通信量の消費、及びネットワーク帯域の占有を軽減することができる通信装置、通信プログラム、通信方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る通信装置は、通信を制御する通信制御機能、ネットワークの参加に必要な個別パラメータを管理する個別パラメータ管理機能、及びネットワーク内で統一しておく必要のある設定及びパラメータを含む共通パラメータを管理する共通パラメータ管理機能を備えた通信装置であって、自装置のネットワーク参加時に前記自装置とネットワークに接続されたネットワーク参加済の接続先装置との通信を、前記通信制御機能により確立する通信確立部と、前記個別パラメータ管理機能で管理されている前記個別パラメータを、前記通信制御機能を介して、前記接続先装置へ送信する送信部と、前記個別パラメータの送信に対する前記接続先装置からの返信として、前記接続先装置で管理されている前記共通パラメータを、前記通信制御機能を介して取得する取得部と、前記取得部で取得した共通パラメータを、前記共通パラメータ管理機能で管理可能に格納する格納部と、を有している。
【0010】
本発明に係る通信プログラムは、コンピュータを、上記の通信装置の各部として動作させることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る通信方法は、通信を制御する通信制御機能、ネットワークの参加に必要な個別パラメータを管理する個別パラメータ管理機能、及びネットワーク内で統一しておく必要のある設定及びパラメータを含む共通パラメータを管理する共通パラメータ管理機能を備えた通信装置による通信方法であって、自装置のネットワーク参加時に前記自装置とネットワークに接続されたネットワーク参加済の接続先装置との通信を、前記通信制御機能により確立する第1処理ステップと、前記個別パラメータ管理機能で管理されている前記個別パラメータを、前記通信制御機能を介して、前記接続先装置へ送信する第2処理ステップと、前記個別パラメータの送信に対する前記接続先装置からの返信として、前記接続先装置で管理されている前記共通パラメータを、前記通信制御機能を介して取得する第3処理ステップと、取得した前記共通パラメータを、前記共通パラメータ管理機能で管理可能に格納する第4処理ステップと、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
以上説明した如く本発明によれば、ネットワークの規模に関わらず、通信設定に必要な共通パラメータを送受信するための通信量の消費、及びネットワーク帯域の占有を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(A)は第1の実施の形態に係る複数の通信端末装置が接続された通信ネットワークシステム図、(B)は通信端末装置の制御ブロック図、(C)は図1(A)の比較例を示すネットワークシステム図である。
図2】第1の実施の形態に係る通信端末装置で実行される、ネットワーク通信設定のための機能ブロック図である。
図3】第1の実施の形態に係る通信端末装置で実行される、ネットワーク通信設定の処理手順を示すタイミングチャートである。
図4】第2の実施の形態に係る通信端末装置で実行される、ネットワーク通信設定のための機能ブロック図である。
図5】第2の実施の形態に係る通信端末装置で実行される、ネットワーク通信設定の処理手順を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施の形態]
図1(A)は、第1の実施の形態に係る複数の通信端末装置が接続された通信ネットワークシステム図である。
【0015】
第1の実施の形態の通信ネットワーク10では、複数の通信端末装置(ここでは、6個の通信端末装置12A~12F)が、通信ネットワーク10の接続構成の1つである、所謂デイジーチェーン接続されている。
【0016】
デイジーチェーン接続は、例えばスター配線に比べて、配線が簡単、メンテナンスが簡単である。なお、デイジーチェーン接続は、大きく分けて、線形型、環形があるが、ここでは、線形型を例示する。
【0017】
第1の実施の形態では、既にネットワーク設定が終了し、ネットワークに参加済の内、通信端末装置12A~12Eと、新たにネットワーク設定を実行して新規参加する通信端末装置12Fが示されており、当該通信端末装置12Fは、通信端末装置12Eに接続された構成となっている。なお、総称する場合は、単に、通信端末装置12という場合がある。
【0018】
通信端末装置12A~12Fは、基本制御系の構成は同一であり、図1(B)に、通信端末装置12Fを例にとり、制御ブロック系を説明する。
【0019】
図1(B)は、通信端末装置12Fの制御系の構成を示す制御ブロック図である。通信端末装置12Fは、マイクロコンピュータ14を有しており、マイクロコンピュータ14は、CPU(Central Processing Unit)16、RAM(Random Access Memory)18、ROM(Read Only Memory)20、入出力部(I/O)22、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス24で構成されている。
【0020】
I/O22には、入力デバイスとしてのキーボード及びマウス(図示省略)がそれぞれ接続可能である。また、I/O22には、記憶装置26(例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大規模記憶装置)が接続されている。
【0021】
また、I/O22には、通信I/F28が接続され、隣接する通信端末装置(ここでは、通信端末装置12E)と接続されている。
【0022】
ここで、デイジーチェーン接続のデメリットとして、ネットワークに参加するための通信設定をするために必要な管理パラメータ(設定値やパラメータ等)を、複数の通信端末装置12を経由し、予め定めた通信端末装置までたどって、取得する必要がある。
【0023】
例えば、図1(C)の比較例の通信ネットワーク30の場合は、通信端末装置32A~32Fの内、通信端末装置32Aに接続された、専用の通信端末装置32Gから取得する必要がある。
【0024】
専用の通信端末装置32Gは、通信設定を実行するための機能を備えており、新規参加する通信端末装置32Fは、通信端末装置32E、通信端末装置32D、及び通信端末装置32Aを介して、当該専用の通信端末装置32Gから管理パラメータ等を入手することになる。
【0025】
しかし、これでは、ネットワークの規模が大きくなると、これから通信ネットワーク30に参加しようとする通信端末装置30Fは、複数の通信端末装置(通信端末装置32E、通信端末装置32D、及び通信端末装置32A)を経由して、専用の通信端末装置12Gとアクセスし、通信ネットワーク30内で統一しておく必要のある設定やパラメータ等の共通パラメータを取得するための通信量が大きくなる。
【0026】
そこで、第1の実施の形態では、図1(A)に示される如く、デイジーチェーン接続される全て(又は一部)の通信端末装置12に、共通パラメータ管理としての機能を持たせ、ネットワーク内で統一しておく必要のある管理パラメータを管理するようにした。管理パラメータである設定値やパラメータの具体例としては、制御パケットの送信間隔や通信タイムアウト時間等が相当する。
【0027】
図2は、通信端末装置12のCPU16(図1参照)で実行される、ネットワーク通信設定のための機能ブロック図である。
【0028】
なお、第1の実施の形態では、図1に示される如く、ネットワーク通信設定機能をCPU16で実行可能な処理プログラムを、ROM20又は記憶装置26に記憶するようにしたが、例えば、当該処理プログラム専用として構築されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)を、I/O22に接続して、動作させるようにしてもよい。
【0029】
図2に示される如く、通信端末装置12で実行される機能は、通信制御機能50、個別パラメータ管理機能52、共通パラメータ管理機能54、及びアプリケーション機能56に分類されている。
【0030】
通信制御機能50は、通信ネットワーク10への参加や参加後の通信を制御する機能であり、通信確立部50Aを備えている。
【0031】
通信確立部50Aは、自装置(通信端末装置12F)のネットワーク参加時に接続されたネットワーク参加済の接続先装置(通信端末装置12E)との通信を確立する.
【0032】
個別パラメータ管理機能52は、通信端末装置12が、各々単体として、通信ネットワーク10に参加して動作するために最低限必要な設定やパラメータを管理する機能であり、送信部52Aを備えている。
【0033】
送信部52Aは、個別パラメータ管理機能52で管理されている個別パラメータを、通信制御機能50を介して、接続先装置(通信端末装置12E)へ送信する。
【0034】
共通パラメータ管理機能54は、通信ネットワーク10内で統一しておく必要のある設定及びパラメータを含む共通パラメータを管理する機能であり、取得部54A及び格納部54Bを備えている。
【0035】
取得部54Aは、個別パラメータを、接続先装置(通信端末装置12E)へ送信したことによる返信として、通信制御機能50を介して、接続先装置(通信端末装置12E)で管理されている共通パラメータを取得する。
【0036】
また、格納部54Bは、将来的に、自装置(通信端末装置12F)に接続して通信ネットワーク10に参加する他装置(図示省略)に対して、自装置(通信端末装置12F)が、接続先装置(通信端末装置12E)と同等の接続先装置となり得るように、取得部54Aで取得し、共通パラメータ管理機能54で管理している共通パラメータを、記憶装置26(図1(B)参照)へ格納する。
【0037】
アプリケーション機能56は,通信端末装置12内でのアプリケーション処理を実行すると共に、通信制御機能50を使用して、各種サービスの授受を実行する。なお、アプリケーション機能56によるサービスの種類や動作等は、第1の実施の形態の通信制御に直接関わらないため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0038】
以下に、第1の実施の形態の作用を、図3のタイミングチャート(通信手順)に従い説明する。
【0039】
なお、図3のタイミングチャートの実行に際し、予め、以下の条件が成立しているものとする。
【0040】
(条件1) 通信ネットワーク10に接続された通信端末装置12、及びこれに付随するデバイス等は、第1の実施の形態で説明した機構を持つように構成済みである。
【0041】
(条件2) 新規に参加する通信端末装置12F(以下、自装置という)の個別パラメータ管理機能52にはユーザ等によって、通信ネットワーク10に参加するために必要な最低限の設定が既に実行済である。
【0042】
以上の条件を踏まえ、以下の通信手順が実行される。
【0043】
まず、自装置(通信端末装置12F)の通信制御機能50では、自装置(通信端末装置12F)内の個別パラメータ管理機能52に対して、ネットワーク参加に必要なパラメータを要求し(ステップS100)、当該要求に対して、個別パラメータ管理機能52から個別パラメータを返信することで、通信制御機能50は、個別パラメータを取得する(ステップS102)。
【0044】
通信制御機能50の通信確立部50Aでは、取得した個別パラメータに基づいて、ネットワーク参加済みの通信ネットワーク10内の通信端末装置12E(以下、接続先装置という)との間で、通信接続処理を実行し(ステップS104)、接続先装置(通信端末装置12E)との通信を確立する。
【0045】
通信制御機能50が、接続先装置(通信端末装置12E)の通信制御機能50に接続されると、自装置(通信端末装置12F)及び接続先装置(通信端末装置12E)の相互の通信制御機能50を介して、自装置(通信端末装置12F)側から通信端末装置12E(接続装置)側へ、共通パラメータを要求する(ステップS106)。
【0046】
この要求に応じて、接続先装置(通信端末装置12E)では、通信制御機能50から共通パラメータ管理機能54に対して、共通パラメータを要求し(ステップS108)、その返信として、共通パラメータ管理機能54から、通信制御機能50へ、格納している共通パラメータを提供する(ステップS110)。
【0047】
その後、接続先装置(通信端末装置12E)では、自装置(通信端末装置12F)へ、共通パラメータを送信することで、自装置(通信端末装置12F)は、共通パラメータを取得する(ステップS112)。
【0048】
自装置(通信端末装置12F)の通信制御機能50は、共通パラメータ管理機能54へ、接続先装置(通信端末装置12E)から取得した、共通パラメータを送信する。これにより、共通パラメータ管理機能54の取得部54Aは、共通パラメータを取得する。
【0049】
また、このとき、通信制御機能50は、共通パラメータ管理機能54に対して、共通パラメータの格納を指示する(ステップS114)。
【0050】
これにより、自装置(通信端末装置12F)は、物理的に最も近く、既に通信ネットワーク10に参加している接続先端末装置(ここでは、通信端末装置12E)に対してアクセスすることで、通信ネットワーク10に参加するための共通パラメータを取得することができ、最も少ない通信量の消費、及びネットワーク帯域の占有で、通信ネットワーク10への参加が可能となる。
【0051】
ところで、前述した接続先装置(通信端末装置12E)は、通信ネットワーク10に参加する以前は、自装置(通信端末装置12F)と同様、管理パラメータを、他の参加済の通信端末装置(第1の実施の形態では、通信端末装置12D)から取得し、格納したため、通信端末装置12Eは、接続先装置としての役目を果たしている。
【0052】
そこで、今回、管理パラメータを接続先装置(通信端末装置12E)から取得した自装置(通信端末装置12F)が、将来、自装置(通信端末装置12F)に接続した通信ネットワーク10へ参加する通信端末装置(他装置)に対して、接続先装置となり得るように、管理パラメータを保存しておくようにした。
【0053】
すなわち、共通パラメータ管理機能54では、格納指示を受けた共通パラメータを、格納部54Bにより、記憶装置26(図1(B)参照)へ格納する処理を実行する(ステップS116)。
【0054】
以上により、自装置(通信端末装置12F)は、通信ネットワーク10へ参加済となり、アプリケーション機能56は、必要に応じて、共通パラメータ管理機能54から共通パラメータを要求し(ステップS118)、提供を受けて(ステップS120)、通信ネットワーク10に既に参加済の通信端末装置12との間での情報処理通信動作を変更することができる。
【0055】
また、自装置(通信端末装置12F)では、通信制御機能50が、他の通信端末装置12との間で通信処理を実行する場合に、共通パラメータ管理機能54に対して、適宜、共通パラメータを要求し(ステップS122)、これに対して取得した共通パラメータを用いて(ステップS124)、目的の通信端末装置12と通信を実行することができる。
【0056】
[第2の実施の形態]
以下に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成、同一処理部分については、同一の符号、同一のステップ番号を付して、説明を省略する。
【0057】
第2の実施の形態の特徴は、図4に示される如く、第1の実施の形態で説明した、通信制御機能50、個別パラメータ管理機能52、共通パラメータ管理機能54、及びアプリケーション機能56に、障害管理機能58を加えた点である。
【0058】
障害管理機能58は、自装置(通信端末装置12F)の他の機能(通信制御機能50、個別パラメータ管理機能52、共通パラメータ管理機能54、及びアプリケーション機能56)からの指示を受けて、障害の発生を記録及び表示する。なお、記録及び表示の形態については、所謂一般的な周知技術を用いればよく、特に限定するものではないので、ここでの説明は省略する。
【0059】
ここで、第2の実施の形態の障害管理機能58では、通信制御機能50が、共通パラメータを自装置(通信端末装置12F)の動作に反映するとき、自装置(通信端末装置12F)の設定と比較して不一致検出の警告を発する。
【0060】
第2の実施の形態の作用を、図5のタイミングチャートに従い説明する。
【0061】
通信制御機能50が、通信ネットワーク10に参加済の通信端末装置12に接続できた後、自装置(通信端末装置12F)内の共通パラメータ管理機能54は、通信制御機能50を介して、接続先(通信端末装置12E)の共通パラメータ管理機能54から、必要とする共通パラメータを取得するまでは、第1の実施の形態と同一動作である。このため、図5において、図3と同一処理ステップには、同一ステップ番号を付与して、その説明を省略した。
【0062】
ここで、自装置(通信端末装置12F)の共通パラメータ管理機能54では、接続先装置(通信端末装置12E)から取得した共通パラメータの内容と、元々、自装置(通信端末装置12F)が保持している共通パラメータを比較する(ステップS150)。
【0063】
比較結果、一致だった場合は、第1の実施の形態と同様、自装置(通信端末装置12F)は、通信ネットワーク10へ参加済となり、アプリケーション機能56は、必要に応じて、共通パラメータ管理機能54から共通パラメータを要求し(ステップS118)、提供を受けて(ステップS120)、通信ネットワーク10に既に参加済の通信端末装置12との間での情報処理通信動作を変更することができる。
【0064】
また、自装置(通信端末装置12F)では、通信制御機能50が、他の通信端末装置12との間で通信処理を実行する場合に、共通パラメータ管理機能54に対して、適宜、共通パラメータを要求し(ステップS122)、これに対して取得した共通パラメータを用いて(ステップS124)、目的の通信端末装置12と通信を実行する。
【0065】
一方、比較の結果、不一致だった場合、障害管理機能58に対して、不一致発生を通知する(ステップS152)。
【0066】
障害管理機能58は、この通知に基づいて、不一致処理(ログ記録、LED処理(障害発生通知等)を実行する(ステップS154)。
【0067】
第2の実施の形態によれば、通信ネットワーク10に参加させようとした自装置(通信端末装置12F)に設定してある共通パラメータが設定ミスしていることを、ユーザに認識させることができる。
【0068】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態は、既存ネットワークの参加時の動作として記載したが、ネットワーク参加後の動作としても適用可能である。
【0069】
また、個別パラメータ管理機能52と、共通パラメータ管理機能54とを、別の機能として説明しているが、単一のパラメータ管理機能としてもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 通信ネットワーク
12A~12F 通信端末装置(通信装置)
12E 接続先装置
12F 自装置
14 マイクロコンピュータ
16 CPU
18 RAM
20 ROM
22 入出力部(I/O)
24 バス
26 記憶装置
28 通信I/F
30 通信ネットワーク(比較例)
32A~32F 通信端末装置(比較例)
32G 専用の通信端末装置(比較例)
50 通信制御機能
50A 通信確立部
52 個別パラメータ管理機能
52A 送信部
54 共通パラメータ管理機能
56 アプリケーション機能
54A 取得部
54B 格納部
58 障害管理機能(第2の実施の形態)
図1
図2
図3
図4
図5