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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032334
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】異常監視装置、及び異常監視方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
G05B23/02 302R
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135933
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】森下 拓磨
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA16
3C223BA02
3C223BB03
3C223BB04
3C223BB11
3C223EB05
3C223FF33
(57)【要約】
【課題】異常の要因を的確に検出できる異常監視装置、及び異常監視方法を提供する。
【解決手段】第1計数部21は、第1制御装置8で発生する第1リセット回数R1を計数する。第2計数部23は、第2制御装置9で発生する第2リセット回数R2を計数する。異常監視装置20は、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2に基づき制御システム7における異常の有無を判定する判定部29を備える。判定部29は、リセット回数Rの差分を確認するとともに、リセット回数Rの差分を検出した場合には、このときの異常検出をリセット異常検出としてメモリ30、31に記憶する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位の第1制御装置から駆動命令を下位の第2制御装置に出力することにより、前記駆動命令によって前記第2制御装置を作動させる制御システムに使用し、前記制御システムに発生し得る異常について管理する異常監視装置であって、
前記第1制御装置で実行されたリセットの回数である第1リセット回数と、前記第2制御装置で実行されたリセットの回数である第2リセット回数と、に基づき、前記制御システムにおける前記異常の有無を判定する判定部を備えた異常監視装置。
【請求項2】
前記第1制御装置及び前記第2制御装置の少なくとも一方に設けられ、リセット回数の差分有無を判断するための差分判断情報を相手に出力する通知部を備え、
前記判定部は、前記差分判断情報に基づき、前記異常の有無を判定する
請求項1に記載の異常監視装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記第1制御装置が前記第2制御装置に前記駆動命令を出力していない非駆動時、前記差分判断情報を定期的に前記相手に通知する
請求項2に記載の異常監視装置。
【請求項4】
前記第1制御装置に設けられた前記判定部は、前記非駆動時に前記第2制御装置から入力した前記差分判断情報に基づきリセット回数の差を検出した場合に、その旨を、リセット差分要因として前記第1制御装置のメモリに記憶する
請求項3に記載の異常監視装置。
【請求項5】
前記第2制御装置に設けられた前記判定部は、前記非駆動時に前記第1制御装置から入力した前記差分判断情報に基づきリセット回数の差を検出した場合に、その旨を、リセット差分要因として前記第2制御装置のメモリに記憶するとともに、前記リセット回数が異なる旨のリセット差発生通知を、前記第1制御装置に出力する
請求項3に記載の異常監視装置。
【請求項6】
前記第2制御装置は、前記第1制御装置から前記駆動命令を入力した駆動時、前記駆動命令に対する駆動結果を前記第1制御装置に出力するときに、現状の前記第2リセット回数を併せて通知し、
前記第1制御装置に設けられた前記判定部は、入力した現状の前記第2リセット回数に基づきリセット回数の差を確認し、前記差がある場合には、その旨を不作動要因として前記第1制御装置のメモリに記憶する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の異常監視装置。
【請求項7】
上位の第1制御装置から駆動命令を下位の第2制御装置に出力することにより、前記駆動命令によって前記第2制御装置を作動させる制御システムに使用される異常監視方法であって、
前記第1制御装置で実行されたリセットの回数である第1リセット回数と、前記第2制御装置で実行されたリセットの回数である第2リセット回数と、を比較することと、
前記第1リセット回数及び前記第2リセット回数を比較した結果に基づき、前記制御システムにおける異常の有無を判定することと
を前記異常について管理する異常監視装置に実行させる異常監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常監視装置、及び異常監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、ロック位置検出スイッチの故障を検出する機能を備えた電動式ステアリングロック装置が周知である。この技術の場合、最大通電時間内にロック位置検出スイッチからロック検出信号が入力されずにモータの駆動を強制停止する通電停止制御が規定回数以上実行されると、検知状態値をメモリに記憶する。定期点検時、メモリに検知状態値が書き込まれていれば、ロック位置検出スイッチに異常があると判断してロック位置検出スイッチの修理や交換などを実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-1482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種のステアリングロック装置の場合、例えば、ステアリングロック装置に駆動命令を出すECUや、ステアリングロック装置のECUに、意図しないリセットがかかることがあった。これは、例えば、配線上に一時的なノイズが乗ってしまうことが要因の1つと考えられる。しかし、現状、ステアリングロック装置が備える対故障の機能では、この異常を検出できないため、異常の原因を突き止める作業が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決する異常監視装置は、上位の第1制御装置から駆動命令を下位の第2制御装置に出力することにより、前記駆動命令によって前記第2制御装置を作動させる制御システムに使用し、前記制御システムに発生し得る異常について管理する構成であって、前記第1制御装置で実行されたリセットの回数である第1リセット回数と、前記第2制御装置で実行されたリセットの回数である第2リセット回数と、に基づき、前記制御システムにおける前記異常の有無を判定する判定部を備えた。
【0006】
前記課題を解決する異常監視方法は、上位の第1制御装置から駆動命令を下位の第2制御装置に出力することにより、前記駆動命令によって前記第2制御装置を作動させる制御システムに使用される方法であって、前記第1制御装置で実行されたリセットの回数である第1リセット回数と、前記第2制御装置で実行されたリセットの回数である第2リセット回数と、を比較することと、前記第1リセット回数及び前記第2リセット回数を比較した結果に基づき、前記制御システムにおける異常の有無を判定することと、を前記異常について管理する異常監視装置に実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、異常の要因を的確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態のキーシステム及び異常監視装置の構成図である。
図2】(a)はステアリングロック装置のロック動作の概要図であり、(b)はステアリングロック装置のアンロック動作の概要図である。
図3】暗号鍵の登録の概要を示す説明図である。
図4】正常時の動作内容を示すシーケンス図である。
図5】正規のリセットが実行されたときのシーケンス図である。
図6】駆動中に偶発リセットが発生したときのシーケンス図である。
図7】非駆動時に偶発リセットが発生したときのシーケンス図である。
図8】非駆動時に偶発リセットが発生したときのシーケンス図である。
図9】非駆動時に偶発リセットが発生したときのシーケンス図である。
図10】非駆動時に偶発リセットが発生したときのシーケンス図である。
図11】リセット回路のカウントの仕方を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態を説明する。
(キーシステム1の概説)
図1に示すように、ユーザ利用物2は、無線によって端末3を認証するキーシステム1を備える。キーシステム1は、端末3の認証結果に基づき、ユーザ利用物2の作動可否を設定する。ユーザ利用物2は、例えば、車両4である。端末3は、例えば、主としてキー機能を有する電子キー、又は、キー機能を登録した高機能携帯電話等のモバイル端末である。
【0010】
キーシステム1は、例えば、ユーザ利用物2からの通信を契機に認証の通信を実行するスマートシステム、端末3からの通信を契機に認証の通信を実行するワイヤレスキーシステムなどである。キーシステム1は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)によって端末3を認証するイモビライザーシステム、NFC(Near Field Communication)を使用して端末3を認証する近距離無線認証システムなどである。
【0011】
キーシステム1は、例えば、端末3にデジタルキーを登録してキーとするデジタルキーシステムでもよい。デジタルキーは、例えば、使用が1度のみ、或いは、一定期間のみ許可されたワンタイムキーである。デジタルキーは、例えば、サーバからのダウンロード、マスターキーからの無線による取得、コード情報の画像読み取りなどの各種方式によって、端末3にダウンロードされる。
【0012】
ユーザ利用物2は、ユーザ利用物2の搭載機能を制御する制御システム7を備える。本例の搭載機能は、ユーザ利用物2が車両4の場合、例えば、車両4のハンドル操作をロックするステアリングロック機能である。この場合、制御システム7は、例えば、電動式のステアリングロックシステムである。
【0013】
制御システム7は、上位装置である第1制御装置8と、下位装置である第2制御装置9とを備える。第1制御装置8は、ユーザ利用物2に設けられた通信線10によって第2制御装置9に接続されている。第1制御装置8は、例えば、少なくとも端末3の認証機能を有する統合ECU(Electronic Control Unit)である。統合ECUは、通信モジュール11を通じて端末3と無線通信を実行することにより、端末3を認証する。統合ECUは、端末3を認証したときの認証結果に基づき、ユーザ利用物2の搭載機能(ステアリングロック機能など)を制御する。通信線10は、例えば、電源線、信号線、及びGND線を含む。
【0014】
第2制御装置9は、例えば、ハンドルと同期回転するステアリングシャフト13にロック部材14を係合させてステアリングシャフト13の回転を不可にするステアリングロックECUである。ステアリングロックECUは、作動条件を満足するとき、アクチュエータ15を介して、ロック部材14を動かすことにより、ロック及びアンロックを切り替える。具体的には、第1制御装置8は、ステアリングロック機能をどのように作動させるのかを指示する駆動命令SkをステアリングロックECUに出力することにより、ステアリングロック機能を制御する。
【0015】
第1制御装置8は、通信線10によってドアロック装置16及び走行駆動装置17に接続されている。ドアロック装置16は、ユーザ利用物2に設けられたドアの施解錠を制御する。走行駆動装置17は、ユーザ利用物2が車両4の場合、車両4に前後の推進力を駆動源によって発生させる。駆動源は、例えば、モータ、エンジン、及びこれらの組み合わせのいずれでもよい。第1制御装置8は、端末3を認証したときの認証結果に基づき、ドアロック装置16及び走行駆動装置17を制御する。
【0016】
(ステアリングロックシステムの概説)
図2(a)に示すように、第1制御装置8は、ステアリングロックシステムの作動条件を満足するとき、通信線10を介して第2制御装置9に駆動命令Skを出力することにより、ステアリングロックシステムを作動させる。本例の駆動命令Skは、例えば、具体的な指示内容を含むコマンドと、第2制御装置9の電源となる電源信号と、を有する。駆動命令Skは、例えば、第1制御装置8に登録された暗号鍵Kによって暗号化されて、第1制御装置8から第2制御装置9に送信される。
【0017】
第1制御装置8は、ステアリングロックシステムをロック状態に切り替えるロック条件が満足された場合、駆動命令Skとしてロック駆動命令Sk1を第2制御装置9に出力する。ロック条件は、例えば、ユーザ利用物2が車両4の場合、車両4の電源がIGオフであること、かつ、ユーザの降車が検知されたこと(ドア施錠を含んでもよい)を含む。
【0018】
第2制御装置9は、ロック駆動命令Sk1を入力すると、ロック駆動命令Sk1内の電源信号を電源として動く。そして、第2制御装置9は、ロック駆動命令Sk1内の施錠コマンドに基づきロック動作を開始する。このとき、第2制御装置9は、アクチュエータ15をロック方向に動作させることにより、ロック部材14をロック位置に移動させる。これにより、ロック部材14がステアリングシャフト13の溝に係合するため、ロック状態となる。
【0019】
図2(b)に示す通り、第1制御装置8は、ステアリングロックシステムをアンロック状態に切り替えるアンロック条件が満足された場合、駆動命令Skとしてアンロック駆動命令Sk2を第2制御装置9に出力する。アンロック条件は、例えば、ユーザ利用物2が車両4の場合、車両4の電源がIGオンとなったことを含む。
【0020】
第2制御装置9は、アンロック駆動命令Sk2を入力すると、アンロック駆動命令Sk2内の電源信号を電源として動く。そして、第2制御装置9は、アンロック駆動命令Sk2内の解錠コマンドに基づきアンロック動作を開始する。このとき、第2制御装置9は、アクチュエータ15をアンロック方向に動作させることにより、ロック部材14をアンロック位置に移動させる。これにより、ロック部材14がステアリングシャフト13の溝から離脱するため、アンロック状態となる。
【0021】
(異常監視装置20の構成)
図1に示す通り、ユーザ利用物2は、制御システム7に発生し得る異常について管理する異常監視装置20を備える。本例の異常監視装置20は、リセット回数監視機能を有する。リセット回数監視機能は、例えば、第1制御装置8及び第2制御装置9の各々においてリセットの発生回数(リセット回数R)を計数するとともに、これらリセット回数Rの差から、制御システム7における異常有無を判定する。本例の場合、第1制御装置8のリセット回数Rを「第1リセット回数R1」とし、第2制御装置9のリセット回数Rを「第2リセット回数R2」とする。
【0022】
リセットは、例えば、電源の再投入、初期化、既定値への戻し、メモリのデータクリアなどを含む。また、リセットは、例えば、第1制御装置8及び第2制御装置9の両方をセットに実行される。リセットは、ロック動作やアンロック動作のときに毎回実行されてもよいし、或いは、規定のタイミングで定期的に実行されてもよい。
【0023】
異常監視装置20は、第1制御装置8で発生したリセットの回数を計数する第1計数部21を備える。第1計数部21は、例えば、第1制御装置8に設けられるとともに、第1制御装置8におけるリセットの発生回数(第1リセット回数R1)を、第1制御装置8に設けられたカウンタ22によって計数する。
【0024】
異常監視装置20は、第2制御装置9で発生したリセットの回数を計数する第2計数部23を備える。第2計数部23は、例えば、第2制御装置9に設けられるとともに、第2制御装置9におけるリセットの発生回数(第2リセット回数R2)を、第2制御装置9に設けられたカウンタ24によって計数する。
【0025】
異常監視装置20は、リセット回数Rの差分の有無を判断するための差分判断情報Stを相手に出力する通知部27を備える。本例の通知部27は、第1制御装置8に設けられた第1通知部27aと、第2制御装置9に設けられた第2通知部27bと、を含む。第1通知部27aは、差分判断情報Stとして第1差分判断情報St1を第2制御装置9に通知する。第2通知部27bは、差分判断情報Stとして第2差分判断情報St2を第1制御装置8に通知する。なお、通知部27は、第1制御装置8及び第2制御装置9の少なくとも一方に設けられていればよい。
【0026】
差分判断情報St(第1差分判断情報St1、第2差分判断情報St2)は、例えば、リセット回数Rの値自体である。また、差分判断情報Stは、例えば、リセット回数Rに差分があることの通知でもよい。
【0027】
異常監視装置20は、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2に基づき、制御システム7における異常の有無を判定する判定部29を備える。本例の判定部29は、第1制御装置8に設けられた第1判定部29aと、第2制御装置9に設けられた第2判定部29bと、を含む。なお、判定部29は、第1制御装置8及び第2制御装置9の少なくとも一方に設けられていればよい。判定部29は、通知部27から入力する差分判断情報Stに基づき、異常の有無を判定する。
【0028】
判定部29は、リセット回数監視機能で異常を検出した場合、異常検出をリセット要因異常としてメモリ30、31に記憶する。具体的には、第1判定部29aは、リセット回数監視機能で異常を検出した場合、第1制御装置8のメモリ30にリセット要因異常を記憶する。第2判定部29bは、リセット回数監視機能で異常を検出した場合、第2制御装置9のメモリ31にリセット要因異常を記憶する。判定部29(本例は、第1判定部29a)は、不作動要因検出機能で異常を検出した場合、異常検出を不作動要因異常として第1制御装置8のメモリ30に記憶する。
【0029】
異常監視装置20の異常診断機能は、前述のリセット回数監視機能の他に、例えば、ダイアグ機能、及び不作動要因検出機能を含んでもよい。ダイアグ機能は、例えば、故障の自己診断機能であって、診断結果を所定のツールにコード表示する機能である。不作動要因検出機能は、例えば、検出した異常を不作動要因による異常として制御システム7の所定メモリに記憶する機能である。
【0030】
次に、本実施形態の異常監視装置20(異常監視方法)の作用について説明する。
(カウンタ22、24の初期設定)
図3に示すように、第1制御装置8及び第2制御装置9の各々は、暗号鍵Kが登録されるとき、リセット回数R(第1リセット回数R1、第2リセット回数R2)として、初期値(例えば、「0」)をカウンタ22、24に記憶する。なお、暗号鍵Kは、例えば、第1制御装置8が第2制御装置9に駆動命令Skを暗号通信で送るときに使用される。暗号鍵Kの登録は、例えば、キーシステム1をユーザ利用物2に登録するときに実行される。
【0031】
(正常時の動作)
図4に示すように、通知部27は、第1制御装置8が第2制御装置9に駆動命令Skを出力しない非駆動時、リセット回数Rの差分有無を判定するために、差分判断情報Stを定期的に相手に送信する。具体的には、第1通知部27aが第1制御装置8から第2制御装置9に第1差分判断情報St1を通知するとともに、第2通知部27bが第2制御装置9から第1制御装置8に第2差分判断情報St2を通知する。このように、第1通知部27a及び第2通知部27bは、差分判断情報Stを交互に送信し合う。差分判断情報Stは、例えば、現状のリセット回数Rであって、図4の例の場合、回数「0」が相手に通知される。
【0032】
第1判定部29a及び第2判定部29bは、差分判断情報Stを入力する度、リセット回数Rの差分を確認する。具体的には、第1判定部29aは、第2制御装置9から通知された第2リセット回数R2と、自身のカウンタ22に設定されている第1リセット回数R1とを比較することにより、リセット回数Rの差分の確認を実行する。ここでは、正常時の動作を説明しているので、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2が一致する。よって、第1判定部29aは、第1制御装置8及び第2制御装置9の双方のリセット回数Rが正常であると判定する。
【0033】
また、第2判定部29bは、第1制御装置8から通知された第1リセット回数R1と、自身のカウンタ24に設定されている第2リセット回数R2とを比較することにより、リセット回数Rの差分の確認を実行する。ここでは、正常時の動作を説明しているので、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2が一致する。よって、第2判定部29bは、第1制御装置8及び第2制御装置9の双方のリセット回数Rが正常であると判定する。
【0034】
例えば、ユーザ利用物2である車両4でドアのロック操作やアンロック操作が実行された場合、外部から第1制御装置8に駆動要求が入力される。駆動要求は、例えば、ユーザ利用物2でロック操作が実行された場合、ロック要求である。また、駆動要求は、例えば、ユーザ利用物2でアンロック操作が実行された場合、アンロック要求である。
【0035】
第1制御装置8は、外部から駆動要求を入力すると、まず、リセット回数Rの確認を実行する。具体的には、第1判定部29aは、第2制御装置9に対し、差分判断情報Stの通知を要求する。これにより、第1制御装置8は、第2制御装置9から差分判断情報Stを得る。そして、第1判定部29aは、差分判断情報Stに基づき、リセット回数Rの差を比較する。このとき、第1判定部29aは、リセット回数Rが一致すれば、駆動を許可する。一方、第1判定部29aは、リセット回数Rが一致しなければ、駆動を許可しない。
【0036】
第1判定部29aによって駆動が許可された場合、第1制御装置8は、第2制御装置9に駆動命令Skを出力する。第2制御装置9は、駆動命令Skを入力すると、この駆動命令Skに基づき動作する。第2制御装置9は、制限時間内に駆動を完了すると、駆動結果Soutとして、駆動完了通知Sout1を第1制御装置8に出力する。駆動完了通知Sout1は、例えば、駆動完了したことを通知する情報と、第2制御装置9の第2差分判断情報St2(現在の第2リセット回数R2)と、を含む。
【0037】
第1制御装置8は、第2制御装置9から駆動完了通知Sout1を入力すると、第2制御装置9の駆動が完了したことを認識する。また、第1判定部29aは、駆動完了通知Sout1内の第2差分判断情報St2に基づき、リセット回数Rの差分を確認する。ここでは、正常時の動作を説明しているので、リセット回数Rが一致する。よって、第1判定部29aは、第1制御装置8及び第2制御装置9の双方のリセット回数Rが正常であると判定する。
【0038】
(第1制御装置8が第2制御装置9にリセットをかける動作)
図5に示すように、制御システム7にリセットをかけるリセット条件が満足された場合、第1制御装置8にリセット要求が入力される。第1制御装置8は、外部からリセット要求を入力した場合、自身にリセットをかける。また、第1制御装置8は、外部からリセット要求を入力した場合、リセット信号Srを第2制御装置9に出力する。第2制御装置9は、第1制御装置8からリセット信号Srを入力すると、自身にリセットをかける。
【0039】
第1計数部21は、第1制御装置8でリセットがかかったとき、第1リセット回数R1を計数するカウンタ22を更新する。この場合、第1計数部21は、カウンタ22を「0」→「1」にカウントアップする。同様に、第2計数部23は、第2制御装置9でリセットがかかったとき、第2リセット回数R2を計数するカウンタ24を更新する。この場合、カウンタ24は、「0」→「1」に更新される。
【0040】
その後、第1通知部27a及び第2通知部27bは、リセット回数Rが「1」である旨の差分判断情報Stを通知し合う。これにより、第1制御装置8及び第2制御装置9は、ともに相手の現状のリセット回数Rが「1」であることを認識する。
【0041】
(不作動要因異常を記憶するときの動作)
図6に、制御システム7が駆動命令Skで動作している最中に、第2制御装置9に偶発的にリセットがかかってしまった場合を例に挙げる。この偶発リセットは、例えば、制御システム7の配線や第2制御装置9のECUに対し、突発的にノイズが乗ってしまったことを原因に生じる。第2制御装置9は、駆動命令Skに基づいて操舵している最中にリセットがかかってしまうと、駆動停止の状態となってしまう。よって、駆動が制限時間内に完了せず、駆動タイムアウトとなってしまう。
【0042】
第2計数部23は、第2制御装置9においてリセットがかかった時点で、カウンタ24をカウントアップする。例えば、第2制御装置9のカウンタ24の値が「0」であれば、カウンタ24が「1」に設定される。
【0043】
第2制御装置9は、駆動タイムアウトとなった場合、駆動結果Soutとして、駆動未完了通知Sout2を第1制御装置8に出力する。駆動未完了通知Sout2は、例えば、駆動が未完了であることを通知する情報と、第2制御装置9の第2差分判断情報St2(現在の第2リセット回数R2)と、を含む。
【0044】
第1制御装置8は、第2制御装置9から駆動未完了通知Sout2を入力すると、第2制御装置9の駆動が未完了であることを認識する。また、第1判定部29aは、不作動要因検出機能に従って動作することにより、駆動未完了通知Sout2内の第2差分判断情報St2に基づいてリセット回数Rの差分を確認する。ここでは、駆動中のリセット発生を説明しているので、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2が一致しない。
【0045】
第1判定部29aは、第2制御装置9の駆動が未完了であり、かつ、リセット回数Rに差分が生じている場合、異常検出を「不作動要因異常」と判定する。そして、第1判定部29aは、このときの異常検出を「不作動要因異常」としてメモリ30に記憶する。
【0046】
(第1制御装置8がリセット要因異常を記憶するときの動作)
図7に、制御システム7が駆動命令Skで動いていない非駆動時、第2制御装置9が第1制御装置8から第1差分判断情報St1を入力した後、第2制御装置9に偶発リセットが発生してしまった例を挙げる。この場合、第2制御装置9でリセットが発生すると、第2制御装置9のカウンタ24が現状の「4」から「5」に設定される。そして、第2通知部27bは、第2差分判断情報St2の定期送信タイミングのときに、第2リセット回数R2が「5」である旨の第2差分判断情報St2を第1制御装置8に出力する。
【0047】
第1判定部29aは、第2リセット回数R2が「5」の第2差分判断情報St2を入力すると、この第2差分判断情報St2に基づき、リセット回数Rの差分を確認する。ここでは、第2リセット回数R2が「5」の第2差分判断情報St2を入力するため、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2に差が生じる。このため、第1判定部29aは、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2の差が存在することを認識する。
【0048】
第1判定部29aは、制御システム7の非駆動時にリセット回数Rの差を検出した場合、このときに発生した異常が「リセット要因異常」であると判定する。そして、第1判定部29aは、このときの異常検出を「リセット要因異常」として第1制御装置8のメモリ30に記憶する。このように、リセット要因検出機能によって偶発リセットが検出されるとともに、異常検出が「リセット要因異常」としてメモリ30に書き込まれる。
【0049】
図8に、制御システム7が駆動命令Skで動いていない非駆動時、第1制御装置8が第2制御装置9に第1差分判断情報St1を出力した後に、第1制御装置8で偶発リセットが発生してしまった例を挙げる。この場合、第1制御装置8でリセットが発生すると、第1制御装置8のカウンタ22が現状の「4」から「5」に設定される。その後、第1制御装置8は、第2制御装置9から、第2リセット回数R2が「4」である旨の第2差分判断情報St2を入力する。
【0050】
第1判定部29aは、第2リセット回数R2が「4」である旨の第2差分判断情報St2を入力すると、この第2差分判断情報St2に基づいてリセット回数Rの差分を確認する。ここでは、第1制御装置8の第1リセット回数R1が「5」で、第2制御装置9の第2リセット回数R2が「4」であるため、リセット回数Rに差が生じる。このため、第1判定部29aは、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2の差が存在することを認識する。
【0051】
第1判定部29aは、制御システム7の非駆動中にリセット回数Rの差を検出した場合、このときに発生した異常が「リセット要因異常」であると判定する。そして、第1判定部29aは、このときの異常検出を「リセット要因異常」として第1制御装置8のメモリ30に記憶する。
【0052】
(第2制御装置9がリセット要因異常を記憶するときの動作)
図9に、制御システム7が駆動命令Skで動いていない非駆動時、第1制御装置8が第2制御装置9から第2差分判断情報St2を入力した後に、第1制御装置8で偶発リセットが発生してしまった例を挙げる。この場合、第1制御装置8でリセットが発生すると、第1制御装置8のカウンタ22が現状の「4」から「5」に設定される。そして、第1通知部27aは、第1差分判断情報St1の定期送信タイミングのときに、第1リセット回数R1が「5」である旨の第1差分判断情報St1を第2制御装置9に出力する。
【0053】
第2判定部29bは、第1リセット回数R1が「5」の第1差分判断情報St1を入力すると、この第1差分判断情報St1に基づき、リセット回数Rの差分を確認する。ここでは、リセット回数Rが「5」の第1差分判断情報St1を入力するため、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2に差が生じる。このため、第2判定部29bは、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2の差が存在することを認識する。
【0054】
第2判定部29bは、制御システム7の非駆動時にリセット回数Rの差を検出した場合、このときに発生した異常が「リセット要因異常」であると判定する。そして、第2判定部29bは、このときの異常検出を「リセット要因異常」として第2制御装置9のメモリ31に記憶する。このように、リセット要因検出機能によって偶発リセットが検出されるとともに、異常検出が「リセット要因異常」としてメモリ31に書き込まれる。
【0055】
また、第2判定部29bは、リセット要因異常を検出した場合、その旨を第1制御装置8に通知するためのリセット差発生通知Svを、第1制御装置8に出力する。これにより、第1制御装置8は、第2制御装置9においてリセット要因異常が検出されたことを認識可能となる。よって、第1制御装置8は、リセット要因異常が発生したことを、ユーザ等の作業者に通知することが可能となる。
【0056】
図10に、制御システム7が駆動命令Skで動いていない非駆動時、第2制御装置9が第1制御装置8に第2差分判断情報St2を出力した後に、第2制御装置9で偶発リセットが発生してしまった例を挙げる。この場合、第2制御装置9でリセットが発生すると、第2制御装置9のカウンタ24が現状の「4」から「5」に設定される。その後、第2制御装置9は、第1制御装置8から、第1リセット回数R1が「4」である旨の第1差分判断情報St1を入力する。
【0057】
第2判定部29bは、第1リセット回数R1が「4」である旨の第1差分判断情報St1を入力すると、この第1差分判断情報St1に基づいてリセット回数Rの差分を確認する。ここでは、第1制御装置8の第1リセット回数R1が「4」で、第2制御装置9の第2リセット回数R2が「5」であるため、リセット回数Rに差が生じる。このため、第2判定部29bは、第1リセット回数R1及び第2リセット回数R2の差が存在することを認識する。
【0058】
第2判定部29bは、制御システム7の非駆動時にリセット回数Rの差を検出した場合、このときに発生した異常が「リセット要因異常」であると判定する。そして、第2判定部29bは、このときの異常検出を「リセット要因異常」として第2制御装置9のメモリ31に記憶する。
【0059】
また、第2判定部29bは、リセット要因異常を検出した場合、その旨を第1制御装置8に通知するためのリセット差発生通知Svを、第1制御装置8に出力する。これにより、第1制御装置8は、第2制御装置9においてリセット要因異常が検出されたことを認識可能となる。よって、第1制御装置8は、リセット要因異常が発生したことを、ユーザ等の作業者に通知することが可能となる。
【0060】
メモリ30、31に記憶された「不作動要因異常」や「リセット要因異常」を確認するときは、例えば、ツール(図示略)をユーザ利用物2のコネクタ等に接続する。そして、ツールにおいて読み出し操作を実行すると、メモリ30、31に記憶されている「不作動要因異常」や「リセット要因異常」がツールのディスプレイに表示される。よって、作業者は、制御システム7に発生している異常が、「不作動要因」を原因とするものか、それとも、「リセット要因」を原因とするものかを、判別することが可能となる。
【0061】
図11に示すように、第1計数部21及び第2計数部23によって計数されたリセット回数Rは、1ビットの信号で表現されることが好ましい。具体的には、例えば、リセット回数Rが「0」及び偶数回数のとき、2値符号の「0」が書き込まれ、一方、リセット回数Rが奇数回数のとき、2値符号の「1」が書き込まれるようにする。こうすれば、少ない記憶領域でリセット回数Rを管理することが可能となる。
【0062】
(実施形態の効果)
上記実施形態の異常監視装置20、及び異常監視方法によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0063】
(1)制御システム7は、上位の第1制御装置8から駆動命令Skを下位の第2制御装置9に出力することにより、駆動命令Skによって第2制御装置9を作動させる。異常監視装置20は、この制御システム7に使用し、制御システム7に発生し得る異常について管理する。異常監視装置20は、第1制御装置8で実行されたリセットの回数である第1リセット回数R1と、第2制御装置9で実行されたリセットの回数である第2リセット回数R2と、に基づき、制御システム7における異常の有無を判定する判定部29を備える。
【0064】
本構成によれば、第1制御装置8及び第2制御装置9の一方に偶発的なリセットが発生した場合には、第1リセット回数R1と第2リセット回数R2との間に差が発生する。このため、第1リセット回数R1と第2リセット回数R2との差を監視すれば、リセット要因による異常が発生した場合に、この異常を検出することが可能となる。よって、異常の要因を的確に検出できる。
【0065】
(2)異常監視装置20は、第1制御装置8及び第2制御装置9の少なくとも一方に設けられた通知部27を備える。通知部27は、リセット回数Rの差分有無を判断するための差分判断情報Stを相手に出力する。判定部29は、差分判断情報Stに基づき、異常の有無を判定する。この構成によれば、第1制御装置8及び第2制御装置9の間で差分判断情報Stを通知し合うので、正しいリセット回数Rを互いに把握することが可能となる。よって、異常要因の的確な検出に一層寄与する。
【0066】
(3)通知部27は、第1制御装置8が第2制御装置9に駆動命令Skを出力していない非駆動時、差分判断情報Stを定期的に相手に通知する。この構成によれば、第1制御装置8及び第2制御装置9は、最新の差分判断情報Stを相手に定期的に通知する。このため、最新の差分判断情報Stによって、異常要因の有無を判定可能となる。よって、異常要因の的確な検出に一層寄与する。
【0067】
(4)第1制御装置8に設けられた判定部29は、非駆動時に第2制御装置9から入力した差分判断情報Stに基づきリセット回数Rの差を検出した場合に、その旨を、リセット差分要因としてメモリ30(32)に記憶する。この構成によれば、作業者は、第1制御装置8のメモリ30(32)の記憶領域を読み出すことにより、リセット差分要因の異常が発生したことを把握することが可能となる。よって、何を要因とした異常であるのか作業者が分からない状況を生じ難くできる。
【0068】
(5)第2制御装置9に設けられた判定部29(第2判定部29b)は、非駆動時に第1制御装置8から入力した差分判断情報St(第1差分判断情報St1)に基づきリセット回数Rの差を検出した場合に、リセット回数Rが異なる旨のリセット差発生通知Svを第1制御装置8に出力する。この構成によれば、第1制御装置8は、第2制御装置9から入力したリセット差発生通知Svにより、リセット差分要因の異常が発生したことを認識可能となる。よって、第1制御装置8は、自身にリセット差分要因の異常が発生したことのみならず、第2制御装置9でリセット差分要因の異常が発生したことも、作業者に通知できる。
【0069】
(6)第2制御装置9は、第1制御装置8から駆動命令Skを入力した駆動時、駆動命令Skに対する駆動結果Soutを第1制御装置8に出力するときに、現状の第2リセット回数R2を併せて通知する。第1制御装置8に設けられた判定部29(第1判定部29a)は、入力した現状の第2リセット回数R2に基づきリセット回数Rの差を確認し、差がある場合には、その旨を不作動要因として第1制御装置8のメモリ30に記憶する。
【0070】
この構成によれば、不作動要因の異常を検出可能として、これを第1制御装置8のメモリ30に記憶可能とした。このため、リセット要因異常のみならず、不作動要因異常もメモリ30に記憶しておくことが可能となる。よって、第1制御装置8のメモリ30に対し、異常を種類分けして記憶することが可能となる。
【0071】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0072】
・第1制御装置8は、統合ECUに限定されず、例えば、照合ECUなどの他のECUとしてもよい。第2制御装置9は、ステアリングロックECUに限定されず、例えば、ドアロックECU、走行制御ECU(エンジンECU)などでもよい。
【0073】
・第2制御装置9は、第1制御装置8から電源を得ることに限定されず、車載電源から直に電源を得る構成としてもよい。
・差分判断情報Stは、どのタイミングで相手に送信されてもよい。
【0074】
・メモリ30、31に書き込まれた情報は、例えば、車載用のディスプレイに表示可能としてもよい。
・相手から通知される差分判断情報Stで相手のリセット回数Rを把握することに限定されない。例えば、制御システム7の作動状態から、相手のリセット回数Rを推測するようにしてもよい。この場合、通知部27を省略できる。
【0075】
・制御システム7は、例えば、ドアロックシステム、エンジン制御システム、パワーコントロールユニットシステムなど、種々のシステムを含む。
・異常監視装置20は、車載用に限定されず、他の機器やシステムに使用されてもよい。
【0076】
・第1計数部21、第2計数部23、通知部27、及び判定部29は、[1]コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサによって構成されてもよいし、[2]そのようなプロセッサと、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は指令を格納している。メモリ(コンピュータ可読媒体)は、汎用、又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。或いは、上記プロセッサを含むコンピュータに代えて、各種処理の全てを実行する1つ以上の専用のハードウェア回路によって構成された処理回路が用いられてもよい。
【0077】
・第1計数部21、第2計数部23、通知部27、及び判定部29は、独立したプロセッサから構成されてもよいし、機能の一部分が共用のプロセッサから構築されてもよい。このように、第1計数部21、第2計数部23、通知部27、及び判定部29は、独立した機能ブロックに限らず、1つの機能ブロックから構成されてもよいし、一部分が共用された機能ブロックから構成されてもよい。
【0078】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0079】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記異常監視装置において、前記通知部は、前記第1制御装置から前記第2制御装置に第1差分判断情報を出力する第1通知部と、前記第2制御装置から前記第1制御装置に第2差分判断情報を出力する第2通知部と、を含み、前記判定部は、前記第2差分判断情報に基づき前記異常の有無を判定する第1判定部と、前記第1差分判断情報に基づき前記異常の有無を判定する第2判定部と、を含む。
【符号の説明】
【0080】
7…制御システム、8…第1制御装置、9…第2制御装置、20…異常監視装置、27…通知部、29…判定部、30…メモリ、31…メモリ、R…リセット回数、R1…第1リセット回数、R2…第2リセット回数、St…差分判断情報、Sk…駆動命令、Sout…駆動結果、Sv…リセット差発生通知。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
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図11