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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032368
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】拡散装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20240305BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61L9/12
A61L9/01 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135979
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】504193653
【氏名又は名称】株式会社ジーコム
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内河 敬明
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA03
4C180CA06
4C180HH05
4C180KK04
4C180LL03
4C180LL06
(57)【要約】
【課題】 流入部及び成分導入部間と成分導入部及び流出部間とを、一つの駆動源によって開閉することができる拡散装置を提供する。
【解決手段】 流通部は、香成分が導入される成分導入部と、気体が流入する流入部と、気体が流出する流出部と、成分導入部、流入部及び流出部にそれぞれ接続される接続部と、を備え、接続部は、流入部と成分導入部とを連通する第1連通路と、成分導入部と流出部とを連通し、成分導入部を介して第1連通路と連通する第2連通路と、を備え、拡散装置は、開位置と閉位置との間で移動可能な開閉部と、開閉部を移動させる駆動源と、を備え、開閉部は、開位置に位置するときに、第1連通路及び第2連通路をそれぞれ開放する一方で、閉位置に位置するときに、第1連通路及び第2連通路をそれぞれ閉鎖する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体が内部を流通可能な流通部と、
前記流通部の内部で気体を流通させる気流源と、を備える、拡散装置であって、
前記流通部は、
香成分が導入される成分導入部と、
気体が流入する流入部と、
気体が流出する流出部と、
前記成分導入部、前記流入部及び前記流出部にそれぞれ接続される接続部と、を備え、
前記接続部は、前記流入部と前記成分導入部とを連通する第1連通路と、前記成分導入部と前記流出部とを連通し、前記成分導入部を介して前記第1連通路と連通する第2連通路と、を備え、
前記拡散装置は、開位置と閉位置との間で移動可能な開閉部と、前記開閉部を移動させる駆動源と、を備え、
前記開閉部は、前記開位置に位置するときに、前記第1連通路及び前記第2連通路をそれぞれ開放する一方で、前記閉位置に位置するときに、前記第1連通路及び前記第2連通路をそれぞれ閉鎖する、拡散装置。
【請求項2】
前記接続部は、前記成分導入部を介することなく前記流入部及び前記流出部を連通する第3連通路を備え、
前記開閉部は、前記閉位置に位置するときに、前記第3連通路を開放する、請求項1に記載の拡散装置。
【請求項3】
前記開閉部は、前記開位置に位置するときに、前記第3連通路を閉鎖する、請求項2に記載の拡散装置。
【請求項4】
前記気流源は、前記開閉部が前記開位置から前記閉位置へ移動した後に設定時間を経過するまで、前記流通部の内部で気体の流通を維持させる、請求項2又は3に記載の拡散装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、拡散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、拡散装置は、気体が内部を流通可能な流通部と、流通部の内部で気体を流通させる気流源とを備えている。流通部は、香材を内部に配置することで香成分が導入される成分導入部と、気体を成分導入部へ流入する流入部と、気体を成分導入部から流出する流出部とを備えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、特許文献1に係る拡散装置は、流入部と成分導入部との間を開閉する第1開閉部と、第1開閉部を移動させる第1駆動源と、成分導入部と流出部との間を開閉する第2開閉部と、第2開閉部を移動させる第2駆動源とを備えている。したがって、流入部及び成分導入部間と成分導入部及び流出部間とは、二つの駆動源によって、開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-73464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、流入部及び成分導入部間と成分導入部及び流出部間とを、一つの駆動源によって開閉することができる拡散装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
拡散装置は、気体が内部を流通可能な流通部と、前記流通部の内部で気体を流通させる気流源と、を備える、拡散装置であって、前記流通部は、香成分が導入される成分導入部と、気体が流入する流入部と、気体が流出する流出部と、前記成分導入部、前記流入部及び前記流出部にそれぞれ接続される接続部と、を備え、前記接続部は、前記流入部と前記成分導入部とを連通する第1連通路と、前記成分導入部と前記流出部とを連通し、前記成分導入部を介して前記第1連通路と連通する第2連通路と、を備え、前記拡散装置は、開位置と閉位置との間で移動可能な開閉部と、前記開閉部を移動させる駆動源と、を備え、前記開閉部は、前記開位置に位置するときに、前記第1連通路及び前記第2連通路をそれぞれ開放する一方で、前記閉位置に位置するときに、前記第1連通路及び前記第2連通路をそれぞれ閉鎖する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る拡散装置の縦断面図であって、開閉部が開位置に位置する図
図2】同実施形態に係る装置本体の斜視図であって、開閉部が開位置に位置する図
図3】同実施形態に係る装置本体の正面図であって、開閉部が開位置に位置する図
図4】同実施形態に係る装置本体の正面図であって、開閉部が閉位置に位置する図
図5】同実施形態に係る装置本体の要部縦断面図であって、開閉部が開位置に位置する図
図6】同実施形態に係る装置本体の要部縦断面図であって、開閉部が閉位置に位置する図
図7】他の実施形態に係る装置本体の要部縦断面図であって、開閉部が開位置に位置する図
図8】同実施形態に係る装置本体の要部縦断面図であって、開閉部が閉位置に位置する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
また、各図において、第1方向D1は、第1横方向D1といい、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向であって、第2横方向D2といい、第3方向D3は、上下方向D3という。
【0011】
以下、拡散装置における一実施形態について、図1図6を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、拡散装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、拡散装置の構成を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、拡散装置1は、例えば、箱体2と、箱体2の内部に収容される装置本体3と、拡散装置1に電力を供給する電源部4と、拡散装置1を制御する制御部5とを備えていてもよい。箱体2は、例えば、本実施形態のように、気体を外部から内部へ流入するための流入口2aと、気体を内部から外部へ流出するための流出口2bとを備えていてもよい。
【0013】
電源部4の構成は、特に限定されない。電源部4は、例えば、USBケーブル等に接続されるケーブル接続部を備えていてもよく、また、例えば、箱体2の内部にセットされた乾電池から給電される給電部を備えていてもよく、また、例えば、コンセントに差されるプラグを備えていてもよく、また、例えば、蓄電される蓄電池を備えていてもよい。
【0014】
制御部5の構成は、特に限定されない。制御部5は、例えば、ソフト回路を有するCPUを備えていてもよく、また、例えば、リレー等によるハード回路を有する基板を備えていてもよい。
【0015】
図1及び図2に示すように、装置本体3は、例えば、気体が内部を流通可能な流通部6と、流通部6の内部で気体を流通させる気流源7と、開位置(図1図3及び図5参照)と閉位置(図4及び図6参照)との間で移動可能な開閉部8と、開閉部8を移動させる駆動源9と、駆動源9の駆動を開閉部8に伝達する伝達部10とを備えていてもよい。
【0016】
流通部6は、例えば、本実施形態のように、香成分が導入される成分導入部11と、気体が流通部6の外部から内部へ流入する流入部12と、気体が流通部6の内部から外部へ流出する流出部13と、成分導入部11、流入部12及び流出部13にそれぞれ接続される接続部14とを備えていてもよい。そして、開閉部8は、例えば、本実施形態のように、流通部6の内部、具体的には、接続部14の内部に配置されていてもよい。
【0017】
気流源7は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、ファンとしてもよい。そして、ファンが回転することによって、空気による気流が発生してもよい。なお、気流源7は、例えば、蒸気や圧縮空気を発生させる発生器としてもよい。そして、発生器が蒸気や圧縮空気を生成することによって、蒸気や圧縮空気による気流が発生してもよい。
【0018】
なお、図1において、気流は、二点鎖線で図示されている。例えば、本実施形態においては、気体は、箱体2aの流入口2aから流入し、流入部12、成分導入部11、流出部13の順に流通し、箱体2の流出口2bから流出する。
【0019】
成分導入部11は、香成分が導入されるが、香成分が導入される構成は、限定されない。成分導入部11は、例えば、本実施形態のように、液状の香材を収容する容器X1を固定する固定部11aと、液状の香材を含浸する含浸材X2を収容する収容部11bとを備えていてもよい。
【0020】
これにより、成分導入部11を流通する気体に、香成分を含ませることができる。なお、香成分は、特に限定されない。例えば、香成分は、芳香剤やアロマ等の香材による有臭の香成分だけでなく、消臭剤等の香材による無臭の香成分(消臭成分)も含む概念である。また、香材は、液体の香材だけでなく、例えば、香成分を含む固形物(例えば、ビーズ)であってもよい。なお、成分導入部11は、例えば、収容部11bの内部に香材を直接に収容していてもよい。
【0021】
駆動源9及び伝達部10の構成は、特に限定されない。例えば、本実施形態のように、駆動源9は、回転駆動のモータであり、伝達部10は、歯車機構を備える、という構成でもよい。また、例えば、駆動源9は、往復駆動のシリンダであり、伝達部10は、リンク機構を備える、という構成でもよい。
【0022】
図2図4に示すように、伝達部10は、例えば、本実施形態のように、駆動源9の駆動により回転する第1歯車10aと、第1歯車10aと噛み合う第2歯車10bと、第2歯車10bと開閉部8とを連結する連結軸10cとを備えていてもよい。これにより、駆動源9の駆動は、第1歯車10a、第2歯車10b及び連結軸10cを介して、開閉部8に伝達される。
【0023】
したがって、開閉部8を動作させる駆動源9(図1参照)は、一つである。また、開閉部8は、例えば、本実施形態のように、一つの部材で構成されていてもよい。なお、一つの部材とは、一つの部品から構成されている部材だけでなく、複数の部品がお互いに固定されることによって一体となって流通部6に対して移動する部材も含む。
【0024】
そして、例えば、開閉部8が開位置に位置している状態から(図1図3参照)、駆動源9の駆動によって、第1歯車10a及び第2歯車10bが回転することにより、開閉部8は、第1横方向D1を軸にして、即ち、連結軸10cを軸にして回転する。これにより、開閉部8は、閉位置まで移動できる(図4参照)。
【0025】
また、例えば、開閉部8が閉位置に位置している状態から(図4参照)、駆動源9の駆動によって、第1歯車10a及び第2歯車10bが回転することにより、開閉部8は、第1横方向D1を軸にして、即ち、連結軸10cを軸にして回転する。これにより、開閉部8は、開位置まで移動できる(図1図3参照)。
【0026】
なお、伝達部10は、例えば、本実施形態のように、開閉部8が開位置及び閉位置に位置するときに、第2歯車10bを当て止めする位置決め部10dを備えていてもよい。これにより、位置決め部10dが第2歯車10bを当て止めするまで、第2歯車10bが回転することによって、開閉部8は、開位置及び閉位置に位置決めされる。
【0027】
そして、位置決め部10dは、例えば、第2歯車10bに当たる部分に、吸収材10e(例えば、弾性材)を備えていてもよい。これにより、位置決め部10dが第2歯車10bに当たるときに、例えば、当たる衝撃や当たるときに発生する音を小さくすることができる。
【0028】
次に、本実施形態に係る開閉部8の動作及び流通部6の内部の気流について、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0029】
図5に示すように、接続部14は、例えば、本実施形態のように、流入部12と成分導入部11とを連通する第1連通路14aと、成分導入部11と流出部13とを連通する第2連通路14bと、成分導入部11を介することなく、流入部12と流出部13とを連通する第3連通路14cとを備えていてもよい。なお、第1連通路14aと第2連通路14bとは、例えば、本実施形態のように、成分導入部11を介して連通していてもよい。
【0030】
そして、開閉部8が開位置に位置するときに、第1連通路14a及び第2連通路14bは、開放され、第3連通路14cは、閉鎖される。これにより、気体が、流入部12、成分導入部11、流出部13の順に流通するため、気体は、成分導入部11を確実に流通することになる。
【0031】
したがって、成分導入部11で香成分を気体に確実に含ませることができるため、流出部13から流出される気体に、香成分を確実に含ませることができる。なお、図5図6図8も同様)において、二点鎖線は、開放されている連通路14a,14bを示しており、破線は、開閉部8によって閉鎖されている連通路14cを示している。
【0032】
また、流通部6は、例えば、本実施形態のように、開位置に位置する開閉部8の外周部と係合する開係合部6aを備えていてもよい。これにより、開閉部8と開係合部6aとの隙間が、屈曲するように形成される。したがって、開閉部8が開位置に位置するときに、気体が開閉部8と開係合部6aとの隙間を流通することを抑制することができる。
【0033】
一方で、図6に示すように、開閉部8が閉位置に位置するときに、第1連通路14a及び第2連通路14bは、それぞれ閉鎖される。これにより、流入部12及び成分導入部11間と成分導入部11及び流出部13間とは、それぞれ閉鎖される。したがって、成分導入部11の香成分を含んだ気体が流入部12及び流出部13から漏出することを抑制することができる。
【0034】
なお、流通部6は、例えば、本実施形態のように、閉位置に位置する開閉部8の外周部と係合する閉係合部6bを備えていてもよい。これにより、開閉部8と閉係合部6bとの隙間が、屈曲するように形成される。したがって、開閉部8が閉位置に位置するときに、気体が開閉部8と閉係合部6bとの隙間を流通することを抑制することができる。
【0035】
ところで、開閉部8が閉位置に位置するときに、第3連通路14cは、開放される。これにより、開閉部8が閉位置に位置するときでも、接続部14の第3連通路14cは、流入部12及び流出部13を介して、流通部6の外部へ開放している。
【0036】
そこで、例えば、開閉部8が開位置から閉位置へ移動した後に設定時間を経過するまで、制御部5(図1参照)は、流通部6の内部で気体の流通を維持するように、気流源7(図1図4参照)を制御してもよい。これにより、気体は、流入部12、接続部14の第3連通路14c、流出部13の順に流通することになる。したがって、接続部14の第3連通路14cに滞留する香成分を流出部13から流出することができる。
【0037】
また、例えば、開閉部8が閉位置に位置する状態が、設定時間だけ維持された場合に、制御部5は、所定時間だけ流通部6の内部で気体が流通するように、気流源7を制御してもよい。これにより、例えば、開閉部8から第3連通路14cに漏出して滞留する香成分を流出部13から流出することができる。
【0038】
なお、開閉部8が閉位置から開位置へ移動する条件は、特に限定されない。当該条件は、例えば、図示していない入力部(例えば、スイッチ、人感センサ等)に情報が入力されることでもよく、また、例えば、電源部4(図1参照)に電力が供給されることでもよく、また、例えば、開閉部8が閉位置に位置する状態が、設定時間だけ維持されたことでもよい。
【0039】
なお、開閉部8が開位置から閉位置へ移動する条件は、特に限定されない。当該条件は、例えば、図示していない入力部(例えば、スイッチ等)に情報が入力されることでもよく、また、例えば、図示していない入力部(例えば、人感センサ等)に情報が入力されなくなることでもよく、また、例えば、電源部4に電力の供給が停止されることでもよく、また、例えば、開閉部8が開位置に位置する状態が、設定時間だけ維持されたことでもよい。
【0040】
[1]
以上より、拡散装置1は、本実施形態のように、気体が内部を流通可能な流通部6と、前記流通部6の内部で気体を流通させる気流源7と、を備える、拡散装置1であって、前記流通部6は、香成分が導入される成分導入部11と、気体が流入する流入部12と、気体が流出する流出部13と、前記成分導入部11、前記流入部12及び前記流出部13にそれぞれ接続される接続部14と、を備え、前記接続部14は、前記流入部12と前記成分導入部11とを連通する第1連通路14aと、前記成分導入部11と前記流出部13とを連通し、前記成分導入部11を介して前記第1連通路14aと連通する第2連通路14bと、を備え、前記拡散装置1は、開位置と閉位置との間で移動可能な開閉部8と、前記開閉部8を移動させる駆動源9と、を備え、前記開閉部8は、前記開位置に位置するときに、前記第1連通路14a及び前記第2連通路14bをそれぞれ開放する一方で、前記閉位置に位置するときに、前記第1連通路14a及び前記第2連通路14bをそれぞれ閉鎖する、という構成が好ましい。
【0041】
斯かる構成によれば、駆動源9は、開閉部8を開位置と閉位置との間で移動させる。そして、開閉部8が開位置に位置するときに、第1連通路14a及び第2連通路14bがそれぞれ開放されるため、流入部12及び成分導入部11間と成分導入部11及び流出部13間とは、それぞれ開放される。これにより、気体が、流入部12、成分導入部11、流出部13の順に流通するため、流出部13から香成分を含んだ気体を流出することができる。
【0042】
一方で、開閉部8が閉位置に位置するときに、第1連通路14a及び第2連通路14bがそれぞれ閉鎖されるため、流入部12及び成分導入部11間と成分導入部11及び流出部13間とは、それぞれ閉鎖される。これにより、成分導入部11の香成分を含んだ気体が流入部12及び流出部13から漏出することを抑制することができる。このように、流入部12及び成分導入部11間と成分導入部11及び流出部13間とを、一つの駆動源9によって開閉することができる。
【0043】
[2]
また、上記[1]の拡散装置1においては、本実施形態のように、前記接続部14は、前記成分導入部11を介することなく前記流入部12及び前記流出部13を連通する第3連通路14cを備え、前記開閉部8は、前記閉位置に位置するときに、前記第3連通路14cを開放する、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、開閉部8が閉位置に位置するときに、第3連通路14cが開放されるため、流入部12及び流出部13間は、開放される。これにより、開閉部8が閉位置に位置するときでも、接続部14の第3連通路14cを、流入部12及び流出部13を介して、流通部6の外部へ開放することができる。
【0045】
[3]
また、上記[2]の拡散装置1においては、本実施形態のように、前記開閉部8は、前記開位置に位置するときに、前記第3連通路14cを閉鎖する、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、開閉部8が開位置に位置するときに、第3連通路14cが閉鎖されるため、気体は、流入部12、成分導入部11、流出部13の順に流通することになる。これにより、気体が成分導入部11を確実に流通することになるため、香成分を気体に確実に含ませることができる。
【0047】
[4]
また、上記[2]又は[3]の拡散装置1においては、本実施形態のように、前記気流源7は、前記開閉部8が前記開位置から前記閉位置へ移動した後に設定時間を経過するまで、前記流通部6の内部で気体の流通を維持させる、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、開閉部8が開位置から閉位置へ移動した後に設定時間を経過するまで、流通部6の内部で気体の流通が維持されるため、気体は、流入部12、接続部14の第3連通路14c、流出部13の順に流通することになる。これにより、接続部14の第3連通路14cに滞留する香成分を流出部13から流出することができる。
【0049】
なお、拡散装置1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、拡散装置1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0050】
(A)上記実施形態に係る拡散装置1においては、開閉部8は、開位置に位置するときに、第3連通路14cを閉鎖する、という構成である。しかしながら、拡散装置1は、斯かる構成に限られない。
【0051】
例えば、図7及び図8に示すように、開閉部8は、開位置に位置するときに、第3連通路14cを開放する、という構成でもよい。以下に、斯かる構成の流通部6の内部の気流について説明する。
【0052】
例えば、図7に示すように、開閉部8が開位置に位置するときに、第1連通路14a及び第2連通路14bがそれぞれ開放されるため、流入部12及び成分導入部11間と成分導入部11及び流出部13間とは、それぞれ開放される。これにより、気体が、流入部12、成分導入部11、流出部13の順に流通するため、流出部13から香成分を含んだ気体を流出することができる。
【0053】
なお、図7及び図8に係る構成においては、例えば、流入部12は、成分導入部11へ(具体的には、下方へ)向けて延びる案内部12aを備えていてもよい。これにより、開閉部8が開位置に位置するときに、気体が第1連通路14aを流通することを促進するため、気体が第3連通路14cを流通することを抑制することができる。
【0054】
一方で、図8に示すように、開閉部8が閉位置に位置するときに、第1連通路14a及び第2連通路14bがそれぞれ閉鎖されるため、流入部12及び成分導入部11間と成分導入部11及び流出部13間とは、それぞれ閉鎖される。これにより、成分導入部11の香成分を含んだ気体が流入部12及び流出部13から漏出することを抑制することができる。
【0055】
また、開閉部8が閉位置に位置するときに、第3連通路14cが開放されるため、流入部12及び流出部13間は、開放される。これにより、開閉部8が閉位置に位置するときでも、接続部14の第3連通路14cを、流入部12及び流出部13を介して、流通部6の外部へ開放することができる。
【0056】
(B)また、上記実施形態に係る拡散装置1においては、接続部14は、開閉部8が閉位置に位置するときに、流入部12及び流出部13を連通する第3連通路14cを備えている、という構成である。しかしながら、拡散装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、接続部14は、第3連通路14cを備えておらず、開閉部8が閉位置に位置するときに、流入部12及び流出部13間を閉鎖する、という構成でもよい。
【0057】
(C)また、上記実施形態に係る拡散装置1においては、開閉部8は、第1横方向D1を軸にして回転することによって、開位置及び閉位置間を移動する、という構成である。しかしながら、拡散装置1は、斯かる構成に限られない。
【0058】
例えば、開閉部8は、上下方向D3を軸にして回転することによって、開位置及び閉位置間を移動する、という構成でもよい。また、例えば、開閉部8は、横方向D1,D2に沿って直線的に移動することによって、開位置及び閉位置間を移動する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…拡散装置、2…箱体、2a…流入口、2b…流出口、3…装置本体、4…電源部、5…制御部、6…流通部、6a…開係合部、6b…閉係合部、7…気流源、8…開閉部、9…駆動源、10…伝達部、10a…第1歯車、10b…第2歯車、10c…連結軸、10d…位置決め部、10e…吸収材、11…成分導入部、11a…固定部、11b…収容部、12…流入部、12a…案内部、13…流出部、14…接続部、14a…第1連通路、14b…第2連通路、14c…第3連通路、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…容器、X2…含浸材
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8