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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032378
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】流体供給装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240305BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20240305BHJP
   C01B 3/34 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H01M8/04 N
H01M8/0606
C01B3/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135995
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】涌井 友和
(72)【発明者】
【氏名】神林 達也
【テーマコード(参考)】
4G140
5H127
【Fターム(参考)】
4G140EA03
4G140EA06
4G140EB46
5H127AB23
5H127BA01
5H127BA05
5H127BA13
5H127BA18
5H127BA34
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB19
5H127BB37
5H127GG04
5H127GG09
(57)【要約】
【課題】二重管構造を有して改質器に水と原燃料を供給する流体供給装置において、加工性と組立性に優れた流体供給装置を提供すること。
【解決手段】流体供給装置は、内管61と外管62からなる二重管構造を備える分配管60と、分配管60に原燃料供給装置15と水供給装置16を接続する接続継手70と、を有して構成され、接続継手70は、分配管60が挿通される分配管挿通路74が形成された継手本体71と、分配管挿通路74内に配置され外管62と分配管挿通路74とをシールするシール部材73と、継手本体71の一端部に嵌合する嵌合部材72と、を備え、シール部材73は、継手本体71と嵌合部材72とに挟み込まれて保持される。接続継手70は、継手本体71内にシール部材73を配置し、嵌合部材72を継手本体71に取り付けることで組み立てることができ、加工性と組立性に優れる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気改質をおこなう改質器に原燃料と水とを供給する流体供給装置であって、
原燃料を供給する原燃料供給装置と、
水を供給する水供給装置と、
内管と外管からなる二重管構造内に原燃料の流路と水の流路とを備え、前記改質器に接続される分配管と、
前記分配管に、前記原燃料供給装置と前記水供給装置を接続する接続継手と、を有し、
前記接続継手は、前記分配管が挿通される分配管挿通路が形成された継手本体と、前記分配管挿通路内に配置され、前記外管と前記分配管挿通路とをシールするシール部材と、前記継手本体の一端部に嵌合する嵌合部材と、を備え、
前記シール部材は、前記継手本体と前記嵌合部材とに挟み込まれて保持される流体供給装置。
【請求項2】
前記シール部材はOリングであって、
前記分配管挿通路は、前記継手本体の一端部に設けられた大径部と、前記大径部とつながる小径部を備え、
前記大径部と前記小径部との間に形成された段差に前記Oリングが載置される請求項1記載の流体供給装置。
【請求項3】
前記分配管に取り付けられる抜け止め具をさらに備え、
前記継手本体の端部には、前記嵌合部材の外周において前記分配管の軸方向に凸となる凸部が複数形成されており、
前記抜け止め具と前記凸部とが当接する請求項2記載の流体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素を含有する燃料ガスと酸素含有ガス(空気)とを用いて発電を行ない、電気を外部に供給する燃料電池装置が知られており、発電を行う燃料電池モジュールと、燃料電池モジュールを動作させるための補機等を筐体内に備えて構成される。
【0003】
このような燃料電池装置は、天然ガスやLPガス等の原燃料から、燃料電池モジュールに供給する燃料ガスを生成するための改質器を備えている。改質器は、水を気化して水蒸気を生成する気化部と、発生した水蒸気を用いて原燃料を水蒸気改質する改質部とを有しており、気化部に原燃料と水とが導入されるようになっている。そして、気化部で発生した水蒸気と原燃料とが混合されて下流側の改質部に導入され、改質部で燃料ガスが生成されるように構成されている。
【0004】
そして、この気化部に水と原燃料を導入する手段として、例えば、二重管構造を備えた流体供給装置が用いられる。特許文献1では、内管5Aと外管5Bからなる二重管構造の本体部5と、この本体部5に原燃料供給管3及び水供給管4を接続する継手部材2を備えており、原燃料と水はそれぞれ二重管の内と外を通って本体部5の先端から気化部に供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-064862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の構成においては、水および原燃料の流路と継手部材との気密をとるために、シール部が設けられている。一般的に、シール部にはOリングが用いられる。継手部材は、金属部品からなり、Oリングを装着するための内溝が切削形成されている。しかしながらこの構造では、Oリングを取り付ける際は、継手内部の溝にOリングを押し込む作業が必要であり、Oリング外径より狭い部分を通すため、ねじれたり、余計に押し込まれたりと作業性が悪くなっていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、二重管構造を有して改質器に水と原燃料を供給する流体供給装置において、加工性と組立性に優れた流体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水蒸気改質をおこなう改質器に原燃料と水とを供給する流体供給装置であって、
原燃料を供給する原燃料供給装置と、
水を供給する水供給装置と、
内管と外管からなる二重管構造内に原燃料の流路と水の流路とを備え、前記改質器に接続される分配管と、
前記分配管に、前記原燃料供給装置と前記水供給装置を接続する接続継手と、を有し、
前記接続継手は、前記分配管が挿通される分配管挿通路が形成された継手本体と、前記分配管挿通路内に配置され、前記外管と前記分配管挿通路とをシールするシール部材と、前記継手本体の一端部に嵌合する嵌合部材と、を備え、
前記シール部材は、前記継手本体と前記嵌合部材とに挟み込まれて保持される流体供給装置である。
【発明の効果】
【0009】
上述のように構成することにより、内溝加工を施すことなく、シール部材を取り付けることができるため、加工性と組立性に優れた流体供給装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の燃料電池装置のシステム構成図である。
図2】本実施形態の分配装置の斜視図である。
図3】(a)は本実施形態の分配装置の上面図であり、(b)は(a)におけるA-A断面図である。
図4】(a)は本実施形態の分配装置の側面図であり、(b)は(a)におけるB-B断面図である。
図5】本実施形態の継手本体の断面図である。
図6】本実施形態の接続継手の斜視図である。
図7】本実施形態の分配装置において嵌合部材の有無を比較する上面図であって、(a)は嵌合部材が装着されている場合、(b)は嵌合部材を装着し忘れた場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0012】
本発明は、水蒸気改質をおこなう改質器に原燃料と水とを供給する流体供給装置に関し、内管と外管からなる二重管構造を備える分配管と、分配管に原燃料供給装置と水供給装置を接続する接続継手と、を有して構成され、接続継手は、分配管が挿通される分配管挿通路が形成された継手本体と、分配管挿通路内に配置され外管と分配管挿通路とをシールするシール部材と、継手本体の一端部に嵌合する嵌合部材と、を備え、シール部材は、継手本体と嵌合部材とに挟み込まれて保持される。この構成において、接続継手は、継手本体内にシール部材を配置し、嵌合部材を継手本体に取り付けることで組み立てることができる。したがって、従来のように接続継手に内溝加工を施すこともなく、簡単にシール部材を取り付けることができるため、加工性と組立性に優れた流体供給装置となる。
【0013】
また、シール部材であるOリングが配置される分配管挿通路は、継手本体の一端部に設けられた大径部と、大径部とつながる小径部を備えており、大径部と小径部との間に形成された段差にOリングが載置される。これにより、所定位置に確実にOリングを配置することができる。
【0014】
また、分配管に取り付けられる抜け止め具をさらに備え、継手本体の端部には、嵌合部材の外周において分配管の軸方向に凸となる凸部が複数形成されており、抜け止め具と凸部とが当接する。これにより、抜け止め具と継手本体との間から嵌合部材が視認されるため、嵌合部材の取り付け忘れに気付くことができる。
【実施例0015】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
【0016】
図1は本実施形態の燃料電池装置のシステム構成図である。燃料電池装置100は、燃料電池モジュール1を含み、燃料電池モジュール1を作動させるための、第1熱交換器2、蓄熱タンク3、凝縮水タンク4、放熱器5、空気供給装置14、原燃料供給装置15、改質水供給装置16等の複数の補機が筐体50内に納められている。筐体50内には上述の装置全てが収められる必要はなく、例えば、第1熱交換器2や蓄熱タンク3を筐体50の外部に設けてもよい。また、上述の装置の一部を省略した燃料電池装置も可能である。
【0017】
燃料電池モジュール1は、箱状の収納容器10の内部に、燃料ガスと酸素含有ガスとで発電を行なう燃料電池11と、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12と、を収容して構成される。
【0018】
燃料電池11の構成については特に限定はしないが、例えば、複数の燃料電池セルが配列されてなるセルスタック構造を有していてもよい。セルスタック構造の燃料電池11は、例えば、各燃料電池セルの下端を、ガラスシール材等の絶縁性接合材を用いて、マニホールドに固定することによって構成される。
【0019】
改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを水蒸気改質し、燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する。改質器12には分配装置17が接続されており、この分配装置17に原燃料ガスを供給する原燃料供給装置15と、改質水を供給する改質水供装置16が接続されている。分配装置17を通った原燃料ガスと改質水は、加熱された改質器12で改質反応し、水素を含む燃料ガスが生成される。
【0020】
燃料電池11には、改質器12で生成された燃料ガスと、空気供給装置14によって導入された空気(酸素含有ガス)が供給される。燃料ガスは、燃料電池セル内を通過するときに酸素含有ガスと反応して発電が行われる。発電に使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスは、燃料電池11の上部で合流して燃焼する。この燃料ガスの燃焼によって高温の排ガスが生成され、改質器12はこの熱によって加熱される。このようにして燃料電池モジュール1内で生じた排ガスは、第1熱交換器2に供給される。
【0021】
第1熱交換器2には配管を介して、蓄熱タンク3、熱媒ポンプP1および放熱器5が接続され、第1熱媒循環ラインHC1が形成されている。この第1熱媒循環ラインHC1には熱媒体が導入されており、第1熱交換器2ではこの熱媒体と前述の排ガスとで熱交換が行われて熱媒体が加熱される。熱媒体としては水などを用いることができ、蓄熱タンク3は熱交換により温度が上昇した熱媒体を蓄える。蓄熱タンク3に蓄えられた熱媒体は、放熱器5に送られて冷却され、再び第1熱交換器2で排ガスと熱交換を行った後、蓄熱タンク3に還流する。これにより、蓄熱タンク3には上部から温度の高い熱媒体が蓄えられ温度成層が形成される。
【0022】
また、第1熱交換器2には、凝縮水回収路20を介して凝縮水タンク4が接続されている。燃料電池モジュール1で発生した排ガスが熱交換によって冷却されると、排ガス中に含まれる水蒸気が水と気体に分離され、分離された水は、凝縮水回収流路20を通って凝縮水タンク4に回収される。凝縮水タンク4では、イオン交換器(図示せず)などを経て、回収した水から不純物を取り除いて純水化する。純水化した水は水供給装置16により改質器12に供給され、改質水として使用される。一方で、水分が取り除かれた気体は、排気流路21を通ってから筐体50の外に排出される。
【0023】
改質器12に原燃料を供給する原燃料供給装置15は、燃料の供給源から繋がる原燃料供給流路22上に、第1電磁弁V1、圧力センサPS、脱硫器DS、ガス流量計FM1、燃料ポンプB1、第2電磁弁V2等の補機が設けられている。改質器12に改質水を供給する改質水供給装置16は、凝縮水タンク4から繋がる改質水供給流路23上に改質水ポンプP3等の補機が設けられている。燃料電池モジュール1に酸素含有ガスを供給する空気供給装置14は、酸素含有ガス供給流路24上に、空気流量計FM2、ブロワB2等の補機が設けられている。なお、ここに挙げた補機は一例であって、この他の補機を備える構成としてもよい。
【0024】
さらに、燃料電池装置100には、各種機器の動作を制御する制御装置30が設けられているほか、燃料電池モジュール1にて発電された直流電力を交流電力に変換し、変換された電気の外部負荷への供給量を調整するための供給電力調整部(パワーコンディショナ)40を備えている。
【0025】
また、燃料電池装置100は、第2熱交換器6、蓄熱タンク3から熱媒を循環させる与熱ポンプP2およびこれらを繋ぐ配管を含む第2熱媒循環ラインHC2を備えていてもよい。第2熱媒循環ラインHC2では、外部から供給流路25を介して供給された水道水を、蓄熱タンク3に貯留された高温の熱媒体を用いて第2熱交換器6で加温する。加温された水を外部の給湯器等の再加熱装置に向けて送給流路26を介して送給することができる。燃料電池装置100は、外部への温水供給を行わない、いわゆるモノジェネレーションシステムであってもよい。
【0026】
次に図2図5に基づき、本実施形態の分配装置の構造について説明する。図2は、本実施形態の分配装置の斜視図である。図3(a)は本実施形態の分配装置の上面図であり、(b)は(a)におけるA-A断面図である。図4(a)は本実施形態の分配装置の側面図であり、(b)は(a)におけるB-B断面図である。図5は、本実施形態の継手本体の断面図である。
【0027】
分配装置17は、原燃料供給装置15から供給される原燃料ガスと、改質水供給装置16から供給される改質水とを改質器12に供給する装置である。分配装置17は、改質器12に接続される分配管60と、分配管60に原燃料供給装置15と改質水供給装置16を接続する接続継手70と、接続継手70の内部で原燃料ガスと改質水の流路を仕切る仕切部80を備えて構成される。本実施形態の流体供給装置は、この分配装置17に、原燃料供給装置15と改質水供給装置16とを接続して構成されている。
【0028】
分配管60は、内管61と外管62からなる二重管構造を有していて、接続継手70から延びており、先端が改質器12に接続される。内管61の内部空間は原燃料ガスが流れる原燃料流路Gであり、内管61と外管62の間の空間は改質水が流れる改質水流路Wとなっていて、原燃料ガスと改質水とが分離された状態で改質器12に供給される。
【0029】
この分配管60には、抜け止め具63が取り付けられる。抜け止め具63には例えばEリングを用いることができる。分配管60にはEリングが係合する凹みが形成されており、分配管60の外周にEリングを取り付けて、分配管60と接続継手70とをクイックファスナ(図示せず)で挟み込むことで分配管60と接続継手70とを固定する。
【0030】
接続継手70は、継手本体71と、継手本体71の一端部71aに嵌合する嵌合部材72と、継手本体71と分配管60の間をシールするシール部材73を備えている。継手本体71および嵌合部材72は、ともに樹脂製の部材である。継手本体71は、分配管60が挿通される分配管挿通路74が内部に形成されるとともに、外周部には、上方に開口し原燃料供給流路22が接続される原燃料供給流路接続部75と、側方に開口し改質水供給流路23が接続される改質水供給流路接続部76が突出形成されている。
【0031】
シール部材73はOリングであって、分配管挿通路74の所定位置に配置されて、分配管60の外管62と分配管挿通路74とをシールする。また、継手本体71の一端部71aには嵌合部材72が取り付けられており、シール部材73は継手本体71と嵌合部材72とに挟み込まれることで、分配管挿通路74の所定位置に保持されるようになっている。このように、接続継手70は、継手本体71内にシール部材73を配置し、嵌合部材72を継手本体71に取り付けることで組み立てることができる。したがって、従来のように接続継手70に内溝加工を施す必要がなく、簡単にシール部材73を取り付けることができるため、加工性と組立性に優れる。
【0032】
また、図5に示すように、継手本体71の内部に形成された分配管挿通路74は、嵌合部材72が嵌合する一端部71aに設けられた通路径の大きい大径部74aと、この大径部74aとつながり通路径の小さい小径部74bを有しており、大径部74aと小径部74bとの境目が段差部74cになっている。シール部材73の外径は、大径部74aの径よりも小さく、かつ小径部74bの径よりも大きく形成されているため、継手本体71の一端部71aから挿入されてこの段差部74cに載置される。そして、嵌合部材72を取り付けることでシール部材73が保持されるので、シール部材73は所定の位置に確実に配置することができる。
【0033】
分配管挿通路74において、分配管60の上流側には仕切部80が挿入されている。仕切部80は、内部に中空部811が形成された筒状の仕切部本体81と、仕切部本体81から周方向に延びるリブ状の突出部82を複数備えている。また、仕切部本体81の先端は分配管60の内管61に当接し、中空部811が内管61と連通している。突出部82の間にはそれぞれOリング83、84が配設されていて、このOリング83、84が分配管挿通路74との間をシールしている。原燃料供給装置15と改質水供給装置16から供給される原燃料ガスと改質水は、この仕切部80によって互いに混ざり合うことなく、原燃料流路Gと改質水流路Wに導入される。
【0034】
より具体的には、図3(b)に示すように、仕切部本体81には、中空部811と連通する流入孔812が設けられており、継手本体71の原燃料供給流路接続部75の底面には流出孔75aが設けられている。原燃料供装置15から供給された原燃料ガスは、流出孔75aから流入孔812を通って仕切部80の中空部811に導入されれる。そして、中空部811を通って原燃料流路Gへ流入する。一方で、図4(b)に示すように、継手本体71の改質水供給流路接続部76の底面には流出孔76aが設けられている。改質水供給装置16から供給された改質水は、流出孔76aから継手本体71と仕切部80との間を通って分配管60へ流れ込み、改質水流路Wへ流入する。
【0035】
このように、本実施形態の流体供給装置は、分配装置17に原燃料供給装置15と改質水供給装置16を接続することで構成され、原燃料ガスと改質水とを分離された状態で改質器12に供給することができる。そして、分配装置17を構成する接続継手70は、継手本体71内にシール部材73を配置し、嵌合部材72を継手本体71に取り付けることで組み立てることができる。これにより、従来のように接続継手70に内溝加工を施す必要がなく、簡単にシール部材73を取り付けることができるため、加工性と組立性に優れる。
【0036】
図6は、接続継手の斜視図である。継手本体71の一端部71aには、嵌合部材72の外周において分配管60の軸方向(図中の破線で示す)に凸となる凸部77が2箇所設けられている。嵌合部材72はこの凸部77と干渉しないよう、凸部77が形成されている部分が切り欠かれている。そして、抜け止め具63は、凸部77に当接して設けられる。この構成により、分配装置17を組み立てて抜け止め具63を取り付けた状態で、嵌合部材72を視認することができるため、もし嵌合部材72を付け忘れたとしても、取り付け忘れに気付くことができる。
【0037】
図7は、本実施形態の分配装置において嵌合部材の有無を比較する上面図であって、(a)は嵌合部材が装着されている場合、(b)は嵌合部材を装着し忘れた場合を示している。(a)では、凸部77と抜け止め具63の間から嵌合部材72を確認できるので、嵌合部材72が装着されていて正しく組み立てられていることがわかる。一方の(b)では、凸部77と抜け止め具63の間に見えるはずの嵌合部材72がないため、嵌合部材72を装着し忘れたことに気付くことができる。なお、分配装置17を上以外の角度から見た場合(例えば、側面から見た場合は、図4(a)を参照)には図7(a)とは凸部77の位置が異なるが、どの角度から見ても嵌合部材72を視認することができる。
【0038】
本実施形態では、凸部77を2箇所に設けた例を示したが、凸部77は複数設けられていればよい。また、抜け止め具63を安定して取り付けられるようになっていれば、その配置や形状についても、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0039】
11 改質器
15 原燃料供給装置
16 改質水供給装置
17 分配装置
60 分配管
61 内管
62 外管
63 抜け止め具
70 接続継手
71 継手本体
72 嵌合部材
73 シール部材
74 分配管挿通路
74a 大径部
74b 小径部
74c 段差部
77 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7