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特開2024-32420投影制御装置、投影システム、投影制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032420
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】投影制御装置、投影システム、投影制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240305BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240305BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240305BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240305BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/00 550B
G09G5/00 530D
G09G5/36 520B
G09G5/00 550D
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136067
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 芳彦
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA22
2K203FA25
2K203FA73
2K203FA82
2K203GC25
2K203GC26
2K203HB05
2K203KA35
2K203KA42
2K203KA43
2K203KA44
2K203KA55
2K203KA56
2K203MA21
5C058BA26
5C058BA29
5C058EA02
5C058EA51
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA13
5C182AB02
5C182AC03
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA47
5C182BA54
5C182BA65
5C182BC22
5C182CB47
5C182DA12
5C182DA13
5C182DA62
5C182DA63
5C182DA64
5C182DA65
5C182DA66
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】状況に応じて投影部の消費電力を低減させる。
【解決手段】投影制御装置200は、物体の位置情報を検出部140から取得し、位置情報に基づいて平面判定領域全体が平面であるか否かを表す平面状態を取得し、平面状態に基づいて、投影部150の消費電力を制御する、制御部110を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の位置情報を検出部から取得し、
前記位置情報に基づいて平面判定領域全体が平面であるか否かを表す平面状態を取得し、
前記平面状態に基づいて、投影部の消費電力を制御する、
制御部を備える、
投影制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記投影部の光源が点灯中に、前記平面判定領域全体が平面である状態が第1時間以上継続したら、前記光源を消灯する、
請求項1に記載の投影制御装置。
【請求項3】
前記制御部は前記投影部の電源が入っているときに、前記平面判定領域全体が平面である状態が第2時間以上継続したら、前記投影部の電源を切る、
請求項2に記載の投影制御装置。
【請求項4】
前記第2時間は、前記第1時間よりも長い、
請求項3に記載の投影制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記平面判定領域の一部が非平面であることを検出した場合、
前記投影部の電源が切れていたら前記投影部の電源を入れ、
前記投影部の光源が消灯していたら前記光源を点灯させる、
請求項1に記載の投影制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、稼働時間の情報を取得し、
現在時刻が前記稼働時間内か否かを判定し、
現在時刻が前記稼働時間内の場合、
前記投影部を駆動する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の投影制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の投影制御装置と、
物体の位置情報を取得する前記検出部と、を備える、
投影システム。
【請求項8】
制御部が、
物体の位置情報を検出部から取得し、
前記位置情報に基づいて平面判定領域全体が平面であるか否かを表す平面状態を取得し、
前記平面状態に基づいて、投影部の消費電力を制御する、
投影制御方法。
【請求項9】
制御部に、
物体の位置情報を検出部から取得し、
前記位置情報に基づいて平面判定領域全体が平面であるか否かを表す平面状態を取得し、
前記平面状態に基づいて、投影部の消費電力を制御する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影制御装置、投影システム、投影制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な情報を投影することができるプロジェクタが従来から使用されているが、最近では、効率性や視認性をより重視して投影する技術も求められてきている。例えば、特許文献1には、対象物の周囲の投影面において、その対象物に関するコンテンツを視認者にとって見易く投影することができる投影装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-163532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている投影装置は、検出部で物体を検出し、投影面上で物体が検出されない空き領域を特定し、空き領域の範囲内にコンテンツを投影させることにより、コンテンツを見易く投影することができる。しかし、このような従来技術は、見易く投影することで作業の効率性を向上させる点ではメリットがあるものの、消費電力の効率性を向上させる仕組みに課題があった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、状況に応じて投影部の消費電力を低減させることができる投影制御装置、投影システム、投影制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る投影制御装置の一態様は、
物体の位置情報を検出部から取得し、
前記位置情報に基づいて平面判定領域全体が平面であるか否かを表す平面状態を取得し、
前記平面状態に基づいて、投影部の消費電力を制御する、
制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、状況に応じて投影部の消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る投影システムの設置例を示す図である。
図2】実施の形態に係る投影システムを構成する装置の接続例を示す図である。
図3】実施の形態に係る投影システムの機能構成の一例を示す図である。
図4】作業台の上面の検出可能領域等の一例を説明する図である。
図5】作業台の上に作業物が存在する場合の一例を説明する図である。
図6】実施の形態に係る投影部制御処理のフローチャートの一例である。
図7】変形例2に係る投影部制御処理のフローチャートの一例である。
図8】変形例3に係る投影部制御処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態に係る投影システム等について、図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0010】
(実施の形態)
実施の形態に係る投影システム100は、例えば図1に示すように、作業台300の上に3D(Dimensional)カメラ240と投影装置としてのプロジェクタ250が、作業台300の下にPC(Personal Computer)210が、それぞれ設置されて構成される。そして、投影システム100は、PC210で制御され、作業台300の上面の状態(平面状態)を3Dカメラ240で取得し、平面状態に基づいてプロジェクタ250の消費電力を制御するシステムである。したがって、PC210は、投影制御装置とも呼ばれる。
【0011】
投影システム100は、例えば図2に示すように、PC210に、3Dカメラ240がUSB(Universal Serial Bus)で接続され、プロジェクタ250がHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)及びシリアルケーブルで接続されて構成される。
【0012】
投影システム100及び投影制御装置200は、機能構成としては、図3に示すように、投影制御装置200が制御部110、記憶部120、操作入力部130を備え、投影システム100はこれらに加えて検出部140、投影部150を備える。例えば投影制御装置200となるPC210が制御部110、記憶部120、操作入力部130に対応し、3Dカメラ240が検出部140に対応し、プロジェクタ250が投影部150に対応する。もっとも、投影システム100が備える各装置のうち、どの装置をこれらの各機能構成部に対応させるかは任意である。例えば、投影制御装置200を操作入力部130に対応させずに、プロジェクタ250を操作入力部130と投影部150に対応させてもよい。
【0013】
制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されているプログラムにより、投影システム100の各種機能を実現する処理や後述する投影部制御処理等を実行する。また、制御部110はタイマ機能を備え、時間を計測することができる。また、制御部110はマルチスレッドに対応し、複数の処理を並行して実行することができる。
【0014】
記憶部120は、制御部110が実行するプログラムや、必要なデータを記憶する。記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等を含み得るが、これらに限られるものではない。なお、記憶部120は、制御部110の内部に設けられていてもよい。
【0015】
操作入力部130は、キーボード、マウス、押しボタンスイッチ等のユーザインタフェースを備え、ユーザからの操作入力を受け付ける。ただし、投影システム100がユーザからの操作入力を受け付ける必要がない場合、投影システム100は操作入力部130を備えなくてもよい。
【0016】
検出部140は測距センサを備え、作業台300の上面の状態(上面の複数の点の3次元位置の情報)を取得する。制御部110は、検出部140が取得した情報(作業台300の上面の複数の点の位置情報)を検出部140から取得し、検出部140から取得した情報に基づいて、上面のどこが平面でどこが平面でないか等を検出することができる。なお、図1に示す例では、投影システム100は検出部140として3Dカメラ240を用いることとしたが、検出部140は測距センサとして3Dカメラ240を用いなければならないわけではない。検出部140は、作業台300の上面の複数の点の位置情報を取得することができるなら、任意の測距センサを用いることができる。
【0017】
投影部150はプロジェクタ(投影装置)であり、光源、投影デバイス、レンズユニット等を備える。光源、投影デバイス等の方式は任意であるが、例えば、光源として、水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)等を使用でき、投影デバイスとして、液晶、DMD(Digital Mirror Device)等を使用できる。投影部150は、自ら又は外部の装置(PC210等)からの制御により光源を消灯させたり点灯させたりすることができる。また、本実施の形態では投影部150はプロジェクタ(投影装置)であり、自ら又は外部の装置からの制御により投影部150自体(プロジェクタ本体)の電源を切ったり入れたりすることができる。
【0018】
また、投影システム100は、作業台300等に設置された後に、制御部110が作業台300の上面までの距離を取得するために、作業台300の上面に何も置かれていない状態でキャリブレーション処理が行われる。キャリブレーション処理では、制御部110は検出部140を用いて作業台300の上面の複数の点の3次元位置を取得することにより、作業台300の上面までの距離を取得する。
【0019】
制御部110は、キャリブレーション処理で取得した距離を用いることで、作業台300の上面が平面であるか否かを安定して判定することができる。例えば作業台300に上面が平面の物体(例えば直方体)が存在する場合や、作業台300の上方に上面が平面の帽子を被ったユーザの頭が存在する場合などにおいては、当該物体等の上面も平面ではあるが、制御部110は、上面までの距離を考慮することにより、作業台300の上面なのか、別の物体等の上面なのかを区別することができる。そして、制御部110は、キャリブレーション時に取得した距離とマッチしない場合には、平面を検出してもその平面は作業台300の上面の平面ではないと判定する。また、制御部110は、作業台300の上面に凹凸(例えば上面にペンが置かれていた場合)があった場合であっても、その凸凹が所定の範囲内(例えば±1cm)であるなら、上面全体を平面と判定してもよい。
【0020】
本実施の形態では、図4に示すように、投影可能領域320(投影部150(プロジェクタ250)で投影可能な全範囲の領域)は検出可能領域310(検出部140(3Dカメラ240)で3次元位置を検出可能な全範囲の領域)の内部に含まれ、検出可能領域310は作業台300の上面の内部に含まれるように、投影システム100を設置するものとする。例えば、投影部150からダミー画像(例えば白黒のチェック画像)を作業台300に投影し、それを検出部140で検出して、検出部140や投影部150の設置位置を調整することで、このように設置することが可能である。
【0021】
なお、作業台300の上面が長方形であっても、投影部150が設置される位置や向き等により、投影部150で投影される映像は、図4に示す投影可能領域320のように、歪んだ四角形になってしまうことがある。理想的には、投影可能領域320と検出可能領域310と作業台300の上面とが同じサイズの長方形になるように検出部140及び投影部150を設置するとよい(そうすると、作業台300の上面全体を検出でき、また、作業台300の上面全体を投影面として最も有効活用できる)。しかし、そのように設置するのはユーザにとって手間なので、本実施の形態では、多少ラフに設置しても問題ないことを示すために、敢えて検出可能領域310や投影可能領域320が歪んでいる場合で説明する。
【0022】
作業台300の上に何も物体等が存在しない場合には、作業台300の上の全面が平面になるので、検出部140により3次元位置の情報を取得可能な領域全体である検出可能領域310の全体が、制御部110により平面として検出される。なお、制御部110が検出部140を用いて平面を検出する方法としては、任意の方法を用いることが可能だが、例えば特開2014-85940号公報に記載されている検出方法を用いることができる。
【0023】
また、図5に示すように作業台300の上の検出可能領域310に作業物350が置かれると、検出可能領域310の一部(作業物350が存在している部分)が平面ではなくなる。この状態で、検出可能領域310全体が平面であるか否かを制御部110が検出部140を用いて検出すると、検出可能領域310の一部(作業物350が存在している部分)が非平面であることが検出される。
【0024】
なお、図5は、作業物350が作業台300の上の検出可能領域310に置かれた例を示しているが、このような例だけでなく、ユーザの手、腕、筆記用具等が作業台300の検出可能領域310に置かれた場合も、検出可能領域310の一部が非平面になる。
【0025】
つまり、検出可能領域310の一部が非平面である場合は、ユーザが作業台300で何らかの作業をしていると考えることができる。反対に、検出可能領域310の全体が平面である場合は、ユーザは作業台300で何の作業もしていないか、又は、そもそも作業台300のある場所に存在していないと考えることができる。
【0026】
したがって、検出可能領域310の全体が平面である場合は、ユーザは作業をしていないか作業台300のある場所にいないので、投影部150の光源を消灯したり、電源を切ったりしても問題ない。そして、投影部150の光源を消灯したり電源を切ったりすれば、投影部150の消費電力を低減させることができる。
【0027】
このように、状況に応じて投影部150の消費電力を低減させる処理である投影部制御処理について、図6を参照して説明する。この投影部制御処理は、投影システム100が起動すると実行が開始される。
【0028】
まず、制御部110は、初期映像を投影部150で投影する(ステップS101)。初期映像の画像データは予め記憶部120に記憶されている任意のデータだが、例えば投影システム100のロゴの画像データである。
【0029】
次に、制御部110は、タイマ機能により時間計測を開始する(ステップS102)。そして、制御部110は、検出部140が取得した位置情報を検出部140から取得し、検出部140から取得した位置情報に基づいて検出可能領域310の平面の状態を確認し(ステップS103)、検出可能領域310全体が平面であるか否かを表す平面状態を取得する。そして、取得した平面状態に基づいて、検出可能領域310の全体が平面であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0030】
検出可能領域310の全体が平面でない(一部が非平面)なら(ステップS104;No)、制御部110は、投影部150の光源が消灯中であるか否かを判定する(ステップS105)。投影部150の光源が消灯中でない(点灯中)なら(ステップS105;No)、ステップS102に戻る。投影部150の光源が消灯中なら(ステップS105;Yes)、制御部110は、投影部150の光源を点灯させて(ステップS106)、ステップS102に戻る。
【0031】
一方、検出可能領域310の全体が平面なら(ステップS104;Yes)、制御部110は、投影部150の光源が点灯中であるか否かを判定する(ステップS107)。投影部150の光源が点灯中でない(消灯中)なら(ステップS107;No)、ステップS103に戻る。投影部150の光源が点灯中なら(ステップS107;Yes)、制御部110は、ステップS102で計測を開始したタイマの値が第1時間(例えば3分)より小さいか否かを判定する(ステップS108)。なお、この第1時間の値は、予め記憶部120に記憶されているものとする。
【0032】
タイマの値が第1時間より小さいなら(ステップS108;Yes)、ステップS103に戻る。一方、タイマの値が第1時間以上なら(ステップS108;No)、制御部110は、投影部150の光源を消灯して(ステップS109)、ステップS103に戻る。
【0033】
以上の投影部制御処理により、制御部110は、検出可能領域310の全体が平面の状態である(すなわちユーザが作業台300で作業していない)なら、投影部150の光源を消灯することで、投影部150の消費電力を低減させることができる。
【0034】
(変形例1)
上述の実施の形態では、投影部150の光源を消灯させることによって消費電力を低減させているが、消費電力を低減させるための処理は、光源の消灯に限らない。ここでは、投影部150の光源を消灯する代わりに投影部150の電源を切る変形例1を説明する。
【0035】
変形例1の装置設定例は上述の実施の形態と同様であり、例えば図1に示す通りである。また、変形例1の機能構成も上述の実施の形態と同様であり、例えば図3に示す通りである。したがって、投影部150はプロジェクタ250であり、投影部150の電源を切ることは、光源だけでなく投影部150が備える投影デバイス、レンズユニット等の電源も切ることを意味する。また、プロジェクタ250(投影部150)はシリアルケーブルでPC210(制御部110)と接続されているので、制御部110はシリアルケーブルを介して投影部150の電源を入れたり切ったりする制御や、電源の状態(電源が入っているか切れているか)の判定を行うことが可能である。なお、後述する変形例2や変形例3についても同様である。
【0036】
変形例1に係る投影部制御処理は、上述の実施の形態に係る投影部制御処理(図6)の一部(ステップS105,S106,S107,S109)を変更したものとなる。ステップS105での判定は「投影部150の電源は切れている?」となり、ステップS106での処理は「投影部150の電源を入れる」となる。なお、投影部150の電源が入ってから実際に投影可能になるまである程度の時間を要する場合があるが、この場合には、投影可能になるまで待機する処理もステップS106で行う。また、ステップS107での判定は「投影部150の電源は入っている?」となり、ステップS109での処理は「投影部150の電源を切る」となる。
【0037】
このような処理を行うことにより、変形例1では、制御部110は、検出可能領域310の全体が平面の状態である(すなわちユーザが作業台300で作業していない)なら、投影部150の電源を切る。従って、変形例1では、実施の形態よりもさらに投影部150の消費電力を低減させることができる。
【0038】
(変形例2)
ユーザの作業環境において、投影システム100の稼働時間が決まっている場合がある。ここでは、稼働時間に合わせて投影部150(プロジェクタ250)の電源を制御する変形例2を説明する。
【0039】
変形例2の装置設定例は上述の実施の形態と同様であり、例えば図1に示す通りである。また、変形例2の機能構成も上述の実施の形態と同様であり、例えば図3に示す通りである。ただし、変形例2では、制御部110で現在時刻が取得でき、また、記憶部120に稼働時間が予め記憶されているものとする。ただし、稼働時間についてはユーザが操作入力部130から入力できるようになっていてもよい。そして、変形例2では、現在時刻が稼働時間内なら制御部110は投影部150を駆動し、駆動時間外なら制御部110は投影部150の電源を切る。
【0040】
このような処理を行う変形例2に係る投影部制御処理について図7を参照して説明する。この投影部制御処理も、投影システム100が起動すると実行が開始される。
【0041】
まず、制御部110は、記憶部120又は操作入力部130から稼働時間を取得する(ステップS201)。稼働時間の情報の形式は任意だが、例えば「9:00-12:00、13:00-18:00」のような形式で設定されている情報である。この例では9:00から12:00までと、13:00から18:00までの時間帯が稼働時間となる。
【0042】
そして、制御部110は、現在時刻が稼働時間内か否かを判定する(ステップS202)。稼働時間外なら(ステップS202;No)、制御部110は、投影部150の電源が入っているか否かを判定する(ステップS203)。この判定は、例えば制御部110がシリアルケーブル経由でプロジェクタ250に対して電源の状態を取得するコマンドを送信することによって行うことができる。投影部150の電源が入っているなら(ステップS203;Yes)、制御部110は、投影部150の電源を切って(ステップS204)、ステップS202に戻る。投影部150の電源が入っていないなら(ステップS203;No)、ステップS202に戻る。
【0043】
一方、稼働時間内なら(ステップS202;Yes)、制御部110は投影部150の電源を入れる(ステップS205)。なお、ステップS205では、投影部150の電源を入れる前に投影部150の電源が入っているか否かを判定し、入っていたらそのままステップS206に進み、入っていないなら投影部150の電源を入れてからステップS206に進むようにしてもよい。
【0044】
次のステップS206及びステップS207の処理は、実施の形態に係る投影部制御処理(図6)のステップS101及びステップS102の処理と同様なので、説明を省略する。
【0045】
そして、ステップS208で制御部110は、現在時刻が稼働時間内か否かを判定する。稼働時間外なら(ステップS208;No)、ステップS203に戻る。
【0046】
一方、稼働時間内なら(ステップS208;Yes)、ステップS209に進む。ステップS209からステップS215までの処理は、実施の形態に係る投影部制御処理(図6)のステップS103からステップS109までの処理と同様なので、説明を省略する。ただし、ステップ211での判定がNoの場合及びステップS212の次の処理はステップS207に戻る。また、ステップS213での判定がNoの場合、ステップS214での判定がYesの場合及びステップS215の次の処理はステップS208に戻る。
【0047】
以上の変形例2に係る投影部制御処理により、制御部110は、検出可能領域310の全体が平面の状態である(すなわちユーザが作業台300で作業していない)場合に投影部150の光源を消灯するだけでなく、稼働時間外では投影部150の電源を切る。従って、変形例2では、実施の形態よりもさらに投影部150の消費電力を低減させることができる。
【0048】
(変形例3)
上述の実施の形態や変形例は組み合わせることも可能である。ここでは、実施の形態と変形例1とを組み合わせた変形例3を説明する。変形例3では、制御部110は、検出可能領域310の全体が平面の状態である(すなわちユーザが作業台300で作業していない)状態が第1時間(例えば3分)継続すると投影部150の光源を消灯し、当該状態が第2時間(例えば10分)継続すると投影部150の電源を切る制御を行う。
【0049】
変形例3の装置設定例は上述の実施の形態と同様であり、例えば図1に示す通りである。また、変形例3の機能構成も上述の実施の形態と同様であり、例えば図3に示す通りである。ただし、変形例3では、記憶部120に第1時間及び第2時間が予め記憶されているものとする。第1時間及び第2時間をどのように設定するかは任意だが、ユーザが作業していない時間が継続した場合、まず投影部150の光源を消灯してから投影部150の電源を切るのが自然なので、第2時間は第1時間より大きい(長い)値に設定するのが望ましい。
【0050】
変形例3に係る投影部制御処理について図8を参照して説明する。この投影部制御処理も、投影システム100が起動すると実行が開始される。
【0051】
まず、ステップS301からステップS304までの処理は、実施の形態に係る投影部制御処理(図6)のステップS101からステップS104までの処理と同様なので、説明を省略する。
【0052】
そして、ステップS304での判定がNoなら、制御部110は、投影部150の電源が入っているか否かを判定する(ステップS305)。投影部150の電源が入っていないなら(ステップS305;No)、制御部110は投影部150の電源を入れ(ステップS306)、ステップS307に進む。
【0053】
一方、投影部150の電源が入っているなら(ステップS305;Yes)、ステップS307に進む。ステップS307からステップS311までの処理は、実施の形態に係る投影部制御処理(図6)のステップS105からステップS109までの処理と同様なので、説明を省略する。ただし、ステップS307での判定がNoの場合及びステップS308の次の処理はステップS302に戻る。また、ステップS309での判定がNoの場合はステップS312に進み、ステップS310での判定がYesの場合及びステップS311の次の処理はステップS303に戻る。
【0054】
ステップS312では、制御部110は、投影部150の電源が入っているか否かを判定する。電源が入っていないなら(ステップS312;No)、ステップS303に戻る。
【0055】
一方、電源が入っているなら(ステップS312;Yes)、制御部110は、ステップS302で計測を開始したタイマの値が第2時間(例えば10分)より小さいか否かを判定する(ステップS313)。
【0056】
タイマの値が第2時間より小さいなら(ステップS313;Yes)、ステップS303に戻る。一方、タイマの値が第2時間以上なら(ステップS313;No)、制御部110は、投影部150の電源を切って(ステップS314)、ステップS303に戻る。
【0057】
以上の変形例3に係る投影部制御処理により、制御部110は、検出可能領域310の全体が平面の状態(すなわちユーザが作業台300で作業していない状態)が継続した場合、その継続時間によって、(第1時間以上継続で)投影部150の光源を消灯したり、(第2時間以上継続で)投影部150の電源を切ったりする。したがって、投影部150の消費電力をさらに低減させることができる。
【0058】
(その他の変形例)
上記変形例3では、実施の形態と変形例1との組み合わせを説明したが、同様にして、変形例1と変形例2とを組み合わせてもよいし、変形例2と変形例3とを組み合わせてもよい。
【0059】
また、上述の実施の形態や変形例では、制御部110は、検出可能領域310の全体が平面か否かを判定したが、平面の状態を判定する領域(平面判定領域)は検出可能領域310に限定されない。例えば、投影可能領域320を平面判定領域に設定してもよいし、平面判定領域をユーザが自由に設定できるようにしてもよい。例えば、作業台300の奥の方の領域には常に(ユーザ不在の時も)作業物350が置いてあり、作業台300の手前の領域にはユーザが在席している時だけ作業物350あるいはユーザの手が存在するような場合には、作業台300の手前の領域を、平面判定領域として設定してもよい。
【0060】
平面判定領域を設定する方法としては、例えば、平面判定領域として設定したい部分を示すマーク等を書いた紙を作業台300の上面に置き(又はマーク等が書かれた画像を作業台300に投影し)、それを3Dカメラ240で撮影することで、その部分を平面判定領域として設定可能となる。
【0061】
なお、投影システム100は、PC210、3Dカメラ240、プロジェクタ250からなるシステムに限らない。例えば、測距機能を備えたプロジェクタ250単体のシステムや、3Dカメラ240とプロジェクタ250からなるシステムとして実現することもできる。この場合、例えばプロジェクタ250が制御部110等も備えることになり、上述の変形例1、2、3における「投影部150の電源を切る」処理は、プロジェクタ250全体の電源を切るわけではなく、光源+α(投影デバイス、レンズユニット等)の電源を切る処理になる。上述の実施の形態では制御部110はPC210が備えるものとして説明したが、上述の例のようにPC210以外の装置(例えばプロジェクタ250)が制御部110を備え、投影システム100の制御を全て当該装置(例えばプロジェクタ250)の備える制御部110が行うようにしてもよい。
【0062】
また、投影制御装置200としてのPC210は、通常のPCに限らず、制御部110と記憶部120を備えたコンピュータであれば任意のコンピュータを用いることができる。投影制御装置200は、例えばワンボードマイコンでもよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、制御部110が実行する投影部制御処理等のプログラムが、記憶部120に予め記憶されているものとして説明した。しかし、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto-Optical disc)、メモリカード、USBメモリ等の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、上述の各処理を実行することができるコンピュータを構成してもよい。
【0064】
さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operating System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の各処理を実行できるように構成してもよい。
【0065】
また、制御部110は、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ、マルチコアプロセッサ等の任意のプロセッサ単体で構成されるものの他、これら任意のプロセッサと、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられて構成されてもよい。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。
【符号の説明】
【0067】
100…投影システム、110…制御部、120…記憶部、130…操作入力部、140…検出部、150…投影部、200…投影制御装置、210…PC、240…3Dカメラ、250…プロジェクタ、300…作業台、310…検出可能領域、320…投影可能領域、350…作業物
図1
図2
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図6
図7
図8