(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032448
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】管理装置及び生産システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240305BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240305BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136110
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴仁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】生産ラインにおける製品の生産を支援するための作業を作業者が実施する際に、特定の作業者の作業負担量が過大になることを抑制可能な管理装置及び生産システムを提供する。
【解決手段】管理装置3は、管理部31と作業計画作成部332とを備える。管理部31は、生産計画に応じた複数の作業の一覧に関する作業一覧を示す作業一覧情報J14と、複数の作業のそれぞれの作業者にかかる作業負担量ZAを示す作業負担量情報JW2と、を管理する。作業計画作成部332は、複数の作業者にそれぞれ割り当てる作業の作業負担量ZAの合計を示す累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが特定の作業者で過大になることを抑制すべく複数の作業者間で所定のバランスを保つように、複数の作業を複数の作業者に割り当てる作業割当処理S1を行う。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインにおける生産計画に基づく製品の生産を支援するために複数の作業者が実施する複数の作業の管理を行う管理装置であって、
前記生産計画に応じた前記複数の作業の一覧を示す作業一覧と、前記複数の作業のそれぞれの作業者にかかる負担の程度を示す作業負担量と、を管理する管理部と、
前記作業一覧に示される前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てることにより、前記複数の作業者ごとの作業計画を作成する作業計画作成部と、を備え、
前記作業計画作成部は、前記複数の作業者にそれぞれ割り当てる作業の前記作業負担量の合計を示す累積作業負担量が特定の作業者で過大になることを抑制すべく前記複数の作業者間で所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる作業割当処理を行う、管理装置。
【請求項2】
前記作業計画作成部は、前記作業割当処理の処理後において前記複数の作業者間で前記累積作業負担量が前記所定のバランスを保っているか否かを検証する検証処理を行い、当該検証処理において前記所定のバランスを保っていないとの検証結果を得た場合には、前記作業割当処理を再度行う、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの身体状態に関する身体情報と、前記複数の作業者のそれぞれの作業に従事可能な時間の指標となる指標時間に関する指標時間情報と、の少なくとも何れかの情報を含む作業者属性情報を管理可能であり、
前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記複数の作業者間で前記累積作業負担量が前記作業者属性情報に基づき設定される前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの前記複数の作業ごとの作業能力に関する作業能力情報を管理可能であり、
前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記作業能力情報に応じた前記作業負担量に基づく前記累積作業負担量が前記複数の作業者間で前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの疲労度に関する疲労度情報を管理可能であり、
前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記疲労度情報に応じた前記作業負担量に基づく前記累積作業負担量が前記複数の作業者間で前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記複数の作業者にそれぞれ対応した前記累積作業負担量の作業者間の差が所定の許容範囲内に収まることにより、前記複数の作業者間で前記累積作業負担量が前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる、請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
前記作業計画作成部により作成された前記複数の作業者ごとの前記作業計画に関する作業計画情報を表示する表示部を、更に備える、請求項1に記載の管理装置。
【請求項8】
前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの疲労度に関する疲労度情報を管理可能であり、
前記管理装置は、前記疲労度情報で示される疲労度が所定の閾値以上となった作業者が居る場合、その旨を示す監視情報を出力する作業者監視部を備える、請求項1に記載の管理装置。
【請求項9】
生産計画に基づいて製品を生産する生産ラインと、
前記生産ラインにおける前記生産計画に基づく製品の生産を支援するために複数の作業者が実施する複数の作業の管理を行う、請求項1~8のいずれか1項に記載の管理装置と、を備える、生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ラインにおける製品の生産を支援するために作業者が実施する作業の管理を行う管理装置、及びそれを備えた生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品が搭載された部品搭載基板などの製品を生産設備により生産する生産ラインでは、製品の生産が生産計画に従って行われる。生産計画に基づく製品の生産に際しては、その生産を支援するための生産設備に対する作業が複数の作業者によって実施される。
【0003】
特許文献1には、生産設備の生産時間及び作業者の作業時間を考慮して生産計画を作成する技術が開示されている。特許文献1に開示される技術では、生産設備の生産時間の実績に関する情報と、作業者の作業時間の実績に関する情報とを含む生産状況の情報に基づいて、生産計画が作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、複数の作業者のそれぞれが各作業を実施する際の作業負担について考慮されていない。このため、特定の作業者の作業負担が過大になってしまう虞がある。この場合、例えば、作業負担が過大となった特定の作業者による作業に遅れなどが生じ、生産計画通りに製品の生産が進まないことが生じる虞がある。
【0006】
本発明の目的は、生産ラインにおける製品の生産を支援するための作業を作業者が実施する際に、特定の作業者の作業負担量が過大になることを抑制可能な管理装置及び生産システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る管理装置は、生産ラインにおける生産計画に基づく製品の生産を支援するために複数の作業者が実施する複数の作業の管理を行う装置である。この管理装置は、前記生産計画に応じた前記複数の作業の一覧を示す作業一覧と、前記複数の作業のそれぞれの作業者にかかる負担の程度を示す作業負担量と、を管理する管理部と、前記作業一覧に示される前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てることにより、前記複数の作業者ごとの作業計画を作成する作業計画作成部と、を備える。そして、前記作業計画作成部は、前記複数の作業者にそれぞれ割り当てる作業の前記作業負担量の合計を示す累積作業負担量が特定の作業者で過大になることを抑制すべく前記複数の作業者間で所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる作業割当処理を行う。
【0008】
この管理装置によれば、作業計画作成部は、作業一覧に示される生産計画に応じた複数の作業を複数の作業者に割り当てる作業割当処理を行うことにより、複数の作業者ごとの作業計画を作成する。この作業割当処理において作業計画作成部は、複数の作業者のそれぞれにかかる作業負担量の合計を示す累積作業負担量が作業者間で所定のバランスを保つように、複数の作業を複数の作業者に割り当てる。これにより、生産ラインにおける生産計画に応じた製品の生産を支援するための作業を作業者が実施する際に、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることを抑制できる。
【0009】
上記の管理装置において、前記作業計画作成部は、前記作業割当処理の処理後において前記複数の作業者間で前記累積作業負担量が前記所定のバランスを保っているか否かを検証する検証処理を行い、当該検証処理において前記所定のバランスを保っていないとの検証結果を得た場合には、前記作業割当処理を再度行ってもよい。
【0010】
この態様では、複数の作業者間で累積作業負担量が所定のバランスを保っていない場合に作業割当処理が再度行われる。これにより、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることをより的確に抑制できる。
【0011】
上記の管理装置において、前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの身体状態に関する身体情報と、前記複数の作業者のそれぞれの作業に従事可能な時間の指標となる指標時間に関する指標時間情報と、の少なくとも何れかの情報を含む作業者属性情報を管理可能であってもよい。この場合、前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記複数の作業者間で前記累積作業負担量が前記作業者属性情報に基づき設定される前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる。
【0012】
この態様では、作業計画作成部は、作業者の身体状態に関する例えば怪我の有無や妊娠の有無などを示す身体情報と、作業者の作業に従事可能な時間の指標となる指標時間に関する例えば勤務時間などを示す指標時間情報と、の少なくとも何れかの情報を含む作業者属性情報に基づいて、複数の作業者間の累積作業負担量のバランスを設定する。例えば、複数の作業者間の累積作業負担量のバランスについて、怪我や妊娠の無い身体状態の作業者の累積作業負担量を基準の累積作業負担量とし、怪我や妊娠の有る身体状態の作業者、又は午前半休などの勤務時間の短い作業者の累積作業負担量を特定の累積作業負担量とした場合を想定する。この場合、作業計画作成部は、特定の累積作業負担量が基準の累積作業負担量の例えば50%の値となるように、複数の作業者間の累積作業負担量のバランスを設定する。
【0013】
そして、作業計画作成部は、複数の作業者間で累積作業負担量が作業者属性情報に基づき設定される所定のバランスを保つように、複数の作業を各作業者に割り当てる。これにより、作業者の身体状態や作業者の作業に従事可能な時間の指標となる指標時間を考慮しながら、複数の作業を各作業者に割り当てることができる。このため、作業者の身体状態や指標時間を考慮しながら、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることを抑制できる。
【0014】
上記の管理装置において、前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの前記複数の作業ごとの作業能力に関する作業能力情報を管理可能であってもよい。この場合、前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記作業能力情報に応じた前記作業負担量に基づく前記累積作業負担量が前記複数の作業者間で前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる。
【0015】
この態様では、作業計画作成部は、作業者の作業能力に関する作業能力情報に応じて、作業ごとの作業者にかかる作業負担量を設定する。例えば、作業者が作業能力の低い作業を実施する場合、作業者にとっては負担が大きくなる。すなわち、作業者ごとの各作業について、作業者の作業能力の低い作業ほど、作業者にとっては負担の大きい作業となる。そこで、作業計画作成部は、作業者の作業能力に関する作業能力情報に応じて作業負担量を設定する。
【0016】
そして、作業計画作成部は、作業能力情報に応じた作業負担量に基づく累積作業負担量が複数の作業者間で所定のバランスを保つように、複数の作業を各作業者に割り当てる。これにより、作業者の作業ごとの作業能力を考慮しながら、複数の作業を各作業者に割り当てることができる。このため、作業者の作業ごとの作業能力を考慮しながら、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることを抑制できる。
【0017】
上記の管理装置において、前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの疲労度に関する疲労度情報を管理可能であってもよい。この場合、前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記疲労度情報に応じた前記作業負担量に基づく前記累積作業負担量が前記複数の作業者間で前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当てる。
【0018】
この態様では、作業計画作成部は、作業者の疲労度に関する疲労度情報に応じて、作業ごとの作業者にかかる作業負担量を設定する。例えば、疲労度の大きい作業者と疲労度の小さい作業者とが同じ作業を実施する場合、疲労度の大きい作業者の方が負担が大きくなる。すなわち、作業者が作業を実施する場合、作業者の疲労度が大きいほど、作業負担が大きくなる。そこで、作業計画作成部は、作業者の疲労度に関する疲労度情報に応じて作業負担量を設定する。
【0019】
そして、作業計画作成部は、疲労度情報に応じた作業負担量に基づく累積作業負担量が複数の作業者間で所定のバランスを保つように、複数の作業を各作業者に割り当てる。これにより、作業者の疲労度を考慮しながら、複数の作業を各作業者に割り当てることができる。このため、作業者の疲労度を考慮しながら、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることを抑制できる。
【0020】
上記の管理装置において、前記作業計画作成部は、前記作業割当処理において、前記複数の作業者にそれぞれ対応した前記累積作業負担量の作業者間の差が所定の許容範囲内に収まることにより、前記複数の作業者間で前記累積作業負担量が前記所定のバランスを保つように、前記複数の作業を前記複数の作業者に割り当ててもよい。
【0021】
この態様では、作業計画作成部は、複数の作業者間の累積作業負担量のバランスについて、複数の作業者にそれぞれ対応した累積作業負担量の作業者間の差が所定の許容範囲内に収まるように、複数の作業者間の累積作業負担量のバランスを設定する。この場合、作業計画作成部は、複数の作業者にそれぞれ対応した累積作業負担量の作業者間の差が所定の許容範囲内に収まるように、複数の作業を各作業者に割り当てる。これにより、複数の作業者にそれぞれ対応した累積作業負担量が可能な範囲で略均一となるように、複数の作業を各作業者に割り当てることができる。このため、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることをより確実に抑制できる。
【0022】
上記の管理装置は、前記作業計画作成部により作成された前記複数の作業者ごとの前記作業計画に関する作業計画情報を表示する表示部を、更に備えてもよい。
【0023】
この態様では、複数の作業を各作業者に割り当てることにより作成された、作業者ごとの作業計画に関する作業計画情報が表示部に表示される。表示部に表示された作業計画情報を確認することにより作業者は、自身に割り当てられた作業を把握することができる。
【0024】
上記の管理装置において、前記管理部は、前記複数の作業者のそれぞれの疲労度に関する疲労度情報を管理可能であってもよい。この場合、前記管理装置は、前記疲労度情報で示される疲労度が所定の閾値以上となった作業者が居る場合、その旨を示す監視情報を出力する作業者監視部を備えてもよい。
【0025】
この態様では、作業者監視部から出力される監視情報に基づいて、疲労度が所定の閾値以上となった作業者の存否を確認することができる。
【0026】
本発明の他の局面に係る生産システムは、生産計画に基づいて製品を生産する生産ラインと、前記生産ラインにおける前記生産計画に基づく製品の生産を支援するために複数の作業者が実施する複数の作業の管理を行う、上記の管理装置と、を備える。
【0027】
この生産システムによれば、上記の管理装置を備えているので、生産ラインにおける生産計画に応じた製品の生産を支援するための作業を作業者が実施する際に、特定の作業者の累積作業負担量が過大になることを抑制できる。これにより、累積作業負担量が過大になることに起因して特定の作業者による作業に遅れなどが生じることを抑制できるので、生産ラインにおいて生産計画通りに製品の生産を進めることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、生産ラインにおける製品の生産を支援するための作業を作業者が実施する際に、特定の作業者の作業負担量が過大になることを抑制可能な管理装置及び生産システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態に係る管理装置が適用された生産システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】生産システムに備えられる生産ラインに配置される生産設備としての部品実装機を示す平面図である。
【
図4】管理装置の生産情報管理部が管理する生産計画情報の一例を示す図である。
【
図5】管理装置の生産情報管理部が管理する作業一覧情報の一例を示す図である。
【
図6】管理装置の作業情報管理部が管理する作業負担量情報の一例を示す図である。
【
図7】管理装置の作業者情報管理部が管理する作業能力情報の一例を示す図である。
【
図8】管理装置の作業計画作成部が行う処理を説明する図であって、作業割当処理の第1例を示す図である。
【
図9】管理装置の作業計画作成部が行う処理を説明する図であって、作業割当処理の第2例を示す図である。
【
図10】管理装置の作業計画作成部が行う処理を説明する図であって、作業割当処理の第3例を示す図である。
【
図11】各作業者に対応した累積作業負担量が作業者間で所定のバランスを保っていない場合における作業計画作成部の処理を説明する図である。
【
図12】管理装置の作業計画作成部が行う処理を説明する図であって、作業割当処理の第4例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る管理装置及びそれを備えた生産システムについて、図面に基づいて説明する。
【0031】
[生産システムの全体構成]
図1に示されるように、生産システム1は、製品を生産する生産ライン2L1,2L2と、管理装置3とを備える。生産システム1では、生産ライン2L1,2L2における製品の生産を支援するための複数の作業が複数の作業者WA,WB,WCによって実施される。
【0032】
生産システム1では、管理装置3は、生産ライン2L1,2L2における製品の生産の管理を行うとともに、複数の作業者WA,WB,WCが実施する複数の作業の管理を行う。生産システム1では、管理装置3は、生産ライン2L1,2L2とデータ通信可能に接続されるとともに、複数の作業者WA,WB,WCがそれぞれ携帯する各携帯端末装置PTとデータ通信可能に接続される。
【0033】
管理装置3は、生産ライン2L1,2L2における製品の生産の計画を示す生産計画に関する生産計画情報J13を生産ライン2L1,2L2に向けて送信する。生産計画情報J13を受信した生産ライン2L1,2L2は、当該生産計画情報J13で示される生産計画に従って製品を生産する。また、管理装置3は、複数の作業者WA,WB,WCの作業の計画を示す作業計画に関する作業計画情報J6を、作業者WA,WB,WCの各携帯端末装置PTに向けて送信する。作業者WA,WB,WCは、作業計画情報J6を受信した携帯端末装置PTの表示画面を確認しながら、生産ライン2L1,2L2における製品の生産を支援するための作業を実施することができる。
【0034】
[生産ラインの構成]
生産システム1における生産ライン2L1,2L2の数は特に限定されるものではなく、1つであってもよいし、2以上の複数であってもよい。
図1の例では、製品を生産する生産ラインとして第1生産ライン2L1と第2生産ライン2L2との2つの生産ラインを備える生産システム1が示されている。また、第1及び第2生産ライン2L1,2L2は、例えば、部品が搭載された部品搭載基板を製品として生産する生産ラインであってもよいし、電子機器を組み立てて生産する生産ラインなどであってもよい。以下では、第1及び第2生産ライン2L1,2L2が部品搭載基板を生産する生産ラインであることを例に説明する。この場合、第1及び第2生産ライン2L1,2L2は、部品を基板に搭載する生産設備として少なくとも1台の部品実装機2を備える。
【0035】
第1及び第2生産ライン2L1,2L2における各部品実装機2は、部品を基板PPに搭載して部品搭載基板を生産する生産設備である。部品実装機2は、管理装置3から送信された生産計画情報J13を受信し、その受信した生産計画情報J13で示される生産計画に従って部品搭載基板の生産を行う。部品実装機2について、
図1に加えて
図2を参照しながら説明する。なお、以下では、方向関係については水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて説明する。また、X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-X側」と称する。同様に、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-Y側」と称する。
【0036】
部品実装機2による部品の搭載前において基板PPには、半田ペーストのパターンが印刷されている。つまり、部品実装機2は、半田ペーストのパターンが印刷された基板PPに部品を搭載する。部品実装機2は、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給部24と、ヘッドユニット25と、基板支持ユニット28とを備える。
【0037】
本体フレーム21は、部品実装機2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状を呈する。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PPをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板PPは、所定の作業位置(基板PP上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持ユニット28によって位置決めされる。基板支持ユニット28は、プッシュアップピンにより基板PPを支持することにより、当該基板PPを位置決めする。
【0038】
部品供給部24は、本体フレーム21におけるY軸方向の+Y側及び-Y側のそれぞれの領域部分に、コンベア23を挟んで配置される。部品供給部24は、本体フレーム21において、フィーダー24Fが複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット25に備えられる搭載ヘッド251による保持対象の部品ごとに、各フィーダー24Fのセット位置が区画されている。フィーダー24Fは、部品供給部24に着脱自在に装着される。フィーダー24Fは、複数の部品を保持し、その保持した部品をフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給する。フィーダー24Fは、部品を供給可能に構成されていれば、その部品供給方式は特に限定されない。フィーダー24Fとしては、例えば、テープを担体として部品を供給する方式のテープフィーダー、部品が載置されたトレイを移動させることにより部品を供給する方式のトレイフィーダー、筒状のスティックに収納された部品を当該スティックから押し出しながら供給する方式のスティックフィーダーなどを採用することができる。
【0039】
ヘッドユニット25は、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動するとともに、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動する。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給部24とコンベア23により搬送された基板PPの所定の作業位置とにわたって移動可能である。
【0040】
ヘッドユニット25は、複数の搭載ヘッド251を備えている。各搭載ヘッド251は、部品供給部24から部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板PP上に搭載(実装)する部品搭載動作を行う。搭載ヘッド251は、部品供給部24に配列されたフィーダー24Fにより供給された部品を吸着して保持可能である。搭載ヘッド251は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、搭載ヘッド251に負圧が供給されることで当該搭載ヘッド251による部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
【0041】
本体フレーム21上において部品供給部24とコンベア23との間には、部品認識カメラC1が設置されている。部品認識カメラC1は、例えばCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)やCCD(Charged-coupled device)等の撮像素子を備えた撮像カメラである。部品認識カメラC1は、フィーダー24Fの部品供給位置から、コンベア23により搬送された基板PPの作業位置へ向かってヘッドユニット25が移動している間において、搭載ヘッド251によって吸着保持された部品を、下方側から撮像して部品認識画像を取得する。部品実装機2においては、部品認識カメラC1により取得された部品認識画像に基づいて、搭載ヘッド251に吸着保持された部品の姿勢などが判定される。
【0042】
また、本体フレーム21には、各種の情報を表示する表示部としての機能と各種の入力操作を受け付ける操作部としての機能とを兼ね備えたタッチパネル29が配設される。
【0043】
[管理装置の構成]
図1に戻って、管理装置3は、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の各部品実装機2における部品搭載基板の生産の管理を行うとともに、複数の作業者WA,WB,WCが実施する複数の作業の管理を行う装置である。生産システム1では、管理装置3は、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の各部品実装機2とデータ通信可能に接続されるとともに、複数の作業者WA,WB,WCがそれぞれ携帯する各携帯端末装置PTとデータ通信可能に接続される。管理装置3は、各部品実装機2における部品搭載基板の生産の計画を示す生産計画に関する生産計画情報J13を各部品実装機2に向けて送信する。生産計画情報J13を受信した各部品実装機2は、当該生産計画情報J13で示される生産計画に従って部品搭載基板を生産する。また、管理装置3は、複数の作業者WA,WB,WCの作業の計画を示す作業計画に関する作業計画情報J6を、作業者WA,WB,WCの各携帯端末装置PTに向けて送信する。作業者WA,WB,WCは、作業計画情報J6を受信した携帯端末装置PTの表示画面を確認しながら、作業を実施することができる。
【0044】
複数の作業者WA,WB,WCによって実施される作業としては、例えば、部品供給準備作業、部品補充作業、マシン操作作業、清掃作業、メンテナンス作業などが挙げられる。部品供給準備作業は、部品搭載基板の生産に必要なフィーダー24Fが複数配列された台車BGを第1及び第2生産ライン2L1,2L2に沿って移動させながら、各部品実装機2の部品供給部24に対するフィーダー24Fの交換を行う作業である。部品補充作業は、フィーダー24Fに部品を補充する作業であり、第1及び第2生産ライン2L1,2L2から離れた所定の作業エリア2WAにおいて行われるか、若しくは、部品供給部24に装着されたフィーダー24Fに対して直接的に行われる。マシン操作作業は、部品実装機2のタッチパネル29に対する入力操作によって部品実装機2を稼働させるための作業である。清掃作業は、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の周辺などを清掃する作業である。メンテナンス作業は、部品実装機2などをメンテナンスするための作業である。
【0045】
管理装置3は、例えばマイクロコンピュータによって構成され、
図3に示されるように機能構成として管理部31、作業者監視部32、情報処理部33、制御部34、入力部35、表示部36及び通信部37を含む。
【0046】
制御部34は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶領域、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部34は、CPUがHDDやフラッシュメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、管理部31、作業者監視部32、情報処理部33、入力部35、表示部36及び通信部37の動作を制御する。
【0047】
入力部35は、作業者WA,WB,WCを管理する管理者による各種の情報の入力操作を受け付ける。表示部36は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成され、各種の情報を表示する。なお、入力部35及び表示部36は、管理者による各種の情報の入力操作を受け付ける入力部としての機能と、各種の情報を表示する表示部としての機能とを兼ね備えたタッチパネルによって構成されていてもよい。通信部37は、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の各部品実装機2とのデータ通信、複数の作業者WA,WB,WCがそれぞれ携帯する各携帯端末装置PTとのデータ通信を実現するインターフェイス回路である。
【0048】
(管理部について)
管理部31は、生産情報管理部311と、作業情報管理部312と、作業者情報管理部313とを含む。
【0049】
<生産情報管理部>
図3に示されるように、生産情報管理部311は、第1及び第2生産ライン2L1,2L2における各部品実装機2による部品搭載基板の生産に関する情報として、生産基板情報J11、納期情報J12、生産計画情報J13、及び作業一覧情報J14を管理する。生産基板情報J11は、生産に供される基板PPの種類などの基板PPに関する基板情報、基板PPに搭載される部品の種類や数などの部品に関する部品情報、基板PP上における各部品の搭載位置に関する搭載位置情報、部品供給部24におけるフィーダー24Fの配列に関するフィーダー配列情報、1枚の基板PPを生産するのに要する時間を示す生産サイクルタイムに関するサイクルタイム情報、などの基板PPの生産に関する各種の情報を含む。納期情報J12は、部品搭載基板の納期に関する情報である。
【0050】
生産計画情報J13は、後述の情報処理部33における生産計画作成部331により作成される。生産計画情報J13は、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の各部品実装機2における部品搭載基板の生産の計画を示す生産計画に関する情報である。
図4に示されるように、生産計画情報J13は、生産情報JPと生産スケジュール情報JPSとが対応付けられた情報である。
【0051】
生産情報JPは、部品搭載基板の生産が行われる第1及び第2生産ライン2L1,2L2を識別するための生産ライン識別情報JP1と、生産に供される基板PPの種類を示す基板種情報JP2と、を含む。生産スケジュール情報JPSは、生産ライン識別情報JP1で示される生産ライン2L1,2L2において基板種情報JP2で示される種類の基板PPを生産する際のスケジュールを示す情報であり、生産の開始時刻に関する開始時刻情報JPS1と、生産の終了時刻に関する終了時刻情報JPS2とを含む。
【0052】
作業一覧情報J14は、生産計画情報J13と同様に、生産計画作成部331により作成される。作業一覧情報J14は、生産計画情報J13で示される生産計画に応じた複数の作業の一覧を示す作業一覧に関する情報である。
図5に示されるように、作業一覧情報J14は、作業情報JWと作業スケジュール情報JWSとが対応付けられた情報である。
【0053】
作業情報JWは、生産計画情報J13で示される生産計画に応じて必要な作業を識別するための作業識別情報JW1と、作業識別情報JW1で示される作業の実施の対象エリアを示す作業対象エリア情報JW0と、を含む。なお、
図5の例では、作業対象エリア情報JW0で示される作業対象エリアとしては、第1生産ライン2L1、第2生産ライン2L2、及び全体が挙げられている。そして、作業対象エリア情報JW0に対応した作業識別情報JW1には、第1及び第2生産ライン2L1,2L2を作業対象エリアとする作業として、部品供給準備作業などの作業A、部品補充作業などの作業B、及びマシン操作作業などの作業Cが示されており、全体を作業対象エリアとする作業としては、清掃作業などの作業D、及びメンテナンス作業などの作業Eが示されている。作業スケジュール情報JWSは、作業対象エリア情報JW0で示される作業対象エリアにおいて作業識別情報JW1で示される作業を作業者WA,WB,WCが実施する際のスケジュールを示す情報であり、作業の開始時刻に関する開始時刻情報JWS1と、作業の終了時刻に関する終了時刻情報JWS2とを含む。
【0054】
上記の通り、生産情報管理部311は、生産基板情報J11及び納期情報J12を管理するとともに、後述の情報処理部33における生産計画作成部331により作成される生産計画情報J13及び作業一覧情報J14を管理する。
【0055】
<作業情報管理部>
図3に示されるように、作業情報管理部312は、作業一覧情報J14で示される各作業に関する情報として、作業識別情報JW1及び作業負担量情報JW2を管理する。作業情報管理部312で管理される作業識別情報JW1は、作業一覧情報J14の作業情報JWに含まれる作業識別情報JW1と一致している。
【0056】
作業負担量情報JW2は、
図6に示されるように、作業識別情報JW1で示される複数の作業のそれぞれの実施に伴う作業者WA,WB,WCにかかる身体的負担の程度を示す作業負担量ZAに関する情報である。作業負担量情報JW2で示される作業負担量ZAは、作業者WA,WB,WCに作用する負荷、作業時間、移動距離などに応じて作業種ごとに異なる。例えば、作業識別情報JW1で示される各作業について、部品供給準備作業などの作業A、メンテナンス作業などの作業E、清掃作業などの作業D、部品補充作業などの作業B、マシン操作作業などの作業Cの順に作業負担量ZAが小さくなり、部品供給準備作業などの作業Aの作業負担量ZAが最も大きく、マシン操作作業などの作業Cの作業負担量ZAが最も小さい。複数の作業A~Eのそれぞれに対応した作業負担量ZAは、例えば、作業者WA,WB,WCを管理する管理者の入力部35に対する入力操作によって設定される。作業情報管理部312は、管理者の入力部35に対する入力操作により設定された複数の作業A~Eごとの作業負担量ZAを示す作業負担量情報JW2を管理する。
【0057】
<作業者情報管理部>
図3に示されるように、作業者情報管理部313は、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれに関する情報として、作業者識別情報J3、作業者属性情報J4、疲労度情報J5、及び作業計画情報J6を管理する。
【0058】
作業者識別情報J3は、複数の作業A~Eを実施する複数の作業者WA,WB,WCをそれぞれ識別するための情報である。疲労度情報J5は、後述の作業者監視部32によって監視される情報であり、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれの疲労度に関する情報である。疲労度情報J5で示される疲労度は、例えば、作業者WA,WB,WCに装着されるウェアラブルデバイスに記録された心拍数などの生体情報J8(後記の
図12)に基づいて設定される。作業計画情報J6は、後述の情報処理部33における作業計画作成部332により作成される。作業計画情報J6は、複数の作業者WA,WB,WCごとの複数の作業A~Eの実施の計画を示す作業計画に関する情報である。
【0059】
作業者属性情報J4は、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれの属性を示す情報であり、身体情報J41、指標時間情報J42、及び作業能力情報J43を含む。
【0060】
身体情報J41は、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれの身体状態に関する情報である。身体情報J41で示される身体状態としては、例えば、作業者WA,WB,WCにおける怪我の有無や妊娠の有無などが挙げられる。指標時間情報J42は、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれの作業A~Eに従事可能な時間の指標となる指標時間に関する情報である。指標時間情報J42で示される指標時間としては、例えば、作業者WA,WB,WCの勤務時間、作業以外の打合せや出張などの非作業の時間を示す非作業時間などが挙げられる。身体情報J41で示される身体状態、及び指標時間情報J42で示される指標時間は、例えば、作業者WA,WB,WCを管理する管理者の入力部35に対する入力操作によって設定される。
【0061】
作業能力情報J43は、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれの複数の作業A~Eごとの作業能力に関する情報である。
図7に示されるように、作業能力情報J43は、作業対象エリア情報JW0、作業識別情報JW1、及び作業者識別情報J3が対応付けられた情報である。すなわち、作業能力情報J43は、作業者識別情報J3で示される作業者WA,WB,WCが作業対象エリア情報JW0で示される作業対象エリアにおいて作業識別情報JW1で示される作業A~Eを実施する際の作業能力に関する情報である。作業能力情報J43で示される各作業者WA,WB,WCの作業能力は、複数の作業A~Eのそれぞれについて、例えば、作業の実施が可能なランクAと、作業の実施が不可のランクBとに区分される。なお、作業能力情報J43で示される作業能力は、ランクAとランクBとの間で複数のランクに区分されていてもよい。作業能力情報J43で示される作業能力は、例えば、作業者WA,WB,WCを管理する管理者の入力部35に対する入力操作によって設定される。
【0062】
上記の通り、作業者情報管理部313は、管理者の入力部35に対する入力操作により設定される身体情報J41、指標時間情報J42及び作業能力情報J43を含む作業者属性情報J4を作業者識別情報J3に対応付けて管理するとともに、後述の作業者監視部32により監視される疲労度情報J5と情報処理部33における作業計画作成部332により作成される作業計画情報J6とを作業者識別情報J3に対応付けて管理する。
【0063】
(作業者監視部について)
作業者監視部32は、各作業A~Eの実施に伴う各作業者WA,WB,WCの疲労の程度を監視する。作業者監視部32は、作業者WA,WB,WCに装着されるウェアラブルデバイスに記録された心拍数などの生体情報J8(後記の
図12)を監視することにより、作業者WA,WB,WCの疲労度に関する疲労度情報J5を出力するとともに、監視情報J51を出力する。
【0064】
作業者監視部32から出力される疲労度情報J5は、作業者情報管理部313において管理される。
【0065】
作業者監視部32は、疲労度情報J5で示される疲労度が所定の閾値以上となった作業者が居る場合、その旨を示す監視情報J51を出力する。作業者監視部32から出力される監視情報J51は、例えば、作業者WA,WB,WCを管理する管理者の端末装置などに入力される。この場合、管理者は、監視情報J51に基づいて、疲労度が所定の閾値以上となった作業者の存否を確認することができる。
【0066】
(情報処理部について)
情報処理部33は、管理部31の生産情報管理部311、作業情報管理部312及び作業者情報管理部313において管理される各種の情報を用いて処理を行う処理部である。
図3に示されるように、情報処理部33は、生産計画作成部331と作業計画作成部332とを含む。
【0067】
<生産計画作成部>
生産計画作成部331は、生産情報管理部311において管理される生産基板情報J11及び納期情報J12に基づいて、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の各部品実装機2における部品搭載基板の生産の計画を示す生産計画を作成し、その作成した生産計画を示す既述の
図4に示される生産計画情報J13を出力する。また、生産計画作成部331は、生産計画情報J13で示される生産計画に応じた複数の作業A~Eの一覧を示す作業一覧を作成し、その作成した作業一覧を示す既述の
図5に示される作業一覧情報J14を出力する。生産計画作成部331から出力された生産計画情報J13及び作業一覧情報J14は、生産情報管理部311において管理される。
【0068】
生産情報管理部311において管理される生産計画情報J13は、通信部37を介して第1及び第2生産ライン2L1,2L2における各部品実装機2に送信される。生産計画情報J13を受信した各部品実装機2は、生産計画情報J13で示される生産計画に従って部品搭載基板の生産を行う。
【0069】
<作業計画作成部>
図8に示されるように、作業計画作成部332は、生産情報管理部311において管理される作業一覧情報J14と、作業情報管理部312において管理される作業負担量情報JW2との少なくとも2つの情報に基づいて、作業計画情報J6を作成する。作業計画情報J6は、複数の作業者WA,WB,WCごとの作業計画を示す情報であり、各作業者WA,WB,WCが実施する作業A~Eと、各作業の開始時刻及び終了時刻を含む作業スケジュールとが対応付けられた情報である。作業計画作成部332により作成された作業計画情報J6は、作業者情報管理部313において管理される。
【0070】
作業者情報管理部313において管理される作業計画情報J6は、通信部37を介して作業者WA,WB,WCの各携帯端末装置PT、各部品実装機2に送信される。作業計画情報J6を受信した各携帯端末装置PTは当該作業計画情報J6を表示画面に表示し、作業計画情報J6を受信した各部品実装機2では当該作業計画情報J6がタッチパネル29に表示される。作業者WA,WB,WCは、各携帯端末装置PTの表示画面や各部品実装機2のタッチパネル29に表示された作業計画情報J6を確認しながら、自身に割り当てられた作業A~Eを実施することができる。
【0071】
また、作業者情報管理部313において管理される作業計画情報J6は、制御部34の制御によって管理装置3の表示部36に表示されてもよい。すなわち、表示部36は、制御部34の制御に基づいて、作業計画情報J6を表示する。作業者WA,WB,WCは、管理装置3の表示部36に表示された作業計画情報J6を確認することにより、自身に割り当てられた作業A~Eを把握することができる。
【0072】
作業計画作成部332は、作業一覧情報J14の作業一覧に示される複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てることにより、複数の作業者WA,WB,WCごとの作業計画を示す作業計画情報J6を作成する。具体的には、作業計画作成部332は、作業割当処理S1、バランス監視処理S2及び検証処理S3の各処理を行うことにより、作業計画情報J6を作成する。
【0073】
作業割当処理S1において、作業計画作成部332は、作業負担量情報JW2で示される作業負担量ZAの合計を示す作業者WA,WB,WCごとの累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが、特定の作業者で過大になることを抑制すべく複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。すなわち、作業計画作成部332は、作業者WAの累積作業負担量ZAAと、作業者WBの累積作業負担量ZABと、作業者WCの累積作業負担量ZACとが所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。
【0074】
作業計画作成部332は、作業割当処理S1の処理中においてバランス監視処理S2を行う。バランス監視処理S2において、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保っているか否かを監視する。すなわち、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保っているか否かを監視しながら、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。
【0075】
作業計画作成部332は、作業割当処理S1の処理後において検証処理S3を行う。検証処理S3において、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保っているか否かを検証する。作業計画作成部332は、検証処理S3において所定のバランスを保っていないとの検証結果を得た場合には、作業割当処理S1を再度行う。
【0076】
上記の通り、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14の作業一覧に示される生産計画に応じた複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる作業割当処理S1を行うことにより、複数の作業者WA,WB,WCごとの作業計画を示す作業計画情報J6を作成する。この作業割当処理S1において作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WCのそれぞれにかかる作業負担量ZAの合計を示す累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、第1及び第2生産ライン2L1,2L2の各部品実装機2における生産計画に応じた部品搭載基板の生産を支援するための作業A~Eを各作業者WA,WB,WCが実施する際に、特定の作業者の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることを抑制できる。
【0077】
また、検証処理S3において複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保っていないとの検証結果を得た場合、作業計画作成部332は作業割当処理S1を再度行う。これにより、特定の作業者の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることをより的確に抑制できる。
【0078】
図8の例では、作業割当処理S1において、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WCにそれぞれ対応した累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACの作業者間の差が所定の許容範囲内に収まることにより、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。
【0079】
図8の例の態様では、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACのバランスについて、複数の作業者WA,WB,WCにそれぞれ対応した累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACの作業者間の差が所定の許容範囲内に収まるように、複数の作業者WA,WB,WC間の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACのバランスを設定する。この場合、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WCにそれぞれ対応した累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACの作業者間の差が所定の許容範囲内に収まるように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、複数の作業者WA,WB,WCにそれぞれ対応した累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが可能な範囲で略均一となるように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。このため、特定の作業者の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることをより確実に抑制できる。
【0080】
図9に示されるように、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、作業者情報管理部313において管理される身体情報J41及び指標時間情報J42に基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業割当処理S1において、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが身体情報J41及び指標時間情報J42に基づき設定される所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。
【0081】
図9の例の態様では、作業計画作成部332は、作業者WA,WB,WCの身体状態に関する例えば怪我の有無や妊娠の有無などを示す身体情報J41と、作業者WA,WB,WCの作業A~Eに従事可能な時間の指標となる指標時間に関する例えば勤務時間などを示す指標時間情報J42と、の少なくとも何れかの情報に基づいて、複数の作業者WA,WB,WC間の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACのバランスを設定する。例えば、複数の作業者WA,WB,WC間の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACのバランスについて、怪我や妊娠の無い身体状態の作業者WA,WCの累積作業負担量ZAA,ZACを基準の累積作業負担量とし、怪我や妊娠の有る身体状態の作業者WB、又は午前半休などの勤務時間の短い作業者WBの累積作業負担量ZABを特定の累積作業負担量とした場合を想定する。この場合、作業計画作成部332は、特定の累積作業負担量ZABが基準の累積作業負担量ZAA,ZACの例えば50%の値となるように、複数の作業者WA,WB,WC間の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACのバランスを設定する。
【0082】
そして、作業割当処理S1において、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが身体情報J41及び指標時間情報J42に基づき設定される所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの身体状態や作業者WA,WB,WCの作業A~Eに従事可能な時間の指標となる指標時間を考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。このため、作業者WA,WB,WCの身体状態や指標時間を考慮しながら、特定の作業者の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることを抑制できる。
【0083】
図10に示されるように、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、作業者情報管理部313において管理される作業能力情報J43に基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業割当処理S1において、作業計画作成部332は、作業能力情報J43に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。
【0084】
図10の例の態様では、作業計画作成部332は、作業者WA,WB,WCの作業能力に関する作業能力情報J43に応じて、作業A~Eごとの作業者WA,WB,WCにかかる作業負担量ZAを設定する。例えば、作業者WA,WB,WCが作業能力の低い作業を実施する場合、作業者WA,WB,WCにとっては負担が大きくなる。すなわち、作業者WA,WB,WCごとの各作業A~Eについて、作業者WA,WB,WCの作業能力の低い作業ほど、作業者WA,WB,WCにとっては負担の大きい作業となる。
【0085】
そこで、作業計画作成部332は、作業者WA,WB,WCの作業能力に関する作業能力情報J43に応じて作業負担量ZAを設定する。この場合、作業計画作成部332は、例えば、
図10に示される作業負担係数情報J7に基づいて、作業能力情報J43に応じた作業者WA,WB,WCごとの作業負担量ZAを設定する。作業負担係数情報J7は、作業者識別情報J3と作業識別情報JW1とを含み、作業者識別情報J3で示される各作業者WA,WB,WCの、作業識別情報JW1で示される複数の作業A~Eごとの作業負担係数ZAKを示す情報である。作業負担係数情報J7で示される作業負担係数ZAKは作業能力情報J43で示される作業能力と相関関係を有し、複数の作業A~Eのそれぞれについて、作業者WA,WB,WCの作業能力が低いほど作業負担係数ZAKが大きい値に設定される。作業計画作成部332は、作業情報管理部312において管理される作業負担量情報JW2で示される作業負担量ZAに、作業負担係数情報J7で示される作業負担係数ZAKを乗算することにより、作業能力情報J43に応じた作業者WA,WB,WCごとの作業負担量ZAを設定する。なお、作業情報管理部312が、作業能力情報J43に応じた作業負担量ZAを示す作業負担量情報JW2を管理可能であってもよい。この場合には、作業計画作成部332は、作業負担係数情報J7を用いずに、作業能力情報J43に応じた作業者WA,WB,WCごとの作業負担量ZAを、作業情報管理部312から取得することができる。
【0086】
そして、作業計画作成部332は、作業能力情報J43に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの作業A~Eごとの作業能力を考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。このため、作業者WA,WB,WCの作業A~Eごとの作業能力を考慮しながら、特定の作業者の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることを抑制できる。
【0087】
なお、
図10の例の態様において、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、作業能力情報J43と、身体情報J41及び指標時間情報J42とに基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業計画作成部332は、作業能力情報J43に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが、複数の作業者WA,WB,WC間で身体情報J41及び指標時間情報J42に基づき設定される所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの身体状態や指標時間と、作業者WA,WB,WCの作業A~Eごとの作業能力とを考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。
【0088】
例えば、作業能力情報J43において各作業者WA,WB,WCの作業の実施可能な生産ラインが限られていることが示され、且つ、作業一覧情報J14で示される作業一覧において一の生産ラインに作業負担量ZAの大きい作業が集中している場合を想定する。この場合、
図11に示されるように、作業割当処理S1の処理後の検証処理S3において、作業計画作成部332は、複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保っていないとの検証結果を得る可能性が高まる。所定のバランスを保っていないとの検証結果を得た場合、作業計画作成部332は、生産計画の見直しの要求信号SGを生産計画作成部331へ送る。
【0089】
要求信号SGを受けた生産計画作成部331は、例えば、納期情報J12で示される納期に間に合うという制約条件を満たした上で、作業負担量ZAの大きい作業が集中していた一の生産ラインにおける部品搭載基板の生産を他の生産ラインで行うことが可能であるかという観点で生産計画を見直し、その見直し後の生産計画を示す生産計画情報J13を作成する。更に、生産計画作成部331は、見直し後の生産計画情報J13で示される生産計画に応じた複数の作業A~Eの一覧を示す作業一覧を、見直し後の作業一覧情報J14として作成する。見直し後の生産計画情報J13及び作業一覧情報J14は、生産情報管理部311において管理される。
【0090】
作業計画作成部332は、生産情報管理部311において管理される見直し後の作業一覧情報J14に基づいて、作業割当処理S1を再度行う。すなわち、検証処理S3において複数の作業者WA,WB,WC間で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが所定のバランスを保っていないとの検証結果を得た場合には、作業計画作成部332は、生産計画作成部331により作成された見直し後の作業一覧情報J14に基づいて、作業割当処理S1を再度行う。これにより、特定の作業者で累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることを抑制すべく複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、作業者WA,WB,WCの作業A~Eごとの作業能力を考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。
【0091】
図12に示されるように、作業者監視部32は、作業者WA,WB,WCに装着されるウェアラブルデバイスに記録された心拍数などの生体情報J8を監視することにより、作業者WA,WB,WCの疲労度に関する疲労度情報J5を出力するとともに、監視情報J51を出力する。既述の通り、作業者監視部32は、疲労度情報J5で示される疲労度が所定の閾値以上となった作業者が居る場合、その旨を示す監視情報J51を出力する。
【0092】
作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、疲労度情報J5及び監視情報J51に基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業割当処理S1において、作業計画作成部332は、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを複数の作業者WA,WB,WCに割り当てる。
【0093】
図12の例の態様では、作業計画作成部332は、作業者WA,WB,WCの疲労度に関する疲労度情報J5又は疲労度が所定の閾値以上となった場合の監視情報J51に応じて、作業A~Eごとの作業者WA,WB,WCにかかる作業負担量ZAを設定する。例えば、疲労度の大きい作業者と疲労度の小さい作業者とが同じ作業A~Eを実施する場合、疲労度の大きい作業者の方が負担が大きくなる。すなわち、作業者WA,WB,WCが作業A~Eを実施する場合、作業者WA,WB,WCの疲労度が大きいほど、作業負担が大きくなる。
【0094】
そこで、作業計画作成部332は、作業者WA,WB,WCの疲労度に関する疲労度情報J5及び監視情報J51に応じて作業負担量ZAを設定する。この場合、作業計画作成部332は、作業割当処理S1の処理前に作業負担係数更新処理SAを行う。作業負担係数更新処理SAにおいて、作業計画作成部332は、
図10の作業負担係数情報J7で示される作業負担係数ZAKを、疲労度情報J5及び監視情報J51で示される疲労度に応じて更新する。作業計画作成部332は、作業者WA,WB,WCの疲労度が大きいほど作業負担係数ZAKが大きくなるように、作業負担係数ZAKを更新する。作業計画作成部332は、作業情報管理部312において管理される作業負担量情報JW2で示される作業負担量ZAに、作業者WA,WB,WCの疲労度に応じた更新後の作業負担係数情報J7で示される作業負担係数ZAKを乗算することにより、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業者WA,WB,WCごとの作業負担量ZAを設定する。なお、作業情報管理部312が、作業者WA,WB,WCの疲労度に応じた作業負担量ZAを示す作業負担量情報JW2を管理可能であってもよい。この場合には、作業計画作成部332は、作業負担係数情報J7を用いずに、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業者WA,WB,WCごとの作業負担量ZAを、作業情報管理部312から取得することができる。
【0095】
そして、作業計画作成部332は、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの疲労度を考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。このため、作業者WA,WB,WCの疲労度を考慮しながら、特定の作業者の累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが過大になることを抑制できる。
【0096】
なお、
図12の例の態様において、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、疲労度情報J5及び監視情報J51と、身体情報J41及び指標時間情報J42とに基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業計画作成部332は、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが、複数の作業者WA,WB,WC間で身体情報J41及び指標時間情報J42に基づき設定される所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの身体状態や指標時間と、作業者WA,WB,WCの疲労度とを考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。
【0097】
また、
図12の例の態様において、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、疲労度情報J5及び監視情報J51と、作業能力情報J43とに基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業計画作成部332は、作業能力情報J43、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが、複数の作業者WA,WB,WC間で所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの作業A~Eごとの作業能力と、作業者WA,WB,WCの疲労度とを考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。
【0098】
また、
図12の例の態様において、作業計画作成部332は、作業一覧情報J14及び作業負担量情報JW2に加えて、疲労度情報J5及び監視情報J51と、身体情報J41及び指標時間情報J42と、作業能力情報J43とに基づいて、作業計画情報J6を作成してもよい。この場合、作業計画作成部332は、作業能力情報J43、疲労度情報J5及び監視情報J51に応じた作業負担量ZAに基づく累積作業負担量ZAA,ZAB,ZACが、複数の作業者WA,WB,WC間で身体情報J41及び指標時間情報J42に基づき設定される所定のバランスを保つように、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てる。これにより、作業者WA,WB,WCの身体状態や指標時間と、作業者WA,WB,WCの作業A~Eごとの作業能力と、作業者WA,WB,WCの疲労度とを考慮しながら、複数の作業A~Eを各作業者WA,WB,WCに割り当てることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 生産システム
2L1,2L2 生産ライン
3 管理装置
31 管理部
32 作業者監視部
33 情報処理部
331 生産計画作成部
332 作業計画作成部
36 表示部
J13 生産計画情報
J14 作業一覧情報
J4 作業者属性情報
J41 身体情報
J42 指標時間情報
J43 作業能力情報
J5 疲労度情報
J51 監視情報
J6 作業計画情報
JW2 作業負担量情報
WA,WB,WC 作業者
ZA 作業負担量
ZAA,ZAB,ZAC 累積作業負担量