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特開2024-32491抽選方法、抽選プログラム及び抽選装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032491
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】抽選方法、抽選プログラム及び抽選装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/792 20140101AFI20240305BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240305BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/69 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136168
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】518018920
【氏名又は名称】SocialGood株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 壮一郎
(57)【要約】
【課題】暗号資産を消費する抽選方法、抽選プログラム、及び抽選装置を提供すること。
【解決手段】抽選方法は、コンピュータが、ユーザIDを含む抽選要求を受信し、受信したユーザIDに対応付けられ、暗号資産のオンチェーントークンにて購入可能なチケットの保有枚数を更新し、抽選を行い、抽選結果を送信する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
ユーザIDを含む抽選要求を受信し、
受信したユーザIDに対応付けられ、暗号資産のオンチェーントークンにて購入可能なチケットの保有枚数を更新し、
抽選を行い、
抽選結果を送信する
処理を実行する抽選方法。
【請求項2】
前記抽選結果が当選である場合に付与される特典には、金銭債権を含む
請求項1に記載の抽選方法。
【請求項3】
前記抽選結果が当選である場合に付与される特典には、所定数量のビットコイン、イーサリアム若しくはテザー、又は、NFTの給付を含む
請求項1に記載の抽選方法。
【請求項4】
前記抽選結果が当選である場合に付与される特典には、前記暗号資産を運用するためのアプリケーションプログラムについての使用権を含む
請求項1に記載の抽選方法。
【請求項5】
前記使用権は、前記暗号資産のオフチェーントークンをオンチェーントークンに変換する数量制限を緩和する内容である
請求項4に記載の抽選方法。
【請求項6】
コンピュータに
ユーザIDを含む抽選要求を受信し、
受信したユーザIDに対応付けられ、暗号資産のオンチェーントークンにて購入可能なチケットの保有枚数を更新し、
抽選を行い、
抽選結果を送信する
処理を実行させる抽選プログラム。
【請求項7】
ユーザIDを含む抽選要求を受信する受信部と、
受信したユーザIDに対応付けられ、暗号資産のオンチェーントークンにて購入可能なチケットの保有枚数を更新する更新部と、
抽選を行なう抽選部と、
抽選結果を送信する送信部と
を備える抽選装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号資産を消費する抽選方法、抽選プログラム、及び抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームにおいては、ランダム型アイテム提供方式が行われている。ランダム型アイテム提供方式は、いわゆる「ガチャ」(登録商標)と呼ばれるものである。ガチャは、文字、絵、符号等を電磁的に表示したオンラインゲーム上で使用できるキャラクター、アイテム等を、偶然性を利用してアイテム等の種類が決まる方法によって提供する方式である。
【0003】
オンラインゲーム上ではユーザがアバターとなり存在する仮想世界が構築される。当該仮想世界は現実世界と同様な商業活動が行われ、それを担うものとして、通貨が使われている。当該通貨は仮想世界での通貨であるため、仮想通貨と呼ばれている。特許文献1には、仮想通貨の消費を促進するゲームプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-49419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、暗号資産が注目されている。暗号資産はインターネット上でやりとりできる財産的価値である。インターネットも仮想世界と捉えることから、かつては、仮想通貨と呼ばれていた。しかし、上述の仮想通貨はオンラインゲームにおいてのみ使用できる限定的なものも含むのに対して、暗号資産は使用できる場所はオンラインゲームに限定されるものではない。また、暗号資産の特徴として、ブロックチェーン技術と暗号技術とを利用していることから、仮想世界のみで通用する仮想通貨と区別をするために、暗号資産と呼ばれるようになっている。
【0006】
一般に、暗号資産は、「交換所」や「取引所」と呼ばれる事業者(暗号資産交換業者)から入手・換金することができる。暗号資産は商取引において決済手段としても利用されているが、投資目的での取引が主である。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。その目的は、暗号資産を消費する抽選方法、抽選プログラム、及び抽選装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する抽選方法は、コンピュータが、ユーザIDを含む抽選要求を受信し、受信したユーザIDに対応付けられ、暗号資産のオンチェーントークンにて購入可能なチケットの保有枚数を更新し、抽選を行い、抽選結果を送信する。
【発明の効果】
【0008】
本願の一態様にあっては、暗号資産を消費する抽選方法、抽選プログラム、及び抽選装置を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】トークンバックシステムの構成例を示す説明図である。
図2】サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4】ユーザDBの例を示す説明図である。
図5】加盟店DBの例を示す説明図である。
図6】購入履歴DBの例を示す説明図である。
図7】付与履歴DBの例を示す説明図である。
図8】制限DBの例を示す説明図である。
図9】特典DBの例を示す説明図である。
図10】当選状況DBの例を示す説明図である。
図11】抽選実行処理の手順例を示すフローチャートである。
図12】特典受け取り処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、トークンバックシステムの構成例を示す説明図である。本実施の形態におけるトークンバックシステム100は、所定の加盟店において商品又はサービス(以下、「商品等」と記す)を法定通貨で購入したユーザに対し、トークンを付与する。当該トークンは法定通貨を交換して得ることも可能である。トークンバックシステム100は、トークンを消費させる抽選ゲームを、ユーザに提供する。
【0011】
トークンバックシステム100は、抽選装置1、端末2、2、2…、取引所サーバ3、EC(Electronic Commerce)サーバ4、及び発行サーバ5を含む。各装置は、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
【0012】
抽選装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等で構成する。本実施の形態において抽選装置1はサーバコンピュータで構成するものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、トークンバックシステム100を管理する管理者のサーバコンピュータである。サーバ1は抽選ゲームをユーザへ提供するとともに、トークンバックシステム100の基本機能であるトークンバックに関する処理を行なう。サーバ1は、トークンバックシステム100に加盟する加盟店で商品等を購入したユーザに対し、トークン建てでキャッシュバック(トークンバック)を行う。ここでのトークンは本システム独自のトークン(以下、「独自トークン」という。)である。
【0013】
トークンバックシステム100では、トークンは2種類のトークンが存在する。2種類のトークンはオフチェーントークン、オンチェーントークンである。オフチェーントークンは、トークンバックシステム100内のみで有効である。ユーザが保有するオフチェーントークンの数量は、本システムが管理するデータベースに記憶されている。オフチェーントークンは、ブロックチェーンシステム(以下、「ブロックチェーン」という。)に取引履歴が記録される状態ではない。ユーザがオフチェーントークンを他者に売り渡す場合などには、トークンを一旦、ウォレットに移動する必要がある。この際、サーバ1は取引所からトークンの発行を受け、ユーザのウォレットに送付する。当該トークンはブロックチェーンに取引履歴が記録されるオンチェーントークンである。オンチェーントークンは、ブロックチェーンに取引履歴が記録される暗号資産(暗号通貨又は仮想通貨)である。暗号資産は、「交換所」や「取引所」と呼ばれる事業者(暗号資産交換業者)から入手・換金することが可能である。また、暗号資産は、インターネット上でやりとりできる財産的価値である。
【0014】
ユーザがオフチェーントークンをオンチェーントークンとしてウォレットに格納することを引き出し(withdrawn)という。オフチェーントークンは、トークンバックシステム100の運営者とユーザとの合意に基づき存在するものであり、ユーザがウォレットに引き出すことにより、オンチェーントークン、すなわち通常の暗号資産となる。サーバ1が付与するオンチェーントークンは独自トークンでなくともよい。例えば、オンチェーントークンはビットコイン(登録商標)、イーサリアム(登録商標)、リップル、ネム等の既存の暗号資産であってもよい。なお、本明細書において引き出しや交換を、まとめて移動という。
【0015】
オフチェーントークンはオンチェーントークンと例えば等価交換できることが約束されたトークンである。すなわち、オフチェーントークンの1単位量は、オンチェーントークンの1単位量と交換可能である。しかし、それに限らず、オフチェーントークンに代えて、ポイントサービスのポイントとしてもよい。ポイントとオンチェーントークンとの交換は必ずしも1対1とする必要はなく、交換比率を定めて、当該交換比率でポイントをオンチェーントークン交換してもよい。例えば交換比率が10対1であれば、10ポイントはオンチェーントークン1単位数量と交換できる。オフチェーントークン又はポイントをオンチェーントークンと交換することを、オフチェーントークン又はポイントをオンチェーントークンに変換するともいう。
【0016】
後述する抽選ゲームを行なうために必要となる暗号資産は、ユーザが法定通貨やクレジットカード等により新たに購入したオンチェーンの独自トークンを想定している。それに限らず、オフチェーンの独自トークンや運営者が認めるポイントにより、抽選ゲームに参加可能としてもよい。
【0017】
本明細書において、需給情報とは、暗号資産の供給に関する情報、及び、暗号資産の需要に関する情報に限らず、広く解釈する。暗号資産の需給バランスにより変動する市場価格や、市場流通量と関係する暗号資産の発行量、ユーザや運営者の保有量なども、需給情報に含むものとする。暗号資産の資産価値に影響を与える情報を、ここでは需給情報と呼ぶものとする。
【0018】
端末2は、トークンバックシステム100を利用する各ユーザが利用する端末装置(ユーザ端末)である。端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で構成する。本実施の形態では端末2が、タッチパネルを備えたスマートフォンで構成されているとして説明を行う。端末2には、トークンバックシステム100に係る機能を実現するためのアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)が予めインストールされている。
【0019】
取引所サーバ3は、仮想通貨の取引所を提供する暗号資産交換業者のサーバコンピュータである。本実施の形態に係るオンチェーントークンは、一又は複数の取引所に上場されており、ユーザは取引所においてオンチェーントークンを売買可能となっている。
【0020】
ECサーバ4は、電子商取引サービスを提供するECサイト(仮想店舗)事業者のサーバコンピュータである。トークンバックシステム100には、実店舗で商品等の販売を行う事業者のほかに、ECサイト事業者が加盟している。各ユーザは、加盟店である実店舗又はECサイトで商品等を購入した場合に、オフチェーントークンの付与を受けることができる。
【0021】
発行サーバ5は、トークンバックシステム100に係るオンチェーントークンの発行を行うサーバコンピュータであり、オンチェーントークンの発行上限を制御するサーバコンピュータである。本システムでは、発行サーバ5がオンチェーントークンの発行を行って取引市場(取引所等)に供給する。オンチェーントークンの発行上限は発行サーバ5において規定され、発行サーバ5は、市場におけるオンチェーントークンの需給状況を参照しながら発行量を調整する。
【0022】
図2は、サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を含む。制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14は、バスBにより接続されている。
【0023】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含む。制御部11は補助記憶部14に記憶されたプログラムP1(プログラム製品)を読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。また、制御部11がプログラムP1を実行することにより、受信部、更新部、抽選部、送信部などの機能部を実現する。
【0024】
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。主記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0025】
通信部13は、通信に関する処理を行うための処理回路等を含む。端末2等と情報の送受信を行う。
【0026】
補助記憶部14は大容量メモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等である。補助記憶部14は、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、ユーザDB141、加盟店DB142、購入履歴DB143、付与履歴DB144、制限DB145、特典DB146、及び当選状況DB147を記憶している。なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。補助記憶部14に記憶しているデータベースをクラウドストレージに記憶してもよい。
【0027】
サーバ1を複数のコンピュータからなるマルチコンピュータ、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシン又は量子コンピュータで構成しても良い。さらに、サーバ1の機能をクラウドサービスで実現してもよい。
【0028】
また、サーバ1は、CD(Compact Disk)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の可搬型記憶媒体1mを読み取る読取部(図示しない)を備え、可搬型記憶媒体1mからプログラムP1を読み取って実行するようにしてもよい。あるいはサーバ1は、半導体メモリ1nからプログラムP1を読み込んでもよい。さらに、サーバ1は上記の構成に加え、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0029】
図3は端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、撮像部26、及び補助記憶部27を含む。
【0030】
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU等の演算処理装置を含む。制御部21は、補助記憶部27に記憶されたプログラムP2(プログラム製品)を読み出して実行することにより、端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。プログラムP2は上述のアプリに相当する。
【0031】
主記憶部22は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0032】
通信部23は、通信を行うためのアンテナ、処理回路等を含む。通信部23は、サーバ1等と情報の送受信を行う。
【0033】
表示部24は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示パネルを含む。表示部24は制御部21から与えられた画像を表示する。
【0034】
入力部25は、例えばタッチパネル、メカニカルキー等の入力インターフェイスである。入力部25はユーザからの操作入力を受け付ける。
【0035】
撮像部26は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を備えたカメラである。撮像部26はユーザによる操作入力に従って撮像を行う。
【0036】
補助記憶部27は、大容量メモリ、SSD、ハードディスク等であり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2、その他のデータを記憶している。
【0037】
なお、端末2は、可搬型記憶媒体2nを読み取る読取部(図示しない)を備え、可搬型記憶媒体2nからプログラムP2を読み取って実行するようにしても良い。また端末2は、半導体メモリ2mからプログラムP2を読み込んでも良い。
【0038】
図4はユーザDBの例を示す説明図である。ユーザDB141はユーザに関する情報を記憶する。ユーザDB141は、ユーザID列、ユーザ名列、保有量列、ウォレット列、ランク列、チケット列、補助券列及び個人情報列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するためのユーザIDを記憶する。ユーザ名列はユーザの氏名を記憶する。保有量列はユーザが保有するオフチェーントークンの数量を記憶する。ウォレット列はユーザが保有するオンチェーントークンが保管されているウォレット情報(例えばホットウォレットの公開鍵等)を記憶する。ランク列はユーザのランクを記憶する。ランクは加盟店での購入履歴、トークンの保有量、保有期間、付与履歴、引出履歴等により決められる。ランクは例えば上位から、ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズである。チケット列は抽選に参加するために必要なチケットを、ユーザが保有している枚数を記憶する。補助券列は特典として得られるパス補助券を、ユーザが保有している枚数を記憶する。パス補助券については、後述する。個人情報列はユーザの個人情報(性別、年齢、国籍等)を記憶する。
【0039】
図5は加盟店DBの例を示す説明図である。加盟店DB142は加盟店に関する情報を記憶する。加盟店DB142は、加盟店ID列、加盟店名列、加盟店情報列、及び、手数料率列を含む。加盟店ID列は、各加盟店を識別するための加盟店IDを記憶する。加盟店名列は加盟店の名称を記憶する。加盟店情報列は名称を除く、その他の加盟店に関する情報を記憶する。手数料率列は加盟店から徴収する手数料の割合を記憶する。
【0040】
図6は購入履歴DBの例を示す説明図である。購入履歴DB143は、ユーザが加盟店から商品、サービスを購入した履歴を記憶する。購入履歴DB143は、購入ID列、購入者列、加盟店列、日付列、購入商品列、及び、購入額列を含む。購入ID列は、加盟店からユーザが商品等を購入した場合に、個々の購入履歴に対して割り当てられる購入IDを記憶する。購入者列は購入者であるユーザのユーザIDを記憶する。加盟店列はユーザが商品等を購入した加盟店の加盟店IDを記憶する。日付列はユーザが商品等を購入した日付を記憶する。購入商品列はユーザが購入した商品等の名称を記憶する。購入額列は商品等の購入額を記憶する。
【0041】
図7は付与履歴DBの例を示す説明図である。付与履歴DB144は、ユーザにオフチェーントークンを付与した履歴(付与履歴)を記憶する。付与履歴DB144は、日時列、及び、トークンバック列を含む。日時列は、ユーザにトークンを付与した日時を記憶する。トークンバック列はユーザへのトークンバックに関する情報を記憶する。トークンバック列には、さらにユーザ列、付与量列、及び、購入ID列を含む。ユーザ列はトークンの付与対象となったユーザのユーザIDを記憶する。付与量列はユーザに付与したトークンの数量を記憶する。購入ID列はトークン付与の契機となった商品等の購入履歴を特定する購入IDを記憶する。上述したように、ユーザへオフチェーントークンではなく、ポイントを付与してもよい。
【0042】
図8は制限DBの例を示す説明図である。制限DB145は、ユーザ毎のアプリの制限状況を記憶する。制限DB145はユーザ列、機能1列、機能2列及び機能3列を含む。ユーザ列はユーザIDを記憶する。機能1列は機能1を制限しているか否かを記憶する。機能2列は機能2を制限しているか否かを記憶する。機能3列は機能3を制限しているか否かを記憶する。機能n列はアプリの機能の数を設ける。
【0043】
図9は特典DBの例を示す説明図である。特典DB146は、抽選ゲームで当選した場合に給付される特典の情報を記憶する。特典DB146は特典ID列及び特典列を含む。特典ID列は特典を一意に特定可能な特典IDを記憶する。特典列は特典の内容を記憶する。特典は、例えば、100万円の進呈等の現金給付、0.1ビットコインや1万テザーの進呈等の暗号資産の給付、希少性の高いNFT(non-fungible token)の進呈である。暗号資産の給付として、ビットコインやテザー以外のものを給付してもよい。さらに、トークンバックシステム100を利用するためのアプリの機能制限解除権(使用権)である。また、特典としてパス補助券1枚を含む。パス補助券は10枚集めるとファストパスチケットとして利用できる。ファストパスチケットは、オフチェーントークンをオンチェーントークンに交換する上限を緩和してもらえるものである。所定量は、例えば、抽選ゲームを行なうためにユーザが支払うトークンの2倍である。なお、現金給付については、抽選直後の給付は困難であるので、給付が受けられる権利(金銭債権)が、ユーザに付与される。特典DB146の設定により、抽選ゲームは、多数回、行えば、当選する確率が上がり、最後には当たりが出るガチャの仕様にしたり、多数回、行っても当選する確率が変化しない、確率ゲームの仕様としたりすることが可能である。抽選ゲームの結果として、何も特典が与えられない外れがあってもよい。
【0044】
アプリの機能について補足する。トークンバックシステム100におけるアプリの機能には、ショッピング機能、引き出し、暗号資産購入等がある。ショッピング機能では、ショッピングサイトへの遷移し、遷移した後にショッピングサイトで買い物をするとトークンバックを受けられる機能である。引き出し機能は、アプリ内の暗号資産(オフチェーントークン)を、ブロックチェーン上のウォレットに引き出す、オンチェーントークンに変換する機能である。暗号資産購入機能は、法定通貨により暗号資産購入し、アプリ内に格納する機能である。ショッピング機能が制限される場合、ショッピングサイトで買い物は可能であるが、トークンバックを受けられなくなる。引き出し機能が制限される場合、オフチェーントークンをオンチェーントークンに変換することが不可となり、又は、変換可能な数量が制限される。暗号資産購入機能では、購入数量の下限が設定され、下限を越えた数量ではなければ購入できないようになる。上述の機能制限解除権は、これらの制限を所定期間、解除を受けられる特典である。
【0045】
図10は当選状況DBの例を示す説明図である。当選状況DB147は特典毎の当選状況を記憶する。当選状況DB147は特典ID列、最大当選人数列、累積当選人数列、及び当選番号列を含む。特典ID列は特典IDを記憶する。最大当選人数列は当選により特典が付与されるユーザの最大人数を記憶する。累積当選人数列は当選したユーザの人数を記憶する。当選番号列は特典の当選番号を記憶する。図10に示す例では、特典IDが40001、40002の特典は、当選する最大のユーザ数は1人であり、まだ、当選者は出でていない。当選番号は128ビットの数値である。図10では128ビットの値を32桁の16進数で表している。特典IDが40003の特典は、当選する最大のユーザ数は100人であり、当選者は既に10人、出ている。当選番号は、下16ビットが4579である。当選状況DB147は特典毎に、当選したユーザのユーザID、当選ID及び有効期限を記憶してもよい。
【0046】
図11は抽選実行処理の手順例を示すフローチャートである。抽選実行処理はユーザの要求にしたがい、抽選ゲームを1回行う処理である。ユーザがアプリのメニューで抽選ゲームの実行を指示すると、抽選実行処理が開始される。ユーザは抽選を行う前に、必要なチケットをオンチェーントークンにて購入する。端末2の制御部21は抽選ゲームの実行要求をサーバ1へ送信する(ステップS1)。当該要求にはユーザIDが含まれている。サーバ1の制御部11は要求受信する(ステップS2)。制御部11はユーザDB141のチケット列の値を参照し、抽選ゲームの参加に必要なチケットをユーザ保有しているか否かを判定する(ステップS3)。抽選ゲームに参加するために必要なチケットの枚数は予め定めてあり、ユーザには通知されているものとする。制御部11はユーザが抽選ゲームの参加に必要なチケットを有していると判定した場合(ステップS3でYES)、ユーザのチケット保有枚数を更新する(ステップS4)。制御部11は、ユーザDB141のチケット列の値を、抽選ゲームに参加に必要な枚数を減らした値に更新する。制御部11は乱数を生成する(ステップS5)。制御部11は例えば128ビットの乱数を生成する。制御部11は当選しているか否かを判定する(ステップS6)。制御部11は生成した乱数が、当選状況DB147の当選番後列の値に一致するか、又は、一部の桁が一致するか等を判定する。制御部11は一致すると判定した場合は、当選状況DB147の最大当選人数列と累積当選人数列との値を比較し、累積当選人数が最大当選人数に達していなければ当選と判定する。制御部11は乱数が当選番後列の値に一致しないか、一致していても累積当選人数が最大当選人数に達していれば落選、当選でないと判定する。制御部11は当選していないと判定した場合(ステップS6でNO)、処理をステップS8へ移す。制御部11は当選していると判定した場合(ステップS6でYES)、当選状況DB147の累積当選人数列の値を更新する(ステップS7)。制御部11は当選又は落選の通知を生成する(ステップS8)。制御部11は通知(抽選結果)を端末2へ送信する(ステップS9)。端末2の制御部21は通知を受信し、通知を表示部24に表示する(ステップS10)。制御部21は処理を終了する。制御部11はユーザが抽選ゲームの参加に必要なチケットを有していないと判定した場合(ステップS3でNO)、抽選ゲームは実行不可である旨の不可通知を端末2へ送信する(ステップS11)。端末2の制御部21は不可通知を受信する(ステップS12)。制御部21は不可通知を表示し(ステップS13)、処理を終了する。なお、制御部21は不可通知を受信した後に、ユーザにチケットの購入を促すメッセージを表示し、オンチェーントークンにてチケットを購入するWebサイトヘリダイレクトしてもよい。ユーザがチケットを購入した後、制御部21は再度、ステップS1から実行する。ビットコインやイーサリアム等の他の暗号資産を、トークンバックシステム100のオンチェーンと交換後に、チケットを購入可能としてもよい。上述の説明では抽選ゲームの参加前に、チケットを購入するとしたがそれに限らない。チケットを有していないユーザからオンチェーンを徴収して、抽選ゲームに参加するようにしてもよい。この場合、チケットを購入した場合と比べて必要とするオンチェーントークンの量を多くしてもよい。上述のチケットは例えば1枚で抽選ゲームに1回参加できるとし、チケットの10枚セットを、9回枚分の数量のオンチェーントークンとの交換で販売するなど、所謂回数券を販売してもよい。上述のチケットは有効期限を設けてもよい。
【0047】
図12は特典受け取り処理の手順例を示すフローチャートである。特典受け取り処理は、パス補助券以外の特典に当選した場合に必要な処理である。端末2の制御部21は受け取り要求をサーバ1へ送信する(ステップS31)。受け取り要求には、ユーザIDを含む。サーバ1の制御部11は受け取り要求を受信する(ステップS32)。制御部11は入力画面を端末2へ送信する(ステップS33)。端末2の制御部21は入力画面を受信し、表示する(ステップS34)。ユーザは必要な情報を入力する。必要情報は当選IDや連絡先メールアドレス等である。入力後、ユーザは送信を指示する。制御部21は入力された情報をサーバ1へ送信する(ステップS35)。サーバ1の制御部11は情報を受信する(ステップS36)。制御部11は要求が正当であるか否かを判定する(ステップS37)。例えば、当選者のユーザIDは当選状況DB147に記憶してある。制御部11は受け取り要求しているユーザのユーザIDが当選状況DB147に記憶されており、有効期限を過ぎていなければ正当と判定し、記憶されていなければ正当でないと判定する。制御部11は要求が正当であると判定した場合(ステップS37でYES)、受信した情報を補助記憶部14に記憶する(ステップS38)。制御部11は要求を受け付けた旨の通知を端末2へ送信する(ステップS39)。端末2の制御部21は通知を受信する(ステップS40)。制御部21は通知を表示し(ステップS41)、処理を終了する。記憶した情報に基づき、特典をユーザに付与する処理を制御部11は別途行なう。制御部11は要求が正当でないと判定した場合(ステップS37でNO)、特典受け取りは不可である旨の不可通知を端末2へ送信する(ステップS42)。端末2の制御部21は不可通知を受信する(ステップS43)。制御部21は不可通知を表示し(ステップS41)、処理を終了する。
【0048】
本実施の形態においては、暗号資産を利用した抽選ゲームを提供することが可能となる。また、当該抽選の当たり特典を工夫することにより、興趣のある抽選ゲームを提供可能となる。
【0049】
上述の説明では、抽選ゲームは1種類のゲームを提供する前提となっているがそれに限らない。様々な抽選ゲームを提供してもよい。例えば、参加するために必要なチケットを2枚必要とするが、1枚必要なゲームよりも当選確率が高いゲームを提供してもよい。また、上述の抽選ゲームと当選確率が同じであるが、必要なチケットを5枚とし、より高価な特典が当たるゲームを提供してもよい。
【0050】
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0051】
100 :トークンバックシステム
1 :サーバ、抽選装置
11 :制御部
12 :主記憶部
13 :通信部
14 :補助記憶部
141 :ユーザDB
142 :加盟店DB
142 :ユーザDB
143 :購入履歴DB
144 :付与履歴DB
145 :制限DB
146 :特典DB
147 :当選状況DB
P1 :プログラム
1m :可搬型記憶媒体
1n :半導体メモリ
2 :端末
21 :制御部
22 :主記憶部
23 :通信部
24 :表示部
25 :入力部
26 :撮像部
27 :補助記憶部
P2 :プログラム
2m :半導体メモリ
2n :可搬型記憶媒体
3 :取引所サーバ
4 :ECサーバ
5 :発行サーバ
B :バス
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12