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特開2024-32498運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032498
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20240305BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20240305BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20240305BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20240305BHJP
【FI】
G08G1/04 D
G08G1/123 A
G06Q10/06
G06Q10/10 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136178
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 敏彦
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181AA14
5H181BB04
5H181CC12
5H181CC27
5L049AA10
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】アルコールチェック時において運行予定のドライバのアルコール濃度が閾値以上と判定された場合、運行計画を迅速に再計画可能な運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラムを提供すること。
【解決手段】運行管理システム100は、複数のドライバのアルコール濃度を検知して、アルコール濃度が閾値以上か否かを判定するアルコール検知器10と、複数のドライバにおけるアルコール濃度が閾値以上か否かの情報をアルコール検知器10から受信するサーバ30と、複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末20と、を備えて、サーバ30は、一のドライバのアルコール濃度が閾値以上である場合、一のドライバのアルコール濃度が閾値未満になる時間を算出し、サーバ30又は管理者端末20は、サーバ30によって算出された時間に応じて、一のドライバの運行時間を先送りして、運行計画を再計画する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のドライバのアルコール濃度を検知して、前記アルコール濃度が閾値以上か否かを判定するアルコール検知器と、
前記複数のドライバにおける前記アルコール濃度が前記閾値以上か否かの情報を前記アルコール検知器から受信するサーバと、
前記複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末と、を備えた運行管理システムであって、
前記サーバは、
一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値以上である場合、前記一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値未満になる時間を算出し、
前記サーバ又は前記管理者端末は、
前記サーバによって算出された前記時間に応じて、前記一のドライバの運行時間を先送りして、前記運行計画を再計画する、
運行管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運行管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記管理者端末は、
前記サーバによって算出された前記時間に応じて、他のドライバを選別し、選別した前記他のドライバの運行時間を変更して前記運行計画を再計画する、
運行管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の運行管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記管理者端末は、
前記運行計画において運行予定がないドライバ、再計画前の前記運行計画における前記一のドライバの運行先への運行経験があるドライバ、再計画前の前記運行計画における前記一のドライバの前記運行先周辺に住んでいるドライバ、及び、再計画前の前記運行計画における前記一のドライバの運行ルートの運行経験があるドライバのうち少なくとも一つの条件を満たすドライバを、前記他のドライバとして選別する、
運行管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の運行管理システムにおいて、
前記サーバは、
前記一のドライバが前記アルコール検知器によって前記アルコール濃度が前記閾値以上と判定されるのが初めてでない場合、過去の傾向に基づいて、前記アルコール濃度が前記閾値未満になる前記時間を算出する、
運行管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の運行管理システムにおいて、
前記サーバは、
前記一のドライバが前記アルコール検知器によって前記アルコール濃度が前記閾値以上と判定されるのが初めての場合、予め定められたデータに基づいて、前記アルコール濃度が前記閾値未満になる前記時間を算出する、
運行管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の運行管理システムにおいて、
再計画された前記運行計画が通知されるドライバ端末を更に備える、
運行管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の運行管理システムにおいて、
前記ドライバによる車両の運行情報を取得する車載器を更に備え、
前記管理者端末は、
前記車載器によって収集された前記運行情報に基づいて、前記ドライバの運転を評価する、
運行管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の運行管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記管理者端末は、
再計画された前記運行計画に基づいて、前記複数のドライバを評価する、
運行管理システム。
【請求項9】
アルコール検知器によって判定された複数のドライバのアルコール濃度が閾値以上か否かの情報を受信するサーバは、
一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値以上である場合、前記一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値未満になる時間を算出するステップと、
前記複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末の指示に基づいて、算出された前記時間に応じて、前記一のドライバの運行時間を先送りして、前記運行計画を再計画するステップと、を含む、
運行管理方法。
【請求項10】
サーバに、請求項9に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、運送事業者(以下、「運行管理者」ともいう。)は、各ドライバに対して点呼を行う際に、ドライバの酒気帯び運転を防止すべく、アルコール検知器を使ったアルコールチェック(アルコール濃度測定)が義務付けられている。このため、従来から、ドライバのアルコールチェックを行うために、アルコール検知器を備えた運行管理システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-054695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運行予定のドライバがアルコールチェックに引っ掛かった、即ちアルコール濃度が閾値以上と判定された場合、このドライバ(以下、「ドライバA」ともいう。)は、時間を置いてアルコール再チェックを行う必要がある。従来の運行管理システムでは、運行管理者又はドライバA自身が、経験や推測によって、アルコール再チェックの時間を算出し、算出した時間がドライバAの当初の運行予定に間に合わない場合、運行管理者は、この運行予定を他のドライバに割り当てるようにして運行計画を再計画することがあった。このように、運行予定のドライバがアルコールチェックに引っ掛かった場合において、運行管理者の負担が大きく、更に、運行計画を迅速に再計画できないこともあった。
【0005】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、アルコールチェック時において運行予定のドライバのアルコール濃度が閾値以上と判定された場合、運行計画を迅速に再計画可能な運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る運行管理システムは下記を特徴としている。
【0007】
複数のドライバのアルコール濃度を検知して、前記アルコール濃度が閾値以上か否かを判定するアルコール検知器と、
前記複数のドライバにおける前記アルコール濃度が前記閾値以上か否かの情報を前記アルコール検知器から受信するサーバと、
前記複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末と、を備えた運行管理システムであって、
前記サーバは、
一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値以上である場合、前記一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値未満になる時間を算出し、
前記サーバ又は前記管理者端末は、
前記サーバによって算出された前記時間に応じて、前記一のドライバの運行時間を先送りして、前記運行計画を再計画する、
運行管理システムであること。
【0008】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係る運行管理方法は下記を特徴としている。
【0009】
アルコール検知器によって判定された複数のドライバのアルコール濃度が閾値以上か否かの情報を受信するサーバは、
一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値以上である場合、前記一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値未満になる時間を算出するステップと、
前記複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末の指示に基づいて、算出された前記時間に応じて、前記一のドライバの運行時間を先送りして、前記運行計画を再計画するステップと、を含む、
運行管理方法。
【0010】
更に、前述した目的を達成するために、本発明に係るプログラムは下記を特徴としている。
【0011】
サーバに、上記運行管理方法に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラムについて以下に述べる。
本構成の運行管理システム、運行管理方法、及びプログラムによれば、一のドライバのアルコール濃度が閾値以上である場合、一のドライバのアルコール濃度が閾値未満になる時間がサーバによって算出され、更に、算出された上記時間に応じて、サーバ又は管理者端末によって一のドライバの運行時間を先送りして、運行計画を再計画される。このように運行計画の再計画に必要な処理の多くが自動化されるため、アルコールチェック時において運行予定のドライバのアルコール濃度が閾値以上と判定された場合、運行計画を迅速に再計画できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る運行管理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、アルコール検知器の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、管理者端末の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、サーバの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、ドライバ端末の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、車載器の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、運行管理システムの動作例を示すフローチャートである。
図8図8は、運行計画の再計画処理の動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、再計画前の運行計画表及び再計画後の運行計画表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
本発明の関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0016】
以下で説明する各例における各構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。更に、以下で説明する各種のフローを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。更に、以下で説明する各種のシステム、各種の方法、及び各種のプログラム等が実行されるツールとしては、サーバや各種端末等にインストールされたアプリケーションであってもよいし、特定のウェブサイトであってもよい。
【0017】
<運行管理システム100>
図1は、本発明の実施形態に係る運行管理システム100の構成例を示す図である。運行管理システム100は、トラックやタクシー等の車両の運行を管理する事業者(運行管理者)を顧客(ユーザ)とするサービス提供者により運用される運行管理システムである。なお、事象者自身がこの運行管理システム100を運用してもよい。
【0018】
図1に示すように、運行管理システム100は、少なくともアルコール検知器10、管理者端末20、及びサーバ30を含み、更に、ドライバ端末40及び車載器50を含む。サーバ30と各種端末(アルコール検知器10、管理者端末20、及びドライバ端末40)とは、例えば、所定のネットワークを介して、有線又は無線によって通信可能に接続される。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係るアルコール検知器10の構成例を示すブロック図である。アルコール検知器10は、運行管理者によって管理されて、ドライバのアルコールチェックに使用される。アルコール検知器10は、各種機能に応じて複数の装置から構成されてもよいし(図1参照)、各種機能を有する一の装置から構成されてもよい(図示省略)。アルコール検知器10は、アルコールセンサ11と、制御部12と、通信部13と、を少なくとも備えて構成される。
【0020】
アルコールセンサ11は、例えば半導体ガスセンサによって構成されており、吹きかけられた呼気中におけるアルコール濃度に応じた信号を制御部12に送信することができる。
【0021】
制御部12は、アルコールセンサ11からの信号に基づいて呼気中のアルコール濃度を測定し、アルコール濃度が閾値以上か否かを判定することができる。制御部12は、各処理に応じて、それぞれ、処理部が構成されてもよいし、単一の処理部にて各処理が行われてもよい。制御部12に係る処理部は、例えば、CPU等によって、アルコール検知器10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが実行されることにより実現される。
【0022】
通信部13は、例えばNIC等によって実現されるとともに、ネットワークと有線又は無線で接続されて、ネットワークを介して、サーバ30等との間で情報の送受信を行うことができる。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に係る管理者端末20の構成例を示すブロック図である。管理者端末20は、例えば、運行管理者によって管理・使用される。
【0024】
管理者端末20は、記憶部21と、表示部22と、操作部23と、制御部24と、通信部25と、を少なくとも備えて構成され、更に、音声IF(インタフェース)26と、外部IF(インタフェース)24と、を備えて構成される。
【0025】
記憶部21は、ドライバの各種情報を記憶できる。ドライバの各種情報とは、例えば、ドライバコード、ドライバの評価情報、車載器50から収集したドライバの運行情報、及びドライバの住所情報等である。
【0026】
表示部22は、各種情報を運行管理者に伝達する媒体である。表示部22としては、例えば、各種情報を可視化する管理者端末20のディスプレイ等の表示画面が挙げられる。なお、伝達とは、表示部22に応じた操作であれば特に限定されない。
【0027】
操作部23は、管理者端末20の使用者、即ち運行管理者等からの各種操作を受け付けできる。操作部23は、例えば、タッチパネル機能による表示面であってもよいし、管理者端末20に設けられたボタンや管理者端末20に接続されたキーボード等でもよい。なお、各種操作とは、操作部23に応じた操作であれば特に限定されない。
【0028】
制御部24は、当初の運行計画より再計画が必要な場合には運行計画を再計画できる。制御部24は、送受信される情報を含む各種情報を処理できる。制御部24は、各処理に応じて、それぞれ、処理部が構成されてもよいし、単一の処理部にて各処理が行われてもよい。制御部24に係る処理部は、例えば、CPU等によって、管理者端末20の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが実行されることにより実現される。
【0029】
通信部25は、例えばNIC等によって実現されるとともに、ネットワークと有線又は無線で接続されて、ネットワークを介して、サーバ30等との間で情報の送受信を行うことができる。
【0030】
音声IF26には、マイク及びスピーカ等が接続される。運行管理者は、マイク及びスピーカ等を用いて音声通話を行うことも可能である。外部IF27には、運行情報データベースやハザードマップデータベースといった外部記憶装置(図示省略)等が接続可能である。
【0031】
図4は、本発明の実施形態に係るサーバ30の構成例を示すブロック図である。サーバ30は、運行管理者又はサービス提供者等によって管理される。サーバ30は、記憶部31と、通信部32と、制御部33と、を少なくとも備えて構成され、更に、外部IF(インタフェース)34を備えて構成される。
【0032】
記憶部31は、ドライバの各種情報を記憶できる。また、ドライバの各種情報には、アルコール濃度が閾値以上と判定された経験があるドライバにおけるアルコール濃度が閾値未満になるまでの時間も含まれる。更に、記憶部31は、本実施形態に係る運行管理方法の各ステップを実行させるためのプログラムが記憶される。
【0033】
通信部32は、例えばNIC等によって実現されるとともに、ネットワークと有線又は無線によって接続されて、ネットワークを介して、各種端末との間で情報の送受信を行うことができる。
【0034】
制御部33は、アルコール濃度が閾値以上と判定されたドライバが、アルコール濃度が閾値以上と判定された経験がある場合にはアルコール濃度が閾値未満になる時間を算出でき、更に、当初の運行計画より再計画が必要な場合には運行計画を再計画できる。
【0035】
制御部33は、送受信される情報を含む各種情報を処理する。制御部33は、各処理に応じて、それぞれ、処理部が構成されてもよいし、単一の処理部にて各処理が行われてもよい。制御部33に係る処理部は、例えば、CPU等によって、サーバ30の内部の記憶装置に記憶されている運行管理方法の各ステップを含む各種プログラムが実行されることにより実現される。
【0036】
外部IF34には、データベース等が接続可能である。データベースとしては、例えば、車載器50から収集した、運行情報を記憶する運行情報データベース及びハザードマップを記憶するハサードマップデータベース等がある。
【0037】
図5は、本発明の実施形態に係るドライバ端末40の構成例を示すブロック図である。ドライバ端末40は、例えば、ドライバによって管理・使用される。ドライバ端末40は、操作部41と、表示部42と、制御部43と、通信部44と、を少なくとも備えて構成される。
【0038】
操作部41は、ドライバからの各種操作を受け付けできる。操作部41は、例えば、タッチパネル機能による表示面であってもよいし、ドライバ端末40に設けられたボタンやドライバ端末40に接続されたキーボード等でもよい。なお、各種操作とは、操作部41に応じた操作であれば特に限定されない。
【0039】
表示部42は、各種情報をユーザに伝達する媒体である。表示部42としては、例えば、各種情報を可視化するドライバ端末40のディスプレイ等の表示画面が挙げられる。なお、伝達とは、表示部42に応じた操作であれば特に限定されない。
【0040】
制御部43は、送受信される情報を含む各種情報を処理できる。制御部43は、各処理に応じて、それぞれ、処理部が構成されてもよいし、単一の処理部にて各処理が行われてもよい。制御部43に係る処理部は、例えば、CPU等によって、ドライバ端末40の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが実行されることにより実現される。
【0041】
通信部44は、例えばNIC等によって実現されるとともに、ネットワークと有線又は無線で接続されて、ネットワークを介して、サーバ30等との間で情報の送受信を行うことができる。
【0042】
図6は、本発明の実施形態に係る車載器50の構成例を示すブロック図である。車載器50は、各車両(トラック等)に搭載される、例えばデジタルタコグラフ等である。車載器50は、GPS受信機51と、表示部52と、操作部53と、RTC(Real Time Clock)54と、制御部55と、無線通信部56と、メモリカードIF(インタフェース)57と、揮発性メモリ58と、不揮発性メモリ59と、を少なくとも備えて構成される。
【0043】
GPS受信機51は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を、アンテナ(図示省略)を介して受信する。GPS受信機51が受信した複数の受信信号に基づいて、車両の現在位置を表す位置情報を計算して得ることができる。また、GPS受信機51が受信した信号に基づく位置情報を用いて、車両の移動を検知することができる。さらに、GPS受信機51が受信した信号に基づいて、時刻情報を取得することができる。
【0044】
表示部52は、ドライバの視認しやすい位置に配置され、ドライバの入力操作の際に必要な案内の情報や数値、時間などの情報を表示できる。
【0045】
操作部53は、ドライバの操作しやすい位置に配置され、ドライバからの入力操作を受け付けできる。操作部41は、例えば、タッチパネル機能による表示面であってもよいし、ボタン等でもよい。
【0046】
RTC54は、半導体の集積回路(IC)により構成され、現在の日付、曜日、時刻(時分秒)の情報を生成したり、時間を計測するための時計機能を有している。
【0047】
制御部55は、送受信される情報を含む各種情報を処理できる。制御部55は、各処理に応じて、それぞれ、処理部が構成されてもよいし、単一の処理部にて各処理が行われてもよい。制御部55に係る処理部は、例えば、CPU等によって、車載器50の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが実行されることにより実現される。
【0048】
無線通信部56は、例えばLTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線通信機能を有し、移動体通信事業者などが提供する無線基地局と自車両との間で無線通信回線を確立できる。
【0049】
メモリカードIF54は、メモリカード(図示省略)を着脱自在に保持可能なスードスロットを有し、メモリカードを制御部55のCPU等と接続することができる。なお、メモリカードは、不揮発性メモリを内蔵し、自車両を運行するドライバを特定する情報、車両を特定する情報、車載器50が生成した運行情報データなどを登録し保持することができる
【0050】
揮発性メモリ58は、制御部55が動作中に生成した各種データを一時的に保持するために利用される。
【0051】
不揮発性メモリ59は、車載器50の各種機能を実現するために必要な制御部55のCPU等が実行可能なプログラムや、各種定数データを保持している。また、保存の必要な各種データを書き込み登録することができる。
【0052】
<運行管理システム100の動作例>
図7は、運行管理システムの動作例を示すフローチャートである。図9は、再計画前の運行計画表T1及び再計画後の運行計画表T2を示す図である。
【0053】
ドライバは、特に出勤時や出庫前に、アルコール検知器10によってアルコールチェックを行う必要がある。このため、出勤時や出庫前にドライバのアルコールチェックが行われて、そして、アルコール検知器10によって、ドライバのアルコール濃度が閾値以上か否かの判定が行われ、この判定結果情報がサーバ30に送信される。
【0054】
運行管理システム100では、アルコール検知器10からサーバ30に送信された判定結果情報に基づいて、各種処理が開始される。サーバ30は、受信した判定結果情報からドライバのアルコール濃度が閾値以上か否かを判定する(ステップS1)。ドライバのアルコール濃度が閾値以上と判定された(アルコールチェック結果NG)場合、サーバ30は該当ドライバ(図9のドライバAに対応)のドライバコードをアルコール検知器10から取得する(ステップS3)。一方、ドライバのアルコール濃度が閾値未満と判定された場合、運行管理システム100の動作を終了する。
【0055】
なお、ドライバコードの取得タイミングは、判定結果情報がアルコール検知器10からサーバ30に送信されるタイミングと同時でもよい。
【0056】
ドライバコードの取得後、サーバ30は、該当ドライバがアルコールチェック結果NGとなるのが初回か否かを判定する(ステップS5)。アルコールチェック結果NGとなるのが初回でない場合には該当ドライバのアルコール再チェック時間の算出処理(ステップS7)に移行し、アルコールチェック結果NGとなるのが初回の場合には運行計画の再計画処理(ステップS11)に移行する。
【0057】
ところで、アルコール分解能力には個人差があるため、アルコール濃度が閾値未満になるまでの時間にも当然個人差がある。このため、アルコールチェック結果NGとなるのが初回のドライバは、それぞれ、実測等によってアルコール濃度が閾値未満になるまでの時間が計測される。これにより、アルコール再チェック時間の算出処理(ステップS7)では、該当ドライバ毎の過去の傾向に基づいて、アルコール濃度が閾値未満になる時間が算出され、算出されたアルコール濃度が閾値未満になる時間に基づいて、アルコール再チェック時間が算出される。
【0058】
一方、アルコールチェック結果NGとなるのが初回の場合には、例えば、予め定められたデータに基づいて、アルコール濃度が閾値未満になる時間が算出される。なお、予め定められたデータとは、例えばアルコールの分解に掛かる一般的な時間や、この一般的な時間に許容値を設けた時間等のデータが挙げられ、アルコール濃度が閾値未満になる時間は、ドライバのアルコールチェック時間に上記時間(即ち、予め定められたデータ)が加算されて算出される。
【0059】
また、アルコールチェック結果NGとなるのが初回でない場合(2回目以降)においても、実測等によってアルコール濃度が閾値未満になるまでの時間を計測してもよい。これにより、2回目以降の実測値が取得できるため、初回及び2回目以降の実測値の平均値をとることで、より適正に該当ドライバ毎の個人差に対応できる。このため、この平均値(即ち、過去の傾向)に基づいて、アルコール濃度が閾値未満になるまでの時間を算出することで、アルコール再チェック時間の算出処理の信頼度が向上する。
【0060】
アルコール再チェック時間としては、アルコール濃度が閾値未満になる時間がそのまま設定されてもよいし、アルコール再チェック結果NGとならないようにアルコール濃度が閾値未満になる時間から更に余裕を持った時間を設定してもよい。ただし、アルコール再チェック時間としてアルコール濃度が閾値未満になる時間から更に余裕を持った時間を設定する場合、アルコール濃度が閾値未満になる時間に対して余裕分の時間を加算する必要がある。つまり、上記場合においては、アルコール再チェック時間の算出処理として、アルコール濃度が閾値未満になる時間の算出処理、及び、算出された時間への余裕分の時間の加算処理が含まれる。
【0061】
アルコール再チェック時間の算出処理(ステップS7)の終了後、サーバ30は、該当ドライバのアルコール再チェック時間が該当ドライバの運行時間よりも前か否かを判定する(ステップS9)。アルコール再チェック時間が運行時間よりも前である場合には運行管理システム100の動作を終了し、アルコール再チェック時間が運行時間よりも後の場合には運行計画の再計画処理(ステップS11)に移行する。
【0062】
図8は、運行計画の再計画処理の動作例を示すフローチャートである。運行計画の再計画処理(ステップS11)について図8を参照して説明する。運行計画の再計画処理(ステップS11)は、例えば、管理者端末20の指示に基づいてサーバ30によって行われる。
【0063】
運行計画の再計画処理が開始されると、まず、該当ドライバに代わって他のドライバ(図9のドライバB,C,D,Eに対応)、即ち変更対象ドライバの選別処理を開始する(ステップS13)。変更対象ドライバの選別処理(ステップS13)では、予め設定された条件に基づいてドライバの選別がサーバ30によって行われる。
【0064】
この条件として、例えば、運行計画において運行予定がない、運行計画における該当ドライバの運行先への運行経験がある、運行計画における該当ドライバの運行先周辺に住んでいる、及び、運行計画における該当ドライバの運行ルート(特に、運行ルートのハザードマップ)の運行経験がある等が設定される。そして、少なくとも一つの条件を満たすドライバが、変更対象ドライバとして選別される。
【0065】
なお、運行計画における該当ドライバの運行先への運行経験や運行計画における該当ドライバの運行ルート(特に、運行ルートのハザードマップ)の運行経験等は、例えば、車載器50に登録・保持された運行情報データ等から確認できる。
【0066】
変更対象ドライバの選別処理終了後、変更対象ドライバに通知が送られる。より具体的には、サーバ30は、変更対象ドライバのドライバ端末40に、再計画後の運行計画を配信し(ステップS15)、対応の可否を確認する。
【0067】
変更対象ドライバへの配信後、変更対象ドライバからの応答受信を判定する(ステップS17)。変更対象ドライバからの応答受信の判定(ステップS17)は、変更対象ドライバから応答を受信するまで続けられる。
【0068】
変更対象ドライバからの応答受信の判定(ステップS17)については、時間制限を設けることもできる。より具体的には、例えば、制限時間内に応答がない場合には、制限時間が過ぎた後に変更対象ドライバの選別処理(ステップS13)へ移行するように設定すればよい。
【0069】
なお、サーバ30からの配信を受信したドライバ(即ち、変更対象ドライバ)は、サーバ30からの配信に対して、ドライバ端末40を操作して対応可能か否かを応答する。
【0070】
変更対象ドライバからの対応可能か否かの応答をサーバ30が受信すると、対応可能か否かの判定(ステップS19)へ移行する。ドライバが対応可能と応答した場合には、運行計画反映処理(ステップS21)に移行し、ドライバが対応不可と応答した場合には、変更対象ドライバの選別処理(ステップS13)に移行する。
【0071】
運行計画反映処理(ステップS21)では、先送りされた該当ドライバ(図9のドライバA)の運行時間や、変更されたステップS19にて対応可能と応答した変更対象ドライバ(図9のドライバC,E)の運行時間が、再計画後の各ドライバの運行計画として反映される。
【0072】
運行計画反映処理(ステップS21)の終了後、運行計画の再計画が完了したか否かを判定する(ステップS23)。運行計画の再計画が完了していない場合には、変更対象ドライバの選別処理(ステップS13)に移行し、運行計画の再計画が完了していない場合には、運行計画の再計画処理を終了する。
【0073】
以上が運行計画の再計画処理(ステップS11)である。運行計画の再計画処理(ステップS11)が終了後、運行管理システム100の動作を終了する。本例では、運行計画の再計画処理(ステップS11)がサーバ30によって行われているが、管理者端末20単一で行われてもよいし、管理者端末20及びサーバ30の双方によって行われてもよい。
【0074】
その後、サーバ30又は管理者端末20は、再計画された運行計画に基づいて各ドライバを評価してもよい。具体的には、例えば、アルコールチェック結果NGのドライバ(上記該当ドライバ、図9のドライバA)の評価を下げたり、運行計画の再計画に伴い運行時間の変更に対応等したドライバ(変更対象ドライバ、図9のドライバC,E)の評価を上げたり等してもよい。
【0075】
なお、該当ドライバがアルコール再チェック結果NGとなった場合には、上述した動作と同様の動作が行われる。
【0076】
本実施形態に係る運行管理システム100によれば、一のドライバのアルコール濃度が閾値以上である場合、一のドライバのアルコール濃度が閾値未満になる時間がサーバ30によって算出され、更に、算出された上記時間に応じて、サーバ30又は管理者端末20によって一のドライバの運行時間を先送りして、運行計画を再計画される。このように運行計画の再計画に必要な処理の多くが自動化されるため、アルコールチェック時において運行予定のドライバのアルコール濃度が閾値以上と判定された場合、運行計画を迅速に再計画できる。
【0077】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、サーバ30又は管理者端末20が、サーバ30によって算出された一のドライバのアルコール濃度が閾値未満になる時間に応じて、他のドライバを選別し、選別した他のドライバの運行時間を変更して運行計画を再計画する。これにより、運行計画の再計画に際する一のドライバと他のドライバとの運行計画の交代を自動化できる。
【0078】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、他のドライバを選別する際の条件を設けることで、運行計画の再計画の精度や運行管理の質を向上できるとともに、ドライバの安全運転の確保や正確な運行が可能となる。
【0079】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、アルコール濃度が閾値以上と判定されるのが初めてでない場合に過去の傾向に基づいて、アルコール濃度が閾値未満になる時間を算出する。一般に、アルコール分解能力には個人差があるため、上述した構成によってドライバ個人に合わせた運行管理を行うことができる。
【0080】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、アルコール濃度が閾値以上と判定されるのが初めての場合に予め定められたデータに基づいて、アルコール濃度が閾値未満になる時間を算出する。このように、アルコール濃度が閾値以上と判定されるのが初めての場合においては、アルコール濃度が閾値未満になる時間を機械的に算出することで、運行計画を迅速に再計画できる。
【0081】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、再計画された運行計画が通知されるドライバ端末40を更に備えることで、ドライバとの連携が図りやすくなり、運行計画をより迅速に再計画できる。
【0082】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、ドライバによる車両の運行情報を取得する車載器50を更に備え、管理者端末20は、車載器50によって収集された運行情報に基づいて、ドライバの運転を評価する。これにより、例えば、他のドライバを選別する条件として重要な運行情報データを収集できるため、運行計画の再計画の精度や運行管理の質を向上できるとともに、ドライバの安全運転の確保や正確な運行が可能となる。
【0083】
更に、本実施形態に係る運行管理システム100によれば、再計画された運行計画に基づいて、複数のドライバの評価をする。これにより、例えば、アルコールチェック結果NGとなったドライバの成績を下げたり、運行計画の再計画に伴い運行時間の変更に対応等したドライバの評価を上げたり等、ドライバを評価できる。
【0084】
なお、本実施形態に係る運行管理方法、及び、プログラムについても、運行管理システム100と同様の効果を奏する。
【0085】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0086】
ここで、上述した本発明に係る運行管理システム、運行管理方法、及び、プログラムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[10]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
複数のドライバのアルコール濃度を検知して、前記アルコール濃度が閾値以上か否かを判定するアルコール検知器(10)と、
前記複数のドライバにおける前記アルコール濃度が前記閾値以上か否かの情報を前記アルコール検知器から受信するサーバ(30)と、
前記複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末(20)と、を備えた運行管理システム(100)であって、
前記サーバ(30)は、
一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値以上である場合、前記一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値未満になる時間を算出し(ステップS7)、
前記サーバ(30)又は前記管理者端末(20)は、
前記サーバ(30)によって算出された前記時間に応じて、前記一のドライバの運行時間を先送りして、前記運行計画を再計画する(ステップS9,S21)、
運行管理システム(100)。
[2]
上記[1]に記載の運行管理システム(100)において、
前記サーバ(30)又は前記管理者端末(20)は、
前記サーバ(30)によって算出された前記時間に応じて、他のドライバを選別し、選別した前記他のドライバの運行時間を変更して前記運行計画を再計画する(ステップS9,S13,S21)、
運行管理システム(100)。
[3]
上記[2]に記載の運行管理システム(100)において、
前記サーバ(30)又は前記管理者端末(20)は、
前記運行計画において運行予定がないドライバ、再計画前の前記運行計画における前記一のドライバの運行先への運行経験があるドライバ、再計画前の前記運行計画における前記一のドライバの前記運行先周辺に住んでいるドライバ、及び、再計画前の前記運行計画における前記一のドライバの運行ルートの運行経験があるドライバのうち少なくとも一つの条件を満たすドライバを、前記他のドライバとして選別する(ステップS13)、
運行管理システム(100)。
[4]
上記[1]から上記[3]の何れか一つに記載の運行管理システム(100)において、
前記サーバ(30)は、
前記一のドライバが前記アルコール検知器(10)によって前記アルコール濃度が前記閾値以上と判定されるのが初めてでない場合、過去の傾向に基づいて、前記アルコール濃度が前記閾値未満になる前記時間を算出する(ステップS7)、
運行管理システム(100)。
[5]
上記[1]から上記[4]の何れか一つに記載の運行管理システム(100)において、
前記サーバ(30)は、
前記一のドライバが前記アルコール検知器によって前記アルコール濃度が前記閾値以上と判定されるのが初めての場合、予め定められたデータに基づいて、前記アルコール濃度が前記閾値未満になる前記時間を算出する、
運行管理システム(100)。
[6]
上記[1]から上記[5]の何れか一つに記載の運行管理システム(100)において、
再計画された前記運行計画が通知されるドライバ端末(40)を更に備える、
運行管理システム(100)。
[7]
上記[1]から上記[6]の何れか一つに記載の運行管理システム(100)において、
前記ドライバによる車両の運行情報を取得する車載器(50)を更に備え、
前記管理者端末(20)は、
前記車載器(50)によって収集された前記運行情報に基づいて、前記ドライバの運転を評価する、
運行管理システム(100)。
[8]
上記[1]から上記[7]の何れか一つに記載の運行管理システム(100)において、
前記サーバ(30)又は前記管理者端末(20)は、
再計画された前記運行計画に基づいて、前記複数のドライバを評価する、
運行管理システム(100)。
[9]
アルコール検知器(10)によって判定された複数のドライバのアルコール濃度が閾値以上か否かの情報を受信するサーバ(30)は、
一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値以上である場合、前記一のドライバの前記アルコール濃度が前記閾値未満になる時間を算出するステップ(S7)と、
前記複数のドライバの運行計画を管理可能な管理者端末(20)の指示に基づいて、算出された前記時間に応じて、前記一のドライバの運行時間を先送りして、前記運行計画を再計画するステップ(S9)と、を含む、
運行管理方法。
[10]
サーバ(30)に、上記[9]に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
【0087】
上記[1]の構成の運行管理システムによれば、一のドライバのアルコール濃度が閾値以上である場合、一のドライバのアルコール濃度が閾値未満になる時間がサーバによって算出され、更に、算出された上記時間に応じて、サーバ又は管理者端末によって一のドライバの運行時間を先送りして、運行計画を再計画される。このように運行計画の再計画に必要な処理の多くが自動化されるため、アルコールチェック時において運行予定のドライバのアルコール濃度が閾値以上と判定された場合、運行計画を迅速に再計画できる。
【0088】
上記[2]の構成の運行管理システムによれば、サーバ又は管理者端末が、サーバによって算出された一のドライバのアルコール濃度が閾値未満になる時間に応じて、他のドライバを選別し、選別した他のドライバの運行時間を変更して運行計画を再計画する。これにより、運行計画の再計画に際する一のドライバと他のドライバとの運行計画の交代を自動化できる。
【0089】
上記[3]の構成の運行管理システムによれば、他のドライバを選別する際の条件を設けることで、運行計画の再計画の精度や運行管理の質を向上できるとともに、ドライバの安全運転の確保や正確な運行が可能となる。
【0090】
上記[4]の構成の運行管理システムによれば、アルコール濃度が閾値以上と判定されるのが初めてでない場合に過去の傾向に基づいて、アルコール濃度が閾値未満になる時間を算出する。一般に、アルコール分解能力には個人差があるため、上述した構成によってドライバ個人に合わせた運行管理を行うことができる。
【0091】
上記[5]の構成の運行管理システムによれば、アルコール濃度が閾値以上と判定されるのが初めての場合に予め定められたデータに基づいて、アルコール濃度が閾値未満になる時間を算出する。このように、アルコール濃度が閾値以上と判定されるのが初めての場合においては、アルコール濃度が閾値未満になる時間を機械的に算出することで、運行計画を迅速に再計画できる。
【0092】
上記[6]の構成の運行管理システムによれば、再計画された運行計画が通知されるドライバ端末を更に備えることで、ドライバとの連携が図りやすくなり、運行計画をより迅速に再計画できる。
【0093】
上記[7]の構成の運行管理システムによれば、ドライバによる車両の運行情報を取得する車載器を更に備え、管理者端末は、車載器によって収集された運行情報に基づいて、ドライバの運転を評価する。これにより、例えば、他のドライバを選別する条件として重要な運行情報データを収集できるため、運行計画の再計画の精度や運行管理の質を向上できるとともに、ドライバの安全運転の確保や正確な運行が可能となる。
【0094】
上記[8]の構成の運行管理システムによれば、再計画された運行計画に基づいて、複数のドライバの評価をする。これにより、例えば、アルコールチェック結果NGとなったドライバの成績を下げたり、運行計画の再計画に伴い運行時間の変更に対応等したドライバの評価を上げたり等、ドライバを評価できる。
【0095】
上記[9]の構成の運行管理方法によれば、上記[1]と同様の作用・効果を奏する。
【0096】
上記[10]の構成のプログラムによれば、上記[1]と同様の作用・効果を奏する。
【符号の説明】
【0097】
10 アルコール検知器
20 管理者端末
30 サーバ
40 ドライバ端末
50 車載器
100 運行管理システム
T1 再計画前の運行計画表
T2 再計画後の運行計画表
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9