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特開2024-32531管理システム、管理方法、データ集約装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032531
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、データ集約装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 43/02 20220101AFI20240305BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
H04L43/02
G05B23/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136223
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白根 一登
(72)【発明者】
【氏名】伊東 厚
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA11
3C223BA03
3C223EB04
(57)【要約】
【課題】あるコントローラが利用できない場合にも他のコントローラを利用して所望のデータを取得できる。
【解決手段】管理システムは、データ集約装置と、不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置と、データ出力装置からデータを受信して前記データ記録装置に記録する複数のコントローラとを含む管理システムであって、前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、前記データ集約装置は、前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定する利用可否特定部と、前記利用可否特定部が特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する指令送信部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ集約装置と、不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置と、データ出力装置からデータを受信して前記データ記録装置に記録する複数のコントローラとを含む管理システムであって、
前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、
前記データ集約装置は、
前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定する利用可否特定部と、
前記利用可否特定部が特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する指令送信部と、を備える、管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理システムであって、
1または複数の前記データ記録装置、および複数の前記コントローラをさらに含み、
1つの前記データ記録装置、および2以上の前記コントローラが記録グループを構成し、
当該管理システムは前記記録グループを複数含み、
前記データ集約装置は、
所望のデータが格納される前記データ記録装置が属する前記記録グループを特定するグループ特定部をさらに備え、
前記指令送信部は、前記グループ特定部が特定した前記記録グループに含まれる前記コントローラであって、かつ前記利用可否特定部が特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する、管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の管理システムであって、
前記利用可否特定部は、前記コントローラとの最終通信時刻と現在時刻との差、前記コントローラに対する呼びかけへの応答の有無、および前記コントローラからの通知、の少なくとも1つの基づき、データを送信可能な前記コントローラを特定する、管理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の管理システムであって、
同一の前記記録グループに属する前記コントローラを第1コントローラおよび第2コントローラとし、
第1の製造ラインである第1製造ラインに用いられる前記データ出力装置を第1データ出力装置とし、
第2の製造ラインである第2製造ラインに用いられる前記データ出力装置を第2データ出力装置とする場合に、
前記第1コントローラが前記第1データ出力装置および前記第2製造ラインに属する前記データ出力装置からデータを受信する、または前記第1コントローラが前記第1データ出力装置からデータを受信しかつ前記第2コントローラが前記第2データ出力装置からデータを受信する、管理システム。
【請求項5】
データ集約装置と、不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置と、データ出力装置からデータを受信して前記データ記録装置に記録する複数のコントローラとを含む管理システムが実行する管理方法であって、
前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、
前記データ集約装置は、
前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定し、特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する、管理方法。
【請求項6】
データ出力装置からデータを受信して不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置に記録する複数のコントローラと通信可能なデータ集約装置であって、
前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、
前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定する利用可否特定部と、
前記利用可否特定部が特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する指令送信部と、を備える、データ集約装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理方法、およびデータ集約装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データを生成または出力する装置に接続された複数のコントローラからデータを集約する装置が知られている。特許文献1には、複数の端末装置がネットワークを介して相互に接続され、それら複数の端末装置間でファイルを送受信するファイル送信システムを構成する複数の前記端末装置のうち、1つのファイルをそのファイルの取得先となる複数の前記端末装置の数より多い複数のブロックに分割した分割ファイル単位で、その取得先の複数の前記端末装置からそれぞれ別の分割ファイルを同時並行して取得し、そのファイルの取得が完了するまでそれらの端末装置から分割ファイルの取得を繰返すファイル要求側の前記端末装置に対して、当該要求された分割ファイルを送信するファイル送信側の前記端末装置であって、前記端末装置に対して所定期間単位で設定されている送信可能なデータの上限量から、現在の期間中に自端末装置が他の端末装置に対して送信した分割ファイルのデータ量を減じた、当期間中に送信可能な残りデータ量を記憶しておく記憶手段と、前記記憶手段に記憶している残りデータ量が小さくなる程、規定の送信速度に対して送信速度が遅くなるように、かつ、現在の期間が満了するまでの残り時間が少なくなる程、前記規定の送信速度に対して送信速度が速くなるように前記分割ファイルの送信速度を設定する送信速度設定手段と、前記ファイル要求側の端末装置から受信した取得要求に応じて、当該取得要求に該当の分割ファイルを、前記送信速度設定手段により設定した送信速度で当該ファイル要求側の端末装置に対して送信する送信手段とを備えることを特徴とする端末装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-205480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている発明では、コントローラが要求に対応できない場合にデータを取得できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様による管理システムは、データ集約装置と、不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置と、データ出力装置からデータを受信して前記データ記録装置に記録する複数のコントローラとを含む管理システムであって、前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、前記データ集約装置は、前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定する利用可否特定部と、前記利用可否特定部が特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する指令送信部と、を備える。
本発明の第2の態様による管理方法は、データ集約装置と、不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置と、データ出力装置からデータを受信して前記データ記録装置に記録する複数のコントローラとを含む管理システムが実行する管理方法であって、前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、前記データ集約装置は、前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定し、特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する。
本発明の第3の態様によるデータ集約装置は、データ出力装置からデータを受信して不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置に記録する複数のコントローラと通信可能なデータ集約装置であって、前記コントローラのそれぞれは、前記データ集約装置が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づき前記データ記録装置に格納されるデータを前記データ集約装置に送信し、前記データ要求指令に基づきデータを送信可能な前記コントローラを特定する利用可否特定部と、前記利用可否特定部が特定した前記コントローラに前記データ要求指令を送信する指令送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、あるコントローラが利用できない場合にも他のコントローラを利用して所望のデータを取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】管理システムの全体構成図
図2】データ集約装置のハードウエア構成図
図3】データ集約装置の機能構成図
図4】グループ管理表の一例を示す図
図5】データ履歴の一例を示す図
図6】データ集約装置の処理を示すフローチャート
図7】対話操作によりグループ管理表を変更する画面表示の一例を示す図
図8】対話操作によりグループ管理表を変更する画面表示の一例を示す図
図9】ファイルアップロードによりグループ管理表を変更する画面表示の一例を示す図
図10】第2の実施の形態における記録グループの第1構成を示す図
図11】第2の実施の形態における記録グループの第2構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
―第1の実施の形態―
以下、図1図9を参照して、本発明に係るデータ集約装置および管理システムの第1の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、管理システム1000の全体構成図である。管理システム1000は、データ集約装置1と、時刻同期装置2と、1または複数の記録グループ3と、を含む。記録グループ3は、複数のコントローラ4と、複数の産業機器5と、データ記録装置6と、を含む。それぞれの記録グループ3は、ネットワーク9を介してデータ集約装置1および時刻同期装置2と通信可能に構成される。ネットワーク9は、規模の大小を問わず、企業内のいわゆるイントラネットや、工場内のネットワーク、インターネットなどである。ネットワーク9には専用線が用いられてもよいし、VPN(Virtual Private Network)が用いられてもよい。ただしネットワーク9の存在は便宜的であり、ネットワーク9を介さずにそれぞれが直接に通信してもよい。
【0010】
管理システム1000に含まれる記録グループ3の数に制限はない。管理システム1000に含まれるそれぞれの記録グループ3の構成は同一でなくてもよいが、それぞれの記録グループ3に含まれるコントローラ4や産業機器5の動作は共通するので、以下では本実施の形態における記録グループ3、コントローラ4、産業機器5、データ記録装置6には同一の符号を付して説明する。
【0011】
記録グループ3に含まれるコントローラ4および産業機器5の数に制限はない。それぞれの記録グループ3の構成は同一でなくてよく、少なくとも2つのコントローラ4、2つの産業機器5、および1つのデータ記録装置6が含まれればよい。それぞれのコントローラ4は、同一の記録グループ3に含まれるデータ記録装置6と通信可能に構成される。またそれぞれのコントローラ4は、データ集約装置1と通信可能に構成される。なお図1に示す構成では、データ記録装置6とデータ集約装置1とも直接に通信可能なように記載されているが、データ記録装置6とデータ集約装置1とは直接の通信が行えなくてもよい。
【0012】
データ集約装置1は、ユーザ8の指令に基づき特定の産業機器5に関する詳細な情報を収集する。ただし本実施の形態では、それぞれのコントローラ4は不定期に動作を停止することが想定されているので、後述するように動作可能なコントローラ4を用いてデータを取得する。コントローラ4の動作の停止はたとえば、コントローラ4の故障、コントローラ4のメンテナンス、コントローラ4の電源オフなどの原因が想定される。データ集約装置1の構成および詳細な機能は後述する。
【0013】
本実施の形態では、コントローラ4がデータ集約装置1の指示(以下、「データ要求指令」と呼ぶ)に基づきデータを提供できる状態を”コントローラ4が利用可能な状態”と呼ぶ。また、コントローラ4がデータ集約装置1の指示を受信できない状態や、コントローラ4がデータ集約装置1の指示を受信するがデータが提供できない状態を”コントローラ4が利用不可能な状態”と呼ぶ。データ集約装置1は、ユーザ8からの指示に基づきデータ要求指令を生成して、利用可能な状態にあるコントローラ4に送信する。データ集約装置1の処理は後にフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0014】
時刻同期装置2は、時刻情報を配信する装置、たとえばNTP(Network Time Protocol)サーバである。時刻同期装置2には、全てのコントローラ4がアクセスでき、管理システム1000に含まれる全てのコントローラ4の時刻が同期される。
【0015】
それぞれのコントローラ4は、少なくとも1つの産業機器5からデータを受信する。コントローラ4と産業機器5との接続は、1:1でもよいし、1:多でもよい。1つのコントローラ4が複数の産業機器5からデータを受信する場合には、産業機器5が複数のポートを備えてもよいし、スイッチングハブ等のネットワーク機器を介してコントローラ4が複数の産業機器5と接続してもよいし、産業機器5同士がデイジーチェーンにより接続されてもよい。コントローラ4は、自発的に産業機器5からデータを取得してもよいし、特段の働きかけを行わずに産業機器5がデータを出力した場合にそのデータを受信してもよい。
【0016】
コントローラ4は、産業機器5から受信したデータをデータ記録装置6に記録する。この際にコントローラ4は、少なくともデータを記録するコントローラ4を識別可能なデータもあわせて記録する。さらに、それぞれのコントローラ4は、データ集約装置1からデータ要求指令を受信すると、データ記録装置6から指定されたデータを読みだしてデータ集約装置1に送信する。またコントローラ4は、時刻同期装置2にアクセスして時刻を同期する。
【0017】
産業機器5は、何らかのデータを出力する装置である。たとえば産業機器5はセンサであり、センシングして得られた値、たとえば温度、圧力、速度などを出力する。またたとえば産業機器5は圧縮機であり、設定された現在の設定圧力、測定した圧縮空気の温度、算出したポンプの回転数、および累計の運転時間を出力する。またたとえば産業機器5はベルトコンベアを駆動するモータのドライバであり、設定された現在の回転数、および累計のエラー回数を出力する。産業機器5は、自発的にコントローラ4にデータを出力してもよいし、コントローラ4が産業機器5にアクセスしてデータを取得してもよい。
【0018】
データ記録装置6は、たとえばネットワーク接続が可能な不揮発性の記憶装置、たとえばNAS(Network Attached Storage)である。データ記録装置6は、同一の記録グループ3に属する全てのコントローラ4が読み書きできる。それぞれのコントローラ4は、他のコントローラ4がデータ記録装置6に書き込んだデータも読み取りできる。
【0019】
図2は、データ集約装置1のハードウエア構成図である。データ集約装置1は、中央演算装置であるCPU41、読み出し専用の記憶装置であるROM42、読み書き可能な記憶装置であるRAM43、ユーザインタフェースとして機能する入出力装置44、通信装置45、およびサーバ記憶装置46を備える。CPU41がROM42に格納されるプログラムをRAM43に展開して実行することで前述の様々な演算を行う。演算装置40は、CPU41、ROM42、およびRAM43の組み合わせの代わりに書き換え可能な論理回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)や特定用途向け集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現されてもよい。また演算装置40は、CPU41、ROM42、およびRAM43の組み合わせの代わりに、異なる構成の組み合わせ、たとえばCPU41、ROM42、RAM43とFPGAの組み合わせにより実現されてもよい。
【0020】
入出力装置44は、ユーザ8が操作するマウスやキーボードと、ユーザ8に情報を提供する液晶ディスプレイやスピーカである。通信装置45は、有線または無線による通信を実現する通信モジュールである。通信装置45は、データ集約装置1とそれぞれの記録グループ3との通信を実現する。通信装置45は複数の通信モジュールにより実現されてもよい。サーバ記憶装置46は、ハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶装置である。
【0021】
図3は、データ集約装置1の機能構成図である。ただし図3には、サーバ記憶装置46に格納されるデータも示している。データ集約装置1はその機能として、利用可否特定部11と、指令送信部12と、グループ特定部13と、入出力部14と、通信部15と、を備える。利用可否特定部11、指令送信部12、およびグループ特定部13は、前述のCPU41がROM42に格納されたプログラムをRAM43に展開して実行することで実現される。通信部15は、通信装置45により実現される。サーバ記憶装置46には、グループ管理表82が格納される。
【0022】
入出力部14は、入出力装置44および通信装置45の少なくとも一方により実現される。すなわち、データ集約装置1に物理的なアクセス可能なユーザ8が入出力装置44を用いてもよいし、不図示の通信端末を利用するユーザ8が通信装置45を介してデータ集約装置1を用いてもよい。たとえば入出力部14は、ユーザ8への情報の出力のために、入出力部14を介してデータ集約装置1に接続された液晶ディスプレイに情報を表示してもよいし、通信装置45を介して不図示の通信端末のディスプレイに情報を表示してもよい。
【0023】
利用可否特定部11は、データ要求指令に基づきデータを送信可能なコントローラ4、すなわち利用可能なコントローラ4を特定する。利用可否特定部11は、公知の様々な手法を用いて利用可能なコントローラ4を特定できる。データ集約装置1は、少なくとも次の3つの手法を用いることができる。これらの手法は単独で用いてもよいし複数を組み合わせてもよい。第1の手法では、それぞれのコントローラ4がデータ集約装置1に対して定期的に自らの識別番号を含む何らかの情報を送信する。利用可否特定部11は、前回の受信から所定の時間以上経過したコントローラ4は利用できないと判断し、前回の受信から所定時間未満のコントローラ4は利用可能と判断する。
【0024】
第2の手法は、利用可否特定部11がコントローラ4に対して通信を行い、通信に応答があれば利用可能と判断し、応答がなければ利用不可能と判断する手法である。この手法において、データ集約装置1からコントローラ4への通信は、Pingコマンドなどの疎通確認でもよいし、具体的な処理の指令でもよい。第3の手法では、それぞれのコントローラ4が利用可能な状態になるとデータ集約装置1に通知し、かつそれぞれのコントローラ4が利用不可能な状態になるとデータ集約装置1に通知する。そのため、第3の手法を用いる利用可否特定部11は、それぞれのコントローラ4からの最新の通知に基づき、それぞれのコントローラ4の利用可否を判断する。
【0025】
グループ特定部13は、グループ管理表82を参照して、所望のデータが格納されるデータ記録装置6が属する記録グループ3を特定する。指令送信部12は、利用可否特定部11が特定したコントローラ4であって、かつグループ特定部13が特定した記録グループ3に属するコントローラ4にデータ要求指令を送信する。
【0026】
入出力部14は、ユーザ8の指令を受け付け、利用可否特定部11、指令送信部12、およびグループ特定部13を動作させる。さらに入出力部14は、取得したデータをユーザ8に提示する。ユーザ8の指令は、必要なデータを特定可能な情報であり、たとえばデータを収集するコントローラ4の識別子やデータの識別子と期間の組み合わせである。ユーザ8の指令はたとえば、データの識別子と期間の組み合わせであり、具体的には「データ:D001_V1、始期:2022年1月5日6時10分、終期:2022年1月5日7時30分」などである。通信部15は、他の装置との通信を実現する。管理表更新部17は、ユーザ8の入力に基づきグループ管理表82を更新する。
【0027】
グループ管理表82には、管理システム1000に含まれる全ての記録グループ3の識別情報が含まれる。具体的には、グループ管理表82には、それぞれの記録グループ3に含まれるコントローラ4の識別子と、それぞれのコントローラ4がデータ記録装置6に記録するデータの識別子とが記録されている。次の図4を参照してグループ管理表82を詳しく説明する。
【0028】
図4は、データ集約装置1に格納されるグループ管理表82の一例を示す図である。グループ管理表82は複数のレコードから構成され、各レコードはコントローラ識別子、データ識別子、およびグループ識別子を含む。コントローラ識別子は、データ記録装置6にデータを記録するコントローラ4の管理システム1000における識別子である。すなわち、管理システム1000において各コントローラ4に付されるコントローラ識別子は、それぞれ異なる。コントローラ識別子にはたとえば、コントローラ4のシリアル番号や製造番号などを用いてもよい。データ識別子は、データ記録装置6に記録されるデータの識別子である。データ識別子は、コントローラ識別子との組み合わせで管理システム1000において唯一性を有すればよい。グループ識別子は、記録グループ3を識別する識別子である。
【0029】
図4に示す例では、2つのグループのみを示しているが、管理システム1000は3以上の記録グループ3を含んでもよい。図4に示す例では、それぞれのコントローラ4は1つまたは2つのデータ識別子と紐づけられているが、3以上のデータ識別子と紐づけられてもよい。
【0030】
図5は、データ記録装置6に格納されるデータ履歴81の一例を示す図である。データ履歴81には、時刻ごと、およびデータ識別子ごとのデータが記録される。図5には作図の都合により5つのデータ識別子しか記載していないが、データ記録装置6には同一の記録グループ3に属する全ての産業機器5のデータが格納される。それぞれの時刻について、全ての産業機器5のデータがそろって記録されることは必須の構成ではなく、図5に示すように一部の産業機器5のデータが記録されればよい。また図5に示す例では、それぞれの産業機器5のデータは時刻と紐づいた、いわゆる時系列データであるが、時刻との紐づけがないデータでもよい。たとえば、それぞれの産業機器5の最新の起動時のログや、それぞれの産業機器5の直近3回のエラー情報がデータ履歴81に含まれてもよい。
【0031】
図6は、データ集約装置1の処理を示すフローチャートである。ステップS301では入出力部14は、ユーザ8から詳細なデータを取得する指令を受領する。続くステップS302ではグループ特定部13は、グループ管理表82を参照し、ユーザ8から指定されたデータが含まれる記録グループ3を特定する。続くステップS303では利用可否特定部11は、ステップS302において特定した記録グループ3に属するコントローラ4を列挙する。続くステップS304では利用可否特定部11は、ステップS303において列挙したコントローラ4から未選択のコントローラ4を処理対象に選択する。続くステップS305では利用可否特定部11は、処理対象のコントローラ4が利用可能であるか否かを判断し、利用可能であると判断する場合はステップS306に進み、利用不可能と判断する場合はステップS308に進む。
【0032】
続くステップS306では指令送信部12は、処理対象のコントローラ4に対してユーザ8が指定したデータの送信を依頼するデータ要求指令を送信する。続くステップS307では入出力部14は、処理対象のコントローラ4から取得したデータをユーザ8に提供して図6に示す処理を終了する。ステップS308では利用可否特定部11は、未処理のコントローラ4が存在するか否かを判断する。利用可否特定部11は、未選択のコントローラ4が存在すると判断する場合はステップS304に戻り、未選択のコントローラ4が存在しない、すなわちステップS303において列挙したコントローラ4がすべて選択されたと判断する場合はステップS309に進む。ステップS309では入出力部14は、要求したデータが利用不可である旨をユーザ8に通知して図6に示す処理を終了する。
【0033】
図7および図8は、対話操作によりグループ管理表82を変更する画面表示の一例を示す図である。グループリスト変更画面910は、コントローラ識別子911、グループ識別子912、および操作913の欄を有する。コントローラ識別子911には、登録されているコントローラ4の識別子が列挙される。グループ識別子912には、コントローラ識別子911に対応する記録グループ3の識別子が記載される。操作913には、レコードを修正または削除するためのボタンが表示される。
【0034】
ユーザ8が入出力部14を介して符号914および符号915の欄にコントローラ識別子およびグループ識別子を入力し、さらに符号916で示す登録ボタンを押すと、管理表更新部17がグループ管理表82を更新する。この更新処理により、入出力部14が表示する画面が図8に示す更新後画面910Aに遷移する。図8では、図7に比べて最下段のデータが追加されている。
【0035】
図9は、ファイルアップロードによりグループ管理表82を変更する画面表示の一例を示す図である。アップロード画面920は、ファイル名表示欄921、ファイル選択ボタン922、および送信ボタン925を有する。ユーザ8がファイル選択ボタン922を選択するとファイル選択ダイアログが表示され、ユーザ8が選択したファイルの名称がファイル名表示欄921に表示される。なおファイル名表示欄921にはファイル名が表示される代わりに、ファイルのフルパスが表示されてもよい。
【0036】
ユーザ8が選択するファイルは、たとえばCSV形式であり、1行ごとにコントローラ4の識別子と、対応する記録グループ3の識別子と、をカンマ区切りで記載したものである。ただしユーザ8が選択するファイルの形式はCSV形式に限定されず、XML形式やバイナリ形式でもよい。ユーザ8が送信ボタン925を選択すると、管理表更新部17が選択されたファイルの内容を解釈してグループ管理表82を更新する。この際に管理表更新部17は、既存のグループ管理表82を破棄してファイルの内容で置き換えてもよいし、既存のグループ管理表82の内容に選択されたファイルの内容を追加してもよい。
【0037】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)管理システム1000は、データ集約装置1と、不揮発性の記憶装置を含むデータ記録装置6と、データ出力装置である産業機器5からデータを受信してデータ記録装置6に記録する複数のコントローラ4とを含む。コントローラ4のそれぞれは、データ集約装置1が出力するデータの要求であるデータ要求指令に基づきデータ記録装置6に格納されるデータをデータ集約装置1に送信する。データ集約装置1は、データ要求指令に基づきデータを送信可能なコントローラ4、すなわち利用可能なコントローラ4を特定する利用可否特定部11と、利用可否特定部11が特定したコントローラ4にデータ要求指令を送信する指令送信部12と、を備える。そのため、あるコントローラ4が利用できない場合にも他のコントローラ4を利用して所望のデータを取得できる。具体的には、あるコントローラ4が利用できない状態であっても、同一の記録グループ3に属する他のコントローラ4が利用可能であれば、データ集約装置1は利用可能なそのコントローラ4にデータ要求指令を送信することで、利用できないコントローラ4がデータ記録装置6に記録したデータを取得できる。
【0038】
(2)管理システム1000は、1または複数のデータ記録装置6、および複数のコントローラ4を含む。1つのデータ記録装置6、および2以上のコントローラ4が記録グループ3を構成する。管理システム1000は記録グループ3を複数含む。データ集約装置1は、所望のデータが格納されるデータ記録装置6が属する記録グループ3を特定するグループ特定部13を備える。指令送信部12は、グループ特定部13が特定した記録グループ3に含まれるコントローラ4であって、かつ利用可否特定部11が特定したコントローラ4にデータ要求指令を送信する。そのためデータ集約装置1は、管理システム1000に複数の記録グループ3が含まれる場合に、どの記録グループ3にデータ要求指令を送信すべきかを特定できる。
【0039】
(3)利用可否特定部11は、コントローラ4との最終通信時刻と現在時刻との差、コントローラ4に対する呼びかけへの応答の有無、およびコントローラ4からの通知、の少なくとも1つに基づき、データを送信可能なコントローラ4を特定する。そのため、利用可否特定部11は様々な手法でコントローラ4の利用可否を判断できる。
【0040】
(変形例1)
コントローラ4は、自発的にデータ集約装置1に対して収集したデータの一部を送信してもよい。収集したデータの一部とは、最新データのみ、統計処理結果のみ、条件を満たすデータのみ、取得した複数種類のデータのうち特定のデータのみ、などである。たとえばコントローラ4は、産業機器5から1分ごとにデータを受信してデータ記録装置6に記録し、1時間ごとに1時間の平均値をデータ集約装置1に送信してもよい。またたとえばコントローラ4は、受信したデータが所定の閾値を超える場合にそのデータをデータ集約装置1に送信してもよい。一般に、広域ネットワークを介した通信は通信コストが高いので、コントローラ4が受信したデータの全てをデータ集約装置1に送信することは容易ではなく、一部のみを送信する構成が現実的である。
【0041】
(変形例2)
データ集約装置1は、ユーザ8の指令だけでなく、他の装置などの自動処理の結果に基づきデータ要求指令を生成してもよい。特に、変形例1に記載したようにコントローラ4が収集したデータの一部を送信する場合には、受信したデータを用いて異常検知を行い、異常を検知した場合には異常発生時刻の前後の同一の産業機器5に関するデータを取得するためのデータ要求指令を生成することが有効である。
【0042】
(変形例3)
管理システム1000に含まれる記録グループ3は1つだけでもよい。この場合には、データ集約装置1はグループ特定部13の機能を備えなくてもよい。
【0043】
(変形例4)
上述した第1の実施の形態では、全てのコントローラ4がデータ記録装置6に対してデータを書き込む機能を有した。しかし、一部のコントローラ4はデータ記録装置6からデータを読み出す機能だけを備えてもよい。
【0044】
(変形例5)
上述した第1の実施の形態では、指令送信部12は利用可否特定部11が利用可能と判断したコントローラ4にデータ要求指令を送信した。しかし利用可否特定部11および指令送信部12を統合し、利用可否を判断せずにデータ要求指令をコントローラ4に送信してもよい。この場合は、データ要求指令を送信したコントローラ4から所定の時間以内に応答がなくデータが得られなければ、同一の記録グループ3に属する他のコントローラ4にデータ要求指令を送信すればよい。
【0045】
―第2の実施の形態―
図10図11を参照して、データ集約装置および管理システムの第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、記録グループ3を構成する産業機器5が特定される点で、第1の実施の形態と異なる。データ集約装置1の構成および動作は第1の実施の形態と同様なので説明を省略する。
【0046】
産業機器5は、製品を製造する製造ラインに用いられている。たとえば製造ラインL1~L3のそれぞれは、製品A~製品Cのそれぞれを製造する製造ラインである。製品の需要に応じてそれぞれの製造ラインは稼働するので、あるタイミングでは稼働していない製造ラインも存在する。ある製造ラインが稼働しない場合には、消費電力削減のために、その製造ラインに用いられる機器の電源がオフにされる。
【0047】
本実施の形態では、1つの記録グループ3を構成するコントローラ4が複数の製造ラインに属するようにグループ分けがなされる。具体的には、次の第1構成および第2構成の少なくとも一方を満たすようにグループ分けがされる。第1構成とは、ある1つの記録グループ3に属する第1のコントローラ4が第1の製造ラインに属する産業機器5からデータを受信し、かつ同じ記録グループ3に属する第2のコントローラ4が第2の製造ラインに属する産業機器5からデータを受信する構成である。第2の構成とは、ある1つの記録グループ3に属するコントローラ4が第1の製造ラインに属する産業機器5および第2の製造ラインに属する産業機器5からデータを受信する構成である。具体的な構成を図示して説明する。
【0048】
図10は、第1構成の具体例を示す図である。図10における実線はデータの流れを示している。図10には、第1製造ラインL1、第2製造ラインL2、および第3製造ラインL3が示されている。第1製造ラインL1では、第11産業機器5-11と、第12産業機器5-12と、第13産業機器5-13と、第14産業機器5-14とが用いられる。たとえば第11産業機器5-11が第1製造ラインL1のベルトコンベアを制御し、第12産業機器5-12が第1製造ラインL1で用いられるプレス機を制御し、第13産業機器5-13がプレス機でプレスされた製品の温度を測定し、第14産業機器5-14が製品を検査する。
【0049】
第2製造ラインL2では、第21産業機器5-21と、第22産業機器5-22と、第23産業機器5-23と、第24産業機器5-24とが用いられる。第3製造ラインL3では、第31産業機器5-31と、第32産業機器5-32と、第33産業機器5-33と、第34産業機器5-34とが用いられる。第11産業機器5-11~第14産業機器5-14のそれぞれは、第11コントローラ4-11~第14コントローラ4-14にデータを出力する。第21産業機器5-21~第24産業機器5-24のそれぞれは、第21コントローラ4-21~第24コントローラ4-24にデータを出力する。第31産業機器5-31~第34産業機器5-34のそれぞれは、第31コントローラ4-31~第34コントローラ4-34にデータを出力する。
【0050】
第10記録装置6-10は、第31コントローラ4-31、第32コントローラ4-32、第13コントローラ4-13、および第14コントローラ4-14から読み書き可能に設定される。第20記録装置6-20は、第11コントローラ4-11、第12コントローラ4-12、第23コントローラ4-23、および第24コントローラ4-24から読み書き可能に設定される。第30記録装置6-30は、第21コントローラ4-21、第22コントローラ4-22、第33コントローラ4-33、および第34コントローラ4-34から読み書き可能に設定される。
【0051】
第1グループ3-1は、第1製造ラインL1に用いられる産業機器5および第3製造ラインL3に用いられる産業機器5と、これら産業機器5に対応するコントローラ4と、第10記録装置6-10とを含む。第2グループ3-2は、第2製造ラインL2に用いられる産業機器5および第1製造ラインL1に用いられる産業機器5と、これら産業機器5に対応するコントローラ4と、第20記録装置6-20とを含む。第3グループ3-3は、第3製造ラインL3に用いられる産業機器5および第2製造ラインL2に用いられる産業機器5と、これら産業機器5に対応するコントローラ4と、第30記録装置6-30とを含む。第1グループ3-1~第3グループ3-3の具体的な構成は図10の右端に記載のとおりである。
【0052】
たとえば第1製造ラインL1の稼働を停止する場合には、第1製造ラインL1に用いられる第11産業機器5-11~第14産業機器5-14と、これらの産業機器5がデータを出力するコントローラ4である第11コントローラ4-11~第14コントローラ4-14とが電源をオフにされることが想定される。この場合でも、第1グループ3-1に属する一部のコントローラ4、具体的には第31コントローラ4-31および第32コントローラ4-32は電源がオンのままなので、データ集約装置1からの要求に応じて第10記録装置6-10に格納された第13産業機器5-13や第14産業機器5-14に関する情報を提供できる。
【0053】
図11は、第2構成の具体例を示す図である。以下では主に図10図11との相違点を説明する。図11では、図10には存在していた第11コントローラ4-11、第21コントローラ4-21、および第31コントローラ4-31が削除されている。第12コントローラ4-12は、第12産業機器5-12だけでなく第21産業機器5-21からもデータの出力を受ける。第22コントローラ4-22は、第22産業機器5-22だけでなく第31産業機器5-31からもデータの出力を受ける。第32コントローラ4-32は、第32産業機器5-32だけでなく第11産業機器5-11からもデータの出力を受ける。
【0054】
第1グループ3-1は、第12コントローラ4-12~第14コントローラ4-14と、これらコントローラ4にデータを出力する産業機器5と、第10記録装置6-10とを含む。第2グループ3-2は、第22コントローラ4-22~第24コントローラ4-24と、これらコントローラ4にデータを出力する産業機器5と、第20記録装置6-20とを含む。第3グループ3-3は、第32コントローラ4-32~第34コントローラ4-34と、これらコントローラ4にデータを出力する産業機器5と、第30記録装置6-30とを含む。
【0055】
たとえば第1製造ラインL1の稼働を停止する場合には、第1製造ラインL1に用いられる第11産業機器5-11~第14産業機器5-14と、第13コントローラ4-13および第14コントローラ4-14が電源をオフにされることが想定される。ただし第12コントローラ4-12は、稼働を停止しない第2製造ラインL2に用いられる第21産業機器5-21からデータの出力を受けるため、電源はオンのままである。そのため、第1製造ラインL1の稼働を停止する場合でも第12産業機器5-12は、データ集約装置1からの要求に応じて第10記録装置6-10に格納された第13産業機器5-13や第14産業機器5-14に関する情報を提供できる。
【0056】
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(4)第2の実施の形態における管理システム1000に含まれる複数の記録グループ3のうちの1つは、図10に示す第1構成または図11に示す第2構成を有する。図10に示す第1構成は、第1グループ3-1に属する第31コントローラ4-31が第3製造ラインL3に用いられる第31産業機器5-31からデータを受信し、かつ第13コントローラ4-13が第1製造ラインL1に用いられる第14産業機器5-14からデータを受信する。図11に示す第2構成は、第12コントローラ4-12が第1製造ラインL1に用いられる第12産業機器5-12および第2製造ラインL2に用いられる第21産業機器5-21からデータを受信する。本実施の形態では、1つの記録グループ3が複数の製造ラインに跨るため、1つの製造ラインが停止されてもデータの取得を継続できる。
【0057】
(第2の実施の形態の変形例)
上述した第2の実施の形態では、それぞれの記録グループ3は3以上の製造ラインに属する産業機器5を含んでもよい。また上述した第2の実施の形態では、全ての記録グループ3が2つの製造ラインに属する産業機器5を含んだが、一部の記録グループ3のみが2つ以上の製造ラインに属する産業機器5を含んでもよい。
【0058】
上述した各実施の形態および変形例において、機能ブロックの構成は一例に過ぎない。別々の機能ブロックとして示したいくつかの機能構成を一体に構成してもよいし、1つの機能ブロック図で表した構成を2以上の機能に分割してもよい。また各機能ブロックが有する機能の一部を他の機能ブロックが備える構成としてもよい。
【0059】
上述した各実施の形態および変形例において、データ集約装置1のプログラムはROM42に格納されるとしたが、プログラムはサーバ記憶装置46に格納されていてもよい。また、データ集約装置1が不図示の入出力インタフェースを備え、必要なときに入出力インタフェースとデータ集約装置1が利用可能な媒体を介して、他の装置からプログラムが読み込まれてもよい。ここで媒体とは、例えば入出力インタフェースに着脱可能な記憶媒体、または通信媒体、すなわち有線、無線、光などのネットワーク、または当該ネットワークを伝搬する搬送波やディジタル信号、を指す。また、プログラムにより実現される機能の一部または全部がハードウエア回路やFPGAにより実現されてもよい。
【0060】
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1 :データ集約装置
2 :時刻同期装置
3 :記録グループ
4 :コントローラ
5 :産業機器
6 :データ記録装置
8 :ユーザ
9 :ネットワーク
11 :利用可否特定部
12 :指令送信部
13 :グループ特定部
14 :入出力部
15 :通信部
17 :管理表更新部
81 :データ履歴
82 :グループ管理表
1000 :管理システム
図1
図2
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図5
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図11