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特開2024-3254昇降車軸上に直接駆動を伴うコンテナ荷役車両、関連付けられる方法、およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003254
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】昇降車軸上に直接駆動を伴うコンテナ荷役車両、関連付けられる方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023195852
(22)【出願日】2023-11-17
(62)【分割の表示】P 2020537232の分割
【原出願日】2019-01-07
(31)【優先権主張番号】20180031
(32)【優先日】2018-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(71)【出願人】
【識別番号】513044245
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】イヴァル フィエルドハイム
(72)【発明者】
【氏名】べリエ ベッケン
(72)【発明者】
【氏名】トロンド アウストルハイム
(57)【要約】
【課題】力伝達アセンブリを提供すること
【解決手段】自動貯蔵および回収システムであって、該システムは、コンテナ荷役車両であって、レールシステム上の車両の輸送のための輸送機構と、貯蔵カラムから輸送機構の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナを取り上げるための昇降アセンブリと、を備える、コンテナ荷役車両を備え、昇降アセンブリは、貯蔵コンテナに接続可能な昇降フレームと、第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトと、2つの昇降要素と、少なくとも第1のモータを備える、モータ駆動アセンブリと、力伝達要素を介して第1および第2の昇降シャフトを回転可能に接続する、力伝達アセンブリとを備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
力伝達アセンブリであって、
回転のために第1の昇降シャフトに接続される第1の昇降シャフト車輪と、回転のために第2の昇降シャフトに接続される第2の昇降シャフト車輪と、
少なくとも1つの他のガイド車輪と、
閉ループを形成する力伝達要素と
を備え、前記他のガイド車輪の少なくとも1つは、前記閉ループの内側に配列され、
前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪は、前記力伝達要素の内面と接触し、
前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪のうちの他方は、力伝達要素の外面と接触する、力伝達アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪のうちの一方は、前記力伝達要素によって形成される前記閉ループの内側に配列され、前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪のうちの他方は、前記力伝達要素によって形成される前記閉ループの外側に配列されている、請求項1に記載の力伝達アセンブリ。
【請求項3】
前記力伝達要素は、エンドレスベルトを備える、請求項1または請求項2に記載の力伝達アセンブリ。
【請求項4】
前記力伝達要素は、前記第1の昇降シャフトおよび前記第2の昇降シャフトのリール表面の角速度が合致することを確実にする同期化デバイスである、請求項1~3のいずれかに記載の力伝達アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の昇降シャフトまたは前記第2の昇降シャフトのうちの一方が第1の回転方向に移動するときに、前記第1の昇降シャフトおよび前記第2の昇降シャフトのうちの他方が、両方の回転方向で、前記第1の方向と反対の第2の回転方向に移動するように、前記少なくとも1つのガイド車輪は、前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪のうちの一方に対して前記ベルトの外面を押勢する、請求項3に記載の力伝達アセンブリ。
【請求項6】
自動貯蔵および回収システムであって、前記自動貯蔵および回収システムは、
レールシステムであって、前記レールシステムは、水平面内に配列され、第1の方向に延在する平行トラックの第1のセットと、前記水平面内に配列され、前記第1の方向に直交する第2の方向に延在する平行トラックの第2のセットとを備え、そのトラックの第1および第2のセットは、グリッドパターンを前記水平面内に形成し、前記グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを備え、前記複数の隣接するグリッドセルの各々は、前記トラックの第1のセットのうちの一対の隣接トラックおよび前記トラックの第2のセットのうちの一対の隣接トラックによって画定されるグリッド開口部を備える、レールシステムと、
前記レールシステムの下に位置する貯蔵カラム内に配列される貯蔵コンテナの複数のスタックであって、各貯蔵カラムは、グリッド開口部の下方に垂直に位置する、複数のスタックと、
請求項1~5のいずれかに記載の力伝達アセンブリと
を備える、自動貯蔵および回収システム。
【請求項7】
第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトを反対方向に回転させる方法であって、前記第1の昇降シャフトおよび前記第2の昇降シャフトは、主に平行であり、前記方法は、
回転のために前記第1の昇降シャフトに第1の昇降シャフト車輪を接続することと、
回転のために第2の昇降シャフトに第2の昇降シャフト車輪を接続することと、
少なくとも1つの他のガイド車輪を提供することと、
力伝達要素の閉ループを形成することと、
前記他のガイド車輪の少なくとも1つを前記閉ループの内側に配列することと、
前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪を前記力伝達要素の内面に接触させることと、
前記第1の昇降シャフト車輪または前記第2の昇降シャフト車輪の他方を前記力伝達要素の外面に接触させることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動貯蔵および回収システム、自動貯蔵および回収システム上で動作し得るコンテナ荷役車両、および自動貯蔵および回収システムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、典型的な従来技術の自動貯蔵および回収システムの枠組構造1を開示し、図2A-2Cは、そのようなシステムの異なるコンテナ荷役車両9を開示する。
【0003】
枠組構造1は、複数の直立部材2と、直立部材2によって支持される複数の水平部材3とを備える。部材2、3は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウム外形から作製され得る。
【0004】
枠組構造1は、列に配列される貯蔵カラム5を備える、貯蔵グリッド4を画定し、その中で、貯蔵カラム5は、スタック7を形成するように順に重ねて積層される、ビンとしても公知である貯蔵コンテナ6を貯蔵する。各貯蔵コンテナ6は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持してもよく、貯蔵コンテナ6内の製品アイテムは、同じであり得る、または用途に応じて異なる製品タイプであり得る。枠組構造1は、貯蔵コンテナ6のスタック7の水平移動を防ぎ、コンテナ6の垂直移動を誘導するが、通常、積層されたときに貯蔵コンテナ6を別様に支持しない。
【0005】
レールシステム8は、貯蔵カラム5の上部を横断してグリッドパターンで配列され、そのレールシステム8上で、複数のコンテナ荷役車両9が、貯蔵カラム5から貯蔵コンテナ6を上昇させ、その中に貯蔵コンテナ6を下降させるように、また、貯蔵カラム5の上方に貯蔵コンテナ6を輸送するように動作される。レールシステム8は、フレーム構造1の上部を横断して第1の方向Xにコンテナ荷役車両9の移動を誘導するように配列される、平行レールの第1のセット10と、第1の方向Xと垂直である第2の方向Yにコンテナ荷役車両9の移動を誘導するようにレールの第1のセット10と垂直に配列される、平行レールの第2のセット11とを備える。このようにして、レールシステム8は、グリッドカラム12を画定し、その上方でコンテナ荷役車両9は、貯蔵カラム5の上方で側方に、すなわち、水平X-Y平面と平行である平面内で、移動することができる。
【0006】
各コンテナ荷役車両9は、車両本体13と、コンテナ荷役車両9の側方移動、すなわち、XおよびY方向への移動を可能にする、車輪の第1および第2のセット14、15とを備える。図2Aでは、セット14、15のそれぞれの中の2つの車輪が、可視である一方、図2Bおよび2Cでは、車輪のセット14のうちの1つの中の2つだけの車輪が、可視である。車輪の第1のセット14は、レールの第1のセット10のうちの2つの隣接するレールと係合するように配列され、車輪の第2のセット15は、レールの第2セット11のうちの2つの隣接するレールと係合するように配列される。車輪の各セット14、15は、車輪の第1のセット14および/または車輪の第2のセット15が、いずれの時点においてもレールの個別のセット10、11と係合され得るように、持ち上げられ、下降されることができる。
【0007】
各コンテナ荷役車両9はまた、貯蔵コンテナ6の垂直輸送、例えば、貯蔵カラム5から貯蔵コンテナ6を上昇させ、その中に貯蔵コンテナ6を下降させるための昇降デバイス16(図2Bおよび2C参照)も備える。昇降デバイスは、(図2Aのように)本体13の内側に、または(図2Bおよび2Cに開示されるように)本体13の外側に配列されてもよい。昇降デバイス16は、貯蔵コンテナ6に係合するように適合される昇降フレーム18を備えてもよく、その昇降フレーム18は、車両本体13に対する昇降フレームの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yと直交する第3の方向Zに調節され得るように、車両本体13から下降されることができる。
【0008】
従来、また、本願の目的のために、Z=1は、グリッド4の最上層、すなわち、レールシステム8の直下の層、Z=2は、レールシステム8の下方の第2の層、Z=3は、第3の層等を識別する。図1に開示される実施形態では、Z=8は、グリッド4の最下底層を識別する。その結果として、実施例として、かつ図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用して、図1に7’として識別される貯蔵コンテナは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると言われ得る。コンテナ荷役車両9は、層Z=0内で進行すると言われ得、各グリッドカラムは、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0009】
各コンテナ荷役車両9は、グリッド4を横断して貯蔵コンテナ6を輸送するときに貯蔵コンテナ6を受容および格納するための貯蔵コンパートメントまたは空間を備える。貯蔵空間は、例えば、国際公開第WO2014/090684A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、車両本体13内で中心に配列される空洞(図2A)を備えてもよい。代替として、貯蔵コンパートメントまたは空間は、図2Bおよび2Cに開示されるように、本体の側面上に配列されることができる、すなわち、コンテナ荷役車両は、第317366号(その内容も、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、カンチレバー構造を有してもよい。
【0010】
コンテナ荷役車両9は、占有面積22(図4参照)、すなわち、グリッドカラム12の側方または水平範囲と略同等であるXおよびY方向への範囲、すなわち、例えば、国際公開第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、XおよびY方向へのグリッドカラム12の範囲を有してもよい。代替として、コンテナ荷役車両9は、例えば、国際公開第WO2014/090684A1号に開示されるように、グリッドカラム12の側方範囲よりも大きい占有面積を有してもよい。
【0011】
レールシステム8は、図3に示されるように、単一レールシステムであってもよい。代替として、レールシステム8は、図4に示されるように、二重レールシステムであってもよく、したがって、別のコンテナ荷役車両9がグリッドカラムの列に隣接するグリッドカラムの上方に位置付けられたとしても、グリッドカラム12の側方範囲に概して対応する占有面積22を有する、コンテナ荷役車両9が、その列に沿って進行することを可能にする。
【0012】
貯蔵グリッドでは、グリッドカラム12の大部分は、貯蔵カラム5、すなわち、貯蔵コンテナがスタックの中に貯蔵されるグリッドカラムである。しかしながら、グリッドは、通常、貯蔵コンテナを貯蔵するために使用されないが、貯蔵コンテナがグリッドの外側からアクセスされる、またはグリッドの外または中に移送され得る、アクセスステーションに輸送され得るように、コンテナ荷役車両が貯蔵コンテナを降ろす、および/または取り上げ得る場所を備える、少なくとも1つのグリッドカラムを有する。当技術分野内で、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置するグリッドカラムは、ポートカラムと称され得る。
【0013】
図1のグリッド4は、2つのポートカラム19および20を備える。第1のポートカラム19は、例えば、コンテナ荷役車両9がアクセスまたは移送ステーション(図示せず)に輸送されるべき貯蔵コンテナを降ろし得る、専用ドロップオフポートカラムであってもよく、第2のポート20カラムは、コンテナ荷役車両9がアクセスまたは移送ステーションからグリッド4に輸送された貯蔵コンテナを取り上げ得る、専用ピックアップポートカラムであってもよい。
【0014】
アクセスステーションは、典型的には、製品アイテムが貯蔵コンテナから除去される、またはその中に位置付けられる、選別または備蓄ステーションであってもよい。選別または備蓄ステーションでは、貯蔵コンテナは、通常、自動貯蔵および回収システムから決して除去されないが、いったんアクセスされるとグリッドの中に戻される。ポートもまた、グリッドの外または中に貯蔵コンテナを移送するため、例えば、貯蔵コンテナを別の貯蔵施設に(例えば、別のグリッドに、または別の自動貯蔵および回収システムに)、輸送車両(例えば、列車または大型トラック)に、または生産施設に移送するために使用されることができる。
【0015】
コンベヤを備えるコンベヤシステムが、通常、ポートとアクセスステーションとの間に貯蔵コンテナを輸送するために採用される。
【0016】
ポートおよびアクセスステーションが異なる高さに位置する場合、コンベヤシステムは、ポートとアクセスステーションとの間で垂直に貯蔵コンテナを輸送するための昇降デバイスを備えてもよい。
【0017】
コンベヤシステムは、例えば、国際公開第WO2014/075937A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、異なるグリッドの間で貯蔵コンテナを移送するように配列されてもよい。
【0018】
国際公開第WO2016/198467A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)は、コンベヤベルト(国際公開第WO2016/198467A1号の図5aおよび5b)と、ポートとオペレータが貯蔵コンテナにアクセスし得るワークステーションとの間で貯蔵コンテナを輸送するためのフレーム搭載型トラック(国際公開第WO2016/198467A1号の図6aおよび6b)とを有する、従来技術のアクセスシステムの実施例を開示する。
【0019】
図1に開示されるグリッド4内に貯蔵された貯蔵コンテナ6がアクセスされるとき、コンテナ荷役車両9のうちの1つは、グリッド4内のその位置から標的貯蔵コンテナを回収し、それをドロップオフポート19に輸送するように命令される。本動作は、標的貯蔵コンテナが位置付けられる貯蔵カラムの上方のグリッド場所までコンテナ荷役車両9を移動させることと、コンテナ荷役車両の昇降デバイス(図示せず)を使用して、貯蔵カラムから貯蔵コンテナを回収することと、貯蔵コンテナをドロップオフポート19に輸送することとを伴う。標的貯蔵コンテナ6がスタック7内の奥に位置する、すなわち、1つまたは複数の他の貯蔵コンテナが標的貯蔵コンテナの上方に位置付けられる場合、動作はまた、貯蔵カラムから標的貯蔵コンテナを持ち上げることに先立って、上方に位置付けられた貯蔵コンテナを一時的に移動させることを伴う。時として当技術分野内で「探出」と称される、本ステップは、標的貯蔵コンテナをドロップオフポート19に輸送するために続いて使用される同一のコンテナ荷役車両9を用いて、または1つまたは複数の他の協働コンテナ荷役車両を用いて、実施されてもよい。代替として、または加えて、自動貯蔵および回収システムは、具体的には貯蔵カラムから貯蔵コンテナ6を一時的に除去するタスクに専念する、コンテナ荷役車両9を有してもよい。いったん標的貯蔵コンテナが貯蔵カラムから除去されると、一時的に除去された貯蔵コンテナ6は、元の貯蔵カラムの中に再び位置付けられることができる。しかしながら、除去された貯蔵コンテナ6は、代替として、他の貯蔵カラムに再配置されてもよい。
【0020】
貯蔵コンテナ6がグリッド4の中に貯蔵されるとき、コンテナ荷役車両9のうちの1つは、ピックアップポート20から貯蔵コンテナを取り上げ、それが貯蔵される貯蔵カラムの上方のグリッド場所にそれを輸送するように命令される。貯蔵カラムスタック内の標的位置またはその上方に位置付けられた任意の貯蔵コンテナ6が除去された後、コンテナ荷役車両9は、所望の位置に貯蔵コンテナ6を位置付ける。除去された貯蔵コンテナは、次いで、貯蔵カラムの中に戻るように下降される、または他の貯蔵カラムに再配置されてもよい。
【0021】
自動貯蔵および回収システムを監視および制御する、例えば、グリッド4内の個別の貯蔵コンテナの場所、各貯蔵コンテナ6の内容物、およびコンテナ荷役車両9が相互と衝突することなく、所望の貯蔵コンテナが所望の時間に所望の場所へ送達され得るようにコンテナ荷役車両9の移動を監視および制御するために、自動貯蔵および回収システムは、典型的には、コンピュータ化され、貯蔵コンテナを追跡するためのデータベースを備える、制御システムを備える。
【0022】
さらに、コンテナ荷役車両のための従来技術の昇降システムでは、昇降アセンブリは、歯車およびベルト配列を介して2つの別個の昇降シャフトに機械的に接続される、機械的モータを備える。機械的部品は、経時的に、貯蔵コンテナの不均等な/傾斜した昇降をもたらす、摩損を受けるであろう。
【0023】
したがって、貯蔵コンテナまたは貯蔵ビンのより安定した昇降を提供する、コンテナ荷役車両のための昇降システムを提供することが、本発明の目的である。
【0024】
より具体的には、貯蔵コンテナまたは貯蔵ビンが垂直昇降動作全体の間に水平面と略平行な平面と水平に保たれるように、昇降動作が、昇降フレームに接続される異なる昇降バンドの最小相対移動を提供する、コンテナ荷役車両のための昇降システムを提供することが、本発明の目的である。
【0025】
機械的部品が摩損の影響を受けやすいため、昇降システム内の機械的部品にあまり依存しないことが、本発明のさらなる目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】国際公開第2014/075937号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/090684号明細書
【特許文献3】国際公開第2015/193278号明細書
【特許文献4】国際公開第2016/198467号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、独立請求項に記載され、独立請求項は、本発明の代替物を説明する。
【0028】
本発明は、自動貯蔵および回収システムであって、
レールシステムであって、レールシステムは、水平面内に配列され、第1の方向に延在する平行トラックの第1のセットと、水平面内に配列され、第1の方向に直交する第2の方向に延在する平行トラックの第2のセットとを備え、そのトラックの第1および第2のセットは、グリッドパターンを水平面内に形成し、グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを備え、複数の隣接するグリッドセルの各々は、トラックの第1のセットのうちの一対の隣接トラックおよびトラックの第2のセットのうちの一対の隣接トラックによって画定されるグリッド開口部を備える、レールシステムと、
レールシステムの下に位置する貯蔵カラム内に配列される貯蔵コンテナの複数のスタックであって、各貯蔵カラムは、グリッド開口部の下方に垂直に位置する、複数のスタックと、
コンテナ荷役車両であって、
レールシステム上の車両の輸送のための輸送機構と、
貯蔵カラムから輸送機構の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナを取り上げるための昇降アセンブリと
を備える、コンテナ荷役車両と
を備え、
昇降アセンブリは、
貯蔵コンテナに接続可能な昇降フレームと、
同等またはほぼ同等の直径の第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトであって、第1および第2の昇降シャフトは、主に平行であり、第1および第2の昇降シャフトの各々は、車両の上側部分内で支持される、第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトと、
昇降シャフトの各々から昇降フレームまで延在する2つの昇降要素と、
少なくとも1つのモータを備えるモータ駆動アセンブリであって、少なくとも1つのモータは、昇降シャフトのうちの1つを包囲する、モータ駆動アセンブリと、
力伝達要素を介して第1および第2の昇降シャフトを回転可能に接続する力伝達アセンブリと
を備える、自動貯蔵および回収システムに関する。
【0029】
第1および第2の昇降シャフトは、好ましくは、同等またはほぼ同等の直径である。これは、昇降シャフトが回転されるときに、第1および第2の昇降シャフト上のリール表面の類似角速度を提供し、昇降フレームが上昇および下降中に略水平である(すなわち、昇降フレームが上昇および下降中に水平面と平行である)ことをもたらす。
【0030】
力伝達アセンブリの力伝達要素は、第1および第2の昇降シャフトが同期化されていることを確実にする、タイミングベルトと見なされ得る。代替として、力伝達要素は、駆動ベルトを備える。代替として、力伝達アセンブリは、鎖の形態でベルトを備えてもよい。したがって、力伝達要素は、第1および第2の昇降シャフトのリール表面の角速度が合致され、それによって、昇降フレームが均等に持ち上げられる、すなわち、昇降フレームが上昇および下降中に水平面と略平行であることを確実にする、任意の同期化デバイスであり得る。
【0031】
システムの全ての側面に共通することは、
そのそれぞれが、個別の昇降シャフトとともに回転するために接続される、第1および第2の昇降シャフト車輪、
少なくとも1つの他のガイド車輪、
閉ループを形成する力伝達要素
の存在であり、
他のガイド車輪のうちの少なくとも1つは、閉ループの内側に配列され、
第1または第2の昇降シャフト車輪は、力伝達要素の内面と接触し、
該第1または第2のシャフトのうちの他方は、力伝達要素の外面と接触する。換言すると、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの一方は、力伝達要素によって形成される閉ループの内側に配列され、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの他方は、力伝達要素によって形成される閉ループの外側に配列される。そのような設定は、第2の昇降シャフトに対する第1の昇降シャフトの反対回転をもたらす。
【0032】
1つの電気モータは、昇降シャフトのうちの周囲に配列され、電力伝達、すなわち、回転移動を昇降シャフトに提供してもよい。一側面では、昇降シャフトは、電気モータの一体部分を形成してもよい。
【0033】
ある側面では、力伝達要素は、内面および外面を伴うエンドレスベルトを備え、第1の昇降シャフトは、ベルトの内面または外面と接触し、第2の昇降シャフトは、ベルトの該内面または外面のうちの他方と接触している。代替として、力伝達要素は、メビウスの帯を備えることができる。全ての側面では、力伝達アセンブリは、第1および第2の昇降シャフトが反対方向に回転するように構成される。
【0034】
したがって、力伝達アセンブリは、第2の昇降シャフトに対する第1の昇降シャフトの反対回転、すなわち、逆回転を可能にする、構成で配列される。
【0035】
力伝達アセンブリは、第1または第2の昇降シャフトのうちの一方が、第1の回転方向に移動するときに、該第1および第2の昇降シャフトのうちの他方が、両方の回転方向で、第1の方向と反対の第2の回転方向に移動するように、第1の昇降シャフトとともに回転するために接続される第1の昇降シャフト車輪と、第2の昇降シャフトとともに回転するために接続される第2の昇降シャフト車輪と、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの一方に対してベルトの外面を押勢する少なくとも1つのガイド車輪とを備えてもよい。本反対回転は、昇降フレームおよび昇降フレームによって持ち上げられる任意の貯蔵コンテナが、垂直昇降動作中に最小水平移動を伴って略垂直に持ち上げられることを確実にする。好ましくは、第1および第2の昇降シャフトおよび昇降要素は、昇降要素が外側から昇降シャフト上に巻き取られるように接続される。これは、昇降フレームの端部分内(例えば、角内または角付近)の昇降要素の接続を確実にするとともに、昇降フレームが中心合わせされ、昇降シーケンス全体の間に第1および第2の昇降シャフトに対して垂直方向のみに移動する(水平移動に移動しない)ことを確実にする。
【0036】
力伝達要素は、一側面では、閉ループを形成してもよく、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの一方は、閉ループの内側に配列され、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの他方は、閉ループの外側に配列される。そのような設定は、保守の容易性も可能にしながら、シャフトを搭載するための垂直鍵穴形状の孔の配列を促進する。
【0037】
ある側面では、力伝達アセンブリは、力伝達要素の初期緊締のための張力または緊締機構を備える。張力機構は、固定ブラケット内の開口部内で調節され得る車軸を伴う緊締車輪を備える、偏心張力機構を備えてもよい。したがって、緊締車輪の車軸は、固定ブラケット内の開口部に対して異なる方向に移動されることができる。開口部の面積は、したがって、開口部内の車軸の全ての位置で開口部内の車軸の断面によって占有される面積よりも大きい。そのような張力機構は、力伝達アセンブリが第1および第2の昇降シャフトの同期動作を提供し得ることをさらに確実にするために、有利であり得る。力伝達要素は、好ましくは、力伝達要素の長さが固定されるように、非弾性材料である。力伝達要素が最初に配設されるとき、力伝達要素の周波数を測定する音叉を使用して、適切な張力が確保される。周波数は、所与の張力に対応する。力伝達要素内の張力は、ブラケットの開口部内で緊締車輪を移動させることによって調節され、それによって、力伝達要素の長さ、したがって、力伝達要素内の張力が、調節される。力伝達要素の周波数が所定の周波数範囲内であるとき、緊締車輪は、ねじまたはボルト等の適切な締結要素によって本位置で係止される。いったん専用位置で係止されると、力伝達アセンブリ(すなわち、力伝達要素およびガイド車輪および/または緊締車輪)は、理論上、車内の燃焼機関内の駆動ベルトと同様に、交換されなければならない前に数千時間にわたって動作するように適合される。
【0038】
張力機構の緊締車輪は、第1および第2の昇降シャフトの逆回転機構で使用されるガイド車輪とは別個のガイド車輪であってもよい、または第1および第2の昇降シャフトの逆回転に使用されるガイド車輪のうちの1つであってもよい。
【0039】
ある側面では、少なくとも1つのモータは、ブラシレスDCモータを備える。永久磁石同期モータ(永久磁石を使用する)およびスイッチドリラクタンスモータ(いずれの永久磁石も使用しない)を含む、種々のタイプのブラシレスDCモータが、公知である。
【0040】
永久磁石同期ブラシレスDCモータの動作原理は、例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Brushless_DC_electric_motorに説明されるように、当業者に公知であり、典型的には、回転子内の1つ以上の永久磁石、および固定子のためのモータ筐体上の電磁石を使用する。モータコントローラは、直流を交流に変換する。本設計は、モータの外側から回転する回転子に電力を伝達することの複雑性を排除するため、ブラシ付きモータよりも機械的に単純である。モータコントローラは、ホール効果センサまたは類似デバイスを介して回転子の位置を感知することができ、回転子コイル内の電流のタイミング、位相等を精密に制御して、トルクを最適化し、電力を節約し、速度を調整し、ある程度の制動さえも適用することができる。
【0041】
スイッチドリラクタンスモータの動作原理は、当業者に公知であり、例えば、http://cdn.intechweb.org/pdfs/13717.pdfから入手可能である、Jin-Woo Ahn (2011), Switched Reluctance Motor, Torque Control, Prof. Moulay
Tahar Lamchich (Ed.), ISBN: 978-953-307-428-3, InTech、およびR. Krishnan (2001), Switched reluctance motor drives: Modelling, Simulation, Analysis, Design and Applications; CRC Pressに説明されている。
【0042】
ある側面では、少なくとも1つのモータは、直流電気エネルギーを少なくとも第1または第2の昇降シャフトの回転エネルギーに変換する、回転電気モータを備える。
【0043】
ある側面では、少なくとも1つのモータは、永久磁石ブラシレスDCモータであり、モータは、(固定子の半径方向外側上の)回転子磁石と(固定子の半径方向内側上の)第1または第2の昇降シャフトとの間に半径方向に配列される、固定子を備える。固定子は、固定子筐体に固定されてもよく、その固定子筐体は、コンテナ荷役車両の筐体に接続される。回転子磁石は、固定子を囲繞する車輪リムの内側上に配列されてもよく、回転子磁石および第1または第2の昇降シャフトがともに回転するように、第1または第2の昇降シャフトと回転するために接続されることができる。固定子は、次いで、回転子磁石、それによって、昇降シャフトを回転させる。固定子は、例えば、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、モータ筐体と同一の回転面内に、かつ少なくとも部分的に、好ましくは完全に、コンテナ車両本体内に配列されてもよい。用語「回転面」は、本実施形態では、昇降シャフトの回転軸から垂直に延在する平面を表す。該固定子は、巻線およびヨークの両方を含み、固定子場巻線は、回転子磁石が配列される車輪リムの外周を辿っている。
【0044】
ある側面では、電気モータは、上記に説明される永久磁石ブラシレスDCモータと類似する動作原理を伴うリラクタンスモータ、例えば、複数の固定子極を伴う固定子要素と、昇降シャフトのうちの1つが回転子要素である、または回転子要素の一部を形成する、駆動シャフトに接続される、またはその一部である、複数の回転子極を特徴とする回転子要素とを備える、スイッチドリラクタンスモータであってもよい。リラクタンスモータの回転子要素(または駆動シャフト)は、昇降シャフトの中心線と整合される、または昇降シャフトの一方の端部の一部を備えてもよい。代替として、固定子要素は、回転子要素内に配列されることができ(または逆も同様である)、回転子要素は、該昇降シャフトの一部として、またはそれに動作可能に接続されて、昇降シャフト内に配列されてもよい。本後者の解決策は、車両本体の空洞内で最大量の空間を解放するであろう。
【0045】
ある側面では、コンテナ荷役車両は、昇降シャフトのうちの少なくとも1つの起電力(emf)を(少なくとも間接的に)測定するために好適な手段であって、固定子および回転子のうちの1つと信号通信し、それによって、昇降中に昇降動作のオンラインローリングセット特有の速度レジストレーションを可能にする手段を備える。例えば、逆emf測定回路が、昇降シャフトのうちの少なくとも1つと信号通信して配設されてもよい。ホールセンサが、代替として、または組み合わせて使用されてもよい。
【0046】
別の側面では、コンテナ荷役車両はさらに、第1および第2の昇降シャフトのうちの少なくとも1つの加速を測定するために好適な手段であって、固定子と信号通信する、手段を備える。そのような手段は、好ましくは、1つ以上の圧電センサ、例えば、PCBTM
Piezotronicsからの加速度計を備える。1つ以上の誘導センサが、圧電センサの代替として、または圧電センサと組み合わせて、使用されてもよい。
【0047】
ある側面では、モータ駆動アセンブリは、第2のモータを備え、第2のモータは、第1のモータと同一の昇降シャフトを包囲し、力伝達アセンブリは、第1および第2のモータを伴う第1または第2の昇降シャフトから第1または第2の昇降シャフトのうちの他方にトルクを伝達するベルトを備える。
【0048】
ある側面では、モータ駆動アセンブリは、第1のモータと異なる該第1または第2の昇降シャフトのうちの他方を包囲する第2のモータを備え、力伝達アセンブリは、相互に対する第1および第2の昇降シャフトの同期移動を提供するタイミングベルトを備える。
【0049】
ある側面では、例えば、同一の昇降シャフトを包囲する、または個別の第1および第2の昇降シャフトを包囲する、第1および第2のモータを使用する場合、システムはさらに、入力を各モータ内のエンコーダに提供し、各モータの速度を決定する、センサ等の感知手段を第1および第2のモータのそれぞれの中に備える。各モータの速度を表す信号が、共通制御システムに伝送され、その制御システムは、信号に基づいて、異なるモータを動作させ、それらの速度を増加または低減させる。これは、例えば、貯蔵コンテナの荷重が、不均等に分配され、貯蔵コンテナの重心が、別の側面よりも1つの側面に多く(すなわち、重心が貯蔵コンテナ底部の幾何学的中心にない)、モータによって受けられる荷重が不均等であることをもたらす状況で、付加的力伝達要素として有利であり得る。センサは、例えば、以下のうちのいくつかのを提供される光ディスクを読み取ってもよい。
【0050】
ある側面では、力伝達配列は、第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトの回転を同期化するように構成される。
【0051】
ある側面では、モータ駆動アセンブリの回転力は、アイテムを伴う貯蔵コンテナの意図された最大重量に対応する。そのような最大重量は、典型的には、2~50キログラムであってもよい。
【0052】
ある側面では、力伝達アセンブリは、いくつかの角度歯車と、リンクシャフトとを備え、角度歯車は、第1および第2の昇降シャフトの各々とともに回転するために接続され、リンクシャフトは、第1および第2の昇降歯車の角度歯車の間に配列される。
【0053】
本発明はさらに、自動貯蔵および回収システム内のスタックに積層される貯蔵コンテナを移動させるためのコンテナ荷役車両に関し、コンテナ荷役車両は、貯蔵カラムの上方のレールシステム上で移動するように構成され、
貯蔵カラムからコンテナ荷役車両上の輸送機構の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナを取り上げるための昇降アセンブリを備え、
昇降アセンブリは、
貯蔵コンテナに接続可能な昇降フレームと、
同等またはほぼ同等の直径の第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトであって、第1および第2の昇降シャフトは、主に平行であり、第1および第2の昇降シャフトの各々は、車両の上側部分内で支持される、第1の昇降シャフトおよび第2の昇降シャフトと、
第1および第2の昇降シャフトの各々から昇降フレームまで延在する2つの昇降要素と、
少なくとも第1のモータを備えるモータ駆動アセンブリであって、少なくとも第1のモータは、昇降シャフトのうちの1つを包囲する、モータ駆動アセンブリと、
力伝達要素を介して第1および第2の昇降シャフトを回転可能に接続する力伝達アセンブリと
を備える。自動貯蔵および回収システムは、レールシステムであって、レールシステムは、水平面内に配列され、第1の方向に延在する平行トラックの第1のセットと、水平面内に配列され、第1の方向に直交する第2の方向に延在する平行トラックの第2のセットとを備え、そのトラックの第1および第2のセットは、グリッドパターンを水平面内に形成し、グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを備え、複数の隣接するグリッドセルの各々は、トラックの第1のセットのうちの一対の隣接トラックおよびトラックの第2のセットのうちの一対の隣接トラックによって画定されるグリッド開口部を備える、レールシステムと、レールシステムの下に位置する貯蔵カラム内に配列される貯蔵コンテナの複数のスタックであって、各貯蔵カラムは、グリッド開口部の下方に垂直に位置する、複数のスタックとを備えてもよい。
【0054】
コンテナ荷役車両のある側面では、力伝達アセンブリは、エンドレスベルトと、第1の昇降シャフトとともに回転するために接続される第1の昇降シャフト車輪と、第2の昇降シャフトとともに回転するために接続される第2の昇降シャフト車輪と、第1または第2の昇降シャフトのうちの一方が、第1の回転方向に移動するときに、第1および第2の昇降シャフトのうちの他方が、第1の方向と反対の第2の回転方向に移動するように配列される、少なくとも1つのガイド車輪とを備える。エンドレスベルトは、閉ループを形成し、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの一方は、閉ループの内側に配列され、第1または第2の昇降シャフト車輪のうちの他方は、閉ループの外側に配列される。
【0055】
コンテナ荷役車両は、貯蔵コンテナを受容するための中心空洞またはカンチレバー構造を有することができる。
【0056】
さらに、貯蔵システム内の貯蔵コンテナの貯蔵および回収のための上記で定義されるようなコンテナ荷役車両の使用が、説明される。
【0057】
さらに、該システム内で動作し、スタック内に貯蔵コンテナを貯蔵し、スタックから貯蔵コンテナを回収する、異なるコンテナ荷役車両に信号を提供することを含む、上記で定義されるような自動貯蔵および回収システムを動作させる方法が、説明される。
【0058】
本発明はさらに、貯蔵システム内の貯蔵コンテナの貯蔵および回収のための上記で説明されるようなコンテナ荷役車両の使用に関する。
【0059】
本発明はさらに、上記で説明されるような自動貯蔵および回収システムを動作させる方法に関し、該方法は、異なるコンテナ荷役車両に信号を提供することを含み、異なるコンテナ荷役車両は、該システム内で動作し、スタック内に貯蔵コンテナを貯蔵し、スタックから貯蔵コンテナを回収する。
【0060】
本発明はさらに、コンテナ荷役車両の昇降アセンブリを動作させる方法であって、
少なくとも第1のモータを備えるモータ駆動アセンブリを配列し、昇降システムの第1または第2の昇降シャフトを包囲することと、
第1および第2の昇降シャフトの各々から昇降フレームに2つの昇降要素を接続することと、
第1および第2の昇降シャフトを回転結合し、昇降フレームの反対側の上昇および下降を同期化することと、
貯蔵カラムからコンテナ荷役車両上の輸送機構の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナを取り上げるための昇降アセンブリを使用することと
を含む、方法に関する。
【0061】
方法のある側面では、本方法はさらに、
第1のモータと同一の第1または第2の昇降シャフトの周囲、または第1のモータと該同一の第1または第2の昇降シャフトのうちの他方の周囲で、第2のモータを包囲することを含む。
【0062】
昇降要素は、好ましくは、昇降フレーム上のグリッパが貯蔵コンテナを握持および保持するために電子的に動作され得るように、導電性および信号伝導性である。昇降要素は、バンドまたは他の導電性および信号伝導性手段であってもよい。
【0063】
昇降シャフトは、好ましくは、ブレーキ配列を提供される。ブレーキ配列は、コンテナ車両筐体の内側または外側上に配列されることができ、第1または第2の昇降シャフトとともに回転するために接続される歯車と協働する係止ピン、例えば、ラチェット機構であり得る。係止配列の係止位置で、係止ピンは、昇降シャフト上の歯車と係合し、それによって、歯車(したがって、昇降シャフト)の回転を防止する。係止配列の開放位置で、係止ピンは、昇降シャフト上の歯車との係合外の位置まで動作され、それによって、昇降シャフトは、モータからの任意の指示を受けて自由に回転する。
【0064】
昇降デバイスのための駆動システムが、歯車を介して昇降シャフトに接続されるモータに基づく、従来技術の解決策に照らした本発明の別の利点は、部品についてより長い点検間隔を伴う、より信頼性のあるシステムに加えて、システムがより少ない部品を備え、あまり複雑ではないため、組み立てることがより容易なシステムである。さらに、モータが少なくとも第1および/または第2の昇降シャフト上で直接動作すると、昇降シャフトが瞬間的にモータによる影響を受けるにつれて、より効率的かつ正確な昇降が達成される。
【0065】
ある側面では、コンテナ荷役車両の筐体は、一体的に鋳造される。筐体は、例えば、一体的に鋳造されるアルミニウムケーシングであり得る。通常、従来技術の解決策によると、複数の薄い金属板が、ねじまたはボルトによって接続される。一体鋳造は、薄い金属板の必要性を排除し、したがって、板を接続するために使用されるねじの数を低減させる(典型的には、約40本のねじが板を接続するために使用される)。加えて、一体鋳造は、組み立てる部品がより少ないため、コンテナ荷役車両を組み立てることに費やされる、より少ない時間をもたらす。
【0066】
ある側面では、第1および第2の昇降シャフトのそれぞれから2つ、合計4つの昇降要素が存在し得る。
【0067】
以下の説明では、多数の具体的詳細が、請求されるシステム、コンテナ荷役車両、および方法の実施形態の徹底的な理解を提供するように、一例のみとして導入される。しかしながら、当業者は、これらの実施形態が、具体的詳細のうちの1つ以上のものを伴わずに、または他の構成要素、システム等を伴って、実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、周知の構造または動作は、開示される実施形態の側面を曖昧にすることを回避するために、図示されない、または詳細に説明されない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
自動貯蔵および回収システムであって、
レールシステム(8)であって、前記レールシステム(8)は、水平面(P)内に配列され、第1の方向(X)に延在する平行トラックの第1のセット(10)と、前記水平面(P)内に配列され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延在する平行トラックの第2のセット(11)とを備え、そのトラックの第1および第2のセット(10、11)は、グリッドパターンを前記水平面(P)内に形成し、前記グリッドパターンは、複数の隣接するグリッドセルを備え、前記複数の隣接するグリッドセルの各々は、前記トラックの第1のセット(10)のうちの一対の隣接トラック(10a、10b)および前記トラックの第2のセット(11)のうちの一対の隣接トラック(10a、10b)によって画定されるグリッド開口部(12)を備える、レールシステム(8)と、
前記レールシステム(8)の下に位置する貯蔵カラム(5)内に配列される貯蔵コンテナ(6)の複数のスタック(7)であって、各貯蔵カラム(5)は、グリッド開口部(12)の下方に垂直に位置する、複数のスタックと、
コンテナ荷役車両(9)であって、
前記レールシステム(8)上の前記車両(9)の輸送のための輸送機構(14、15
)と、
前記貯蔵カラム(5)から前記輸送機構(14、15)の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナ(6)を取り上げるための昇降アセンブリ(24)と
を備える、コンテナ荷役車両(9)と
を備え、
前記昇降アセンブリ(24)は、
貯蔵コンテナ(6)に接続可能な昇降フレーム(18)と、
第1の昇降シャフト(25)および第2の昇降シャフト(25)であって、前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)は、主に平行であり、前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)の各々は、前記車両(90)の上側部分内で支持される、第1の昇降シャフト(25)および第2の昇降シャフト(25)と、
前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)の各々から前記昇降フレーム(18)まで延在する2つの昇降要素(25’、25’’;26’、26’’)と、
少なくとも第1のモータ(30)を備えるモータ駆動アセンブリであって、前記少なくとも第1のモータ(30)は、前記昇降シャフト(25、26)のうちの1つを包囲する、モータ駆動アセンブリと、
力伝達要素(32)を介して前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)を回転可能に接続する力伝達アセンブリ(32、33’、33’’、33’’’、33’’’’、34、35)と
を備える、自動貯蔵および回収システム。
(項目2)
前記力伝達要素は、内面および外面を伴うエンドレスベルト(32)を備え、前記第1の昇降シャフト(25)は、前記ベルトの内面または外面と接触し、前記第2の昇降シャフト(26)は、前記ベルト(32)の内面または外面のうちの他方と接触している、項目1に記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目3)
前記力伝達アセンブリは、前記第1または第2の昇降シャフト(25、26)のうちの一方が、第1の回転方向に移動するときに、前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)のうちの他方が、両方の回転方向で、前記第1の方向と反対の第2の回転方向に移動するように、前記第1の昇降シャフト(25)とともに回転するために接続される第1の昇降シャフト車輪(33’)と、前記第2の昇降シャフト(25)とともに回転するために接続される第2の昇降シャフト車輪(33’’)と、前記第1または第2の昇降シャフト車輪(33’、33’’)のうちの一方に対して前記ベルト(32)の外面を押勢する少なくとも1つのガイド車輪(33’’’,33’’’’)とを備える、項目2に記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目4)
前記エンドレスベルト(32)は、閉ループを形成し、前記第1または第2の昇降シャフト車輪(33’、33’’)のうちの一方は、前記閉ループの内側に配列され、前記第1または第2の昇降シャフト車輪(33’、33’’)のうちの他方は、前記閉ループの外側に配列される、前記項目2または3のいずれかに記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目5)
前記力伝達アセンブリは、前記力伝達要素(32)の初期緊締のための張力機構(34)を備える、前記項目のいずれかに記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目6)
前記少なくとも1つのモータ(30)は、ブラシレスDCモータを備える、前記項目のいずれかに記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目7)
前記少なくとも第1のモータ(30)は、直流電気エネルギーを前記少なくとも第1または第2の昇降シャフト(25、26)の回転エネルギーに変換する回転電気モータを備
える、項目6に記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目8)
前記モータ駆動アセンブリは、第2のモータ(30)を備え、前記第2のモータ(30)は、前記第1のモータ(30)と同一の昇降シャフト(25、26)を包囲し、前記力伝達アセンブリは、前記第1および第2のモータ(30)を伴う前記第1または第2の昇降シャフト(25、26)から前記第1または第2の昇降シャフト(25、26)のうちの他方にトルクを伝達するベルトを備える、前記項目1-7のいずれかに記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目9)
前記モータ駆動アセンブリは、前記第1のモータ(30)と異なる前記第1または第2の昇降シャフト(25、26)のうちの他方を包囲する第2のモータ(30)を備え、前記力伝達アセンブリは、相互に対する前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)の同期移動を提供するタイミングベルトを備える、前記項目1-7のいずれかに記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目10)
前記モータ駆動アセンブリの回転力は、アイテムを伴う貯蔵コンテナ(6)の意図された最大重量に対応する、前記項目のいずれかに記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目11)
前記力伝達アセンブリは、いくつかの角度歯車と、リンクシャフトとを備え、前記角度歯車は、前記第1および第2の昇降シャフトの各々とともに回転するために接続され、前記リンクシャフトは、前記第1および第2の昇降歯車の角度歯車の間に配列される、項目1に記載の自動貯蔵および回収システム。
(項目12)
自動貯蔵および回収システム(1)内のスタックに積層される貯蔵コンテナ(6)を移動させるためのコンテナ荷役車両(9)であって、前記コンテナ荷役車両(9)は、貯蔵カラム(5)の上方のレールシステム(8)上で移動するように構成され、
前記貯蔵カラム(5)から前記コンテナ荷役車両(9)上の前記輸送機構の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナ(6)を取り上げるための昇降アセンブリ(24)
を備え、
前記昇降アセンブリ(24)は、
貯蔵コンテナ(6)に接続可能な昇降フレーム(18)と、
第1の昇降シャフト(25)および第2の昇降シャフト(26)であって、前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)は、主に平行であり、前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)の各々は、前記車両(9)の上側部分内で支持される、第1の昇降シャフト(25)および第2の昇降シャフト(26)と、
前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)の各々から前記昇降フレーム(18)まで延在する2つの昇降要素(25’、25’’;26’、26’’)と、
少なくとも第1のモータ(30)を備えるモータ駆動アセンブリであって、前記少なくとも第1のモータ(30)は、前記昇降シャフト(25、26)のうちの1つを包囲する、モータ駆動アセンブリと、
力伝達要素(32)を介して前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)を回転可能に接続する力伝達アセンブリと
を備える、コンテナ荷役車両(9)。
(項目13)
前記力伝達要素(32)は、内面および外面を伴うエンドレスベルト(32)であって、前記第1の昇降シャフト(25)は、前記ベルトの内面または外面と接触し、前記第2の昇降シャフト(26)は、前記ベルト(32)の内面または外面のうちの他方と接触している、エンドレスベルト(32)と、前記第1または第2の昇降シャフト(25、26)のうちの一方が、第1の回転方向に移動するときに、前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)のうちの他方が、前記第1の方向と反対の第2の回転方向に移動するよ
うに、前記第1の昇降シャフト(25)とともに回転するために接続される第1の昇降シャフト車輪(33’)と、前記第2の昇降シャフト(25)とともに回転するために接続される第2の昇降シャフト車輪(33’’)と、少なくとも1つのガイド車輪(33’’’、33’’’’)とを備え、
前記エンドレスベルト(32)は、閉ループを形成し、前記第1または第2の昇降シャフト車輪(33’、33’’)のうちの一方は、前記閉ループの内側に配列され、前記第1または第2の昇降シャフト車輪(33’、33’’)のうちの他方は、前記閉ループの外側に配列される、項目12に記載のコンテナ荷役車両(9)。
(項目14)
貯蔵システム内の貯蔵コンテナ(6)の貯蔵および回収のための項目12または13に記載のコンテナ荷役車両の使用。
(項目15)
異なるコンテナ荷役車両(9)に信号を提供することを含み、前記異なるコンテナ荷役車両(9)は、前記システム内で動作し、スタック(5)内に貯蔵コンテナ(6)を貯蔵し、スタック(5)から貯蔵コンテナを回収する、項目1-11に記載の自動貯蔵および回収システムを動作させる方法。
(項目16)
コンテナ荷役車両(9)の昇降アセンブリ(24)を動作させる方法であって、
少なくとも第1のモータ(30)を備えるモータ駆動アセンブリを配列し、前記昇降システム(24)の第1または第2の昇降シャフト(25、26)を包囲することと、
前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)の各々から前記昇降フレーム(18)に2つの昇降要素(25’、25’’;26’、26’’)を接続することと、
前記第1および第2の昇降シャフト(25、26)を回転結合し、前記昇降フレーム(18)の反対側の上昇および下降を同期化することと、
貯蔵カラム(5)から前記コンテナ荷役車両(9)上の前記輸送機構の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナ(6)を取り上げるための昇降アセンブリ(24)を使用することと
を含む、方法。
(項目17)
前記第1のモータ(30)と同一の第1または第2の昇降シャフト(25、26)の周囲、または前記第1のモータ(30)と同一の第1または第2の昇降シャフト(25、26)のうちの他方の周囲で、第2のモータ(30)を包囲することをさらに含む、項目16に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0068】
以下の図面が、本発明の理解を促進するように添付される。
【0069】
図1図1は、従来技術の自動貯蔵および回収システムのレールシステムを伴うグリッドの斜視図である。
図2A図2Aは、第1の従来技術のコンテナ荷役車両の斜視図である。
図2B図2Bは、第2の従来技術のコンテナ荷役車両の斜視図である。
図2C図2Cは、貯蔵コンテナを持ち上げる、および/または下降させるための昇降デバイス、すなわち、エレベータを示す、図2Bの第2の従来技術コンテナ荷役車両の側面図である。
図3図3は、従来技術の単一レールグリッドの上面図である。
図4図4は、従来技術の二重レールグリッドの上面図である。
図5-1】図5Aおよび5Bは、2つの異なる角度から見られる、第1および第2の昇降シャフトのそれぞれの上に1つのモータを伴う、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第2のコンテナ荷役車両の斜視図である。
図5-2】図5Cおよび5Dは、2つの異なる側面から見られる、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第2のコンテナ荷役車両の側面図である。
図5-3】図5Eは、本発明による、例示的昇降アセンブリの分解図を伴い、第1および第2の昇降シャフトのそれぞれの上に1つのモータを伴う、第2のコンテナ荷役車両の斜視図である。
図6-1】図6Aおよび6Bは、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第1のコンテナ荷役車両の側面からの斜視図である。
図6-2】図6Cおよび6Dは、2つの異なる側面から見られる、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第1のコンテナ荷役車両の側面図である。
図6-3】図6Eは、同一の昇降シャフト上に2つのモータを伴う、上方からの第1のコンテナ荷役車両の斜視図である。図6Fは、同一の昇降シャフト上に2つのモータを伴う、第1のコンテナ荷役車両の上面図である。
図6-4】図6Gは、本発明による、例示的昇降アセンブリの分解図を伴い、昇降シャフトのうちの1つの上に2つのモータを伴う、第1のコンテナ荷役車両の斜視図である。
図6-5】図6Hは、第2の実施形態による、コンテナ荷役車両の上部分の上下逆の図である。
図7図7A-7Fは、第1および第2の昇降シャフトの反対回転を提供する、ガイド車輪と、昇降シャフト車輪と、力伝達要素とを備える、力伝達アセンブリの異なる設定の実施例である。
【0070】
図面では、同様の参照番号が、別様に明示的に記述されない、または文脈から暗示的に理解されない限り、同様の部品、要素、または特徴を示すために使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下では、本発明の実施形態が、一例のみとして、添付の図面を参照してより詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定することを意図していないことを理解されたい。さらに、特徴のうちのいくつかがシステムのみに関連して説明される場合でさえも、それらは、方法およびコンテナ荷役車両に関しても有効であり、その逆も同様である、すなわち、方法のみに関連して説明される任意の特徴もまた、システムおよびコンテナ荷役車両に関して有効であることが明白である。
【0072】
図3は、自動貯蔵および回収システムのレールシステム8を伴うグリッド4の上面図である。グリッド4は、複数の直立部材2(図1参照)と、直立部材によって支持される複数の水平部材3とを備える、枠組構造1を備える。当技術分野で公知であるように、直立および水平部材は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウム外形から作製されてもよい。グリッド4の上面は、レールシステム8を有する。レールシステム8は、水平面P内に配列され、第1の方向Xに延在する、平行トラックの第1のセット10と、水平面P内に配列され、第1の方向Xに直交する第2の方向Yに延在する、平行トラックの第2のセット11とを備える。トラックの第1および第2のセット10、11は、トラックの第1のセット10のうちの一対の隣接トラック10a、10bおよびトラックの第2のセット11のうちの一対の隣接トラック11a、11bによって画定される、グリッド開口部12をそれぞれ備える、複数の隣接するグリッドセルを備える、グリッドパターンを水平面P内に形成する。図3および4の例示的グリッド開口部12は、全体的レールシステム8の一部である(図1参照)。
【0073】
図6Aおよび6Bは、本発明による、昇降アセンブリを伴う第1のコンテナ荷役車両の側面からの斜視図であり、図5Aおよび5Bは、2つの異なる角度から見られる、第1および第2の昇降シャフトのそれぞれの上に1つのモータを伴う、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第2のコンテナ荷役車両の斜視図である。
【0074】
図5Aおよび5Bの第2のコンテナ荷役車両9から始めて、コンテナ荷役車両9は、車輪の第1のセット14および車輪の第2のセット15として例示される輸送機構を備える。車輪の第1のセット14および車輪の第2のセットは、コンテナ荷役車両9が、X方向およびY方向の両方で、貯蔵カラム5の上方のレールシステム8上で移動するように構成されるように、垂直方向に配向される。コンテナ荷役車両9の上側部分では、貯蔵カラム5からコンテナ荷役車両上の車輪の第1および第2のセット14、15の最低高さの上方の位置に貯蔵コンテナまたはビン6を取り上げるための昇降アセンブリ24が、配列されている。コンテナ荷役車両9の動作およびその設定の詳細は、そのようなコンテナ荷役車両9が公知であるため、本明細書ではより詳細に説明されない。昇降アセンブリ24は、貯蔵コンテナ6に接続可能な昇降フレーム18を備える。昇降フレーム18は、典型的には、昇降フレーム18の円周に配列される、いくつかの電気動作型グリッパ38(図5Cおよび5Eにグリッパの詳細)を備え、そのグリッパ38は、貯蔵コンテナ6を持ち上げ、スタック5の間で、ポートに、別の貯蔵システム等に移動させるために、貯蔵コンテナ6を握持する。貯蔵コンテナ6に対して昇降フレーム18を誘導するためのいくつかの誘導デバイス39が、下面上で昇降フレーム18の角内に配列される。昇降フレーム18は、スタックの中に下降され、したがって、レールシステム8内のセルと類似する断面積を有する。
【0075】
昇降アセンブリ24はさらに、同等またはほぼ同等の直径の第1の昇降シャフト25および第2の昇降シャフト26を備える。第1および第2の昇降シャフト25、26は、昇降アセンブリの反対側に配列され、主に平行である。第1および第2の昇降シャフト25、26はそれぞれ、車両9の上側部分内で支持される。2つの昇降要素、例えば、ベルト25’、25’’、26’、26’’が、第1および第2の昇降シャフト25、26のそれぞれから昇降フレーム18まで延在し、昇降要素のための可撓性要素接続37において昇降フレーム18に接続される(詳細は図5E)。モータ駆動アセンブリが、第1または第2の昇降シャフト25、26のうちの少なくとも1つに接続される。図5Aおよび5Bでは、モータ駆動アセンブリは、個別の第1および第2の昇降シャフト25、26を包囲する、2つのモータ30を備える。力伝達アセンブリ32、33’、33’’、33’’’、33’’’’、35は、力伝達要素32を介して第1および第2の昇降シャフト25、26を回転可能に接続する。緊締車輪34として示される張力機構が、第1および第2の昇降シャフト25、26の間の適切な力伝達および/または同期化を確実にするために、力伝達要素32の初期張力のために提供されてもよい。図5Cおよび5Dは、2つの異なる側面から見られる、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第2のコンテナ荷役車両9の側面図である。
【0076】
図5Eは、本発明の一側面による、例示的昇降アセンブリの分解図を伴い、第1および第2の昇降シャフト25、26のそれぞれの上に1つのモータ30を伴う、第2のコンテナ荷役車両の斜視図である。モータ30は、リラクタンスモータタイプのブラシレスDCモータとして例示されるが、しかしながら、例えば、1つ以上の永久磁石モータ、または異なるブラシレスDCモータの組み合わせ等の説明の一般的部分で例示および説明されるような他のタイプのDCモータも、開示されるリラクタンスモータタイプの代わりに、またはそれに加えて、使用されることができる。図5Eで見られるモータ30内の固定子21は、ヨーク21bの周囲に巻着される電気巻線21aの形態である。しかしながら、当業者は、固定子21および回転子22が、(本発明の他の実施形態では)それぞれ、固定子磁石および回転子ヨーク/巻線を伴って構成され得ることを理解するであろう。モータ30は、(車輪リム46の内側の固定子21の半径方向外側上の)回転子磁石と(固定子21の半径方向内側上の)第1または第2の昇降シャフト25、26との間に半径方向に配列される、固定子21を備える。固定子21は、固定子筐体45に固定され、その固定子筐体45は、コンテナ荷役車両9の筐体に固定して接続される。回転子磁石(図示せず)は、固定子21を囲繞する車輪リム46の内側上に配列され、回転子磁石および第1または第2の昇降シャフト25、26がともに回転するように、例えば、円錐軸受44(図6Gに円錐軸受44の詳細)を介して、第1または第2の昇降シャフト25、26に回転接続される。固定子21は、次いで、回転子磁石、それによって、昇降シャフト25、26を回転させる。保護カバー23が、車輪リム46および固定子21を包囲する。
【0077】
図5Eはさらに、昇降要素25’、26、26’、26’’が、それぞれ、第1および第2の昇降シャフト25、26の周囲のリール上で巻き取られる方法の実施例を開示する。昇降シャフト25、26が回転するとき、リールは、昇降シャフト25、26とともに回転し、回転方向に応じて、昇降フレーム18は、持ち上げられる、または下降される。昇降要素25’、25’’、26’、26’’は、好ましくは、昇降フレーム18内のグリッパ38がビンまたはコンテナ6を握持および解放するために電子的に動作され得るように、導電性および信号伝導性である。
【0078】
力伝達アセンブリは、第1の昇降シャフト車輪33’と、第2の昇降シャフト車輪33’’とを含む、いくつかの車輪33’、33’’、33’’’、33’’’’を備え、車輪33’、33’’、33’’’、33’’’’は、第1または第2の昇降シャフト25、26のうちの一方が、第1の回転方向に移動するときに、該第1および第2の昇降シャフト25、26のうちの他方が、両方の回転方向で、第1の方向と反対の第2の回転方向に移動するように、相互に配列される。第1の昇降シャフト車輪33’は、第1の昇降シャフト25とともに回転するために接続され、第2の昇降シャフト車輪33’’は、第2の昇降シャフト26とともに回転するために接続され、それぞれ、第1および第2の昇降シャフト25、26の任意の回転移動に従う。他のガイド車輪33’’’のうちの少なくとも1つが、閉ループの内側に配列される(図7A-7Fの詳細を参照)。加えて、第1または第2の昇降シャフト車輪33’、33’’は、エンドレスベルト32の内面と接触し、第1または第2の昇降シャフト車輪33’、33’’のうちの他方は、エンドレスベルト32の外面と接触し、それによって、第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’(したがって、第1および第2の昇降シャフト25、26)は、反対方向に回転する。本反対回転は、昇降フレーム18および昇降フレーム18によって持ち上げられる任意の貯蔵コンテナが、垂直昇降動作中に最小水平移動を伴って略垂直に持ち上げられることを確実にする。好ましくは、第1および第2の昇降シャフト25、26および昇降要素25’、25’’、26’、26’’は、昇降要素25’、25’’、26’、26’’が外側から第1および第2の昇降シャフト25、26上に巻き取られるように接続される(昇降要素26’、26’’が第2の昇降シャフト26の外側上に延在することが開示される、図5Aの昇降要素26’、26’’の詳細を参照)。これは、昇降フレーム18の端部分内(例えば、角内または角付近)の昇降要素25’、25’’、26’、26’’の接続を確実にするとともに、昇降フレームが中心合わせされ、昇降シーケンス全体の間に第1および第2の昇降シャフト25、26に対して垂直方向のみに移動する(水平移動がない、または最小限である)ことを確実にする。
【0079】
再度、図5Aおよび5Dを参照すると、さらに、昇降シャフトのためのブレーキ配列40が、開示される。ブレーキ配列は、コンテナ荷役車両9の内側に配列され(また、コンテナ荷役車両9の外側上にも配列され得)、第1の昇降シャフト25とともに回転するために接続される歯車(図5Dでは第2の昇降シャフト33’’として例示される歯車)と協働する係止ピン40’として開示される(図5A)。係止配列40の係止位置で、係止ピン40’は、昇降シャフト25上の歯車と係合し、それによって、歯車(したがって、昇降シャフト25、26)の回転を防止する。係止配列40の開放位置で、係止ピン40’は、昇降シャフト上25の歯車との係合外の位置まで動作され、それによって、昇降シャフトは、モータ30からの任意の指示を受けて自由に回転する。
【0080】
図6Aおよび6Bは、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第1のコンテナ荷役車両の側面からの斜視図である。
【0081】
図6Cおよび6Dは、2つの異なる側面から見られる、本発明による、例示的昇降アセンブリを伴う第1のコンテナ荷役車両の側面図である。
【0082】
図6Eは、同一の昇降シャフト上に2つのモータを伴う、上方からの第1のコンテナ荷役車両の斜視図である。
【0083】
図6Fは、同一の昇降シャフト上に2つのモータを伴う、第1のコンテナ荷役車両の上面図である。
【0084】
図6Gは、本発明による、例示的昇降アセンブリの分解図を伴い、昇降シャフトのうちの1つの上に2つのモータを伴う、第1のコンテナ荷役車両の斜視図である。
【0085】
図6Hは、第2の実施形態による、コンテナ荷役車両の上部分の上下逆の図である。
【0086】
図6Bおよび6Hを参照すると、図5Aと同様に、昇降シャフト25のためのブレーキ配列40が、開示される。ブレーキ配列40は、筐体コンテナ荷役車両9の外側に配列され、第1の昇降シャフト25とともに回転するために接続される歯車と協働する係止ピン40’、例えば、ラチェット機構を備えてもよい。係止配列40の係止位置で、係止ピンは、昇降シャフト25上の歯車と係合し、それによって、歯車(したがって、昇降シャフト25)の回転を防止する。係止配列40の開放位置で、係止ピンは、昇降シャフト上25の歯車との係合外の位置まで動作され、それによって、昇降シャフトは、モータ30からの任意の指示を受けて自由に回転する。さらに、図6Hでは、昇降シャフト25、26のための支持体、および(概して、41において)コンテナ荷役車両の上部分内に配列される第1および第2の昇降シャフト25’、25’’、26’、26’’のための昇降要素への電力および信号通信のためのブラシの詳細が、開示される。さらに、図6Hは、第1および第2の昇降シャフト25、26を受容するためのコンテナ荷役車両の筐体内の「鍵穴」構成36’、36’’の詳細を示す。鍵穴構成は、第1および第2の昇降シャフト25、26の直径と略同等の断面積を伴う陥凹誘導部分36’’を備える。したがって、第1および第2の昇降シャフトは、陥凹誘導部分36’’よりも若干大きい断面積の内側陥凹36’の中に誘導されることができる。いったん個別の昇降シャフト25、26が内側陥凹36に進入すると、内側陥凹36’と略同等の断面積の支持体41’が、個別の昇降シャフト25、26の各軸方向端部から配設され、それによって、昇降シャフト25、26は、内側陥凹36’内でねじ山付き接続、ねじ、またはボルト42等の好適な締結手段によって係止され、陥凹誘導部分36’’を通して内側陥凹36’から逃散することを防止される。昇降シャフトの任意の修理または保守が要求される場合、締結手段42は、締結解除され、支持体41’は、除去され、昇降シャフトは、陥凹誘導部分36’を通して自由に除去される。
【0087】
第1および第2のコンテナ荷役車両は、異なり、一方は、貯蔵コンテナを受容するための中心空洞構造を有し、他方は、貯蔵コンテナを受容するためのカンチレバー構造を有するが、第1のコンテナ荷役車両9の昇降アセンブリ24は、第2のコンテナ荷役車両9に関連して説明される昇降アセンブリ24と同一である。したがって、昇降アセンブリ24の特徴および機能的動作の説明は、両方のコンテナ荷役車両に関して同一であり、繰り返されないであろう。
【0088】
図7A-7Fは、第1および第2の昇降シャフト25、26の反対回転を提供する、力伝達アセンブリの異なる設定の実施例である。図7A-7Fの実施例の全てで開示されるように、力伝達アセンブリの全てに共通することは、そのそれぞれが、個別の昇降シャフト25、26とともに回転するために接続される、第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’、少なくとも1つの他のガイド車輪33’’’、33’’’’、閉ループを形成するエンドレスベルトの形態の力伝達要素32の存在であり、他のガイド車輪33’’’、33’’’’のうちの少なくとも1つは、閉ループの内側に配列される。加えて、第1または第2の昇降シャフト車輪33’、33’’は、エンドレスベルト32の内面と接触し、第1または第2の昇降シャフト車輪33’、33’’のうちの他方は、エンドレスベルト32の外面と接触する。これは、力伝達要素32によって形成される閉ループの内側に第1または第2の昇降シャフト車輪33’、33’’のうちの一方を、力伝達要素32によって形成される閉ループの外側に第1または第2の昇降シャフト車輪33’、33’’のうちの他方を配列することによって、達成される。第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’、ガイド車輪33’’’、33’’’’、および力伝達要素32の相互設定は、第1および第2の昇降シャフト25、26が、(それぞれ、第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’を介して)反対方向に回転する(逆回転する)ようなものである。第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’は、好ましくは、昇降中に水平安定性を確実にするために、同一の水平面内に配列される。ガイド車輪33’’’、33’’’’は、それらが力伝達要素32の進行方向の「変化」を提供するように、固定位置において力伝達要素32の進行に沿って配列される。ガイド車輪33’’’、33’’’’はそれぞれ、力伝達要素32を第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’上に正しく導くように配列され、それによって、第1および第2の昇降シャフト車輪33’、33’’(したがって、昇降シャフト25、26)が反対方向に回転することを可能にする。
【0089】
図7Aの実施例では、1つのガイド車輪33’’’が、示されている。
【0090】
図7B-7Fの実施例では、2つのガイド車輪33’’’、33’’’’を備える、力伝達アセンブリのいくつかの実施例が、示されている。ガイド車輪33’、33’’は、力伝達要素32の両方の進行方向で、第1の昇降シャフト車輪31’が、ガイド車輪33’’’、33’’’’によって辿られ、第2の昇降シャフト車輪33’’が、ガイド車輪33’’’、33’’’’によって辿られるように、力伝達要素32の経路に沿って交互に配列される。
【0091】
図7D、7E、7Fの実施例では、力伝達要素32の張力のための緊締車輪34を備える、実施例が開示されている。緊締車輪34は、例えば、固定ブラケット内の開口部内で調節され得る車軸を伴う回転可能ガイド車輪を備える、偏心張力機構であってもよい。力伝達要素32の経路に沿った緊締車輪34の場所は、好ましくは、力伝達要素32の経路長が影響を受け得る(すなわち、力伝達要素の経路が、さらに張力を加える、または力伝達要素内の張力を低減させるために、短縮または延長され得る)場所にある。緊締車輪34は、力伝達要素32によって形成される閉ループの内側(図7Dおよび7F)または外側(図7E)に配列されることができる。
【0092】
図7A-7Cの実施例では、緊締車輪等の専用張力機構が、示されているが、しかしながら、張力機構が要求される場合、ガイド車輪33’’’または33’’’’のうちの一方が、張力機構であってもよく、緊締車輪34によって置換されることができる。
【0093】
本発明の側面のうちの1つ以上のものは、以下を含む、従来技術に優る利点を提供する。
コンテナ荷役車両と貯蔵カラムとの間の貯蔵コンテナの昇降の効率が、改良される。
より少ない時間で貯蔵コンテナを移動させることの観点からの貯蔵システムの容量が、増加される。
本システムは、貯蔵コンテナの荷重が不均等に分配され、貯蔵コンテナの重心が、別の側面よりも1つの側面に多い場合に補償する。
昇降システムは、組み立て、保守することがより容易であり、従来技術の解決策よりも少ない部品を備える。
【0094】
前述の説明では、本発明による、自動貯蔵および回収システムの種々の側面が、例証的実施形態を参照して説明されている。しかしながら、本説明は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。当業者に明白である、例証的実施形態の種々の修正および変形例、およびシステムの他の実施形態は、以下の請求項によって定義されるような本発明の範囲内にあると見なされる。
【0095】
【表1】
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図6-4】
図6-5】
図7