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特開2024-32548アルミナスルーホールメンブレンおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032548
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】アルミナスルーホールメンブレンおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 11/04 20060101AFI20240305BHJP
   C25D 11/12 20060101ALI20240305BHJP
   C25D 11/24 20060101ALI20240305BHJP
   B01D 71/02 20060101ALI20240305BHJP
   B01D 69/10 20060101ALI20240305BHJP
   B01D 69/12 20060101ALI20240305BHJP
   B01D 69/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
C25D11/04 303
C25D11/04 302
C25D11/12 Z
C25D11/24 302
B01D71/02 500
B01D69/10
B01D69/12
B01D69/00
B01D71/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136256
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100181722
【弁理士】
【氏名又は名称】春田 洋孝
(72)【発明者】
【氏名】柳下 崇
(72)【発明者】
【氏名】傍士 陽太
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA07
4D006GA41
4D006HA77
4D006MA22
4D006MA31
4D006MC02X
4D006MC03X
4D006NA33
4D006NA49
4D006NA54
4D006PA01
4D006PA02
4D006PB17
4D006PB24
4D006PB55
4D006PB64
(57)【要約】
【課題】本発明は、アルミナスルーホールメンブレンおよびその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係るアルミナスルーホールメンブレンは、複数の細孔が形成されたポーラスアルミナ層と、該ポーラスアルミナ層の一面側に部分的に一体化され、前記ポーラスアルミナ層よりも厚いアルミニウム補強部を備えたことを特徴とする。前記ポーラスアルミナ層の厚さは3μm以下であることが好ましい。前記ポーラスアルミナ層の細孔の径が10nm以上1μm以下であることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細孔が形成されたポーラスアルミナ層と、該ポーラスアルミナ層の一面側に部分的に一体化され、前記ポーラスアルミナ層よりも厚いアルミニウム補強部を備えたことを特徴とするアルミナスルーホールメンブレン。
【請求項2】
前記ポーラスアルミナ層の厚さが3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のアルミナスルーホールメンブレン。
【請求項3】
前記ポーラスアルミナ層の細孔の径が10nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミナスルーホールメンブレン。
【請求項4】
前記ポーラスアルミナ層がアルミニウムの陽極酸化皮膜からなり、前記アルミニウム補強部がアルミニウムの陽極酸化皮膜を備えたアルミニウム基材の加工物からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミナスルーホールメンブレン。
【請求項5】
前記ポーラスアルミナ層がアルミニウムの陽極酸化皮膜からなり、前記アルミニウム補強部がアルミニウムの陽極酸化皮膜を備えたアルミニウム基材の加工物からなることを特徴とする請求項3に記載のアルミナスルーホールメンブレン。
【請求項6】
アルミニウム基材の一面に第1陽極酸化皮膜を形成し、この第1陽極酸化皮膜を部分的に蝕刻して前記アルミニウム基材の一面上に該一面を部分的に覆う立体形状であり、前記第1陽極酸化皮膜の一部からなるアルミニウム補強部を形成し、
前記アルミニウム基材の一面側において前記アルミニウム補強部で覆われていない前記アルミニウム基材の蝕刻部分と前記アルミニウム補強部の下部側の前記アルミニウム基材にわたり第2陽極酸化皮膜を形成し、
前記第2陽極酸化皮膜の底部側に前記第2陽極酸化皮膜より高溶解性の第3陽極酸化皮膜を形成した後、
前記第3陽極酸化皮膜を溶解して除去し、前記アルミニウム基材から、前記第2陽極酸化皮膜を前記アルミニウム補強部で支持したアルミナスルーホールメンブレンとして分離することを特徴とするアルミナスルーホールメンブレンの製造方法。
【請求項7】
前記第1陽極酸化皮膜を部分的に蝕刻して前記アルミニウム補強部を形成する場合、前記第1陽極酸化皮膜の表面を部分的にマスク層で覆い、このマスク層で覆われていない前記第1陽極酸化皮膜をエッチングで除去することにより前記アルミニウム補強部を形成することを特徴とする請求項6に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法。
【請求項8】
前記第2陽極酸化皮膜の下部側に前記第3陽極酸化皮膜を形成する場合、10M以上の濃度の酸を含む電解液を用いた陽極酸化によって前記第3陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法。
【請求項9】
前記第2陽極酸化皮膜を形成後、前記第2陽極酸化皮膜の表面にマスク層を形成し、このマスク層で覆われていない部分の細孔周囲のアルミニウムをエッチングにより除去し、前記第2陽極酸化皮膜に形成されていた細孔より内径の大きな細孔を形成することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法。
【請求項10】
前記第2陽極酸化皮膜を形成後、前記第2陽極酸化皮膜の表面にマスク層を形成し、このマスク層で覆われていない部分の細孔周囲のアルミニウムをエッチングにより除去し、前記第2陽極酸化皮膜に形成されていた細孔より内径の大きな細孔を形成することを特徴とする請求項8に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はアルミナスルーホールメンブレンおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微粒子やウィルス、更には工業排水における油水分離など、様々な物質を分離ろ過するためのメンブレンフィルターは、その広い応用分野から、近年、その重要度が高くなってきている。これまでにも、ポリマーや金属酸化物など、様々な素材からなるメンブレンフィルターの作製方法が検討されてきているが、目的物質を高精度にろ過分離するためには、細孔径の高度な制御が必須となる。特に、近年ではPM2.5(微小粒状物質)のような微細な環境汚染物質の他、大腸菌やコロナウィルスをはじめとする微小な有害物質を除去するために、細孔径がサブミクロン以下に制御されたメンブレンフィルターへの注目度が高まっている。
【0003】
また、効率的なろ過分離を実現するためには、ガスや液体等の媒質の高い透過性能の実現も重要な課題となる。加えて、耐久性の観点から、メンブレンフィルターには高い機械強度も求められる。そのため、今後、更なるメンブレンフィルターの応用分野を拡大していくためには、細孔径制御性、媒質の高い透過性能、高機械強度を兼ね備えたメンブレンフィルター形成手法の確立が焦眉の課題となっている。
【0004】
本発明者らは、これまでに、アルミニウムの陽極酸化によって形成されるポーラスアルミナの作製技術を発展させ、サイズの均一な細孔を規則的に配列したアルミナスルーホールメンブレンの効率的な形成手法について検討を進めてきた。
例えば、以下の特許文献1に示すように、アルミニウムの陽極酸化技術に基づき、細孔を規則配列したアルミナスルーホール膜を効率的に作成可能とする技術を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6087357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術を用いると、従来は不可能であった同一地金からの繰り返し高規則性アルミナスルーホール膜の作成を実現できる。
ところが、特許文献1に記載の技術により得られるアルミナスルーホール膜は、細孔径の均一なシリンダー状の細孔(上部と底部の細孔径がほぼ同一の形状)が配列した幾何学構造を有しているため、媒質の高い透過性能を実現するためには薄膜化が必要であるが、膜厚が10μm以下の薄いアルミナスルーホール膜は、機械強度が不足しており、ハンドリング時に折損や欠けなどに留意する必要があった。一方で、膜厚が厚いアルミナスルーホール膜はハンドリングを行うのに十分な機械強度を有しているが、細孔長が長くなり圧力損失が大きくなるため、媒質の透過性能が低くなるといった問題点があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、規則配列した細孔を有するとともに、ガスや液体などの媒質の高い透過性を有し、高機械強度も兼ね備えたアルミナスルーホールメンブレンとその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本形態のアルミナスルーホールメンブレンは、複数の細孔が形成されたポーラスアルミナ層と、該ポーラスアルミナ層の一面側に部分的に一体化され、前記ポーラスアルミナ層よりも厚いアルミニウム補強部を備えたことを特徴とする。
【0009】
(2)本形態に係る(1)に記載のアルミナスルーホールメンブレンにおいて、前記ポーラスアルミナ層の厚さが3μm以下であることが好ましい。
【0010】
(3)本形態に係る(1)または(2)に記載のアルミナスルーホールメンブレンにおいて、前記ポーラスアルミナ層の細孔の径が10nm以上1μm以下であることが好ましい。
(4)本形態に係る(1)または(2)に記載のアルミナスルーホールメンブレンにおいて、前記ポーラスアルミナ層がアルミニウムの陽極酸化皮膜からなり、前記アルミニウム補強部がアルミニウムの陽極酸化皮膜を備えた前記アルミニウム基材の加工物からなることが好ましい。
(5)本形態に係る(3)に記載のアルミナスルーホールメンブレンにおいて、前記ポーラスアルミナ層がアルミニウムの陽極酸化皮膜からなり、前記アルミニウム補強部がアルミニウムの陽極酸化皮膜を備えた前記アルミニウム基材の加工物からなることが好ましい。
【0011】
(6)本形態に係るアルミナスルーホールメンブレンの製造方法は、アルミニウム基材の一面に第1陽極酸化皮膜を形成し、この第1陽極酸化皮膜を部分的に蝕刻して前記アルミニウム基材の一面上に該一面を部分的に覆う立体形状であり、前記第1陽極酸化皮膜の一部からなるアルミニウム補強部を形成し、前記アルミニウム基材の一面側において前記アルミニウム補強部で覆われていない前記アルミニウム基材の蝕刻部分と前記アルミニウム補強部の下部側の前記アルミニウム基材にわたり第2陽極酸化皮膜を形成し、前記第2陽極酸化皮膜の底部側に前記第2陽極酸化皮膜より高溶解性の第3陽極酸化皮膜を形成した後、前記第3陽極酸化皮膜を溶解して除去し、前記アルミニウム基材から、前記第2陽極酸化皮膜を前記アルミニウム補強部で支持したアルミナスルーホールメンブレンとして分離することを特徴とする。
【0012】
(7)前記(6)に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法において、前記第1陽極酸化皮膜を部分的に蝕刻して前記アルミニウム補強部を形成する場合、前記第1陽極酸化皮膜の表面を部分的にマスク層で覆い、このマスク層で覆われていない前記第1陽極酸化皮膜をエッチングで除去することにより前記アルミニウム補強部を形成することが好ましい。
(8)前記(6)または(7)に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法において、前記第2陽極酸化皮膜の底部側に前記第3陽極酸化皮膜を形成する場合、10M以上の濃度の酸を含む電解液を用いた陽極酸化によって前記第3陽極酸化皮膜を形成することが好ましい。
(9)前記(6)または(7)に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法において、前記第2陽極酸化皮膜を形成後、前記第2陽極酸化皮膜の表面にマスク層を形成し、このマスク層で覆われていない部分の細孔周囲をエッチングにより除去し、前記第2陽極酸化皮膜に形成されていた細孔より内径の大きな細孔を形成することが好ましい。
(10)前記(8)に記載のアルミナスルーホールメンブレンの製造方法において、前記第2陽極酸化皮膜を形成後、前記第2陽極酸化皮膜の表面にマスク層を形成し、このマスク層で覆われていない部分の細孔周囲をエッチングにより除去し、前記第2陽極酸化皮膜に形成されていた細孔より内径の大きな細孔を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、細孔径制御性と媒質の高い透過性能と高機械強度を兼ね備えたアルミナスルーホールメンブレンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る一実施形態のアルミナスルーホールメンブレンを表面側から見た斜視図。
図2】同アルミナスルーホールメンブレンを側面側から見た部分断面斜視図。
図3】同アルミナスルーホールメンブレンの製造方法について示すもので、アルミニウム基材の表面に第1陽極酸化皮膜を形成した状態を示す斜視図。
図4】同製造方法について示すもので、第1陽極酸化皮膜の上にマスク層を形成した状態を示す斜視図。
図5】同製造方法について示すもので、マスク層を介し第1陽極酸化皮膜の一部を蝕刻してアルミニウム補強部を形成した状態を示す斜視図。
図6】同製造方法について示すもので、マスク層を除去してアルミニウム補強部を露出させた状態を示す斜視図。
図7】同製造方法について示すもので、アルミニウム補強部の下方とその周囲のアルミニウム基材表面に第2陽極酸化皮膜を形成した状態を示す斜視図。
図8】同製造方法について示すもので、第2陽極酸化皮膜の下部側に第3陽極酸化皮膜を形成した状態を示す斜視図。
図9】同製造方法について示すもので、第3陽極酸化皮膜を除去してアルミニウム基材からアルミナスルーホールメンブレンを分離した状態を示す斜視図。
図10】(a)はアルミニウム基材の表面に形成した陽極酸化皮膜上にマスク層を形成した状態を示す側面図、(b)はマスク層を介し陽極酸化皮膜の細孔をエッチングしている状態を示す断面図、(c)はエッチングの進行により細孔径を拡大した状態を示す断面図。
図11】アルミニウム基材表面に規則配列させた細孔を有する陽極酸化皮膜を形成した状態を示す模式図。
図12】陽極酸化皮膜の底部側に高溶解性アルミナ層を形成した状態を示す模式図。
図13】高溶解性アルミナ層を溶解してアルミニウム基材からアルミナスルーホールメンブレンを分離した状態を示す模式図。
図14】アルミナスルーホールメンブレン除去後のアルミニウム基材を示す模式図。
図15】円筒状の細孔を模式的に示す説明図。
図16】実施例において得られたアルミナスルーホールメンブレンの補強部を拡大して示す。
図17】実施例において得られたアルミナスルーホールメンブレンの主要部断面を示すSEM像。
図18】実施例において得られたアルミナスルーホールメンブレンの主要部を示すSEM像。
図19図18に示すアルミナスルーホールメンブレンの細孔を示すSEM像。
図20図18に示すアルミナスルーホールメンブレンにおける補強部のパターンを示すSEM像。
図21】ポーラスアルミナ層からなるスルーホールメンブレンシートの一例を示す写真。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るアルミナスルーホールメンブレン、およびその製造方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合がある。
【0016】
図1図2は、本実施形態に係るアルミナスルーホールメンブレンAを示すもので、このアルミナスルーホールメンブレンAは、平板状のポーラスアルミナ層(フィルタ層)1と、このポーラスアルミナ層1の裏面側に部分的に一体化された正方格子状のアルミニウム補強部2を備えている。
ポーラスアルミナ層1と補強部2はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる一体物である。
ポーラスアルミナ層1には、ポーラスアルミナ層1の厚さ方向を貫通する複数の細孔1aが隣接形成されている。また、アルミニウム補強部2にも図示はしていないがその厚さ方向に延在する細孔が複数形成されている。
ポーラスアルミナ層1に形成される細孔1aは、ポーラスアルミナ層1の面広がり方向に沿って、高い規則的をもって配列形成されている。本実施形態では、例えば細孔1aは、平面視正三角形格子状(理想三角格子状)に配列形成されている。なお、図2では図面を見やすくするために細孔配列に関し四方配列状に略記している。
ポーラスアルミナ層1の面方向に互いに隣接する細孔1aどうしの配列間隔は、例えば100nm以上、3μm以下の範囲になるように形成されている。
【0017】
細孔1aの形成範囲は、例えば1cm以上である。本実施形態のポーラスアルミナ層1は、形成範囲1cm以上の大面積であっても、細孔1aを備えたポーラスアルミナ層1を容易に形成できる。
細孔1aの内径は、例えば、10nm~1μm程度の範囲に制御されている。
ポーラスアルミナ層1の厚さは、後述する陽極酸化皮膜形成の条件により種々の厚さに形成できるが、例えば、50nm~100μm程度に形成できる。ただし、ポーラスアルミナ層1に形成した細孔1aに媒質を透過させる場合の透過性を考慮すると、ポーラスアルミナ層1の厚さは50nm~5μm程度が望ましい。この範囲を超える厚さであると、ポーラスアルミナ層1の細孔1aを媒質が通過する場合の抵抗が高くなり、圧力損失が大きくなってろ過効率が悪化するおそれがある。また、ポーラスアルミナ層1が薄すぎる場合はアルミニウム補強部2によりポーラスアルミナ層1を補強していると仮定しても、ポーラスアルミナ層1の機械強度が不足し、ろ過などの用途に不足な強度となる。
【0018】
なお、本実施形態では、細孔1aを正三角形格子状(理想三角格子状)に配列形成した例を示したが、これ以外にも、正四角形格子状(理想四角格子状)など、所定の間隔で規則的に細孔1aが配列されていれば、その配列形態は限定されるものではない。
【0019】
アルミニウム補強部2は、ポーラスアルミナ層1を構成するアルミニウムあるいはアルミニウム合金と同等の材料からなる。ポーラスアルミナ層1と補強部2は後述するように1つのアルミニウム基材から製造するので、同等材料からなり、補強部2はアルミニウム基材の加工物であり、補強部2とポーラスアルミナ層1は一体物とされている。補強部2は、本実施形態では平面視格子状の立体形状を有する。
【0020】
補強部2は、本実施形態では平面視矩形状のポーラスアルミナ層1に対し、ポーラスアルミナ層1の縦サイズ(あるいは横サイズ)の数分の一~数十分の一程度の幅を有する縦材2Aと、縦材2Aと同等幅の横材2Bを平面視正方格子状に組み合わせた形状を有する。縦材2Aと横材2Bの厚さ(ポーラスアルミナ層1の厚さ方向に沿う厚さ)は、ポーラスアルミナ層1の厚さより厚く形成されている必要があり、例えば、10μm~50μm程度に形成されている。
なお、補強部2の平面視形状は、正方格子状に限らず、井桁状や網目状、六角格子状、正三角格子状など、ポーラスアルミナ層1を補強できる形状であれば、任意の平面視形状を採用できる。
【0021】
「アルミナスルーホールメンブレンの製造方法」
アルミナスルーホールメンブレンAを製造するには、図3に示すような板状(直方体状)のアルミニウム基材5を用意する。なお、アルミニウム基材5はアルミニウムあるいはアルミニウム合金からなるが、説明の簡略化のため、アルミニウム基材と略称する。
アルミニウム基材5として例えば4Nアルミニウム基板を用いることができる。このアルミニウム基材5を用いて図3図9に示すように各種工程を経ることでアルミナスルーホールメンブレンを製造することができる。
【0022】
最初に、アルミニウム基材5の上面に第1回目の陽極酸化処理を施してアルミニウム基材5の上面(一面)に所定厚さの第1陽極酸化皮膜6を形成する。この第1陽極酸化皮膜6は、例えば図11に模式的に示すようにアルミニウム基材5の表面部に多数の細孔6Aが所定の深さとなるように整列形成された多孔質皮膜である。第1陽極酸化皮膜6において細孔6Aの底部側にはバリア層6Bが形成され、このバリア層6Bより下側はアルミニウム基材5の素地となっている。なお、図11の模式図において、細孔6Aの配列は実際は平面視正三角形格子状であるが、図2では図面を見やすくするために細孔配列に関し四方配列状に略記している。
電解液中でアルミニウム基材5を陽極として通電すると、アルミニウム基材表面の素地にバリア層が生成し、このバリア層がアルミニウム基材の深さ方向に成長すると細孔が生成されて成長し、アルミニウム基材5の深さ方向に成長するので、図11に示す多孔質層となる。電解液は0.1~0.3Mシュウ酸水溶液などを用い、25~80V程度の電圧で数時間程度、陽極酸化する条件を選択できる。浴温は0~30℃の範囲を適宜選択することができる。
電解液は、シュウ酸水溶液の他に、シュウ酸、リン酸、硫酸、リンゴ酸、クエン酸のうちいずれか一つ以上を含む水溶液などを用いることができる。
【0023】
図4に示すように第1陽極酸化皮膜6上に平面視格子状のマスク層7を形成する。マスク層7は、ネオプレン製のレジストマスクなどを使用することができる。例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などからなるスタンプを用いてレジストを格子状に転写することにより図4に示すマスク層7を形成できる。
図4に例示する格子状のマスク層7は、ライン状の縦層7Aとライン状の横層7Bを格子状に設けた層であり、縦層7Aと横層7Bに覆われていない領域では第1陽極酸化皮膜6が露出されている。縦層7Aと横層7Bの幅は、アルミニウム基材5の面積に合わせて1μm程度以上に形成される。縦層7Aは第1陽極酸化皮膜6の平面視長辺部分と平行に一方の端部側から他方の端部側まで到達するように形成する。横層7Bは第1陽極酸化皮膜6の平面視短辺部分と平行に一方の端部側から他方の端部側まで到達するように形成する。
マスク層7の形成には、フォトリソグラフィーの他に、スクリーン印刷、ロールtoロール方式など、大面積パターン形性技術を利用できる。これらを適用すると、メーターサイズあるいはそれ以上大きなサイズのアルミニウム基材に対するマスク層の形成に適用できる。
【0024】
図5に示すようにマスク層7を形成後のアルミニウム基材5に対し、クロム酸リン酸水溶液などのエッチング液を用いてウエットエッチングを行う。このウエットエッチングによりマスク層7で覆われていない領域の第1陽極酸化皮膜6は蝕刻により除去され、縦層7Aと横層7Bの下方に位置する第1陽極酸化皮膜6が格子状の補強部となって残留する。このため、マスク層7の下に第1陽極酸化皮膜6の一部からなる平面視格子状の補強部8を形成できる。
この後、マスク層7を除去するために400℃などの高温に加熱することで図6に示すように、アルミニウム基材5上に格子状の補強部8を設けた構造を得ることができる。なお、ウエットエッチングにより蝕刻したアルミニウム基材5の蝕刻部分(上面部分)は、第1陽極酸化皮膜6のバリア層を除去することにより、ディンプル形状の凹凸部9が形成された状態となっている。
【0025】
マスク層7を除去した後のアルミニウム基材5に対し、再度上述の条件と同等の条件で第2回目の陽極酸化処理を行うと、アルミニウム基材5の上面に、図7に示すように第2陽極酸化皮膜11を形成することができる。第2陽極酸化皮膜11は、補強部8で覆われていないアルミニウム基材5の上面に形成されるとともに、補強部8で覆われているアルミニウム基材5の上面、即ち補強部8の下部側にも形成される。補強部8は、第1回目の陽極酸化処理により形成した陽極酸化皮膜6から構成されているため、既に多孔質構造とされている。このため、第2回目の陽極酸化処理を施すことでそのまま多孔質構造が成長して補強部8の下方のアルミニウム基材も多孔質構造となる。従って、第2陽極酸化皮膜11は、アルミニウム基材5の上面全体に形成される。
第2回目の陽極酸化処理を行う場合、陽極酸化電圧の調節により第2陽極酸化皮膜11の細孔径を10nm~1μm程度の範囲で任意に調節することができる。また、陽極酸化時間を変化させると、第2陽極酸化皮膜11の膜厚を調節することができる。
また、先の条件と同一の陽極酸化電圧で陽極酸化を行えば、地金表面に形成された各窪みが新たな細孔発生の開始点として機能するため、サイズの均一な細孔を規則的に配列した第2陽極酸化皮膜11を得ることもできる。
【0026】
次に、第2陽極酸化皮膜11を形成した条件と異なる条件で第3回目の陽極酸化処理を行い、図8に示すように第3陽極酸化皮膜12を形成する。図12に参考のために第2陽極酸化皮膜11の底部側に形成した第3陽極酸化皮膜12を模式的に記載する。なお、細孔6Aの配列は実際は平面視正三角形格子状に形成されるが、図12では図面を見やすくするために略記している。
第3回目の陽極酸化処理は、10M以上、例えば、12M~14Mなどの高濃度硫酸溶液(10M以上の濃度の酸からなる溶液)を用い、40V程度の電圧を印加しつつ数10分間程度、実施する。この第3回目の陽極酸化処理を施すことにより、第2陽極酸化皮膜11の底部側が成長してアルミニウム基材5の上面全域に高溶解性の第3陽極酸化皮膜12を形成できる。
高濃度硫酸溶液を用いて陽極酸化を行う際に、第2陽極酸化皮膜11と同じ陽極酸化電圧に調節すると、細孔配列規則性を損なうことなく第3陽極酸化皮膜12を形成することができる。
【0027】
この高溶解性の第3陽極酸化皮膜12は、クロムリン酸水溶液などに10分間程度浸漬することにより溶解する。このため、第3陽極酸化皮膜12を溶解すると、アルミニウム基材5から、第2陽極酸化皮膜11からなるポーラスアルミナ層13と補強部8が一体となったアルミナスルーホールメンブレンAを図9に示すように得ることができる。
このアルミナスルーホールメンブレンAは、薄いポーラスアルミナ層13を補強部8で補強した構造となり、図1に示す構造と同等の構造となる。
以上説明した製造方法では、第2陽極酸化皮膜11を形成する場合の陽極酸化時間を調整し、皮膜厚さを調節することにより、最終的に得られるポーラスアルミナ層13の厚さを調節できる。例えば、ポーラスアルミナ層13の厚さとして、100μm程度に調整するとポーラスアルミナ層13単独でトマトをカットできる程度の強度を得ることができ、自立膜として容易にハンドリングできる程度の強度を有する。
【0028】
しかし、ポーラスアルミナ層13の膜厚が大きくなるほど、細孔の深さも深くなり、細孔形状が円柱状であることから、フィルター用途として考慮した場合、圧力損失が上昇し、液体や気体の透過性が著しく低下する。
ポーラスアルミナ層13の膜厚を1μm程度にすると、細孔深さが浅いことから、高い媒質透過性能を示すが、膜厚1μmあるいは1μm以下では強度が低く、自立膜として扱うことは難しくなる。一例として、膜厚100nmでは、機械強度が著しく低く、自立膜として扱うことも不可能となる。
ポーラスアルミナ層13の膜厚として、例えば、50nm~5μm程度の膜厚とすることができ、より好ましくは50nm~3μm程度の膜厚を選択できる。
【0029】
上述のように補強部8で補強したポーラスアルミナ層13を有する構成であると、自立性を有し、高機械強度を保持しながら、媒質透過性に優れたフィルター用途のアルミナスルーホールメンブレンAを提供できる。一例として、ポーラスアルミナ層13の膜厚を50μmから50nm程度まで薄くすると、液体の透過堆積を1000倍まで向上させることができるアルミナスルーホールメンブレンを提供できる。
例えば、図15に示すように細孔6Aを円柱状と見立てると、Hagen-Poiseuille式から、Q:流体の堆積、a:管の半径、ρ=圧力、t:時間、μ;粘性係数、l:細孔深さと仮定すると、Q=πaρt/8μlの関係となるので、上述の関係となる。
【0030】
上述の製造方法によれば、アルミニウム基材5の大きさは任意で良く、メーターサイズあるいはそれ以上大きなポーラスアルミナ層13を製造できる。従って、媒質透過性に優れたポーラスアルミナ層13を備えたメーターサイズあるいはそれ以上に大きなアルミナスルーホールメンブレンAを得ることができる。
【0031】
第3陽極酸化皮膜12を溶解し、アルミニウム基材5からポーラスアルミナ層13を分離する状態は図13に示すように模式的に表示することができる。また、この分離によりアルミニウム基材5の表面には、第3陽極酸化皮膜12のバリア層12Aを除去することにより、ディンプル形状の凹凸部14が図14に示すように形成された状態となる。
ディンプル形状の凹凸部14を上面に備えたアルミニウム基材5は、そのまま次のアルミナスルーホールメンブレンの製造に利用できる。
【0032】
ここまで説明したアルミナスルーホールメンブレンの製造方法と全く同じ方法を繰り返すことにより、再度アルミニウム基材5からアルミナスルーホールメンブレンを製造することができる。アルミニウム基材5として必要な厚さの板状あるいは直方体状のアルミニウム基材を最初に用意して製造を行うと、1つのアルミニウム基材5から繰り返し複数のアルミナスルーホールメンブレンAを得ることができる。
以上説明したアルミナスルーホールメンブレンの製造方法では、陽極酸化処理とエッチング処理という工業的に実施が容易なプロセスを用いて、アルミナスルーホールメンブレンを製造することができる。
【0033】
以上説明のように得られたアルミナスルーホールメンブレンAは、環境汚染微粒子の分離除去用のフィルターとして、ウィルスや大腸菌を効果的に分離するフィルターとして、あるいは、大気からCOを直接分離するフィルターとして有望と考えられる。
また、アルミニウムの陽極酸化技術という汎用技術の応用であるため、アルミナスルーホールメンブレンAは安価に製造可能である。
【0034】
図10はレジスト層を利用し、アルミナスルーホールメンブレンの細孔径を調整する方法について示す。
図10(A)に示すようにアルミニウム基材5に細孔6Aを有する陽極酸化皮膜6を形成後、陽極酸化皮膜6の表面にマスク層20を形成する。マスク層20として、細孔6Aの数個分の透孔20Aを等間隔で複数形成したマスク層を用いる。
この後、エッチング液に全体を浸漬すると、透孔20Aからエッチング液を細孔6Aに含浸できるので、図10(B)~図10(C)に示すように細孔6Aの周囲のアルミニウムを溶解することができ、マスク層20透孔20Aの内径に見合った内径を有する孔部6Bを複数有する超極酸化皮膜22を得ることができる。
【0035】
このアルミニウム基材5を用いて先の図4図9を基に説明した方法を適用することでアルミナスルーホールメンブレンを製造することができる。
この例のアルミナスルーホールメンブレンでは、エッチングにより細孔6Aよりも大きな内径の孔部6Bを有する。
この例のようにマスク層20を用いたエッチングにより細孔6Aのサイズを大きい側に調整することができる。これにより、陽極酸化処理時の電圧調整とは別に孔径を制御したアルミナスルーホールメンブレンを製造できるようになる。
マスク層20に形成する透孔20Aの形状は任意の形状を選択できるので、アルミナスルーホールメンブレンに形成する細孔の形状を幾何学的に任意の形状に制御することができる。
【実施例0036】
図3図9を基に先に説明した製造方法に準拠しつつアルミナスルーホールメンブレンを製造した。
「1.自己規則化100nm周期ポーラスアルミナ層の形成」
電解研磨したアルミニウム板を0.3Mシュウ酸水溶液に浸漬し、液温16℃、40Vの電圧条件で6時間、陽極酸化した。この後、70度の1.8wtクロム酸と6wt%リン酸の混酸水溶液(以下、クロム酸リン酸は全てこの濃度を適用)中において、一旦脱膜した。脱膜は、クロムリン酸混酸水溶液、液温80℃に試料を1h程度浸漬することで行った。その後、同一条件で4h陽極酸化した。以上の処理により、アルミニウム板の表面に細孔100nm周期の陽極酸化ポーラスアルミナ層(第1陽極酸化皮膜)を形成した。
【0037】
「2.PDMSスタンプを用いたマスク層の形成」
PDMSスタンプ(周期2μm、突起高さ200nm程度の円柱状ピラーアレイが複数形成されたスタンプ)を0.75wt%ネオプレン溶液(トルエン溶液)に浸漬後、3mm/secで引き上げ。得られたスタンプを80℃に設定したホットプレート上で10min熱処理した。表面にネオプレン製のレジストマスクを形成したPDMSスタンプを、前述の陽極酸化ポーラスアルミナ層に押し付けることにより、スタンプ表面のレジストをポーラスアルミナ層の表面に転写した。マスク層形成後の試料を250℃で3min間ポストベイクし、マスク層を硬化させた。
【0038】
「3.マスク層開口部のエッチング」
レジストマスク層形成後の陽極酸化ポーラスアルミナ層を30℃のクロム酸リン酸水溶液で80minウエットエッチングした。これにより、レジストマスク層開口部のポーラスアルミナ層を全て溶解除去し、底部にアルミニウム板の地金が露出したマイクロホールを形成した。
【0039】
「4.レジストマスク層の焼き飛ばし」
試料表面に残っているレジストマスク層を除去する(焼き飛ばす)ために、試料を400℃で1h熱処理した。
「5.第2回目の陽極酸化処理」
熱処理後の試料を0.3Mシュウ酸水溶液に浸漬し、電圧40V、浴温17℃の条件下で7分間陽極酸化した。
【0040】
「6.第3回目の陽極酸化処理」
12Mの硫酸浴を用いて0℃、電圧40Vにおいて20分間陽極酸化することによって、第2回目の陽極酸化処理で形成した陽極酸化皮膜の底部に溶解性の高いアルミナ層を形成した。
「7.メンブレンの剥離」
浴温30℃のクロムリン酸水溶液に、試料を10分間浸漬することで、硫酸浴中で形成した溶解性の高い陽極酸化皮膜を選択的に溶解除去し、円柱状の丸孔が多数形成された膜状の補強部により支持されたポーラスアルミナ層を有するアルミナスルーホールメンブレンを剥離した。
【0041】
図16は、得られたアルミナスルーホールメンブレンにおいて膜厚35μmの補強部を示すSEM像(倍率5000×)、図17は、補強部で支持された膜厚800nmのポーラスアルミナ層を備えたアルミナスルーホールメンブレンを示すSEM像(倍率39000×)である。
図18は、図17に示す補強部で支持されたポーラスアルミナ層のSEM像(倍率3200×)であり、図19図18に示すポーラスアルミナ層部分のSEM像(倍率44000×)、図20は円筒状の孔部を多数整列形成した膜状の補強部のSEM像(倍率5000×)である。
図16図20に示すように、補強部により薄いポーラスアルミナ層を支持した構成のアルミナスルーホールメンブレンを得ることができた。
【0042】
図21は、図4図9を基に説明したアルミナスルーホールメンブレンの製造方法において、補強部を形成することを略し、アルミニウム基材に第2陽極酸化皮膜と第3陽極酸化皮膜を形成し、第3陽極酸化皮膜を溶解して得たポーラスアルミナ層からなるアルミナスルーホールメンブレンシートを示す。この例のアルミナスルーホールメンブレンシートの厚さは100μmである。
この程度の厚さのアルミナスルーホールメンブレンシートであれば、ハンドリングは可能であり、トマトを切断できる程度の強度を有する。このアルミナスルーホールメンブレンシートには、内径数10nmの均一な細孔を形成できている。
ただし、このアルミナスルーホールメンブレンシートで強度が不足することを考慮し、上述の補強部を備えたアルミナスルーホールメンブレンであれば、機械強度をより高くすることができる。
図21ではポーラスアルミナ層において平面視正三角形格子状に細孔が配列されていることが表示されている。本明細書において図2図11図12図13図14等では図面の簡略記載のため、細孔の配列を四方配列状に略記したが、上述の陽極酸化条件においてはいずれも平面視正三角形格子状に細孔が配列する。なお、陽極酸化条件によっては細孔を四方配列状に形成することも可能であるので、本明細書において四方配列状に細孔を形成した構成を除外するものではない。
【符号の説明】
【0043】
A…アルミナスルーホールメンブレン、1…ポーラスアルミナ層、2…補強部、5…アルミニウム基材、6…第1陽極酸化皮膜、7…マスク層、8…補強部、9…凹凸部、11…第2陽極酸化皮膜、12…第3陽極酸化皮膜、13…ポーラスアルミナ層、14…凹凸部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図16
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図19
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図21