(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032561
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】角速度検出素子および角速度センサー
(51)【国際特許分類】
G01C 19/5607 20120101AFI20240305BHJP
H10N 30/853 20230101ALI20240305BHJP
H10N 30/30 20230101ALI20240305BHJP
【FI】
G01C19/5607
H01L41/187
H01L41/113
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136281
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100173428
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】小倉 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 啓一
(72)【発明者】
【氏名】西澤 竜太
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105BB02
2F105BB12
2F105CC01
2F105CD02
2F105CD06
(57)【要約】
【課題】角速度の検出感度を高め易い角速度検出素子および角速度センサーを提供すること。
【解決手段】角速度検出素子は、印加される駆動信号に応じて屈曲振動する駆動振動腕と、印加される角速度に応じて屈曲振動する検出振動腕と、を有し、前記駆動振動腕および前記検出振動腕は、それぞれ、延在方向に沿う有底の溝部を有し、前記駆動振動腕の厚さをt1、前記駆動振動腕の前記溝部の深さをd1とし、前記検出振動腕の厚さをt2、前記検出振動腕の前記溝部の深さをd2としたとき、d2/t2>d1/t1である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印加される駆動信号に応じて屈曲振動する駆動振動腕と、
印加される角速度に応じて屈曲振動する検出振動腕と、を有し、
前記駆動振動腕および前記検出振動腕は、それぞれ、延在方向に沿う有底の溝部を有し、
前記駆動振動腕の厚さをt1、前記駆動振動腕の前記溝部の深さをd1とし、
前記検出振動腕の厚さをt2、前記検出振動腕の前記溝部の深さをd2としたとき、
d2/t2>d1/t1であることを特徴とする角速度検出素子。
【請求項2】
d2/t2≧0.8661×d1/t1+0.1582である請求項1に記載の角速度検出素子。
【請求項3】
d1/t1≧0.2である請求項1に記載の角速度検出素子。
【請求項4】
d2/t2≦0.9である請求項1に記載の角速度検出素子。
【請求項5】
d1/t1≧0.2であり、
d2/t2≦0.9であり、
d2/t2≧0.8661×d1/t1+0.1582である請求項1に記載の角速度検出素子。
【請求項6】
基部と、
前記基部から第1方向の両側に延出する一対の前記検出振動腕と、
前記基部から前記第1方向に交差する第2方向の両側に延出する一対の支持腕と、
一方の前記支持腕から前記第1方向の両側に延出する一対の前記駆動振動腕と、
他方の前記支持腕から前記第1方向の両側に延出する一対の前記駆動振動腕と、を有する請求項1に記載の角速度検出素子。
【請求項7】
前記検出振動腕および前記駆動振動腕は、それぞれ、前記溝部が設けられている腕部と、前記腕部の先端側に位置し前記腕部よりも幅広の錘部と、を有する請求項6に記載の角速度検出素子。
【請求項8】
各前記検出振動腕は、全ての前記駆動振動腕に対してd2/t2>d1/t1の関係を満足している請求項6に記載の角速度検出素子。
【請求項9】
前記駆動振動腕および前記検出振動腕は、それぞれ、互いに表裏関係にある第1面および第2面を有し、前記第1面および前記第2面のそれぞれに前記溝部が形成されている請求項1または6に記載の角速度検出素子。
【請求項10】
請求項1に記載の角速度検出素子と、
前記角速度検出素子に電気的に接続され、前記駆動信号を前記角速度検出素子に供給すると共に、前記屈曲振動に基づいて角速度を検出する制御回路と、を有することを特徴とする角速度センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角速度検出素子および角速度センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている振動子は、その中央部に位置する基部と、基部からY軸方向両側に延出している一対の検出振動アームと、基部からX軸方向両側に延出している一対の連結アームと、一方の連結アームの先端部からY軸方向両側に延出している一対の駆動振動アームと、他方の連結アームの先端部からY軸方向両側に延出している一対の駆動振動アームと、を有する。また、各検出振動アームおよび各駆動振動アームの上下面には、溝が形成されている。このように、各検出振動アームおよび各駆動振動アームの上下面に溝を形成することにより、角速度の検出感度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の振動子では、各検出振動アームの溝の深さと各駆動振動アームの溝の深さとが同じである。このように、各検出振動アームの溝の深さと各駆動振動アームの溝の深さとが同じである場合、各溝を深くしても角速度の検出感度を高め難いという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の角速度検出素子は、印加される駆動信号に応じて屈曲振動する駆動振動腕と、
印加される角速度に応じて屈曲振動する検出振動腕と、を有し、
前記駆動振動腕および前記検出振動腕は、それぞれ、延在方向に沿う有底の溝部を有し、
前記駆動振動腕の厚さをt1、前記駆動振動腕の前記溝部の深さをd1とし、
前記検出振動腕の厚さをt2、前記検出振動腕の前記溝部の深さをd2としたとき、
d2/t2>d1/t1である。
【0006】
本発明の角速度センサーは、上記の角速度検出素子と、
前記角速度検出素子に電気的に接続され、前記駆動信号を前記角速度検出素子に供給すると共に、前記屈曲振動に基づいて角速度を検出する制御回路と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る角速度センサーを示す断面図である。
【
図2】
図1の角速度センサーが有する角速度検出素子の平面図である。
【
図5】
図2に示す角速度検出素子の駆動状態を示す概略図である。
【
図6】
図2に示す角速度検出素子の駆動状態を示す概略図である。
【
図7】d1=d2のときのd1と感度との関係を示すグラフである。
【
図8】d2/d1と感度との関係を示すグラフである。
【
図9】d2/d1=1、d2/d1=2の場合のd2と感度との関係を示すグラフである。
【
図10】d1=d2、d1=20μm、d1=40μm、d1=60μm、d1=80μmの場合のd2と感度との関係を示すグラフである。
【
図11】d1/t1とd2/t2との関係を示すグラフである。
【
図12】角速度検出素子の変形例を示す断面図であり、
図2中のA-A線断面図に相当する。
【
図13】角速度検出素子の変形例を示す断面図であり、
図2中のB-B線断面図に相当する。
【
図14】第2実施形態に係る角速度検出素子を示す平面図である。
【
図17】
図14に示す角速度検出素子の駆動状態を示す概略図である。
【
図18】
図14に示す角速度検出素子の駆動状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の角速度検出素子および角速度センサーを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る角速度センサーを示す断面図である。
図2は、
図1の角速度センサーが有する角速度検出素子の平面図である。
図3は、
図2中のA-A線断面図である。
図4は、
図2中のB-B線断面図である。
図5および
図6は、それぞれ、
図2に示す角速度検出素子の駆動状態を示す概略図である。
図7は、d1=d2のときのd1と感度との関係を示すグラフである。
図8は、d2/d1と感度との関係を示すグラフである。
図9は、d2/d1=1、d2/d1=2の場合のd2と感度との関係を示すグラフである。
図10は、d1=d2、d1=20μm、d1=40μm、d1=60μm、d1=80μmの場合のd2と感度との関係を示すグラフである。
図11は、d1/t1とd2/t2との関係を示すグラフである。
図12は、角速度検出素子の変形例を示す断面図であり、
図2中のA-A線断面図に相当する。
図13は、角速度検出素子の変形例を示す断面図であり、
図2中のB-B線断面図に相当する。
【0010】
以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸およびZ軸を図示する。また、X軸に沿う方向をX軸方向、Y軸に沿う方向をY軸方向、Z軸に沿う方向をZ軸方向とも言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」とも言い、反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向のプラス側を「上」とも言い、マイナス側を「下」とも言う。また、Z軸方向からの平面視を、単に「平面視」とも言う。
【0011】
図1に示す角速度センサー100は、パッケージ200と、パッケージ200に収容されている角速度検出素子300、角速度検出素子300を支持している支持基板500および制御回路400と、を有する。
【0012】
パッケージ200は、上面に開口する凹部211を備える箱状のベース210と、凹部211の開口を塞ぐようにベース210の上面に接合部材230を介して接合されている板状のリッド220と、を有する。パッケージ200の内側には、凹部211によって気密な内部空間Sが形成され、この内部空間Sに角速度検出素子300、支持基板500および制御回路400が収容されている。
【0013】
また、凹部211は、ベース210の上面に開口する第1凹部211aと、第1凹部211aの底面に開口し、第1凹部211aよりも開口が小さい第2凹部211bと、第2凹部211bの底面に開口し、第2凹部211bよりも開口が小さい第3凹部211cと、を有する。第1凹部211aの底面には、複数の内部端子241が配置され、第2凹部211bの底面には、複数の内部端子242が配置され、ベース210の下面には、複数の外部端子243が配置されている。各内部端子242は、ベース210内に形成されている図示しない内部配線を介して内部端子241または外部端子243と電気的に接続されている。
【0014】
また、第1凹部211aの底面には、TAB(Tape Automated Bonding)と呼ばれる実装用の支持基板500を介して角速度検出素子300が実装されている。そして、支持基板500を介して各内部端子241と角速度検出素子300とが電気的に接続されている。また、第3凹部211cの底面には、制御回路400が実装されている。そして、導電性のワイヤーWを介して制御回路400と内部端子242とが電気的に接続されている。これにより、制御回路400が角速度検出素子300および外部端子243と電気的に接続された状態となる。
【0015】
例えば、ベース210は、アルミナなどのセラミックスで構成され、リッド220は、コバールなどの金属材料で構成されている。これにより、機械的強度に優れるパッケージ200となる。また、これらの線膨張係数差を小さく抑えることができ、熱応力の発生を抑制することができる。ただし、ベース210およびリッド220の構成材料としては、それぞれ、特に限定されない。また、内部空間Sは、減圧状態、好ましくは、より真空に近い状態となっている。これにより、粘性抵抗が減少して角速度検出素子300の振動特性が向上する。ただし、内部空間Sの雰囲気は、特に限定されない。
【0016】
以上、パッケージ200について説明した。ただし、パッケージ200の構成は、特に限定されない。
【0017】
制御回路400は、角速度検出素子300と電気的に接続されており、例えば、角速度検出素子300に後述する駆動信号を供給して角速度検出素子300を駆動振動させるための駆動回路410と、印加された角速度に応じて角速度検出素子300が出力する検出信号に基づいて角速度ωzを検出する検出回路420などを有する。
【0018】
このような制御回路400は、パッケージ200の外側に配置してもよい。また、制御回路400は、省略してもよい。
【0019】
角速度検出素子300は、Z軸まわりの角速度ωzを検出することができる。このような角速度検出素子300は、
図2ないし
図4に示すように、Zカットの水晶基板をパターニングしてなる振動基板310と、振動基板310の表面に成膜されている電極320と、を有する。
【0020】
ただし、振動基板310の構成材料としては、水晶に限定されず、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)などの各種圧電体材料を用いることができる。
【0021】
また、振動基板310は、板状であり、互いに表裏関係にある第1面としての上面310aおよび第2面としての下面310bを有する。また、振動基板310は、その中央部に位置する基部311と、基部311からY軸方向両側に延出する一対の検出振動腕312、313と、基部311からX軸方向両側へ延出する一対の支持腕314、315と、一方の支持腕314の先端部からY軸方向両側に延出する一対の駆動振動腕316、317と、他方の支持腕315の先端部からY軸方向両側に延出する一対の駆動振動腕318、319と、を有する。そして、基部311が支持基板500に接合されている。このような形状の角速度検出素子300によれば、後述するように駆動振動腕316、317、318、319がバランスよく屈曲振動するため、角速度ωzを精度よく検出することができる。なお、以下では、検出振動腕および駆動振動腕を総称して、単に振動腕とも言う。
【0022】
検出振動腕312は、基部311からY軸方向プラス側に延出する腕部312aと、腕部312aの先端側に位置し腕部312aよりも幅(X軸方向の長さ)が広い錘部312bと、を有する。また、検出振動腕312は、腕部312aの上面310aに形成されている有底の溝部312cと、腕部312aの下面310bに形成されている有底の溝部312dと、を有する。溝部312c、312dは、それぞれ、腕部312aに沿って、かつ、腕部312aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部312c、312dは、対称的に形成されている。
【0023】
また、検出振動腕313は、基部311からY軸方向マイナス側に延出する腕部313aと、腕部313aの先端側に位置し腕部313aよりも幅が広い錘部313bと、を有する。また、検出振動腕313は、腕部313aの上面310aに形成されている有底の溝部313cと、腕部313aの下面310bに形成されている有底の溝部313dと、を有する。溝部313c、313dは、それぞれ、腕部313aに沿って、かつ、腕部313aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部313c、313dは、対称的に形成されている。
【0024】
また、駆動振動腕316は、支持腕314からY軸方向プラス側に延出する腕部316aと、腕部316aの先端側に位置し腕部316aよりも幅が広い錘部316bと、を有する。また、駆動振動腕316は、腕部316aの上面310aに形成されている有底の溝部316cと、腕部316aの下面310bに形成されている有底の溝部316dと、を有する。溝部316c、316dは、それぞれ、腕部316aに沿って、かつ、腕部316aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部316c、316dは、対称的に形成されている。
【0025】
また、駆動振動腕317は、支持腕314からY軸方向マイナス側に延出する腕部317aと、腕部317aの先端側に位置し腕部317aよりも幅が広い錘部317bと、を有する。また、駆動振動腕317は、腕部317aの上面310aに形成されている有底の溝部317cと、腕部317aの下面310bに形成されている有底の溝部317dと、を有する。溝部317c、317dは、それぞれ、腕部317aに沿って、かつ、腕部317aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部317c、317dは、対称的に形成されている。
【0026】
また、駆動振動腕318は、支持腕315からY軸方向プラス側に延出する腕部318aと、腕部318aの先端側に位置し腕部318aよりも幅が広い錘部318bと、を有する。また、駆動振動腕318は、腕部318aの上面310aに形成されている有底の溝部318cと、腕部318aの下面310bに形成されている有底の溝部318dと、を有する。溝部318c、318dは、それぞれ、腕部318aに沿って、かつ、腕部318aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部318c、318dは、対称的に形成されている。
【0027】
また、駆動振動腕319は、支持腕315からY軸方向マイナス側に延出する腕部319aと、腕部319aの先端側に位置し腕部319aよりも幅が広い錘部319bと、を有する。また、駆動振動腕319は、腕部319aの上面310aに形成されている有底の溝部319cと、腕部319aの下面310bに形成されている有底の溝部319dと、を有する。溝部319c、319dは、それぞれ、腕部319aに沿って、かつ、腕部319aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部319c、319dは、対称的に形成されている。
【0028】
このように、各振動腕312、313、316、317、318、319に錘部312b、313b、316b、317b、318b、319bを配置することにより、その質量効果によって、各振動腕312、313、316、317、318、319を短くして角速度検出素子300の小型化を図ったり、角速度検出素子300の共振周波数を低めたりすることができる。また、各振動腕312、313、316、317、318、319の長さが同じ場合には、錘部312b、313b、316b、317b、318b、319bがない構成と比較して、各腕部312a、313a、316a、317a、318a、319aを太くすることができ、その分、屈曲振動時の熱弾性損失が低減され、Q値が高まる。また、錘部312b、313b、316b、317b、318b、319bに質量調整用の金属膜を配置し、この金属膜の一部をレーザー照射などによって除去することで共振周波数の微調整を行うこともできる。ただし、錘部312b、313b、316b、317b、318b、319bは、省略してもよい。
【0029】
電極320は、第1検出信号電極321と、第1検出接地電極322と、第2検出信号電極323と、第2検出接地電極324と、駆動信号電極325と、駆動接地電極326と、を有する。このうち、第1検出信号電極321は、検出振動腕312の上面310aおよび下面310bに配置され、第1検出接地電極322は、検出振動腕312の両側面に配置されている。また、第2検出信号電極323は、検出振動腕313の上面310aおよび下面310bに配置され、第2検出接地電極324は、検出振動腕313の両側面に配置されている。また、駆動信号電極325は、駆動振動腕316、317の上面310aおよび下面310bと、駆動振動腕318、319の両側面と、に配置されている。また、駆動接地電極326は、駆動振動腕316、317の両側面と、駆動振動腕318、319の上面310aおよび下面310bと、に配置されている。図示しないが、これら各電極321、322、323、324、325、326は、基部311の下面まで引き出され、基部311の下面において支持基板500と電気的に接続されている。
【0030】
以上、角速度検出素子300の構成について簡単に説明した。このような構成の角速度検出素子300は、次のようにしてZ軸まわりの角速度ωzを検出する。
【0031】
駆動信号電極325と駆動接地電極326との間に駆動信号を印加すると、
図5に示すように、駆動振動腕316、317と駆動振動腕318、319とがX軸方向に逆相で屈曲振動する(この状態を「駆動振動モード」とも言う)。この状態では駆動振動腕316、317、318、319の振動がキャンセルされて、検出振動腕312、313は、振動しない。この状態で、角速度検出素子300に角速度ωzが加わると、
図6に示すように、駆動振動腕316、317、318、319にコリオリの力が働いてY軸方向の屈曲振動が励振され、この屈曲振動に呼応するように検出振動腕312、313がX軸方向に屈曲振動する(この状態を「検出振動モード」とも言う)。このような屈曲振動によって検出振動腕312に発生した電荷を第1検出信号電極321から第1検出信号として取り出し、検出振動腕313に発生した電荷を第2検出信号電極323から第2検出信号として取り出し、これら第1、第2検出信号に基づいて角速度ωzが求められる。なお、第1、第2検出信号は、互いに逆相の信号であるため、差動検出方式を用いることで、より精度よく角速度ωzを検出することができる。
【0032】
次に、各振動腕312、313、316、317、318、319に形成されている溝部の構成について詳細に説明する。なお、検出振動腕312、313は、互いに同様の構成であり、駆動振動腕316、317、318、319は、互いに同様の構成である。したがって、以下では、説明の便宜上、検出振動腕312、313については、検出振動腕312を代表して説明し、駆動振動腕316、317、318、319については、駆動振動腕316を代表して説明する。
【0033】
前述したように、検出振動腕312には、一対の溝部312c、312dが形成されており、駆動振動腕316には、一対の溝部316c、316dが形成されている。そのため、各振動腕312、316の屈曲振動時の熱伝達経路を長くすることができ、熱弾性損失が低減され、Q値が高まる。さらには、各振動腕312、316が柔らかくなり、これらがX軸方向に屈曲変形し易くなる。そのため、駆動振動モードでの駆動振動腕316の振幅を大きくすることができる。駆動振動腕316の振幅が大きいほどコリオリ力が大きくなり、検出振動モードでの検出振動腕312の振幅がより大きくなる。そのため、より大きな検出信号が得られ、角速度ωzの検出感度が高まる。
【0034】
以下、
図3に示すように、駆動振動腕316の厚さをt1、駆動振動腕316の溝部316c、316dの深さをd1とし、検出振動腕312の厚さをt2、検出振動腕312の溝部312c、312dの深さをd2として、d2/t2とd1/t1との関係について詳細に説明する。なお、d1は、溝部316c、316dの深さの合計である。溝部316c、316dが対称的に形成されているため、溝部316c、316dの深さは、それぞれ、d1/2である。同様に、d2は、溝部312c、312dの深さの合計である。溝部312c、312dが対称的に形成されているため、溝部312c、312dの深さは、それぞれ、d2/2である。
【0035】
また、例えば、振動基板310をウェットエッチングによりパターニングした場合など、水晶の結晶角が表れて溝部312c、312d、316c、316dが一定の深さではない形状となる場合がある。このような場合、溝部312c、312d、316c、316dの深さは、最も深い箇所での深さを意味する。また、本実施形態では、t1、t2は、振動基板310の板厚に相当し、t1=t2である。ただし、これに限定されず、t1≠t2であってもよい。
【0036】
図7に、d1、d2(ただし、d1=d2)と角速度ωzの検出感度(感度)との関係を示す。なお、振動基板310の板厚つまりt1、t2は、100μmである。また、検出感度は、d1、d2が60μmのときの検出感度を1とした比で表している。同図から分かるように、d1、d2が深くなるほど検出感度が高まっている。しかしながら、d1、d2を90μm(板厚の90%)としても、d1、d2が60μm(板厚の60%)のときと比較して検出感度が1.09倍にしか高まっていない。このことから、d1=d2である場合、d1、d2を大きくしても検出感度が高まり難いことが分かる。
【0037】
図8に、d2/d1と検出感度との関係を示す。なお、振動基板310の板厚つまりt1、t2は、100μmである。また、検出感度は、従来の構成であるd2/d1=1のときの検出感度を1とした比で表している。同図から分かるように、d2/d1が大きくなるほど検出感度が高まっている。つまり、駆動振動腕316の溝部316c、316dに対して、検出振動腕312の溝部312c、312dが深くなるほど検出感度が高まっている。そして、d2/d1>1の領域で、従来の構成よりも検出感度を高められることが分かる。したがって、角速度検出素子300では、d2/d1>1、つまり、d2/t2>d1/t1を満足している。これにより、従来の構成よりも検出感度を高めることができる。
【0038】
図9に、d2/d1=1、d2/d1=2の場合について、d2と検出感度との関係を示す。なお、振動基板310の板厚つまりt1、t2は、100μmである。同図から分かるように、d2/d1=2の方がd2/d1=1よりも検出感度の上昇率が大きい。したがって、d2/d1>1、つまり、d2/t2>d1/t1を満足することで、d1、d2を深くすることにより、検出感度をより大きく高めることができる。
【0039】
図10に、d1=d2(□)、d1=20μm(▲)、d1=40μm(△)、d1=60μm(●)、d1=80μm(〇)の場合について、d2と検出感度との関係を示す。また、同図には、d1=d2の各点を直線近似した近似式(1)と、d1=20μmの各点を直線近似した近似式(2)と、d1=40μmの各点を直線近似した近似式(3)と、d1=60μmの各点を直線近似した近似式(4)と、d1=80μmの各点を直線近似した近似式(5)と、を示している。さらに、近似式(1)のd2=100um、つまり、d2=t2での値(=0.872)を求め、y=0.872と各近似式(2)~(5)との交点p(■)を示している。
【0040】
y=0.872は、従来の構成での限界となる感度比を表している。
図11は、d1/t1とd2/t2との関係を示し、
図10中の交点pがプロットされている。また、同図には、各交点pを直線近似した近似式(6)を示している。前述したように、y=0.872が従来の構成での限界となる感度比を表しているため、d2/t2が近似式(6)以上であれば、つまり、d2/t2が
図11中のグレーの領域内にあれば、従来の構成では到達することのできない検出感度となる。したがって、本実施形態では、d2/t2≧0.8661×d1/t1+0.1582を満足しており、これにより、従来の構成では到達することのできない検出感度となる。
【0041】
なお、d1/t1としては、特に限定されないが、d1/t1≧0.2であることが好ましい。これにより、溝部316c、316dが浅くなり過ぎず、駆動振動腕316に加わる応力を十分に小さくすることができる。そのため、駆動振動腕316の破損を効果的に抑制することができる。また、d2/t2としては、特に限定されないが、d2/t2≦0.9であることが好ましい。これにより、溝部312c、312dが深くなり過ぎず、検出振動腕312の機械的強度を十分に高く確保することができる。
【0042】
特に、本実施形態では、各検出振動腕312、313が全ての駆動振動腕316、317、318、319との間で上述の関係、具体的にはd2/t2>d1/t1、d2/t2≧0.8661×d1/t1+0.1582を満足している。これにより、上述した効果がより顕著となり、検出感度をより高めることができる。ただし、これに限定されず、検出振動腕312、313の少なくとも一方が、駆動振動腕316、317、318、319の少なくとも1つとの間で上述の関係を満足していればよい。
【0043】
以上、角速度センサー100について説明した。このような角速度センサー100に含まれる角速度検出素子300は、印加される駆動信号に応じて屈曲振動する駆動振動腕316と、印加される角速度ωzに応じて屈曲振動する検出振動腕312と、を有し、駆動振動腕316は、延在方向に沿う有底の溝部316c、316dを有し、検出振動腕312は、延在方向に沿う有底の溝部312c、312dを有し、駆動振動腕316の厚さをt1、駆動振動腕316の溝部316c、316dの深さをd1とし、検出振動腕312の厚さをt2、検出振動腕312の溝部312c、312dの深さをd2としたとき、d2/t2>d1/t1である。このような構成によれば、従来の構成と比べて、d1、d2を深くすることにより、検出感度をより大きく高めることができる。
【0044】
また、前述したように、角速度検出素子300では、d2/t2≧0.8661×d1/t1+0.1582である。このような関係を満足することにより、従来の構成では到達することのできない領域まで角速度ωzの検出感度を高めることができる。そのため、角速度ωzの検出精度に優れた角速度検出素子300となる。
【0045】
また、前述したように、角速度検出素子300では、d1/t1≧0.2であることが好ましい。これにより、溝部316c、316dが浅くなり過ぎず、駆動振動腕316に加わる応力を十分に小さくすることができる。そのため、駆動振動腕316の破損を効果的に抑制することができる。
【0046】
また、前述したように、角速度検出素子300では、d2/t2≦0.9であることが好ましい。これにより、溝部312c、312dが深くなり過ぎず、検出振動腕312の機械的強度を十分に高く確保することができる。
【0047】
また、前述したように、角速度検出素子300では、d1/t1≧0.2であり、d2/t2≦0.9であり、d2/t2≧0.8661×d1/t1+0.1582である。これにより、検出振動腕312および駆動振動腕316の破損を効果的に抑制しつつ、従来の構成では到達することのできない領域まで検出感度を高めることができる。
【0048】
また、前述したように、角速度検出素子300では、基部311と、基部311から第1方向であるY軸方向の両側に延出する一対の検出振動腕312、313と、基部311からY軸方向に交差する第2方向であるX軸方向の両側に延出する一対の支持腕314、315と、一方の支持腕314からY軸方向の両側に延出する一対の駆動振動腕316、317と、他方の支持腕315からY軸方向の両側に延出する一対の駆動振動腕318、319と、を有する。このような構成によれば、X軸およびY軸に直交するZ軸まわりの角速度ωzを検出することのできる角速度検出素子300となる。
【0049】
また、前述したように、検出振動腕312は、溝部312c、312dが設けられている腕部312aと、腕部312aの先端側に位置し腕部312aよりも幅広の錘部312bと、を有し、駆動振動腕316は、溝部316c、316dが設けられている腕部316aと、腕部316aの先端側に位置し腕部316aよりも幅広の錘部316bと、を有する。これにより、錘部312b、316bの質量効果によって、検出振動腕312および駆動振動腕316を短くして角速度検出素子300の小型化を図ったり、角速度検出素子300の共振周波数を低めたりすることができる。また、各振動腕312、316の長さが同じ場合には、錘部312b、316bがない構成と比較して、各腕部312a、316aを太くすることができ、その分、屈曲振動時の熱弾性損失が低減され、Q値が高まる。
【0050】
また、前述したように、各検出振動腕312、313は、全ての駆動振動腕316、317、318、319に対してd2/t2>d1/t1の関係を満足している。これにより、より確実に、従来の構成と比べて、d1、d2を深くすることにより、検出感度をより大きく高めることができる。
【0051】
また、前述したように、駆動振動腕316および検出振動腕312は、それぞれ、互いに表裏関係にある第1面である上面310aおよび第2面である下面310bを有し、上面310aおよび下面310bのそれぞれに溝部316c、316d、312c、312dが形成されている。これにより、駆動振動腕316では、溝部316c、316dが表裏に対称的に形成され、検出振動腕312では、溝部312c、312dが表裏に対称的に形成される。したがって、駆動振動腕316および検出振動腕312の面外方向への屈曲振動を抑制することができる。そのため、スプリアスの発生が抑制され、角速度ωzを精度よく検出することができる。
【0052】
また、前述したように、角速度センサー100は、角速度検出素子300と、角速度検出素子300に電気的に接続され、駆動信号を角速度検出素子300に供給すると共に、検出振動腕312の屈曲振動に基づいて角速度ωzを検出する制御回路400と、を有する。これにより、上述した角速度検出素子300の効果を享受でき、優れた角速度検出精度を有する角速度センサー100となる。
【0053】
以上、第1実施形態について説明した。ただし、角速度検出素子300の構成は、特に限定されない。例えば、
図12および
図13に示すように、各振動腕312、313、316、317、318、319から下面310b側の溝部312d、313d、316d、317d、318d、319dを省略してもよい。この場合、溝部312c、313cの深さがd2となり、溝部316c、317c、318c、319cの深さがd1となる。
【0054】
<第2実施形態>
図14は、第2実施形態に係る角速度検出素子を示す平面図である。
図15は、
図14中のC-C線断面図である。
図16は、
図14中のD-D線断面図である。
図17および
図18は、それぞれ、
図14に示す角速度検出素子の駆動状態を示す概略図である。
【0055】
本実施形態に係る角速度センサー100は、角速度検出素子の構成が異なること以外は、前述した第1実施形態の角速度センサー100と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態の角速度センサー100に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図では、前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0056】
本実施形態の角速度センサー100では、角速度検出素子300に換えて角速度検出素子600を用いている。
図14ないし
図16に示す角速度検出素子600は、Y軸まわりの角速度ωyを検出することができる。このような角速度検出素子600は、Zカットの水晶基板をパターニングしてなる振動基板610と、振動基板610の表面に成膜されている電極620と、を有する。
【0057】
ただし、振動基板610の構成材料としては、水晶に限定されず、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ホウ酸リチウム(Li2B4O7)、ランガサイト(La3Ga5SiO14)などの各種圧電体材料を用いることができる。
【0058】
また、振動基板610は、板状であり、互いに表裏関係にある第1面としての上面610aおよび第2面としての下面610bを有する。また、振動基板610は、その中央部に位置する基部611と、基部611からY軸方向プラス側に延出する一対の検出振動腕612、613と、基部611からY軸方向マイナス側に延出する一対の駆動振動腕614、615と、を有する。一対の検出振動腕612、613は、X軸方向に並んで配置され、一対の駆動振動腕614、615は、X軸方向に並んで配置されている。
【0059】
また、検出振動腕612は、基部611からY軸方向プラス側に延出する腕部612aと、腕部612aの先端側に位置し腕部612aよりも幅が広い錘部612bと、を有する。また、検出振動腕612は、腕部612aの上面610aに形成されている有底の溝部612cと、腕部612aの下面610bに形成されている有底の溝部612dと、を有する。溝部612c、612dは、それぞれ、腕部612aに沿って、かつ、腕部612aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部612c、612dは、対称的に形成されている。
【0060】
また、検出振動腕613は、基部611からY軸方向プラス側に延出する腕部613aと、腕部613aの先端側に位置し腕部613aよりも幅が広い錘部613bと、を有する。また、検出振動腕613は、腕部613aの上面610aに形成されている有底の溝部613cと、腕部613aの下面610bに形成されている有底の溝部613dと、を有する。溝部613c、613dは、それぞれ、腕部613aに沿って、かつ、腕部613aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部613c、613dは、対称的に形成されている。
【0061】
また、駆動振動腕614は、基部611からY軸方向マイナス側に延出する腕部614aと、腕部614aの先端側に位置し腕部614aよりも幅が広い錘部614bと、を有する。また、駆動振動腕614は、腕部614aの上面610aに形成されている有底の溝部614cと、腕部614aの下面610bに形成されている有底の溝部614dと、を有する。溝部614c、614dは、それぞれ、腕部614aに沿って、かつ、腕部614aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部614c、614dは、対称的に形成されている。
【0062】
また、駆動振動腕615は、基部611からY軸方向マイナス側に延出する腕部615aと、腕部615aの先端側に位置し腕部615aよりも幅が広い錘部615bと、を有する。また、駆動振動腕615は、腕部615aの上面610aに形成されている有底の溝部615cと、腕部615aの下面610bに形成されている有底の溝部615dと、を有する。溝部615c、615dは、それぞれ、腕部615aに沿って、かつ、腕部615aの長手方向のほぼ全域に形成されている。また、溝部615c、615dは、対称的に形成されている。
【0063】
なお、検出振動腕612、613でのd2/t2と、駆動振動腕614、615でのd1/t1との関係は、前述した第1実施形態と同様である。
【0064】
電極620は、第1検出信号電極621と、第1検出接地電極622と、第2検出信号電極623と、第2検出接地電極624と、駆動信号電極625と、駆動接地電極626と、を有する。
【0065】
このうち、第1検出信号電極621は、検出振動腕612の上面610aおよび下面610bに配置されており、第1検出接地電極622は、検出振動腕612の両側面に配置されている。また、第2検出信号電極623は、検出振動腕613の上面610aおよび下面610bに配置されており、第2検出接地電極624は、検出振動腕613の両側面に配置されている。また、駆動信号電極625は、駆動振動腕614の上面610aおよび下面610bと、駆動振動腕615の両側面とに配置されており、駆動接地電極626は、駆動振動腕614の両側面と駆動振動腕615の上面610aおよび下面610bとに配置されている。
【0066】
このような構成の角速度検出素子600は、次のようにしてY軸まわりの角速度ωyを検出する。駆動信号電極625と駆動接地電極626との間に駆動信号を印加すると、
図17に示すように、駆動振動腕614、615がX軸方向に逆相で屈曲振動する。この状態では駆動振動腕614、615の振動がキャンセルされて、検出振動腕612、613は、振動しない。この状態で、角速度検出素子600に角速度ωyが加わると、
図18に示すように、駆動振動腕614、615にコリオリの力が働いてZ軸方向の屈曲振動が励振され、この屈曲振動に呼応するように検出振動腕612、613がZ軸方向に屈曲振動する。このような屈曲振動によって検出振動腕612に発生した電荷を第1検出信号電極621から第1検出信号として取り出し、検出振動腕613に発生した電荷を第2検出信号電極623から第2検出信号として取り出し、これら第1、第2検出信号に基づいて角速度ωyが求められる。第1、第2検出信号は、互いに逆相の信号であるため、差動検出方式を用いることで、より精度よく角速度ωyを検出することができる。
【0067】
以上のような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0068】
以上、本発明の角速度検出素子および角速度センサーを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0069】
100…角速度センサー、200…パッケージ、210…ベース、211…凹部、211a…第1凹部、211b…第2凹部、211c…第3凹部、220…リッド、230…接合部材、241…内部端子、242…内部端子、243…外部端子、300…角速度検出素子、310…振動基板、310a…上面、310b…下面、311…基部、312…検出振動腕、312a…腕部、312b…錘部、312c…溝部、312d…溝部、313…検出振動腕、313a…腕部、313b…錘部、313c…溝部、313d…溝部、314…支持腕、315…支持腕、316…駆動振動腕、316a…腕部、316b…錘部、316c…溝部、316d…溝部、317…駆動振動腕、317a…腕部、317b…錘部、317c…溝部、317d…溝部、318…駆動振動腕、318a…腕部、318b…錘部、318c…溝部、318d…溝部、319…駆動振動腕、319a…腕部、319b…錘部、319c…溝部、319d…溝部、320…電極、321…第1検出信号電極、322…第1検出接地電極、323…第2検出信号電極、324…第2検出接地電極、325…駆動信号電極、326…駆動接地電極、400…制御回路、410…駆動回路、420…検出回路、500…支持基板、600…角速度検出素子、610…振動基板、610a…上面、610b…下面、611…基部、612…検出振動腕、612a…腕部、612b…錘部、612c…溝部、612d…溝部、613…検出振動腕、613a…腕部、613b…錘部、613c…溝部、613d…溝部、614…駆動振動腕、614a…腕部、614b…錘部、614c…溝部、614d…溝部、615…駆動振動腕、615a…腕部、615b…錘部、615c…溝部、615d…溝部、620…電極、621…第1検出信号電極、622…第1検出接地電極、623…第2検出信号電極、624…第2検出接地電極、625…駆動信号電極、626…駆動接地電極、d1…深さ、d2…深さ、t1…厚さ、t2…厚さ、S…内部空間、W…ワイヤー、p…交点、ωy…角速度、ωz…角速度