(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032615
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】換気装置の取り付け方法及び換気装置の交換方法
(51)【国際特許分類】
F24F 7/10 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
F24F7/10 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136360
(22)【出願日】2022-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】514306858
【氏名又は名称】株式会社アイサン
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【弁理士】
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】花井 直樹
(57)【要約】
【課題】換気装置関連作業の途中で天井仕上げ作業を入れず、換気装置の関連作業を効率化する。
【解決手段】換気装置本体5の全下端縁11は天井3に対して下向きで、当該天井3と平行な側方には延出されていない。天井3の開口部7に換気装置本体5を埋め込んで固定すると、下端縁11は天井3の下面に貼着された化粧シート9の下面にははみ出していない。したがって、換気装置本体5を取り付けるなどの作業を、天井3に化粧シート9を貼るなどの天井3の仕上げの後にする必要がなくなる。よって、天井3仕上げの前に換気装置本体5を取り付けることができ、換気装置本体5取り付けを天井3の仕上げまで待つ必要がない。開口部7形成、天井裏4のダクト2配置、換気装置本体5の配線、ダクト2と換気装置本体5との接続といった、換気装置1関連作業に換気装置本体5取り付け作業をあわせてでき、作業効率が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井裏に設置され屋外と連通するダクトに換気装置本体を接続するとともに、 当該換気装置本体の全下端縁は天井に対して下向きで、当該天井と平行な側方には延出されておらず、 上記天井に設けられた開口部の内側面に対して、上記換気装置本体の下端縁側面を複数個所で固定して、 上記開口部に当該換気装置本体を埋め込んで当該換気装置本体を取り付ける換気装置取り付け方法。
【請求項2】
上記枠体側面への上記換気装置本体の下端縁側面の取り付け位置は上下に調整可能であり、これに応じて上記換気装置本体の上記ダクトへの接続方向が調整可能であることを特徴とする請求項1記載の換気装置取り付け方法。
【請求項3】
上記開口部全体を覆い、通気性を有する覆い部が、当該開口部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項2記載の換気装置取り付け方法。
【請求項4】
上記換気装置が取り付けられた後に、上記天井の下面が仕上げられ、この後上記覆い部が当該天井の上記開口部に取り付けられることを特徴とする請求項3記載の換気装置取り付け方法。
【請求項5】
上記天井の下面が仕上げられた後に、上記換気装置が取り付けられ、この後上記覆い部が当該天井の上記開口部に取り付けられることを特徴とする請求項3記載の換気装置取り付け方法。
【請求項6】
上記請求項4の換気装置取り付け方法と上記請求項5の換気装置取り付け方法とが作業の進行または現場の状況に応じて選択されることを特徴とする換気装置取り付け方法。
【請求項7】
天井裏に設置され屋外と連通するダクトに接続され、天井裏に設置されている古い換気装置本体であって、 上記天井に設けられた開口部に埋め込まれ、室内の換気を行う古い換気装置本体につき、 上記古い換気装置本体の下端縁にて、上記天井と平行な方向に外方へ延出された延出部の上記天井下面への固定を解除して、 上記ダクトから上記古い換気装置本体の接続を外すとともに、当該古い換気装置本体を取り外し、
上記ダクトに新しい換気装置本体を接続するとともに、 当該新しい換気装置本体の全下端縁は天井に対して下向きで、天井と平行な側方には延出されておらず、 当該新しい換気装置本体の下端縁側面を上記開口部の内側面に複数個所で固定して、 上記古い換気装置本体の取り付けられていた開口部に当該新しい換気装置本体を取り付けることを特徴とする換気装置交換方法。
【請求項8】
上記新しい換気装置本体の下端縁側面の枠体側面の取り付け位置は上下に調整可能であり、これに応じて新しい換気装置本体の上記ダクトへの接続方向が調整可能であることを特徴とする請求項7記載の換気装置交換方法。
【請求項9】
上記開口部全体を覆い、通気性を有する覆い部が、当該開口部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項8記載の換気装置交換方法。
【請求項10】
上記覆い部が取り外され、次いで上記古い換気装置が取り外され、さらに上記新しい換気装置が取り付けられ、次いで上記覆い部が当該天井の上記開口部に取り付けられることを特徴とする請求項9記載の換気装置交換方法。
【請求項11】
上記新しい換気装置が取り付けられた後、上記古い換気装置が取り外された後、または上記覆い部が取り外された後に、上記天井の下面の仕上げがなされることを特徴とする請求項10記載の換気装置交換方法
【請求項12】
上記天井の下面の仕上げを、上記新しい換気装置が取り付けられた後に行うか、上記古い換気装置が取り外された後に行うか、または上記覆い部が取り外された後に行うかを、作業の進行または現場の状況に応じて選択することを特徴とする請求項11記載の換気装置交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に設けられた開口部に埋め込まれ、室内の換気を行う換気装置の取り付け方法または交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような換気装置の取り付け作業または交換作業は、天井に化粧シートを貼るなどの天井の仕上げの作業の後に行わなくてはならなかった。なぜなら、換気装置本体の全下端縁は天井と平行な側方に延出されて、天井に設けられた開口部より外の化粧シートの部分まで延出されており、天井下面の化粧シート部分において、天井に当該延出部分の複数個所で固定されるため、天井仕上げ後に、換気装置の取り付けを行わなくてはならなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平08-049898号公報
【特許文献2】特開2010-164254号公報
【特許文献3】特開2010-164202号公報
【特許文献4】特開2010-117111号公報
【特許文献5】特開2009-186042号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そうすると、天井裏のダクト工事の後、さらに、上記天井の仕上げを行い、この後、ダクトと換気装置との接続とを行ない、さらに換気装置の取り付けを行わなくてはならず、換気装置の作業工程の途中で、換気装置の取り付け作業を中断して、天井の仕上げ作業を入れなくてはならず、手間がかかり、作業効率が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の換気装置取り付け方法では、 天井裏に設置され屋外と連通するダクトに換気装置本体を接続するとともに、 当該換気装置本体の全下端縁は天井に対して下向きで、当該天井と平行な側方には延出されておらず、 上記天井に設けられた開口部の内側面に対して、上記換気装置本体の下端縁側面を複数個所で固定して、 上記開口部に当該換気装置本体を埋め込んで当該換気装置本体を取り付けるようにした。
【0006】
また、本発明の換気装置交換方法では、 天井裏に設置され屋外と連通するダクトに接続され、天井裏に設置されている古い換気装置本体であって、 上記天井に設けられた開口部に埋め込まれ、室内の換気を行う古い換気装置本体につき、 上記古い換気装置本体の下端縁にて、上記天井と平行な方向に外方へ延出された延出部の上記天井下面への固定を解除して、 上記ダクトから上記古い換気装置本体の接続を外すとともに、当該古い換気装置本体を取り外し、 上記ダクトに新しい換気装置本体を接続するとともに、 当該新しい換気装置本体の全下端縁は天井に対して下向きで、天井と平行な側方には延出されておらず、 当該新しい換気装置本体の下端縁側面を上記開口部の内側面に複数個所で固定して、 上記古い換気装置本体の取り付けられていた開口部に当該新しい換気装置本体を取り付けるようにした。
【発明の効果】
【0007】
これにより、開口部の内側面に対して換気装置本体の下端縁側面を固定するので、換気装置の下縁が、天井の開口部からはみ出すことがなく、換気装置を天井開口部に取り付けた後または換気装置を交換した後に、天井の仕上げをすることができる。さらに、天井裏のダクト設置と換気装置取り付けとダクトと換気装置との接続とを、同じ換気装置の作業工程で実行できる。そして、これらの作業工程の途中で天井仕上げ作業を入れる必要がなくなり、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】換気装置1(新しい換気装置本体5)の全体の側面断面図を示す。
【
図3】換気装置1(古い換気装置本体6)の全体の側面断面図を示す。
【符号の説明】
【0009】
1…換気装置 2…ダクト
3…天井 4…天井裏
5…新しい換気装置本体
6…古い換気装置本体
7…開口部 8…枠体
9…化粧シート 11…下端縁
12…スペーサ 13…長孔
15…覆い部 16…アダプター
17…延出部 18…ねじ
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)換気装置1
図1は本発明の換気装置1(換気扇)全体の新しい換気装置本体5の側面断面図を示す。水平で平坦な天井3の上の天井裏4には、ダクト2が設置され、屋外と連通している。ダクト2には、換気装置本体5、6のアダプター16が連結されている。
【0011】
この連結では、ダクト2の筒にアダプター16の筒が嵌め込まれ、この連結部分に接着テープなどが巻回される。アダプター16は
図1の換気装置本体5、6の左部分において細長く示され、板状であり、アダプター16が枠体8及び天井3に取り付けられた後、換気装置本体5、6が下方からスライドしてアダプター16に取り付けられ合体されたり、また同じく下方へスライドしてアダプター16から取り外されて分離されたりされる。
【0012】
上記天井3の下面には、化粧シート9が貼られ、天井3が仕上げられている。新しい換気装置本体5、古い換気装置本体6(換気装置本体5、6)も、天井裏4に設置され、このアダプター16を介して、ダクト2に接続されたり、取り外されたりされる。
【0013】
換気装置本体5、6は、上記天井3に設けられた開口部7に埋め込まれ、室内の換気を行う。天井裏4には枠体8が水平に設けられ、上記天井3が下面に固定されて支えられる。この天井3と枠体8とは一体化されてもよいし、枠体8が省略されて、枠体8は天井3に含まれてもよい。この枠体8には、上記開口部7の全周囲または一部の周囲、開口部7付近、開口部7以外のその他の天井3が下面に接合され固定されて支えられる。
【0014】
この枠体8の末端は、室内の壁、柱などに固定され、または枠体8の複数個所で吊り下げ器具に連結され、この吊り下げ器具は天井裏4の上の構造躯体下面、屋根下面などに固定されて、天井3が吊り下げら固定・支持される。天井3は板状で室内全体に広がっており、枠体8は断面が正方形または長方形などの方形、その他の形状で、全体として棒状に長い。
【0015】
新しい換気装置本体5(古い換気装置本体6)のケーシングまたはフレームの下末端の全下端縁11…は、樹脂製、金属製などで、天井3の面に対して下向きで垂直方向であり、当該天井3と平行な側方には延出されていない。この全下端縁11は、天井3及び枠体8の厚さより大きい、またはほぼ同じ高さとなっている。
【0016】
この全下端縁11は方形で、上記開口部7も方形で、全下端縁11…の水平方向の縦・横の寸法は、開口部7の水平方向の縦・横の寸法とほぼ同じまたは若干小さい。したがって、開口部7に換気装置本体5(6)が挿入されて埋め込まれて、換気装置本体5(6)が取り付けられ固定される。なお、古い換気装置本体6は、開口部7から取り外され、古い換気装置本体6の取り付けられていた開口部7に新しい換気装置本体5が取り付けられ固定される。
【0017】
換気装置本体5(6)の下端縁11…は、全て、水平状で、かつ直線状である。また、天井3も、開口部7も水平状で、かつ直線状である。これにより、開口部7内に下端縁11…がわずかに入り込むことで、開口部7の下方へ下端縁11…の一部がはみ出したり飛び出したりすることがなく、換気装置本体5(6)を美しく取り付けることができる。
【0018】
上記開口部7の内側面と換気装置本体5(6)の全下端縁11…との間には、板状のスペーサ12…が挿入されて、開口部7の内側面と換気装置本体5(6)の全下端縁11…との間の隙間が塞がれ空気が抜けるのが防止される。
【0019】
このスペーサ12…は、当該隙間が完全に塞がれるように、単数枚または複数枚若しくは厚さが適切に選択される。このスペーサ12…は、硬質樹脂製、軟質樹脂製、金属製、セラミック製、ゴム製などで、室内と天井裏4との通気性を遮断し、天井3と換気装置本体5との密着性を保ち、気密性を保つ。
【0020】
図2は、換気装置本体5、6の下方を示す。換気装置本体5(6)の下端縁11…には、縦に延びる長孔13…が所定間隔ごとに複数形成され、長孔13…をねじ18…が挿通し、さらに上記スペーサ12を貫通し、当該ねじ18…が締められて、開口部7内側面の枠体8側面に固定される。
【0021】
上記ねじ18…のねじやまの径は、上記長孔13…の幅より大きく、ねじ18…によって換気装置本体5(6)が天井3に固定される。これにより、換気装置本体5(6)が天井3に設けられた開口部7に埋め込まれて固定され、室内の換気が行われる。なお、
図2では、ねじ18…は長孔13…の端ではなく途中で留められているが、長孔13…の上縁の端で留められてもよい。
【0022】
この長孔13…によって、上記枠体8側面への上記換気装置本体5(6)の下端縁11側面の取り付け位置は上下に調整可能となり、これに応じて上記換気装置本体5(6)の上記ダクト2への接続方向/接続角度が調整可能でとなり、換気で空気漏れがなくなる。
【0023】
図3は、換気装置1(換気扇)全体の古い換気装置本体6の側面断面図を示す。古い換気装置本体6の下端縁11は新しい換気装置本体5の下端縁11と同じ形状であったが、通常は異なる形状となる。この場合、上記古い換気装置本体6の下端縁11…は、下向きで垂直方向に延びてから上記天井3と平行な方向に外方へ折り曲げられて、さらに同外方へ延出されて延出部17が形成されている。
【0024】
この延出部17には複数の円穴が形成され、この円穴…をねじ18が挿通し、開口部7の外側の天井3下面及び枠体8下面に固定される。そして、このねじ18が緩められて取り外され、当該延出部17の上記枠体8下面及び上記天井3下面への固定が解除され、上記古い換気装置本体6が取り外される。
【0025】
図1、
図3の下方には、覆い部15が示されている。上記開口部7の中の換気装置本体5、6に下面には、覆い部15が着脱自在に取り付けられる。この覆い部15は、開口部7より大きく、開口部7全体を覆ってカバーし、網状などで通気性を有している。
【0026】
この覆い部15の取り付けは、ねじ、ばね、磁石など、種々ある。この覆い部15によって、換気装置本体5、6が覆い隠される。覆い部15は、換気装置本体5、6下面に取り付けられてもよいし、開口部7の周囲の天井3に取り付けられてもよい。
【0027】
上記換気装置本体5、6は、換気を行うため送風羽根またはファンと、これら送風羽根またはファンを回転/駆動するモーターなどの駆動源を有しており、これら送風羽根またはファンが駆動源によって回転することによって、換気装置本体5、6の下方の室内の空気を吸気してダクト2から室外へ排気し、室内の空気の換気が行われる。
【0028】
(2)換気装置1(新しい換気装置本体5)の取り付け方法及び換気装置1(換気装置本体5、6)の交換方法
換気装置1(新しい換気装置本体5)の取り付け方法は以下のとおりである。
(A)まず、天井3に開口部7が形成され、天井裏4にダクト2が配置され、新しい換気装置本体5への配線が接続され、この開口部7の枠体8にアダプター16が固定されるとともに上記ダクト2に接続され、このアダプター16に新しい換気装置本体5がスライドされて合体されるとともに、新しい換気装置本体5が嵌め込まれて埋め込まれ、スペーサ12…が介在されて下端縁11…がねじ18…止めされ、換気装置本体5が開口部7内に固定されて取り付けられる。さらに、天井3の下面に化粧シート9が貼られるなどして、天井3の下面が仕上げられる。
【0029】
最後に、覆い部15が天井3の開口部7に取り付けられ、開口部7が覆い隠される。こうして、換気装置本体5の取り付け作業が終わってから、天井3の仕上げ作業を行うことができ、換気装置本体5の取り付け作業の作業工程の途中で、天井3の仕上げ作業を入れる必要がなくなり、作業効率が向上する。なお、覆い部15の取り付けは、簡単な作業なので、換気装置1の作業者ではなく天井3の仕上げ作業者が行うことができる。
【0030】
ここで、古い換気装置本体6のように、天井3の化粧シート9の下に、換気装置本体6の下端縁が折れ曲がって延出されて天井3下面に当接すれば、換気装置本体5の取り付け作業の作業工程の途中で、天井3の仕上げ作業を入れる必要がどうしても発生してしまい、作業効率が悪くなってしまっていた。(A)の換気装置取り付け方法では、このような不都合は解消される。
【0031】
換気装置1(換気装置本体5)の取り付け方法は以下のようにすることもできる。
(B)まず、天井3に開口部7が形成され、天井裏4にダクト2が配置される。次いで、天井3の下面に化粧シート9が貼られるなどして、天井3の下面が仕上げられる。さらに、換気装置本体5への配線が接続され、この開口部7の枠体8にアダプター16が固定されるとともに上記ダクト2に接続され、このアダプター16に新しい換気装置本体5がスライドされて合体されるとともに、新しい換気装置本体5が嵌め込まれて埋め込まれ、スペーサ12…が介在されて下端縁11…がねじ18…止めされ、換気装置本体5が開口部7内に固定されて取り付けられる。
【0032】
最後に、覆い部15が天井3の開口部7に取り付けられ、開口部7が覆い隠される。こうして、換気装置本体5の取り付け作業の途中で、天井3の仕上げ作業を行ってもよい。この(B)の新しい換気装置取り付け方法は、作業効率が上記(A)の方法に比べて低くなるが、(A)の方法と(B)の方法とを状況に応じて(A)(B)いずれか適宜「選択できる」こと自体が優れているといえる。下端縁が折れ曲がって延出されて天井3下面に当接される古い換気装置本体6では、このような「選択」はできない。
【0033】
このように上記(A)の換気装置1取り付け方法と、上記(B)の換気装置1取り付け方法とは、作業の状況または現場の状況に応じて選択できる。作業の状況または現場の状況とは、換気装置1専門の作業者のスケジュール、換気装置1の部品の調達、天井3の化粧シート9専門の作業者のスケジュール、化粧シート9の素材の調達などである。
【0034】
換気装置1(換気装置本体5、6)の交換方法は以下のとおりである。
(C)まず、覆い部15が天井3から取り外され、古い換気装置本体6の下端縁のねじが緩められて外され、アダプター16と古い換気装置本体6とが分離され、アダプター16を残して、開口部7から古い換気装置本体6が引き出され、古い換気装置本体6が取り外される。
【0035】
次いで、新しい換気装置本体5への配線が接続され、開口部7内のアダプター16に新しい換気装置本体5が合体され、新しい換気装置本体5が嵌め込まれて埋め込まれ、スペーサ12…が介在されて下端縁11…がねじ18…止めされ、新しい換気装置本体5が開口部7内に固定されて取り付けられる。さらに、場合によって、天井3の下面に化粧シート9が貼り替えられるなどして、天井3の下面も新しく仕上げられる。
【0036】
最後に、覆い部15が天井3の開口部7に取り付けられ、開口部7が覆い隠される。こうして、換気装置本体5、6の交換作業が終わってから、天井3の仕上げ作業を行うことができ、換気装置本体5、6の交換作業の作業工程の途中で、天井3の仕上げ作業を入れる必要がなくなり、作業効率が向上する。なお、覆い部15の取り付けは、簡単な作業なので、換気装置1の作業者ではなく天井3の仕上げ作業者が行うことができる。
【0037】
ここで、上記天井3の化粧シート9の貼り替えの仕上げ作業は、省略されてもよい。また、天井3の化粧シート9の貼り替えの仕上げ作業は、上記新しい換気装置5が取り付けられた後のほか、上記古い換気装置6が取り外された後、または最初の上記覆い部15が取り外された後に行われてもよい。
【0038】
このように化粧シート9の貼り替えの仕上げ作業の有無、タイミング、つまり上記新しい換気装置5が取り付けられた後に行うか、上記古い換気装置6が取り外された後に行うか、または上記覆い部15が取り外された後に行うかを、作業の進行または現場の状況に応じて、適宜「選択できる」こと自体が優れているといえる。下端縁が折れ曲がって延出されて天井3下面に当接される古い換気装置本体6では、このような「選択」はできない。
【0039】
本実施形態では、アダプター16は、換気装置本体5、6から除外されたりする。しかし、含まれてもよい。アダプター16の下端縁は天井3に対して下向きで、当該天井3と平行な側方には延出されていない。しかし、アダプター16の下端縁は、上記天井3と平行な方向に外方へ延出され、この延出部17にて上記天井3下面へ固定されたり解除されて取り外されたりしてもよい。この場合でも、アダプター16を除外した新しい換気装置本体5の全下端縁11…は、天井3に対して下向きで、当該天井3と平行な側方には延出されていないといえる。
【0040】
(3)第二実施形態
ダクト2は、蛇腹状で、伸縮可能でもよく、天井3の開口部7の下まで引き出し可能となっていて、新しい換気装置本体5、古い換気装置本体6(換気装置本体5、6)が、開口部7の下付近でダクト2に接続されたり、取り外されたりして、換気装置本体5、6が取り付けられたり交換されたりする。この場合、ダクト2は引き出し可能なので、アダプター16は省略でき、アダプター16は換気装置本体5、6に合体され、合体された換気装置本体5、6一体で取り付けられたり交換されたりされる。
【0041】
ここで、ダクト2の先端を開口部7付近まで引き出して、ダクト2に新しい換気装置本体5を接続し、電気配線を接続する。新しい換気装置本体5の上縁の角は突出しておらず、新しい換気装置本体5を傾けながら押し込んで、開口部7から押し込む。そして、この傾きを水平に直して、スペーサ12…を隙間なく介在させて、新しい換気装置本体5の全下端縁11…を、天井3の開口部7の内側面にねじ止めし、新しい換気装置本体5を開口部7内に隙間なく固定する。
【0042】
古い換気装置本体6を取り外すときは、開口部7の周囲の天井3の下面のねじを緩めて取り外す。次いで、スペーサ12…を取り外して、古い換気装置本体6と天井3、枠体8との間に隙間をつくり、古い換気装置本体6を傾けながら引き出して、開口部7から取り出す。そして、古い換気装置本体6のダクト2への接続を外し、電気配線を切断する。なお、上記天井3下面のねじは、天井3の上の枠体8まで貫通していることもある。
【0043】
(4)他の実施の形態
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。例えば、上記枠体8は省略されたり、上記天井3と一体化されたりしてもよい。この場合、枠体8を含む天井3だけで、天井3自身が支えられる。この場合、天井3は厚くなってもよいし、厚さに変化がなくてもよいし、薄くなってもよいし、天井3は周縁で室内の壁、柱などに支持されたり、天井3は吊り金具などの吊り部材で支持されたりしてもよい。
【0044】
上記スペーサ12…は省略され、換気装置本体5、6、アダプター16が、直接天井3、枠体8に固定されてもよい。この場合、換気装置本体5、6と天井3、枠体8との隙間はほとんどなくなる。換気装置本体5、6と天井3、枠体8との小さい隙間は、パテ、充填剤、接着剤などで埋められてもよい。また
図1の左上のダクト2に接続される部分は突出しなくなり、換気装置本体5、6を傾けずに開口部7に嵌め込んで埋め込んだり引き出して取り出したりできる。
【0045】
アダプター16は、一部または全部省略されてもよいし、アダプター16と換気装置本体5、6との接合面は、垂直の直線状のほか、斜め、曲線状、凹凸状などでもよい。覆い部15は、一部または全部省略されてもよい。
【0046】
上記化粧シート9は省略され、天井3の下面が木目状に、その他化粧シート状に加工されていてもよいし、塗装されてもよい。天井3の開口部7内面、スペーサ12…側面、換気装置本体5外側面などの各間には、パテなどの充填剤が塗られて介在され、気密性がより高められてもよい。
【0047】
換気装置本体5、6、ダクト2は、円柱状、楕円柱状、角柱状、円錐台状、角錐台状、直方体状、立方体状、これらの複合形状であってもよい。これに応じて、開口部7は、円形、楕円、方形、多角形などになる。枠体8は、四角柱状のほか、円柱状、楕円柱状、角柱状、円錐台状、角錐台状、直方体状、立方体状、これらの複合形状であってもよい。
【0048】
ダクト2と換気装置本体5、6との接続は、螺合、嵌合、磁力による吸着など、着脱自在に接続できれば何でもよい。換気装置本体5、6の下端縁11…は、水平で直線状のほか、凹凸があってもよく、水平から斜めでもよく、開口部7から下方に若干露出してもよく、覆い部15の取り付けに支障がなければよい。
【0049】
古い換気装置本体6の下端縁11…は、天井3に対して下向きで、当該天井3と平行な側方には延出されていなくてもよく、新しい換気装置本体5の下端縁11…と同じ形状であってもよい。長孔13…の下縁は換気装置本体5、6の下端縁11…まで到達して、孔ではなく、凹部/切り欠き部のような形状であってもよい。
【0050】
上記天井裏4の上には、屋根のほか、ビルなどの多層階では、上の階の床と下の階の天井裏4とを仕切って形成される構造躯体/上天井となる。天井裏4は無くてもよいし、構造躯体の下面が天井3であってもよく、構造躯体の下面にダクト2がはりめぐらされ、換気装置本体5、6は構造躯体の下面に取り付けられる。
【0051】
ねじと長孔13…は、所定間隔ごとに設けられて固定されるが、これでも換気装置本体5、6の全周囲/一定間隔ごとにわたって固定されているといえるし、他に、ボルト及びナット、ねじ、面ファスナー、線ファスナー、縫合、接着剤、接着テープ、フック及びホック、磁石、ホッチキス、ボタンとボタンホール、結んだり解いたりする紐などなんでもよいし、省略されてもよいし、長孔13…は円孔でもよい。
【0052】
上記枠体8は、開口部7の全周にわたって設けられているが、一部または全部省略されてもよいし、天井3自体が枠体8の機能を有していてもよい。開口部7は、方形のほか、円形、楕円、多角形、その他の形状でもよい。換気装置本体5、6の形状は、凹凸を除けば、立方体に近い形状であるが、開口部7に沿って平坦でも、円柱、楕円柱、多角形柱、円板、楕円板、多角形板、その他の形状でもよい。
【0053】
天井3は平面状で、平坦であるが、凹凸があってもよく、穴、孔があってもよい。ダクト2は、円筒のほか、方形筒、多角形筒、楕円筒、その他の形状でもよい。上記室内には、ドア、窓、通気口などがあってもよいし、なくてもよいし、室外とつながったオープンな室内でもよい。
【0054】
換気装置1、ダクト2、天井3、天井裏4、新しい換気装置本体5、古い換気装置本体6、開口部7、枠体8、化粧シート9、下端縁11…、スペーサ12…、長孔13…、覆い部15、アダプター16、延出部17、ねじ18…は、単数でも複数でも3つ以上でもよいし、これらそれぞれの構成、動作、作用、工程または機能の一部または全体は省略されてもよいし、分割分離されてその数が増えても減ってもよいし、その形状は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよいし、向きは図示のもののほか、90度、0度乃至180度、上下、左右、前後、表裏、手前、奥に傾斜/向きを変えて/反転されて使用されてもよく、それぞれの寸法の相対的大小は切り換えられてもよいし同じでもよく、一部または全部省略されてもよいし、形状は平坦、カーブしていてもよいし、穴が開いていてもよいし、凹凸があってもよいし、方形、長方形、正方形、三角形、円形、楕円形、多角形、台形、半楕円形、平行四辺形、菱形、多角形、三角形、台形、環形、半環形、星形、扇形、曲線形状、十字形、L字形、H字形、I字形、U字形、T字形、C字形、O字形、N字形、M字形、X字形、J字形、Y字形、E字形、F字形、S字形、V字形、その他の平面形状、曲面、角張った形状、直方体状、多面体状、円筒、角筒、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、半楕円柱、半角柱、円錐台、角錐台、球、卵形、半球、半卵形、多面体、ひょうたん形、鋸歯状、コイル、ひも、板、棒、ブロック、その他の立体形状、これらの組み合わせ立体形状でもよく、角張った段差のある形状、丸みを帯びた段差のある形状、丸みを帯びた凹凸のある形状、これらの組み合わせ形状、段差状、網状、枠状、シート状、メッシュ状、ブラインド状、スリット状、多数の穴があいたもの、これらの中央等に穴があいたもの、これらの組み合わせ複合形などでもよいし、一部または全部省略されてもよいし、材質は金属製、木製、竹製、硬質ウレタン製、軟質ウレタン製、軟質樹脂製、硬質樹脂製、発泡樹脂製、樹脂製、金属製、ガラス製、綿製、布製、糸製、繊維製、ゴム製、紙製、セラミック製、カーボン製、粘土製、液体または気体を密封した物、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよいし、網状、透明でも、半透明でもよいし、それぞれの間の接続、固定、固着、接着、接合は、縫合、ボルト及びナット、ねじ、面ファスナー、線ファスナー、縫合、接着剤、接着テープ、フック及びホック、磁石、ホッチキス、ボタンとボタンホール、結んだり解いたりする紐などなんでもよいし、省略されてもよい。
【0055】
(5)他の発明の効果
[1]天井裏に設置され屋外と連通するダクトに換気装置本体を接続するとともに、 当該換気装置本体の全下端縁は天井に対して下向きで、当該天井と平行な側方には延出されておらず、 上記天井に設けられた開口部の内側面に対して、上記換気装置本体の下端縁側面を複数個所で固定して、 上記開口部に当該換気装置本体を埋め込んで当該換気装置本体を取り付ける換気装置取り付け方法。
【0056】
[2]上記開口部の内側面への上記換気装置本体の下端縁側面の取り付け位置は上下に調整可能であり、これに応じて上記換気装置本体の上記ダクトへの接続方向が調整可能であることを特徴とする請求項1記載の換気装置取り付け方法。 これにより、天井裏の高さに応じて、換気装置本体の高さを調整できる。
【0057】
[3]上記開口部全体を覆い、通気性を有する覆い部が、当該開口部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項2記載の換気装置取り付け方法。 これにより、通気性を損なうことなく、開口部内の換気装置本体を覆い隠すことができる。
【0058】
[4]上記換気装置が取り付けられた後に、上記天井の下面が仕上げられ、この後上記覆い部が当該天井の上記開口部に取り付けられることを特徴とする請求項3記載換気装置取り付け方法。 これにより、天井仕上げの前に換気装置本体を取り付けることができ、換気装置関連作業に換気装置本体取り付け作業をあわせてできる。
【0059】
[5]上記天井の下面が仕上げられた後に、上記換気装置が取り付けられ、この後上記覆い部が当該天井の上記開口部に取り付けられることを特徴とする請求項3記載の換気装置取り付け方法。 これにより、従来の作業方法も選ぶこともできる。
【0060】
[6]上記請求項4の換気装置取り付け方法と上記請求項5の換気装置取り付け方法とが作業の進行または現場の状況に応じて選択されることを特徴とする換気装置取り付け方法。 これにより、作業の進行または現場の状況に応じた作業工程を選択でき、作業の進行または現場の状況に応じて作業工程を変更できる。
【0061】
[6-1]上記換気装置本体は、換気を行うため送風羽根またはファンとこれら送風羽根またはファンを駆動する駆動源とを有していることを特徴とする請求項4または5記載の換気装置取り付け方法。 これにより、送風羽根またはファン、駆動源が、何かとぶつかることがない。
【0062】
[7]天井裏に設置され屋外と連通するダクトに接続され、天井裏に設置されている古い換気装置本体であって、 上記天井に設けられた開口部に埋め込まれ、室内の換気を行う古い換気装置本体につき、 上記古い換気装置本体の下端縁にて、上記天井と平行な方向に外方へ延出された延出部の上記天井下面への固定を解除して、 上記ダクトから上記古い換気装置本体の接続を外すとともに、当該古い換気装置本体を取り外し、 上記ダクトに新しい換気装置本体を接続するとともに、 当該新しい換気装置本体の全下端縁は天井に対して下向きで、天井と平行な側方には延出されておらず、 当該新しい換気装置本体の下端縁側面を上記開口部の内側面に複数個所で固定して、 上記古い換気装置本体の取り付けられていた開口部に当該新しい換気装置本体を取り付けることを特徴とする換気装置交換方法。
【0063】
[8]上記新しい換気装置本体の下端縁側面の上記開口部の内側面の取り付け位置は上下に調整可能であり、これに応じて新しい換気装置本体の上記ダクトへの接続方向が調整可能であることを特徴とする請求項7記載の換気装置交換方法。 これにより、天井裏の高さに応じて、換気装置本体の高さを調整できる。
【0064】
[9]上記開口部全体を覆い、通気性を有する覆い部が、当該開口部に着脱自在に取り付けられることを特徴とする請求項8記載の換気装置交換方法。 これにより、通気性を損なうことなく、開口部内の換気装置本体を覆い隠すことができる。
【0065】
[10]上記覆い部が取り外され、次いで上記古い換気装置が取り外され、さらに上記新しい換気装置が取り付けられ、次いで上記覆い部が当該天井の上記開口部に取り付けられることを特徴とする請求項9記載の換気装置交換方法。 これにより、古い換気装置を新しい換気装置に取り換えることができる。
【0066】
[11]上記新しい換気装置が取り付けられた後、上記古い換気装置が取り外された後、または上記覆い部が取り外された後に、上記天井の下面の仕上げがなされることを特徴とする請求項10記載の換気装置交換方法。 これにより、天井の仕上げを種々の作業の後から選ぶことができ、臨機応変に対応できる。
【0067】
[12]上記天井の下面の仕上げを、上記新しい換気装置が取り付けられた後に行うか、上記古い換気装置が取り外された後に行うか、または上記覆い部が取り外された後に行うかを、作業の進行または現場の状況に応じて選択することを特徴とする請求項11記載の換気装置交換方法。 これにより、作業の進行または現場の状況に応じた作業工程を選択でき、作業の進行または現場の状況に応じて作業工程を変更できる。
【0068】
[12-1]上記古い換気装置本体または新しい換気装置本体は、換気を行うため送風羽根またはファンとこれら送風羽根またはファンを駆動する駆動源とを有していることを特徴とする請求項10、11または12記載の換気装置交換方法。 これにより、送風羽根またはファン、駆動源が、何かとぶつかることがない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
換気装置関連作業の途中で天井仕上げ作業を入れず、換気装置の関連作業を効率化する。換気装置本体5の全下端縁11…は天井3に対して下向きで、当該天井3と平行な側方には延出されていない。天井3の開口部7に換気装置本体5を埋め込んで固定すると、下端縁11…は天井3の下面に貼着された化粧シート9の下面にははみ出していない。
【0070】
したがって、換気装置本体5を取り付けるなどの作業を、天井3に化粧シート9を貼るなどの天井3の仕上げの後にする必要がなくなる。よって、天井3仕上げの前に換気装置本体5を取り付けることができ、換気装置本体5取り付けを天井3の仕上げまで待つ必要がない。開口部7形成、天井裏4のダクト2配置、換気装置本体5の配線、ダクト2と換気装置本体5との接続といった、換気装置1関連作業に換気装置本体5取り付け作業をあわせてでき、作業効率が向上する。