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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032650
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】制御盤
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20240305BHJP
   H02P 5/60 20060101ALI20240305BHJP
   E05F 15/70 20150101ALI20240305BHJP
   E06B 9/13 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
E06B9/68 A
H02P5/60
E05F15/70
E06B9/13 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107485
(22)【出願日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2022135870
(32)【優先日】2022-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】722005592
【氏名又は名称】園田 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】園田 渉
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
5H572
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
2E042CB12
2E042CC00
2E042DA01
2E052AA04
2E052CA06
2E052EA09
2E052EB01
2E052EC05
2E052GA00
2E052GB06
2E052HA01
2E052KA25
5H572DD01
5H572EE04
5H572HA04
5H572HC01
5H572HC04
5H572HC08
(57)【要約】
【課題】各電気機器の動作を他の電気機器と連携させて制御するための導入コストをより抑えることが可能な制御盤を提供する。
【解決手段】制御盤1は、例えば工場2、及び倉庫3等での複数台のシャッター装置40を制御対象にしたインターロック制御を可能にさせる。工場2、及び倉庫3等では、実際に設置されたシャッター装置40の台数、及びインターロック制御の内容が工場2、及び倉庫3等で異なる。このため、制御盤1では、シャッター装置40の台数、及びインターロック制御の内容に応じた設定が可能である。そのような設定を可能とすることにより、制御盤1の高い汎用性が実現されている。このため、制御盤1は、工場2、及び倉庫3等に幅広く適用させることが可能であり、幅広く販売することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象とする複数の電気機器のそれぞれの状態を表す状態情報を入力する情報入力手段と、
前記複数の電気機器の間で連携させる内容に応じた設定が可能であり、前記情報入力手段により電気機器毎に入力される前記状態情報を用いて、各電気機器の動作を管理するための管理信号を前記設定に従って生成する信号生成手段と、
を備える制御盤。
【請求項2】
前記信号生成手段は、前記電気機器毎に入力される複数の前記状態情報の内容に応じて開閉される複数のスイッチ、及びそれぞれ一つ以上のスイッチを短絡可能な複数の接続短絡手段を含む生成回路を複数、備えることにより、各電気機器の前記管理信号を、対応付けた前記生成回路に生成させ、
前記信号生成手段に対する前記設定は、前記生成回路毎に、前記生成回路に備えられた前記スイッチのうちで短絡させるべき短絡対象スイッチを、前記短絡対象スイッチに対応する前記接続短絡手段により短絡させることにより行われる、
請求項1に記載の制御盤。
【請求項3】
前記信号生成手段は、前記電気機器毎に入力される複数の前記状態情報の内容に応じて開閉され、前記開閉が逆相となる2つのスイッチを少なくとも含む複数のスイッチ群、それぞれ一つ以上の前記スイッチ群を短絡可能な複数の接続短絡手段、及び前記スイッチ群のうちで有効とするスイッチを選択可能にする複数の選択手段を含む生成回路を複数、備えることにより、各電気機器の前記管理信号を、対応付けた前記生成回路に生成させ、
前記信号生成手段に対する前記設定は、前記生成回路毎に、前記生成回路に備えられた前記スイッチ群毎に前記有効とするスイッチを前記複数の選択手段により選択させるとともに、前記生成回路に備えられた前記スイッチ群のうちで短絡させるべき短絡対象スイッチ群を、前記短絡対象スイッチ群に対応する前記接続短絡手段により短絡させることにより行われる、
請求項1に記載の制御盤。
【請求項4】
前記生成回路毎に設けられた前記複数の選択手段はそれぞれ、対応する前記スイッチ群のうちで有効とするスイッチを個別に切り替え可能にする切替スイッチであり、
前記切替スイッチは、対応する前記スイッチ群毎にまとめられ、マトリクス状に配置されている、
請求項3に記載の制御盤。
【請求項5】
前記生成回路毎に設けられた前記複数の接続短絡手段はそれぞれ、対応する前記スイッチ群毎に設けられ、前記スイッチ群を短絡可能にする設定スイッチであり、
前記設定スイッチは、2つの前記電気機器の間での連携関係を想定し、マトリクス状に配置されている、
請求項3に記載の制御盤。
【請求項6】
前記電気機器が開閉体を動作させる開閉装置であった場合、前記状態情報は、前記開閉体が閉じた状態か否かを示す状態信号であり、
前記信号生成手段に含まれる前記複数の生成回路では、複数の開閉装置の各状態に応じて、前記開閉体が開いた状態となるのを可能にさせる開閉装置を制限するインターロック制御のための設定が可能である、
請求項1~5の何れか1項に記載の制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御盤に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工場では、製品を製造する製造スペース内への外気の流入を抑えることが求められる場合がある。この外気の流入を抑えるため、出入口にそれぞれ設けられた電気機器であるシャッター装置を対象に、1つのシャッター装置の動作を他のシャッター装置の状態に応じて制御することが行われる場合がある。複数のシャッター装置のうち、開閉体を開状態、つまり外気が流入する状態にすることが可能なシャッター装置を1つのみに制限するようなインターロック制御は、その制御の代表例である。このインターロック制御を採用した場合、シャッター装置の開閉体を開状態にすることによる外気の流入は抑えられる。外気の流入が抑えられることにより、製造スペース内の気温の変化、及び虫、或いは埃等の流入等も抑えられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-54411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のシャッター装置を対象にしたインターロック制御は、そのための機能をシャッター装置に搭載させ、その機能を搭載させた複数のシャッター装置の間で信号を送受信させることにより、実現させることが可能である(例えば特許文献1参照)。しかし、このようなシャッター装置を用いる場合、インターロック制御の対象とするシャッター装置の数が多くなるほど、各シャッター装置間で信号を送受信するための配線が複雑化することになる。このようなこともあり、インターロック制御に対応した制御盤を設け、その制御盤により、各シャッター装置の動作を制御することも行われている。制御盤によるインターロック制御では、各シャッター装置と制御盤との間で信号を送受信させれば良いため、各シャッター装置間での信号の送受信を可能にさせる場合と比較し、配線は簡単化する。
【0005】
インターロック制御の対象となるシャッター装置の数、及びその制御内容、つまりインターロック制御の仕様は、工場毎に異なるのが普通である。そのため、従来、制御盤は、インターロック制御の仕様に応じて個別に作製し設置するようになっている。
【0006】
しかし、制御盤を作製するためには、面倒な作業が必要である。作製した制御盤に対しては、適切に動作するか否かの確認を行い、適切に動作しないことが確認された場合には、その原因を特定し、特定した原因を取り除く作業をしなければならない。このようなことから、制御盤によるインターロック制御では、制御盤の作製のための負担が大きく、インターロック制御の導入コストを上昇させる要因となっている。
なお、これは、シャッター装置とは別の電気機器、例えばドア、窓、或いはゲート等を対象に、各電気機器の動作を他の電気機器と連携させて制御する場合も同様である。
【0007】
本発明は、各電気機器の動作を他の電気機器と連携させて制御するための導入コストをより抑えることが可能な制御盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の制御盤は、制御対象とする複数の電気機器のそれぞれの状態を表す状態情報を入力する情報入力手段と、前記複数の電気機器の間で連携させる内容に応じた設定が可能であり、前記情報入力手段により電気機器毎に入力される前記状態情報を用いて、各電気機器の動作を管理するための管理信号を前記設定に従って生成する信号生成手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、各電気機器の動作を他の電気機器と連携させて制御するための導入コストをより抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る制御盤の適用例を説明する図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る制御盤が各シャッター装置を制御する方法の例を説明する図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る制御盤の内部配置例を説明する図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る制御盤により可能なインターロック制御の内容例を説明する図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である(続き)。
図8】2対5、及び2対5変形のインターロック制御の内容例を説明する図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である。
図10】本発明の第3の実施形態に係る制御盤により更に可能になるインターロック制御の内容例を説明する図である。
図11】リレースイッチの構成例、及びリレースイッチを短絡する仕組みの例を説明する図である。
図12】第4の実施形態における生成回路群の構成例を示す図である。
図13】本発明の第4の実施形態に係る制御盤の扉裏の例を説明する図である。
図14】5台のシャッター装置で想定するインターロック制御の内容例を説明する図である。
図15】第5の実施形態における生成回路群の構成例を示す図である。
図16】本発明の第5の実施形態に係る制御盤の扉裏の例を説明する図である。
図17】9台のシャッター装置で想定するインターロック制御の内容例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、変形例を含めあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。本発明の技術的範囲には、様々な変形例も含まれる。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る制御盤の適用例を説明する図である。
この制御盤1は、主に販売目的で作製されたものである。図1では、販売先として、工場2、或いは倉庫3等を所有する事業者等を想定している。制御盤1に制御させる電気機器としては、工場2、或いは倉庫3にそれぞれ設置されたシャッター装置40を想定している。シャッター装置40としては、便宜的に、制御盤1による制御の対象のみ示している。このシャッター装置40は、本実施形態における制御対象である開閉装置である。
【0013】
1つの工場2では、内部が搬入出スペース21、及び製造スペース22に分けられている。シャッター装置40は、搬入出スペース21と外部との間に1台、搬入出スペース21と製造スペース22との間に3台、それぞれ配置されている。これら計4台のシャッター装置40は、制御盤1により動作が制御される。
【0014】
なお、搬入出スペース21は、主に入出荷される物を一時的に置くためのスペースである。製造スペース22は、製品を製造するためのスペースであり、多くの場合、製造機器が複数、設置されている。
【0015】
一方、1つの倉庫3では、内部が搬入出スペース31、及びチルド帯スペース32に分けられている。シャッター装置40は、搬入出スペース31と外部との間に2台、搬入出スペース31とチルド帯スペース32との間に3台、それぞれ設置されている。これら計5台のシャッター装置40は、制御盤1により動作が制御される。なお、チルド帯スペース32は、搬入された物(主に食品)を冷却するために設けられたスペースである。
【0016】
ここでは、理解を容易とするために、制御盤1が行う制御として、代表的なインターロック制御を行うものと想定し、以降の説明を行うこととする。平面断面図を示す工場2のような設置場所によりシャッター装置40を区別するために、搬入出スペース21と外部との間に設置された1台のシャッター装置40は、必要に応じて「前シャッター装置40」とも表記する。搬入出スペース21と製造スペース22との間に配置された3台のシャッター装置40は、必要に応じて「後シャッター装置40」とも表記する。
【0017】
図1に例を示すように、工場2、及び倉庫3の何れも、工場2毎、及び倉庫3毎に、内部構造は異なる。内部構造により、シャッター装置の設置場所、及び設置台数が異なるだけでなく、インターロック制御の内容、つまりシャッター装置40間で連携させる動作内容も異なる。平面断面図を示す工場2では、例えば1台の前シャッター装置40が閉状態でなければ、3台の後シャッター装置40の何れも開状態にさせることができない1対3のインターロック制御が行われる。倉庫3では、例えば同様に、2台の前シャッター装置40がともに閉状態でなければ、3台の後シャッター装置40の何れも開状態にさせることができない2対3のインターロック制御が行われる。
【0018】
このように、インターロック制御に求められる仕様は、工場2毎、及び倉庫3毎に異なるのが普通である。このことから、制御盤1は、インターロック制御の複数の仕様に対応可能にさせることにより、高い汎用性を持たせ、工場2、及び倉庫3のそれぞれに幅広く適用できるようになっている。それにより、作製した制御盤1であっても、インターロック制御に求められる仕様が異なる工場2、及び倉庫3でのインターロック制御用に幅広く販売することを可能にさせている。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る制御盤が各シャッター装置を制御する方法の例を説明する図である。
制御盤1が制御するシャッター装置40は、例えばシート401を開閉体として開閉させるタイプである。上部に設けられたケース402内には、特には図示していないが、シート401の巻き取り、及び送り出しのためのシャフト、及びシャフトを回転させる動力源であるモータ等が収納されている。
【0020】
シート401の開閉が適切に行えるように、シャッター装置40には、開閉するシート401をガイドする1対のレール403が設けられている。レール403の一方には、シート401の開閉動作を指示可能な操作盤404が設けられている。ケース402には、人、車両、或いは静止物体等を検知対象物として検知可能なセンサ405が設けられている。このセンサ405は、検知対象物の検知により、シート401を自動的に開状態に巻き上げることを可能にする。
【0021】
操作盤404への操作、センサ405の検知結果に応じたシート401の開閉動作は、コントローラ400によって行われる。シート401の開閉動作のために、コントローラ400は、ケース402内のモータの駆動制御を行う。
このコントローラ400は、インターロック制御に対応したものである。このことから、図2では、制御盤1とコントローラ400との間で、開閉状態信号、及びインターロック信号を送受信することを示している。なお、本実施形態では、開閉状態信号は状態情報、及び状態信号、インターロック信号は管理信号にそれぞれ相当する。
【0022】
開閉状態信号は、シート401が開状態か否かを表す信号である。コントローラ400は、僅かでも開状態となっている場合、例えば開閉状態信号をアクティブにする。このことから、シャッター装置40の閉状態とは、特に断らない限り、シート401が完全に下まで下がった状態を指す意味で用いる。それ以外の状態は全て開状態と表現する。なお、コントローラ400は、例えばモータ内に設けられた回転位置検出用の位置センサ(例えばホール素子)による位置検出結果を用いてシート401の開閉状態を判断する。その開閉状態の判断は、他のセンサを用いて、或いは他のセンサとの併用により行うようにしても良い。
【0023】
インターロック制御の対象となる各シャッター装置40は、通常は閉状態である。インターロック信号は、インターロック制御のための信号である。インターロック制御では、動作可能とするシャッター装置40を制限しなければならない。このことから、インターロック信号は、例えば動作可能とするシャッター装置40ではインアクティブとされ、動作可能とさせないシャッター装置40ではアクティブとされる。制御盤1は、各シャッター装置40から送信される開閉状態信号を用いて、各シャッター装置40に送信するインターロック信号を生成することにより、複数台のシャッター装置40を対象にしたインターロック制御を実現させる。
【0024】
なお、シャッター装置40の構成は、図2に示すようなものに限定されない。また、インターロック制御の対象とする電気機器もシャッター装置に限定されない。電気機器は、ドア、窓、或いはゲート等であっても良く、工場2で設置される製造装置であっても良い。電気機器の種類は、複数であっても良い。例えば複数台のシャッター装置と製造装置との組み合わせであっても良い。それにより、例えば製造装置の動作中は、複数台のシャッター装置を動作不可とし、何れのシャッター装置も開状態にさせることのできないインターロック制御を行うようにしても良い。このようなこともあり、電気機器の種類、電気機器の組み合わせ、及びインターロック制御の内容等は、特に限定されない。1つの電気機器を他の電気機器に連携させる制御は、インターロック制御だけではないことから、インターロック制御以外の制御であっても良い。それにより、ここでの連携させる制御とは、1つの電気機器の動作を、他の1つ以上の電気機器の状態に応じて制限させる制御である。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る制御盤の内部配置例を説明する図である。
この制御盤1の筐体11内には、図3に示すように、電源部(PS:Power Supply)12、リレー群13、第1の端子台群14、及び第2の端子台群15が配置されている。
【0026】
詳細は後述するように、リレー群13に含まれる各リレー131、第1の端子台群14、及び第2の端子台群15にそれぞれ含まれる各端子台100は、制御盤1に形成された回路の構成要素となっている。
各リレー131は何れも、例えばリレーコイル、及び複数の接点を有する電磁リレーである。何れのリレー131でも、接点は電流をオン/オフさせるためのスイッチとして用いられる。このことから、以降、接点はスイッチとも表記する。
【0027】
各端子台100は、両端に端子101が設けられ、その2つの端子101間が電気的に接続されたものである。各端子台100には、第2の端子台群15を構成する各端子台100に示す数値のように、文字列を表すのに利用可能な部分が存在する。その部分を利用し、作業員が適切な接続をより容易に行えるようにする意味もあり、本実施形態では端子台100を採用している。
【0028】
第2の端子台群15では、図3に示すように、同じ数値が2つの端子台100に示されている。これは、2つの端子台100を用いて、1つの端子対Tを構成させているためである。この端子対Tについての詳細は後述する。第1の端子台群14でも、大部分の端子台100は、2つの端子台100を組み合わせた端子台対Dとして用いられる。
【0029】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る制御盤により可能なインターロック制御の内容例を説明する図である。この図4(a)~図4(h)にそれぞれ示すインターロック制御の内容例は全て、図3に示す配置例の制御盤1を想定した場合のものである。それにより、制御盤1は、5台までのシャッター装置40を対象に、計8通りのインターロック制御を行うことが可能となっている。
【0030】
図4において、1~5の丸数字は全て、1台のシャッター装置40を表している。1~5の丸数字の間に引いた直線は、連携させる2台のシャッター装置40を表している。また、「1対2」「2対3」等の表記は、前シャッター装置40の台数と後シャッター装置40の台数を表している。それにより、例えば「2対3」では、前シャッター装置40が2台、後シャッター装置40が3台であることを表している。また、各前シャッター装置40から全ての後シャッター装置40に引かれた直線により、何れかの前シャッター装置40が開状態となっている状況では、全ての後シャッター装置40は閉状態から動作させることができず、閉状態が維持されることを表している。また、何れの後シャッター装置40が開状態となっている状況では、全ての前シャッター装置40は閉状態から動作させることができないことも表している。シャッター装置40を前シャッター装置40、及び後シャッター装置40のうちの何れかに分けるインターロック制御は、以降「分類型インターロック制御」と総称する。図1に平面断面図を示す工場2、及び倉庫3ではともに、分類型インターロック制御が行われる。
【0031】
また、「3台」「4台」「5台」の表記は、3~5台のシャッター装置40のうちの1台のみ、開状態とさせることを可能にするインターロック制御が行われることを表している。各シャッター装置40間に引かれた直線は、1台のシャッター装置40の状態が他の全てのシャッター装置40の動作に影響を及ぼすことを表している。シャッター装置40を全て同じように扱うインターロック制御は、以降「非分類型インターロック制御」と総称する。
【0032】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である。この回路例も、図3に示す配置例の制御盤1を想定したものである。
図5中に表記の「R1」~「R5」中の数字は全て、図4中に1~5の丸数字で表すシャッター装置40との対応関係を表している。それにより、例えば「R1」は、1の丸数字で表されるシャッター装置40に対応付けられたリレー131を構成するリレーコイルとなっている。このような対応関係を明確にするために、符号として「R1c」を付している。この対応関係を明確にするために、例えばリレーコイルR1cを有するリレー131はリレーR1とも表記する。
【0033】
リレーコイルR1cには、1の丸数字で表されるシャッター装置40からの開閉状態信号が端子台100を介して供給される。同様に、リレーコイルR2cには、2の丸数字で表されるシャッター装置40からの開閉状態信号が端子台100を介して供給される。このような対応関係を想定していることから、本実施形態では、開閉状態信号が出力される信号線の接続用に端子台100を採用し、接続させる信号線を表す情報を各端子台100に示すようにしている。なお、特定する必要のないような場合、リレーコイルの符号としては「Rc」を用いる。
【0034】
リレー131には、上記のように、リレーコイルRcの他に、そのリレーコイルRcに電流が流れることによってオン、或いはオフするリレースイッチが含まれる。このスイッチには、リレーコイルRcと同様の理由から、符号として、「R1s」「R2s」等を付している。それにより、リレースイッチR1s、リレーコイルR1cは、同じリレーR1に含まれる構成要素であることを明確にさせている。特に特定する必要のないような場合、リレースイッチの符号としては「Rs」を用いる。なお、リレースイッチRsがオンとは、そのリレースイッチRsを電流が流れる状態である。リレースイッチRsがオフとは、そのリレースイッチRsを電流が流れない状態である。
【0035】
端子対Tは、対応付けられた1つ以上のリレースイッチRsを無効にするのを可能にする。図5中の「T1」「T2」「T3」等の符号は、特定の1端子対Tを表す符号である。それにより、「T」は特定の端子対を表さない符号としている。
図3に示すように、第2の端子台群15を構成する端子対T、つまり2つの端子台100には、同じ数字を表している。「T」に続く数字は、2つの端子台100に示された数字と同じとしている。それにより、符号とその符号が付された端子対Tとの間の対応関係を明確にさせている。以降も、「T」は端子対の総称的な符号、或いは不特定の端子対の符号として用いる。
【0036】
電源部12は、交流電力を直流電力に変換するものである。第1の端子台群14中の1端子台対Dは、交流電力の入力に用いられる。1端子台対Dと電源部12の間には、サーキットプロテクタ(CP)18が配置されている。それにより、1端子台対Dから入力された交流電力は、サーキットプロテクタ18を介して電源部12に供給される。サーキットプロテクタ18は、サーキットプロテクタ19と同じく、過電流保護のための遮断機である。なお、2つのサーキットプロテクタ18、19は、図3では省略している。
第1の端子台群14には他に、シャッター装置40からの開閉状態信号を個別に入力するための計5つの端子台対Dと、電源部12を接地させるための端子台100とが存在する。
【0037】
リレーコイルR1c~R7c、及びLED(Light Emitting Diode)17の一方の端子は、電源部12の負端子に接続され、正端子は、開閉状態信号の入力用となっている各端子台対Dの一方の端子台100とサーキットプロテクタ19を介して接続されている。各端子台対Dの他方の端子台100は、リレーコイルR1c~R7cの他方の端子と接続されている。それにより、各シャッター装置40には、制御盤1の電源部12から直流電力を供給させるようになっている。このことから、各シャッター装置40(のコントローラ)は、例えば供給される直流電力の導通を管理し、開閉状態信号のアクティブ/インアクティブの切り換えを行うようになっている。ここでは、各シャッター装置40は、シート401が開状態となっている場合に、開閉状態信号をアクティブにし、その信号レベルをH(High)にするものと想定している。シート401が閉状態となっている場合、開閉状態信号はインアクティブとされ、その信号レベルはL(Low)となる。
【0038】
リレーコイルR6c、R7c、及びLED17の他方の端子は、セレクトスイッチ16を介して電源部12の正端子と接続されている。セレクトスイッチ16は、リレーコイルR6c、及びR7cを正端子と接続させている状況ではLED17を正端子と非接続にさせ、反対に、LED17を正端子と接続させている状況ではリレーコイルR6c、及びR7cを正端子と非接続にさせる。
【0039】
このように、第1の端子台群14は、主に、開閉状態信号の入力、交流電力の入力等に用いられる。それにより、第1の端子台群14は、インターロック制御における各シャッター装置40の位置付けの設定に用いられる。この設定は、図4に示すように、1~5の丸数字でシャッター装置40を表す場合に、各シャッター装置40を1~5の丸数字の何れかに対応付ける設定に相当する。そのため、分類型インターロック制御を行わせる場合、この設定は、シャッター装置40を前シャッター装置40、及び後シャッター装置40のうちの何れかに分類することにも相当する。第1の端子台群14は、本実施形態における情報入力手段に相当する。
【0040】
制御盤1で形成される回路には、他に、インターロック信号の生成のための生成回路群110が存在する。この生成回路群110には、インターロック制御を可能とするシャッター装置40の台数分の生成回路が存在する。これら生成回路には、111~115のうちの何れかを符号として付している。ここでは、特に特定する必要のない場合、符号は用いないこととする。つまり、111~115の符号は、生成回路を特定する必要がある場合にのみ、用いることとする。
【0041】
生成回路111~115は、図4で1~5の丸数字で表すシャッター装置40に送信すべきインターロック信号の生成用である。つまり、生成回路111は1の丸数字で表すシャッター装置40、生成回路112は2の丸数字で表すシャッター装置40といったように、生成回路111~115は、1~5の丸数字で表すシャッター装置40に対応付けられている。生成回路111~115自体は、第1の端子台群14の異なる端子台対Dに接続されている。このため、各シャッター装置40は、開閉状態信号と同様に、そのシャッター装置40の対応付けに合わせ、接続させるべき端子台対Dに接続させる必要がある。それにより、例えば1の丸数字で表されるシャッター装置40は、開閉状態信号の出力用に、リレーコイルR1cと接続された端子台対D、インターロック信号の入力用に、生成回路111と接続された端子台対Dの2つに接続させる必要がある。このことからも、第1の端子台群14は、図4に示す1~5の丸数字でシャッター装置40を表す場合に、各シャッター装置40を1~5の丸数字の何れかに対応付ける設定用となっている。
【0042】
生成回路111では、リレースイッチR2sには端子対T5、リレースイッチR4sには端子対T12、リレースイッチR5sには端子対T10がそれぞれ並列に接続されている。また、生成回路111が接続される端子台対Dの間には、リレースイッチR6sが接続されている。
【0043】
生成回路112では、リレースイッチR1sには端子対T6、リレースイッチR3s~R5sには端子対T1、リレースイッチR4sには端子対T13、リレースイッチR5sには端子対T11がそれぞれ並列に接続されている。また、生成回路112が接続される端子台対Dの間には、リレースイッチR6sが接続されている。
【0044】
生成回路113では、リレースイッチR2s、R4s、及びR5sには端子対T2、リレースイッチR4s、及びR5sには端子対T7、リレースイッチR5sには端子対T14がそれぞれ並列に接続されている。また、生成回路113が接続される端子台対Dの間には、リレースイッチR6sが接続されている。
【0045】
生成回路114では、リレースイッチR2s、R3s、及びR5sには端子対T3、リレースイッチR3s、及びR5sには端子対T8、リレースイッチR5sには端子対T15がそれぞれ並列に接続されている。また、生成回路114が接続される端子台対Dの間には、リレースイッチR6sが接続されている。
【0046】
生成回路115では、リレースイッチR2s~R4sには端子対T4、リレースイッチR3s、及びR4sには端子対T9がそれぞれ並列に接続されている。また、生成回路115が接続される端子台対Dの間には、リレースイッチR7sが接続されている。
【0047】
リレースイッチRsに接続された端子の数は有限である。生成回路115にリレースイッチR7sが接続されているのは、リレースイッチR6sに接続された端子では足りないからである。このことから、端子の数がより多いリレースイッチR6sを備えたリレーR6を採用した場合、リレーR7は省くことができる。
【0048】
生成回路111~115の全ては、それが接続されている端子台対Dの間が導通する状況時のみ、インターロック信号をアクティブとさせる。それにより、各生成回路111~115は、端子台対Dを介して接続されたシャッター装置40からの信号の遮断/導通を通して、インターロック信号のアクティブ/インアクティブを切り換えるものとなっている。
【0049】
このことから、生成回路群110は、本実施形態における信号生成手段に相当する。インターロック信号の生成には、実際にはリレー群13、及び第1の端子台群14も必要である。そのため、リレー群13、及び第1の端子台群14も本実施形態における信号生成手段に含まれると解釈することが可能である。
【0050】
リレースイッチR6s、R7sは、リレーR6、R7の構成要素であり、リレーコイルR6c、R7cに電流が流れている場合に閉じて導通するタイプである。リレーコイルR6c、R7cは、セレクトスイッチ16により、電源部12の正端子との接続/非接続の操作が可能となっている。セレクトスイッチ16により、リレーコイルR6c、R7cが電源部12の正端子と接続させた場合、リレーコイルR6c、R7cに電流が流れ、生成回路111~115の全ては端子台対D間が短絡する。そのため、生成回路111~115の全ては、リレーコイルR6c、R7cに電流が流れている間、インターロック信号をアクティブにすることになる。
【0051】
なお、リレースイッチR6s、R7s以外は、つまりリレースイッチR1s~R5sは、リレーコイルR1c~R5cに電流が流れていない場合に閉じて導通するタイプである。それにより、リレースイッチR1s~R5sは、開閉状態信号がアクティブとなっている状況時、電気的な接続を遮断するようになっている。開閉状態信号用にシャッター装置40を端子台対Dに接続させない場合には、閉じた状態を常に維持させる。
【0052】
セレクトスイッチ16は、リレーコイルR6c、R7cを電源部12の正端子と接続させている状況時、LED17と電源部12の正端子との間の電気的な接続を遮断させる。このため、その状況時には、LED17は消灯する。反対に、リレーコイルR6c、R7cを電源部12の正端子と接続させていない状況時には、LED17と電源部12の正端子とが接続され、LED17は点灯する。
【0053】
このようなことから、LED17は、点灯しているか否かにより、インターロック制御が有効となっているか否かを表す表示灯となっている。セレクトスイッチ16は、インターロック制御を有効とさせるか否かを切り換えるためのスイッチとなっている。インターロック制御が有効となっているか否かを容易に確認できるように、LED17は、例えば筐体11の蓋の外面に設けられている。
【0054】
次に、図5に示すような回路が形成された制御盤1の設定方法について、更に詳細に説明する。
上記のように、第1の端子台群14は、インターロック制御の対象となるシャッター装置40との接続用である。作業員は、図4に1~5の丸数字で表すシャッター装置40の何れかに、重複しないように、インターロック制御の対象となる各シャッター装置40を位置付ける。その位置付けにより、各シャッター装置40の開閉状態信号、及びインターロック信号の入出力用に第1の端子台群14のうちで接続すべき端子台対Dが決定する。そのため、作業員は、各シャッター装置40を、位置付けによって決定する2つの端子台対Dに接続させれば良い。
【0055】
第2の端子台群15は、各シャッター装置40への適切なインターロック信号を生成させるための設定を行う対象である。この設定は、インターロック制御の対象となるシャッター装置40の台数、及びインターロック制御の仕様に応じて、接続すべき端子対Tを接続させることにより行われる。
【0056】
インターロック制御の対象となるシャッター装置40の台数、及びインターロック制御の仕様に応じた第2の端子台群15に対する設定は、具体的には以下のように行えば良い。ここでは、図4(a)~図4(h)のケース別に説明する。
【0057】
図4(a)に示すケース、つまり1対2の分類型インターロック制御では、端子対T1、T2、T10、及びT12を接続する設定を行えば良い。
この設定により、1の丸数字に対応付けられたシャッター装置40は、2の丸数字、及び3の丸数字に対応付けられたシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、インターロック信号がアクティブになって、閉状態から動作させることができなくなる。2の丸数字、及び3の丸数字に対応付けられたシャッター装置40の何れも、1の丸数字に対応付けられたシャッター装置40が開状態であった場合、インターロック信号がアクティブとなって、閉状態から動作させることができなくなる。1の丸数字に対応付けられたシャッター装置40が閉状態であった場合、2の丸数字、及び3の丸数字に対応付けられたシャッター装置40は、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能となる。以降、1の丸数字に対応付けられたシャッター装置40は「1番のシャッター装置40」等と表記する。これは、2~5の何れかの丸数字に対応付けられたシャッター装置40でも同様である。
【0058】
図4(b)に示すケース、つまり1対3の分類型インターロック制御では、端子対T1、T2、T3、及びT10を接続する設定を行えば良い。
この設定により、1番のシャッター装置40は、2~4番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。2~4番のシャッター装置40の何れも、1番のシャッター装置40が開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。1番のシャッター装置40が閉状態であった場合、2~4番のシャッター装置40は、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能となる。
【0059】
図4(c)に示すケース、つまり1対4の分類型インターロック制御では、端子対T1、T2、T3、及びT4を接続する設定を行えば良い。
この設定により、1番のシャッター装置40は、2~5番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。2~5番のシャッター装置40の何れも、1番のシャッター装置40が開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。2~5番のシャッター装置40は、1番のシャッター装置40が閉状態であった場合、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能となる。
【0060】
図4(d)に示すケース、つまり2対2の分類型インターロック制御では、端子対T5、T6、T7、及びT8を接続する設定を行えば良い。
この設定により、1番、及び2番のシャッター装置40はともに、3番、及び4番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。3番、及び4番のシャッター装置40が全て閉状態であった場合、1番、及び2番のシャッター装置40は、他の前シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。一方、3番、及び4番のシャッター装置40は、1番、及び2番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。1番、及び2番のシャッター装置40がともに閉状態であった場合、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。
【0061】
図4(e)に示すケース、つまり2対3の分類型インターロック制御では、端子対T5、T6、T7、T8、及びT9を接続する設定を行えば良い。
この設定により、1番、及び2番のシャッター装置40はともに、3~5番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。3~5番のシャッター装置40が全て閉状態であった場合、1番、及び2番のシャッター装置40は、他の前シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。一方、3~5番のシャッター装置40は、1番、及び2番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができなくなる。1番、及び2番のシャッター装置40がともに閉状態であった場合、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。
【0062】
図4(f)~図4(h)に示すケース、つまり3~5台の非分類型インターロック制御では全て、端子対Tを接続する設定は不要である。
これは、生成回路111~115の全ては、想定するシャッター装置40以外のシャッター装置40からの開閉状態信号によりオン/オフするリレースイッチRsが直列に接続されているからである。このため、各シャッター装置40は、連携させる他のシャッター装置40のうちの何れかが開状態となっている場合、開状態となっているシャッター装置40以外ではインターロック信号がアクティブとなって、閉状態から動作させることができなくなる。
【0063】
このように、図5に回路例を示す制御盤1では、図4(a)~図4(h)に示す何れのケースにも対応可能となっている。このような高い汎用性を備えているため、図1に示すように、制御盤1は、工場2、及び倉庫3等でのインターロック制御用に幅広く販売することができる。幅広く販売することが可能なため、大量生産も可能となって、個別に作製するような場合と比較し、製造コストはより抑えられる。また、必要とする事業者には、タイムリに制御盤1を提供することができる。これらの利点から、制御盤1に対するニーズは高いと期待できる。
【0064】
本実施形態では、接続すべき端子対Tを接続させることにより、インターロック制御の仕様に応じた設定をさせるようにしている。このような設定をさせる場合、ソフトウェアによる制御で設定させる場合と比較し、設定自体はより容易に行えるようになる。これは、設定のために必要な制御盤1への操作を覚えなくとも良いからである。また、より高い信頼性も実現させることができる。これは、電子部品を使用しないことにより、熱、埃、及び汚れ等に起因する故障が発生し難くなるからである。インターロック信号の生成に、設定可能な生成回路111~115を採用することには、このような利点がある。
【0065】
なお、本実施形態では、分類型インターロック制御、非分類型インターロック制御の何れにも対応させているが、そのうちの一方にのみ、対応させるようにしても良い。つまり、制御盤1は、分類型インターロック制御用、及び非分類型インターロック制御用に分け、用意するようにしても良い。インターロック制御が可能なシャッター装置40の台数は、最大で5台とさせているが、6台以上のシャッター装置40に対応させても良い。
【0066】
上記の説明では、図4に示すように、各シャッター装置40を1~5の丸数字で表す位置に配置することを前提としている。しかし、インターロック制御では、仕様(制御内容)により、1~5の丸数字で表す位置の配置を変更しても良い。その配置の変更により、上述のケース以外にも対応させることができる。
【0067】
例えば2対1の分類型インターロック制御では、2、3の丸数字を前シャッター装置40の配置、1の丸数字を後シャッター装置40の配置としても良い。そのような配置に合わせ、各シャッター装置40を端子台対Dに接続させた場合、端子対T5、T6を接続する設定を行えば良い。それにより、2台の前シャッター装置40は何れも、1台の後シャッター装置40が開状態であれば、閉状態から動作させることができなくなる。また、後シャッター装置40は、2台の前シャッター装置40の全てが閉状態でなければ、閉状態から動作させることができなくなる。
これは、図4に示すケース以外の1例である。対応可能なインターロック制御の仕様は他にも存在する。
【0068】
また、本実施形態では、5台までのシャッター装置40に対するインターロック制御を可能にすることを想定しているが、インターロック制御の対象となるシャッター装置40の台数に応じて、制御盤1の構成を変更するようにしても良い。例えばインターロック制御の対象となるシャッター装置40の台数に応じて、リレー131の数を増減させるようにしても良い。このことから、例えば制御盤1に取り付けるリレー131は別売り、つまり制御盤1本体と、リレー131とに分けて販売するようにしても良い。このことは、制御盤1に設ける信号生成手段(生成回路)は、不完全なものであっても良いことを意味する。これは、情報入力手段(ここでは第1の端子台群14が相当)でも同様である。
【0069】
このような変更を必要に応じて行うようにした場合、インターロック制御の対象となるシャッター装置40の台数が少なくなるほど、制御盤1の製造コスト(及び販売価格)も抑えられることとなる。このことから、特に販売先にとって利点がある。ただし、取り外すリレー131に応じた端子対Tを接続させる設定が必要となる。例えばシャッター装置40の台数が4台であった場合、5番のシャッター装置40に対応付けられたリレー131が取り外されることから、端子対T10、T11、T14、及びT15を接続させる設定が必要となる。
【0070】
(第2の実施形態)
図6、及び図7は、本発明の第2の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である。図7には、生成回路群110、及びこの生成回路群110に関係する第1の端子台群14のみを示し、図6には、残りを示している。ここでは、上記第1の実施形態と同じ、或いは基本的に同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0071】
図6、及び図7に回路例を示す制御盤1は、6~9台のシャッター装置40に対応させたものである。より具体的には、分類型インターロック制御では、1対5、1対6、1対7、1対8、2対4、2対5、2対5変形、2対6、2対7、3対3、3対4、3対5、及び3対6等に対応している。非分類型インターロック制御では、2~9台に対応している。
【0072】
より多くのシャッター装置40に対応させるために、言い換えればより多くの端子を確保するために、各シャッター装置40からの開閉状態信号が供給されるリレー131は2つとしている。図6では、例えばリレーコイルR1cに並列に接続されたリレーコイルR1cに備えられたリレーコイルRcは、「R1」「R1-1」と異なる表記をすることにより、区別している。しかし、機能、及び使用方法は同じであるため、符号はともに「R1c」としている。
【0073】
リレー131を2つとしているのは、リレー131が1つでは、リレースイッチRsの接続に必要な端子が確保できないからである。同じ理由から、生成回路群110を構成する生成回路111~119の短絡用に3つのリレーR10~R12が用意されている。リレー131として、リレーR1~R12が存在することから、リレーコイルRcとしてはリレーコイルR1c~R12cが存在し、リレースイッチRsとしてはリレースイッチR1s~R12sが存在する。
【0074】
生成回路111~119には、上記第1の実施形態と同様に、インターロック信号の出力を想定するシャッター装置40とは別のシャッター装置40からの開閉状態信号によりオン/オフするリレースイッチRsが直列に接続されている。このため、非分類型インターロック制御の場合、第2の端子台群15に存在する端子対Tを接続する設定は基本的に不要となっている。分類型インターネット制御の場合、接続すべき端子対Tを接続させる設定を行う必要がある。
【0075】
対応可能にするシャッター装置40の台数が増えるほど、また、その台数の範囲が広くなるほど、設定に必要な端子対Tの数も大きくなる。6~9台のシャッター装置40に対応可能にするために、端子対Tとしては、端子対T1~T47を用意している。
【0076】
端子対Tの数が大きくなるほど、設定は複雑となり、設定を容易に行えなくなる。5台までのシャッター装置40を対象としたインターロック制御は、上記第1の実施形態で可能である。このようなことから、対応させるシャッター装置40の台数が重ならないように、制御盤1を用意することは、設定をより容易に行えるようにするうえで有用である。必要な端子対Tの数はより抑えられ、端子対Tを接続させる配線も抑えられることから、製造コストをより抑える意味でも有用である。
【0077】
図8は、2対5、及び2対5変形のインターロック制御の内容例を説明する図である。図8(a)は、2対5、図8(b)は、2対5変形のインターロック制御の内容例をそれぞれ示している。
【0078】
図8(a)に示す2対5のインターロック制御は、2台の前シャッター装置40、及び5台の後シャッター装置40の計7台のシャッター装置40を想定したものである。1番、及び2番のシャッター装置40はともに、3~7番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができない。3~7番のシャッター装置40が全て閉状態であった場合、1番、及び2番のシャッター装置40は、他の前シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。一方、3~7番のシャッター装置40は、1番、及び2番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができない。1番、及び2番のシャッター装置40がともに閉状態であった場合、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。
【0079】
図8(b)に示す2対5変形のインターロック制御では、シャッター装置40の配置場所を3つに分け、計7台のシャッター装置40が制御される。ここでは、3番、及び4番のシャッター装置40を前シャッター装置40、1番、及び2番のシャッター装置40を中シャッター装置40、5~7番のシャッター装置40を後シャッター装置40とも表記する。
【0080】
2対5変形のインターロック制御では、3番、及び4番のシャッター装置はともに、1番、及び2番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができない。1番、及び2番のシャッター装置40が全て閉状態であった場合、3番、及び4番のシャッター装置40は、他の前シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。
【0081】
1番、及び2番のシャッター装置はともに、3~7番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができない。3~7番のシャッター装置40が全て閉状態であった場合、1番、及び2番のシャッター装置40は、他の中シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。
【0082】
5~7番のシャッター装置40はともに、1番、及び2番のシャッター装置40のうちの何れかが開状態であった場合、閉状態から動作させることができない。1番、及び2番のシャッター装置40がともに閉状態であった場合、他の後シャッター装置40の状態に係わらず、動作させることが可能である。
【0083】
9台分のリレー131が制御盤1に取り付けられている場合、図8(b)に示す2対5変形のインターロック制御は、端子対T12~T18を接続させる設定を行うことにより実現される。ここでは、他のケースでのインターロック制御のための設定方法については省略する。なお、上記第1の実施形態と同様に、インターロック制御の対象とするシャッター装置40の台数に応じたリレー131のみ、制御盤1に取り付けるようにしても良い。
【0084】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る制御盤に形成された回路例を説明する図である。ここでも上記第2の実施形態と同様に、上記第1の実施形態と同じ、或いは基本的に同じ構成要素には同じ符号を付している。
【0085】
本実施形態は、上記第1の実施形態と同じく、5台までのシャッター装置40を対象にしたインターロック制御に対応可能にしたものである。
上記第1の実施形態では、対応可能にするインターロック制御の仕様を予め想定することにより、図5に示すように、2つ以上のリレースイッチRsを短絡可能な端子対Tを複数、設けている。また、リレースイッチRsのうちで端子対Tにより短絡できず、無効化できないものも存在している。
【0086】
これに対し、本実施形態では、図9に示すように、全てのリレースイッチRsに対し端子対Tを個別に並列に接続させている。それにより、1つのリレースイッチRsは1つの端子対Tにより短絡させることが可能になっている。このような回路構成を採用したことにより、本実施形態では、上記第1の実施形態と比較し、インターロック制御の仕様により幅広く対応可能となっている。
【0087】
図10は、本発明の第3の実施形態に係る制御盤により更に可能になるインターロック制御の内容例を説明する図である。その例として、図10(a)~(f)にそれぞれ、1対3変形、1対4変形、2対2変形、2対3変形、4台変形、及び5台変形を示している。
【0088】
これらの変形は、図4(b)~(e)、図4(g)、及び図4(h)にそれぞれ示す1対3、1対4、2対2、2対3、4台、及び5台をベースにした変形の1例である。ベースとは、2台のシャッター装置40を結ぶ線が1本、多いか、或いは1本、少なくなっている。各ベースは、2本以上の線を加えるか、或いは2本以上の線を省くことが可能である。このことから、何れの変形にも、他に1つ以上の別の変形が考えられる。そのため、図10は、上記第1の実施形態では対応できないインターロック制御の内容例を抜粋して示したものとなっている。
【0089】
本実施形態では、例えば図4(b)に示す1対3のインターロック制御は、端子対T7~T9、及びT12~T14を接続する設定により実現させることができる。ここでは、全てのリレー131が取り付けられている想定である。
10(a)に示す1対3変形のインターロック制御は、その設定から、端子対T13、T14の接続の解除により実現させることができる。これらの接続の解除により、3番のシャッター装置40は、1番のシャッター装置40だけでなく、4番のシャッター装置40が開状態となっていても、閉状態から動作させることができなくなる。同様に、4番のシャッター装置40は、3番のシャッター装置40が開状態となっていても、閉状態から動作させることができなくなる。
【0090】
1対3変形には、図10(a)に示すもの以外に、少なくとも3つの別の変形が考えられる。何れの変形にも本実施形態では対応することができる。これは、詳細な説明は省略するが、図10(b)~(f)に示す各変形、それら変形における別の変形、及びそれら以外の仕様のインターロック制御でも同様である。このようなことから、同じ5台のシャッター装置40に対応可能な上記第1の実施形態と比較し、高い汎用性を有している。
【0091】
第1~第3の実施形態では、生成回路には、リレー131のリレースイッチRsを用いているが、リレースイッチRs以外のスイッチを用いるようにしても良い。リレー131の種類は、有接点リレーであることから、リレー131として、無接点リレー、つまりソリッドステートリレー、或いはMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)リレーを採用しても良い。それにより、スイッチは、無接点リレーに備えられたものとしても良い。このようなこともあり、そのスイッチは、例えばトランジスタ等のスイッチング素子であっても良い。それにより、スイッチとしては、各シャッター装置40から出力させる開閉状態信号により、直接的にオン/オフさせるものであっても良い。このようなことからも、生成回路を含む制御盤1に形成させる回路の構成は、特に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0092】
このようなスイッチは、端子対Tの代わりに採用しても良い。端子対Tを構成する端子台100の種類も特に限定されるものではない。端子台100として、例えばプッシュイン端子台を採用しても良い。プッシュイン端子台を採用した場合、接続がより容易に行えるようになるだけでなく、第1の端子台群14、及び第2の端子台群15が占める範囲をより小さくさせることもできる。
【0093】
各シャッター装置40とは、開閉状態信号、及びインターロック信号の各送受信用に直接、接続させているが、開閉状態信号、及びインターロック信号の送受信は、別の装置を介して行うようにしても良い。それにより、各シャッター装置40は、直接的に制御盤1と接続させなくとも良い。開閉状態信号、及びインターロック信号の生成方法、及び信号レベルの扱い方等も、特に限定されるものではない。アクティブ/インアクティブの扱い、及び信号レベルの想定のうちの少なくとも一方を逆にしても良い。
【0094】
(第4の実施形態)
リレー131のリレースイッチRsには、複数の接点がスイッチとして存在するのが普通である。複数の接点とは、例えばリレーコイルRcに電流が流れていない時に開いているa接点(メイク接点)、リレーコイルRcに電流が流れていない時に閉じているb接点(ブレイク接点)、及びa接点とb接点の両方を含んだ構成のc接点(トランスファー接点)である。a接点、及びb接点は、開閉が逆相となる接点である。c接点は、リレーコイルRcに電流が流れていない時はb接点とつながり、リレーコイルRcに電流が流れている時はa接点とつながるように動作する接点である。
【0095】
上記第1~第3の実施形態では、各リレー131でa接点、或いはb接点をリレースイッチRsとして用いている。インターロック信号の生成用の各リレー131では、b接点をリレースイッチRsとして用いている。
各シャッター装置40が出力する開閉状態信号は、シート401が開状態となっている場合にアクティブ、つまり信号レベルがHとなる。開閉状態信号の信号レベルがHとなることにより、電流が流れる。そのため、第1~第3の実施形態では、インターロック信号の生成用のリレースイッチRsとして、b接点を用いている。b接点が用いられる仕様が各シャッター装置40に採用されるのは、閉状態となっている期間が全体に占める割合のほうが高いのが普通だからである。その仕様(以降「通常仕様」と表記)は、開閉状態信号を閉状態時にアクティブとする仕様(以降「非通常仕様」と表記)と比較した場合、より消費電力量を抑えることができる。
【0096】
しかし、シャッター装置40でも、非通常仕様が採用される場合もある。それにより、シャッター装置40全体では、全てのシャッター装置40は通常仕様のみ採用されているケース(第1のケース)、非通常仕様のみ採用されているケース(第2のケース)、及び通常仕様、非通常仕様が混在するケース(第3のケース)、の3ケースが考えられることになる。第4の実施形態では、3ケースの何れにも対応可能にしたものである。
【0097】
図11は、リレースイッチの構成例、及びリレースイッチを短絡する仕組みの例を説明する図である。
図11では、リレースイッチRsとして、a接点Rsa、及びb接点Rsbのみ示している。これは、インターロック信号の生成に用いるリレースイッチRsは、a接点Rsa、及びb接点Rsbのうちの一方のみを用いるからである。通常仕様のシャッター装置40では、図11(a)に示すように、b接点Rsbが用いられる。非通常仕様のシャッター装置40では、図11(b)に示すように、a接点Rsaが用いられる。図11中のRsgは、a接点Rsa、及びb接点Rsbを含む複数のリレースイッチRsであるリレースイッチ群である。
【0098】
本実施形態では、a接点Rsa、及びb接点Rsbのうちで有効とするものを切替スイッチKSにより選択させるようにしている。この切替スイッチKSにより、対応付けられたシャッター装置40の仕様の種類に係わらず、インターロック信号を適切に生成させることが可能になる。図11(a)、(b)では、この切替スイッチKSがリレースイッチ群Rsgの前後にそれぞれ設けられているように示しているが、実際には1つのみでも良い。
【0099】
TSは、リレースイッチ群Rsgの短絡用に設けられた設定スイッチである。本実施形態では、2つの端子台100である端子対Tの代わりに、設定スイッチTSを設けている。この設定スイッチTSは、第3の実施形態と同様に、リレースイッチ群Rsg毎に設けられている。リレースイッチ群Rsgに切替スイッチKSが接続されていることから、設定スイッチTSは、リレースイッチ群Rsg、及び切替スイッチKSを短絡可能に設けられている。この設定スイッチTS、及び切替スイッチKSの種類はともに限定されるものではないが、それらはともに、例えばトグルスイッチである。端子対T、及び設定スイッチTSはともに、本実施形態における接続短絡手段に相当する。また、切替スイッチKSは、本実施形態における選択手段に相当する。
【0100】
このような設定スイッチTS、及び切替スイッチKSでは、端子台100間を信号線で接続させる手間が省かれる。例えばトグルイッチでは、トグルを操作するだけで良い。このことから、生成回路群110を構成する各生成回路の設定はより容易、且つより迅速に行えるようになる。
【0101】
図12は、第4の実施形態における生成回路群の構成例を示す図である。
図12では、他の実施形態と同様に、設定スイッチTSには「TS」に数字を追加することにより、設定スイッチTSを個々に特定可能にしている。リレースイッチ群Rsgでも、他の実施形態と同様に、「R」の後に数字を挿入することにより、リレー131、及びリレーコイルRcとの間の関係を明確にさせている。切替スイッチKSでは、「KS」に続く2桁の数字により、対応するリレー131、及び設けられた生成回路の違いを示している。十の位の数字は、対応するリレー131を、一の位の数字は生成回路の違いをそれぞれ示している。
生成回路群110を除く部分は、上記第1の実施形態と同じである。そのため、図12には、生成回路群110、及び第1の端子台群14のうちでその生成回路群110に関係する部分のみ示している。
【0102】
同じリレー131に対応付けられた切替スイッチKSで選択する接点は、全ての生成回路で同じとすれば良い。これは、生成回路で対応すべきシャッター装置40に通常仕様、及び非通常仕様が混在している場合であっても同じである。しかし、対応付けられたシャッター装置40で採用された仕様を考慮し、各切替スイッチKSで選択すべき接点を決定する必要がある。
【0103】
図13は、本発明の第4の実施形態に係る制御盤の扉裏の例を説明する図である。
制御盤1の内部には、上記のように、電源部12、リレー群13、及び第1の端子台群14等が配置されている。その内部は、扉により覆う構造となっている。図13は、その扉裏、つまり扉を閉めた状態で外部から視認できない裏側に配置されたものの例、及びその配置例を示している。
【0104】
扉裏には、図13に示すように、LED17、切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGが配置されている。切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGではともに、生成回路群110に存在する全ての切替スイッチKS、及び全ての設定スイッチTSがマトリクス状に配置されている。LED17は、上記のように、点灯しているか否かにより、インターロック制御が有効となっているか否かを表す表示灯である。なお、図13に示すLED17は、配線が接続される部分であり、不図示の点灯部は、例えば扉に設けられた穴により、扉表側から視認可能となっている。
【0105】
同じリレー131のリレースイッチ群Rsgは、5つの生成回路のうちの4つに用いられる。そのため、切替スイッチ群KSGは、縦に5個、横に4個、マトリクス状に切替スイッチKSを並べた配置となっている。一方の設定スイッチ群TSGは、縦、横ともに5、つまり5×5のマトリクス状に設定スイッチTSを並べたような配置となっている。
【0106】
切替スイッチ群KSGでは、「1-1」、「1-2」等のハイフンで2つの数字を繋ぐシンボルの全ては1つの切替スイッチKSを表している。同様に、設定スイッチ群TSGでは、「1」~「20」の各数字は全て1つの設定スイッチTSを表している。
【0107】
具体的には、切替スイッチ群KSGでは、最初の数字は対応するリレー131を表し、ハイフンを介して続く数字は、対応する生成回路を表している。それにより、例えば「1-1」は、リレーR1が備えるリレースイッチ群R1sgのうちで、生成回路112を構成するものの接点切り替え用に設けられた切替スイッチKS11を表している。「1-2」は、生成回路113を構成するリレースイッチ群R1sgの接点切り替え用に設けられた切替スイッチKS12を表している。図13では、最初の数字、つまりリレー131を表す数字を入力番号と表記している。
【0108】
図13において、「下限位置信号」は、閉状態時、つまりシート401が下限位置時の開閉状態信号を意味する用語として表記されている。「入力切替スイッチ」は、切替スイッチKSの呼称として表記されている。インターロック設定スイッチは、設定スイッチTSの呼称として表記されている。
【0109】
制御盤1の設置時には、全ての切替スイッチKSは、例えばb接点Rsbを選択する状態となっている。それにより、作業員は、基本的にはa接点Rsaを選択させるべき切替スイッチKSのみ、トグルを操作すれば良い。混乱を避けるために、各切替スイッチKSへの操作は、設置時の状態(以降、「初期状態」と表記)を想定して表現する。つまり、各切替スイッチKSへの操作としては、b接点Rsbからa接点Rsaに切り替えるもののみを想定する。
【0110】
設定スイッチ群TSGでは、「1」は設定スイッチTS1、「2」は設定スイッチTS2というように、「1」~「20」の各数字は「TS」に続く各数字と一致する。それにより、「1」~「20」の各数字は、対応する設定スイッチTSを表している。
【0111】
設定スイッチ群TSGでは、縦軸に入力番号、横軸に相手番号がそれぞれ表記されている。この入力番号、及び相手番号は、5台までの各シャッター装置40に1~5までの数字を重ならないように番号として割り当てることを前提に、番号でインターロック制御のための連携関係を設定スイッチTSへの操作により設定することを想定したものである。その想定において、入力番号は、各シャッター装置40のうちで着目するシャッター装置40に割り当てた番号、相手番号は、着目するシャッター装置40との連携関係を設定するシャッター装置40に割り当てた番号にそれぞれ相当する。連携関係としては、2台のシャッター装置40間にのみ着目する形としている。このことから、設定スイッチ群TSGは、マトリクス状に設定スイッチTSを配置した形となっており、入力番号と相手番号が一致する箇所には、数字、つまり設定スイッチTSが存在しない。そのため、5×5のマトリクス状に設定スイッチTSを並べていても、実際の設定スイッチTSの個数は、縦、横ともに4となっている。
【0112】
ここでの番号は、シャッター装置40を対応付けるべきリレー131を表している。それにより、1の番号を割り当てたシャッター装置40では、開閉状態信号がリレーR1のリレーコイルR1cに供給されるようにする必要がある。同様に、2番の番号を割り当てたシャッター装置40では、開閉状態信号がリレーR2のリレーコイルR2cに供給されるようにする必要がある。
【0113】
設定スイッチ群TSGを構成する各設定スイッチTSは、切替スイッチ群KSGと同様に、初期状態として、全て閉状態となっているものと想定する。それにより、各設定スイッチTSは、閉状態から開状態にする必要のあるもののみ、操作されるものと想定する。設定スイッチTSの閉状態は、インターロック制御のために連携関係を無効とさせている状態であり、その開状態は、その連携関係を有効とさせている状態である。
なお、切替スイッチKS、及び設定スイッチTSともに、初期状態は特に限定されない。
【0114】
図14は、5台のシャッター装置で想定するインターロック制御の内容例を説明する図である。ここで図14に示すようなインターロック制御を行う場合を想定し、設定スイッチ群TSGに対して行うべき操作を具体的に説明する。各切替スイッチKSへの操作は不要、つまり各リレースイッチ群Rsgではb接点Rsbが選択されるものと想定する。
【0115】
図14に示す例では、1、及び2の番号の各シャッター装置40は、3の番号のシャッター装置40とのみ、連携させれば良い。3の番号のシャッター装置40は、1、及び2の番号の各シャッター装置40に加え、4、及び5の番号の各シャッター装置40と連携させる必要がある。4の番号のシャッター装置40は、3の番号のシャッター装置40の他に、5の番号のシャッター装置40と連携させれば良い。5の番号のシャッター装置40は、3、及び4の番号の各シャッター装置40と連携させれば良い。
【0116】
このようなことから、結果として、設定スイッチTS2、TS6、TS9~TS12、TS15、TS16、TS19、及びTS20の計10個の設定スイッチTSを操作し、開状態に切り替えれば良い。そのような操作により、図14に示すようなインターロック制御を5台のシャッター装置40で行うことができる。
他の内容のインターロック制御でも、シャッター装置40が5台までであれば、同様にして、操作が必要な設定スイッチTSを特定し操作すれば良い。
【0117】
このように、本実施形態では、設定スイッチTSをマトリクス状に設定スイッチ群TSGと配置し、2つのシャッター装置40間に着目した設定スイッチTSの操作を可能とさせている。そのため、作業員は、操作すべき設定スイッチTSを視覚的に容易に特定することができる。各設定スイッチTSが対応付けられたリレースイッチ群Rsg、生成回路の構成、等を把握する必要性は回避される。従って、特別なスキルを備えていない作業員であっても、設定スイッチTSのうちで操作すべき設定スイッチTSへの操作を短時間に、且つ確実に行うことができる。
【0118】
本実施形態では、第2の端子台群15が省かれる形となる。しかし、第2の端子台群15が配置されていた場所に、切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGを配置するのは困難である。このことから、本実施形態では、扉裏を利用し、切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGを配置している。扉裏を利用することにより、切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGをともにマトリクス状に配置するのが容易に行えるようになる。
【0119】
(第5の実施形態)
上記第4の実施形態は、5台までのシャッター装置40のインターロック制御を可能にするものである。第5の実施形態は、第2の実施形態と同様に、9台までのシャッター装置40のインターロック制御を可能にするものである。第2の実施形態との大きな相違は、第5の実施形態でも、切替スイッチKS、及び設定スイッチTSが採用されている点である。
【0120】
図15は、第5の実施形態における生成回路群の構成例を示す図である。
この生成回路群110には、9台までのシャッター装置40に可能なように、9つの生成回路が存在する。そのため、各シャッター装置40(リレー131)に対応付けられた切替スイッチKSはそれぞれ8個、存在する。また、設定スイッチTSとしては、設定スイッチTS1~72の計72個が存在する。各設定スイッチTSは、第4の実施形態と同様に、1つのリレースイッチ群Rsgに対して並列に接続されている。
【0121】
図16は、本発明の第5の実施形態に係る制御盤の扉裏の例を説明する図である。
制御盤1の扉裏には、第4の実施形態と同様に、LED17、切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGが配置されている。切替スイッチ群KSGでは、縦に9個、横に8個、切替スイッチKSがマトリクス状に並べられている。設定スイッチ群TSGでは、入力番号、及び相手番号が一致する箇所には設定スイッチTSが存在しない。このことから、縦、横ともに9、つまり9×9のマトリクス状に、縦、横ともに8個の設定スイッチTSが並べられている。
第4の実施形態と同様に、切替スイッチ群KSGで示す「1-1」、「1-2」等のシンボルは、1つの切替スイッチKSを表している。設定スイッチ群TSGで示す「1」~「72」の数字も、1つの設定スイッチTSを表している。
【0122】
図17は、9台のシャッター装置で想定するインターロック制御の内容例を説明する図である。ここでも第4の実施形態と同じく、図17に示すようなインターロック制御を行う場合を想定し、設定スイッチ群TSGに対して行うべき操作を具体的に説明する。各切替スイッチKSへの操作は不要、つまり各リレースイッチ群Rsgではb接点Rsbが選択されるものと想定する。
【0123】
図17に示す例では、1、及び2の番号の各シャッター装置40は、3の番号のシャッター装置40とのみ、連携させれば良い。3の番号のシャッター装置40は、1、及び2の番号の各シャッター装置40の他に、4の番号のシャッター装置40と連携させれば良い。4の番号のシャッター装置40は、3の番号のシャッター装置40の他に、5、及び8の番号の各シャッター装置40と連携させる必要がある。5の番号のシャッター装置40は、4の番号のシャッター装置40の他に、6の番号のシャッター装置40と連携させる必要がある。6の番号のシャッター装置40は、5の番号のシャッター装置40の他に、7の番号のシャッター装置40と連携させる必要がある。7の番号のシャッター装置40は、6の番号のシャッター装置40とのみ連携させれば良い。8の番号のシャッター装置40は、4の番号のシャッター装置40の他に、9の番号のシャッター装置40と連携させれば良い。9の番号のシャッター装置40は、8の番号のシャッター装置40とのみ、連携させれば良い。
【0124】
このようなことから、結果として、設定スイッチTS2、TS10、TS17~TS19、TS27、TS28、TS31、TS36、TS37、TS45、TS46、TS54、TS60、TS64、及びTS72の計16個の設定スイッチTSを操作し、開状態に切り替えれば良い。そのような操作により、図17に示すようなインターロック制御を9台のシャッター装置40で行うことができる。
他の内容のインターロック制御でも、シャッター装置40が9台までであれば、同様にして、操作が必要な設定スイッチTSを特定し操作すれば良い。
【0125】
このように、インターロック制御の対象となるシャッター装置40が5台から9台に増えても、作業員は、操作すべき設定スイッチTSを視覚的に容易に特定し、操作することができる。従って、シャッター装置40が6台以上となっても、特別なスキルを備えていない作業員が、設定スイッチTSのうちで操作すべき設定スイッチTSへの操作を短時間に、且つ確実に行うことができる。
【0126】
なお、第4、及び第5の実施形態であっても、インターロック制御の対象とするシャッター装置40の実際の台数に応じたリレー131のみ、制御盤1に取り付けるようにしても良い。取り付けていないリレー131に対応付けられる設定スイッチTSを閉状態にすることにより、リレー131を取り付けないことによる影響は回避させることができる。
【0127】
切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGはともに、扉裏に配置させているが、それらは、制御盤1の内部、つまり扉で覆われる場所に配置させても良い。また、切替スイッチ群KSG、及び設定スイッチ群TSGは、全てのスイッチをマトリクス状に配置させているが、複数に分け、それぞれをマトリクス状に配置させるようにしても良い。第1~第3の実施形態を対象に説明の各種変形例も適用可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 制御盤、2 工場、3 倉庫、12 電源部、13 リレー群、14 第1の端子台群、15 第2の端子台群、16 セレクトスイッチ、40 シャッター装置(電気機器)100 端子台、101 端子、D 端子台対、KS、KS11~88 切替スイッチ、KSG 切替スイッチ群、R1c~R12c リレーコイル、R1s~R12s リレースイッチ、Rsg、R1sg~R9sg リレースイッチ群、T、T1~T47 端子対、TS、TS1~72 設定スイッチ、TSG 設定スイッチ群。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17