(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032653
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】電子メッセージを提供するための技法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/063 20220101AFI20240305BHJP
H04L 51/08 20220101ALI20240305BHJP
G06F 21/56 20130101ALI20240305BHJP
【FI】
H04L51/063
H04L51/08
G06F21/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110213
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】22192555.5
(32)【優先日】2022-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523254232
【氏名又は名称】レタルス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーガー マルティン
(72)【発明者】
【氏名】グラオフォグル ミカエル
(57)【要約】
【課題】電子メッセージの送信をよりセキュアで高効率にするメッセージング技法の改善。
【解決手段】
メッセージングサーバによって本方法が実行される。本方法は、メッセージ送信デバイスから電子メッセージを受信するステップであって、電子メッセージが少なくとも1つの添付物を含む、受信するステップ(S210)と、少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成するステップ(S230)と、電子メッセージの本文に少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を埋め込むステップ(S240)と、埋め込まれた画像を伴うメッセージを、添付物とともにメッセージ受信デバイスへ送信するステップ(S250)と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メッセージをメッセージ受信デバイス(120)に提供する方法であって、前記方法はメッセージングサーバ(1000)によって実行され、前記方法は、
メッセージ送信デバイス(110)から電子メッセージ(103)を受信するステップであって、前記電子メッセージ(103)が少なくとも1つの添付物を含む、受信するステップ(S210)と、
前記少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成するステップ(S230)と、
前記電子メッセージ(103)の本文に前記少なくとも1つの添付物の前記コンテンツの前記画像を埋め込むステップ(S240)と、
前記埋め込まれた画像を伴うメッセージ(103a)を、前記添付物とともに前記メッセージ受信デバイス(120)へ送信するステップ(S250)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記電子メッセージ(103)のセキュリティ検査を実行するステップ(S220)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記セキュリティ検査が、前記少なくとも1つの添付物のマルウェア検査を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記電子メッセージ(103)が前記セキュリティ検査を通過した後に、前記少なくとも1つの添付物の前記コンテンツの前記画像が生成され、メッセージ本文に埋め込まれる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの添付物が不正でないことを、前記のセキュリティ検査が明らかにした場合、前記コンテンツの前記画像が生成され、前記メッセージ本文に埋め込まれる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記生成するステップが、前記少なくとも1つの添付物の前記コンテンツを所定の画像形式に変換することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記埋め込むステップが、前記生成された画像を前記電子メッセージの前記本文に直接埋め込むことを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
電子メッセージをメッセージ受信デバイス(120)に提供するように構成されたメッセージングサーバ(1000)であって、
- メッセージ送信デバイス(110)から電子メッセージ(103)を受信するように構成された受信ユニット(1010)であって、前記電子メッセージが少なくとも1つの添付物を含む、受信ユニット(1010)と、
- 前記少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成するように構成された画像生成ユニット(1050)と、
- 前記添付物の前記コンテンツの前記画像を前記電子メッセージの本文に埋め込むように構成された埋め込みユニット(1070)と、
- 前記埋め込まれた画像を伴うメッセージ(103a)を、前記添付物とともに前記メッセージ受信デバイス(120)へ送信するように構成された送信ユニット(1090)と、
を備える、メッセージングサーバ(1000)。
【請求項9】
- 前記少なくとも1つの添付物の前記コンテンツを検査するように構成された検査ユニット(1030)をさらに備える、請求項8に記載のメッセージングサーバ(1000)。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のメッセージングサーバに、請求項1~3のうちの一項の方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶している、コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
メッセージンクシステムであって、
- メッセージ送信デバイス(110)と、
- メッセージ受信デバイス(120)と、
- 請求項8または9に記載のメッセージングサーバ(1000)と、を備えており、前記メッセージングサーバ(1000)が前記メッセージ送信デバイス(110)および前記メッセージ受信デバイス(120)と通信状態にある、
メッセージングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に通信技術に関する。詳しくは、本開示は、電子メッセージをメッセージ受信デバイスに提供する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールメッセージまたはeメールなどの電子メッセージは、通信エンティティ間での情報の送受信のために一般的に使用されている。電子メッセージはまた、行政文書、見積書、請求書、アンケートなどの関連ドキュメントを送信するために広く使用される。そのようなドキュメントは、電子メールメッセージの添付物として通常は送信される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メッセージ添付物に関連する1つの問題は、見落とされて、考慮されない場合があることである。したがって、メッセージ添付物によって含まれた重要情報が考慮されず、したがって電子メール通信が場合によっては非効率的となるリスクがある。
【0004】
電子メッセージに関連した別の問題は、マルウェアを拡散するために使用され得ることである。電子メールメッセージを用いて拡散されるマルウェアは、ウィルス、ワーム、トロイの木馬、ランサムウェア、アドウェアおよび/または他の不正プログラムを含み得る。
【0005】
したがって、電子メッセージと関連した上述の問題を鑑みて、電子メッセージの送信をよりセキュアで高効率にするメッセージング技法の改善が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の問題のうちの少なくとも1つを克服するため、本発明の第1の態様によれば、電子メッセージをメッセージ受信デバイスに提供する方法が提供される。本方法は、メッセージングサーバによって実行され、メッセージ送信デバイスから電子メッセージを受信するステップであって、電子メッセージが少なくとも1つの添付物を含む、受信するステップと、少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成するステップと、電子メッセージの本文に少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を埋め込むステップと、埋め込まれた画像を伴うメッセージを、添付物とともにメッセージ受信デバイスへ送信するステップと、を含む。
【0007】
本開示において、「電子メッセージ」なる用語は、広義で解釈されるべきである。「電子メッセージ」なる用語は、メッセージコンテンツをデジタル形態で送信できる(任意の種類の電子メッセージ形式の)任意の種類のメッセージを含み得る。この目的のため、メッセージは、メッセージヘッダおよびメッセージ本文を含み得る。メッセージヘッダは、メッセージ送信元またはメッセージ送信デバイスに関係する情報およびメッセージ受信先またはメッセージ受信デバイスに関係する情報を少なくとも含み得る。メッセージコンテンツは、テキストコンテンツ、グラフィックコンテンツおよび/または音声コンテンツを含み得る。電子メッセージによって送信されるメッセージコンテンツは、メッセージ本文および/または電子メッセージの少なくとも1つの添付物に位置し得る。
【0008】
特に、「電子メッセージ」は、少なくとも1つの添付物を含む電子メールメッセージ(要するにeメール)でもよい。電子メールメッセージは、電子メールヘッダおよび電子メール本文を含み得る。電子メールヘッダは、電子メールが発信された電子メール送信元の電子メールアドレスと、電子メールが送信される電子メール受信先の電子メールアドレスとを少なくとも含み得る。電子メール本文は、メッセージ受信デバイスに送信されるメッセージコンテンツを含み得る。少なくとも1つの電子メールの添付物は、テキストコンテンツおよび/またはグラフィックコンテンツの形態の追加のコンテンツを含み得る。コンテンツの種類に応じて、添付物は、対応するデータ形式(例えば、pdf形式、docx形式、xlsx形式、html形式、jpg形式など)で提供され得る。
【0009】
上記方法は、メッセージのセキュリティ検査を実行するステップをさらに含み得る。少なくとも1つのセキュリティ検査は、添付物のマルウェア検査および/またはメッセージ本文(のコンテンツ)のマルウェア検査を含み得る。マルウェア検査は、本文コンテンツおよび/または少なくとも1つの添付物のシグネチャをベースとしたマルウェア検査を含み得る。すなわち、本文コンテンツもしくはそれから導出されたシグネチャおよび/または少なくとも1つの添付物もしくはそれから導出されたシグネチャは、ウィルス対策シグネチャデータベースのシグネチャと比較される。追加的または代替的に、ウィルス対策検査は、少なくとも1つの添付物が不正であるか否かを検出するために、サンドボックス環境における少なくとも1つの添付物の仮想実行をさらに含み得る。
【0010】
電子メッセージがセキュリティ検査を通過後(すなわち、電子メッセージが不正でないと判明した後)、少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像が生成され得、メッセージ本文に埋め込まれ得る。したがって、少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成して埋め込むステップが実行される前にセキュリティ検査を実行するステップが実行される。さらに、電子メッセージが不正である、または少なくとも疑わしいとセキュリティ検査が明らかにした場合、画像は生成および埋め込まれなくてもよい。この特定の場合では、メッセージがメッセージ受信デバイスに送信されなくてもよい。
【0011】
コンテンツの画像を生成するステップは、所定のグラフィック画像形式にしたがってコンテンツのグラフィック画像を生成することを含む。例えば、png形式またはjpg形式が、グラフィック画像のために使用され得る。添付物のコンテンツは、所望のグラフィック画像形式に変換され得る。
【0012】
その後、少なくとも1つの添付物のコンテンツの生成された画像は、電子メッセージの本文に直接埋め込まれ得る。例えば、添付されたコンテンツの生成された画像は、本文のコンテンツの末尾または先頭に埋め込まれ得る。したがって、そのようにして得られた電子メッセージは、元の本文コンテンツ、メッセージ本文に直接埋め込まれた添付物コンテンツの画像、および元の添付物を含む。添付物のコンテンツをメッセージ本文に直接埋め込むことによって、添付物のコンテンツが、添付物を開封する必要なく、メッセージ受信先(またはメッセージ受信デバイスのユーザ)によって即座に把握可能である。したがって、重要な添付物のコンテンツがメッセージ受信先によって見落とされるリスクが大幅に軽減される。
【0013】
その後、本文に埋め込まれた画像を伴うメッセージは、元の添付物とともにメッセージ受信デバイスへ送信される。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、メッセージングサーバが提供される。メッセージングサーバは、電子メッセージをメッセージ受信先またはメッセージ受信デバイスに提供するように構成されている。メッセージングサーバは、メッセージ送信デバイスから電子メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、電子メッセージが少なくとも1つの添付物を含む、受信ユニットと、少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成するように構成された画像生成ユニットと、電子メッセージの本文に添付物のコンテンツの画像を埋め込むように構成された埋め込みユニットと、埋め込まれた画像を伴うメッセージを、添付物とともにメッセージ受信デバイスへ送信するように構成された送信ユニットと、を備える。
【0015】
メッセージングサーバは、電子メッセージのセキュリティ検査を行うように構成された検査ユニットをさらに備え得る。検査ユニットは、電子メッセージの少なくとも1つの添付物および/またはメッセージ本文を不正コンテンツのために走査するように構成されたマルウェア検出ユニットとして実施され得る。不正コンテンツは、電子メッセージまたは電子メッセージの添付物がメッセージ受信デバイス上で(ユーザによって)開封されたときに、メッセージ受信デバイスを感染させるようにプログラムされた不正ソフトウェアコードを含み得る。
【0016】
画像生成ユニットは、少なくとも1つの添付物に含まれたテキストコンテンツおよび/またはグラフィックコンテンツを所定の画像形式の画像に変換するように設計された(プログラムされた)画像変換器を備え得る。例えば、少なくとも1つの添付物のコンテンツは、jpg画像またはpng画像に変換される。当然ながら、他の画像データ形式も考えられ、本発明は、その特定の画像データ形式に限定されない。
【0017】
埋め込みユニットは、添付物のコンテンツの生成された画像を電子メッセージの本文に直接埋め込むように設計(プログラム)され得る。直接埋め込むことの利点は、少なくとも1つの添付物のコンテンツがユーザには即座に可視となることである。ユーザは、少なくとも1つの添付物のコンテンツを把握可能なように少なくとも1つの添付物を開封する必要はない。
【0018】
画像生成ユニット、埋め込みユニット、および検査ユニットは、それぞれのユニットと関連する上述の機能性を実施するプログラム部分を含むソフトウェアモジュールまたはソフトウェアおよびハードウェアが組み合わされたモジュールとして実施され得る。
【0019】
メッセージングサーバは、単一のコンピュータデバイスの形態で、または少なくとも1つのメッセージ送信デバイスおよび少なくとも1つのメッセージ受信デバイスからリモートのネットワークに配置された分散コンピュータデバイスの形態で、実施され得る。メッセージングサーバは、少なくとも1つのメッセージ送信デバイスからメッセージを受信するために、かつ、受信されたメッセージを少なくとも1つのメッセージ受信デバイスへ送信するために、少なくとも1つのメッセージ送信デバイスおよび少なくとも1つのメッセージ受信デバイスと(継続的)通信状態であり得る。メッセージングサーバとメッセージ受信デバイスおよびメッセージ送信デバイスとの間の通信は、SMTPプロトコルに基づいて実行され得る。
【0020】
本発明の第3の態様によれば、メッセージングサーバに上述した方法を実行させる命令を備えるコンピュータプログラムが提供される。さらに、本明細書で説明したコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。
【0021】
本発明の第4の態様によれば、メッセージングシステムが提供される。メッセージングシステムは、メッセージ送信デバイス、メッセージ受信デバイス、および上述したメッセージングサーバを備えており、メッセージングサーバは、メッセージ送信デバイスおよびメッセージ受信デバイスと通信状態にある。
【0022】
メッセージ送信デバイスは、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、またはユーザから受信された対応入力データに応答して電子メッセージを生成してメッセージングサーバに送信できる任意の他のコンピューティングデバイスなどの電子デバイスでもよい。メッセージ受信デバイスも、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、またはメッセージングサーバから受信された電子メッセージを受信、記憶、および表示するように構成された任意の他のコンピューティングデバイスなどの電子デバイスでもよい。
【0023】
本明細書に記載の本開示のさらなる詳細は、以下の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】メッセージ送信デバイスから受信された電子メッセージをメッセージ受信デバイスへ提供するように構成されたメッセージングサーバを示すブロック図である。
【
図2】電子メッセージをメッセージ受信デバイスに提供する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の記載において、限定ではなく説明を目的として、本明細書に提示される技法の十分な理解を実現するために、特定の詳細が記載される。開示の技法が、それらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態において実践され得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0026】
図1は、本発明による、電子メッセージをメッセージ受信デバイスに提供する方法を実施するメッセージングサーバ1000の例示的な実施形態を、ブロック図の形態で示す。メッセージングサーバ1000は、少なくとも1つのメッセージ送信元もしくはメッセージ送信デバイス110および少なくとも1つのメッセージ受信先もしくはメッセージ受信デバイス120を備える通信システム(インターネットなどの通信ネットワーク)の一部である。「メッセージ送信元」および「メッセージ送信デバイス」なる用語は、同義で使用されており、電子メッセージ103を生成するために、ユーザによって使用される電子デバイス(たとえば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット)を表す。「メッセージ受信先」および「メッセージ受信デバイス」なる用語も、同義で使用されており、(着信した)電子メッセージ103を受信、記憶、および/または表示するために、ユーザによって応答して使用される電子デバイス(たとえば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット)を表す。
【0027】
図1に示すように、メッセージングサーバ1000は、対応するメッセージ送信デバイス110およびメッセージ受信デバイス120からリモートに配置される。メッセージングサーバ1000は、メッセージ送信デバイス110から受信したメッセージ103を、メッセージ103が意図される特定のメッセージ受信デバイス120へ送信するように構成されている。このため、メッセージングサーバ1000は、メッセージ送信デバイス110およびメッセージ受信デバイス120の各々と(継続的)通信状態となるように構成されている。メッセージングサーバ1000と対応メッセージ送信デバイス110およびメッセージ受信デバイス120との通信は、対応する無線および/または有線通信チャネルを介して確立可能である。メッセージ送信デバイス110とメッセージ受信デバイス120との間で1つ又は複数のメッセージ103を伝送するために、任意の知られている通信標準/通信プロトコルが使用可能である。例えば、メッセージ103は、SMTPプロトコルを使用して伝送されるメールメッセージでもよい。
【0028】
さらに、メッセージ103は添付物を含む。添付物は、見積書、請求書、計算書、テンプレート、および/またはコンパイルされる形態などの関連コンテンツを含み得る。添付物のコンテンツに依存して、添付物は、異なるデータ形式で提供され得る。例えば、添付物は、pdf形式、docx形式、または他のテキストもしくはグラフィックの形式で提供される場合がある。さらに、添付物がグラフィック情報を含むことも考えられる。この文脈において、添付物は、グラフィックデータ形式を有し得る。
【0029】
添付物のコンテンツを閲覧するために、メッセージ受信デバイス120のユーザは、メッセージ受信デバイス120上で添付物を開封して表示するために添付物をクリックしなければならない。ユーザが添付物上で積極的にクリックしない場合、コンテンツは把握できない。メッセージ受信デバイス120上で電子メッセージを確認するときに、ユーザがメッセージの添付物を単に見落として、添付物に含まれる情報がユーザによって把握できない場合も多い。さらに、場合によっては、メッセージ自体、またはメッセージの添付物が、メッセージ受信デバイス120を感染させるために使用される場合がある。そのような場合、不正コンテンツ(例えば、マルウェアコードまたは不正ウェブページへのリンク)は、電子メッセージ103またはその添付物に埋め込まれている。また、pdfファイルを装うが、実際は、実行可能ファイルあり、したがって添付物上でクリックすると、ユーザの受信デバイスを感染させるマルウェアのインストールをトリガすることも考えられる。
【0030】
本メッセージング技法は、両方の問題、すなわち、電子メッセージおよびその添付物と関連したセキュリティ問題、ならびにユーザ受信デバイス120のユーザが意図せずに添付物を見落とすことによって関連コンテンツを把握しないという問題の両方を克服する。
【0031】
本発明によるメッセージング技法は、
図1および
図2に関連してさらに説明され、ここで、
図2は、フロー図の形態で、本発明による電子メッセージを提供する方法を示し、
図1は、
図2の方法を実施するために使用されたメッセージングサーバ1000の構成を示す。
【0032】
方法(
図2参照)の第1のステップS210において、メッセージングサーバ1000は、受信ユニット1010によって、メッセージ送信デバイス110からの電子メッセージ103を受信する。受信ユニット1010は、メッセージ送信デバイス110から電子メッセージ103を受信するように構成された従来の通信モジュールでもよい。受信ユニット1010は、ソフトウェアおよびハードウェアが組み合わされたモジュールの形態で実施され得る。
【0033】
受信されたメッセージ103は、メッセージングサーバ1000のストレージ1040に(少なくとも一時的に)記憶され得る。
【0034】
方法の後続の第2のステップS220において、受信されたメッセージ103は、セキュリティ検査を受ける。このセキュリティ検査は、検査ユニット1030によって実行される。このセキュリティ検査は、電子メッセージ103および/または電子メッセージ103の添付物のマルウェアチェックを含む。この目的のため、電子メッセージ103および/または電子メッセージ103のコンテンツと関連付けられた(又はに由来する)シグネチャが、署名データベース(
図1、シグネチャDB1060参照)にあらかじめ記憶されている不正な挙動を示すシグネチャと比較され得る。あるいは、電子メッセージ103の添付物は、その添付物がマルウェアを含んでいるか否かを検出するために、サンドボックス環境において(仮想的に)実行され得る。メッセージングサーバ1000の検査ユニット1030によって実行されるセキュリティ検査は、電子メッセージを介したマルウェアの拡散を防止するのを助ける。本発明の一実施形態によれば、セキュリティ検査ステップS220は、スキップされてもよい。
【0035】
セキュリティ検査が実行されるか否かにかかわらず、方法の後続の(第3の)ステップS230において、電子メッセージ103は、メッセージングサーバ1000の画像生成ユニット1050によってさらに処理される。具体的には、画像生成ユニット1050は、所望のグラフィック画像形式を有するグラフィック画像において受信された電子メッセージ103の少なくとも1つの添付物のコンテンツの画像を生成する。例えば、画像生成ユニット1050は、少なくとも1つの添付物のコンテンツをjpeg画像またはpng画像に変換する。
【0036】
方法の後続の(第4の)ステップS240において、添付物のコンテンツの生成された画像は、メッセージングサーバ1000の埋め込みユニット1070によって、電子メッセージ103の本文に埋め込まれる。例えば、埋め込みユニット1070は、添付物のコンテンツの生成された画像を、電子メッセージ103の本文コンテンツの末尾に直接埋め込む。別の実施形態によれば、添付物のコンテンツの生成された画像は、コンテンツ本文の先頭または任意の他の適した位置に直接埋め込まれる。添付物のコンテンツの画像の直接埋め込みは、添付物を開封しなくても、メッセージ受信デバイス120において添付物のコンテンツの直接的な把握を可能にする。それによって、関連添付物のコンテンツがユーザによって見落とされるリスクが大幅に軽減される。さらに、メッセージングサーバ1000によって生成された埋め込まれた画像は、マルウェアが無いため、メッセージ受信デバイス120の意図しない感染のリスクがなくなる。
【0037】
この埋め込まれた画像を伴うメッセージ103aは、メッセージ受信デバイス120への送信が可能である。この目的のため、メッセージ103aは、メッセージングサーバ1000の送信ユニット1090へ渡される。送信ユニット1090は、埋め込まれた画像を伴う電子メッセージ103をメッセージ受信デバイス120へ送信するように構成された従来の通信モジュールでもよい。送信ユニット1090は、ソフトウェアおよびハードウェアが組み合わされたモジュールの形態で実施され得る。したがって、方法の(第5の)ステップS250において、埋め込まれた画像を伴う電子メッセージは、元の添付物とともに、元のメッセージ103が意図されていたメッセージ受信デバイス120へ送信される。
【0038】
任意選択的に、埋め込まれた画像を伴う電子メッセージ103aは、メッセージングサーバ1000のストレージ1040に(一時的に)記憶され、所定の時間にわたってメッセージ受信デバイス120に提供されてもよい。
【0039】
上述した画像生成ユニット1050、埋め込みユニット1070、および/または検査ユニット1030は、メッセージングサーバ1000の処理デバイスの一部でもよい。一実施形態によれば、ユニット1030、1050、1070は、サーバ1000の処理デバイスに、上述した方法のステップを実行させる命令を備えるソフトウェアモジュールとして実施される。
【0040】
説明されたメッセージング技法は、メッセージ添付物を開封する必要なく、メッセージ添付物のコンテンツを把握できるようにする。これは、関連添付物のコンテンツがユーザによって意図せず見落とされることを回避するのを助ける。さらに、通信ネットワーク内の電子メッセージングデバイスの意図しない感染を抑制するのを助ける。さらに、電子メッセージの元のコンテンツが維持される。ユーザは、依然として、電子メッセージの元の添付物に十分にアクセスでき、すなわち、元の添付物は、メッセージ受信デバイス120において、ユーザによってダウンロード可能および記憶可能である。
【符号の説明】
【0041】
103 電子メッセージ
110 メッセージ送信デバイス
120 メッセージ受信デバイス
1000 メッセージングサーバ
1010 受信ユニット
1030 検査ユニット
1040 ストレージ
1050 画像生成ユニット
1060 シグネチャデータベース
1070 埋め込みユニット
1090 送信ユニット
【外国語明細書】