(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032694
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】電流検出装置
(51)【国際特許分類】
H02P 21/22 20160101AFI20240305BHJP
【FI】
H02P21/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023138918
(22)【出願日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】202211040361.X
(32)【優先日】2022-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】梶田 浩介
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505AA16
5H505BB10
5H505DD03
5H505EE41
5H505HB01
5H505JJ03
5H505LL22
5H505LL32
(57)【要約】
【課題】ベクトル制御を行う後段のモータ制御装置における演算負荷を軽減できる三相モータの電流検出装置を提供すること。
【解決手段】電流検出装置は、三相モータの電流線6u,6v,6wを流れる電流を、これら電流線6u,6v,6wの周囲に設けられた磁気検出素子S1,S2に基づいて検出する。各電流線6u,6v,6wは、互いに平行かつ断面視で二等辺三角形の角に配置され、磁気検出素子S1,S2は、それぞれ二等辺三角形の頂角と底辺の中点P1とを通過する第1仮想線L1上に配置される。頂角と中点P1との間の距離は、底辺の長さと等しく、第1磁気検出素子S1は、中点P1よりも頂角側に設けられ、第2磁気検出素子S2は、中点P1よりも頂角と反対側に設けられ、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第1仮想線L1に対し直交し、第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、第1仮想線L1と平行である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三相モータの第1相電流線、第2相電流線及び第3相電流線を流れる電流を、前記第1相、第2相及び第3相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子に基づいて検出する電流検出装置であって、
前記第1相電流線を流れる電流値をI1とし、前記第2相電流線を流れる電流値をI2とし、前記第3相電流線を流れる電流値をI3とし、前記第1磁気検出素子の出力値をV1とし、前記第2磁気検出素子の出力値をV2とした場合、前記第1相、第2相及び第3相電流線に対する前記第1及び第2磁気検出素子の相対位置並びに検出方向の向きは、下記式(1)が成立するように定められることを特徴とする電流検出装置。
【数1】
【請求項2】
前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で二等辺三角形の角に配置され、
前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、それぞれ前記二等辺三角形の頂角と底辺の中点とを通過する第1仮想線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項3】
前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で直線上に等間隔に配置され、
前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、前記直線に対し直交しかつ前記第1相、第2相及び第3相電流線のうち中央に配置される中央電流線を通過する第2仮想線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電流検出装置。
【請求項4】
三相モータの第1相電流線、第2相電流線及び第3相電流線を流れる電流を、前記第1相、第2相及び第3相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子に基づいて検出する電流検出装置であって、
前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で二等辺三角形の角に配置され、
前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、それぞれ前記二等辺三角形の頂角と底辺の中点とを通過する第1仮想線上に配置されることを特徴とする電流検出装置。
【請求項5】
前記頂角と前記中点との間の距離は、前記底辺の長さと等しく、
前記第1磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点よりも前記頂角側に設けられ、
前記第2磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点よりも前記頂角と反対側に設けられ、
前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第1仮想線に対し直交し、
前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第1仮想線と平行であることを特徴とする請求項2又は4に記載の電流検出装置。
【請求項6】
前記頂角と前記中点との間の距離は、前記底辺の長さと等しく、
前記第1磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点よりも前記頂角側に設けられ、
前記第2磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点と前記第1磁気検出素子との間に設けられ、
前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第1仮想線に対し直交し、
前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第1仮想線と平行であることを特徴とする請求項2又は4に記載の電流検出装置。
【請求項7】
三相モータの第1相電流線、第2相電流線及び第3相電流線を流れる電流を、前記第1相、第2相及び第3相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子に基づいて検出する電流検出装置であって、
前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で直線上に等間隔に配置され、
前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、前記直線に対し直交しかつ前記第1相、第2相及び第3相電流線のうち中央に配置される中央電流線を通過する第2仮想線上に配置されることを特徴とする電流検出装置。
【請求項8】
前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、前記第2仮想線上のうち前記直線を挟んで設けられ、
前記第2磁気検出素子と前記中央電流線との間の距離は、前記第1磁気検出素子と前記中央電流線との間の距離よりも短く、
前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第2仮想線に対し直交し、
前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第2仮想線と平行であることを特徴とする請求項3又は7に記載の電流検出装置。
【請求項9】
前記第2磁気検出素子は、前記第2仮想線上のうち前記第1磁気検出素子と前記中央電流線との間に設けられ、
前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第2仮想線に対し直交し、
前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第2仮想線と平行であることを特徴とする請求項3又は7に記載の電流検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流検出装置に関する。より詳しくは、三相モータの各相の電流を2つの磁気検出素子に基づいて検出する電流検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両や家電機器(例えば、エアコンや洗濯機等)等に搭載される三相交流モータの制御方式として、所謂ベクトル制御が広く採用されている。ベクトル制御では、モータ制御装置は、モータの回転直交座標系であるd-q座標上で定義されるd軸電流及びq軸電流のフィードバック制御に基づいてインバータに対する指令信号を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようにモータ制御装置では、d-q座標上で電流のフィードバック制御を行うため、例えば特許文献1に示すような電流検出装置を用いて検出されたモータのU相電流、V相電流及びW相電流を、d軸電流及びq軸電流に変換する必要がある。より具体的には、モータ制御装置では、初めに電流検出装置によって検出された三相電流(Iu,Iv,Iw)をクラーク変換によって固定座標系で定義される二相電流(Iα,Iβ)に変換した後、この二相電流(Iα,Iβ)をモータの回転角度θを用いたパーク変換によってd-q座標系で定義される二相電流(Id,Iq)に変換する。このように従来の電流検出装置の出力を用いたベクトル制御では、三相電流(Iu,Iv,Iw)を二相電流(Id,Iq)に変換する演算をモータ制御装置において実行する必要がある。
【0005】
本発明は、ベクトル制御を行う後段のモータ制御装置における演算負荷を軽減できる三相モータの電流検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る電流検出装置は、三相モータの第1相電流線、第2相電流線及び第3相電流線を流れる電流を、前記第1相、第2相及び第3相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子に基づいて検出するものであって、前記第1相電流線を流れる電流値をI1とし、前記第2相電流線を流れる電流値をI2とし、前記第3相電流線を流れる電流値をI3とし、前記第1磁気検出素子の出力値をV1とし、前記第2磁気検出素子の出力値をV2とした場合、前記第1相、第2相及び第3相電流線に対する前記第1及び第2磁気検出素子の相対位置並びに検出方向の向きは、下記式(1)が成立するように定められることを特徴とする。
【数1】
【0007】
(2)この場合、前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で二等辺三角形の角に配置され、前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、それぞれ前記二等辺三角形の頂角と底辺の中点とを通過する第1仮想線上に配置されることが好ましい。
【0008】
(3)この場合、前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で直線上に等間隔に配置され、前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、前記直線に対し直交しかつ前記第1相、第2相及び第3相電流線のうち中央に配置される中央電流線を通過する第2仮想線上に配置されることが好ましい。
【0009】
(4)本発明に係る電流検出装置は、三相モータの第1相電流線、第2相電流線及び第3相電流線を流れる電流を、前記第1相、第2相及び第3相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子に基づいて検出するものであって、前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で二等辺三角形の角に配置され、前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、それぞれ前記二等辺三角形の頂角と底辺の中点とを通過する第1仮想線上に配置されることを特徴とする。
【0010】
(5)この場合、前記頂角と前記中点との間の距離は、前記底辺の長さと等しく、前記第1磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点よりも前記頂角側に設けられ、前記第2磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点よりも前記頂角と反対側に設けられ、前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第1仮想線に対し直交し、前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第1仮想線と平行であることが好ましい。
【0011】
(6)この場合、前記頂角と前記中点との間の距離は、前記底辺の長さと等しく、前記第1磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点よりも前記頂角側に設けられ、前記第2磁気検出素子は、前記第1仮想線上のうち前記中点と前記第1磁気検出素子との間に設けられ、前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第1仮想線に対し直交し、前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第1仮想線と平行であることが好ましい。
【0012】
(7)本発明に係る電流検出装置は、三相モータの第1相電流線、第2相電流線及び第3相電流線を流れる電流を、前記第1相、第2相及び第3相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子及び第2磁気検出素子に基づいて検出するものであって、前記第1相、第2相及び第3相電流線は、互いに平行かつ断面視で直線上に等間隔に配置され、前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、前記直線に対し直交しかつ前記第1相、第2相及び第3相電流線のうち中央に配置される中央電流線を通過する第2仮想線上に配置されることを特徴とする。
【0013】
(8)この場合、前記第1磁気検出素子及び前記第2磁気検出素子は、前記第2仮想線上のうち前記直線を挟んで設けられ、前記第2磁気検出素子と前記中央電流線との間の距離は、前記第1磁気検出素子と前記中央電流線との間の距離よりも短く、前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第2仮想線に対し直交し、前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第2仮想線と平行であることが好ましい。
【0014】
(9)この場合、前記第2磁気検出素子は、前記第2仮想線上のうち前記第1磁気検出素子と前記中央電流線との間に設けられ、前記第1磁気検出素子の第1検出方向は、前記第2仮想線に対し直交し、前記第2磁気検出素子の第2検出方向は、前記第2仮想線と平行であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
(1)本発明に係る電流検出装置では、3本の電流線を流れる電流を、これら電流線の周囲に設けられた2つの磁気検出素子に基づいて検出する。よって本発明によれば、1本の電流線毎に1つずつ磁気検出素子を設ける従来の電流検出装置よりも磁気検出素子の数を減らすことができるので、その分だけコストを低減できる。また本発明に係る電流検出装置では、第1相~第3相電流線に対する第1及び第2磁気検出素子の相対位置及び検出方向の向きは、クラーク変換と等価な行列演算式である上記式(1)が成立するように定められる。よって本発明の電流検出装置によれば、これら2つの磁気検出素子の出力を用いることにより、その後段に設けられるモータ制御装置では、クラーク変換を演算によって行う必要が無いので、その分だけモータ制御装置の演算負荷を軽減することができる。
【0016】
また本発明によれば、第1相~第3相電流線に対する第1及び第2磁気検出素子の相対位置及び検出方向の向きを上記式(1)が成立するように定めることにより、各相の電流線毎に磁気検出素子を設ける従来の電流検出装置ではノイズとなる複数相の磁気を有意なシグナルとして利用することができる。このため従来の電流検出装置では、上記のようなノイズを抑制するために必要であった複数相磁界混線対策(例えば、磁性体コアの設置や、複数の素子の差動出力の利用等)を不要とすることができる。
【0017】
なお各相の電流線毎に磁気検出素子を設ける従来の電流検出装置における各磁気検出素子の出力(V1,V2,V3)と、各相の電流値(I1,I2,I3)との間の関係式は、一般的には電流-センサ間影響係数(a11,a12,…,a33)による非対角行列を用いて下記式(2)によって表される。このため従来の電流検出装置では、非対角成分の影響係数が0になるように複数相磁界混線対策を講じたり、磁気検出素子の出力に逆行列を乗算したりすることによって各相の電流値を得る必要がある。これに対し本発明によれば、このような措置が不要となる。
【数2】
【0018】
(2)本発明によれば、断面視で二等辺三角形の頂点に配置された3本の電流線に対し、この二等辺三角形の頂角と底辺の中点とを通過する第1仮想線を定め、第1及び第2磁気検出素子をこの第1仮想線上に配置することにより、上記のようにクラーク変換後の二相電流と等価な出力を得ることができる。
【0019】
(3)本発明によれば、断面視で直線上に等間隔に配置された3本の電流線に対し、この直線と直交しかつ中央電流線を通過する第2仮想線を定め、第1及び第2磁気検出素子をこの第2仮想線上に配置することにより、上記のようにクラーク変換後の二相電流と等価な出力を得ることができる。
【0020】
(4)本発明に係る電流検出装置では、3本の電流線を流れる電流を、これら電流線の周囲に設けられた2つの磁気検出素子に基づいて検出する。よって本発明によれば、1本の電流線毎に1つずつ磁気検出素子を設ける従来の電流検出装置よりも磁気検出素子の数を減らすことができるので、その分だけコストを低減できる。また本発明に係る電流検出装置では、断面視で二等辺三角形の頂点に配置された3本の電流線に対し、この二等辺三角形の頂点と底辺の中点とを通過する第1仮想線を定め、第1及び第2磁気検出素子をこの第1仮想線上に配置することにより、上記式(1)に示すクラーク変換後の二相電流と等価な出力を第1及び第2磁気検出素子から得ることができる。よって本発明の電流検出装置によれば、これら2つの磁気検出素子の出力を用いることにより、その後段に設けられるモータ制御装置では、クラーク変換を演算によって行う必要が無いので、その分だけモータ制御装置の演算負荷を軽減することができる。
【0021】
(5)本発明によれば、上記二等辺三角形の頂点と中点との間の距離を底辺の長さと等しくし、第1磁気検出素子を二等辺三角形の内側に設け、第2磁気検出素子を二等辺三角形の外側に設け、第1磁気検出素子の第1検出方向を第1仮想線に対し直交させ、さらに第2磁気検出素子の第2検出方向を第1仮想線と平行にする。これにより、クラーク変換後の二相電流と等価な出力を得ることができる。
【0022】
(6)本発明によれば、上記二等辺三角形の頂点と中点との間の距離を底辺の長さと等しくし、第1及び第2磁気検出素子を共に二等辺三角形の内側に設け、第2磁気検出素子を第1磁気検出素子と中点との間に設け、第1磁気検出素子の第1検出方向を第1仮想線に対し直交させ、さらに第2磁気検出素子の第2検出方向を第1仮想線と平行にする。これにより、クラーク変換後の二相電流と等価な出力を得ることができる。
【0023】
(7)本発明に係る電流検出装置では、3本の電流線を流れる電流を、これら電流線の周囲に設けられた2つの磁気検出素子に基づいて検出する。よって本発明によれば、1本の電流線毎に1つずつ磁気検出素子を設ける従来の電流検出装置よりも磁気検出素子の数を減らすことができるので、その分だけコストを低減できる。また本発明に係る電流検出装置では、断面視で直線上に等間隔に配置された3本の電流線に対し、この直線と直交しかつ中央電流線を通過する第2仮想線を定め、第1及び第2磁気検出素子をこの第2仮想線上に配置することにより、上記式(1)に示すクラーク変換後の二相電流と等価な出力を第1及び第2磁気検出素子から得ることができる。よって本発明の電流検出装置によれば、これら2つの磁気検出素子の出力を用いることにより、その後段に設けられるモータ制御装置では、クラーク変換を演算によって行う必要が無いので、その分だけモータ制御装置の演算負荷を軽減することができる。
【0024】
(8)本発明によれば、第1及び第2磁気検出素子を、直線を挟んで設け、第2磁気検出素子と中央電流線との間の距離を第1磁気検出素子と中央電流線との間の距離よりも短くし、第1磁気検出素子の第1検出方向を第2仮想線に対し直交させ、さらに第2磁気検出素子の第2検出方向を第2仮想線と平行にする。これにより、クラーク変換後の二相電流と等価な出力を得ることができる。
【0025】
(9)本発明によれば、第2磁気検出素子を第2仮想線上のうち第1磁気検出素子と中央電流線との間に設け、第1磁気検出素子の第1検出方向を第2仮想線に対し直交させ、さらに第2磁気検出素子の第2検出方向を第2仮想線と平行にする。これにより、クラーク変換後の二相電流と等価な出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電流検出装置及びこの電流検出装置を備える電動車両の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る電流検出装置及びこの電流検出装置が搭載された電動車両について図面を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る電流検出装置3及びこの電流検出装置を備える電動車両Vの構成を示す図である。なお以下では、電流検出装置3を電動車両Vに搭載した場合について説明するが、本発明はこれに限らない。電流検出装置3は、電動車両Vの他、エアコンや洗濯機等、ベクトル制御に基づいて三相モータを制御するものであればどのようなものにも搭載できる。
【0029】
電動車両Vは、三相交流モータM(以下、単に「モータM」という)と、このモータMの出力軸と図示しない動力伝達機構を介して連結された駆動輪Wと、図示しないバッテリとモータMとを接続するインバータ1と、モータMの電流を検出する電流検出装置3と、モータMの回転位置を検出するレゾルバ4と、これら電流検出装置3及びレゾルバ4の検出信号に基づいてインバータ1を制御するモータ制御装置2と、を備える。
【0030】
インバータ1は、例えば、複数のスイッチング素子(例えば、IGBT)をブリッジ接続して構成されるブリッジ回路を備えた、パルス幅変調によるPWMインバータであり、直流電力と交流電力とを変換する機能を備える。インバータ1は、その直流入出力側においてバッテリに接続され、交流入出力側においてモータMのU相、V相、W相の各コイルに接続されており、これらバッテリとモータMとの間で電力を変換する。インバータ1は、図示しないゲートドライブ回路から所定のタイミングで生成されるゲート駆動信号に従って各相のスイッチング素子をオン/オフ駆動することにより、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換してモータMに供給したり、モータMから供給される交流電力を直流電力に変換してバッテリに供給したりする。
【0031】
モータ制御装置2は、電流検出装置3及びレゾルバ4からの検出信号に基づくベクトル制御を行うことにより、インバータ1に対する指令信号を生成し、ゲートドライブ回路に入力する。より具体的には、モータ制御装置2は、電流検出装置3及びレゾルバ4の検出信号を用いた演算を行うことによってd軸電流Id及びq軸電流Iqを算出するとともに、運転者による要求駆動力に応じたd軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcを取得し、これら電流値の偏差(Idc-Id,Iqc-Iq)に基づくフィードバック制御を行うことにより、運転者による要求駆動力に応じた指令信号を生成する。なお以下で説明するように、電流検出装置3の出力値は、モータMの三相電流(Iu,Iv,Iw)をクラーク変換して得られる二相電流(Iα,Iβ)に比例している。このためモータ制御装置2では、d-q座標系における二相電流(Id,Iq)を算出するにあたり、あえてクラーク変換を行う必要がないので、その分だけモータ制御装置2における演算負荷を従来と比較して軽減することができる。
【0032】
電流検出装置3は、モータMとインバータ1とを接続する3本の相電流線の周囲に設けられた第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2を備える。電流検出装置3は、これら磁気検出素子S1,S2に基づいて3本の相電流線を流れる電流を検出する。より具体的には、磁気検出素子S1,S2は、各相電流線を流れる電流によって発生する磁界の磁束密度の各々の検出方向に沿った成分に応じた検出信号を出力するコアレス電流センサである。従って磁気検出素子S1,S2の出力値は、3本の相電流線に対する磁気検出素子S1,S2の相対位置及び検出方向の向きに応じて変化する。
【0033】
そこで電流検出装置3では、第1相電流線としてのU相電流線を流れる電流値をIuとし、第2相電流線としてのV相電流線を流れる電流値をIvとし、第3相電流線としてのW相電流線を流れる電流値をIwとし、第1磁気検出素子S1の出力値をV1とし、第2磁気検出素子S2の出力値をV2とした場合、これら3本の相電流線に対する磁気検出素子S1,S2の相対位置及び検出方向の向きは、三相電流(Iu,Iv,Iw)を二相電流(Iα,Iβ)に変換するクラーク変換の変換式と等価な下記式(3)が成立するように定められる。
【数3】
【0034】
以下では、上記式(3)が成立するような、3本の相電流線に対する磁気検出素子S1,S2の相対位置及び検出方向の向きの複数の設定例について、
図2~
図5を参照しながら説明する。
【0035】
図2は、第1の設定例を示す図である。より具体的には、
図2は、互いに平行に設けられたU相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを、各々の延在方向に対し直交する断面に沿って視た図である。なお
図2~
図5では、各電流線6u,6v,6wの向きについて、紙面手前から奥へ正の電流が流れるものをばつ印で示し、紙面奥から手前へ正の電流が流れるものを黒丸印で示す。
【0036】
図2に示すように、第1の設定例では、U相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを、互いに平行かつ断面視で二等辺三角形の角に配置する。またこの二等辺三角形の2つの等辺の長さは、頂角と底辺の中点P1との間の距離と底辺の長さとが等しくなるように設定する。なお以下では、底辺の長さを2Lとする。以下では、U相電流線6uを頂角に配置し、V相電流線6v及びW相電流線6wをそれぞれ2つの底角に配置する場合について説明するが、本発明はこれに限らない。各電流線6u,6v,6wを配置する位置は適宜入れ替えてもよい。また以下では、各電流線6u,6v,6wの向きを、正の電流が紙面手前から奥へ流れるようにした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。各電流線6u,6v,6wの向きは、正の電流が紙面奥から手前へ流れるようにしてもよい。
【0037】
図2に示すように、二等辺三角形の3つの角に各相電流線6u,6v,6wを配置した場合、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2は、それぞれ頂角と底辺の中点P1とを通過する第1仮想線L1上に配置される。また第1の設定例では、第1磁気検出素子S1は、第1仮想線L1上のうち、中点P1よりも頂角側(すなわち、二等辺三角形の内側)、より具体的には中点P1と頂角との間の中間の位置に配置される。すなわち第1磁気検出素子S1と頂角との間の距離と、第1磁気検出素子S1と中点P1との間の距離は、何れもLである。また第1の設定例では、第2磁気検出素子S2は、第1仮想線L1上のうち、中点P1よりも頂角と反対側(すなわち、二等辺三角形の外側)に配置される。また
図2に示すように、第2磁気検出素子S2は、第1磁気検出素子S1よりも中点P1に近い位置に配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1と中点P1との間の距離をLとした場合、第2磁気検出素子S2と中点P1との間の距離LS2は、下記式(4)が成立するように設定する。
【数4】
【0038】
また
図2に示すように、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第1仮想線L1に対し直交し、第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、第2仮想線L2と平行になるように配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第1仮想線L1に対し直交しかつV相電流線6v側に向けられる。また第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、頂角に配置されるU相電流線6uを流れる電流によって形成される磁界と直交する向き、より具体的には第1仮想線L1と平行かつ中点P1と反対側に向けられる。
【0039】
以上のような第1の設定例によれば、第1磁気検出素子S1は、U相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出し、第2磁気検出素子S2は、V相電流線6v及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出する。このため磁気検出素子S1,S2の出力値V1,V2は、上記式(3)を満たす。
【0040】
図3は、第2の設定例を示す図である。より具体的には、
図3は、互いに平行に設けられたU相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを、各々の延在方向に対し直交する断面に沿って視た図である。
【0041】
なおU相電流線6u,V相電流線6v、及びW相電流線6wの配置は、
図2を参照して説明した第1の設定例と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0042】
図3に示すように、二等辺三角形の3つの角に各相電流線6u,6v,6wを配置した場合、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2は、それぞれ頂角と底辺の中点P1とを通過する第1仮想線L1上に配置される。また第2の設定例では、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2は、何れも第1仮想線L1上のうち、中点P1よりも頂角側(すなわち、二等辺三角形の内側)に配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1は、中点P1と頂角との間の中間の位置に配置される。すなわち第1磁気検出素子S1と頂角との間の距離と、第1磁気検出素子S1と中点P1との間の距離は、何れもLである。また第2の設定例では、第2磁気検出素子S2は、第1仮想線L1上のうち、中点P1と第1磁気検出素子S1との間に配置される。また
図3に示すように、第2磁気検出素子S2は、第1磁気検出素子S1よりも中点P1に近い位置に配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1と中点P1との間の距離をLとした場合、第2磁気検出素子S2と中点P1との間の距離LS2は、上記式(4)が成立するように設定する。
【0043】
また
図3に示すように、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第1仮想線L1に対し直交し、第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、第2仮想線L2と平行になるように配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第1仮想線L1に対し直交しかつV相電流線6v側に向けられる。また第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、頂角に配置されるU相電流線6uを流れる電流によって形成される磁界と直交する向き、より具体的には第1仮想線L1と平行かつ中点P1側に向けられる。
【0044】
以上のような第2の設定例によれば、第1磁気検出素子S1は、U相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出し、第2磁気検出素子S2は、V相電流線6v及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出する。このため磁気検出素子S1,S2の出力値V1,V2は、上記式(3)を満たす。
【0045】
図4は、第3の設定例を示す図である。より具体的には、
図4は、互いに平行に設けられたU相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを、各々の延在方向に対し直交する断面に沿って視た図である。
【0046】
図4に示すように、第3の設定例では、U相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを、互いに平行かつ断面視で直線L3上に等間隔に配置する。なお以下では、隣接する相電流線の間の長さ、すなわち
図4の例では、U相電流線6uとV相電流線6vとの間の長さ及びU相電流線6uとW相電流線6wとの間の長さは、何れもLとする。以下では、U相電流線6uを直線L3上の中央に配置し、V相電流線6vを直線L3上の
図4中U相電流線6uに対し右側に配置し、W相電流線6wを直線L3上の
図4中U相電流線6uに対し左側に配置する場合について説明するが、本発明はこれに限らない。各電流線6u,6v,6wを配置する位置は適宜入れ替えてもよい。なお以下では、3本の相電流線を断面視で直線L3上に配置した場合、その中央に配置した電流線を中央電流線ともいう。すなわち
図4の例では、U相電流線6uが中央電流線となる。
【0047】
また以下では、3本の電流線のうち中央電流線を除く2本の電流線の向きを、正の電流が紙面手前から奥へ流れるようにし、3本の電流線のうち中央電流線の向きを、正の電流が紙面奥から手前へ流れるようにした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。3本の電流線のうち中央電流線を除く2本の電流線の向きを、正の電流が紙面奥から手前へ流れるようにし、3本の電流線のうち中央電流線の向きを、正の電流が紙面手前から奥へ流れるようにしてもよい。
【0048】
図4に示すように、直線L3上に等間隔で各相電流線6u,6v,6wを配置した場合、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2は、それぞれ直線L3に対し直交し中央電流線6uを通過する第2仮想線L2上に配置される。また第3の設定例では、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2は、第2仮想線L2上のうち直線L3を挟んで設けられる。第3の設定例では、第1磁気検出素子S1を、
図4中直線L3よりも上方に配置し、第2磁気検出素子S2を、
図4中直線L3よりも下方に配置する。より具体的には、第1磁気検出素子S1は、第2仮想線L2上のうち、中央電流線6uから距離Lだけ離れた位置に設置する。すなわち第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間の距離は、中央電流線6uと左右の電流線6v,6wとの間の距離と等しい。また第2磁気検出素子S2は、第1磁気検出素子S1よりも中央電流線6uに近い位置に配置される。すなわち、第2磁気検出素子S2と中央電流線6uとの間の距離は、第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間の距離よりも短い。より具体的には、第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間の距離をLとした場合、第2磁気検出素子S2と中央電流線6uとの間の距離LS2は、上記式(4)が成立するように設定する。
【0049】
また
図4に示すように、第1磁気検出素子S1の第1の検出方向D1は、第2仮想線L2に対し直交し、第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、第2仮想線L2と平行になるように配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第2仮想線L2に対し直交しかつV相電流線6v側に向けられる。また第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、中央電流線6uを流れる電流によって形成される磁界と直交する向き、より具体的には第2仮想線L2と平行かつ中央電流線6uと反対側に向けられる。
【0050】
以上のような第3の設定例によれば、第1磁気検出素子S1は、U相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出し、第2磁気検出素子S2は、V相電流線6v及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出する。このため磁気検出素子S1,S2の出力値V1,V2は、上記式(3)を満たす。
【0051】
図5は、第4の設定例を示す図である。より具体的には、
図5は、互いに平行に設けられたU相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを、各々の延在方向に対し直交する断面に沿って視た図である。
【0052】
なおU相電流線6u,V相電流線6v、及びW相電流線6wの配置は、
図4を参照して説明した第3の設定例と同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0053】
図4に示すように、直線L3上に等間隔で各相電流線6u,6v,6wを配置した場合、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2は、それぞれ直線L3に対し直交し中央電流線6uを通過する第2仮想線L2上に配置される。また第4の設定例では、第2磁気検出素子S2は、第2仮想線L2上のうち第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間に設けられる。第3の設定例では、第1磁気検出素子S1及び第2磁気検出素子S2を、
図4中直線L3よりも上方に配置する。より具体的には、第1磁気検出素子S1は、第2仮想線L2上のうち、中央電流線6uから距離Lだけ離れた位置に設置する。すなわち第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間の距離は、中央電流線6uと左右の電流線6v,6wとの間の距離と等しい。また第2磁気検出素子S2は、第1磁気検出素子S1よりも中央電流線6uに近い位置に配置される。すなわち、第2磁気検出素子S2と中央電流線6uとの間の距離は、第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間の距離よりも短い。より具体的には、第1磁気検出素子S1と中央電流線6uとの間の距離をLとした場合、第2磁気検出素子S2と中央電流線6uとの間の距離LS2は、上記式(4)が成立するように設定する。
【0054】
また
図5に示すように、第1磁気検出素子S1の第1の検出方向D1は、第2仮想線L2に対し直交し、第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、第2仮想線L2と平行になるように配置される。より具体的には、第1磁気検出素子S1の第1検出方向D1は、第2仮想線L2に対し直交しかつV相電流線6v側に向けられる。また第2磁気検出素子S2の第2検出方向D2は、中央電流線6uを流れる電流によって形成される磁界と直交する向き、より具体的には第2仮想線L2と平行かつ中央電流線6u側に向けられる。
【0055】
以上のような第4の設定例によれば、第1磁気検出素子S1は、U相電流線6u、V相電流線6v、及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出し、第2磁気検出素子S2は、V相電流線6v及びW相電流線6wを流れる電流によって生成される磁界の重ね合わせを検出する。このため磁気検出素子S1,S2の出力値V1,V2は、上記式(3)を満たす。
【0056】
本実施形態に係る電流検出装置3によれば、以下の効果を奏する。
電流検出装置3では、3本の電流線6u,6v,6wを流れる電流を、これら電流線6u,6v,6wの周囲に設けられた2つの磁気検出素子S1,S2に基づいて検出する。よって電流検出装置3によれば、1本の電流線毎に1つずつ磁気検出素子を設ける従来の電流検出装置よりも磁気検出素子の数を減らすことができるので、その分だけコストを低減できる。また電流検出装置3では、各電流線6u,6v,6wに対する磁気検出素子S1,S2の相対位置及び検出方向の向きは、クラーク変換と等価な行列演算式である上記式(3)が成立するように定められる。よって電流検出装置3によれば、これら2つの磁気検出素子S1,S2の出力を用いることにより、その後段に設けられるモータ制御装置2では、クラーク変換を演算によって行う必要が無いので、その分だけモータ制御装置2の演算負荷を軽減することができる。
【0057】
また本実施形態に係る電流検出装置3によれば、上記式(2)に基づいて各相の電流値を検出する従来の電流検出装置では必要であった複数相磁界混線対策や、逆行列の乗算等の措置が不要となる。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0059】
V…車両
W…駆動輪
M…モータ(三相モータ)
6u…U相電流線
6v…V相電流線
6w…W相電流線
1…インバータ
2…モータ制御装置
3…電流検出装置
S1…第1磁気検出素子
D1…第1検出方向
S2…第2磁気検出素子
D2…第2検出方向
4…レゾルバ