(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032841
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】探索装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240305BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240305BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20240305BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 P
G08G1/005
G08G1/0969
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008349
(22)【出願日】2024-01-23
(62)【分割の表示】P 2022051993の分割
【原出願日】2014-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 祐一
(72)【発明者】
【氏名】船山 達史
(72)【発明者】
【氏名】大橋 聡
(72)【発明者】
【氏名】チン カキ
(72)【発明者】
【氏名】福本 喬彦
(57)【要約】
【課題】待ち合わせ対象者が移動した場合でも、スムーズに待ち合わせを行うことが可能な探索装置、探索装置の制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】本発明の探索装置を適用した車載装置1は、携帯端末の現在位置を示す携帯位置情報を取得する通信部16と、取得した携帯位置情報に基づいて目的地を設定し当該目的地までの経路を探索する制御部17と、を備え、制御部17は、携帯端末の位置情報の変化に応じて目的地の設定を更新し、通信部16は、目的地の更新ごとに携帯端末に対して目的地設定情報を送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他端末の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて目標地を設定し、当該目標地までの経路を探索する探索部と、
前記他端末に対し、前記目標地を通知する目標地通知部と、を備え、
前記探索部は、前記他端末の位置情報の変化に応じて前記目標地を更新し、
前記目標地通知部は、前記探索部による前記目標地の更新ごとに、更新後の前記目標地を通知することを特徴とする探索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末を携帯する待ち合わせ対象者との待ち合わせを支援するための探索装置、探索装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術として、特許文献1が提案されている。特許文献1では、待ち合わせ対象者が携帯する情報端末の位置情報を取得して、待ち合わせに適した公共交通機関の乗降施設を検索し、その検索結果を表示すると共に待ち合わせ対象者の情報端末に送信する技術が開示されている。これにより、車両を利用する人(以下、「車両搭乗者」と称する)と、公共交通機関を利用する人との待ち合わせをスムーズに行うことができるといった効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両搭乗者と待ち合わせ対象者が待ち合わせをする場合、待ち合わせ対象者が徒歩などで移動する状況が考えられる。例えば、
図6(a)に示すように、車両が地点Aから、待ち合わせ対象者の現在位置である地点Bに向けて出発した後、待ち合わせ対象者が地点Aに向けて移動する状況が考えられる。この場合、待ち合わせ対象者は地点Bで待つよりも車両搭乗者と早く合流できるといった利点がある。また、
図6(b)に示すように、車両が地点Aから、目的地となる地点Cに向けて出発すると共に、待ち合わせ対象者も地点Bから地点Cに向けて移動する状況が考えられる。この状況では、渋滞などなく車両が滞りなく走行可能な場合、待ち合わせ対象者を車両に搭乗させて一緒に地点Cに向かうことができ、渋滞などで車両がスムーズに走行できなかった場合は、地点Cで合流することができるなど、無駄のない待ち合わせが実現できる。
【0005】
このように、待ち合わせにおいて、待ち合わせ対象者が移動する状況は様々想定できるが、特許文献1を含む従来の技術では、待ち合わせ対象者が移動した場合に対応できるものはなかった。つまり、待ち合わせ対象者が移動した場合は、再度待ち合わせのための設定操作をやり直すしかなく、その場合も車両および自身の移動距離を考慮して適切と思われる待ち合わせ場所を手動設定するか、現在位置を示す位置情報を送信した後、その場で待つしかなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、待ち合わせ対象者が移動した場合でも、スムーズに待ち合わせを行うことが可能な探索装置、探索装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の探索装置は、他端末の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報に基づいて目標地を設定し、当該目標地までの経路を探索する探索部と、他端末に対し、目標地を通知する目標地通知部と、を備え、探索部は、他端末の位置情報の変化に応じて目標地を更新し、目標地通知部は、探索部による目標地の更新ごとに、更新後の目標地を通知することを特徴とする。
なお、「目標地」とは、経由地または目的地を指す。
【0008】
上記の探索装置において、位置情報取得部は、位置情報を定期的に取得し、探索部は、位置情報から、他端末が設定済みの目標地から所定距離以上離間したと判定したとき、その時点における他端末の位置情報に基づき、目標地を更新することを特徴とする。
【0009】
上記の探索装置において、探索部は、位置情報に基づき、他端末の現在位置周辺の道路状況を考慮して、目標地を設定することを特徴とする。
【0010】
上記の探索装置において、探索部は、位置情報から、他端末が駐停車禁止区間または通行禁止区間に存在すると判定した場合、それらの区間外であって他端末の現在位置から最も近い場所を、目標地として設定することを特徴とする。
【0011】
上記の探索装置において、探索部は、位置情報から、他端末が、渋滞区間または単車線区間に存在すると判定した場合、それらの区間外であって他端末の現在位置から最も近い場所を、目標地として設定することを特徴とする。
【0012】
上記の探索装置において、探索部は、位置情報から、他端末が、予め設定された所定領域外に存在すると判定した場合、他端末の現在位置から最も近い所定領域内の場所を、目標地として設定することを特徴とする。
【0013】
本発明の探索装置の制御方法は、他端末の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、位置情報に基づいて目標地を設定し、当該目標地までの経路を探索する探索ステップと、他端末に対し、目標地を通知する目標地通知ステップと、を実行し、探索ステップでは、他端末の位置情報の変化に応じて目標地を更新し、目標地通知ステップでは、探索ステップによる目標地の更新ごとに、更新後の目標地を通知することを特徴とする。
【0014】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の探索装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの簡易構成図である。
【
図4】通信システムによる経路誘導処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る探索装置、探索装置の制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、探索装置として、インターネット通信機能およびカーナビゲーション機能を有する車載装置を例示する。また、徒歩で移動する待ち合わせ対象者の現在位置を特定する情報端末として、携帯端末(例えば、スマートフォン)を例示する。
【0017】
図1は、本発明の探索装置を用いた通信システムSYの簡易構成図である。同図に示すように、通信システムSYは、自動車などの車両に搭載されて用いられる車載装置1と、車両搭乗者と待ち合わせを行う待ち合わせ対象者が携帯する携帯端末2(他端末)と、車載装置1と携帯端末2との間で通信を行うためのネットワーク3と、を備えている。
【0018】
車載装置1は、車両出荷後に後付する所謂カーナビゲーション装置であっても良いし、車両制御システムに組み込まれたものであっても良い。また、車両搭乗者が携帯する携帯端末(スマートフォン、携帯電話など)、車両に積載された情報処理端末(ノート型パソコン、PDAなど)を、車載装置1として用いても良い。一方、携帯端末2は、本実施形態ではスマートフォンを想定しているが、他の情報処理端末(携帯電話、ノート型パソコン、PDAなど)を用いても良い。
【0019】
また、本実施形態においてネットワーク3は、インターネット網(クラウド)を想定している。車載装置1および携帯端末2は、不図示の無線中継器を介してインターネット網に接続される。なお、車載装置1および携帯端末2間の通信は、必ずしもネットワーク3を介して行われる必要はなく、長距離無線通信など他の通信技術を用いても良い。
【0020】
次に、
図2および
図3を参照し、車載装置1および携帯端末2のハードウェア構成について説明する。
図2は、車載装置1のブロック図である。車載装置1は、GPS(Global Positioning System)受信機11、アンテナ12、自立航法センサ13、ディスプレイ14、スピーカー15、通信部16、制御部17および地図データベース(以下、「地
図DB」と記載する)18を備えている。なお、ディスプレイ14およびスピーカー15は、車載装置1と必ずしも一体である必要はなく、車載装置1とは独立した構成としても良い。
【0021】
GPS受信機11は、アンテナ12を介してGPS情報(現在位置を示す位置情報および現在時刻を示す時刻情報を含む)を受信する。自立航法センサ13は、角度センサおよび距離センサから成り(いずれも、図示省略)、GPS受信機11との組み合わせにより、車両位置を特定するために用いられる。ディスプレイ14は、経路探索結果を表示すると共に、必要に応じて各種確認画面(ユーザーに対して確認を促すための画面)を表示する。スピーカー15は、音声による経路案内情報を出力すると共に、各種音声確認(ユーザに対して確認を促すための音声案内)を行う。
【0022】
通信部16は、ネットワーク3を介して携帯端末2と通信を行う。本実施形態では、携帯端末2の現在位置を示す携帯位置情報(位置情報)を受信したり、車載装置1で設定した目的地(待ち合わせ場所,目標地)を示す目的地設定情報を送信したりするために用いられる(位置情報取得部,目標地通知部)。制御部17は、CPU(Central Processing Unit)17a、ROM(Read Only Memory)17bおよびRAM(Random Access Memory)17cから成る。CPU17aは、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。本実施形態では、主に目的地の設定および経路探索を行う(探索部)。ROM17bは、CPU17aが各種演算処理を行うための制御プログラムおよび制御データを記憶する。また、RAM17cは、CPU17aが各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。
【0023】
地
図DB18は、経路探索を行うための地図データを記憶する。なお、地
図DB18をネットワーク3上のサーバーに設け、車載装置1が当該サーバーにアクセスして地図データを読み出す構成としても良い。また、ROM17bの制御プログラムを、当該サーバーで実行させても良い。つまり、クラウドコンピューティング技術を用いて車載装置1を動作させても良い。
【0024】
図3は、携帯端末2のブロック図である。携帯端末2は、GPS受信機21、アンテナ22、タッチパネル23、通話部24、通信部26、制御部27および地
図DB28を備えている。
【0025】
GPS受信機21は、アンテナ22を介してGPS情報(位置情報および時刻情報を含む)を受信する。タッチパネル23は、各種情報の表示および各種操作に用いられる。本実施形態では、主に車両搭乗者との待ち合わせを行う場合の待ち合わせ開始操作や、経路誘導情報の表示(
図5参照)に用いられる。通話部24は、電話機能を実現する。
【0026】
通信部26は、ネットワーク3を介して車載装置1と通信を行う。本実施形態では、車載装置1で設定された目的地設定情報を受信したり、GPS受信機21で計測した自端末の現在位置を示す携帯位置情報を送信したりするために用いられる。制御部27は、CPU27a、ROM27bおよびRAM27cから成る。ROM27bには、車載装置1と連携して動作するための待ち合わせ支援アプリケーションがインストールされている。また、当該待ち合わせ支援アプリケーションの一機能として、待ち合わせを行う車両(車載装置1)を特定する装置識別情報が予め設定されている(ROM27bに記憶されている)。
【0027】
地
図DB28は、経路探索を行うための地図データを記憶する。なお、地
図DB28についても、地
図18DBと同様、ネットワーク3上のサーバーに設けても良い。また、地
図DB28を待ち合わせ支援アプリケーションの一部として記憶しても良い。さらに、当該待ち合わせ支援アプリケーションを、ネットワーク3上のサーバーで実行させても良い。
【0028】
次に、
図4のフローチャートを参照し、通信システムSYによる経路誘導処理の流れについて説明する。ここでは、携帯端末2において待ち合わせ支援アプリケーションが起動されており、当該待ち合わせ支援アプリケーションを用いた待ち合わせ開始操作をトリガーとして処理を開始するものとする。
【0029】
携帯端末2のユーザー(待ち合わせ対象者)により待ち合わせ開始操作が行われると(例えば、タッチパネル23に表示された待ち合わせ開始ボタンが選択されると,S01)、車載装置1に対し、自端末の現在位置を示す携帯位置情報を送信する(S02)。
【0030】
なお、携帯端末2にて、予め複数の装置識別情報が設定されている場合、その中から待ち合わせを行う車載装置1の装置識別情報を選択して待ち合わせ開始操作を行う構成としても良い。この場合、選択された装置識別情報を宛先として携帯位置情報を送信する。また、設定されている複数の装置識別情報に対応して複数の待ち合わせ開始ボタンをタッチパネル23に表示し、その中からどのボタンが選択されたかによって、携帯位置情報の送信先を決定しても良い。
【0031】
車載装置1は、携帯端末2から携帯位置情報を取得すると(S03)、当該携帯位置情報に基づいて、待ち合わせ場所となる目的地を設定し、経路探索を行う(S04)。ここでは、取得した携帯位置情報に基づき、携帯端末2の現在位置を目的地として設定する。そして、経路探索完了に伴って、自装置の経路誘導を開始し、設定した目的地を示す目的地設定情報および自装置の位置を示す車両位置情報(GPS受信機11の計測結果)を、携帯位置情報の送信元となる携帯端末2に送信する(S05)。なお、目的地設定情報および車両位置情報は、マップコードであっても良いし、住所であっても良い。
【0032】
携帯端末2は、車載装置1から目的地設定情報および車両位置情報が送信されると、経路誘導を開始し、タッチパネル23に表示された地図上に、目的地設定情報に基づく目的地と、車両位置情報に基づく車載装置1の位置(以下、「車両位置」と称する)を表示する(S06)。また、経路誘導開始後は、定期的に携帯位置情報を車載装置1に送信する(S07)。
【0033】
一方、車載装置1は、経路誘導開始後に携帯端末2から携帯位置情報を取得すると(S08)、当該携帯位置情報に基づいて携帯端末2が移動したか否かを判定する(S09)。ここでは、携帯端末2が設定済みの目的地から所定距離(例えば、数十メートル~数百メートル)以上離間したとき、携帯端末2が移動したと判定する。携帯端末2が移動していないと判定した場合は(S09:No)、S08に戻る。
【0034】
また、携帯端末2が移動したと判定した場合は(S09:Yes)、携帯端末2の現在位置が駐停車不可能な場所であるか否かを判定する(S10)。ここでは、携帯端末2が、駐停車禁止区間または通行禁止区間に存在する場合、駐停車不可能な場所であると判定する。携帯端末2の現在位置が駐停車不可能な場所でないと判定した場合は(S10:No)、携帯端末2が移動した後の現在位置を、新たな目的地として設定し(更新し)、その目的地をディスプレイ14の地図上に表示する(S11)。また、携帯端末2の現在位置が駐停車不可能な場所であると判定した場合は(S10:Yes)、携帯端末2が移動した後の現在位置に最も近い駐停車可能区間内の場所を、新たな目的地として設定・表示する(S12)。
【0035】
その後、車載装置1は、更新後の目的地設定情報と、この時点における車両位置情報を携帯端末2に送信する(S13)。携帯端末2は、これらを受信し、更新後の目的地と車両位置をタッチパネル23の地図上に表示する(S14)。一方、車載装置1では、S13の後、待ち合わせが完了したか否かを判定する(S15)。ここでは、車載装置1の現在位置と携帯端末2の現在位置が所定距離以内となったとき(ほぼ一致したとき)、待ち合わせが完了したと判定する。待ち合わせが完了していないと判定した場合は(S15:No)、S08に戻る。また、待ち合わせが完了したと判定した場合は(S15:Yes)、車載装置1の経路誘導を終了すると共に、その旨を携帯端末2に通知する(S16)。携帯端末2では、当該通知の受信により、経路誘導を終了する(S17)。なお、経路誘導を終了する際は、その旨をディスプレイ14に表示することが好ましい。また、経路誘導の終了に伴って、待ち合わせ支援アプリケーションを自動終了させても良い。
【0036】
次に、
図5を参照し、携帯端末2のタッチパネル23に表示される画面について説明する。同図(a)は、待ち合わせ支援アプリケーション起動直後の画面表示例を示している。待ち合わせ支援アプリケーション起動直後の状態では、一般的な地図アプリケーションと同様、地図上に携帯端末2の現在位置(符号51)を表示する。このとき、符号51の三角マークは、ユーザーの向きを示している。また、特に図示しないが、地図の縮尺を変更したり表示方向を変更したりなどの操作も可能である。
【0037】
同図(b)は、ユーザーにより待ち合わせ開始操作が行われた後の状態を示している。同図の例では、携帯端末2の現在位置(符号51)を、目的地(符号52)として設定している。また、待ち合わせ開始操作が行われた後は、駐停車不可能な場所を斜線で表示する(符号55)。また、受信した車両位置情報に基づき、車載装置1の現在位置が表示範囲内にある場合、車載装置1の現在位置と(符号56)進行方向(符号57)を表示する。さらに、車載装置1の現在位置(符号56)を先頭に、車両の経路(走行軌跡,符号58)を表示する。これらの表示により、待ち合わせ対象者は、道路のどちら側で待てばよいかを判断することができる。
【0038】
同図(c)は、ユーザーの移動により目的地が変更されたときの状態を示している。同図の例では、ユーザーが符号55の位置まで移動したことにより、目的地が符号62に変更された場合を示している。上記のとおり、携帯端末2の現在位置(符号55)と目的地(符号62)が一致しないのは、携帯端末2が駐停車不可能な場所に存在するためである。したがって、駐停車可能な区間内であって携帯端末2の現在位置(符号55)から最も近い場所が、目的地として設定されている。また、目的地が変更されたているため、その旨のメッセージ(符号65)を表示する。当該メッセージは一時的に表示されるものであり、数秒後に非表示となる。
【0039】
なお、車載装置1側の表示については特に図示しないが、
図5に示した携帯端末2の表示と略同様に、車載装置1側の現在位置、携帯端末2の現在位置、設定された目的地、駐停車不可能な場所、目的地を変更した旨のメッセージを表示する。
【0040】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、車両搭乗者と、携帯端末2を所持する待ち合わせ対象者が待ち合わせをする場合において、携帯端末2の現在位置の変化に応じて随時目的地を更新するため、待ち合わせ対象者が移動した場合でも、スムーズに待ち合わせを行うことができる。また、目的地は、駐停車可能な場所であるか否かを考慮して設定されるため、安全な場所で待ち合わせることができる。また、車載装置1で目的地を更新した場合は、その都度携帯端末2に目的地を通知するため、待ち合わせ対象者も安心して車両を待つことができる。
【0041】
なお、以下の各種変形例を採用可能である。上記の実施形態では、携帯位置情報に基づいて目的地(経路誘導の最終目的地)を設定する場合を例示したが、目的地ではなく経由地(目標地)を設定しても良い。
【0042】
また、上記の実施形態では、携帯端末2による待ち合わせ開始操作をトリガーとして経路誘導を開始したが(
図4のS01参照)、車載装置1側で待ち合わせ開始操作を行っても良い。この場合、車載装置1は、待ち合わせ開始操作に伴って、待ち合わせ対象者の携帯端末2に車両位置情報を送信する。また、携帯端末2は、車両位置情報の受信に伴って待ち合わせ支援アプリケーションを起動し、携帯位置情報を車載装置1に送信する。
【0043】
また、上記の実施形態では、携帯端末2が移動したか否かを、車載装置1によって判定したが、携帯端末2側で判定しても良い。この場合、携帯端末2は、定期的に携帯位置情報を送信するのではなく、現在設定されている目的地から所定距離以上移動した場合のみ携帯位置情報を送信すれば良い。
【0044】
また、上記の実施形態では、車載装置1の現在位置と携帯端末2の現在位置が所定距離以内となったとき(ほぼ一致したとき)、待ち合わせが完了したと判定したが(
図4のS15参照)、車載装置1と携帯端末2が、ブルートゥース(登録商標)通信などの近距離無線通信や赤外線通信により通信可能な場合は、これらの通信によって待ち合わせ完了を判定しても良い。つまり、これらの通信手段により、車載装置1と携帯端末2が近接位置にあることを検出したとき、待ち合わせが完了したと判定すれば良い。
【0045】
また、上記の実施形態では、経路誘導開始時の目的地設定の際に、携帯端末2が駐停車不可能な場所に存在するか否かの判定を行っていないが(
図4のS04参照)、
図4のS10~S12に示したように、経路誘導開始時の目的地設定の際にも、駐停車可能区間内で目的地設定を行う構成としても良い。
【0046】
また、上記の実施形態では、設定済みの目的地から所定距離以上移動したとき目的地設定情報を送信したが(
図4のS09~S13参照)、目的地が変更する場合のみ、車載装置1から携帯端末2に目的地設定情報を送信しても良い。つまり、携帯端末2が所定距離以上移動した場合であっても、携帯端末2の現在位置が駐停車可能区間外であるために目的地が変更されない場合、目的地設定情報を送信しない構成としても良い。
【0047】
また、上記の実施形態では、携帯端末2が駐停車禁止区間または通行禁止区間に存在すると判定した場合、それらの区間外であって携帯端末2の現在位置から最も近い場所を目的地として設定したが、さらに携帯端末2が渋滞区間または単車線区間に存在するか否かを判定しても良い。この場合、渋滞区間または単車線区間の区間外であって携帯端末2の現在位置から最も近い場所を目的地として設定すれば良い。なお、「渋滞区間」とは、現在渋滞している区間であっても良いし、その時間帯に渋滞が予想される区間であっても良い。
【0048】
また、駐停車禁止区間、通行禁止区間、渋滞区間、単車線区間などの禁止区間を避けて目的地を設定するのではなく、それらに該当する区間の優先度を下げて目的地を設定しても良い。つまり、各区間に禁止順位を設定しておき(例えば、通行禁止区間>駐停車禁止区間>渋滞区間>単車線区間)、携帯端末2の現在位置から所定距離内に上記の各区間を除く駐停車可能区間が存在しない場合は、所定距離内にある単車線区間内に目的地を設定しても良い。
【0049】
また、禁止区間を避けて目的地を設定するのではなく、許可領域を設定しておく構成でも良い。つまり、携帯端末2が予め設定された所定領域(許可領域)外に存在すると判定した場合、携帯端末2の現在位置から最も近い所定領域内の場所を目的地として設定しても良い。
【0050】
また、目的地は、携帯端末2の現在位置からの距離だけに基づいて設定するのではなく(但し、禁止区間外または許可領域内)、車両の進行方向を考慮して設定しても良い。つまり、
図6(a)に示すように、車両の進行方向と逆方向に待ち合わせ対象者が移動している場合、携帯端末2の現在位置より車両に近づく方向にある禁止区間外または許可領域内に目的地を設定する構成としても良い。さらに、一方通行道路か否かを考慮して目的地を設定しても良い。一方通行道路の場合、
図6(a)に示すように、車両の進行方向と逆方向に待ち合わせ対象者が移動している場合でも、車両がUターンして待ち合わせ対象者に近づかなくてはならない場合があるため、そのような場合は、携帯端末2の現在位置よりもUターンしてくる車両に近づく方向(つまり、待ち合わせ対象者の移動方向と逆方向)にある禁止区間外または許可領域内に目的地を設定しても良い。
【0051】
また、上記の実施形態では、携帯端末2が設定済みの目的地から所定距離以上離間したとき、携帯端末2が移動したと判定したが(
図4のS09参照)、携帯端末2に搭載されたジャイロセンサー等で携帯端末2の動きを検出し、車載装置1がその検出結果を受信することで、携帯端末2の移動を判定しても良い。
【0052】
また、上記の実施形態では、車載装置1および携帯端末2において、目的地が変更された旨のメッセージを画面上に表示したが、これに代えて音声案内を行っても良い。また、経路誘導開始時および経路誘導終了時においても、その旨を音声案内しても良い。
【0053】
また、目的地が変更された旨のメッセージに加え、携帯端末2に入力した任意のメッセージ(例えば、「コンビニに立ち寄ります」)を車載装置1側で表示または音声案内しても良い。また、携帯端末2へのメッセージ入力および車載装置1へのメッセージ送信は、目的地の変更(待ち合わせ対象者の移動)に関係なく、任意のタイミングで行い得る構成としても良い。
【0054】
また、車両(車載装置1)が目的地に接近した際には、車載装置1から携帯端末2にその旨の信号を送信しても良い。携帯端末2は、当該信号の受信に伴って、メッセージ表示、音声案内またはバイブレーションなどで、車両が近づいた旨をユーザーに報知する。
【0055】
また、上記の実施形態では、車載装置1から携帯端末2に対し、目的地の更新ごとに車両位置情報を送信したが、目的地の更新とは関係なく、車両位置情報を定期的に送信しても良い。
【0056】
また、上記の実施形態では、車載装置1側で、目的地の設定・更新を行ったが、携帯端末2側で行っても良い。つまり、
図4に示したフローチャートの左側の処理を車載装置1が行い、右側の処理を携帯端末2が行っても良い。
【0057】
また、上記の実施形態では、歩行者が携帯端末2を携帯したが、車載装置1を搭載した車両とは異なる車両、または車両以外の移動体に搭乗する人物が、携帯端末2を携帯する場合にも本発明を適用可能である。
【0058】
また、上記の実施形態に示した車載装置1や携帯端末2における各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、車載装置1や携帯端末2の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:車載装置 2:携帯端末 3:ネットワーク 11:GPS受信機 12:アンテナ 13:自立航法センサ 14:ディスプレイ 15:スピーカー 16:通信部 17:制御部 18:地
図DB 21:GPS受信機 22:アンテナ 23:タッチパネル 24:通話部 26:通信部 27:制御部 28:地
図DB SY:通信システム