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特開2024-32849情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032849
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240305BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240305BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20240305BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240305BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240305BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240305BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/13
G08G1/01 C
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024008577
(22)【出願日】2024-01-24
(62)【分割の表示】P 2022168790の分割
【原出願日】2018-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊地 泰己
(57)【要約】
【課題】
自動運転状態から手動運転状態、又は手動運転状態から自動運転状態への運転状態の切替地点に関する領域情報を生成することによって、より安全な走行環境を実現することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】
情報処理装置は、移動体の運転操作のうちの少なくとも1の運転操作が自動で行われる自動運転モード及び前記移動体の前記少なくとも1の運転操作が手動で行われる手動運転モードのうち、いずれか一方の運転制御モードから他方の前記運転制御モードへ移行するモード移行が行われた前記移動体の前記位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報に基づいて、当該位置情報の位置を注意領域として注意領域情報を生成する情報生成手段と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転操作のうちの少なくとも1の運転操作が自動で行われる自動運転モード及び前記少なくとも1の運転操作が手動で行われる手動運転モードのいずれか一方のモードから他方のモードへ移行するモード移行が行われた移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報が示す位置を含む領域を注意領域とする注意領域情報を生成する情報生成手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に情報を提供する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加速度の変化を検出することにより、移動体に注意すべき事象が発生したことを検知することが行われている。
【0003】
例えば、検知された注意すべき事象が発生した状況に関する情報と、当該注意すべき事象が発生した場所と同一場所で起きた過去の注意すべき事象とを比較して、当該注意すべき事象が環境要因であるかドライバ要因であるかを推定する要因分析装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-071492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の要因分析装置は、移動体から当該移動体の走行速度等を含むプローブ情報を取得して、取得したプローブ情報の分析を行っている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の要因分析装置は、送信元となる移動体が自動運転状態であるか手動運転状態であるかを区別せずにプローブ情報を取得している。したがって、例えば、移動体が自動運転状態である場合に発生した注意すべき事象、すなわち、周辺環境の要因による注意すべき事象の情報が他の情報に埋もれてしまうことが課題の一例として挙げられる。
【0007】
例えば、自動運転状態による走行が許可されている道路から手動運転状態による走行のみ許可されている道路に移り変わる、運転モードの切替地点においては、例えば、運転操作の権限が運転者に移譲される権限移譲が突如として発生し得る。
【0008】
このような権限移譲は、移動体の走行中になされる場合も想定される。したがって、運転者が移動体の運転操作の感覚を取り戻すまでは注意すべき事象が発生しやすい状態にある。このような注意すべき事象が発生する位置は、従来の注意すべき事象が発生した位置を示す地図情報では十分に示すことができないことが課題の一例として挙げられる。
【0009】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、自動運転状態から手動運転状態、又は手動運転状態から自動運転状態への運転状態の切替地点に関する領域情報を生成することによって、より安全な走行環境を実現することが可能な情報処理装置を提供することを課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願請求項1に記載の情報処理装置は、移動体の運転操作のうちの少なくとも1の運転操作が自動で行われる自動運転モード及び前記移動体の前記少なくとも1の運転操作が手動で行われる手動運転モードのうち、いずれか一方の運転制御モードから他方の前記運転制御モードへ移行するモード移行が行われた前記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報に基づいて、当該位置情報の位置を注意領域として注意領域情報を生成する情報生成手段と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の情報処理システムの全体図である。
図2】実施例1の計測端末及びサーバの構成を示すブロック図である。
図3】実施例1のサーバの情報処理を示すフロー図である。
図4】実施例2の計測端末及びサーバの構成を示すブロック図である。
図5図4の情報生成手段が生成した注意領域情報を示す概念図である。
図6】実施例2のサーバの情報処理を示すフロー図である。
図7】実施例2に係る情報処理システムにおける第1のモード移行判定処理の詳細なフローを示す図である。
図8】実施例2に係る情報処理システムにおける第2のモード移行判定処理の詳細なフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0012】
図1は、実施例1の情報処理システム100の全体構成を示している。図1に示すように、情報処理システム100は、移動体としての自動車Mに搭載された計測端末10と、情報処理装置としてのサーバ20とが、ネットワークNWを介して接続されて構成されている。尚、移動体は、自動車、バイク、飛行機、船舶、移動する人等、自動車以外の移動体であってもよい。
【0013】
図2は、情報処理システム100の計測端末10及びサーバ20の機能ブロックを示している。図2に示すように、情報処理システム100においては、複数の自動車Mの各々に搭載されている計測端末10とサーバ20とが通信可能に接続されている。
【0014】
計測端末10は、自動車Mに搭載又は自動車Mと共に移動することが可能である。計測端末10は、自動車Mのナビゲーションシステムの一部であってもよい。
【0015】
加速度センサ11は、静電容量型又はピエゾ抵抗型等の加速度センサである。加速度センサ11は、例えば、2軸加速度センサであり、自動車Mの移動方向である前後方向の加速度と、前後方向に直交する左右方向の加速度を検出する。
【0016】
GPS(Global Positioning System)装置12は、GPS衛星から信号(GPS信号)を受信するようになされた装置であり、自動車Mの位置情報を取得する。
【0017】
通信部13は、サーバ20及び他の自動車Mに搭載されている計測端末10とネットワークNWを介して通信可能に接続されているインターフェースである。
【0018】
制御部14は、例えば、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)を含んでいる。制御部14は、加速度センサ11、GPS装置12及び通信部13を含む計測端末10の各部の動作を制御することが可能である。
【0019】
挙動情報算出部15は、制御部14の機能ブロックの1つである。挙動情報算出部15は、加速度センサ11及びGPS装置12の信号から、自動車Mの速度、加速度(自動車Mの進行方向の前後加速度、当該進行方向に対して略垂直な方向の左右加速度を含む)、アクセル開度、ブレーキングの強さ、アクセルオフでの空走距離、自動車Mの前方を走行する自動車との車間距離及び自動車Mの位置を含む挙動情報を算出可能である。すなわち、挙動情報算出部15は、プローブ情報を取得可能である。挙動情報は、例えば、所定期間当たりの自動車Mの挙動に関する情報である。加速度であれば、例えば15秒間あたりの自動車Mの加速度である。尚、所定期間は任意に定めることが可能である。
【0020】
自動車Mの加速度及び速度は、例えば、加速度センサ11からの加速度信号またはGPS装置12からのGPS信号に基づいて算出されて取得されてもよい。また、自動車Mの速度は、例えば、自動車Mから車速パルスの供給を受けて、当該車速パルスに基づいて算出して取得可能であってもよい。
【0021】
また、自動車Mの位置は、例えば、GPS装置12からのGPS信号に基づいて取得されてもよい。また自動車Mの位置は、基準位置からの移動量、ジャイロ装置からの自動車Mの姿勢情報または自動車Mの車速パルスにから得られた車速情報に基づいて算出されてもよい。また、挙動情報算出部15は、地図情報を取得可能であってもよい。すなわち、GPS装置12からのGPS情報、ジャイロ装置からの自動車Mの姿勢情報及び自動車Mの車速情報のうちの少なくとも1つと当該地図情報を組み合わせて、自動車Mの位置を算出して取得可能であってもよい。
【0022】
また、以下の説明において、自動車Mの進行方向(前後方向)に向かって自動車Mが加速する場合の前後加速度を正の加速度とし、減速する場合の加速度を負の前後加速度とする。なお、進行方向における負の前後加速度を減速度とも称する。また、左右方向の左右加速度については、自動車Mの進行方向に向かって左の方向の左右加速度を正の加速度とし、進行方向に向かって右の方向の左右加速度を負の加速度として説明する。
【0023】
サーバ20の通信部21は、複数の自動車Mの各々に搭載されている又は自動車Mと共に移動する計測端末10の通信部13とネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信部21は、例えば、通信部13から上記自動車Mの加速度、速度及び位置を含む挙動情報またはプローブ情報を受信可能である。
【0024】
制御部23は、例えば、演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)等を含んでおり、コンピュータによって実現される。制御部23は、通信部21を含むサーバ20の各部の動作を制御することが可能である。また制御部23は、通信部21を介して外部からの様々な情報を取得して、当該取得した情報について解析等の処理を行うことが可能である。CPUは、記憶部22から処理内容に応じたプログラムを読み出して、読み出したプログラムを実行して、各種機能を実現する。
【0025】
挙動情報取得手段23aは、制御部23の機能ブロックの1つである。挙動情報取得手段23aは、自動車Mに搭載されている各々の計測端末10から当該自動車Mの挙動情報を取得することが可能である。
【0026】
注意地点情報収集手段23bは、制御部23の機能ブロックの1つである。注意地点情報収集手段23bは、自動車Mの運転操作に影響を与える注意すべき事象が発生した地点(以下、事象発生地点とする)を含む注意地点情報を挙動情報から収集することが可能である。
【0027】
自動車Mの運転操作に影響を与える注意すべき事象(以下、注意事象とする)とは、例えば、急ハンドル、急加速又は急減速等のうちいずれかの運転操作が発生した状況等である。また、注意事象が発生した位置とは、例えば、急ハンドル、急加速又は急減速のうちいずれかの運転操作を必要とする可能性がある要因に遭遇した位置、急ハンドル、急加速又は急減速のうちいずれかの運転操作が発生した位置等である。
【0028】
注意地点情報収集手段23bは、取得された挙動情報に基づいて、自動車Mの運転操作に影響を与える注意事象が発生したことを認定し、かつ当該取得された挙動情報に含まれる当該挙動に応じた自動車Mの位置情報に基づいて、事象発生地点を認定することが可能である。尚、事象発生地点は、当該注意事象が発生した地点を含む所定の領域とするとよい。例えば、所定の領域は、当該注意事象が発生した地点が交差点である場合は、その交差点を中心とする半径数十mの範囲とするとよい。
【0029】
具体的には、注意地点情報収集手段23bは、急ハンドル、急加速又は急減速に相当する加速度が挙動情報に含まれているかを判定し、当該急ハンドル、急加速又は急減速に相当する加速度が生じた位置を事象発生地点として収集する。急ハンドル、急加速又は急減速に相当する加速度が生じたか否かは、例えば、予め定めた閾値を超えるかによって判定される。
【0030】
注意地点情報収集手段23bは、挙動情報に含まれる加速度に基づいて各計測端末10が搭載された自動車Mが自動運転モードであるか手動運転モードであるかを判別して注意地点情報を収集する。すなわち、注意地点情報収集手段23bは、自動車Mが自動運転モードである注意地点情報、自動車Mが手動運転モードである注意地点情報かを区別して収集する。
【0031】
ここで、自動運転モード及び手動運転モードとは、自動車Mの運転制御モード(以下、操縦モードともいう)である。操縦モードは、自動車Mの走行に関する操作の自動化の程度によって異なる複数の操縦モードを含んでいる。
【0032】
例えば、手動運転モードは、自動運転レベル0に相当する。自動運転モードは、自動運転レベル1乃至5に相当するモードであるとする。ここで、自動運転レベルは、日本政府や米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)で定義される自動運転レベルであるとする。
【0033】
また、自動運転モードは、アクセル操作、ブレーキ操作、操舵操作(ステアリング操作)のうち、少なくとも1つの操作の支援を行うモードが含まれているものとする。操作の支援を行うモードとは、例えば、エマージェンシーブレーキのように、運転者の操作が予め定めた所定条件を満たさない場合に、運転操作に介入するモードである。
【0034】
注意地点情報収集手段23bは、例えば、自動車Mの進行方向における加速度(減速度)が所定の閾値以下であると自動運転モードであると判定して、当該注意地点情報を収集する。また、例えば、注意地点情報収集手段23bは、自動車Mの横方向における加速度の絶対値が、所定の閾値以下であると自動運転モードであると判定して、当該注意地点情報を収集する。
【0035】
具体的には、自動運転モードで走行する自動車Mは、前方を走行する自動車がいない場合は、直線道路で一定速度を維持し、加減速は最小限でばらつきが少なく、なめらかである。
【0036】
また、自動運転モードで走行する自動車Mは、前方を走行する自動車に追従する走行を起こっている場合は、直線道路で速度が前方を走行する自動車に合わせて変動し、加減速は最小限でばらつきが少なく、なめらかである。
【0037】
また、自動運転モードで走行する自動車Mは、前方を走行する自動車に追従する走行を行っている場合、自動車Mの前方を走行する自動車との車間距離が一定である。すなわち、自動運転モードで走行する自動車Mは、天候や時間帯(日中や、夜間)に左右されずに一定の車間距離を維持しつつ走行する。
【0038】
尚、自動車Mの速度域が速くなるにつれて、自動車Mの停止距離は伸びる。このため、当該車間距離は、自動車Mの速度域が速くなるにつれて長くなる。すなわち、自動運転モードで走行する自動車Mは、走行速度に応じた一定の車間距離で走行する。
【0039】
これに対して、手動運転モードで走行する自動車Mは、厳密な一定速度が維持されていることは困難である。また、手動運転モードで走行する自動車Mは、急減速を示す加速度が散見される。さらに、手動運転モードで走行する自動車Mは、前方を走行する自動車との車間距離が走行時及び停車時においてバラツキが生じる。
【0040】
注意地点情報収集手段23bは、このような自動運転モード及び手動運転モードの性質や、要素を考慮して、自動車Mが自動運転モードであるか手動運転モードであるかを判定し、判定した操縦モードごとに注意地点情報を収集する。
【0041】
注意地点情報収集手段23bは、加速に関する運転操作の少なくとも一部、制動に関する運転操作の少なくとも一部、及び操舵に関する運転操作の少なくとも一部が自動で行われているかを判定する。例えば、自動車Mの走行速度を設定した速度で維持して走行するオートクルーズコントロールは、加速に関する運転操作の一部が自動で行われている。この場合、注意地点情報収集手段23bは、制動に関する運転操作及び操舵に関する運転操作が手動で行われていても自動運転モードであると判定する。
【0042】
また、注意地点情報収集手段23bは、自動車Mの操舵の運転操作、加速の運転操作及び制動の運転操作の各々について少なくとも1つの運転操作が自動で行われているかを判定する。
【0043】
すなわち、注意地点情報収集手段23bは、自動運転モードを判定するにあたり、加速、制動、及び操舵に関する運転操作のうち、いずれか1つの運転操作のみについて自動運転モードを判定するようにしてもよいし、これらの運転操作のうち2以上の運転操作について自動運転モードを判定するようにしてもよい。
【0044】
尚、注意地点情報収集手段23bによる操縦モードの判定はこれには限られず、例えば、注意地点情報収集手段23bは、自動車Mの操舵の運転操作、加速の運転操作及び制動の運転操作の各々が自動で行われているかを判定するようにしてもよい。すなわち、自動車Mの操舵の運転操作、加速の運転操作及び制動の運転操作の各々が自動で操作されている場合を自動運転モードであると判定してもよい。また、自動運転レベルは必ずしも判定されなくてもよく、例えば、アクセル操作、ブレーキ操作、操舵操作の運転操作ごとに自動運転モードであるか否かを判断してもよい。
【0045】
交通環境取得手段23cは、制御部23の機能ブロックの1つである。交通環境取得手段23cは、事象発生地点の交通環境情報を取得することが可能である。交通環境取得手段23cは、後述する記憶部22の事象発生地点の交通環境情報を記憶した交通環境情報データベースを参照することにより交通環境情報を取得してもよい。交通環境取得手段23cは、通信部21を介して外部の機器と通信を行うことにより交通環境情報を取得してもよい。
【0046】
設定手段23dは、制御部23の機能ブロックの1つである。設定手段23dは、自動運転モードにおいて収集された注意地点情報及び手動運転モードにおいて収集された注意地点情報のうちの、いずれかの注意地点情報に対して重みをつけて、事象発生地点を注意地点として設定することが可能である。
【0047】
例えば、設定手段23dは、注意地点情報に含まれる事象発生地点で生じた注意事象の回数をカウントする。設定手段23dは、注意事象の回数が予め定めた規定値を超えた場合を注意地点として設定する。
【0048】
設定手段23dは、注意地点として設定する際に、自動運転モードにおいて収集された注意地点情報であるか、手動運転モードにおいて収集された注意地点情報であるかに応じて、注意地点情報に対して重みをつけ、当該重みをつけた注意地点情報を用いて事象発生地点を注意地点として設定する。
【0049】
例えば、自動運転モードにおいては、運転手によるヒューマンエラーがないため、注意事象の発生は少ない。そこで、自動運転モード下において発生した注意事象については、重みを重くして設定処理を行う。一例としては、設定手段23dは、自動運転モード下において収集された注意地点情報に含まれる事象発生地点で生じた注意事象の回数に「2」を乗じて判定処理を行う。
【0050】
これに対して、手動運転モードにおいては、運転手によるヒューマンエラーも含まれるため注意事象は自動運転モード時よりも多いと考えられる。そこで、設定手段23dは、手動運転モード時において発生した注意事象については、重みを軽くして設定処理を行う。一例としては、設定手段23dは、手動運転モードにおいて収集された注意地点情報に含まれる事象発生地点で生じた注意事象の回数をそのまま用いて判定処理を行う。
【0051】
また、設定手段23dは、運転操作の自動化の程度に応じて注意地点情報の各々に重みをつけて事象発生地点を注意地点として設定するようにしてもよい。具体的には、自動運転レベルに応じて重みづけを行ってもよい。例えば、自動運転レベルが高くなるにつれて、すなわち、自動運転レベルが5に近づくほど、運転手によるヒューマンエラーによる注意事象が発生する確率が低くなるため、重みを重くして処理をするようにしてもよい。
【0052】
さらに、設定手段23dは、自動運転モード及び手動運転モードに応じた事象発生地点を注意地点として設定するようにしてもよい。このようにすることで、自動運転モード及び手動運転モードに応じた、注意事象を解析することができる。
【0053】
尚、設定手段23dは、交通量に応じて注意地点を設定する処理をしてもよい。すなわち、注意地点情報に含まれる事象発生地点で生じた注意事象の回数に対して事象発生地点における交通量で割ることにより平準化をすることができる。
【0054】
提供手段23eは、制御部23の機能ブロックの1つである。提供手段23eは、注意地点を各自動車Mに提供することが可能である。提供手段23eは、例えば、自動運転モード及び手動運転モードに応じた注意地点を各自動車Mに提供することが可能である。
【0055】
記憶部22は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)等を含み、通信部21によって受信された移動体情報等の情報を記憶することが可能である。また、記憶部22は、注意地点情報収集手段23bが自動車Mの操縦モードの判定をする際に用いる閾値情報及び設定手段23dが事象発生地点を注意地点として設定する際に用いる閾値情報を記憶可能である。
【0056】
また、記憶部22は、各機能ブロックの手段が判定する際の基準となる情報を記憶可能である。また、記憶部22は、地図情報等を記憶可能である。尚、記憶部22は、BIOS(Basic Input Output System)、ソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0057】
記憶部22は、交通環境取得手段23cが参照する事象発生地点の交通環境情報を記憶した交通環境情報データベース(図示せず)を有している。また、記憶部22は、注意地点情報収集手段23bが収集した注意地点情報を記憶する注意地点情報データベース(図示せず)を有している。さらに、記憶部22は、設定手段23dが設定した注意地点を記憶する注意地点データベース(図示せず)を有している。
【0058】
図3は、サーバ20によって実行される自動運転モード判定処理を示している。図3に示すように、挙動情報取得手段23aは、自動車Mに搭載されている各々の計測端末10から当該自動車Mの挙動情報を取得する(ステップS101)。
【0059】
注意地点情報収集手段23bは、ステップS101で取得した挙動情報に基づいて、当該自動車Mの運転操作が自動で行われているか、すなわち、自動車Mの操縦モードの情報を取得する(ステップS102)。
【0060】
注意地点情報収集手段23bは、挙動情報の前後加速度が予め定めた閾値以上であるか判定する(ステップS103)。
【0061】
ステップS103の判定において、前後加速度が閾値以上である場合(ステップS103:Y)、注意地点情報収集手段23bは、当該自動車Mに注意事象が発生したと認定し(ステップS104)、挙動情報に含まれる当該自動車Mに注意事象が発生した地点に対応する自動車Mの位置情報に基づいて事象発生地点を認定し(ステップS105)、当該事象発生地点を含む注意地点情報を注意地点情報データベースに記録する(ステップS106)。
【0062】
ステップS103の判定において、前後加速度が閾値以上でない場合(ステップS103:N)、注意地点情報収集手段23bは、挙動情報の左右加速度が予め定めた閾値以上あるか判定する(ステップS107)。
【0063】
ステップS107の判定において、左右加速度が閾値以上である場合(ステップS107:Y)、注意地点情報収集手段23bは、当該自動車Mに注意事象が発生したと認定し(ステップS104)、挙動情報に含まれる当該自動車Mに注意事象が発生した地点に対応する自動車Mの位置情報に基づいて事象発生地点を認定し(ステップS105)、当該事象発生地点を含む注意地点情報を注意地点情報データベースに記録する(ステップS106)。このように注意地点情報収集手段23bは、注意地点情報を収集する。
【0064】
ステップS107の判定において、左右加速度が閾値以上でない場合(ステップS107:N)、注意地点情報収集手段23bは、当該自動車Mに注意事象が発生していない、すなわち当該事象が未発生と認定し(ステップS108)、処理を終了する。
【0065】
設定手段23dは、注意地点情報収集手段23bによって収集された注意地点情報に含まれる事象発生地点で生じた注意事象の回数(S)を操縦モードごとに読み出す。設定手段23dは、それぞれの操縦モードごとの事象発生地点で生じた注意事象の回数(S)に重みづけを行って判定値(DV)を算出する(ステップS109)。
【0066】
例えば、設定手段23dは、自動運転モード下の注意事象の回数(SA)と、手動運転モード下の注意事象の回数(SM)と、を足し合わせて判定値(DV)を算出する。この際、設定手段23dは、例えば、下記の数式(数1)に示すように、自動運転モード下の注意事象の回数(SA)に対しては「2」を乗じた値を用い、手動運転モード下の注意事象の回数(SM)についてはそのまま用いて算出する。
【0067】
【数1】
設定手段23dは、下記の数式(数2)に示すように、ステップS109において算出された判定値(DV)が、予め定めた規定値(K)を超えるか否かを判断する(ステップS110)。
【0068】
【数2】
設定手段23dは、ステップS110の判断において判定値(DV)が規定値(K)を超えると判断した場合(ステップS110:Y)、当該事象発生地点を注意地点として設定する(ステップS111)。尚、設定手段23dは、設定した注意地点を注意地点データベースに記録する。
【0069】
提供手段23eは、走行する他の自動車Mに搭載された計測端末10に対して、注意地点情報データベースから注意地点を読み出して当該注意地点を送信することにより、注意地点を提供する(ステップS112)。
【0070】
設定手段23dは、ステップS110の判断において判定値(DV)が規定値(K)を超えないと判断した場合(ステップS110:N)、処理を終了する。
【0071】
尚、ステップS109の処理は、事象発生地点で生じた注意事象の回数(S)が、所定の足切り値を超える場合に実行するようにしてもよい。具体的には、設定手段23dは、ステップS109の処理を行う際に、下記の数式(数3)に示すように、注意事象の回数(S)が、足切り値(T)を超えるか判定してもよい。設定手段23dは、当該注意事象の回数(S)が、足切り値(T)を超える場合にステップS109の処理を行うようにしてもよい。また、設定手段23dは、注意事象の回数(S)が、足切り値(T)以下である場合は、処理を終了するようにしてもよい。
【0072】
【数3】
また、ステップS110の処理は、事象発生地点の交通量に基づいて平準化して行ってもよい。例えば、下記の数式(数4)に示すように、操縦モードごとの事象発生地点で生じた注意事象の回数(S)を交通量(N)で割ったものを判定値(DV)とし、判定値(DV)が操縦モードごとに定められた規定値(K)を超えるか否かによって判断してもよい。尚、交通量(N)は、交通環境取得手段23cが交通環境情報データベースの当該事象発生地点における交通量を参照することによって取得される。
【0073】
【数4】
また、設定手段23dは、操縦モードごとに事象発生地点を注意地点として設定するようにしてもよい。設定手段23dは、例えば、下記の数式(数5)に示すように、操縦モードごとに異なる規定値(K)で判断してもよい。具体的には、設定手段23dは、自動運転モード下の注意事象の回数(SA)については、交通量(N)で割った値が、自動運転モードの規定値(KA)を超えるかを判断する。また、設定手段23dは、手動運転モード下の注意事象の回数(SM)については、交通量(N)で割った値が、手動運転モードの規定値(KM)を超えるかを判断する。尚、自動運転モードの規定値(KA)は、手動運転モードの規定値(KM)と異なる整数である。
【0074】
【数5】
さらに、本実施例においては、挙動情報の前後加速度及び左右加速度に基づいて操縦モード情報を取得したが、これには限られず、例えば、挙動情報に自動運転モード又は手動運転モードを識別する識別子を含むようにし、当該識別子を読み込むことによって操縦モードを判別するようにしてもよい。
【0075】
以上のように、本実施例の情報処理システム100は、自動運転モードにおいて収集された注意地点情報及び手動運転モードおいて収集された注意地点情報のうちの、いずれかの注意地点情報に対して重みをつけて、事象発生地点を注意地点として設定する。
【0076】
したがって、本実施例の情報処理システム100によれば、収集した注意事象に対して、自動車Mの運転状態、すなわち操縦モードが自動運転モードか手動運転モードかに応じて注意事象の解析を行うことが可能となる。
【実施例0077】
実施例2に係る情報処理システム100について説明する。実施例2に係る情報処理システムは、自動車Mが自動運転モード及び手動運転モードのいずれか一方の操縦モードから他方の操縦モードにモード移行した位置を注意すべき領域として情報を生成する。尚、実施例1の情報処理システム100と同一の構成については、同一箇所に同一の符号を付して説明を省略する。
【0078】
図4は、実施例2に係る情報処理システム100の計測端末10及びサーバ20の機能ブロックを示している。図4に示すように、実施例2に係る情報処理システム100の構成は、サーバ20の制御部23の構成が実施例1に係る情報処理システム100と異なる。
【0079】
位置情報取得手段23fは、制御部23の機能ブロックの1つである。自動運転モード及び手動運転モードのうち、いずれか一方の操縦モードから他方の操縦モードへ移行するモード移行が行われた自動車Mの位置情報を取得することが可能である。
【0080】
具体的には、位置情報取得手段23fは、自動車Mの操舵の運転操作、加速の運転操作及び制動の運転操作の各々について少なくとも1つの運転操作についてモード移行が行われた自動車Mの位置情報を取得することが可能である。また、位置情報取得手段23fは、自動車Mの操舵の運転操作、加速の運転操作及び制動の運転操作の各々についてモード移行が行われた自動車Mの位置情報を取得することが可能である。位置情報は、モード移行が行われた当該地点を含む予め区分けされた所定のエリアとしてもよい。
【0081】
例えば、位置情報取得手段23fは、自動車Mのモード移行を判定するにあたり、加速、制動、及び操舵に関する運転操作のうち、いずれか1つの運転操作のみについてモード移行を判定するようにしてもよいし、これらの運転操作のうち2以上の運転操作についてモード移行を判定するようにしてもよい。
【0082】
また、位置情報取得手段23fは、自動運転モードにおいて運転操作の自動化の程度に変化が生じた自動車Mの位置情報及び手動運転モードにおいて運転操作の自動化の程度に変化が生じた自動車Mの位置情報を取得することが可能である。例えば、位置情報取得手段23fは、自動車Mのモード移行を判定するにあたり、自動車Mの自動運転レベルの変化をモード移行として判定するようにしてもよい。
【0083】
位置情報取得手段23fは、例えば、挙動情報に含まれる前後加速度の変化及び左右加速度の変化によってモード移行を判定することが可能である。また、挙動情報に操縦モードが変更された操縦モード変更情報を含まれるようにし、位置情報取得手段23fは、挙動情報を読み込むことによってモード移行を判定するようにしてもよい。
【0084】
情報生成手段23gは、制御部23の機能ブロックの1つである。情報生成手段23gは、位置情報取得手段23fによって取得された位置情報に基づいて、当該位置情報の位置を注意領域として注意領域情報を生成することが可能である。
【0085】
情報生成手段23gは、自動運転モードから手動運転モードに移行する第1のモード移行が行われた第1の位置情報と、手動運転モードから自動運転モードに移行する第2のモード移行が行われた第2の位置情報と、を互いに異なる態様を用いて注意領域情報を生成する。
【0086】
例えば、情報生成手段23gは、第1の位置情報を第1のモード移行の頻度に応じて変化するヒートマップとして注意領域情報を生成する。また、情報生成手段23gは、第2の位置情報を第2のモード移行の頻度に応じて変化するヒートマップとして注意領域情報を生成する。
【0087】
記憶部22は、位置情報取得手段23fが取得したモード移行が行われた自動車Mの位置情報を記憶した位置情報データベース(図示せず)を有している。また、記憶部22は、情報生成手段23gが生成した注意領域情報データベース(図示せず)を有している。
【0088】
図5は、情報生成手段23gが生成した注意領域情報を示す概念図である。図5に示すように、自動車Mが走行する道路Rが等間隔で区画された複数のエリアEによって区分けされている。各々のエリアEは、当該エリアE内で発生したモード移行の頻度に応じて互いに異なる色で表示されている。
【0089】
例えば、第1のモード移行又は第2のモード移行の頻度が相対的に最も高いエリアE、すなわち、「発生頻度(高)」のエリアEは、例えば、赤色で表示される。第1のモード移行又は第2のモード移行の頻度が「発生頻度(高)」よりもわずかに低いエリアE、すなわち、「発生頻度(中高)」のエリアEは、例えば、オレンジ色で表示される。第1のモード移行又は第2のモード移行の頻度が「発生頻度(中高)」よりも低いエリアE、すなわち、「発生頻度(中低)」のエリアEは、例えば、緑色で表示される。第1のモード移行又は第2のモード移行の頻度が相対的に最も低いエリアE、すなわち、「発生頻度(低)」のエリアEは、例えば、青色で表示される。例示する色についてはあくまで一例であって、特に「発生頻度(低)」のエリアEは、色付けすることなく通常の地図と同一の表示をすることでも構わない。
【0090】
図6は、サーバ20によって実行される自動運転モード判定処理を示している。図6に示すように、挙動情報取得手段23aは、自動車Mに搭載されている各々の計測端末10から当該自動車Mの挙動情報を取得する(ステップS201)。
【0091】
位置情報取得手段23fは、自動車Mが自動運転モードから手動運転モードにモードへの移行を判定する第1のモード移行判定処理を行う(ステップS202)。位置情報取得手段23fは、ステップS202の処理に基づいて、第1のモード移行が行われたか判定する(ステップS203)。
【0092】
位置情報取得手段23fは、ステップS203の判定において、第1のモード移行が行われたと判定すると(ステップS203:Y)、第1のモード移行が行われた第1の位置情報を取得し(ステップS204)、第1の位置情報を位置情報データベースに記録する。
【0093】
情報生成手段23gは、位置情報データベースから第1の位置情報を読み出して、第1のモード移行が行われた頻度に応じたヒートマップ状の注意領域情報を生成し(ステップS205)、注意領域情報データベースに注意領域情報を記録する。
【0094】
提供手段23eは、ステップS205で生成された注意領域情報を注意領域情報データベースから読み出して、他の自動車Mに搭載される計測端末10に送信することにより提供する(ステップS206)。
【0095】
位置情報取得手段23fは、ステップS203の判定において、第1のモード移行が行われていないと判定すると(ステップS203:N)、位置情報取得手段23fは、自動車Mが手動運転モードから自動運転モードにモードへの移行を判定する第2のモード移行判定処理を行う(ステップS207)。位置情報取得手段23fは、ステップS207の処理に基づいて、第2のモード移行が行われたか判定する(ステップS208)。
【0096】
位置情報取得手段23fは、ステップS208の判定において、第2のモード移行が行われたと判定すると(ステップS208:Y)、第2のモード移行が行われた第2の位置情報を取得し(ステップS209)、第2の位置情報を位置情報データベースに記録する。
【0097】
情報生成手段23gは、位置情報データベースから第2の位置情報を読み出して第2のモード移行が行われた頻度に応じたヒートマップ状の注意領域情報を生成し(ステップS205)、注意領域情報データベースに注意領域情報を記録する。
【0098】
提供手段23eは、ステップS205で生成された注意領域情報を注意領域情報データベースから読み出して、他の自動車Mに搭載される計測端末10に送信することにより提供する(ステップS206)。
【0099】
位置情報取得手段23fは、ステップS208の判定において、第2のモード移行が行われていないと判定すると(ステップS208:N)、モード移行が行われなかったものとして処理し(ステップS210)、処理を終了する。
【0100】
図7は、第1のモード移行判定処理(ステップS202)のより詳細なフローを示す図である。ステップS202は、図7に示すようなサブルーチンとして構成されていてもよい。
【0101】
図7に示すように、位置情報取得手段23fは、自動車Mの移動方向である前後加速度が予め定めた閾値を超えて変化したかを判定する(ステップS301)。具体的には、自動運転モードで走行する自動車Mの移動方向である前後加速度及び移動方向に対する左右加速度は一定であると想定される。これに対して、手動運転モードで走行する自動車Mの前後加速度は、バラつきがあり予め定めた閾値を超えると想定される。したがって、位置情報取得手段23fは、所定時間(例えば1分間)当たりの前後加速度の変化を解析する。例えば、位置情報取得手段23fは、当該所定時間内の特定の時刻より前において予め定めた閾値以下の前後加速度であり、特定の時刻より後において予め定めた閾値を超える前後加速度に変化した場合、自動運転モードから手動運転モードにモード移行したと考えられる。
【0102】
位置情報取得手段23fは、ステップS301において自動車Mの移動方向である前後加速度が予め定めた閾値を超えて変化したと判定した場合(ステップS301:Y)、第1のモード移行があったとものとして処理をする(ステップS302)。すなわち、位置情報取得手段23fは、正の前後加速度について閾値を超える変化がある場合、加速に関する運転操作(アクセル操作)について第1のモード移行があったものとして処理をする。また、位置情報取得手段23fは、負の前後加速度について閾値を超える変化がある場合、制動に関する運転操作(ブレーキ操作)について第1のモード移行があったものとして処理をする。
【0103】
位置情報取得手段23fは、ステップS301において自動車Mの前後加速度が予め定めた閾値を超えて変化していないと判定した場合(ステップS301:N)、自動車Mの左右加速度が予め定めた閾値を超えて変化したかを判定する(ステップS303)。
【0104】
例えば、位置情報取得手段23fは、当該所定時間内の特定の時刻より前において予め定めた閾値以下の左右加速度であり、特定の時刻より後において予め定めた閾値を超える左右加速度に変化した場合、自動運転モードから手動運転モードにモード移行したと考えられる。
【0105】
位置情報取得手段23fは、ステップS303において自動車Mの左右加速度が予め定めた閾値を超えて変化したと判定した場合(ステップS303:Y)、第1のモード移行があったとものとして処理をする(ステップS302)。すなわち、位置情報取得手段23fは、正又は負の左右加速度について閾値を超える変化がある場合、操舵(ステアリング操作)に関する運転操作について第1のモード移行があったものとして処理をする。
【0106】
位置情報取得手段23fは、ステップS303において自動車Mの左右加速度が予め定めた閾値を超えて変化していないと判定した場合(ステップS303:N)、処理を終了する。
【0107】
図8は、第2のモード移行判定処理(ステップS207)のより詳細なフローを示す図である。ステップS207は、図8に示すようなサブルーチンとして構成されていてもよい。
【0108】
図8に示すように、位置情報取得手段23fは、自動車Mの移動方向である前後加速度が予め定めた閾値以下に変化したかを判定する(ステップS401)。例えば、位置情報取得手段23fは、当該所定時間内の特定の時刻より前において予め定めた閾値を超える前後加速度であり、特定の時刻より後において予め定めた閾値以下の前後加速度に変化した場合、手動運転モードから自動運転モードにモード移行したと考えられる。
【0109】
位置情報取得手段23fは、ステップS401において自動車Mの前後加速度が予め定めた閾値以下に変化したと判定した場合(ステップS401:Y)、第2のモード移行があったとものとして処理をする(ステップS402)。すなわち、位置情報取得手段23fは、正の前後加速度について閾値を超える変化がある場合、加速に関する運転操作(アクセル操作)について第2のモード移行があったものとして処理をする。また、位置情報取得手段23fは、負の前後加速度について閾値を超える変化がある場合、制動に関する運転操作(ブレーキ操作)について第2のモード移行があったものとして処理をする。
【0110】
位置情報取得手段23fは、ステップS401において自動車Mの前後加速度が予め定めた閾値以下に変化していないと判定した場合(ステップS401:N)、自動車Mの左右加速度が予め定めた閾値以下に変化したかを判定する(ステップS403)。
【0111】
例えば、位置情報取得手段23fは、当該所定時間内の特定の時刻より前において予め定めた閾値を超える左右加速度であり、特定の時刻より後において予め定めた閾値以下の左右加速度に変化した場合、手動運転モードから自動運転モードにモード移行したと考えられる。
【0112】
位置情報取得手段23fは、ステップS403において自動車Mの左右加速度が予め定めた閾値以下に変化したと判定した場合(ステップS403:Y)、第2のモード移行があったとものとして処理をする(ステップS402)。すなわち、位置情報取得手段23fは、左右加速度が閾値以下に変化した場合、操舵に関する運転操作(ハンドル操作)について第2のモード移行があったものとして処理をする。
【0113】
位置情報取得手段23fは、ステップS403において自動車Mの左右加速度が予め定めた閾値を超えて変化していないと判定した場合(ステップS403:N)、処理を終了する。
【0114】
以上のように、本実施例の情報処理システム100は、自動車Mが自動運転モード及び手動運転モードのいずれか一方の操縦モードから他方の操縦モードにモード移行した位置を注意すべき領域として情報を生成する。
【0115】
したがって、本実施例の情報処理システム100によれば、収集した注意事象に対して、自動車Mの運転状態、すなわち操縦モードが自動運転モードか手動運転モードかに応じて注意事象の解析を行うことが可能となる。
【0116】
特に、本実施例に係る情報処理システム100によれば、自動運転モードから手動運転モード、又は手動運転モードから自動運転モードへの運転モードの切替地点に関する注意領域情報を生成することによって、より安全な走行環境を実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0117】
100 情報処理システム
10 計測端末
20 サーバ
23a 挙動情報取得手段
23b 注意地点情報収集手段
23c 交通環境取得手段
23d 設定手段
23e 提供手段
23f 位置情報取得手段
23g 情報生成手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8