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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032873
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240305BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
B65D83/08 G
B65D25/52 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024010644
(22)【出願日】2024-01-29
(62)【分割の表示】P 2020129809の分割
【原出願日】2020-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 達也
(57)【要約】
【課題】ロール状の衛生用薄葉紙を好適に引き出すことを可能にする衛生用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】衛生用薄葉紙収納容器100の容器本体1の内側面には複数の突起12が設けられており、内部に収納されている衛生用薄葉紙Pが衛生用薄葉紙収納容器100の内側面に瞬間的に付着され易くなっており、衛生用薄葉紙Pが衛生用薄葉紙収納容器100の内側面に引っ掛かるなどして、衛生用薄葉紙収納容器100内でロール状の衛生用薄葉紙Pの姿勢や向きが様々変わる際に、そのロール状の衛生用薄葉紙Pに衝撃や振動が加わることで、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解れてその巻きが緩まるようになっている。そして、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解されたことで、ロールの中心側から衛生用薄葉紙Pを引き出し易くなり、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することが可能になる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に開口部を有し、ロール状に巻かれた衛生用薄葉紙を前記開口部から内部に収納する容器本体と、
前記容器本体の前記開口部を覆うように着脱自在に取り付けられ、前記容器本体内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出部を有する蓋体と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体に収納された前記衛生用薄葉紙は、ロールの中心側から引き出されて前記取出部を通じて取り出されるようになっており、
前記容器本体の内側面には、前記容器本体に収納されているロール状の前記衛生用薄葉紙の巻きを緩めるように所定の摩擦抵抗を付与する複数の突起が設けられていることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記突起は、その先端側が先細る形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記突起の先端は、前記開口部側に向けて突き出していることを特徴とする請求項2に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記突起は、その先端側が曲がった鉤形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項5】
前記突起は、弾性材料によって形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項6】
前記衛生用薄葉紙は、所定方向に沿う軸を軸心にロール状に巻かれており、
前記容器本体は、前記衛生用薄葉紙の軸心を前記容器本体の底面と略直交させる向きで、その衛生用薄葉紙を収納するように構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、あるいは人体などを拭くための衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器として、開口部を有する容器本体の内部にロール状の衛生用薄葉紙を収容し、その容器本体の開口部を覆うように取り付けられる蓋体には衛生用薄葉紙を引き出すための取出孔を有する取出部が配設されており、取出孔から引き出される衛生用薄葉紙に抵抗を掛けて、衛生用薄葉紙に設けられたミシン目にて切り離す構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この衛生用薄葉紙収納容器に収納されたロール状の衛生用薄葉紙は、例えば、ロールの中心側から引き出されて使用されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-112130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ロール状の衛生用薄葉紙は生産ラインではしっかりと巻かれており、型崩れし難く取り扱い易くなっているが、そのような衛生用薄葉紙を衛生用薄葉紙収納容器に収納して使用する場合に、しっかりと巻かれたロールからは衛生用薄葉紙を引き出し難いことがあり、衛生用薄葉紙を容器から好適に引き出すことができないことがあるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ロール状の衛生用薄葉紙を好適に引き出すことを可能にする衛生用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
上面に開口部を有し、ロール状に巻かれた衛生用薄葉紙を前記開口部から内部に収納する容器本体と、
前記容器本体の前記開口部を覆うように着脱自在に取り付けられ、前記容器本体内部に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出部を有する蓋体と、
を備えた衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記容器本体に収納された前記衛生用薄葉紙は、ロールの中心側から引き出されて前記取出部を通じて取り出されるようになっており、
前記容器本体の内側面には、前記容器本体に収納されているロール状の前記衛生用薄葉紙の巻きを緩めるように所定の摩擦抵抗を付与する複数の突起が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記突起は、その先端側が先細る形状を有していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記突起の先端は、前記開口部側に向けて突き出していることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記突起は、その先端側が曲がった鉤形状を有していることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記突起は、弾性材料によって形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の衛生用薄葉紙収納容器において、
前記衛生用薄葉紙は、所定方向に沿う軸を軸心にロール状に巻かれており、
前記容器本体は、前記衛生用薄葉紙の軸心を前記容器本体の底面と略直交させる向きで、その衛用薄葉紙を収納するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ロール状の衛生用薄葉紙を好適に引き出すことを可能にする衛生用薄葉紙収納容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】衛生用薄葉紙収納容器の取出部に衛生用薄葉紙を挿通させた状態を示す断面図である。
図4】衛生用薄葉紙収納容器の取出部を示す斜視図である。
図5】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す断面図である。
図6】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す断面図である。
図7】衛生用薄葉紙収納容器の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る衛生用薄葉紙収納容器の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、以下においては、図1に示すように、前後方向、左右方向及び上下方向並びにX軸、Y軸及びZ軸を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器100において、衛生用薄葉紙が取り出される側を上、その反対側を下、衛生用薄葉紙収納容器100の平面視における手前側を前、その反対側を後、容器の前面を正面視した状態における右手側を右、容器の前面を正面視した状態における左手側を左とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
【0015】
<実施形態の構成>
(全体構成)
衛生用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1図3に示すように、ロール状の衛生用薄葉紙Pを内部に収納する容器本体1と、容器本体1に着脱自在に取り付けられる蓋体2と、蓋体2に着脱自在に取り付けられる取出部3等を備えて構成されている。
蓋体2が、容器本体1に対して着脱自在に構成されているため、容器本体1から蓋体2を取り外した状態で、容器本体1の内部に衛生用薄葉紙を収納したり、内部から衛生用薄葉紙を取り出したりすることができる。
【0016】
(衛生用薄葉紙)
衛生用薄葉紙Pは、例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパーである。
この衛生用薄葉紙Pは、例えば、図3に示すように、上下方向に沿った軸心にロール状に巻かれた状態で容器本体1に収納されている。換言すれば、容器本体1は、衛生用薄葉紙Pの軸心を容器本体1の底面と略直交させる向きで、その衛生用薄葉紙Pを収納するようになっている。
この容器本体1に収納された衛生用薄葉紙Pは、ロールの中心側から引き出されて取出部3を通じて取り出されるようになっている。
また、衛生用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目P1が施されており、そのミシン目P1に沿って切り離した衛生用薄葉紙Pを、ユーザーが使用するようになっている。
【0017】
(容器本体)
容器本体1は、有底円筒形状に形成された容器であり、上面には開口部1aが設けられている。この開口部1aから容器本体1の内部に衛生用薄葉紙Pを収納するようになっている。
また、容器本体1の開口部1a近傍の外周面には、図2に示すように、周方向に沿って雄ネジ部11が設けられている。
容器本体1は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
容器本体1は、平面視において直径50mm~200mmの円形となり、Z軸方向(高さ)45mm~200mm、各面の厚み0.5mm~10mmの円筒形状に形成されている。
【0018】
(突起)
容器本体1の内側面には、例えば、図2に示すように、複数の突起12が設けられている。複数の突起12は、容器本体1と一体成型にて設けられている。
ここでの突起12は、略円錐形状を呈しており、その先端側が先細った形状を有している。
なお、略円錐形状を呈する突起12の高さは0.5mm~2.5mmに形成されている。
この突起12は、容器本体1に収納されている衛生用薄葉紙Pが内側面に接触した際、その衛生用薄葉紙Pに所定の摩擦抵抗を付与するために設けられている。
そして、ロール状の衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面に接触すると、容器本体1の内側面に設けられている複数の突起12にロール状の衛生用薄葉紙Pが引っ掛かるなどして、その衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面に瞬間的に付着し易くなっている。
例えば、突起12の先端が尖っていれば、その突起12に衛生用薄葉紙Pがより引っ掛かり易くなって、衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面により付着し易くなる。
【0019】
(蓋体)
蓋体2は、図1図3に示すように、蓋体本体21と、小蓋22と、から構成されている。
【0020】
蓋体本体21は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されており、下面が開放された円筒形状をなし、天面部21aと、側面部21bと、天面部21aの平面視内周側に下方に向けて凹状に形成される凹部21cと、孔部21dと、凹部21c内において孔部21dを囲むように円筒形状に立設された本体側壁部21eと、を備えている。
蓋体本体21は、平面視において直径50mm~200mmの円形となり、Z軸方向(高さ)15mm~50mm、各面の厚み0.5mm~10mmの円筒形状に形成されている。
【0021】
また、側面部21bの下端部の内周面には、容器本体1の雄ネジ部11と螺合する雌ネジ部211が設けられている。これによって、図2に示すように容器本体1と蓋体2は、雄ネジ部11と雌ネジ部211を介した着脱自在な連結構造をとり、容器本体1から蓋体2を取り外すことが可能となっている。
【0022】
(蓋体の凹部)
凹部21cは、閉塞時の小蓋22と平面視における形状が略一致し、小蓋22を嵌めることができるように形成されている。また、凹部21cは、前端部が平面視において小蓋22よりも大きく、小蓋22が嵌め込まれた状態でも若干の隙間が残るように形成されている。これによって、当該隙間を利用して小蓋22に指を掛けることが可能となる。
【0023】
(孔部)
孔部21dは、蓋体本体21の平面視略中央に平面視円形に形成された、衛生用薄葉紙収納容器100内部に通じる孔であり、平面視において、取出部3より僅かに小さく形成され、後述のように孔部21dには取出部3が固定される。
【0024】
(本体側壁部)
本体側壁部21eは、孔部21dの周囲を囲むように、凹部21c内において円筒形状に上方に向けて延出して形成されている。本体側壁部21eは、その外径が小蓋22の小蓋側壁部22aの内径と同一か、ごく僅かに小さくなるように形成されている。
【0025】
(小蓋)
小蓋22は、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成され、端部が蓋体本体21と連結されており、閉塞時における下面から突出した小蓋側壁部22aを備える。小蓋22は、閉塞時の平面視における形状が凹部21cと略一致し、閉塞時に凹部21cに嵌めることができるように形成されている。
【0026】
(小蓋側壁部)
小蓋側壁部22aは、小蓋22の閉塞時において下方に向けて延出する円筒形状に形成されている。また、小蓋側壁部22aは、内径が本体側壁部21eの外径と同一か、ごく僅かに大きくなるように形成されている。また、この小蓋側壁部22aは小蓋22の閉塞時において、凹部21cの上面と接触するようになっている。これによって、小蓋22の閉塞時に、小蓋側壁部22aと本体側壁部21eとが嵌合し、小蓋側壁部22aと本体側壁部21eとで囲まれた空間、ひいては当該空間と孔部21dを介して繋がる衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性を保つことができる。
【0027】
なお、本実施形態では、本体側壁部21eと小蓋側壁部22aとを嵌合させることによって、衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性を保つよう構成しているが、衛生用薄葉紙収納容器100内部の気密性を保つことができれば、上記と異なる構成とすることも可能である。
また、収納する衛生用薄葉紙が薬液等を染み込ませたものでなく、乾燥を防ぐ必要がない場合には、特に気密手段を備えない構成としてもよい。
【0028】
(取出部)
取出部3は、例えば、図4に示すように、平面視において円形となる略円柱状に形成された弾性変形可能な部材であり、例えば、射出成型により形成することができる。
この取出部3は、容器本体1内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための部材である。
具体的には、取出部3は、平面視中央部に形成された内部底面を有する凹部31と、側面に形成された括れ部32と、凹部31の略中央に形成された取出孔33と、を備えている。
この取出部3は、平面視において、蓋体本体21の直径の10分の1以上、3分の1以下の孔部21dより僅かに大きい円形を有している。
【0029】
(取出部の凹部)
凹部31は、取出部3の上面において、周縁部を残して、上面視円形状に下方に向けて凹状となるように形成されている。この凹部31の深さ(Z軸方向の深さ)は、2mm~10mmとなるように形成されている。
また、凹部31は、その内部底面が平面となるように形成されている。
【0030】
(括れ部)
括れ部32は、取出部3の側面の上下方向略中央部を周方向に沿って周回するようにして、平面視において取出部3の直径の20分の1以上、10分の1以下の深さとなるように径方向に凹んだ溝状に形成される。また、この括れ部32のZ軸方向の寸法は、0.5mm~3.0mmとなるように形成されている。
上記のように取出部3は、平面視において孔部21dより僅かに大きく形成されているため、この括れ部32に孔部21dの縁を嵌め込むことによって、取出部3を蓋体本体21に固定することが可能となる。
【0031】
(取出孔)
取出孔33は、容器本体1の内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための孔である。
取出孔33は、下面側から挿通された衛生用薄葉紙Pを、その先端側の端部が取出部3の上面(凹部31の内部底面)から突出した状態として保持する。
衛生用薄葉紙Pの先端が取出部3の上面から突出した状態であるとき、その突出量としては、10mm~30mm、好ましくは13mm~20mmである。この突出量であれば、一般的なユーザーの手指で摘みやすく、取出し作業を容易に行うことができる。
【0032】
取出孔33は、典型的には平面視にて略円形の小孔33aと、小孔33aを中心に放射状に形成された複数のスリット33bとを有している。なお、ここでいう「略円形」とは、真円を含むのは勿論のこと、楕円や歪んだ円形なども含むものとする。
本実施形態では、例えば、図4に示すように、小孔33aの周囲に4本のスリット33bが設けられている。各スリット33bは小孔33aの周囲に90°間隔で設けられている。
小孔33aの直径は、1.0mm~5.0mm、好ましくは2.0mm~4.0mmに形成されている。小孔33aの直径が大きすぎると次のシートが保持されず落ち込んでしまい、小さすぎると取出しの際に力を多く必要とする。
【0033】
この取出孔33によって、引き出された衛生用薄葉紙Pに抵抗を掛けることで、使用する衛生用薄葉紙Pをミシン目P1に沿って切り離すとともに、後続の衛生用薄葉紙Pの端部が取出孔33から適量突出した状態で保持しておくことが可能となる。
このように、小孔33aと複数のスリット33bとからなる取出孔33であれば、取出孔33における衛生用薄葉紙Pの保持の確実性と、その取出孔33に保持されている衛生用薄葉紙Pを引き出す容易性を両立させることができる。
なお、図4では、4本のスリット33bを形成した場合を図示して説明したが、取出孔33の形状としてはこれに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば任意の数のスリット33bを形成してもよい。つまり、真円や楕円の小孔33aと、任意の数のスリット33bを組み合わせた取出孔33であってよい。
【0034】
<実施形態の作用>
上述した衛生用薄葉紙収納容器100では、衛生用薄葉紙収納容器100(容器本体1)に収納されているロール状の衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面に接触することで、容器本体1の内側面に設けられている複数の突起12にロール状の衛生用薄葉紙Pが引っ掛かるなどして、容器本体1内でのロール状の衛生用薄葉紙Pの姿勢や向きが変わり易くなっている。
例えば、工場から物流センターに衛生用薄葉紙収納容器100が出荷されたり、物流センターから店舗に衛生用薄葉紙収納容器100が搬入されたりする輸送中、その輸送中の衛生用薄葉紙収納容器100が揺すられて、衛生用薄葉紙収納容器100内のロール状の衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面に接触した際、複数の突起12に瞬間的に付着されるように引っ掛かるなどして、そのロール状の衛生用薄葉紙Pの姿勢や向きが変わり易くなっている。
そして、衛生用薄葉紙収納容器100内でロール状の衛生用薄葉紙Pの姿勢や向きが様々変わる際に、そのロール状の衛生用薄葉紙Pに衝撃や振動が加わることで、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解されるようになる。
このように、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解されることで、ロール状の衛生用薄葉紙Pの巻きが緩まるので、ロールの中心側から衛生用薄葉紙Pを引き出し易くなる。
【0035】
また、ロール状の衛生用薄葉紙Pを使い切って衛生用薄葉紙収納容器100が空になった場合に、詰め替え用の衛生用薄葉紙Pを衛生用薄葉紙収納容器100に収納して使用を始める前、衛生用薄葉紙収納容器100を複数回(例えば、十数回から数十回)振って揺すり、衛生用薄葉紙収納容器100内のロール状の衛生用薄葉紙Pを容器本体1の内側面に接触させるようにすれば、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解れて、ロール状の衛生用薄葉紙Pの巻きが緩まるので、ロールの中心側から衛生用薄葉紙Pを引き出し易くなる。
また、ユーザーが衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを引き出し難いと感じた場合に、その衛生用薄葉紙収納容器100を複数回振って揺すれば、ロール状の衛生用薄葉紙Pの巻きが緩まって、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを引き出し易くなる。
【0036】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、上面に開口部1aを有し、ロール状の衛生用Pを開口部1aから内部に収納する容器本体1と、容器本体1の開口部1aを覆うように着脱自在に取り付けられ、容器本体1内部に収納された衛生用薄葉紙Pを取り出すための取出部3を有する蓋体2と、を備えた衛生用薄葉紙収納容器100において、容器本体1に収納された衛生用薄葉紙Pは、ロールの中心側から引き出されて取出部3を通じて取り出されるようになっており、容器本体1の内側面には複数の突起12が設けられており、容器本体1に収納されている衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面に接触した際、突起12が衛生用薄葉紙Pを内側面に瞬間的に付着させるように構成されている。
【0037】
本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器100はこのような構成を有しており、ロール状の衛生用薄葉紙Pが衛生用薄葉紙収納容器100の内側面に瞬間的に付着されるなどして、衛生用薄葉紙収納容器100内でロール状の衛生用薄葉紙Pの姿勢や向きが様々変わる際に、そのロール状の衛生用薄葉紙Pに衝撃や振動が加わることで、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解れてその巻きが緩まるようになっている。
そして、ロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解されたことで、ロールの中心側から衛生用薄葉紙Pを引き出し易くなり、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することが可能になる。
【0038】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5に示すように、衛生用薄葉紙収納容器100(容器本体1)の内側面に設けられている突起12の先端は、容器本体1の開口部1a側に向けて突き出している形状を有していてもよい。
この突起12は、略円錐形状の突起であっても、略三角形の板状の突起であってもよい。
このような複数の突起12が内側面に設けられている衛生用薄葉紙収納容器100であっても、内部に収納しているロール状の衛生用薄葉紙Pの巻きが緩まり易くなっており、その衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することができる。
特に、先端を斜め上に向けている突起12であると、その突起12にロール状の衛生用薄葉紙Pが引っ掛かって瞬間的に吊られた状態になることがあり、その際にロールの中心側が下がるようにして巻きが解され易くなるので、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出すことができる。
また、先端を斜め上に向けている突起12であると、その突起12にロール状の衛生用薄葉紙Pが引っ掛かって宙づりになってしまっても、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを引き出す際の作用で外れて所定の収納状態に戻るので、好適に使用し続けることができる。
なお、突起12の先端は、水平方向よりも上に向いていればよいが、例えば、水平方向から上に20~70°の角度をつけて斜め上に向いているのが好ましい。
【0039】
また、図6に示すように、衛生用薄葉紙収納容器100(容器本体1)の内側面に設けられている突起12は、その先端側が曲がった鉤形状を有していてもよい。
このような複数の突起12が内側面に設けられている衛生用薄葉紙収納容器100であっても、内部に収納しているロール状の衛生用薄葉紙Pの巻きが緩まり易くなっており、その衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することができる。
特に、先端が曲がったフック状の突起12であると、その突起12にロール状の衛生用薄葉紙Pが引っ掛かって瞬間的に吊られた状態になることがあり、その際にロールの中心側が下がるようにして巻きが解され易くなるので、衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出すことができる。
【0040】
また、図7に示すように、衛生用薄葉紙収納容器100(容器本体1)の内側面に設けられている突起12は、比較的柔らかい樹脂材料であって、例えば、シリコーンなどの弾性材料によって形成されたものでもよい。
ここでの突起12は、球面状に隆起した形状を有している。
この突起12は、例えば、二色成形によって設けることができる。
容器本体1の内側面に設けられている複数の突起12が弾性樹脂材料によって形成されていれば、衛生用薄葉紙収納容器100(容器本体1)に収納されているロール状の衛生用薄葉紙Pが容器本体1の内側面に接触した際に、比較的強い摩擦力が作用することでロール状に巻かれている衛生用薄葉紙Pの束が解されるようになる。
このような複数の突起12が内側面に設けられている衛生用薄葉紙収納容器100であっても、内部に収納しているロール状の衛生用薄葉紙Pの巻きが緩まり易くなっており、その衛生用薄葉紙収納容器100から衛生用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することができる。
【0041】
以上のように、本実施形態の衛生用薄葉紙収納容器100であれば、内部に収納しているロール状の衛生用薄葉紙Pを好適に引き出して使用することができる。
【0042】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 容器本体
1a 開口部
11 雄ネジ部
12 突起
2 蓋体
21 蓋体本体
21a 天面部
21b 側面部
21c 凹部
21d 孔部
21e 本体側壁部
211 雌ネジ部
22 小蓋
22a 小蓋側壁部
3 取出部
31 凹部
32 括れ部
33 取出孔
33a 小孔
33b スリット
100 衛生用薄葉紙収納容器
P 衛生用薄葉紙
P1 ミシン目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7