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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003291
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102322
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 元則
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353AA02
5E353CC01
5E353CC04
5E353CC21
5E353CC25
5E353DD05
5E353EE23
5E353GG01
5E353HH11
5E353HH25
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353LL01
5E353LL02
5E353LL03
(57)【要約】
【課題】簡素な構造によって発光体の配置間隔を変更可能な表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置は、1つ以上の発光体を実装した基板と、基板よりも可撓性を有し、隣接する基板同士を連結する配線構造と、発光体の発光状態を基板ごとに制御する制御部と、を備え、部品を装着する部品装着機に部品を供給するフィーダが着脱可能にセットされる複数のスロットの間隔に合わせて、隣接する基板の各々に実装された発光体の配置間隔を変更する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の発光体を実装した複数の基板と、
前記基板よりも可撓性を有し、隣接する前記基板同士を連結する配線構造と、
前記発光体の発光状態を前記基板ごとに制御する制御部と、
を備え、
部品を装着する部品装着機に前記部品を供給するフィーダが着脱可能にセットされる複数のスロットの間隔に合わせて、隣接する前記基板の各々に実装された前記発光体の配置間隔を変更する、表示装置。
【請求項2】
前記部品装着機は、複数の前記スロットの間隔が互いに異なる複数種類のデバイスパレットが選択的に装備可能であり、
装備された前記デバイスパレットの各々の前記スロットに1つの前記基板を対応させるように、前記基板が配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
複数の前記基板及び複数の前記配線構造を1つのユニットとし、前記デバイスパレットに設けられた前記スロットの総数に応じて、複数の前記ユニットを組み合わせて配置する、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の前記スロットの間隔に対応して設けられた基板固定部に対して複数の前記基板の各々を固定して前記配置間隔を変更する、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1に開示された実装機が知られている。従来の実装機は複数のフィーダ取付部と、各フィーダ取付部に対応する複数の光出射部を有する発光表示手段とを備えている。そして、発光表示手段は、外部から視認可能な位置に光出射部としての発光体(発光ダイオード)が配置されるようになっている。これにより、各フィーダ取付部の状態が容易に把握できるようになっている。又、例えば、特許文献2及び特許文献3には、電子部品が実装された基板同士を接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-347342号公報
【特許文献2】特開2000-261165号公報
【特許文献3】特開2016-21555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した実装機等の基板に部品を装着する部品装着機には、基板に多種多様な部品を装着するため、装着する部品の種類や大きさに対応した複数のフィーダが用いられる。このため、部品装着機においては、幅の狭いフィーダや幅の広いフィーダを支持して、部品の供給を受ける必要がある。
【0005】
ところで、上述した従来の実装機においては、例えば、幅の狭いフィーダが取り付けられる幅狭なスロットを有するフィーダ取付部から部品が供給される場合、フィーダ取付部の状態を把握するためには、幅狭のスロットに対応して発光体が予め配置された発光表示手段を用いる必要がある。他方、例えば、幅の広いフィーダが取り付けられる幅広なスロットを有するフィーダ取付部から部品が供給される場合、フィーダ取付部の状態を把握するためには、幅広のスロットに対応して発光体が予め配置された発光表示手段を用いる必要がある。
【0006】
つまり、上述した実装機に用いられる発光表示手段としては、フィーダ取付部の種別に応じて発光体の配置を変更した複数種類を用意する必要がある。このため、部品の共通化が損なわれ、その結果、設備コストが増大してしまう虞がある。
【0007】
本明細書は、簡素な構造によって発光体の配置間隔を変更可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、1つ以上の発光体を実装した複数の基板と、基板よりも可撓性を有し、隣接する基板同士を連結する配線構造と、発光体の発光状態を基板ごとに制御する制御部と、を備え、部品を装着する部品装着機に部品を供給するフィーダが着脱可能にセットされる複数のスロットの間隔に合わせて、隣接する基板の各々に実装された発光体同士の配置間隔を変更する、表示装置を開示する。尚、本明細書では、出願当初の請求項4において、「請求項1に記載の表示装置」を「請求項1-3の何れか一項に記載の表示装置」に変更した技術的思想も開示されている。
【0009】
表示装置によれば、配線構造が撓んで基板同士を接近又は離間させることにより、隣接する基板の各々に実装された発光体の配置間隔を変更することができる。これにより、発光体の配置間隔を異ならせて表示装置を用いる場合であっても、1つの表示装置によって複数の配置間隔に対応することができ、配置間隔を変更した状態で制御部が発光体の発光状態を制御することができる。従って、表示装置は、配置間隔に応じた専用品を用意する必要がなく、部品の共通化を促進することができ、その結果、設備コストの低減を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】表示装置を含む基板生産システムの構成図である。
図2】基板生産システムが備える対基板作業機の構成図である。
図3】リール及びフィーダの要部を模式的に示した斜視図である。
図4】表示装置の構成を説明するための機能ブロック図である。
図5】対基板作業機に設けられた複数の表示部からなる表示装置の一例を表した図である。
図6】表示装置の表示部、表示制御部及び配線構造の詳細構成図である。
図7】表示装置の幅狭な配置間隔を説明するための図である。
図8】表示装置の幅広な配置間隔を説明するための図である。
図9】第一変形例に係り、デバイスパレットの構成を説明するための上面図である。
図10】第一変形例に係る表示装置を説明するための正面図である。
図11】第一変形例に係るホスト装置の構成を説明するための機能ブロック図である。
図12】第二変形例に係り、表示装置の構成及び動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、表示装置について、図面を参照しながら説明する。本実施形態においては、表示装置を備えた対基板作業機が複数設けられた基板生産システムを例示して説明する。
【0012】
1.基板生産システム1の構成
基板生産システム1は、部品が装着された基板2を生産するシステムである。基板生産システム1は、図1に示すように、複数の対基板作業機10と、対基板作業機10に対して外部に設置されたホスト装置20と、対基板作業機10の各々に設けられる表示装置30と、を備えている。
【0013】
対基板作業機10は、生産する基板2に対して所定の作業を行う装置である。対基板作業機10は、例えば、印刷機、印刷検査機、部品装着機、リフロー炉及び外観検査機等を例示することができる。尚、対基板作業機10としては、上述した各装置の他に、例えば、機能検査機、バッファ装置、基板供給装置、基板反転装置、シールド装着装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置等を必要に応じて含むこともできる。複数種類(例えば、4種類)の対基板作業機10は、図1に示すように、所定順に配置された対基板作業ラインを形成している。基板2は、基板搬送装置によって、複数種類の対基板作業機10の配置順に搬送される。
【0014】
例えば、対基板作業機10の一種である部品装着機10Aは、基板2の搬入作業、位置決め作業及び搬出作業を行うと共に、これらの基板2に対する作業に付随して部品の供給作業、採取作業及び装着作業等を行う。部品装着機10Aは、搬入されて所定位置に位置決めされた基板2に複数の電気部品を装着し、部品の装着された基板2を搬出する。
【0015】
部品装着機10Aは、図2に示すように、基板搬送装置11と、デバイスパレット12と、部品移載装置13と、表示装置30を支持する基板固定部としてのブラケット14と、を有している。
【0016】
基板搬送装置11は、基板2を搬送すると共に部品装着機10Aの本体に基板2を位置決めする。基板搬送装置11は、ガイドレール11aと、コンベアベルトと、クランプ装置と、を有している。基板搬送装置11は、基板2が載置されたコンベアベルトを作動させてガイドレール11aに沿って移動させることにより、基板2を搬送方向Xに向けて案内する。そして、基板2が搬送方向Xにて部品を装着するための所定位置まで搬送されると、基板2をクランプ装置によって所定位置に位置決めする。
【0017】
デバイスパレット12は、部品装着機10Aに着脱可能であり、複数のスロット12aを有している。スロット12aは、フィーダ3が着脱可能にセットされる部位である。フィーダ3は、基板2に装着する部品を部品供給位置Pに供給する装置である。スロット12aは、フィーダ3を搬送方向Xに沿って複数(例えば、30個程度)並べることができるように等間隔に設けられている。デバイスパレット12には使用される部品装着機10Aと生産形態に応じた種類が存在し、スロット12aは各デバイスパレット12の種類に応じて間隔と総数が決定される。
【0018】
そして、デバイスパレット12においては、複数のスロット12aのうち、フィーダ3を着脱する必要のあるスロット12aが特定スロットとなる。尚、以下の説明においては、特定スロットについて、フィーダ3を取り付けるスロット12aを特定スロット12aSとし、フィーダ3を取り外すスロット12aを特定スロット12aRとして区別して説明する場合がある。
【0019】
ここで、本実施形態においては、図2に示すように、デバイスパレット12のスロット12aが部品装着機10Aに設置されている。そして、本実施形態においては、作業者が各スロット12aに対応するフィーダ3を着脱する場合を例示する。
【0020】
或いは、スロット12aは、後に詳述するように、複数のフィーダ3を中空箱型のパレットであるデバイスパレットに収容した状態で各フィーダ3を保持可能であっても良い。又、スロット12aは、フィーダ3を上下二段に保持できるように構成されていても良い。この場合、上段のスロット12aは、例えば、フィーダ3をパレット(デバイスパレット)ごとに動作可能に保持することが可能である。一方、下段のスロット12aは、例えば、フィーダ3をパレット(デバイスパレット)ごとに基板2の生産に用いるために予備的に保持したり、基板2の生産に用いられたフィーダ3を使用済みフィーダとして一時的に保持したりすることが可能である。
【0021】
フィーダ3は、図3に示すように、リール4が装填される。リール4は、キャリアテープ5が巻回されている。キャリアテープ5は、長手方向に所定間隔で設けられて部品を収容する収容部(図示省略)を有している。そして、フィーダ3は、装填されたリール4に巻回されているキャリアテープ5をモータ(図示省略)を用いて送り移動させることにより、収容部内の部品を部品供給位置Pまで供給する。
【0022】
ここで、リール4には、巻回されるキャリアテープ5の材質の相違、収容される部品の種類や大きさ及び収容数量、更には、キャリアテープ5のテープ幅寸法やリール4の幅寸法の相違に応じた複数の種別がある。そして、これら種別の異なるリール4が装填されるフィーダ3にも複数の種別がある。更に、フィーダ3によって装填されるリール4の保持方法にも種別があり、フィーダ3にホルダを設けて個別に保持する方法や、デバイスパレット12に保持部を設けて保持する方法等が考えられる。
【0023】
このため、リール4の各々には、リール4の個体を識別する識別コードKR(例えば、バーコード又は二次元コード等)が表示されている。又、リール4が装填されるフィーダ3には、フィーダ3を識別する識別コードKF(例えば、バーコード又は二次元コード等)が表示されている。そして、装填されたリール4を表す識別コードKRとリール4が装填されたフィーダ3を識別する識別コードKFとは、フィーダ3のセット作業時において、例えば、周知のスキャナ装置等を用いて読み取られ、各々の識別コードKR,KFがホスト装置20に送信される。
【0024】
再び、図2に戻り、部品移載装置13は、部品供給位置Pに供給された部品を、基板搬送装置11によって位置決めされた基板2へ移載する。部品移載装置13は、吸着ノズルや把持部材等の保持部材(何れも図示省略)が取り付けられる昇降可能な装着ヘッド13aと、装着ヘッド13aを水平方向に移動させるロボット13bと、を有している。
【0025】
装着ヘッド13a及び保持部材は、基板2に移載する部品の種別等に応じて適宜変更される。部品移載装置13は、装着ヘッド13a及びロボット13bを適宜組み合わせて、部品供給位置Pに供給された部品を吸着して位置決めされた基板2の上方に移動させて、部品を基板2上の所定装着位置に装着する。
【0026】
ブラケット14は、表示装置30の後述する表示基板40の各々を保持する。本実施形態においては、図2に示すように、ブラケット14は、部品装着機10Aに脱着可能に組み付けられている。そして、ブラケット14は、デバイスパレット12における各々のスロット12aに対応して、即ち、保持するフィーダ3の数やフィーダ3の幅等に応じて、表示基板40即ち表示基板40に実装された後述する表示部31の配置を変更して保持する。
【0027】
ここで、本実施形態においては、ブラケット14は、表示基板40を挿通可能に案内する一対の案内部14aを有し、表示基板40を、例えば、Z方向(上下方向)にスライドさせて保持するようになっている。又、ブラケット14は、例えば、各々のスロット12aの中央部に表示基板40が配置されるように、一対の案内部14a同士の間隔が調整された複数種別が交換可能に用意されている(後述の図7,8を参照)。
【0028】
即ち、ブラケット14は、デバイスパレット12が幅狭のスロット12aを有する場合には、幅狭のスロット12aの間隔に対応した一対の案内部14a同士の間隔が狭いブラケット14が選択されて部品装着機10Aに組み付けられる(後述の図7を参照)。一方、ブラケット14は、デバイスパレット12が幅広のスロット12aを有する場合には、幅広のスロット12aの間隔に対応した一対の案内部14a同士の間隔が広いブラケット14が選択されて部品装着機10Aに組み付けられる(後述の図8を参照)。
【0029】
これにより、例えば、基板2の生産に際して使用されるデバイスパレット12が、スロット12aの幅が異なるデバイスパレット12に変更された場合であっても、1つの表示装置30の表示基板40を、デバイスパレット12が有するスロット12aの幅に合わせて間隔を変更して配置することができる。従って、表示装置30は、デバイスパレット12の状態、より詳しくは、各々のスロット12aに対するフィーダ3の着脱に関する状態やフィーダ3に発生した異常等を作業者に報知することができる。
【0030】
ホスト装置20は、部品装着機10Aに対して外部に配置されており、基板生産システム1による基板2の生産を管理する装置である。尚、ホスト装置20は、工場に複数の基板生産システム1(即ち、複数の対基板作業ライン)が設けられている場合は、複数の基板生産システム1による基板2の生産を統合的に管理することも可能である。ホスト装置20は、今後所定期間(例えば、一週間や一か月)における複数種類の基板2の生産計画や、生産計画に合わせて使用される部品の種類、即ち、フィーダ3やリール4に巻回されたキャリアテープ5の種別、及び、部品の数等を示した使用計画を格納している。
【0031】
ホスト装置20は、基板生産システム1の各対基板作業機10を含む各種機器との間で有線又は無線によってデータ通信を行う。ここで、本実施形態においては、対基板作業機10は、各々、制御装置15を有している。これにより、制御装置15は、ホスト装置20からの指令に従い、基板2に対する各種作業を制御する。又、制御装置15は、図4に示すように、ホスト装置20からデバイスパレット12の複数のスロット12aのうちのフィーダ3の着脱が必要である特定スロット12aS又は特定スロット12aRを表すセットアップ情報SIを取得する。
【0032】
2.表示装置30
本実施形態の表示装置30は、部品装着機10Aのデバイスパレット12における複数のスロット12aの各々にセットされるフィーダ3について、着脱の要否を含む各種状態を作業者に視認可能に表示する装置である。表示装置30は、図4に示すように、各部品装着機10Aの各々の制御装置15に接続されており、表示部31と、表示制御部32と、配線構造33と、表示指令部34と、を備えている。
【0033】
表示部31は、デバイスパレット12のスロット12aの数に合わせて複数設けられる。表示部31は、後述するように、所定の大きさに設定されたリジッドの表示基板40に実装される。これにより、1つの表示部31即ち1つの表示基板40は、対応する1つのスロット12aにセットされる或いはセットされたフィーダ3の状態を表示する。
【0034】
そして、本実施形態において、表示部31、より詳しくは、表示基板40は、部品装着機10Aの前面における作業者が視認し易い位置に配置されたブラケット14に対して組み付けられる。具体的に、各々の表示部31は、所定の大きさに設定された表示基板40がブラケット14の一対の案内部14aに対してZ軸方向(上下方向)に沿ってスライドされて組み付けられる。これにより、対応するスロット12aの略中央部に配置されており、対応するスロット12a及びフィーダ3の各種状態を表示する。
【0035】
従って、部品装着機10Aにおいて、デバイスパレット12の複数のスロット12aに対応した複数の表示部31は、図5に示すように、スロット12aの配置方向及び間隔に合わせて搬送方向Xに沿って並んで配置される。尚、表示部31の近傍には、各々のスロット12aのスロット番号を表す数字等が付されたり、スイッチ等が配置されたりしても良い。
【0036】
ここで、部品装着機10Aに設けられる複数の表示部31は、n個の表示部31、即ち、複数(n-1個)の配線構造33によって連結されたn個の表示基板40が1つのユニットを形成するように、ユニット化されている。例えば、理解容易とするために、図5に示すように、部品装着機10Aに9個の表示部31が設けられている場合を想定する。この場合、例えば、連結された3個の表示部31(表示基板40)を1つのユニットとするユニットA、ユニットB及びユニットCを用意し、このユニットA,B,Cを連結することにより9個の表示部31が配置される。
【0037】
表示部31は、スロット12aに対するフィーダ3の着脱の要否を表示して作業者に報知する。即ち、表示部31は、対応するスロット12aにフィーダ3をセットする必要がある、つまり、対応するスロット12aが特定スロット12bSである場合、対応する表示態様により表示して作業者に報知する。又、表示部31は、対応するスロット12aにセットされているフィーダ3を取り外す必要がある、つまり、対応するスロット12aが特定スロット12bRである場合、対応する表示態様により表示して作業者に報知する。
【0038】
又、表示部31は、スロット12aにセットされているフィーダ3の状態を表示する。ここで、フィーダ3の状態としては、例えば、正常状態、異常状態、ワーニング状態等を例示することができる。
【0039】
尚、正常状態とは、フィーダ3が適正にスロット12aにセットされており、且つ、動作可能であることを示す状態である。異常状態とは、フィーダ3が適正にスロット12aにセットされているものの部品切れや部品供給不良、吸着ミス、画像処理エラー、通信エラー等の異常が生じていること、或いは、フィーダ3がスロット12aに適正にセットされていないこと等を示す状態である。ワーニング状態とは、フィーダ3は適正にスロット12aにセットされているものの、フィーダ3が保持するリール4の残量が予め決められた数量以下になり部品の供給が必要であると予告すること、或いは、フィーダ3と制御装置15との間で通信しており状態の表示が不能である等を作業者にワーニングする状態である。
【0040】
各表示部31は、各々、複数種類(例えば、緑色、オレンジ色、赤色等の三種類)の発光体として、例えば、発光ダイオード31a(以下、単に、「LED31a」とも称呼する。)を有しており、それぞれのLED31aを利用した表示態様を表示する。各表示部31における複数種類のLED31aは、例えば、搬送方向Xに並んで配置されている。ここで、発光体としてのLED31aは、表示基板40に実装されている。
【0041】
各表示部31は、上述したフィーダ3の各種状態に応じた表示態様でLED31aを点灯して作業者に報知する。表示態様を例示すると、複数のスロット12aうちの特定スロット12aSを報知する場合には、例えば、対応する表示部31は全色のLED31aを点灯させる表示態様によって作業者にフィーダ3をセットすべき特定スロット12aSを案内する。又、複数のスロット12aのうちの特定スロット12aRを報知する場合には、例えば、対応する表示部31は全色のLED31aを点滅させる表示態様によって作業者にフィーダ3を取り外すべき特定スロット12aRを案内する。
【0042】
又、各表示部31は、例えば、フィーダ3が正常状態であるときは緑色のLED31aを点灯する表示態様によって作業者に状態を報知し、フィーダ3が異常状態であるときには赤色のLED31aを点灯する表示態様によって作業者に状態を報知する。更に、各表示部31は、例えば、ワーニングするときはオレンジ色のLED31aを点灯する表示態様によって作業者に状態を報知する。このように、表示部31は、複数種類のLED31aをそれぞれ単独で発光させて作業者に報知したり、或いは、複数種類のLED31aを2以上組み合わせて発光させて作業者に報知したりすることができる。
【0043】
制御部としての表示制御部32は、各表示部31に対応して設けられる。表示制御部32は、表示基板40に実装されたマイクロコンピュータを主要構成部品とし、自己に対応する表示部31における表示態様、即ち、発光体である複数種類のLED31aの点灯又は消灯を含む発光状態を制御する。表示制御部32(詳しくは、表示基板40)は、各々、配線構造33(より詳しくは、後述する信号線33a)を用いて順に数珠繋ぎに接続されている。ここで、上述したユニットを形成する複数の表示制御部32のうち、ユニットの両端に配置される表示制御部32には、ユニット同士を連結するために、別途、配線構造33が接続されるポート(インターフェース)が設けられる。
【0044】
例えば、図5に示したユニットAについて、3つの表示制御部32のうち最も上流に配置される表示制御部32(例えば、図5のユニットAにおいて左端)は、表示指令部34に接続された配線構造33と接続される接続ポートが設けられる。他方、図5に示したユニットAについて、最も下流に配置される表示制御部32(例えば、図5のユニットAにおいて右端)は、ユニットBの最も上流に配置される表示制御部32(例えば、図5のユニットBにおいて左端)に接続するための配線構造33が接続される増設用の下流ポートが設けられる。
【0045】
又、図5に示したユニットBについて、上述したように、3つの表示制御部32のうち最も上流に配置される表示制御部32は、ユニットAの最も下流に配置される表示制御部32に接続された配線構造33と接続される増設用の上流ポートが設けられる。他方、図5に示したユニットBについて、最も下流に配置される表示制御部32は、ユニットCの最も上流に配置される表示制御部32(例えば、図5のユニットCにおいて左端)に接続するための配線構造33が接続される下流ポートが設けられる。更に、図5に示したユニットCについて、上述したように、3つの表示制御部32のうち最も上流に配置される表示制御部32は、ユニットBの最も下流に配置される表示制御部32に接続された配線構造33と接続される上流ポートが設けられる。
【0046】
配線構造33は、信号線33a及び電力線33bを有し、隣接する表示基板40同士を連結する。信号線33aは、配線構造33によって連結された表示基板40の間において、表示指令部34から出力されてLED31a(表示部31)の発光状態を制御するための表示指令を流す。電力線33bは、配線構造33によって連結された表示基板40の間において、図示省略の電源から供給される電力を流す。
【0047】
又、配線構造33は、可撓性を有している。これにより、配線構造33は、表示部31及び表示制御部32が実装された表示基板40同士を連結した状態で、表示基板40(表示部31及び表示制御部32)同士の間の距離を変更することができる。ここで、配線構造33は、表示部31及び表示制御部32が実装されるリジッドの表示基板40よりも可撓性を有する、例えば、フレキシブル基板に形成される。尚、配線構造33の信号線33aについては、例えば、シリアル通信規格であるUART(非同期通信)等の通信規格で信号(指令)の授受を行うようになっている。
【0048】
表示指令部34は、各々の表示制御部32に対して表示部31の表示指令を出力する。表示指令部34は、マイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、例えば、部品装着機10Aを制御する制御装置15に含まれている。表示指令部34は、ホスト装置20から出力されるセットアップ情報に基づくフィーダ3の着脱の要否、及び、部品装着機10A等に設けられた各種センサによる検出結果等を用いてスロット12aにセットされているフィーダ3の状態を検知する。そして、表示指令部34は、検知した各フィーダ3の状態に基づいて、各フィーダ3に対応する表示制御部32に表示部31の表示指令を行う。
【0049】
ここで、表示指令部34が出力する表示指令は、部品装着機10Aが備える全ての表示部31の発光体である全てのLED31aに対する表示指令を含む。例えば、部品装着機10Aに総数N個の表示部31が設けられており、各表示部31が三種類のLED31aを有している場合、表示指令部34からの表示指令は、N×3個のLED31aに対するオン/オフ指令を含む。これにより、表示制御部32は、表示指令部34からの表示指令に従って表示部31(より詳しくは、各LED31a)を所定の表示態様となるように、各LED31aの発光状態を制御する。
【0050】
更に、表示制御部32は、図6に示すように、制御チップが搭載された表示基板40を有する。表示基板40は、ブラケット14の一対の案内部14aにスライド可能となるように、適度な形状や大きさに形成されている。隣接する表示基板40同士は、配線構造33によって直列接続される。ここで、表示基板40は、連結された状態において、自己の表示基板40を認識することが可能である。この認識は、例えば、自己の表示基板40を識別するためのディップスイッチ等を用いたスイッチ設定に基づいて行われる。
【0051】
各表示基板40は、受信回路41、アドレスマップ42、送信回路43、及び、LED出力部44を有する回路基板である。受信回路41は、自己の表示制御部32に上流側で接続する表示指令部34、又は、ユニット同士の連結時に他の表示制御部32から送信される情報(表示指令)を受信する。アドレスマップ42は、受信回路41によって受信された情報が入力されるメモリマップドI/Oを有している。メモリマップドI/Oは、対応の部品装着機10Aが備える複数の表示部31の表示指令を全て含む情報を格納可能な容量を有している。そして、メモリマップドI/Oは、ユニットを形成するn個の表示部31、又は、部品装着機10Aに設けられる総数N個の全ての表示部31に対応して領域設定されている。
【0052】
送信回路43は、アドレスマップ42のメモリマップドI/Oに入力された情報(表示指令)を、ユニット同士の連結時に配線構造33によって下流側に連結された他の表示制御部32へ送信する。LED出力部44は、メモリマップドI/Oに入力された情報(表示指令)のうち自己の表示制御部32に割り当てられている領域の情報に基づいて、自己の表示制御部32に割り当てられている表示部31のLED31aを発光させる。
【0053】
尚、受信回路41及び送信回路43は、MPU(Micro Processing Unit)を用いたソフトウェア制御、又は、低廉化を図るためにロジック設計されたハードウェア制御によって制御することが可能である。特に、ハードウェア制御を採用する場合、受信回路41及び送信回路43は、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構築することができる。FPGAを用いた場合には、表示基板40のハードウェア改訂を行うことなくFPGAプログラムを変更することのみで、アドレス領域を増やすことができる。これにより、表示基板40の接続枚数を容易に増やすことが可能となる。
【0054】
3.表示装置30の動作
表示装置30を動作させる場合、先ず、表示部31、即ち、隣接する表示基板40の各々に実装されたLED31a同士の配置間隔を、デバイスパレット12のスロット12aの間隔に合わせて変更して調整する。具体的に、幅狭のスロット12aの場合、図7に示すように、スロット12aの間隔L1に合わせて狭い間隔用のブラケット14が部品装着機10Aの前面に取り付けられる。そして、配線構造33によって互いに連結されていて表示部31即ちLED31aが実装された表示基板40の各々を、ブラケット14に設けられた一対の案内部14aに対してスライドさせて組み付ける。
【0055】
この場合、表示基板40同士が接近して表示基板40同士の配置間隔L1が狭くなるため、図7にて破線により示すように、配線構造33は縮む方向に大きく撓む(撓みが大きい)。これにより、ブラケット14に組み付けられた表示部31即ちLED31aの配置間隔L1は、幅の狭いスロット12aの間隔に対応するように変更され、その結果、表示部31即ちLED31aがスロット12aの中央部分に配置されるようになる。
【0056】
同様に、幅広のスロット12aの場合、図8に示すように、スロット12aの間隔L2に合わせて広い間隔用のブラケット14が部品装着機10Aの前面に取り付けられる。そして、配線構造33によって互いに連結されていて表示部31即ちLED31aが実装された表示基板40の各々を、ブラケット14に設けられた一対の案内部14aに対してスライドさせて組み付ける。
【0057】
この場合、表示基板40同士が離間して表示基板40同士の配置間隔L2が広くなるため、図8にて破線により示すように、配線構造33は延びる方向に撓む(撓みが小さい)。これにより、ブラケット14に組み付けられた表示部31即ちLED31aの配置間隔L2は、幅の広いスロット12aの間隔に対応するように変更され、その結果、表示部31即ちLED31aがスロット12aの中央部分に配置されるようになる。
【0058】
ここで、例えば、デバイスパレット12のスロット12aの総数N個に合わせて、即ち、部品装着機10Aに設けるべき表示部31の総数N個が、1ユニットを形成するn個以上である場合には、複数のユニットを連結して(組み合わせて)部品装着機10Aに設ける。例えば、30本のスロット12aに対応して、部品装着機10Aに総数30個の表示部31を設ける必要がある場合において、8個の表示部31から形成されるユニットを用いるとすると、4ユニット(32個の表示部31)を数珠繋ぎとなるように互いに連結して用いる。そして、この場合においても、ブラケット14の一対の案内部14aに対して、各々の表示基板40をスライドさせて組み付ける。
【0059】
尚、この場合、2個の表示部31が余ることになる。この場合には、表示基板40同士が可撓性を有する配線構造33によって連結されているため、余った表示部31は、例えば、ブラケット14の背面側(部品装着機10Aの内部)に配置する。
【0060】
又、表示部31の必要な総数N個は、デバイスパレット12に種類を識別するための識別情報(ID等)を持たせることで判断できる。例えば、種類ごとに決められた識別情報をデバイスパレット12の制御基板に記憶しておき、デバイスパレット12が部品装着機10Aに接続されたときに当該識別情報をデバイスパレット12から部品装着機10Aへ送信するようにしても良い。又は、識別情報を示すバーコードや2次元コードをデバイスパレット12に貼り付けておき、部品移載装置13に設けられた各種カメラによってIDを読み取るようにしても良い。
【0061】
若しくは、部品装着機10Aに設けられた各種カメラによって撮像されたスロット12aを撮像し、撮像した画像等に基づいて判断するようにしても良い。そして、表示制御部32は、得られた総数N個の判断に基づいて、自己が総数N個に含まれるか否かを判断する。総数N個に含まれる表示制御部32は自己に割り当てられている表示部31(LED31a)の発光状態を制御し、総数N個に含まれない表示制御部32は自己に割り当てられている表示部31(LED31a)の発光状態を制御しない。
【0062】
表示装置30を部品装着機10Aに組み付けた状態において、制御装置15に設けられる表示指令部34は、全ての表示制御部32に表示指令を出力する。そして、表示制御部32は、自己に割り当てられている表示部31のLED31aの発光状態を制御する。
【0063】
具体的に、制御装置15が、例えば、ホスト装置20からセットアップ情報SIを取得した場合、表示制御部32は、表示指令部34からの表示指令に基づいて、特定スロット12aS又は特定スロット12aRに対応する表示部31のLED31aの発光状態を制御する。又、制御装置15は、例えば、各種センサ等から検出結果取得した場合、表示制御部32は、表示指令部34からの表示指令に基づいて、スロット12aにセットされているフィーダ3の状態に応じて各表示部31のLED31aの発光状態を制御する。
【0064】
ここで、表示制御部32による表示部31のLED31aの発光状態の制御について、簡単に説明しておく。表示指令部34は、制御装置15によって取得された各種情報に基づいて、表示指令を生成する。そして、表示指令部34は、取得した情報に基づく表示指令を、配線構造33を介して先頭の表示制御部32に送信する。
【0065】
表示指令部34から先頭の表示制御部32に送信される情報は、信号が変化しない一定期間が設けられ、且つ、その後にスタートコマンド(SOH)が設けられ、更に、その後に全ての表示部31の表示指令(例えば、全LED31aに対するオン/オフ指令)を示すビット情報を含む。尚、ビット情報は、最上流の表示部31、その下流側の表示部31、更にその下流側の表示部31のように、各々の表示部31に纏められて順に送信されるように配列されている。
【0066】
最上流即ち先頭の表示制御部32は、表示基板40の受信回路41が表示指令部34から送信される情報(表示指令)を受信する。先頭の表示制御部32は、表示指令部34からの信号が変化しない一定期間を検知し、且つ、スタートコマンドを受信すると、その後の表示指令を示すビット情報をアドレスマップ42のメモリマップドI/Oに格納する。
【0067】
表示制御部32におけるメモリマップドI/Oへのビット情報の格納は、予め定められた順序で行われ、例えば、先頭アドレスの最下位ビットから上位ビットに向けて順に行われる。この際、先頭の表示制御部32は、自己に割り当てられているメモリマップドI/Oに先頭の表示部31のビット情報を格納すると共に、下流側の表示部31のビット情報をそれぞれに割り当てられているメモリマップドI/Oに格納する。
【0068】
先頭の表示制御部32のLED出力部44は、メモリマップドI/Oに入力された情報のうち自己の表示制御部32に割り当てられているメモリマップドI/Oに格納されたビット情報に基づいて、表示部31の発光状態を制御する。これにより、表示部31は、メモリマップドI/Oのビット情報に従った表示態様により、各々のLED31aを点灯してスロット12aにセットされているフィーダ3の状態を表示したり、或いは、フィーダ3をセットするスロット12a又はスロット12aから取り外すフィーダ3を表示したりする。
【0069】
先頭の表示制御部32は、メモリマップドI/Oに入力された情報を、配線構造33を介して下流側に向けて数珠繋ぎで接続された表示制御部32に順に送信する。そして、このような下流側への情報の送信を行うことにより、ユニットを形成するn個の全ての表示制御部32のアドレスマップ42に表示部31のビット情報が格納される。これにより、各表示制御部32は、各々の表示部31のLED31aの発光状態を制御し、所定の表示態様により作業者に状態を報知する。
【0070】
以上の説明からも理解できるように、表示装置30は、1つ以上の発光体であるLED31aを実装した表示基板40と、表示基板40よりも可撓性を有し、隣接する表示基板40同士を連結する配線構造33と、LED31aの発光状態を表示基板40ごとに制御する表示制御部32と、を備え、部品を装着する部品装着機10Aに部品を供給するフィーダ3が着脱可能にセットされる複数のスロット12aの間隔に合わせて、隣接する表示基板40の各々に実装されたLED31aの配置間隔L1,L2を変更する。
【0071】
表示装置30によれば、配線構造33が撓んで表示基板40同士を接近又は離間させることにより、隣接する表示基板40の各々に実装されたLED31a(表示部31)の配置間隔L1,L2を変更することができる。これにより、例えば、幅狭又は幅広の各々のスロット12aに対応するように、LED31aの配置間隔L1,L2を異ならせて表示装置30を用いる場合であっても、1つの表示装置30によって複数の配置間隔L1,L2に対応することができる。そして、表示制御部32は、LED31aを配置間隔L1又は配置間隔L2に変更した状態で、LED31a(表示部31)の発光状態を制御することができる。従って、表示装置30は、配置間隔L1,L2に対応する専用品を用意する必要がなく、部品の共通化を促進することができ、その結果、設備コストの低減を達成することが可能となる。
【0072】
4.第一変形例
上述した実施形態においては、デバイスパレット12に設けられている複数のスロット12aに対応するように、部品装着機10Aに固定されたブラケット14に表示装置30を組み付ける場合を例示した。ところで、部品装着機10Aにおいては、外段取りエリアにおいてフィーダ3の着脱が予め行われたデバイスパレット12を部品装着機10Aに取り付けて、基板2の生産が行われる場合がある。表示装置30は、外段取りエリアにおいて、デバイスパレット12に対してフィーダ3を着脱する際にも用いることができる。以下、第一変形例を説明する。
【0073】
デバイスパレット12は、部品装着機10Aに対して着脱可能に装備されており、外段取りエリアから部品装着機10Aまで、或いは、部品装着機10Aから外段取りエリアまで、例えば、搬送車等によって搬送される。デバイスパレット12は、図9に示すように、複数のフィーダ3を支持可能であり、フィーダ3が着脱可能にセットされる複数のスロット12aを有する。尚、以下の説明においては、複数のスロット12aのうち、フィーダ3をセットするスロット12aを特定スロット12aSとし、フィーダ3を取り外すスロット12aを特定スロット12aRとして区別する場合がある。
【0074】
デバイスパレット12は、例えば、基板2を生産する生産ラインの外に設けられた外段取りエリアにおいて、リール4のフィーダ3への装填作業(キッティング)や、フィーダ3を着脱するセットアップ作業が施される。このため、外段取りエリアには、図10に示すように、デバイスパレット12を載置し上記作業を実施するための作業台16が設置されている。
【0075】
作業台16には、デバイスパレット12の種別、即ち、スロット12aの間隔に対応するように、上述したブラケット14と同様に、表示基板40(表示部31)の配置間隔を変更するブラケット17が組み付けられる。これにより、第一変形例においても、ブラケット17を適宜交換することにより、配線構造33によって連結された各表示基板40(表示部31)の配置間隔を、デバイスパレット12のスロット12aの間隔に対応して変更することができる。
【0076】
更に、外段取りエリアには、表示装置30に接続される制御装置18が設置されている。制御装置18は、リール4及びフィーダ3の各々の識別コードKR,KFをホスト装置20に送信し、ホスト装置20から出力されるセットアップ情報SIを取得する。そして、第一変形例においては、制御装置18が取得したセットアップ情報SIに基づいて、表示指令部34が全ての表示制御部32に表示指令を供給する。これにより、第一変形例においても、上述した実施形態と同様に、表示制御部32は、表示指令部34からの表示指令に基づいて、特定スロット12aS又は特定スロット12aRに対応する表示部31のLED31aの発光状態を制御する。
【0077】
ここで、第一変形例におけるホスト装置20の構成を説明しておく。ホスト装置20は、図11に示すように、入力部21、照合部22、決定部23及び出力部24を有する。
【0078】
入力部21は、リールRの識別コードKR及びフィーダFの識別コードKFを入力し、入力した識別コードKR,KFを照合部22に供給する。照合部22は、識別コードKR,KFを用いて、作業者によってキッティングされたリールR及びフィーダFを照合し、照合した照合結果を表すベリフィケーション情報VIを決定部23に供給する。
【0079】
決定部23は、ベリフィケーション情報VIを用いて、リールRが装填されたフィーダ3をセットする特定スロット12aS又はフィーダ3を取り外す特定スロット12aRを決定し、特定スロット12aS,12aRを表すセットアップ情報SIを生成する。そして、決定部23は、生成したセットアップ情報SIを出力部24に供給する。出力部24は、図示省略のネットワークを介して、制御装置18にセットアップ情報SIを出力する。
【0080】
第一変形例においては、表示装置30は、作業台16に対して、デバイスパレット12の種別に応じたブラケット17を介して組み付けられる。従って、第一変形例においても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。又、第一変形例においては、表示装置30は、所定の表示態様によって、デバイスパレット12の複数のスロット12aのうち特定スロット12aS又は特定スロット12aRを作業者に報知してセットアップ作業を支援することができる。
【0081】
5.第二変形例
上述した実施形態及び第一変形例においては、例えば、作業者が配線構造33によって連結された各表示基板40をブラケット14,17に組み付けることにより、表示基板40(表示部31)の配置間隔をスロット12aの間隔に合わせて変更するようにした。ところで、表示装置30においては、図12に示すように、配線構造33の撓みが維持される範囲内で、表示基板40同士を連結して伸縮する弾性部材35を設けることができる。
【0082】
弾性部材35を設けた場合、例えば、作業者が、図12に示すように、両端に位置する表示基板40を互いに離間する方向に移動させることにより、全ての弾性部材35がほぼ均等に伸長する。その結果、表示基板40(表示部31)同士の配置間隔は、ほぼ均等に広げられる。従って、表示装置30をブラケット14,17に組み付ける際には、例えば、作業者が両端の表示基板40を引っ張ることによって配置間隔を変更できるため、ブラケット14,17への組み付け作業を簡略化することが可能となる。
【0083】
6.その他の変形例
上述した実施形態、第一変形例及び第二変形例においては、表示装置30を、例えば、スライドさせることによってブラケット14,17に組み付けるようにした。これにより、表示装置30の表示基板40(表示部31)の配置間隔を変更して固定し、スロット12aの間隔に合わせるようにした。
【0084】
しかしながら、表示基板40(表示部31)の固定については、ブラケット14,17を用いること及びブラケット14,17にスライドさせて組み付けることに限定されない。例えば、部品装着機10Aや作業台16、ブラケット14,17の所定位置に直接的に表示基板40(表示部31)を脱着可能に接着して固定することが可能である。或いは、部品装着機10Aや作業台16、ブラケット14,17に予めネジ穴を設けると共に表示基板40にもネジ穴を設けておき、表示基板40(表示部31)をネジ止めして固定することも可能である。これらの場合においても、上述した実施形態及び上記各変形例と同様の効果が期待できる。
【0085】
又、上述した実施形態、第一変形例及び第二変形例においては、n個の表示基板40(表示部31)を配線構造33によって数珠繋ぎする場合、最上流に配置される表示基板40に受信回路41を設け、最下流に配置される表示基板40に送信回路43を設けるようにした。そして、最上流及び最下流の間に配置された表示基板40同士は、直接的に配線構造33によって連結されるようにした。
【0086】
しかしながら、n個の表示基板40の全てに受信回路41及び送信回路43を設けることも、勿論、可能である。この場合には、隣接する表示基板40同士において、対向する受信回路41と送信回路43とを配線構造33によって接続することにより、n個の表示基板40を数珠繋ぎすることができる。但し、この場合には、全ての表示基板40に受信回路41及び送信回路43を設ける必要があると共に、表示基板40同士を配線構造33によって接続する作業が必要であるため、表示装置30の製造に要するコストの増大が懸念される。
【0087】
更に、上述した実施形態、第一変形例及び第二変形例においては、表示装置30を、備品を基板2に装着する部品装着機10Aに設け、幅狭のスロット12a及び幅広のスロット12aに対応して表示部31のLED31aの配置間隔を変更するようにした。しかし、表示装置30は、表示部31のLED31aの配置間隔の変更が必要な他の装置等に設けることができることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
1…基板生産システム、2…基板、3…フィーダ、4…リール、5…キャリアテープ、10…対基板作業機、11…基板搬送装置、11a…ガイドレール、12…デバイスパレット、12a…スロット、12aS,12aR…特定スロット、13…部品移載装置、13a…装着ヘッド、13b…ロボット、14…ブラケット(基板固定部)、14a…案内部、15…制御装置、16…作業台、17…ブラケット(基板固定部)、18…制御装置、20…ホスト装置、21…入力部、22…照合部、23…決定部、24…出力部、30…表示装置、31…表示部、31a…発光ダイオード(発光体)、32…表示制御部(制御部)、33…配線構造、33a…信号線、33b…電力線、34…表示指令部、35…弾性部材、40…表示基板、41…受信回路、42…アドレスマップ、43…送信回路、44…LED出力部、L1,L2…配置間隔、SI…セットアップ情報、VI…ベリフィケーション情報(照合結果)、P…部品供給位置。
図1
図2
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図12