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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032926
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】通信装置及び通信装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A47L9/28 E
【審査請求】有
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024013818
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2022020093の分割
【原出願日】2013-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】514228217
【氏名又は名称】みこらった株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 將洋
(72)【発明者】
【氏名】佐古 曜一郎
(57)【要約】
【課題】電気掃除機による掃除結果としての未掃除領域を確認できるようにする。
【解決手段】電気掃除機との通信機能を有する通信装置である。移動しながら掃除を実行する電気掃除機からの情報を受信する受信手段と、受信手段で受信した情報を用いて、電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物の存在のために掃除を実行していない未掃除領域を表示する表示手段とを備える。表示手段は、未掃除領域に対して、未掃除領域になった原因に関する情報を、異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機との通信機能を有する通信装置であって、
移動しながら掃除を実行する前記電気掃除機からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物の存在のために掃除を実行していない未掃除領域を表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記未掃除領域に対して、前記未掃除領域になった原因に関する情報を、前記異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
電気掃除機との通信機能を有する通信装置が備えるコンピュータを、
移動しながら掃除を実行する前記電気掃除機からの情報を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物の存在のために掃除を実行していない未掃除領域を表示するものであって、未掃除領域に対して、未掃除領域になった原因に関する情報を、異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する表示手段、
として機能させるための通信装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気掃除機との通信機能を有する通信装置及び通信装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
掃除対象物を吸引して掃除を行う家庭用の電気掃除機としては、使用者が、吸い込み口を備えるヘッドを手動で移動させながら、掃除動作を実行するようにする手動式の電気掃除機と、電源として充電式のバッテリーを備えると共に、自律走行(以下、自走という)を行うための走行駆動部を備え、自走をしながら掃除動作を行う自走式の電気掃除機が知られている。
【0003】
手動式の電気掃除機では、使用者が目視で障害物を避けながら、あるいは片付けながら、吸い込み口を備えるヘッドを、単に前進移動させたり、あるいは複数回同じ領域で前後移動させたりしながら掃除を実行する。
【0004】
また、自走式の電気掃除機の場合には、掃除対象の部屋などの掃除対象エリア内に、障害物が存在している場合であっても、その障害物を避けて自走することで、自走しながらの掃除動作を支障なく行えるようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1(特開2011-233149号公報)や特許文献2(特開2004-33340号公報)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-233149号公報
【特許文献2】特開2004-33340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、使用者は、手動式の電気掃除機で掃除を実行する場合、掃除対象の部屋などの掃除対象エリア内のどこを掃除中であるかを、電気掃除機のヘッドの位置を目視で確認しながら掃除を行う。しかしながら、使用者は、そのヘッドのトレース位置(移動履歴)を完璧に覚えていることはほとんどなく、未掃除領域があってもそれに気が付かないこともある。また、掃除途中に、電話や来客などの用事が入り、掃除が中断した場合には、どこまで掃除したか、忘れて分からなくなることがある。
【0007】
また、自走式の電気掃除機の場合には、使用者は、その自動掃除の移動状態を常に監視していることはほとんどなく、自走式の電気掃除機が掃除対象エリア内を隈なく移動して掃除したと期待しているだけである。このため、自走式の電気掃除機が、故障など何らかの原因で、掃除を実行できずに、未掃除領域が発生していたとしても、使用者は、それに気が付かない。
【0008】
以上のことを考慮すると、掃除対象エリアの掃除が終了したときに、手動式の電気掃除機の場合であっても、また、自走式の電気掃除機の場合にも、使用者は、当該掃除対象エリア内で実際に掃除済みになった領域を知ることができれば、未掃除の領域あるいは掃除が未完了である領域を知ることができ、有益かつ便利である。
【0009】
また、電気掃除機で掃除が実行されたときの掃除度合を知ることができれば、有益かつ便利である。
【0010】
しかしながら、従来の電気掃除機においては、使用者は、掃除対象の掃除対象エリア内において、実際に掃除動作が実行された領域を確認したり、掃除動作が実行されずに未掃除領域となっている領域があるかどうかなどを確認したりすることができなかった。
【0011】
この発明は、以上の点に鑑み、掃除対象の掃除対象エリア内における掃除が実行されずに残留した未掃除領域や掃除度合を容易に認識することができるようにした通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、この発明は、
電気掃除機との通信機能を有する通信装置であって、
移動しながら掃除を実行する前記電気掃除機からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物の存在のために掃除を実行していない未掃除領域を表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記未掃除領域に対して、前記未掃除領域になった原因に関する情報を、前記異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する
ことを特徴とする通信装置を提供する。
【0013】
上述の構成の発明によれば、通信装置においては、電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物の存在のために掃除を実行していない未掃除領域が、異物が何であるかを想定できるアイコンで表示される。
【0014】
したがって、電気掃除機の使用者は、通信装置において、未掃除領域を確認することができると共に、未掃除領域となった原因である異物を容易に認識できるので、有益かつ便利である。
【発明の効果】
【0015】
この発明による通信装置によれば、電気掃除機による未掃除領域を、未掃除領域となった原因と共に確認することができ、有益かつ便利であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態の構成例を示す図である。
図2】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態における掃除対象エリアを説明するための図である。
図3】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態における掃除対象エリアにおける掃除結果の表示例を示す図である。
図4】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態の制御回路部の構成例を示すブロック図である。
図5】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態における掃除対象エリアにおける掃除結果の表示例を示す図である。
図6】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態による掃除対象エリアの登録処理の例を説明するためのフローチャートを示す図である。
図7】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態による掃除対象エリアの登録処理の例を説明するための図である。
図8】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態による掃除対象エリアにおける掃除動作の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
図9】この発明による電気掃除装置の第1の実施形態による掃除対象エリアにおける掃除動作の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
図10】この発明による電気掃除装置の第2の実施形態の構成例を示す図である。
図11】この発明による電気掃除装置の第2の実施形態の電気的構成例を示すブロック図である。
図12】この発明による電気掃除装置の第2の実施形態による掃除対象エリアの登録処理の例を説明するための図である。
図13】この発明による電気掃除装置の第2の実施形態による掃除対象エリアにおける掃除動作の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
図14】この発明による電気掃除装置の第2の実施形態による掃除対象エリアにおける掃除動作の例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
図15】この発明による電気掃除装置の第2の実施形態における掃除対象エリアにおける掃除結果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施形態]
この発明による電気掃除装置の第1の実施形態を、使用者が手動で移動操作しながら掃除を行う電気掃除装置に適用した場合について図を参照しながら説明する。
【0018】
図1(A)は、第1の実施形態の電気掃除装置1の全体構成例を説明するための図である。この実施形態の電気掃除装置1は、掃除機本体10と、吸引ホース11と、取っ手12と、継手管13と、ヘッド部14と、操作部15と、表示部16と、制御回路部20とからなる。
【0019】
掃除機本体10は、集塵室101及び吸引駆動部102を備え、吸引駆動部102の駆動により塵埃やごみなどの掃除対象物を、ヘッド部14から吸引して集塵室101に捕集する機能を有している。掃除機本体10は、使用者が掃除を実行する際に、自律的に移動できるようなローラ103を備えている。
【0020】
掃除機本体10の集塵室101は、吸引ホース11に連結されている。そして、取っ手12が吸引ホース11の掃除機本体10との連結側とは反対側に結合されている。さらに、取っ手12の吸引ホース11との連結側とは反対側は、継手管13に結合されている。継手管13の先端側には、ヘッド部14が設けられている。
【0021】
取っ手12には、操作部15、表示部16及び制御回路部20が設けられている。使用者は、この取っ手12を持って清掃を行う。操作部15は、複数個のキーボタンを含む。表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)からなり、画像を表示することができる表示画面16Dを備える。なお、操作部15は、この実施形態では、図示は省略するが、表示部16の表示画面16Dに重畳されて配置されているタッチパネルを含む。
【0022】
使用者は、この取っ手12を清掃中に必要な時に操作部15のキーボタンを操作することができる。また、取っ手12を持って清掃をしながら、表示部16の表示画面を見ることができる。制御回路部20は、操作部15及び表示部16と電気的に接続されていると共に、掃除機本体10の吸引駆動部102とも電気的に接続されている。
【0023】
ヘッド部14は、所定の大きさの面積(断面積)を有する吸い込み口141を有する。吸い込み口141は、ヘッド部14の筐体142の、床面などの掃除面と対向する面側に開口を有するように設けられている。掃除機本体10の吸引駆動部102を駆動すると、吸い込み口141から、前記断面積よりも小さい掃除対象物及び掃除対象物以外の異物が吸引され、継手管13及び取っ手12、吸引ホース11を通じて、集塵室101に吸引される。なお、レジ袋やビニール袋、コード類などの長尺物は、吸い込み口141に吸引されても、全体を吸引できない状態になることがある。なお、図1(B)は、ヘッド部14を、吸い込み口141がある面とは反対側から見た図である。
【0024】
この実施形態の電気掃除装置1においては、ヘッド部14には、複数個のカメラが設けられている。すなわち、この実施形態では、使用者が掃除動作をするときのヘッド部14の前後移動方向の前方の、床などの掃除面に在る掃除対象物及び掃除対象物以外の異物を撮影することができるように、ヘッド部14の前方の掃除動作時に床面などの掃除面と対向する面と交差する面であって、掃除動作時の前後移動方向の前方側の面に、カメラ171,172が取り付けられている。また、ヘッド部14には、ヘッド部14の前方の掃除動作時に床面などの掃除面と対向する面と交差する面であって、掃除動作時の前後移動方向の後方側の面に、ヘッド部14の前後移動方向の後方の、床などの掃除面に在る掃除対象物及び掃除対象物以外の異物を撮影することができるように、カメラ173,174が設けられている。なお、カメラ171~174のそれぞれの近傍には、図1では図示は省略するが、撮影位置を明るく照射するための例えばLED(Light Emitting Diode)からなる照明が設けられている。
【0025】
以上の4個のカメラ171~174は、例えばCCD(Charge Coupled Device)撮像素子や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子と撮像レンズを含んで構成されており、制御回路部20と電気的に接続されている。
【0026】
また、この実施形態では、ヘッド部14の、掃除動作時の前後移動方向に平行な側面のうち、この例では左側面には、複数個、この例では2個の測距センサ181,182が設けられている。これら測距センサ181,182は、赤外線、レーザーセンサあるいは超音波を用いた測距センサで構成される。これら測距センサ181,182は、後述するように、掃除対象の部屋などの掃除対象エリアを登録する際に用いられる。
【0027】
また、ヘッド部14の吸い込み口がある面とは反対側の上面には、LED183が設けられている。このLED183も、後述するように、測距センサ181,182を用いた掃除対象エリアの登録処理の際に用いられる。この例では測距センサは左側面に設けられているが、右側面、あるいは左右両側面、さらに正面についていてもよい。
【0028】
さらに、ヘッド部14内には、当該ヘッド部14の動きを検出するための加速度センサとしてのジャイロセンサ191が設けられている。このジャイロセンサ191で検出された加速度が制御回路部20に供給されるように、ジャイロセンサ191は、制御回路部20と電気的に接続されている。
【0029】
また、さらに、ヘッド部14内には、ヘッド部14の向きを検出するための地磁気センサ192が設けられている。この地磁気センサ192も、制御回路部20と電気的に接続されている。
【0030】
[制御回路部20の構成例の説明]
例えば家庭用の電気掃除装置の場合、居間、寝室、子供部屋などの別々のエリアを、掃除対象エリアとするが、この実施形態の電気掃除装置1では、それぞれの部屋などの掃除対象エリアにおいて、家具などの常駐障害物を除く掃除可能領域を、予め、登録して記憶しておくようにする。
【0031】
そして、使用者は、掃除開始前に、電気掃除装置1の操作部15を通じて掃除対象エリアを選択指定するようにする。すると、例えば図2に示すように、表示画面16Dに、選択指定された掃除対象エリアの掃除可能領域ARが枠表示される。なお、この実施形態では、掃除対象エリアの掃除可能領域ARは、掃除対象エリア内の所定の基準の位置を起点として定めるようにしており、図2において、「H」で示す位置Poは、その基準の位置の例を示している。また、図2において、斜線を付して示したのは、掃除対象エリアの部屋に存在する家具などの常駐障害物OBであり、これは、実際上は、表示画面16Dに表示する必要はない。
【0032】
この実施形態の電気掃除装置1においては、掃除対象エリアを掃除動作中に、当該掃除対象エリアの掃除可能領域ARにおいて、掃除済みとなった領域(掃除済み領域)を、表示画面16Dにおいて、徐々に塗り潰してゆくように表示して(例えば図3参照)、使用者が、掃除動作中に、掃除対象エリア内の掃除済み領域を容易に認識することができるようにしている。
【0033】
図3の表示例においては、掃除対象エリアの掃除可能領域ARのほぼ中央部分が、未掃除領域となっているため空白の表示となっていることを示している。
【0034】
また、この実施形態の電気掃除装置1においては、掃除対象エリアの掃除可能領域ARを所定の大きさの小領域の単位領域BKに分けて(図3において、点線参照)、その単位領域辺りについて、掃除の念入り度合(掃除度合)を判定し、その掃除度合に応じて、単位領域毎の塗りつぶしの濃度や表示色を変更して、使用者が、掃除動作中に、掃除対象エリア内の掃除済み領域の掃除度合を容易に認識することができるようにしている。
【0035】
さらに、この実施形態の電気掃除装置1においては、掃除終了後に、掃除対象エリアの掃除可能領域ARのそれぞれについて予め用意してある基準掃除結果情報と、実行された掃除対象エリアについての掃除結果とを比較対照して表示することができるように機能も有する。
【0036】
制御回路部20は、電気掃除装置1の以上の機能を実現するための構成を備えている。図4は、制御回路部20の内部構成例であり、マイクロコンピュータで構成される制御部201と電気的に接続されている各部との接続関係を示すブロック図である。
【0037】
図4に示すように、制御回路部20は、マイクロコンピュータからなる制御部201に対して、システムバス200を通じて、吸引制御部202、表示制御部203、操作部15、カメラ171~174、測距センサ181,182、LED183を駆動するLED駆動部205、ジャイロセンサ191、地磁気センサ192、が接続されている。
【0038】
さらに、システムバス200には、掃除位置検出部206、掃除対象エリア情報生成記憶部207、移動履歴検出部208、掃除済み領域検出部209、掃除度合検出部210、掃除結果表示情報生成部211、掃除結果情報蓄積部212、基準掃除結果情報生成記憶部213、画像認識部214、時計部215が接続されている。
【0039】
吸引制御部202には、掃除機本体10に配設されている吸引駆動部102が電気的に接続されている。制御部201は、使用者による操作部15における掃除開始操作に応じて、吸引駆動部102に駆動開始制御信号を供給し、掃除停止操作に応じて駆動停止制御信号を供給する。また、この実施形態では、操作部15には、吸引力を、「強」、「中」、「弱」などのように可変指定する吸引力指定操作子を備えており、制御部201は、操作部15の吸引力指定操作子を通じた吸引力の指定情報を受けて、吸引制御部202を通じて吸引駆動部102を制御して、吸引力を指定された強さにする制御を行う。
【0040】
表示制御部203には表示部16が接続されている。この表示制御部203は、ビデオRAM(Random Access Memory)を備え、表示部16の表示画面16Dに画像を表示するための機能を有する。
【0041】
操作部15は、この実施形態では、吸引駆動スタートボタン及び吸引駆動停止ボタンを含む複数個のキーボタンや吸引力指定操作子を含むほか、表示画面16Dに重畳して設けられるタッチパネルを含む。
【0042】
カメラ171~174のそれぞれには、制御回路部20の制御部201からカメラ制御信号が供給されて、これらカメラ171,172,173,174のそれぞれの撮像開始、撮像停止が制御される。カメラ171,172,173,174のそれぞれは、撮像開始制御を受けて、撮像動作状態においては、撮像画像をシステムバス200に供給する。
【0043】
この実施形態では、前述したように、カメラ171~174のそれぞれには、図示は省略するが、例えばLEDからなる照明部が付加されている。この照明部は、制御部201により点灯制御される。この場合に、制御部201は、ソフトウエア処理により、カメラ171~174からの撮像画像の明るさ(撮像画像の輝度の平均値など)を測定し、撮像画像の明るさが所定値以下のときに、照明部のLEDを点灯させるように制御するようにする。なお、制御部201は、カメラ171~174が撮像動作状態においては、常に、照明部を点灯するように制御してもよい。
【0044】
測距センサ181,182は、これらが取り付けられているヘッド部14の左側面と、壁などとの間の距離を測定するためのものであり、その測距出力情報は、後述する掃除対象エリア情報生成記憶部207に送られ、制御部201による制御の下に、掃除対象エリア情報生成のために用いられる。
【0045】
ジャイロセンサ191は、ヘッド部14の動きの角速度を検出して、その検出した角速度を制御部201に供給する。制御部201は、この角速度の検出出力を受けて、その時間変化を積分してヘッド部14の動き角度を計算し、掃除位置検出部206に供給する。
【0046】
地磁気センサ192は、例えばホール素子からなり、地磁気を検出することにより、ヘッド部14がどの向きを向いているかを検出し、検出したヘッド部14の向きの情報を、掃除位置検出部206に供給する。
【0047】
掃除位置検出部206は、ジャイロセンサ191のヘッド部14の角速度出力に基づく動き角度の情報と、地磁気センサ192からのヘッド部14の向きの情報とから、ヘッド部14の移動方向と移動距離を検出して、後述するように、掃除対象エリア内における基準とする位置を起点としたヘッド部14の位置として掃除位置を検出する。ここで、電気掃除装置1では、ヘッド部14の吸い込み口141の開口の大きさ分が掃除時の有効吸引領域となるので、検出された掃除位置は、当該ヘッド部14の吸い込み口141の開口の大きさ分の領域範囲の位置を示すものであり、例えばその領域範囲の中心位置や、例えば矩形の吸い込み口141に対応する領域範囲の対角の2点の位置などで表される。掃除位置検出部206は、検出した掃除位置の情報を、移動履歴検出部208に供給する。
【0048】
この実施形態では、掃除位置検出部206は、掃除位置が所定距離だけ移動したことを検出したときに、今回の掃除位置の情報と、前回の掃除位置から今回の掃除位置までの移動にかかった時間(移動時間)情報を、移動履歴検出部208に送るようにする。この場合に、掃除位置検出部206は、前回の掃除位置から今回の掃除位置までの移動にかかった時間(移動時間)情報を時計部215から取得する時間情報に基づいて計測する。
【0049】
なお、掃除位置検出部206から、移動時間の情報を移動履歴検出部208に送るのではなく、移動履歴検出部208で、掃除位置検出部206から送られてくる掃除位置の情報の受信時刻を、時計部215の時計情報を参照することで検知し、前回の掃除位置の情報の受信時刻と今回の掃除位置の情報の受信時刻との差として、移動時間を検出するようにすることもできる。
【0050】
なお、掃除位置が所定距離だけ移動したことを検出したときに、掃除位置検出部206から移動履歴検出部208に移動後の掃除位置の情報を送るのではなく、移動履歴検出部208が、一定時間間隔で掃除位置検出部206に要求して、掃除位置の情報を取得するようにしてもよい。その場合には、移動履歴検出部208は、ある掃除位置から、他のある掃除位置までの移動時間は、その間に、何回掃除位置の情報を取得したかにより検出することができる。
【0051】
なお、掃除位置検出部206は、後述する掃除対象エリア情報の生成時には、検出したヘッド部14の位置の情報を、掃除対象エリア情報生成記憶部207に供給するようにする。
【0052】
掃除対象エリア情報生成記憶部207は、掃除対象エリアの掃除可能領域の情報の生成時に、掃除位置検出部206からの、基準とする位置を起点としたヘッド部14の位置の情報を用いて、掃除対象エリアの掃除可能領域の情報を生成して記憶する。この掃除対象エリア情報生成記憶部207における掃除対象エリアの掃除可能領域の情報の生成及び記憶動作については、後で詳述する。
【0053】
移動履歴検出部208は、前回取得した掃除位置と、新規に取得した掃除位置とから掃除位置の移動軌跡を検出する。そして、移動履歴検出部208は、その検出した移動軌跡の情報と、掃除位置検出部206から取得した移動時間の情報とを、移動履歴の情報として、掃除度合検出部210に供給すると共に、移動軌跡の情報を、掃除済み領域検出部209に供給する。
【0054】
掃除済み領域検出部209は、掃除開始時に選択される掃除対象エリアの掃除可能領域の情報を、掃除対象エリア情報生成記憶部207から取得する。そして、掃除済み領域検出部209は、当該掃除可能領域を、図3に示したような複数個の単位領域BKに分割しておく。そして、掃除済み領域検出部209は、移動履歴検出部208から取得した移動軌跡の情報を単位領域BKに当て嵌めてゆき、その領域内がすべてトレースされたと判断された単位領域BKを掃除済み領域として認定し、その旨のフラグ(掃除済みフラグ)を当該単位領域BKに対応付けて立てる。そして、掃除済み領域検出部209は、掃除済み領域と認定された単位領域BKの識別情報(掃除可能領域のいずれの単位領域BKであるかの情報)を、掃除度合検出部210に供給すると共に、掃除結果表示情報生成部211に供給する。
【0055】
掃除度合検出部210も、掃除開始時に選択される掃除対象エリアの掃除可能領域の情報を、掃除対象エリア情報生成記憶部207から取得し、当該掃除可能領域を、図3に示したような複数個の単位領域BKに分割しておく。そして、掃除度合検出部210は、掃除済み領域検出部209からの掃除済みの単位領域BKの識別情報により、掃除済み領域と認定された単位領域BKを検知する。
【0056】
そして、掃除度合検出部210は、その検知した単位領域BKについて、移動履歴検出部208からの移動軌跡の情報と、移動時間の情報とから、その検知した単位領域BKにおけるヘッド部14のトレース回数と、当該単位領域BKでの移動時間の合計とを検出し、当該検出したトレース回数と移動時間の合計とから、当該単位領域BKでの掃除度合を検出する。この場合、トレース回数が多いほど、また、移動時間の合計が長いほど、当該単位領域BKで掃除が念入りに行われたと判断して、その掃除度合を検出する。
【0057】
また、この実施形態では、掃除度合検出部210には、移動履歴検出部208からの移動履歴及び移動時間の情報と関連付けられて、制御部201から、その移動軌跡及び移動時間における吸引駆動部102での吸引力の大きさの情報が供給される。掃除度合検出部210は、この吸引駆動部102での吸引力の大きさも加味して、単位領域BKにおける掃除度合を検出する。この場合、吸引力が大きければ大きいほど、掃除が念入りに行われたと判断する。そして、掃除度合検出部210は、単位領域BK毎の掃除度合を、当該単位領域BKの識別情報と共に、掃除結果表示情報生成部211に供給する。
【0058】
掃除結果表示情報生成部211は、掃除済み領域検出部209からの掃除済みの単位領域BKの識別情報を受けて、掃除済みとして表示すべき単位領域BKを認識する。また、掃除結果表示情報生成部211は、掃除度合検出部209からの単位領域BKの識別情報とその掃除度合の情報とを受けて、識別情報で示される単位領域BKの掃除度合を認識する。そして、掃除結果表示情報生成部211は、表示画面16Dに表示されている掃除対象エリアにおいて、認識した掃除済みの単位領域BKを、認識した掃除度合に応じた表示態様で塗りつぶすように表示する。
【0059】
この場合の単位領域BKの塗りつぶしの表示態様としては、所定の単色で、その濃度を、掃除度合に応じて掃除度合が高いほど濃くするように塗りつぶす。なお、塗りつぶし表示態様としては、これに限られるものではなく、種々の態様が可能であり、単位領域BKを、例えば掃除度合に応じて異なる色で、塗りつぶすなどであってもよい。また、掃除開始時に、床面の実画像を汚れた状態にデフォルメ表示し、掃除度合いに応じて、汚れが除かれ、きれいな床面の実画像に近づいていくようにしてもよい。さらに、念入りに掃除が行われた場合、その部分はキラキラ表示やハート表示にしてもよい。
【0060】
掃除済み領域検出部209及び掃除度合検出部210は、掃除の実行中にリアルタイムで掃除済み領域の検出及び掃除度合の検出を行って、その検出結果を掃除結果表示情報生成部211にリアルタイムに供給する。そして、掃除結果表示情報生成部211は、その掃除済み領域の検出結果及び掃除度合の検出結果に応じて、表示画面16Dにおいて、掃除対象エリア内における単位領域BKごとの塗りつぶし表示を、リアルタイムで実行する。
【0061】
図3においては、使用者が一応の掃除終了とした時点における掃除結果の例を示している。この図3の例では、掃除可能領域ARの左上隅の領域部分と、右下隅の領域部分では、比較的念入りに掃除が行われたので、高い掃除度合となっており、その掃除度合に応じた濃度あるいは色で単位領域BKが塗りつぶされている。また、中央部分近傍と、左下側と、右上側は、掃除動作において移動軌跡がなく、未掃除領域であるため、最低濃度あるいは白色で単位領域BKが塗りつぶされている。使用者は、表示画面16Dのこの掃除結果を見て、未掃除領域を把握して、その未掃除領域部分について、掃除を実行するようにすることができる。
【0062】
なお、図3の例は、掃除が終了した時点であるので、掃除可能領域ARのほとんどの領域の単位領域BKについて塗りつぶしが行われている状態であるが、上述もしたように、掃除の実行に伴って、実際の表示画面16Dにおいては、掃除可能領域AR内において(後述するように、場合によっては、掃除可能領域外においても)、掃除済みとなった単位領域BKがリアルタイムに塗りつぶされてゆくように表示される。したがって、表示画面16Dにおいては、掃除可能領域AR内において、最低濃度あるいは白色で表示されている未掃除領域が徐々になくなってゆくような表示となると共に、繰り返しトレースされる領域部分の単位領域BKは、その表示濃度が徐々に濃くなったり、掃除度合が高くなったことを示す色に変化したりするように表示される。
【0063】
掃除結果表示情報生成部211は、また、後述するように、掃除が終了した時点で、当該終了した直近の掃除結果と、基準の掃除結果情報とを、比較対照して表示するようにする。
【0064】
掃除結果情報蓄積部212は、掃除対象エリアについての掃除が終了したときに、掃除済み領域検出部209からの、その終了した掃除対象エリアについての掃除済み領域の情報と、掃除度合検出部210からの、その終了した掃除対象エリアについての掃除度合の情報とを、その掃除対象エリアの掃除結果の情報として、その掃除対象エリアの識別情報と、その時点(例えば掃除終了時点)の日時情報とに対応付けて記憶する。
【0065】
この例の場合に、掃除結果情報蓄積部212は、掃除が終了した時点で、掃除済み領域検出部209及び掃除度合検出部210から、その掃除対象エリアの掃除可能領域ARの情報と、その掃除対象エリアにおいて検出された全ての掃除済みの単位領域BKの情報を受けると共に、掃除度合検出部210から、当該掃除対象エリア内で検出された全ての掃除済みの単位領域BKの掃除度合の情報とを受け、それらの受け取った情報を、その掃除対象エリアの掃除結果の情報として、その掃除対象エリアの識別情報と、その時点(例えば掃除終了時点)の日時情報に対応付けて記憶する。
【0066】
なお、掃除対象エリアの掃除可能領域ARの情報及び掃除済みの単位領域BKの掃除度合の情報を、掃除対象エリアの掃除終了後に、掃除結果情報蓄積部212に記憶するのではなく、掃除動作をしながら、掃除済み領域検出部209及び掃除度合検出部210から、掃除済みの単位領域BKの情報及び掃除済みの単位領域BKの掃除度合の情報を掃除結果情報蓄積部212に供給して記憶するようにしても勿論よい。
【0067】
基準掃除結果情報生成記憶部213は、掃除が終了した直近の掃除結果と比較する基準掃除結果情報を生成して記憶する手段である。基準掃除結果情報は、掃除対象エリア情報生成記憶部207に登録されて記憶されている掃除対象エリア毎に生成されるが、この実施形態では、以下のように、複数種類が用意されており、使用者が選択指定することができるように構成されている。
【0068】
すなわち、基準掃除結果情報の種類としては、
(1)標準の基準掃除結果情報
(2)1回前の掃除結果情報
(3)過去の所定の日時の掃除結果情報
(4)過去の全ての掃除結果情報の平均情報
(5)過去の同じ曜日の掃除結果情報の平均情報
(6)過去の平日(月曜日から金曜日(祝祭日を除く))の掃除結果情報の平均情報
(7)過去の土曜日、日曜日、祝祭日の掃除結果情報の平均情報
などが選択指定可能とされている。
【0069】
「(1)標準の基準掃除結果情報」は、掃除対象エリアの掃除可能領域ARを、図3に示したように単位領域BKに分割し、その単位領域BKのそれぞれの掃除度合を、標準的な繰り返しトレース回数、標準的な時間(単位領域BKについての合計の移動時間)、標準の吸引力で行った場合としており、予め、基準掃除結果情報生成記憶部213に記憶している。
【0070】
「(2)1回前の掃除結果情報」は、掃除結果情報蓄積部212に記憶されている掃除結果の情報から、直近の掃除結果(今回掃除を終了した掃除結果)より1回前の掃除結果を読み出して、それを基準掃除結果情報として、基準掃除結果情報生成記憶部213に記憶している。
【0071】
「(3)過去の所定の日時の掃除結果情報」は、使用者が、過去の掃除結果の日時情報の一覧から選択した日時の掃除結果を基準掃除結果とするものである。この場合は、基準掃除結果情報生成記憶部213は、掃除結果情報蓄積部212に記憶されている掃除結果の情報から、使用者により指定された日時の掃除結果(今回掃除を終了した掃除結果)より1回前の掃除結果を読み出して、それを基準掃除結果情報とする。
【0072】
(4)~(7)の過去の掃除結果の平均情報については、基準掃除結果情報生成記憶部213は、掃除結果情報蓄積部212に蓄積されている過去の掃除結果情報を用いて予め計算して記憶している。そして、新たな掃除結果が掃除結果情報蓄積部212に蓄積される毎に、その新たな掃除結果が関与する平均情報の更新処理をするようにする。
【0073】
なお、(6)、(7)は平日勤務の使用者の場合、平日と土曜日、日曜日、祝祭日では、後者の方が、掃除時間が長く念入りで多いことに鑑み、分類を変えている。もちろん、土曜日、日曜日が出勤で、平日が休日となる勤務形態の使用者の場合は、逆に土曜日、日曜日の掃除時間がなかったり、短かったりするので、(6)勤務日、(7)休日として対応する。
【0074】
なお、過去の複数の掃除結果情報の統計情報として、上記の例の(4)~(7)では、種々の条件に該当する掃除結果情報の全ての平均を用いるようにしたが、使用者が指定した複数の所定日時の掃除結果情報の平均を用いるようにしてもよい。
【0075】
基準掃除結果情報生成記憶部213は、各回の掃除が終了となった時に、使用者により指定されている基準掃除結果情報を読み出して、掃除結果表示情報生成部211に供給する。
【0076】
掃除結果表示情報生成部211は、前述したようにして、今回終了した掃除結果(直近の掃除結果)の情報を、掃除終了までに表示画面16Dに、順次に塗りつぶし表示処理をして表示している。そして、掃除結果表示情報生成部211は、今回終了した掃除結果(直近の掃除結果)の情報と、基準掃除結果情報生成記憶部213から送られてくる基準掃除結果情報とを比較し、その比較結果を表示画面16Dに表示する。
【0077】
この実施形態では、この基準掃除結果情報と、直近の掃除結果情報との比較結果の表示態様としては、使用者が選択可能ないくつかの態様が用意されている。すなわち、比較結果の表示態様としては、
(A)基準掃除結果情報と、直近の掃除結果情報との並列表示
(B)基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との差分表示
(C)基準掃除結果情報に対する直近の掃除結果情報の%表示
(D)基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との比較結果に基づくOK/NG表示
などが使用者により選択可能とされている。
【0078】
「(A)基準掃除結果情報と、直近の掃除結果情報との並列表示」は、掃除終了時点で表示画面16Dに既に表示されている直近の掃除結果情報の横に、図5(A)に示すように、基準掃除結果情報(単位領域BK単位の表示)を表示して、使用者が、両者を比較することが可能に表示する態様である。
【0079】
「(B)基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との差分表示」は、掃除終了時点で表示画面16Dに既に表示されている直近の掃除結果情報の横に、図5(B)に示すように、基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との掃除度合の差分として有意差が生じている単位領域BKを表示する態様である。この場合に、有意差は、掃除度合として、直近の掃除結果の方が良好である単位領域BKと、直近の掃除結果の方が悪い単位領域BKとがあるので、例えば濃度を異ならせる(良好な場合は濃度を濃くする)、あるいは、単位領域BKの表示色を異ならせるなどして、その両者を区別可能に表示する。
【0080】
「(C)基準掃除結果情報に対する直近の掃除結果情報の%表示」は、掃除終了時点で表示画面16Dに既に表示されている直近の掃除結果情報の横に、図5(C)に示すように、基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との差分が所定の範囲内となっている単位領域BKの数が、掃除可能領域AR内の単位領域BKの総数の何%であるかを示すようにする表示態様である。また、%表示としては、掃除度合が所定以上の単位領域BKが、基準と比較して何%であるか、あるいは、掃除度合が所定以下の単位領域BKが、基準と比較して何%であるか、などを表示するようにしてもよい。
【0081】
「(D)基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との比較結果に基づくOK/NG表示」は、基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との差分が所定の範囲内となっている単位領域BKの数が、掃除可能領域AR内の単位領域BKの総数の何%であるかを計算し、その%値が、所定の値、例えば70%以上であれば「OK」を、70%未満であれば「NG」を、それぞれ図5(C)の%値の代わりに表示する態様である。
【0082】
以上は、掃除済み領域に掃除度合を加味した掃除結果の場合であるが、掃除度合を加味せずに、掃除済み領域のみを基準掃除結果情報と直近掃除結果情報とを比較表示するように指定することもできる。
【0083】
当該掃除済み領域のみの比較結果の表示の場合には、上記(A)の表示態様では、並列比較により未掃除領域を容易に確認できる。また、上記(B)の表示態様においては、差分として、未掃除領域のみを表示するようにすることができ、直観的に掃除可能領域ARにおける未掃除領域を容易に把握することができる。
【0084】
また、上記(C)の表示態様の場合には、未掃除領域を除く掃除済み領域が基準掃除結果の何%となっているかを表示することになる。さらに、上記(D)の表示態様の場合には、未掃除領域の多少に応じて、「OK」、「NG」の表示がなされるものである。
【0085】
なお、上記(A)~(D)の表示態様は組み合わせて利用してもよい。
【0086】
画像認識部214は、この実施形態では、掃除対象エリア内の掃除位置を検出するための起点の位置を特定するために、カメラ171~174からの撮像画像を画像認識する場合に用いられる。すなわち、後述するように、掃除対象エリアの登録時に、当該掃除対象エリア内の掃除位置を検出するための起点の位置をも登録するが、その登録情報として、当該位置におけるカメラ171~174の撮像画像が、画像認識部214が備える画像メモリに記憶される。
【0087】
画像認識部214は、カメラ171~174の撮像画像が、記憶されているそれらの撮像画像となっているかどうかにより、ヘッド部14が前記起点の位置に在るか否かを判別するようにする。
【0088】
以上の電気掃除装置1の制御回路部20の構成において、吸引制御部202、掃除位置検出部206、掃除対象エリア情報生成記憶部207の掃除対象エリア情報の生成機能、移動履歴検出部208、掃除済み領域検出部209、掃除度合検出部210、掃除結果表示情報生成部211、基準掃除結果情報生成記憶部213の基準掃除結果情報生成機能、画像認識部214の機能は、制御部201が、そのソフトウエア処理として実現することが可能である。
【0089】
[掃除対象エリアの登録処理]
前述したように、この実施形態の電気掃除装置においては、事前に、掃除対象エリアとなる各部屋などにおける掃除可能領域ARを登録するようにする。この掃除対象エリアの登録処理を、図6及び図7を参照して説明する。
【0090】
図6は、電気掃除装置1の制御回路部20の制御部201が、この掃除対象エリアの登録処理に実行する処理動作の流れを説明するためのフローチャートである。また、図7は、所定の部屋などの掃除対象エリアの掃除可能領域の登録処理動作を説明するために用いる図である。
【0091】
この実施形態では、図7に示すように、掃除対象エリアの掃除可能領域ARの領域枠の情報を、当該掃除対象エリアの例えば部屋の壁RMに沿って電気掃除装置1のヘッド部14を移動させることで、その移動軌跡の情報として登録するようにする。
【0092】
この場合に、使用者は、まず、電気掃除装置1のヘッド部14を、登録したい掃除可能領域ARの領域枠上の一地点となる所定のホームポジション位置に置く(図7の「H」の位置参照)。そして、使用者は、ヘッド部14を、図7で、矢印で示すように、壁RMに沿って一定方向に移動させるようにする。この場合に、ヘッド部14の側面が壁RMに軽く接触するような状態でヘッド部14を移動させるようにしてもよいが、それでは、ヘッド部14の移動をスムースに行いにくいので、この例では、ヘッド部14の側面に設けられている測距センサ181,182のセンサ出力を監視することで、ヘッド部14が壁RMから所定の距離、例えば5cm程度離れた位置を移動するようにする。そして、電気掃除装置1の制御部201は、このヘッド部14と壁RMとの離間距離(オフセット距離)である、例えば5cm程度だけ広い領域枠を、求めようとする掃除対象エリアの掃除可能領域の領域枠の情報として検出して登録するようにする。
【0093】
制御部201は、測距センサ181,182のセンサ出力を監視し、ヘッド部14の側面と壁RMとの間隔が所定の距離±α(αは、所定の距離より小さい値、例えば2cm)となっているかどうかを判別し、所定の距離±αとなっているときには、LED駆動部205により、LED183を駆動して、当該LED183を点灯させるようにする。使用者は、LED183の点灯状態を確認し、その点灯状態を維持するようにヘッド部14を、壁RMに沿って移動させるようにする。
【0094】
使用者は、この掃除対象エリアの掃除可能領域を登録しようとするときには、操作部15を通じて機能メニューを表示画面16Dに表示させて、その機能メニューから、掃除対象エリアの掃除可能領域の登録処理の項目を選択するようにする。制御部201は、この使用者による掃除対象エリアの掃除可能領域の登録処理の項目の選択操作を受けて、図6の処理ルーチンを開始する。なお、図6の処理ルーチンは、掃除対象エリア情報生成記憶部207の掃除対象エリア情報生成機能が実行する処理ルーチンであるが、以下の説明においては、制御部201が、掃除対象エリア情報生成記憶部207の掃除対象エリア情報生成機能をソフトウエア処理機能として実現している場合として説明する。
【0095】
制御部201は、まず、使用者により掃除対象エリアの掃除可能領域の登録処理のスタート指示がなされたか否か判別する(ステップS1)。このステップS1で、スタート指示がなされたと判別したときには、カメラ171~174を駆動して、それらによる撮像画像を、ホームポジションの撮像画像情報として記憶保持する(ステップS2)。
【0096】
次に、制御部201は、ジャイロセンサ191及び地磁気センサ192のセンサ出力を監視して、ヘッド部14が移動したか否か判別する(ステップS3)。なお、上述したように、制御部201は、この処理ルーチンを並行して、測距センサ181、182のセンサ出力からヘッド部14の壁RMからの距離を判別し、その判別結果により前記所定の距離±αだけ離れた状態を維持しているときには、LED駆動部205を介してLED183を点灯表示する制御を行う。
【0097】
ステップS3で、ヘッド部14が移動したと判別したときには、ジャイロセンサ191及び地磁気センサ192のセンサ出力から、ホームポジションからの、当該移動後の相対的な位置を検出する(ステップS4)。そして、制御部201は、検出した移動後の位置及び、それまで検出した移動位置の情報を用いて、移動軌跡を検出し、その移動軌跡の情報を記憶する(ステップS5)。
【0098】
次に、制御部201は、操作部15を通じて、掃除対象エリアの掃除可能領域の登録処理の終了指示を検出したか否か判別し(ステップS6)、終了指示を検出していないと判別したときには、処理をステップS3に戻し、このステップS3以降の処理を繰り返す。
【0099】
また、ステップS3で、ヘッド部14が移動してはいないと判別したときには、制御部201は、処理をステップS6にジャンプさせ、上述したステップS6以降の処理を繰り返す。
【0100】
そして、ステップS6で、終了指示を検出したと判別したときには、制御部201は、掃除対象エリア名の入力を使用者に促すメッセージを表示画面16Dに表示し、また、音声メッセージを放音する(ステップS7)。
【0101】
そして、制御部201は、使用者による掃除対象エリア名の入力を確認すると、ステップS3~ステップS6を繰り返すことで記憶されている移動軌跡の情報から算出された掃除対象エリアの掃除可能領域の情報を、入力された掃除対象エリア名と対応付けて、記憶する(ステップS8)。また、このステップS8の処理では、ステップS2で保持されているホームポジションにおけるカメラ171~174の撮像画像の情報も、入力された掃除対象エリア名と対応付けられて記憶される。以上で、この図6の処理ルーチンは終了となる。
【0102】
なお、前述したように、ここで登録された掃除態様エリアの掃除可能領域の情報は、ヘッド部14の移動軌跡の領域枠よりも、部屋の壁RMからヘッド部14の位置までの所定のオフセット距離、例えば5cm程度の幅分だけ拡大した領域とされるものである。これにより、掃除対象エリア情報生成記憶部207に記憶される掃除対象エリアの掃除可能領域の領域枠は、図7の掃除可能領域ARは壁面RMと同一及び常駐障害物OBの端面と同一になる。
【0103】
[電気掃除装置1の掃除動作時の掃除結果表示処理]
図8及び図9は、第1の実施形態の電気掃除装置1の掃除動作時の掃除結果表示処理の動作例を説明するためのフローチャートである。この図8及び図9のフローチャートの処理は、上述した吸引制御部202、掃除位置検出部206、移動履歴検出部208、掃除済み領域検出部209、掃除度合検出部210、掃除結果表示情報生成部211、基準掃除結果情報生成記憶部213の基準掃除結果情報生成機能、画像認識部214の機能を、制御部201が、そのソフトウエア処理として実現した場合として説明する。
【0104】
先ず、制御部201は、登録されている掃除対象エリア名の一覧を表示画面16Dに表示すると共に、その中から掃除を開始する掃除対象エリア名の選択を促すメッセージを表示すると共に、音声により放音する(ステップS11)。次に、制御部201は、このメッセージに対応した操作部15を通じた使用者の選択入力を受け付けて、選択された掃除対象エリアを認識する(ステップS12)。
【0105】
そして、制御部201は、掃除対象エリア情報生成記憶部207に記憶されている掃除対象エリアの掃除可能領域の情報を読み出して、移動履歴検出部208及び掃除度合検出部210に供給すると共に、当該掃除可能領域を、そのホームポジション位置と共に表示画面16Dに表示する(ステップS13;図3参照)。
【0106】
使用者は、この表示画面16Dに表示された掃除可能領域の枠表示及びホームポジションの位置を見て、ホームポジション位置に、ヘッド部14を位置させるようにする。
【0107】
制御部201は、ヘッド部14に取り付けられているカメラ171~174の撮像画像と、掃除対象エリア情報生成記憶部207に記憶されている当該掃除対象エリアの掃除可能領域のホームポジション位置における撮像画像とを比較して、ヘッド部14の位置がホームポジション位置になっているか否か判別する(ステップS14)。このステップS14で、ヘッド部14の位置がホームポジション位置になっていないと判別したときには、制御部201は、ヘッド部14をホームポジション位置に移動させるように促すメッセージを表示及び放音する(ステップS15)。そして、制御部201は、処理をステップS14に戻す。
【0108】
そして、ステップS14で、ヘッド部14の位置がホームポジション位置になっていると判別したときには、制御部201は、使用者により操作部15を通じて吸引駆動のスタートボタンが押下されたか否か判別し(ステップS16)、吸引駆動のスタートボタンが押下されたと判別したときには、吸引制御部202を通じて吸引駆動部102を、選択設定されている吸引力で動作するように制御する(ステップS17)。
【0109】
次に、制御部201は、ジャイロセンサ191及び地磁気センサ192のセンサ出力に基づいて、ホームポジション位置を基準したヘッド部14の位置、つまり掃除位置を検出する(ステップS18)。そして、ヘッド部14の移動履歴、つまり、移動軌跡と移動に要した時間(移動時間)とを検出して、単位領域BK毎に、掃除済み領域の検出を行い、検出した掃除済み領域を記憶する(ステップS19)。
【0110】
次に、制御部201は、検出された移動軌跡及び移動時間からなる移動履歴に基づいて、掃除済みと検出された単位領域BKの掃除度合を検出し記憶する(ステップS20)。そして、制御部201は、検出した掃除度合に応じた表示態様(異なる濃度や異なる色)で、掃除済みとされた単位領域BKを塗りつぶし表示する(図9のステップS31)。
【0111】
次に、制御部201は、操作部15を通じた掃除終了指示を受けたか否かにより掃除終了か否か判別し(ステップS32)、掃除終了でないと判別したときには、処理をステップS18に戻し、このステップS18以降の処理を繰り返す。
【0112】
また、ステップS32で、掃除終了であると判別したときには、制御部201は、実行された掃除対象エリアの掃除結果の情報を、ステップS12で選択された掃除対象エリア名と対応付けて、掃除結果情報蓄積部212に記憶する(ステップS33)。
【0113】
次に、制御部201は、使用者により選択されている基準掃除結果の情報を、基準掃除結果情報生成記憶部213から取得する(ステップS34)。次に、制御部201は、今回の掃除結果(直近の掃除結果)の情報と、取得した基準掃除結果の情報とを、使用者により選択されている比較結果の表示態様で、今回の掃除結果の情報と共に、表示画面16Dに表示する(ステップS35)。
【0114】
次に、制御部201は、使用者により操作部15を通じて基準掃除結果の情報の変更指示がなされたか否か判別する(ステップS36)。このステップS36で、使用者により操作部15を通じて基準掃除結果の情報の変更指示がなされたと判別したときには、制御部201は、処理をステップS34に戻し、基準掃除結果情報生成記憶部213から、選択された基準掃除結果の情報を取得して、このステップS34以降の処理を繰り返す。
【0115】
また、ステップS36で、使用者により操作部15を通じて基準掃除結果の情報の変更指示がなされていないと判別したときには、制御部201は、使用者により操作部15を通じて比較結果の表示態様の変更指示がなされたか否か判別する(ステップS37)。
【0116】
このステップS37で、使用者により操作部15を通じて比較結果の表示態様の変更指示がなされたと判別したときには、制御部201は、変更された比較結果の表示態様に応じた処理を行い(ステップS38)、その後、処理をステップS35に戻し、このステップS35以降の処理を繰り返す。
【0117】
また、ステップS37で、使用者により操作部15を通じて比較結果の表示態様の変更指示がなされていないと判別したときには、制御部201は、電源オフとされたか否か判別し(ステップS39)、電源オフとされていないと判別したときには、処理をステップS36に戻し、このステップS36以降の処理を繰り返す。また、ステップS39で、電源オフとされたと判別したときには、制御部201は、この処理ルーチンを終了する。
【0118】
以上のようにして、上述の実施形態によれば、使用者は、掃除を実行したときには、表示画面には、登録した掃除対象エリアの掃除可能領域において、掃除済みとなった領域がリアルタイムに表示される。したがって、使用者は、この表示画面を見ることで、自分が実行した掃除動作において、未掃除となっている領域を容易に判断して、その未掃除領域を掃除することができ、便利である。
【0119】
また、掃除の念入り度合(掃除度合)を判定し、その掃除度合に応じて、塗りつぶしの濃度や表示色を変更することができるので、使用者が、掃除動作中に、掃除対象エリア内の掃除済み領域の掃除度合を容易に認識することができる。そして、表示画面に表示されている掃除度合から、掃除対象エリアにおける掃除漏れや掃除むらなどを把握することができ、便利である。
【0120】
さらに、直近の掃除結果と、基準掃除結果との比較結果を表示することができるので、直近の掃除結果が基準掃除結果と比べてどうであったかも、容易に知ることができるという利点もある。そして、基準の掃除結果と、直前に終了した直近の掃除結果との比較結果を評価することができ、これにより、さらにより念入りに掃除すべきか、満足する掃除結果となっているかを判断することができ、有益かつ便利である。
【0121】
以上の例では主として、単位領域BK毎に掃除済みの領域を塗りつぶして表示するようにすると共に、掃除度合に応じて単位領域BK毎の塗りつぶし表示態様を異ならせるようにしたが、前述もしたように、掃除結果に掃除度合を反映させずに、単位領域BK毎に、掃除済みの領域のみを塗りつぶし表示するようにしてもよい。その場合には、掃除対象エリアの掃除可能領域ARと、実際に掃除が実行された掃除済み領域との比較表示となる。そして、この場合に、掃除可能領域ARにおける未掃除領域が明示されるものである。
【0122】
また、掃除対象エリアの掃除可能領域は、使用者によって設定された基準の掃除可能領域の情報となっている。したがって、図に示した掃除可能領域ARを表示すると共に、掃除済み領域を塗りつぶす表示をすることで、基準となる掃除可能領域に対して、どのような領域で掃除が実行されたかを比較表示することができる。
【0123】
また、掃除対象エリアの登録後の事後的な変化により、掃除の常駐障害物OBが、掃除対象エリアから除去された状況では、基準の登録されている掃除可能領域ARよりも、実際に掃除を実行したときの掃除済み領域がはみ出して大きくなる場合があるが、その状態も、表示画面16Dに表示されることになる。
【0124】
また、過去の掃除結果との比較においても、掃除度合を除いて、掃除済み領域のみの比較を行うこともできる。その場合には、掃除可能領域全体の大きさの比較と、単位領域BK単位の掃除済み、未掃除の状態の比較ができるものである。
【0125】
なお、上述の実施形態では、単位領域BK毎の塗りつぶし表示を行うようにしたが、ヘッド部14の吸い込み口141の大きさに対応した領域毎に塗りつぶしを行うようにしてもよいことは言うまでもない。
【0126】
以上の説明では、掃除は常にヘッド部14で行うことを想定して説明したが、掃除の途中で、ヘッド部14に代えて、ヘッド部14が入り込めない場所など用のアタッチメントを取り付けて掃除する場合もある。その場合を想定した場合には、ジャイロセンサや地磁気センサは、ヘッド部14に取り付けるのではなく、継手管の先端の、ヘッド部14やアタッチメントとの接合部の近傍に取り付けるようにするとよい。
【0127】
そして、アタッチメントを用いて掃除を行う場合には、登録された掃除対象エリアの掃除可能領域を超えた範囲の掃除ができるようになり、その範囲をも掃除済み領域として、掃除結果に反映することができる。ただし、アタッチメントをヘッド部14と交換する場合を想定したときには、その交換時点を掃除終了時点としてしまうことは好ましくはない。そのため、操作部15には、掃除動作を中断することを意味する一時停止ボタンを設け、当該一時停止ボタンの操作は、掃除終了ではなく、一時的な掃除の休止であるとするようにする。このようにすれば、一時停止ボタンを操作して、ヘッド部14からアタッチメントに交換して掃除を継続したときには、一連の掃除動作として判断され、アタッチメントによる掃除動作も掃除結果に反映されるものである。
【0128】
[第2の実施形態]
第2の実施形態の電気掃除装置は、自走式の電気掃除機からなる。
【0129】
[電気掃除機30の概要]
図10は、第2の実施形態の電気掃除装置を構成する自走式の電気掃除機30を説明するための図である。図10(A)は、この例の自走式の電気掃除機30を、その吸い込み口31を備える底面30b側を示す図、図10(B)は、この例の自走式の電気掃除機30を、掃除動作時の進行方向から見た図である。なお、図10(A)において、矢印DRは、自走式の電気掃除機30の掃除動作時の進行方向(前方方向)を示している。
【0130】
図10(A)に示すように、この例の自走式の電気掃除機30は、ほぼ矩形形状の筐体を備え、その底面30bに吸い込み口31が設けられている。そして、電気掃除機30の筐体内には、図10(B)において点線で示すように、吸い込み口31に連通して、吸い込んだ掃除対象物及び掃除対象物以外の異物を捕集する集塵室32が設けられている。なお、図10では、図示を省略したが、電気掃除機30の筐体内には、集塵室32に掃除対象物を吸い込むようにするための吸引駆動部が設けられている。
【0131】
この実施形態の電気掃除機30は、図10(A)に示すように、吸い込み口31内に、フレキシブルブラシ33及びローリングブラシ34を備える。そして、電気掃除機30の筐体の底面30bの吸い込み口31の位置に対して掃除動作時の進行方向の前方のほぼ中央には、ローラ35が設けられている。このローラ35は、その回転軸の軸方向が底面30bに平行な面内において回動可能に取り付けられている。このため、ローラ35の回転軸の軸心方向は、矢印DRに直交する方向のみならず、任意の方向を向くことが可能とされている。そして、底面30bの吸い込み口31の両側には、図10では図示を省略する走行駆動部により回転駆動される左右の車輪(ホイール)36L,36Rが設けられている。
【0132】
車輪36L,36Rが走行駆動部により駆動されて回転することにより、電気掃除機30は自力走行するが、前述したように、ローラ35は任意の方向を回転軸方向として回動可能であるので、電気掃除機30は、矢印DRの方向に直進走行するだけでなく、回転運動したり、矢印DRに対して交差する任意の方向を進行方向として走行移動したりすることが可能とされている。また、走行駆動部による車輪の回転方向制御により、電気掃除機30は、矢印DRとは逆側に後ろ向き走行することもできる。
【0133】
そして、この実施形態では、電気掃除機30のローラ35の前方の筐体側面の中央には、撮影方向(光軸方向)が底面30bにほぼ平行な方向となるようにカメラ371が設けられている。また、同じ筐体側面の左右端には、カメラ372及び373が設けられている。さらに、電気掃除機30のローラ35の後方の筐体側面には、撮影方向(光軸方向)が底面30bにほぼ平行な方向となるようにカメラ374が設けられている。カメラ371は、自走式の電気掃除機30の走行方向の前方を所定の画角で撮影する。また、カメラ372及び373は、電気掃除機30の前方左斜め方向および前方右斜め方向を所定の画角で撮影する。さらに、また、カメラ374は、自走式の電気掃除機30の走行方向の後方を所定の画角で撮影する。
【0134】
カメラ371~373は、第1の実施形態の電気掃除装置1におけるカメラ171,172に対応する。カメラ374は、第1の実施形態の電気掃除装置1におけるカメラ173,174に対応する。
【0135】
なお、カメラ371及び374は、所定の画角を有するので、少なくとも電気掃除機30の進行方向の掃除対象の床面を撮像可能であれば、その撮影方向(光軸方向)は底面30bに平行である必要はない。以上の4個のカメラ371~374は、第1の実施形態と同様に、例えばCCD撮像素子や、CMOS撮像素子と撮像レンズを含んで構成されている。
【0136】
この第2の実施形態では、電気掃除機30は、その上面30aに表示部(図10では図示を省略)を有すると共に、操作部(図10では図示を省略)を備える。
【0137】
また、電気掃除機30においては、この例では、進行方向に向かって筐体の左側面には、第1の実施形態の電気掃除装置1における測距センサ181,182に対応する測距センサ381,382が設けられている。さらに、電気掃除機30においては、この例では、第1の実施形態の電気掃除装置1におけるジャイロセンサ191及び地磁気センサ192に対応するジャイロセンサ391及び地磁気センサ392を備えている。ジャイロセンサ391及び地磁気センサ392は、電気掃除機30の吸い込み口31の近傍に設けられている。
【0138】
[第2の実施形態の電気掃除装置の回路構成]
第2の実施形態の電気掃除機30は、掃除結果の表示に関して第1の実施形態の電気掃除装置1と同様の機能を有するように構成されている。ただし、自走式の電気掃除機であるので、走行制御を自機が行い、当該自走に関連する機能部分の構成が、第1の実施形態とは異なる。さらに、この第2の実施形態においては、掃除動作時に、障害物を検知したときには、その障害物を回避するように走行制御すると共に、そのために、掃除結果として未掃除領域となる領域に対して、何故、未掃除領域となったのかの原因を、使用者に報知するようにする機能を有する。
【0139】
図11は、この第2の実施形態の電気掃除機30の電気的回路構成を示す図である。この電気掃除機30の電気的回路構成において、第1の実施形態の電気掃除装置1の制御回路部20と同様の構成部分には、300番台の番号を付して、説明上、その対応関係を容易にするようにする。
【0140】
すなわち、第2の実施形態の電気掃除機30の電気的回路において、第1の実施形態と同様の構成部分としては、図11に示すように、マイクロコンピュータを搭載する制御部301に対して、システムバス300を通じて、吸引制御部302、表示制御部303、操作部304、掃除位置検出部306、掃除対象エリア情報生成記憶部307、移動履歴検出部308、掃除済み領域検出部309、掃除度合検出部310、掃除結果情報生成部311、掃除結果情報蓄積部312、基準掃除結果情報生成記憶部313、画像認識部314、時計部315、カメラ371~374、測距センサ381,382、ジャイロセンサ391、地磁気センサ392が接続される構成となっている。
【0141】
そして、この第2の実施形態の電気掃除機30においては、システムバス300に対しては、さらに、走行制御部321と、画像メモリ322が接続される。
【0142】
そして、吸引制御部302に対しては、吸引駆動部331が接続され、表示制御部303には、表示部332が接続され、走行制御部321には、車輪36L,36Rを駆動する走行駆動部333が接続される。
【0143】
吸引制御部302は、第2の実施形態においても、吸引駆動部331の吸引力を、制御部301の制御に基づいて可変であるが、その吸引力の情報は、第1の実施形態と同様に、掃除度合に反映させるために掃除度合検出部310に供給される。
【0144】
走行制御部321は、制御部301の制御に従って、制御部301により指定された走行速度となるように、走行駆動部333を制御する。この時の走行速度の情報は、掃除位置検出部306及び移動履歴検出部308に供給されると共に、掃除度合に反映させるために掃除度合検出部310に供給される。
【0145】
表示部332は、この第2の実施形態においても例えばLCDで構成され、表示制御部303を通じて、その表示画面に第1の実施形態と同様にして掃除結果の表示情報が表示される。
【0146】
操作部304は、この例の電気掃除機30のスタート、ストップ、充電など用の操作ボタンと、表示部332の表示画面に表示される、掃除対象エリア情報の登録、基準掃除結果情報の選択、基準掃除結果情報と直近の掃除結果情報との比較態様の選択、などの機能項目を選択するための操作子を備える。
【0147】
掃除対象エリア情報生成記憶部307には、この第2の実施形態の電気掃除機30においては、使用者が、機能項目の中から、掃除対象エリア情報の登録を選択し、その機能項目を実行させることで、自動的に掃除対象エリア情報の生成及び登録処理がなされる。
【0148】
図12は、第2の実施形態における掃除対象エリアの生成及び登録処理の説明のための図である。電気掃除機30は、充電式のバッテリーを備えており、掃除対象エリアの部屋には、充電ステーション(充電器)334が設けられている場合がある。掃除対象エリアの掃除可能領域ARの起点であるホームポジション位置は、この充電ステーション334の位置であってもよいし、他の位置であってもよい。
【0149】
そして、掃除対象エリア情報の生成及び登録処理のモードにおいては、第1の実施形態と同様に、電気掃除機30は、ホームポジション位置におけるカメラ371~374の撮像画像を記憶するようにする。この第2の実施形態では、自動的に掃除対象エリアに仮のエリア名が付与され、そのエリア名に対応して、ホームポジション位置におけるカメラ371~374の撮像画像が、掃除対象エリア情報生成記憶部307に記憶される。なお、仮のエリア名は、使用者が後から修正することができるように構成されている。
【0150】
そして、ホームポジション位置から、掃除対象エリアの生成及び登録処理のための走行スタート指示がなされると、電気掃除機30は、測距センサ381,382のセンサ出力を監視して、電気掃除機30の測距センサ381,382が設けられている側面と掃除対象エリアとしての部屋の壁RMとの距離を、一定値例えば5cmに保ちながら、壁RMに沿った自走を行う。そして、その自走の移動軌跡に基づいて、掃除対象エリアの掃除可能領域ARの情報を、掃除対象エリア情報生成記憶部307に記憶する。この場合に、第1の実施形態と同様に、掃除対象エリア情報生成記憶部307には、壁RMと測距センサ381,382との間の距離をオフセット値として、電気掃除機30の自走の移動軌跡の外側に拡大した領域を、目的とする掃除対象エリアの掃除可能領域として記憶する。この場合、図12の例において、登録記憶される掃除可能領域は、壁面RMと同一及び常駐障害物OB1,OB2,OB3の端面と同一になる。
【0151】
なお、図12において、OB1,OB2,OB3は、掃除対象エリア内に登録時に存在している常駐障害物を示しており、電気掃除機30は、これらの常駐障害物OB1,OB2,OB3を回避した移動軌跡として掃除可能領域ARを生成し、登録記憶する。
【0152】
掃除位置検出部306は、第1の実施形態と同様にして、ジャイロセンサ391で検出された角速度、地磁気センサ392で検出された方位に基づいて、掃除位置(電気掃除機30の吸い込み口31の位置)を検出する。この第2の実施形態においては、掃除位置は、走行速度の情報も参照して、検出するようにする。
【0153】
移動履歴検出部308は、第1の実施形態と同様にして、ジャイロセンサ391で検出された角速度、地磁気センサ392で検出された方位、及び時計部315からの時間情報に基づいて、移動軌跡と移動時間とからなる移動履歴の情報を検出する。この第2の実施形態においては、移動履歴は、走行速度の情報も参照して、検出するようにする。
【0154】
掃除済み領域検出部309は、第1の実施形態と同様にして、移動履歴検出部308からの移動履歴の情報のうちの移動軌跡の情報から、掃除済み領域を、単位領域BKの単位で検出する。
【0155】
掃除度合検出部310は、掃除履歴検出部308からの掃除履歴の情報と、制御部301からの吸引力の情報及び走行速度の情報とに基づいて、掃除度合を検出する。この第2の実施形態においては、制御部301からの走行速度の情報を、掃除度合に反映する点が第1の実施形態とは異なる。ただし、この走行速度の情報は、移動履歴の情報の移動時間を補足するための情報として、この例では用いる。なお、この走行速度の情報を補足的に用いるのではなく、単位領域BKについての移動時間を用いずに、この走行速度の情報を用いて、掃除度合を検出するようにすることもできる。
【0156】
掃除結果表示情報生成部311は、この第2の実施形態では、掃除動作中のリアルタイムの掃除結果の表示は行ってもよいが、通常、使用者は、電気掃除機30の掃除動作中は、電気掃除機30の表示部の表示画面を見ることはないので、この例では、掃除動作中のリアルタイムの掃除結果の表示は行わない。そして、掃除結果表示情報生成部311は、掃除が終了した時点で、今回の掃除の結果(直近の掃除結果)を表示画面に表示すると共に、当該直近の掃除結果と、使用者により予め選定されている基準掃除結果情報との比較結果の情報を、表示画面に、比較可能に表示する。
【0157】
掃除結果情報蓄積部312は、第1の実施形態と同様に、各回の掃除結果の情報、つまり、掃除が実行された掃除対象エリアにおける単位領域BK毎の移動履歴の情報及び掃除度合の情報を蓄積する。
【0158】
基準掃除結果情報生成記憶部313は、第1の実施形態と同様に、使用者により選択された基準掃除結果の情報を生成あるいは読み出して、掃除結果表示情報生成部311に供給する。
【0159】
画像認識部314は、この第2の実施形態では、上述したホームポジション位置における確認のための画像認識処理を行うだけでなく、掃除可能領域AR内に登録時にはなかった障害物を掃除動作中に検出するための画像認識処理を行う。そして、画像メモリ322は、この掃除動作中での画像認識処理のために用いる画像を記憶するメモリである。
【0160】
画像メモリ322は、カメラ371~374のそれぞれから送られてくる撮像画像情報を一時格納し、その一時格納した撮像画像情報を、画像認識用として画像認識部314に供給する。また、画像メモリ322は、後述するように、画像認識部314で掃除対象物以外の異物が認識されたときに、画像認識結果に基づいて、その撮像画像情報を記憶保持する。
【0161】
そして、画像認識部314は、この実施形態では、カメラ371~374のそれぞれからの撮像画像情報から、掃除対象物以外の異物を認識して検出するが、予め登録されている撮像画像とのパターンマッチングによる異物の認識を行うと共に、撮像した物の大きさが予め設定された大きさ以上のものであるか否かを判定して、また、貴金属のように光を当てた時の反射光の光度が所定以上であるものであるか否かを判定して、掃除対象物以外の異物であるか否かを認識するようにする。
【0162】
画像メモリ322には、また、パターンマッチングによる異物の認識のために、予め掃除対象物以外の異物として認識すべき物の画像情報が記憶されている。そして、画像認識部314は、カメラ371~374のそれぞれからの撮像画像情報について、画像メモリ322に記憶されている画像と比較してパターンマッチングを行い、両者の一致あるいは両者の所定の類似度レベル以上での類似を検出することで、掃除対象物以外の異物を認識する。
【0163】
画像メモリ322には、電気掃除機30の製造会社側で工場出荷前に、予め、掃除対象物以外の異物として想定された物の撮像画像情報が登録されて記憶されている。また、この実施形態では、予め製造会社側で用意された画像情報のみではなく、使用者が、電気掃除機30で掃除対象物以外の異物として認識させたい物の画像を登録して、この画像メモリ322に記憶することができるように構成されている。掃除対象物以外の異物としては、例えばペットや介護老人、幼児の排泄物などを含むようにするとよい。これらは吸引してしまうと電気掃除機30の故障の原因になり、また吸引動作により汚れが拡大する可能性があるからである。その異物の登録画像としては、カメラ371~374で、当該異物を撮像した物を、画像メモリ322に記憶して登録しておくことができる。
【0164】
なお、図11の電気掃除機30の構成において、吸引制御部302、掃除位置検出部306、掃除対象エリア情報生成記憶部307の掃除対象エリア情報の生成機能、移動履歴検出部308、掃除済み領域検出部309、掃除度合検出部310、掃除結果表示情報生成部311、基準掃除結果情報生成記憶部313の基準掃除結果情報生成機能、画像認識部314、走行制御部321の機能は、制御部301が、そのソフトウエア処理として実現することが可能である。
【0165】
[電気掃除機30の掃除動作及び掃除結果表示処理]
図13及び図14は、第2の実施形態の電気掃除機30の掃除動作及び掃除結果表示処理の動作例を説明するためのフローチャートである。この図13及び図14のフローチャートの処理は、上述した吸引制御部302、掃除位置検出部306、移動履歴検出部308、掃除済み領域検出部309、掃除度合検出部310、掃除結果表示情報生成部311、基準掃除結果情報生成記憶部313の基準掃除結果情報生成機能、画像認識部314、走行制御部321の機能を、制御部301が、そのソフトウエア処理として実現した場合として説明する。
【0166】
先ず、制御部301は、登録されている掃除対象エリア名の一覧を表示部332の表示画面に表示すると共に、その中から掃除を開始する掃除対象エリア名の選択を促すメッセージを表示すると共に、音声により放音する(ステップS41)。次に、制御部301は、このメッセージに対応した操作部304を通じた使用者の選択入力を受け付けて、選択された掃除対象エリアを認識する(ステップS42)。
【0167】
そして、制御部301は、掃除対象エリア情報生成 記憶部307に記憶されている掃除対象エリアの掃除可能領域の情報を読み出して、移動履歴検出部308及び掃除度合検出部310に供給し、掃除結果を反映させるエリアとして設定する(ステップS43)。
【0168】
次に、制御部301は、使用者により操作部304を通じてスタートボタンが押下されたか否か判別し(ステップS44)、スタートボタンが押下されたと判別したときには、カメラ371~374の撮像画像と、掃除対象エリア情報生成記憶部307に記憶されている当該掃除対象エリアの掃除可能領域のホームポジション位置における撮像画像とを比較して、電気掃除機30の位置がホームポジション位置になっているか否か判別する(ステップS45)。このステップS45で、電気掃除機30の位置がホームポジション位置になっていないと判別したときには、制御部301は、電気掃除機30をホームポジション位置に移動させるように制御する(ステップS46)。そして、制御部301は、処理をステップS45に戻す。
【0169】
そして、ステップS45で、電気掃除機30の位置がホームポジション位置になっていると判別したときには、制御部301は、吸引制御部302を通じて吸引駆動部331を、所定の吸引力で動作するように制御すると共に、走行制御部321を通じて走行駆動部333を駆動させるようにする。また、制御部301は、掃除動作中でのカメラ371~374を開始させるようにする(ステップS47)。
【0170】
次に、制御部301は、ジャイロセンサ391及び地磁気センサ392のセンサ出力及び走行速度に基づいて、ホームポジション位置を基準した電気掃除機30の位置、つまり掃除位置を検出する(ステップS48)。
【0171】
次に、制御部301は、カメラ371~374の撮像画像について、前述した画像認識部314で説明した画像認識処理を行い(ステップS49)、掃除対象物以外の異物を検出したか否か判別する(図14のステップS51)。
【0172】
ステップS51で、掃除対象物以外の異物を検出したと判別したときには、制御部301は、当該異物を検出した掃除位置と、検出した異物の撮像画像とを対応させて、画像メモリ322に記憶する(ステップS52)。そして、制御部301は、検出した異物を回避して、電気掃除機30が移動するように走行制御部321を通じて走行駆動部333を制御する(ステップS53)。
【0173】
ステップS51で、掃除対象物以外の異物を検出していないと判別したとき、また、ステップS53の次には、制御部301は、電気掃除機30の移動履歴、つまり、移動軌跡と移動に要した時間(移動時間)とを検出して、単位領域BK毎に、掃除済み領域の検出を行い、検出した掃除済み領域を、ステップS42で選択された掃除対象エリアの識別情報(例えば掃除対象エリア名)と対応付けて掃除結果情報蓄積部312に記憶する(ステップS54)。次に、制御部301は、検出された移動軌跡及び移動時間からなる移動履歴に基づいて、掃除済みと検出された単位領域BKの掃除度合を検出し、ステップS42で選択された掃除対象エリアの識別情報と対応付けて掃除結果情報蓄積部312に記憶する(ステップS55)。したがって、掃除結果情報蓄積部312には、順次に、掃除対象エリアの掃除結果が記憶されてゆく。
【0174】
次に、制御部301は、予め用意されている掃除プログラムに従って掃除終了としてよいか否か判別し(ステップS56)、まだ掃除を継続すべきと判別したときには、処理をステップS48に戻し、このステップS48以降の処理を繰り返す。
【0175】
また、ステップS56で、掃除終了してよいと判別したときには、制御部301は、その時までに掃除結果情報蓄積部312に記憶されている、実行された掃除対象エリアの掃除結果の情報を読み出して掃除結果の表示情報を生成し、図15に示すように、今回の掃除結果の表示画像NPとして、表示部332の表示画面332Dに表示する(ステップS57)。そして、制御部301は、画像メモリ322に記憶されている掃除動作中に認識された異物の撮像画像及び掃除対象エリア内の位置情報を読み出し、図15に示すように、今回の掃除結果の表示画像NPにおける、その掃除対象エリア内の位置情報で示される位置P1,P2との対応を付けて、異物の撮像画像IM1,IM2を表示画面332Dに表示する(ステップS58)。
【0176】
次に、制御部301は、使用者により選択されている基準掃除結果の情報を、基準掃除結果情報生成記憶部313から取得する(ステップS59)。次に、制御部301は、今回の掃除結果(直近の掃除結果)の情報と、取得した基準掃除結果の情報とを、使用者により選択されている比較結果の表示態様で、図15に示すように、今回の掃除結果の情報と共に、表示画面332Dに表示する(ステップS60)。図15では、基準掃除結果情報は、対応する掃除対象エリアの標準掃除結果情報PPとされている。以上で、制御部301は、この処理ルーチンを終了する。
【0177】
以上の第2の実施形態の電気掃除機30によれば、掃除動作が終了した後には、その掃除動作が終了した直近の掃除結果が、第1の実施形態と同様にして、表示画面332Dに表示される。そして、この表示画面332Dに表示される掃除結果としては、掃除済み領域が単位領域BKの単位で表示されていると共に、当該単位領域BK毎の掃除程度が反映されて、掃除程度に応じて濃度や表示色が異なったものとなっている。したがって、使用者は、その表示画面の掃除結果を見ることで、直近の掃除の結果がどのようなものであったかを直観的に把握することができる。
【0178】
しかも、図15に示すように、掃除対象物以外の異物のために電気掃除機30がトレースせずに未掃除領域となった部分に対しては、その原因となった異物の撮像画像IM1,IM2が表示されるので、未掃除となった原因を容易に把握することができ、その異物を取り除いて、その部分を掃除するなどの対応をとることができる。
【0179】
さらに、第1の実施形態と同様に、第2の実施形態においても、直近の掃除結果と基準の掃除結果との比較結果を表示することができるので、直近の掃除結果が基準と比べてどうであったかも容易に知ることができ、有益かつ便利である。
【0180】
なお、この第2の実施形態の電気掃除機30は、バッテリーの電圧の低下を掃除動作中において検出しており、バッテリーの電圧が、充電が必要な程度にまで低下したときには、充電機(充電ステーション)の位置に戻るような機能を備えている。そして、この例では、そのように掃除動作の途中に、バッテリーの電圧低下のために、充電ステーションに戻った時には、表示部332の表示画面には、充電のために掃除を中止した旨を表示すると共に、それまでの掃除結果を表示するようにする。したがって、使用者は、この表示画面を見ることで、充電のために掃除を中断したこと、どこまで、掃除済みであるかを知ることができ、便利である。
【0181】
なお、上述の第2の実施形態では、画像認識により異物を認識して未掃除となった領域に対しては、認識した異物の撮像画像を対応付けて表示するようにした。しかし、異物の撮像画像を対応付けて表示するのではなく、掃除結果の表示画像において、当該異物の存在による未掃除領域に対して、特別のマークを付加表示したり、フラッシング表示したり、特別の表示色で表示したりするようにして、他の領域と区別可能に表示して注意喚起するようにするとよい。特に、異物がペット、介護老人、乳幼児などの排泄物などが存在する領域は、電気掃除装置による掃除が好ましくない領域や困難な領域であり、また、掃除を回避すべき領域である。このような掃除が困難のために未掃除となった領域は、後でその原因となった異物を適切な態様で掃除することが必須となる未掃除領域であり、上述のような特殊な表示を行うことが効果的である。また、異物が何かを想定できるように、異物をアイコン化してもよい。
【0182】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例である。上述した第2の実施形態では、電気掃除機30が、全ての処理機能を有するように構成した。しかし、電気掃除機がすべての機能を備えるのではなく、通信機能を有する電気掃除機と、通信機能を有する他の装置、例えばパーソナルコンピュータや、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話機などと組み合わせて、電気掃除装置として機能させるようにしてもよい。
【0183】
例えばパーソナルコンピュータと組み合わせる場合には、電気掃除機に無線通信機能を搭載すると共に、図11における掃除位置検出部306、掃除対象エリア情報生成記憶部307、移動履歴検出部308、掃除済み領域検出部309、掃除度合検出部310、掃除結果表示情報生成部311、掃除結果情報蓄積部312、基準掃除結果情報生成記憶部313、画像認識部314、画像メモリ322は設けず、これらの機能を、パーソナルコンピュータ側に設けるようにする。
【0184】
そして、電気掃除機は、掃除動作を実行しながら、ジャイロセンサ391のセンサ出力、地磁気センサ392のセンサ出力、走行速度の情報、吸引力の情報、カメラ371~374の撮像画像情報を、パーソナルコンピュータに送信する。
【0185】
パーソナルコンピュータでは、電気掃除機からのジャイロセンサ391のセンサ出力、地磁気センサ392のセンサ出力、走行速度の情報、吸引力の情報を用いて、掃除位置を検出する。そして、パーソナルコンピュータは、検出した掃除位置をも用いて、移動履歴の検出、掃除済み領域の検出、掃除度合の検出を行い、掃除結果情報蓄積部312に掃除結果の情報を蓄積する。そして、掃除が終了したタイミングになると、パーソナルコンピュータは、掃除結果情報蓄積部312に蓄積した今回の掃除結果の情報から、掃除結果の表示情報を生成して、電気掃除機に送る。電気掃除機は、この表示情報を受信して、表示画面に表示する。さらに、パーソナルコンピュータは、直近の掃除結果と基準の掃除結果との比較結果の表示情報も、電気掃除機に送る。電気掃除機は、この表示情報を受信して、表示画面に表示する。
【0186】
この構成においては、パーソナルコンピュータと通信可能とする電気掃除機は、1台に限定する必要はなく、使用者が複数台の電気掃除機を所持している場合には、その複数台の全てと通信をそれぞれ行うことで、各電気掃除機の掃除結果を生成して、提供することができる。
【0187】
そして、この第3の実施形態においては、基準の掃除結果の情報として、異なる電気掃除機で同じ掃除対象エリアで実行された掃除結果に基づいた過去の掃除結果の情報を用いることができる。これにより、電気掃除機毎の掃除結果の比較が可能となる。また、同一の電気掃除機であっても、ソフトウエアやハードウエアのアップグレードがあった場合や、新規付属品の導入があった場合など、電気掃除機の機能更新による掃除結果の比較が可能となる。
【0188】
なお、第3の実施形態では、表示部332及び表示制御部303は、電気掃除機に設けるようにしたが、表示部及び表示制御部は、パーソナルコンピュータ側に設けるようにしてもよい。
【0189】
また、電気掃除機と通信路を介して接続される装置は、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの場合には、ローカルエリアネットワークを介して接続される。しかし、電気掃除機と接続される装置は、インターネットなどのブロードバンドネットワークを介して接続される装置として、いわゆるクラウドの構成であってもよい。
【0190】
[その他の実施形態又は変形例]
<上述の実施形態の変形例>
上述の例では、掃除対象エリアにおける掃除位置を検出するために、特定のホームポジションから掃除を開始するようにし、このホームポジションを、掃除位置を検出する位置的な起点とした。しかし、このように掃除位置を所定の起点に対する想定的な位置情報として検出する方法に限られるものではない。例えば、掃除対象エリアの部屋などの少なくとも3か所の所定の位置に、予め電波や光、超音波などの発信手段を設けておき、それらの3か所からの発信信号を、電気掃除機が受信することで、当該発信手段からの距離を計測して、いわゆる3点測量の原理で、掃除位置を検出するようにすることもできる。
【0191】
また、掃除対象エリアの部屋などの床や天井に、例えば網目状の各位置において、それぞれの位置を示す発信機を配してあれば、その発信機からの位置情報を受信することにより、電気掃除機は、自位置(掃除位置)を検出することができる。
【0192】
上述の実施形態では、単位領域BK単位で、掃除済み領域や掃除度合の検出を行うようにしたが、前述もしたように、吸い込み口の移動履歴そのものを用いて、掃除済み領域や掃除度合の検出を行うようにしても勿論よい。また、電気掃除機30の掃除中の移動軌跡をそのまま表示することで、リアルタイムで掃除の進捗をわかるようにしてもよい。
【0193】
なお、上述の実施形態では、掃除結果の比較は、直近の掃除結果と、基準の掃除結果との比較の場合のみを示したが、過去の特定の日時の掃除結果と、選定した基準の掃除結果との比較の場合にも、この発明は適用可能である。また、3つ以上の掃除結果を比較表示してもよい。
【0194】
そして、比較結果の表示態様としては、上述の説明の例に限られず、その他種々の態様が可能であることは勿論である。例えば、掃除済み領域を、面積表示、すなわち、何平方メートル掃除したとか、何畳分掃除したとか、残り何平方メートルとか、残り何畳分であるとかの表示であってもよい。また、掃除済み領域を、%表示、すなわち、何%掃除したとか、残り何%であるとかの表示であってもよい。
【0195】
<掃除度合について>
上述の実施形態では、掃除度合は、単位領域BK毎の吸い込み口のトレース回数、トレース速度(トレース時間)、吸引力などの掃除履歴に関する情報から検出(算出)するようにしたが、掃除度合の検出(算出)の方法は、これに限られるものではない。
【0196】
例えば、掃除動作を行った時の掃除機の吸い込み口の前方をカメラで撮像した画像と、その前方位置を通過した後に、吸い込み口の後方のカメラで撮像した画像との差分を検出し、その差分に基づいて、掃除度合を検出(算出)するようにしてもよい。また、所定の掃除動作を行った時の掃除機の吸い込み口の前方をカメラで撮像した画像と、次に同じ領域に対して、掃除動作を行った時の掃除機の吸い込み口の前方をカメラで撮像した画像との差分を検出し、その差分に基づいて、掃除度合を検出(算出)するようにしてもよい。さらに、このカメラを用いた掃除度合の情報と、上記の掃除履歴に関する情報から検出(算出)した掃除度合との両方を用いて、掃除結果の掃除度合を検出(算出)するようにしてもよい。
【0197】
また、電気掃除装置に汚れ度合を検出するセンサを設け、センサで検出された前記掃除実行前の汚れ度合と、前記掃除実行後の汚れ度合との差分を検出する。そして、電気掃除装置の制御部が、掃除実行前の汚れ度合と、掃除実行後の汚れ度合との差分に応じて異なる表示をすることで、掃除の実行度合いに応じた表示を行うようにしてもよい。
【0198】
例えば、電気掃除装置に汚れ度合を検出するセンサの例として、例えばほこりセンサ(ハウスダストセンサなど)を設ける。そして、掃除前のほこりセンサのセンサ出力あるいは最初の1回目の掃除後のほこりセンサのセンサ出力と、掃除の最後の回の後のほこりセンサのセンサ出力との差分を検出する。そして、電気掃除装置の制御部が、その差分に基づいて、掃除度合を検出(算出)し、その検出した掃除度合に応じて、例えば単位領域BKの表示濃度を変えたり、表示色を変更したりするようにする。
【0199】
<ダニ掃除について>
上述の実施形態では、掃除対象物は、いわゆるゴミを対象としたが、ダニを掃除対象物とすることもできる。この場合にも、上述と同様に、吸引駆動部を用いてダニを吸引することで、ダニ掃除を行うことができる。その場合に、掃除度合はダニの吸引除去量に応じたものとなるが、その掃除度合の検出のためには、電気掃除装置に搭載してあるカメラの撮像画像を画像解析して、ダニまたはダニの死骸を認識し、その個数を計数する方法を用いることができる。そして、掃除度合の表示は、検出したダニまたはダニの死骸の個数に応じて、例えば単位領域BKの表示濃度や表示色を変えることで行うことができる。また、画像解析で、ダニが見つからなくなったら、ダニ完全除去とするようにしてもよい。そして、掃除度合としては、未掃除、ダニ掃除済み(残留するダニ有)、ダニ完全除去などのように区分して、濃度の変化や色の変化として表示するようにしてもよい。
【0200】
また、電気掃除装置にダニセンサを設けておき、当該ダニセンサを用いて、掃除(駆除)できたダニの量が多い、少ないなどを検出して、掃除度合を表示することもできる。
【0201】
また、ダニではなく、花粉を掃除対象物として、その掃除結果を表示する場合にも、この発明は適用可能である。その場合にも、電気掃除装置は、掃除対象物としての花粉を吸引して除去するものである。そして、この場合の電気掃除装置は、花粉の吸引量を、吸引力やトレース回数、トレース時間に応じたものとして検出し、その検出結果に応じて花粉の掃除度合を検出する。そして、その掃除度合に応じて、例えば単位領域BK毎の表示濃度や表示色を変えて表示するようにする。
【0202】
なお、この発明は、ダニや花粉以外のものであっても、掃除対象物として適用可能である。
【0203】
<その他>
上述の実施形態では、電気掃除装置は、吸い込み口を備え、当該吸い込み口から吸引動作をするものとしたが、これに限られるものではない。例えば、床を拭き掃除する電気掃除装置や、鉄くずなどを磁石で吸い付けて掃除するようにする電気掃除装置にも、この発明は適用可能である。
【0204】
また、以上の説明では、電気掃除装置は、家庭用としたが、工業用であっても適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0205】
1…電気掃除装置、16…表示部、20…制御回路部、102…吸引駆動部、141…吸い込み口、191…ジャイロセンサ、192…地磁気センサ、206,306…掃除位置検出部、208,308…移動履歴検出部、209,309…掃除済み領域検出部、210,310…掃除度合検出部、211,311…掃除結果表示情報生成部、212,312…掃除結果情報蓄積部、213,313…基準掃除結果情報生成記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機との通信機能を有する通信装置であって、
移動しながら掃除を実行する前記電気掃除機からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物が存在したために掃除を実行していない未掃除領域を表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記未掃除領域に対して、前記未掃除領域になった原因に関する情報を、前記異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記電気掃除機の掃除対象エリアと前記未掃除領域とを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記電気掃除機が前記掃除を実行した日、曜日及び/又は時間に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機の掃除位置検出手段が掃除対象エリア内の常駐障害物を除く掃除可能領域内で検出した前記電気掃除機の掃除位置の情報を含み、
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記情報に含まれる前記電気掃除機の前記掃除位置の情報から、前記電気掃除機の移動履歴を検出し、前記検出した移動履歴から前記未掃除領域を表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の通信装置。
【請求項5】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機の掃除位置検出手段が掃除対象エリア内の常駐障害物を除く掃除可能領域内で検出した前記電気掃除機の掃除位置の情報を含み、
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記電気掃除機の前記掃除位置の情報から、前記電気掃除機の掃除中の移動軌跡を表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の通信装置。
【請求項6】
前記表示手段は、前記移動軌跡をリアルタイムで表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記掃除済みの領域を塗りつぶして表示し、前記未掃除領域は塗りつぶされることなく抜けた領域として表示することで、前記未掃除領域を掃除済みの領域と区別して表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機のカメラで撮影された撮影画像の情報を含み、
前記表示手段は、前記未掃除領域に対応する前記撮影画像を表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の通信装置。
【請求項9】
前記表示手段は、前記電気掃除機における掃除対象エリア情報の登録及び/又は掃除結果情報の表示態様を含む項目を選択できるよう表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の通信装置。
【請求項10】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機のバッテリーの充電のために掃除を中断した場合の情報を含み、前記表示手段は、前記充電のために掃除を中断したこと、及び前記中断までの前記未掃除領域を表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の通信装置。
【請求項11】
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除度合を併せて表示する
ことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれかに記載の通信装置。
【請求項12】
前記掃除度合は、前記電気掃除機が吸引した掃除対象物の吸引除去量である
ことを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記表示手段は、直近に実行された掃除における前記掃除度合と、過去の特定の日時に実行された掃除における前記掃除度合又は従前に実行された掃除における前記掃除度合の平均情報とを表示する
ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記表示手段は、前記電気掃除機が掃除を実行した領域を所定の大きさの小領域の単位で、前記掃除度合に応じて異なる濃度及び/又は異なる表示色にて塗りつぶして表示する
ことを特徴とする請求項11~請求項13のいずれかに記載の通信装置。
【請求項15】
前記表示手段は、前記掃除度合を、前記小領域の単位でリアルタイムに塗りつぶして表示する
ことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機の掃除位置検出手段が掃除対象エリア内の常駐障害物を除く掃除可能領域内で検出した前記電気掃除機の掃除位置の情報を含み、
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記情報に含まれる前記電気掃除機の前記掃除位置の情報から、前記電気掃除機の移動履歴を検出し、前記検出した移動履歴から、前記掃除度合を表示する
ことを特徴とする請求項11~請求項15のいずれかに記載の通信装置。
【請求項17】
前記表示手段は、前記電気掃除機のソフトウエアのアップデートを含む前記電気掃除機の機能更新による前記掃除度合を表示する
ことを特徴とする請求項11~請求項16のいずれかに記載の通信装置。
【請求項18】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機のバッテリーの充電のために掃除を中断した場合の情報を含み、前記表示手段は、前記充電のために掃除を中断したこと、及び前記中断までの前記掃除度合を表示する
ことを特徴とする請求項11~請求項17のいずれかに記載の通信装置。
【請求項19】
前記アイコンは、前記異物がペット、介護老人又は乳幼児の排泄物であることを想定できるアイコンである
ことを特徴とする請求項1~請求項18のいずれかに記載の通信装置。
【請求項20】
電気掃除機との通信機能を有する通信装置が備えるコンピュータを、
移動しながら掃除を実行する前記電気掃除機からの情報を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物が存在したために掃除を実行していない未掃除領域を表示すると共に、前記未掃除領域に対して、前記未掃除領域になった原因に関する情報を、前記異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する表示手段、
として機能させるための通信装置用プログラム。
【請求項21】
前記表示手段は、前記電気掃除機の掃除対象エリアと前記未掃除領域とを表示する
ことを特徴とする請求項20に記載の通信装置用プログラム。
【請求項22】
前記表示手段は、前記電気掃除機が前記掃除を実行した日、曜日及び/又は時間に関する情報を表示する
ことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の通信装置用プログラム。
【請求項23】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機の掃除位置検出手段が掃除対象エリア内の常駐障害物を除く掃除可能領域内で検出した前記電気掃除機の掃除位置の情報を含み、
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記情報に含まれる前記電気掃除機の前記掃除位置の情報から、前記電気掃除機の移動履歴を検出し、前記検出した移動履歴から前記未掃除領域を表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項22のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項24】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機の掃除位置検出手段が掃除対象エリア内の常駐障害物を除く掃除可能領域内で検出した前記電気掃除機の掃除位置の情報を含み、
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記電気掃除機の前記掃除位置の情報から、前記電気掃除機の掃除中の移動軌跡を表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項23のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項25】
前記表示手段は、前記移動軌跡をリアルタイムで表示する
ことを特徴とする請求項24記載の通信装置用プログラム。
【請求項26】
前記表示手段は、前記掃除済みの領域を塗りつぶして表示し、前記未掃除領域は塗りつぶされることなく抜けた領域として表示することで、前記未掃除領域を掃除済みの領域と区別して表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項25のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項27】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機のカメラで撮影された撮影画像の情報を含み、
前記表示手段は、前記未掃除領域に対応する前記撮影画像を表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項26のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項28】
前記表示手段は、前記電気掃除機における掃除対象エリア情報の登録及び/又は掃除結果情報の表示態様を含む項目を選択できるよう表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項27のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項29】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機のバッテリーの充電のために掃除を中断した場合の情報を含み、前記表示手段は、前記充電のために掃除を中断したこと、及び/又は、前記中断までの前記未掃除領域を表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項28のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項30】
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除度合を併せて表示する
ことを特徴とする請求項20~請求項29のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項31】
前記掃除度合は、前記電気掃除機が吸引した掃除対象物の吸引除去量である
ことを特徴とする請求項30に記載の通信装置用プログラム。
【請求項32】
前記表示手段は、直近に実行された掃除における前記掃除度合と、過去の特定の日時に実行された掃除における前記掃除度合又は従前に実行された掃除における前記掃除度合の平均情報とを表示する
ことを特徴とする請求項30又は請求項31に記載の通信装置用プログラム。
【請求項33】
前記表示手段は、前記電気掃除機が掃除を実行した領域を所定の大きさの小領域の単位で、前記掃除度合に応じて異なる濃度及び/又は異なる表示色にて塗りつぶして表示する
ことを特徴とする請求項30~請求項32のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項34】
前記表示手段は、前記掃除度合を、前記小領域の単位でリアルタイムに塗りつぶして表示する
ことを特徴とする請求項33に記載の通信装置用プログラム。
【請求項35】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機の掃除位置検出手段が掃除対象エリア内の常駐障害物を除く掃除可能領域内で検出した前記電気掃除機の掃除位置の情報を含み、
前記表示手段は、前記受信手段で受信した前記情報に含まれる前記電気掃除機の前記掃除位置の情報から、前記電気掃除機の移動履歴を検出し、前記検出した移動履歴から、前記掃除度合を表示する
ことを特徴とする請求項30~請求項34のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項36】
前記表示手段は、前記電気掃除機のソフトウエアのアップデートを含む前記電気掃除機の機能更新による前記掃除度合を表示する
ことを特徴とする請求項30~請求項35のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項37】
前記受信手段で受信した前記情報には、前記電気掃除機のバッテリーの充電のために掃除を中断した場合の情報を含み、前記表示手段は、前記充電のために掃除を中断したこと、及び前記中断までの前記掃除度合を表示する
ことを特徴とする請求項30~請求項36のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【請求項38】
前記アイコンは、前記異物がペット、介護老人又は乳幼児の排泄物であることを想定できるアイコンである
ことを特徴とする請求項20~請求項37のいずれかに記載の通信装置用プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上記の課題を解決するために、この発明は、
電気掃除機との通信機能を有する通信装置であって、
移動しながら掃除を実行する前記電気掃除機からの情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記情報を用いて、前記電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物が存在したために掃除を実行していない未掃除領域を表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記未掃除領域に対して、前記未掃除領域になった原因に関する情報を、前記異物が何であるかを想定できるアイコンで表示する
ことを特徴とする通信装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上述の構成の発明によれば、通信装置においては、電気掃除機が掃除を実行した領域における掃除対象物以外の異物存在したために掃除を実行していない未掃除領域が、異物が何であるかを想定できるアイコンで表示される。