(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032936
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】検体検査システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/40 20180101AFI20240305BHJP
【FI】
G16H10/40
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014041
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2020173489の分割
【原出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】520400519
【氏名又は名称】小幡 佳津明
(71)【出願人】
【識別番号】500171659
【氏名又は名称】ニューコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【弁理士】
【氏名又は名称】林 修身
(72)【発明者】
【氏名】小幡 佳津明
(72)【発明者】
【氏名】園部 力緒
(57)【要約】
【課題】検体検査機能を地域において有効活用できるようにすること。
【解決手段】検体検査施設を有する中核医療施設の施設内に設けられた検査用サーバコンピュータと、前記中核医療施設内に設けられた特別情報端末と、検体検査施設を有していない非中核医療施設内に設けられた特定情報端末と、を備え、検査用サーバコンピュータを、特別情報端末から検体検査の依頼を受付ける内部検査依頼受付け機能を有する既設のサーバコンピュータに、特定情報端末から検体検査の依頼を受付ける外部検査依頼受付け機能を付与するための外部検査受付け用プログラムを新たにインストールすることによって形成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者から採取された検体を検査する検体検査機能を地域において有効活用するための検体検査システムであって、
検体検査が可能な検体検査施設を有する中核医療施設の施設内に設けられた検査用サーバコンピュータと、
前記中核医療施設内に設けられ、前記検査用サーバコンピュータにアクセス可能に接続された特別情報端末と、
前記中核医療施設よりも小規模な医療施設であって前記検体検査施設を有していない非中核医療施設内に設けられ、前記検査用サーバコンピュータにアクセス可能に接続された特定情報端末と、
を備え、
前記検査用サーバコンピュータは、前記特別情報端末から検体検査の依頼を受付ける内部検査依頼受付け機能を有する既設のサーバコンピュータに、前記特定情報端末から検体検査の依頼を受付ける外部検査依頼受付け機能を付与するための外部検査受付け用プログラムを新たにインストールすることによって形成されている
ことを特徴とする検体検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者から採取された検体を特別医療施設内にて検査するための検体検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の検体検査システムとしては、特許文献1や特許文献2に示すように、1の医療施設(特別医療施設)が有している検体検査の機能を他の医療施設(特定医療施設)においても利用可能としたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-234381号公報
【特許文献2】特開2009-37497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、地域医療の利便性向上や医療資源の有効活用等のために、1の医療施設(特別医療施設)の検体検査の機能を他の医療施設(特定医療施設)と共同利用することに対する注目が高まっているが、特許文献1及び特許文献2に記載の検体検査システムのように、検体検査の機能を他の医療施設においても利用可能とすると、検体検査システムの導入コストが大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、導入コストを低減することのできる検体検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の検体検査システムは、
被検者から採取された検体を検査する検体検査機能を地域において有効活用するための検体検査システムであって、
検体検査が可能な検体検査施設を有する中核医療施設の施設内に設けられた検査用サーバコンピュータと、
前記中核医療施設内に設けられ、前記検査用サーバコンピュータにアクセス可能に接続された特別情報端末と、
前記中核医療施設よりも小規模な医療施設であって前記検体検査施設を有していない非中核医療施設内に設けられ、前記検査用サーバコンピュータにアクセス可能に接続された特定情報端末と、
を備え、
前記検査用サーバコンピュータは、前記特別情報端末から検体検査の依頼を受付ける内部検査依頼受付け機能を有する既設のサーバコンピュータに、前記特定情報端末から検体検査の依頼を受付ける外部検査依頼受付け機能を付与するための外部検査受付け用プログラムを新たにインストールすることによって形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、中核医療施設内に設置されている既存の検査用サーバコンピュータや既存の特別情報端末を流用することが可能となるので、検体検査システムの導入コストを低減することができる。
【0007】
本発明の手段1に記載の検体検査システムは、
被検者から採取された検体を特別医療施設(例えば、中核病院H01)内にて検査するための検体検査システムであって、
前記特別医療施設内に設けられた検査用サーバコンピュータ(例えば、検査サーバ103)と、
前記特別医療施設内に設けられ、前記検査用サーバコンピュータにアクセス可能に接続された特別情報端末(例えば、院内クライアント121、122、123、124C、125C、126C)と、
前記特別医療施設とは異なる特定医療施設(例えば、院外施設C01、C02、C03)内に設けられ、前記検査用サーバコンピュータにアクセス可能に接続された特定情報端末(例えば、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CA)と、
を備え、
前記検査用サーバコンピュータは、
前記特別医療施設から依頼される検体検査に関する検体検査情報を記憶可能な特別記憶部(例えば、院内用検体検査情報格納領域)と、前記特定医療施設から依頼される検体検査に関する検体検査情報を記憶可能な特定記憶部(例えば、第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域)と、を含む記憶手段(例えば、記憶部103d)と、
前記特別記憶部および前記特定記2憶部へのアクセスの可否を制御可能なアクセス制御手段(例えば、アクセス制御モジュールを用いる制御部103a)と、
を有し、
前記特別情報端末及び前記特定情報端末は、前記検体検査情報へのアクセスを要求するためのアクセス要求情報(例えば、検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報)を送信可能であり、
前記アクセス制御手段は、前記特別情報端末から前記アクセス要求情報を受信した場合は、前記特別記憶部への該特別情報端末によるアクセスを可能とするが前記特定記憶部への該特別情報端末によるアクセスを不能とする特別アクセス制御を実行し、前記特定情報端末から前記アクセス要求情報を受信した場合は、前記特定記憶部への該特定情報端末によるアクセスを可能とするが前記特別記憶部への該特定情報端末によるアクセスを不能とする特定アクセス制御を実行する(例えば、制御部103aは、院内クライアント121、122、123から検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を受信した場合は、院内クライアント121、122、123による院内用検体検査情報格納領域へのアクセスを可能とするとともに、院内クライアント121、122、123による第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域のいずれかへのアクセスを不能とし、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を受信した場合は、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAによる第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域のいずれかへのアクセスを可能とするとともに、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAによる院内用検体検査情報格納領域へのアクセスを不能とする)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別医療施設の検体検査情報が特定医療施設に漏洩したり、特定医療施設の検体検査情報が特別医療施設に漏洩してしまうことを防ぐことができ、検体検査システムの機密性を向上することができる。
【0008】
本発明の手段2に記載の検体検査システムは、手段1に記載の検体検査システムであって、
前記アクセス制御手段は、既存の前記特別記憶部に前記特定記憶部が追加された前記記憶手段を備えた検査用サーバコンピュータにインストールされたアクセス制御プログラムにて形成されている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別医療施設内に設置されている既存の検査用サーバコンピュータや既存の特別情報端末を流用することが可能となるので、検体検査システムの導入コストを低減することができる。
【0009】
本発明の手段3に記載の検体検査システムは、手段1または手段2に記載の検体検査システムであって、
前記アクセス要求情報は、該アクセス要求情報の送信元が前記特別情報端末と前記特定情報端末とのいずれであるのかを特定可能な端末特定情報を含み、
前記アクセス制御手段は、受信した前記アクセス要求情報に含まれる端末特定情報から特定される該アクセス要求情報の送信元が前記特別情報端末である場合は前記特別アクセス制御を実行し、受信した前記アクセス要求情報に含まれる端末特定情報から特定される該アクセス要求情報の送信元が前記特定情報端末である場合は前記特定アクセス制御を実行する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、アクセス制御手段は、アクセス要求情報に含まれる端末特定情報によって特別アクセス制御または特定アクセス制御を実行することができるので、アクセス制御手段の処理負荷を著しく低減することができ、アクセスの遅延の発生を防ぐことが可能となる。
【0010】
本発明の手段4に記載の検体検査システムは、手段3に記載の検体検査システムであって、
前記特定情報端末を特定可能な端末特定情報は、前記特別情報端末を特定可能な端末特定情報の情報形式に前記特定医療施設に付与された付与情報を付加した形式とされている
ことを特徴としている。
この特徴によれば、既存の特別医療施設に設けられている既存の検体検査システムの端末特定情報を流用することが可能となり、既存の検体検査システムの変更する負荷を低減できるので、検体検査システムの導入コストをより低減することができる。
【0011】
本発明の手段5に記載の検体検査システムは、手段1~手段4のいずれかに記載の検体検査システムであって、
前記特定情報端末は、前記特定医療施設に含まれる第1特定医療施設に設けられた第1特定情報端末と、前記第1特定医療施設とは異なる第2特定医療施設に設けられた第2特定情報端末と、を含み、
前記特定記憶部は、前記第1特定医療施設から依頼された検体検査に関する検体検査情報を記憶可能な第1特定記憶部と、前記第2特定医療施設から依頼された検体検査に関する検体検査情報を記憶可能な第2特定記憶部と、を含み、
前記アクセス制御手段は、前記第1特定情報端末から前記検体検査情報への前記アクセス要求情報を受信した場合は、前記第1特定記憶部への該第1特定情報端末によるアクセスを可能とするが前記第2特定記憶部への該第1特定情報端末によるアクセスを不能とし、前記第2特定情報端末から前記検体検査情報への前記アクセス要求情報を受信した場合は、前記第2特定記憶部への該第2特定情報端末によるアクセスを可能とするが前記第1特定記憶部への該第2特定情報端末によるアクセスを不能とする
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1特定医療施設の検体検査情報が第2特定医療施設に漏洩したり、第2特定医療施設の検体検査情報が第1特定医療施設に漏洩してしまうことも防ぐことができ、検体検査システムの機密性をより一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例における検体検査システムを示す概略図である。
【
図2】(A)は検査サーバの構成図であり、(B)は記憶部に記憶されているデータの説明図である。
【
図3】(A)は院内クライアントから検査サーバにアクセスがあった場合の制御部の働きを示す概略図であり、(B)は院外クライアントから検査サーバにアクセスがあった場合の制御部の働きを示す概略図であり、(C)は検査サーバが院内クライアントから受信するデータの構成図であり、(D)は検査サーバが院外クライアントから受信するデータの構成図である。
【
図4】院内データベースに記憶されている患者データテーブル、検査依頼データテーブル、検査結果データテーブルの説明図である。
【
図5】院外データベースに記憶されている患者データテーブル、検査依頼データテーブル、検査結果データテーブルの説明図である。
【
図6】ユーザーデータベースに記憶されている院内ユーザー情報テーブル、院外ユーザー情報テーブルを示す図である。
【
図7】院内クライアントまたは院外クライアントから検査サーバに検査依頼を行うときのやりとり図である。
【
図8】院内クライアントまたは院外クライアントから検査サーバに検査依頼を行うときのやりとり図である。
【
図9】検査室にて検体検査を行った後に検査サーバにて検体検査結果を記憶するときのやり取り図である。
【
図10】院内クライアントまたは院外クライアントが検査依頼後に検査サーバから検査完了通知情報を受信するときのやりとり図である。
【
図11】院内クライアントまたは院外クライアントが検査依頼後に検査サーバから検査完了通知情報を受信するときのやりとり図である。
【
図12】院内クライアントまたは院外クライアントが検査完了後に検査サーバから検査結果のデータを受信するときのやりとり図である。
【
図13】院内クライアントまたは院外クライアントが検査完了後に検査サーバから検査結果のデータを受信するときのやりとり図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る検体検査システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0014】
実施例に係る検体検査システムにつき、
図1から
図13を参照して説明する。
【0015】
先ず、検体検査機能を有する中核病院H01について説明する。
図1に示すように、中核病院H01内には、該中核病院H01を受診した患者の電子カルテデータが記憶されている記憶部(ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ)が内蔵されたサーバコンピュータである電子カルテサーバ120が設けられている。本実施例における電子カルテサーバ120は、中核病院H01内において電子カルテデータをデータベース化して記録しておくため専用に構築されたサーバコンピュータであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子カルテサーバ120は、一般的に市販されているパーソナルコンピュータによって構築してもよい。
【0016】
電子カルテサーバ120は、各診察室に設置されたクライアントコンピュータである院内クライアント121、122、123と院内LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続されている。尚、これら院内クライアント121、122、123は、画像を表示可能なディスプレイ等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置等を有するともに、院内LANを通じて電子カルテサーバ120や後述する検査サーバ103との比較的高速の通信機能を有する一般的に市販されているパーソナルコンピュータである。このため、各診察室では、医師等の使用者による院内クライアント121、122、123の操作によって、電子カルテサーバ120に記憶されている診察対象の各患者の電子カルテを閲覧したり、電子カルテに記憶されている診察情報等をキーボードやマウス等の操作によって適宜更新することが可能となっており、これら院内クライアント121、122、123と電子カルテサーバ120によって電子カルテシステムが構成されている。
【0017】
尚、本実施例における電子カルテシステムとしては、電子カルテデータをデータベース化して記録しておくため専用のサーバコンピュータ(電子カルテサーバ120)を中核病院H01内に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該電子カルテサーバ120は中核病院H01外に設置されたサーバコンピュータであってもよい。
【0018】
また、該中核病院H01には、患者から検体を採取するための検体採取室、入院患者を収容している各病棟が設けられている。これら検体採取室及び各病棟には、各診察室に設けられた院内クライアント121、122、123と同様の一般的に市販されているクライアントコンピュータ(パーソナルコンピュータ)であって、院内LANを通じて電子カルテサーバ120や後述する検査サーバ103との比較的高速の通信機能を有する院内クライアント124C、125C、126Cが設けられている。これら院内クライアント124C、125C、126Cには、検体検査を行うための後述するバーコードラベルを読み取るためのバーコードリーダ124R、125R、126Rが接続されている。各診察室、検体採取室、各病棟には、後述する検査サーバ103からの指示によって1次元バーコードを含むバーコードラベルを印刷可能なプリンタ131、132、133、124P、125P、126Pも設置されている。
【0019】
バーコードリーダ124R、125R、126Rは、1次元バーコードに対して光を当て、その反射光を捉えることによって2値のデジタル信号に置き換えてデータを取り出すための一般的に市販されているスキャン装置である。尚、本実施例におけるバーコードリーダ124R、125R、126Rは、1次元バーコードを読み取り可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、2次元バーコードを読み取り可能としてもよい。
【0020】
また、本実施例におけるプリンタ131、132、133、124P、125P、126Pは、バーコードラベル以外についても印刷可能な一般的に市販されているプリンタであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、バーコードラベルを印刷する専用のプリンタであってもよい。更に、プリンタ131、132、133、124P、125P、126Pの印刷形式はトナーパウダーを熱で溶かすことによって紙に定着させるレーザー式でもよいし、微滴化したインクを紙に吹きるインクジェット方式であってもよい。
【0021】
更に、中核病院H01内には、検体採取室で患者から採取した検体の検査を行うための複数の検査室(第1検査室、第2検査室、第3検査室…)も設けられている。これら複数の検査室には、検査内容の確認や検体検査結果等の入力が可能な検査クライアント104C、105C、106Cが設けられている。これら検査クライアント104C、105C、106Cは、院内クライアント121、122、123と同様の一般的に市販されているクライアントコンピュータ(パーソナルコンピュータ)であるとともに、バーコードリーダ124R、125R、126Rと同様のバーコードリーダ104R、105R、106Rが接続されている。
【0022】
更に、各検査室には、後述する検査サーバ103からの指示によってバーコードラベルを印刷可能なプリンタ104P、105P、106Pと、これらプリンタ104P、105P、106Pにて印刷されたバーコードラベルを検体容器に自動的に貼り付けていく検査採取準備システム104S、105S、106Sも設けられている。
【0023】
尚、検査クライアント104C、105C、106Cは、院内クライアント121、122、123、124C、125C、126Cと同じくディスプレイ等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置を有するとともに、検査システム内LANを通じて検査サーバ103との比較的高速の通信機能を有する一般的に市販されているクライアントコンピュータ(パーソナルコンピュータ)である。尚、バーコードリーダ104R、105R、106Rは、バーコードリーダ124R、125R、126Rと同様の機能を有していればよく、また、プリンタ104P、105P、106Pは、プリンタ131、132、133、124P、125P、126Pと同様の機能を有していればよい。
【0024】
尚、検査採取準備システム104S、105S、106Sは、検査クライアント104C、105C、106C、バーコードリーダ104R、105R、106R、プリンタ104P、105P、106Pとは異なり、例えば、1時期に大量に検体検査を行う場合等において使用され、バーコードラベルを検体容器に自動的に貼り付けていく専用のシステムである。
【0025】
そして、中核病院H01には、サーバコンピュータである検査サーバ103が設けられている。該検査サーバ103は、院内LANを介して電子カルテサーバ120、院内クライアント121、122、123、124C、125C、126C、プリンタ131、132、133、124P、125P、126Pに接続されているとともに、検査システム内LAN(ローカルエリアネットワーク)を介して検査クライアント104C、105C、106C、プリンタ104P、105P、106P、検査採取準備システム104S、105S、106Sと双方向通信可能に接続されており、これら検査サーバ103、院内クライアント121、122、123、124C、125C、126C、検査クライアント104C、105C、106C、バーコードリーダ124R、125R、126R、104R、105R、106R、プリンタ131、132、133、124P、125P、126P、104P、105P、106P、検査採取準備システム104S、105S、106Sによって中核病院H01内にて検体検査を行うための検体検査システムが構成されている。
【0026】
本実施例の検体検査システムにおいては、以下の順で患者からの検体の採取及び検体検査を実行可能となっている。
1:各診察室の院内クライアント121、122、123から検体検査の依頼を行うことによって、検体を採取する患者の情報や検体検査項目等の情報を含むバーコードラベルを、検査サーバ103が検体検査の依頼を行った院内クライアント121、122、123に対応するプリンタ131、132、133から印刷する。
2:印刷されたバーコードラベルとともに検体検査対象であることを示す検査票を患者に持たせて検体採取室に向かわせる。
3:検体採取室では、院内クライアント124Cの使用者が検体検査対象である患者から検査票とバーコードラベルを受け取り、該受け取ったバーコードラベルを検体容器に貼り付ける。また、院内クライアント124Cの使用者は、バーコードリーダ124Rを用いて検体容器に貼り付けられているバーコードラベルから検体検査項目を読み取り、該読み取った検体検査項目に対応する検体の採取を行う。このとき、採取された検体は当該検体容器に入れられた状態で各検査室に搬送される。
4:各検査室では、検査クライアント104C、105C、106Cの使用者がバーコードリーダ104R、105R、106Rを用いて検体容器に貼り付けられているバーコードラベルから検体検査項目を読み取り、該読み取った検体検査項目についての検体検査を実施する。検査終了後は、検査結果のデータが検査サーバ103に送信される。
【0027】
尚、院内クライアント121、122、123から依頼された各検体検査の全項目が全て終了して該検査結果のデータが検査サーバ103に送信されて記憶されることによって、検査サーバ103に院内クライアント121、122、123によりアクセスすることで、各検体検査結果を院内クライアント121、122、123において閲覧することが可能となっている。
【0028】
このように、本発明における検体検査システムは、中核病院H01内の院内クライアント121、122、123からの検査依頼を受け付けたことにもとづいて該中核病院H01内で検体検査を行い、該検体検査の結果を中核病院H01内の院内クライアント121、122、123にて閲覧可能とするシステムであるが、中核病院H01とは異なる院外施設C01、C02、C03にて採取された検体に対して検体検査を実施し、該検体検査の結果を各院外施設C01、C02、C03に設けられた院外クライアントC01CA、C02CA、C03CAにて閲覧することを可能とする機能も有している。
【0029】
具体的には、
図1に示すように、中核病院H01外には、該中核病院H01よりも比較的規模の小さいクリニック等の複数の院外施設C01、C02、C03が設けられている。これら院外施設C01、C02、C03内には、単数あるいは複数の院外クライアント(
図1に示す例では、院外施設C01には院外クライアントC01CA、院外施設C02には院外クライアントC02CAと院外クライアントC02CB、院外施設C03には院外クライアントC03CA)と、バーコードラベルを印刷可能なプリンタC01P、C02P、C03Pが設けられている。
【0030】
院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAは、院内クライアント121、122、123、124C、125C、126Cや検査クライアント104C、105C、106Cと同様にディスプレイ等の表示装置、キーボードやマウス等の入力装置を有するとともに、インターネットを通じて検査サーバ103との比較的高速の通信機能を有する一般的に市販のパーソナルコンピュータである。尚、プリンタC01P、C02P、C03Pは、プリンタ131、132、133、124P、125P、126P、104P、105P、106Pと同様の機能を有していればよい。
【0031】
これら院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CA及びプリンタC01P、C02P、C03Pは、コンピュータネットワークの中継・転送機器であるルータC01L、C02L、C03Lを介してインターネットに接続されている。また、検査サーバ103もルータC01L、C02L、C03Lと同様のルータ102を介してインターネットに接続されている。このため、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CA及びプリンタC01P、C02P、C03Pは、インターネットを介して検査サーバ103と双方向通信が可能となっており、検査サーバ103は、該インターネットを介して各院外施設C01、C02、C03からの検体検査の依頼を受けることが可能である。
【0032】
該検体検査システムとしては、以下の順で院外施設C01、C02、C03からの検体検査の依頼及び検体検査を実行可能となっている。
1:各院外施設C01、C02、C03に設けられた院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検体検査の依頼を行うことによって、検体を採取する患者の情報や検体検査項目等の情報を含むバーコードラベルを、検査サーバ103が検体検査の依頼を行った院外施設C01、C02、C03に対応するプリンタC01P、C02P、C03Pから印刷する。
2:院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの使用者が患者からの検体採取を行い、採取した検体を検体容器に入れる。尚、検体が入れられた容器とバーコードラベルは、例えば、郵送等の手段によって中核病院H01の各検査室に搬送される。
4:各検査室では、検査クライアント104C、105C、106Cの使用者が検体容器にバーコードラベルを貼り付けるとともに、バーコードリーダ104R、105R、106Rを用いて検体容器に貼り付けられているバーコードラベルから検体検査項目を読み取る。また、読み取った検体検査項目についての検体検査を実施する。検査終了後は、検査結果のデータが検査サーバ103に送信される。
【0033】
尚、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAにて依頼した検体検査が全て終了した後は、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103にアクセスすることによって、検体検査結果を閲覧することが可能となっている。
【0034】
ここで、検査サーバ103の構成について説明する。
図2(A)に示すように、検査サーバ103は、該検査サーバ103における各種制御を実行するための制御部103a、該検査サーバ103の管理者等からの入力操作を受けるための操作部103b、操作部103bからの入力操作結果や該検査サーバ103における各種処理結果等を表示するための表示部103c、該検査サーバ103において使用される各種プログラムやデータが記憶されている記憶部103dを有している。本実施例における記憶部103dは、一般的に市販されている1のハードディスクドライブである。
【0035】
また、検査サーバ103は、ルータ102を介してインターネットに接続されている第1通信部103e、検査システム内LANに接続されている第2通信部103f、院内LANに接続されている第3通信部103gを有している。つまり、本発明における検査サーバ103は、第1通信部103eを用いて各院外施設C01、C02、C03に設置された院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAと双方向通信可能であり、第2通信部103fを用いて中核病院H01内の各検査室(第1検査室、第2検査室、第3検査室)に設置された検査クライアント104C、105C、106C、プリンタ104P、105P、106P、検査採取準備システム104S、105S、106Sと双方向通信可能であり、第3通信部103gを用いて各診察室や検体採取室、各病棟に設置されている院内クライアント121、122、123、124C、125C、126Cやプリンタ131、132、133、124P、125P、126Pと双方向通信可能となっている。
【0036】
尚、本実施例では、検査サーバ103は3つの通信部(第1通信部103e、第2通信部103f、第3通信部103g)を有しており、それぞれ第1通信部103eが院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAと双方向通信可能に接続されており、第2通信部103fが検査クライアント104C、105C、106C、プリンタ104P、105P、106P、検査採取準備システム104S、105S、106Sと双方向通信可能に接続されており、第3通信部103gが院内クライアント121、122、123、124C、125C、126Cやプリンタ131、132、133、124P、125P、126Pと双方向通信可能に接続されているので、第1通信部103eと第3通信部103gのいずれか一方が故障したとしても、院内クライアント121、122、123と院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAのうち一方からの検査サーバ103の利用を継続できる。
【0037】
尚、本実施例では、検査サーバ103は3つの通信部(第1通信部103e、第2通信部103f、第3通信部103g)を有しており、それぞれ第1通信部103eが院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAと双方向通信可能に接続されており、第2通信部103fが検査クライアント104C、105C、106C、プリンタ104P、105P、106P、検査採取準備システム104S、105S、106Sと双方向通信可能に接続されており、第3通信部103gが院内クライアント121、122、123、124C、125C、126Cやプリンタ131、132、133、124P、125P、126Pと双方向通信可能に接続されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、検査サーバ103に設けられる通信部は1つのみであってもよい。このように検査サーバ103に通信部を1つのみ設ける場合は、該通信部についてファイヤーウォール等のセキュリティ対策を施すのみで検体検査システムのセキュリティ性を向上させることができる。
【0038】
また、
図2(B)に示すように、記憶部103dには、検体検査を実施するための検体検査用プログラムと、中核病院H01内の各診察室や病棟から依頼される検体検査に関する検査データ(患者データ、検査依頼データ、検査結果データ)が記憶されている院内データベースと、各院外施設C01、C02、C03から依頼される検体検査に関する検査データ(患者データ、検査依頼データ、検査結果データ)が記憶されている院外データベースと、検査サーバ103にアクセス可能なユーザー情報が記憶されているユーザーデータベースと、アクセス制御モジュールと、が記憶されている。
【0039】
このうち、院外データベースは、本検体検査システムにおいて中核病院H01内の各院内クライアント121、122、123からの検査依頼にもとづいて検体検査を実施する機能に加えて、院外施設C01、C02、C03に設けられた各院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからの検査依頼にもとづいて検体検査を実施する機能が実装されたことにより新たに記憶部103dに追加記憶されたデータベースである。
【0040】
また、アクセス制御モジュールは、記憶部103dに院外データベースが追加記憶されたことにより、検査サーバ103にアクセスがあった場合に、該アクセスが院内クライアント121、122、123と院外クライアントC01CA、C02C、C03CAとのいずれからのアクセスであるかを判定して院内データベースと院外データベースのどちらへのアクセスを可能とするかを制御するためのプログラムである。
【0041】
尚、
図2(B)に示すように、院内データベースは、全体にて中核病院H01内から依頼された全て検体検査のデータを記憶する院内用検体検査情報格納領域を構成する一方で、院外データベースは、検体検査を依頼した院外施設毎に検体検査のデータを記憶する複数の院外施設用検体検査情報格納領域(第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域…)から構成されており、各院外施設用検体検査情報格納領域は、対応する院外施設C01、C02、C03の院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからのみアクセス可能となっている。
【0042】
尚、本実施例では、記憶部103dを1のハードディスクドライブにより構成し、該ハードディスクドライブ内に院内データベースと院外データベースとを設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく記憶部103dを複数のハードディスクドライブから構成し、院内データベースと院外データベースとをそれぞれ異なるハードディスクに設けてもよい。このようにすることで、仮に院内データベースが設けられたハードディスクドライブと院外データベースが設けられたハードディスクのうちいずれか一方が故障しても、院内クライアント121、122、123と院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAのうち一方からの検査サーバ103の利用を継続できる。
【0043】
図3(A)~
図3(D)に示すように、本発明における検査サーバ103では、制御部103aは、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからアクセスがあった場合(院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからデータを受信した場合)、アクセス制御モジュールを用いることによって、該受信したデータを構成するIPヘッダー、TCPヘッダー、端末ID、送信対象データ等の内から端末IDを特定し、該特定した端末IDに受信したデータの送信元が院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAのいずれかであることを示す施設コードが含まれているか否かを判定する処理を実行する。
【0044】
このとき、特定した端末IDに施設コードが含まれていない場合、すなわち、受信したデータの送信元が院内クライアント121、122、123のいずれかである場合、制御部103aは、院内クライアント121、122、123による院内用検体検査情報格納領域(院内データベース)へのアクセスを実行可能とするとともに、院内クライアント121、122、123による第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域(院外データベース)へのアクセスを実行不能とし、各院外施設C01、C02、C03から依頼された検体検査に関する検査データが院内クライアント121、122、123を介して中核病院H01内に漏洩してしまうことを防止するようになっている。
【0045】
一方で、特定した端末IDに施設コードが含まれている場合、すなわち、受信したデータの送信元が院外クライアントC01CA、C02C、C03CAのいずれかである場合、制御部103aは、院外クライアントC01CA、C02C、C03CAによる第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域(院外データベース)のうち施設コードに対応する院外施設用検体検査情報格納領域へのアクセスを実行可能とするとともに、院外クライアントC01CA、C02C、C03CAによる院内用検体検査情報格納領域(院内データベース)へのアクセスを実行不能とし、各院内クライアント121、122、123から依頼された検体検査に関する検査データが院外クライアントC01CA、C02C、C03CAを介して院外施設C01、C02、C03に漏洩してしまうことを防止するようになっている。
【0046】
図4(A)~
図4(C)に示すように、記憶部103dの院内データベース(院内用検体検査情報格納領域)としては、検体検査の検査対象である患者のデータ(患者データ)を記憶するための患者データテーブルと、各院内クライアント121、122,123から依頼された検体検査のデータ(検査依頼データ)を記憶するための検査依頼データテーブルと、完了した検体検査の結果データ(検査結果データ)を記憶するための検査結果データテーブルと、が設けられている。
【0047】
図4(A)に示す患者データテーブルは、予め中核病院H01内で各患者に割り当てられている8桁の患者IDと患者の氏名、患者の性別、患者の生年月日を関連付けて記憶するデータテーブルである。
図4(B)に示す検査依頼データテーブルは、検査サーバ103にて各院内クライアント121、122、123から検査依頼を受け付けた受付日時、患者ID、検査依頼毎に作成されるオーダー番号、検査依頼の具体的な検査項目を記憶するデータテーブルである。尚、オーダー番号は、検査サーバ103にて各院内クライアント121、122、123から検査依頼を受け付けた受付日時のうち、「月」と「日」に該当する部分の4桁の数値を、患者IDの先頭に付与することによって作成される。
【0048】
図4(C)に示す検査結果データテーブルは、オーダー番号と、検査項目毎の具体的な数値や検査結果と、依頼された検査項目が全て完了したか否かを判定するための検査完了フラグと、を記憶するためのデータテーブルである。尚、検査完了フラグの値としては、初期状態で検体検査未完了を示す「0」がセットされており、オーダー番号に対応する全ての検体検査が完了することによって検体検査完了を示す「1」がセットされるようになっている。
【0049】
また、院外データベースは、前述したように、院外施設C01から依頼された検体検査情報を記憶するための第1院外施設用検体検査情報格納領域、院外施設C02から依頼された検体検査情報を記憶するための第2院外施設用検体検査情報格納領域、院外施設C03から依頼された検体検査情報を記憶するための第3院外施設用検体検査情報格納領域等の複数の院外施設用検体検査情報格納領域から構成されている。以下では、院外施設用検体検査情報格納領域について第1院外施設用検体検査情報格納領域を例に説明する。
【0050】
図5(A)~
図5(C)に示すように、第1院外施設用検体検査情報格納領域としては、検体検査の検査対象である患者のデータ(患者データ)を記憶するための患者データテーブルと、院外施設C01に設置された院外クライアントC01CAから依頼された検体検査のデータ(検査依頼データ)を記憶するための検査依頼データテーブルと、完了した検体検査の結果データ(検査結果データ)を記憶するための検査結果データテーブルと、が設けられている。
【0051】
図5(A)に示す患者データテーブルは、院外施設C01にて患者に割り当てられる8桁の患者IDの先頭に施設コードを付与して記憶するデータテーブルである。尚、
図4(A)及び
図5(A)に示すように、院外データベース(院内施設用検体検査情報格納領域)の患者データテーブルでは、患者IDと患者の氏名、患者の性別、患者の生年月日を関連付けて記憶する一方で、第1院外施設用検体検査情報格納領域の患者データテーブルでは施設コード付きの患者IDを記憶するのみであるため、検査サーバ103の管理者等の操作によって該第1院外施設用検体検査情報格納領域の患者データテーブル内のデータが閲覧された場合であっても患者の氏名、性別、生年月日等の個人情報が漏洩してしまうことが防止されている。
【0052】
図5(B)に示す検査依頼データテーブルは、検査サーバ103にて院外施設C01に設けられた院外クライアントC01CAから検査依頼を受け付けた受付日時、施設コード付きの患者ID、検査依頼毎に作成されるオーダー番号、検査依頼の具体的な検査項目を記憶するデータテーブルである。尚、オーダー番号は、検査サーバ103にて院外クライアントC01CAから検査依頼を受け付けた受付日時のうち、「月」と「日」に該当する部分の4桁の数値を、患者IDの先頭に付与することによって作成される。
【0053】
図5(C)に示す検査結果データテーブルは、オーダー番号と、検査項目毎の具体的な数値や検査結果と、依頼された検査項目が全て完了したか否かを判定するための検査完了フラグと、を記憶するためのデータテーブルである。尚、検査完了フラグの値としては、初期状態で検体検査未完了を示す「0」がセットされており、オーダー番号に対応する全ての検体検査が完了することによって検体検査完了を示す「1」がセットされるようになっている。
【0054】
図6(A)及び
図6(B)に示すように、ユーザーデータベースには、中核病院H01内における院内クライアント121、122、123の使用者毎に付与されたユーザーID及びパスワードと、各院内クライアント121、122、123を識別するための端末IDと、を関連付けて記憶した院内ユーザー情報テーブルと、各院外施設C01、C02、C03における院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの使用者毎に付与されたユーザーID及びパスワードと、各院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAを識別するための端末IDと、を関連付けて記憶した院外ユーザー情報テーブルと、が記憶されている。
【0055】
院内ユーザー情報テーブルに記憶されている端末IDは、各使用者が使用する院内クライアント121、122、123を識別可能なシリアル番号を含んでいるが、施設コードは含まれていない。一方で、
図6(B)に示すように、院外ユーザー情報テーブルに記憶されている端末IDは、各使用者が使用する院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAを識別可能なシリアル番号に加えて、各院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAが設置されている院外施設C01、C02、C03を識別可能な施設コードを含んでいる。具体的には、院外施設C01に設置された院外クライアントC01CAには、「C01」の施設コードが、院外施設C02に設置された院外クライアントC02CAと院外クライアントC02CBには、「C02」の施設コードが、院外施設C03に設置された院外クライアントC03CAには、「C03」の施設コードがそれぞれ含まれている。
【0056】
尚、
図6(C)に示すように、これらユーザーID及びパスワードは、院内クライアント121、122、123の使用者、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの使用者それぞれに個別に通知される公開情報であるのに対して、端末IDは、院内クライアント121、122、123の使用者、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの使用者には通知されることのない非公開情報である。
【0057】
つまり、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの使用者は、個別に通知されたユーザーIDやパスワードの入力によって検査サーバ103に対してアクセスすること自体は可能となっているが、各院外施設C01、C02、C03に付与されている施設コードは認識し得ないため、他の院外施設C01、C02、C03から依頼された検体検査の結果等を閲覧すること等が困難となっている。
【0058】
次に、各診察室の院内クライアント121、122、123または各院外施設C01、C02、C03の院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAから検査サーバ103に対して検体検査の検査依頼を行うときのやり取りを
図7及び
図8にもとづいて説明する。
【0059】
先ず、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02CA、C03CAAは、使用者からログイン情報(ユーザーID及びパスワード)の入力を受け付けると(ステップS101)、該入力を受け付けたログイン情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS102)。
【0060】
検査サーバ103(制御部103a)は、ログイン情報を受信すると(ステップS103)、該受信したユーザーID及びパスワードと一致する院内ユーザー情報を特定する(ステップS104)。具体的に制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せを、
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせから特定する。
【0061】
ここで、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に無い場合(ステップS105;N)は、更に、受信したユーザーID及びパスワードと一致する院外ユーザー情報を特定する(ステップS106)。具体的に制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せを、
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせから特定する。
【0062】
ここで、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に無い場合(ステップS107;N)、制御部103aは、検査サーバ103に対してログイン情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、記憶部103dへのアクセスを許可しない旨を示すアクセス不許可情報を送信する(ステップS108)。
【0063】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、アクセス不許可情報を受信した場合(ステップS109)は、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により記憶部103dへのアクセスが許可されなかった旨の報知(アクセス不許可通知)を行う(ステップS110)。
【0064】
一方で、制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に有る場合(ステップS105;Y)、または、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に有る場合(ステップS107;Y)は、
図6(A)に示す院内ユーザー情報または
図6(B)に示す院外ユーザー情報から、受信したユーザーID及びパスワードと関連付けて記憶されている端末IDを更に特定する(ステップS111)。
【0065】
そして、検査サーバ103に対してログイン情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、記憶部103dへのアクセスを許可する旨の情報として、特定した端末IDを含むアクセス許可情報を送信する(ステップS112)。
【0066】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、アクセス許可情報を受信した場合(ステップS113)は、該アクセス許可情報に含まれている端末IDを図示しないRAMの特定の記憶領域に一時的に記憶するとともに(ステップS114)、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により記憶部103dへのアクセスが許可された旨の報知(アクセス許可通知)を行う(ステップS115)。
【0067】
アクセス許可通知が行われた後の院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、使用者から検体検査の検査項目と患者IDの入力を受け付ける(ステップS116)。尚、このとき院内クライアント121、122、123から入力を受け付ける患者IDは、予め中核病院H01において患者に付与されている8桁のID(電子カルテサーバ120にて各患者の氏名、性別、生年月日、病歴等と対応付けて記憶されているID)であり、院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAから入力を受け付ける患者IDは、院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAが独自に患者に付与したIDである。
【0068】
患者IDと検査項目の入力を受け付けた後の院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、これら入力を受け付けた患者ID、検査項目及び端末IDを含む検査依頼情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS117)。
【0069】
制御部103aは、検査依頼情報を受信すると(ステップS118)、該検査依頼情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれているか否かを判定する(ステップS119)。端末IDに施設コードが含まれている場合(ステップS119;Y)は、受信した検査依頼情報に含まれている患者IDを院外データベースの患者データとして、該施設コードが示す院外施設用検体検査情報格納領域の患者データテーブル(
図5(A)参照)に追加記憶する(ステップS120)。
【0070】
更に、制御部103aは、受信した検査依頼情報に含まれている患者IDと該検査依頼情報を受信した受信日時からオーダー番号を生成するとともに(ステップS121)、受信した検査依頼情報に含まれている検査項目、患者IDと、オーダー番号、受信日時を院外データベースの検査依頼データとして、該施設コードが示す院外施設用検体検査情報格納領域の検査依頼データテーブル(
図5(B)参照)に追加記憶する(ステップS122)。
【0071】
一方で、端末IDに施設コードが含まれていない場合(ステップS119;N)、制御部103aは、受信した検査依頼情報に含まれている患者IDと一致する患者IDを有する患者データを院内データベースの患者データテーブル(
図4(A)参照)から特定する(ステップS123)。このとき、受信した検査依頼情報に含まれている患者IDと一致する患者IDを有する患者データが院内データベースの患者データテーブルに無い場合(ステップS124;N)は、受信した検査依頼情報に含まれている患者IDから電子カルテサーバ120に記憶されている患者名、性別、生年月日等を特定し、これら特定した患者名、性別、生年月日等を患者IDに関連付けて、患者データとして院内データベースの患者データテーブル(
図4(A)参照)に追加記憶する(ステップS125)。
【0072】
受信した検査依頼情報に含まれている患者IDと一致する患者IDを有する患者データが院内データベースの患者データテーブルに有る場合(ステップS124;Y)やステップS125の処理の実行後、制御部103aは、受信した検査依頼情報に含まれている患者IDと該検査依頼情報を受信した受信日時からオーダー番号を生成するとともに(ステップS127)、受信した検査依頼情報に含まれている検査項目、患者IDと、オーダー番号、受信日時を院内データベースの検査依頼データとして、
図4(B)に示す検査依頼データテーブルに追加記憶する(ステップS128)。
【0073】
ステップS122またはステップS128の実行後、制御部103aは、受信した検査依頼情報に含まれている端末ID内のシリアル番号等から印刷指示対象プリンタを特定し、該印刷指示対象プリンタに対して検査項目、患者ID、オーダー番号を含むバーコードラベル印刷指示情報を送信するとともに(ステップS129)、受信した検査依頼情報に含まれている端末ID内のシリアル番号等から検査依頼情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAを特定し、該特定した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対してオーダー番号を含む検査依頼完了情報を送信する(ステップS132)。
【0074】
バーコードラベル印刷指示情報を受信したプリンタ(中核病院H01の各診察室に設置されているプリンタ131、132、133または各院外施設C01、C02、C03に設置されているプリンタC01P、C02P、C03Pのいずれか)は、バーコードラベル印刷指示情報を受信した場合(ステップS130)、該バーコードラベル印刷指示情報に含まれている検査項目、患者ID、オーダー番号にもとづくバーコードラベルを印刷する(ステップS131)。
【0075】
また、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、検査依頼完了情報を受信した場合(ステップS133)、該受信した検査依頼完了情報に含まれているオーダー番号を記憶する(ステップS134)。
【0076】
尚、中核病院H01の各診察室に設置されているプリンタ131、132、133にてバーコードラベルが印刷された場合、該バーコードラベルは、各診察室にて検査対象の検体を入れるための検体容器に貼り付けられる。そして、バーコードラベルが貼り付けられた後の検体容器は、検体採取室にて検体を入れられた後検査室(第1検査室~第3検査室のいずれか)に搬送される。
【0077】
また、各院外施設C01、C02、C03に設置されているプリンタC01P、C02P、C03Pのいずれかにてバーコードラベルが印刷された場合、該バーコードラベルは各院外施設C01、C02、C03内にて検査対象の検体を入れるための検体容器に貼り付けられる。そして、バーコードラベルが貼り付けられた後の検体容器は、各院外施設C01、C02、C03内にて検体を入れられた後に中核病院H01内の検査室(第1検査室~第3検査室のいずれか)に搬送される。
【0078】
次に、各検査室にて検体検査を行った後に検査サーバ103にて検体検査結果を記憶するときのやり取りを
図9にもとづいて説明する。
【0079】
先ず、各検査室に設置されている検査クライアント104C、105C、106Cは、使用者によるバーコードリーダ104R、105R、106Rの操作によって検体容器に貼り付けられているコーバードラベルを読み込み(ステップS201)、該読み込んだバーコードラベルから検査項目、患者ID、オーダー番号を特定する(ステップS202)。そして、特定した検査項目にもとづく検体検査を実施するとともに(ステップS203)、該実施した検体検査の検査結果の入力を行い(ステップS204)、検体検査の検査結果、患者ID、オーダー番号を含む検査終了情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS205)。
【0080】
制御部103aは、検査終了情報を受信した場合(ステップS206)、該検査終了情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれているか否かを判定する(ステップS207)。端末IDに施設コードが含まれている場合(ステップS207;Y)は、受信した検査終了情報に含まれている検査結果とオーダー番号とを関連付けて、院外データベースの検査結果データとして
図5(C)に示す検査結果データテーブルに追加記憶する(ステップS208)。また、該検査終了情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれていない場合(ステップS207;N)は、受信した検査終了情報に含まれている検査結果とオーダー番号とを関連付けて、院内データベースの検査結果データとして
図4(C)に示す検査結果データテーブルに追加記憶する(ステップS209)。
【0081】
そして、ステップS208またはステップS209の処理の後は、検査結果データとして、検査結果データテーブルに追加記憶したオーダー番号に関連付けて検体検査が完了した旨を示す検査完了フラグをセットする(ステップS210)。
【0082】
次に、各診察室の院内クライアント121、122、123または各院外施設C01、C02、C03の院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAが検査サーバ103から検体検査が完了したことを示す検査完了通知情報を受信するときのやりとりを
図10及び
図11にもとづいて説明する。
【0083】
先ず、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02CA、C03CAAは、使用者からログイン情報(ユーザーID及びパスワード)の入力を受け付けると(ステップS301)、該入力を受け付けたログイン情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS302)。
【0084】
検査サーバ103(制御部103a)は、ログイン情報を受信すると(ステップS303)、該受信したユーザーID及びパスワードと一致する院内ユーザー情報を特定する(ステップS304)。具体的に制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せを、
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせから特定する。
【0085】
ここで、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に無い場合(ステップS305;N)は、更に、受信したユーザーID及びパスワードと一致する院外ユーザー情報を特定する(ステップS306)。具体的に制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せを、
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせから特定する。
【0086】
ここで、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に無い場合(ステップS307;N)、制御部103aは、検査サーバ103に対してログイン情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、記憶部103dへのアクセスを許可しない旨を示すアクセス不許可情報を送信する(ステップS308)。
【0087】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、アクセス不許可情報を受信した場合(ステップS309)は、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により記憶部103dへのアクセスが許可されなかった旨の報知(アクセス不許可通知)を行う(ステップS310)。
【0088】
一方で、制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に有る場合(ステップS305;Y)、または、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に有る場合(ステップS307;Y)は、
図6(A)に示す院内ユーザー情報または
図6(B)に示す院外ユーザー情報から、受信したユーザーID及びパスワードと関連付けて記憶されている端末IDを更に特定する(ステップS311)。
【0089】
そして、検査サーバ103に対してログイン情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、記憶部103dへのアクセスを許可する旨の情報として、特定した端末IDを含むアクセス許可情報を送信する(ステップS312)。
【0090】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、アクセス許可情報を受信した場合(ステップS313)は、該アクセス許可情報に含まれている端末IDを図示しないRAMの特定の記憶領域に一時的に記憶するとともに(ステップS314)、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により記憶部103dへのアクセスが許可された旨の報知(アクセス許可通知)を行う(ステップS315)。
【0091】
ここで、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、オーダー番号の記憶が有るか否か(
図8のステップS134においてオーダー番号を記憶したか否か)を判定する(ステップS316)。オーダー番号の記憶が無い場合(ステップS316;N)は、その他の入力に応じた処理を実行し(ステップS317)、オーダー番号の記憶が有る場合(ステップS316;Y)は、端末IDとオーダー番号を含む検査結果問合せ情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS318)。
【0092】
制御部103aは、検査結果問合せ情報を受信した場合(ステップS323)は、受信した検査結果問合せ情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれているか否かを判定する(ステップS324)。受信した検査結果問合せ情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれている場合(ステップS324;Y)は、該施設コードが示す院外施設用検体検査情報格納領域の検査結果データテーブル(
図5(C)参照)に記憶されている検査結果データからオーダー番号の一致する検査結果データを特定し(ステップS325)、受信した検査結果問合せ情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれていない場合(ステップS324;N)は、院内データベースの検査結果データテーブル(
図4(C)参照)に記憶されている検査結果データからオーダー番号の一致する検査結果データを特定する(ステップS326)。
【0093】
ステップS325またはステップS326の実行後、制御部103aは、特定した検査結果データとして検査完了フラグがセットされているか否か、つまり、依頼した全ての検体検査が完了しているか否かを判定する(ステップ327)。特定した検査結果データとして検査完了フラグがセットされていない場合(ステップS327;N)は、検査サーバ103に対して検査結果問合せ情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、依頼した全ての検体検査が完了していない旨を示す検査未完了情報を送信し(ステップS328)、特定した検査結果データとして検査完了フラグがセットされている場合(ステップS327;Y)は、検査サーバ103に対して検査結果問合せ情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、依頼した全ての検体検査が完了している旨を示す検査完了情報を送信する(ステップS329)。
【0094】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、検査未完了情報を受信した場合(ステップS319)、検査結果問合せ待ちタイマに所定期間に応じたセットする(ステップS320)。そして、検査結果問合せ待ちタイマの減算処理(検査結果問合せ待ちタイマの値を-1する処理)を実行した後(ステップS321)、該検査結果問合せ待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップS322)。該検査結果問合せ待ちタイマがタイマアウトしていない場合(ステップS322;N)は、ステップS321とステップS322の処理を繰り返し実行する。
【0095】
また、検査結果問合せ待ちタイマがタイマアウトした場合(ステップS322;Y)は、再度S318no処理を実行することによって、検査サーバ103に対して検査結果問合せ情報を送信する。つまり、本実施例における院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、検査サーバ103に対して検体検査を依頼した後に検査サーバ103にログインし直した場合には、該ログインしたとき及び所定期間毎に検査サーバ103に対して依頼した検体検査が完了したか否かを問い合わせるようになっている。
【0096】
また、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、検未完了情報を受信した場合(ステップS330)、受信した検査完了情報に応じたオーダー番号の記憶をクリアするとともに(ステップS331)、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により、依頼した検体検査が全て完了した旨の報知(検体検査完了通知)を行う(ステップS332)。
【0097】
次に、各診察室の院内クライアント121、122、123または各院外施設C01、C02、C03の院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAが検査サーバ103から検体検査の完了後に検査サーバ103から検査結果を受信するときのやりとりを
図12及び
図13にもとづいて説明する。
【0098】
先ず、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02CA、C03CAAは、使用者からログイン情報(ユーザーID及びパスワード)の入力を受け付けると(ステップS401)、該入力を受け付けたログイン情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS402)。
【0099】
検査サーバ103(制御部103a)は、ログイン情報を受信すると(ステップS403)、該受信したユーザーID及びパスワードと一致する院内ユーザー情報を特定する(ステップS404)。具体的に制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せを、
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせから特定する。
【0100】
ここで、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に無い場合(ステップS405;N)は、更に、受信したユーザーID及びパスワードと一致する院外ユーザー情報を特定する(ステップS406)。具体的に制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せを、
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせから特定する。
【0101】
ここで、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に無い場合(ステップS407;N)、制御部103aは、検査サーバ103に対してログイン情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、記憶部103dへのアクセスを許可しない旨を示すアクセス不許可情報を送信する(ステップS408)。
【0102】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、アクセス不許可情報を受信した場合(ステップS409)は、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により記憶部103dへのアクセスが許可されなかった旨の報知(アクセス不許可通知)を行う(ステップS410)。
【0103】
一方で、制御部103aは、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(A)に示す院内ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に有る場合(ステップS405;Y)、または、受信したユーザーIDとパスワードとの組み合わせと一致するユーザーIDとパスワードの組合せが
図6(B)に示す院外ユーザー情報として記憶されているユーザーIDとパスワードとの組み合わせ内に有る場合(ステップS407;Y)は、
図6(A)に示す院内ユーザー情報または
図6(B)に示す院外ユーザー情報から、受信したユーザーID及びパスワードと関連付けて記憶されている端末IDを更に特定する(ステップS411)。
【0104】
そして、検査サーバ103に対してログイン情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、記憶部103dへのアクセスを許可する旨の情報として、特定した端末IDを含むアクセス許可情報を送信する(ステップS412)。
【0105】
院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、アクセス許可情報を受信した場合(ステップS413)は、該アクセス許可情報に含まれている端末IDを図示しないRAMの特定の記憶領域に一時的に記憶するとともに(ステップS414)、例えば、付属の表示装置での表示や、スピーカからの音出力等により記憶部103dへのアクセスが許可された旨の報知(アクセス許可通知)を行う(ステップS415)。また、端末IDとオーダー番号を含む検査結果要求情報を検査サーバ103に対して送信する(ステップS416)。
【0106】
制御部103aは、検査結果要求情報を受信した場合(ステップS417)、該受信した検査結果要求情報に含まれる端末IDに施設コードが含まれているか否かを判定する(ステップS418)。受信した検査結果要求情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれている場合(ステップS418;Y)は、該施設コードが示す院外施設用検体検査情報格納領域の検査結果データテーブル(
図5(C)参照)に記憶されている検査結果データから、オーダー番号の一致する検査結果データを特定し(ステップS419)、受信した検査結果要求情報に含まれている端末IDに施設コードが含まれていない場合(ステップS418;N)は、院内データベースの検査結果データテーブル(
図4(C)参照)に記憶されている検査結果データからオーダー番号の一致する検査結果データを特定する(ステップS420)。
【0107】
ステップS419またはステップS420の実行後、制御部103aは、検査サーバ103に対して検査結果要求情報を送信した院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAに対して、特定した検査結果データとして記憶されている各検査項目のデータを送信する(ステップS422)。
【0108】
そして、院内クライアント121、122、123または院外クライアントC01CAA、C02A、C03CAAは、各検査項目のデータを受信した場合(ステップS423)、例えば、付属の表示装置での表示において、各検査項目のデータにもとづいて検査結果の表示を行う(ステップS424)。
【0109】
以上、本発明における検体検査システムとしては、中核病院H01内において検査サーバ103にアクセス可能な院内クライアント121、122,123が設けられており、これら院内クライアント121、122,123からの検査依頼にもとづいて該中核病院H01内において検体検査が実施されるようになっている。また、検査サーバ103は、各院外施設C01、C02、C03に設けられた院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからもアクセス可能となっており、中核病院H01内にてこれら院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからの検査依頼にもとづく検体検査についても実施されるようになっている。
【0110】
そして、検査サーバ103は、記憶部103d内に記憶されたアクセス制御モジュールを用いることによって、該検査サーバ103へのアクセスが院内クライアント121、122,123と院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAとのどちらであるのかを判定可能となっている。
【0111】
このとき、検査サーバ103へのアクセスが院内クライアント121、122,123からのアクセスである場合は、院内データベースへのアクセスを可能とするとともに院外データベースへのアクセスを不能とし、検査サーバ103へのアクセスが院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからのアクセスである場合は、院外データベースへのアクセスを可能とするとともに院内データベースへのアクセスを不能とすることによって、中核病院H01にて依頼した検体検査の情報が院外施設C01、C02、C03に漏洩することや、院外施設C01、C02、C03にて依頼した検体検査の情報が中核病院H01に漏洩してしまうことを防ぐことができ、検体検査システムの機密性を向上することができる。
【0112】
また、本発明における検体検査システムは、院外施設C01、C02、C03からの検査依頼を受けるために記憶部103dに新たに院内データベースとは異なる院外データベースを追加記憶したことにより、該記憶部103dにアクセス制御モジュールを新たにインストールした。つまり、本発明における検体検査システムは、従来から中核病院H01内からの検査依頼にもとづく検体検査を実施するシステムとして該中核病院H01内に設定されている既存の検査サーバ103や院内クライアント121、122,123を流用して構成することが可能となっているので、新たに院外施設C01、C02、C03からの検査依頼にもとづく検体検査も実行可能なシステムを新規に導入するよりも導入コストを低減することができる。
【0113】
また、
図6に示すように、院内クライアント121、122,123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103に対しては、本発明におけるアクセス要求情報として検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を送信可能となっており、これら検査結果問合せ情報や検査結果要求情報には、送信元が院内クライアント121、122,123と院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAとのいずれのクライアントであるかを特定可能な端末IDが含まれている。
【0114】
ここで、
図6に示すように、院内クライアント121、122,123から検査サーバ103に対して送信される検査結果問合せ情報や検査結果要求情報に含まれる端末IDは、これら院内クライアント121、122、123を識別可能なシリアル番号から構成されている一方で、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103に対して送信される検査結果問合せ情報や検査結果要求情報に含まれる端末IDは、これら院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAを識別可能なシリアル番号と、各院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAが設置されている院外施設C01、C02、C03を識別可能な施設コードと、から構成されている。
【0115】
より正確には、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103に対して送信される検査結果問合せ情報や検査結果要求情報に含まれる端末IDは、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAを識別可能なシリアル番号の先頭に各院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAが設置されている院外施設C01、C02、C03を識別可能な施設コードが付与された情報である。このため、本発明の検体検査システムにおいては、既存の中核病院H01内に設けられている検体検査システムの一部として設けられている院内クライアント121、122,123の端末IDを流用することが可能となり、該既存の検体検査システムへの変更に対する負荷を低減することができるので、本発明の検体検査システムの導入コストをより低減することが可能となる。
【0116】
尚、検査サーバ103の制御部103aは、受信した検査結果問合せ情報や検査結果要求情報に施設コードが含まれているか否かを判定可能であって、受信した検査結果問合せ情報や検査結果要求情報に施設コードが含まれていない場合は、本発明における特別アクセス制御として、院内データベースへのアクセスを可能とするが院外データベースへのアクセスを不能とし、受信した検査結果問合せ情報や検査結果要求情報に施設コードが含まれている場合は、本発明における特定アクセス制御として、院外データベースへのアクセスを可能とするが院内データベースへのアクセスを不能としている。
【0117】
つまり、本発明における検体検査システムにおいて、制御部103aは、としての検査結果問合せ情報や検査結果要求情報を受信した際に施設コードの有無によって院内データベースへのアクセスを可能とするが院外データベースへのアクセスを不能とする、或いは、院外データベースへのアクセスを可能とするが院内データベースへのアクセスを不能とすることができるので、制御部103aの処理負荷を著しく提言することができ、院内クライアント121、122,123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAからの検査サーバ103へのアクセスによる遅延の発生を防ぐことが可能となる。
【0118】
また、
図6(B)に示すように、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの端末IDには、院外施設C01に設置された院外クライアントC01CAには、「C01」の施設コードが、院外施設C02に設置された院外クライアントC02CAと院外クライアントC02CBには、「C02」の施設コードが、院外施設C03に設置された院外クライアントC03CAには、「C03」の施設コードがそれぞれ含まれている。つまり、制御部103aは、アクセス要求情報としての検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を受信した際に施設コードを特定することによって、該アクセス要求情報が院外施設C01、C02、C03のいずれから送信されたかを特定可能となっている。
【0119】
そして、制御部103aは、アクセス要求情報としての検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を受信した際には、該施設コードに対応した施設コードが示す院外施設用検体検査情報格納領域へのアクセスのみを可能とし、他の施設コードが示す院外施設用検体検査情報格納領域へのアクセスを不能とするので、例えば、院外施設C01にて依頼した検体検査の情報が院外施設C02や院外施設C03に漏洩すること、院外施設C02にて依頼した検体検査の情報が院外施設C01や院外施設C03に漏洩すること、院外施設C03にて依頼した検体検査の情報が院外施設C01や院外施設C02に漏洩することを防ぐこともできるので、検体検査システムの君設位をより一層向上することが可能となっている。
【0120】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0121】
例えば、前記実施例では、中核病院H01内においては、各診察室に設置された院内クライアント121、122、123から検査サーバ103に対して検体検査の依頼を行うことが可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるのではなく、各病棟に設置された院内クライアント125C、126Cからも検査サーバ103に対して検体検査の依頼を行うことが可能なようにしてもよい。このようにすることで、各病棟に収容されている患者が診察室に行かずとも各病棟内から検査サーバ103に対して検体検査依頼を行うことができるので、検体検査対象となる患者の負担を低減することができる。尚、このように各病棟に設けられた院内クライアント125C、126Cから検査サーバ103が検体検査の依頼を受けた場合は、各病棟に設定されたプリンタ125P、126Pからバーコードラベルを印刷可能とし、これらプリンタ125P、126Pから印刷されたバーコードラベルを院内クライアント125C、126Cの使用者が検体容器に貼り付け可能としてもよい。
【0122】
更に中核病院H01内においては、検体採取室において院内クライアント124Cの使用者がバーコードリーダ124Rを用いて検体容器に貼り付けられているバーコードラベルから検体検査項目を読み取り、該読み取った検体検査項目に対応する検体の採取を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各病棟に設置された院内クライアント125C、126Cの使用者がバーコードリーダ125R、126Rを用いて検体容器に貼り付けられているバーコードラベルから検体検査項目を読み取り、該読み取った検体検査項目に対応する検体の採取を行うようにしてもよい。このようにすることで、各病棟に収容されている患者が検体採取室に行かずとも各病棟内で検体の採取を行うことができるので、検体検査対象となる患者の負担を低減することができる。
【0123】
また、前記実施例では、検査クライアント104C、105C、106Cの使用者がバーコードリーダ104R、105R、106Rを用いて検体容器に貼り付けられているバーコードラベルから検体検査項目を読み取り、該読み取った検体検査項目の検体検査を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バーコードリーダ104R、105R、106Rによって読み取られた検体検査項目を含む情報を検査クライアント104C、105C、106Cが検査サーバ103に対して送信し、検査サーバ(制御部103a)は、該情報を受信したことにもとづいて、検体検査用プログラムを用いて各検査室に設置されている各種検査機器を操作することによって検体検査を行うようにしてもよい。
【0124】
また、前記実施例では、検査クライアント104C、105C、106Cの使用者が検体検査を実行し、検査結果を検査クライアント104C、105C、106Cの操作によって検査サーバ103に記憶する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各検査室にバーコードリーダ104R、105R、106Rの機能を有する検体検査機器を設けるとともに該検体検査機器を検査サーバ103と通信可能に接続し、検体検査機器において自動的にバーコードラベルを読み取るとともに、該バーコードラベルから特定した情報にもとづいて検体検査の結果を検査サーバ103に自動的に送信するようにしてもよい。
【0125】
また、前記実施例では、各院内クライアント121、122、123の使用者が、プリンタ131、132、133から印刷されたバーコードラベルを検体容器に貼り付ける作業を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、健康診断等により検体検査を受ける患者数や検査項目が予め分かっている場合は、各検査室に設置されているプリンタ104P、105P、106Pにおいて印刷されたバーコードラベルを、検査採取準備システム104S、105S、106Sにて前もって自動的に貼り付けておくようにしてもよい。
【0126】
また、前記実施例では、院内クライアント121、122、123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103に対して検体検査を依頼した後は、これら院内クライアント121、122、123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAが検査サーバ103から検査完了情報を受信することによって検体検査の完了を通知可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれかの検査室のバーコードリーダ104R、105R、106Rにて検体容器に貼り付けられたバーコードラベルが読み取られた場合は、院内クライアント121、122、123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103が検体容器のバーコードラベルが読み取られたことを示すバーコードラベル読み取り完了情報を受信することによって検査室に検体容器が搬送されたこと(搬送が完了したこと)を通知可能としてもよい。
【0127】
また、前記実施例では、院内クライアント121、122、123,124C、125C、126C、検査クライアント104C、105C、106C、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAを市販のパーソナルコンピュータとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら院内クライアント121、122、123,124C、125C、126C、検査クライアント104C、105C、106C、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAは、本発明の検体検査システム専用に構築された専用クライアント(専用端末)であってもよい。
【0128】
また、前記実施例では、検体検査システムとして、検査サーバ103を中核病院H01内に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該検査サーバ103は中核病院H01外に設置されていてもよい。
【0129】
また、前記実施例では、電子カルテサーバ120と検査サーバ103とを別体のサーバコンピュータとして中核病院H01内に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子カルテサーバ120と検査サーバ103との両方の機能を有するサーバコンピュータを設け、該サーバコンピュータを電子カルテシステム及び検体検査システムの一部として構成してもよい。
【0130】
また、前記実施例では、制御部103aは、検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報に含まれる端末IDに施設コードが含まれているか否かによって、院内クライアント121、122、123による院内用検体検査情報格納領域へのアクセスを可能とするとともに、院内クライアント121、122、123による第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域のいずれかへのアクセスを不能とする、または、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAによる第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域のいずれかへのアクセスを可能とするとともに、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAによる院内用検体検査情報格納領域へのアクセスを不能とする形態を例示した。このようにすることで、多数のクライアントコンピュータから検査サーバ103に検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報が送信される場合であっても通信速度の低下を抑えつつ検体検査システムを運用することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、検査サーバ103に検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を送信するクライアントコンピュータ数が少数である場合については、ログイン時のユーザーIDやパスワードによって該アクセスが院外施設C01、C02、C03からのアクセスであるか否かを判定し、院内クライアント121、122、123による院内用検体検査情報格納領域へのアクセスを可能とするとともに、院内クライアント121、122、123による第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域のいずれかへのアクセスを不能とする、または、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAによる第1院外施設用検体検査情報格納領域、第2院外施設用検体検査情報格納領域、第3院外施設用検体検査情報格納領域のいずれかへのアクセスを可能とするとともに、院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAによる院内用検体検査情報格納領域へのアクセスを不能とするようにしてもよい。
【0131】
また、前記実施例では、院内クライアント121、122、123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103にアクセスする(検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報を送信する)場合は、先ず検体サーバ103に対してユーザーIDやパスワードを送信することによって、該アクセスが院内クライアント121、122、123と院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAとのいずれからのアクセスであるかを判定可能としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、院内クライアント121、122、123や院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAから検査サーバ103にアクセスする場合は、検体サーバ103に対してユーザーIDやパスワードを送信せずともよい。尚、この場合は、予め院外クライアントC01CA、C02CA、C02CB、C03CAの記憶部に施設コードを記憶させておくことで、制御部103aが検査依頼情報、検査結果問合せ情報、検査結果要求情報から施設コードの有無を特定可能とすればよい。