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▶ ベクトン ディキンソン アンド カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032938
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ロッキング係合を有する医療コネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
A61M39/10 100
A61M39/10 120
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014068
(22)【出願日】2024-02-01
(62)【分割の表示】P 2021038382の分割
【原出願日】2014-11-04
(31)【優先権主張番号】61/900,647
(32)【優先日】2013-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514221366
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン アンド カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローリー サンダース
(72)【発明者】
【氏名】ジュード カンセリエリ
(72)【発明者】
【氏名】イアン イエフメネンコ
(57)【要約】
【課題】1のコネクタおよび第2のコネクタを含む医療コネクタシステムの提供。
【解決手段】第1のコネクタと第2のコネクタとを備え、第2のコネクタの近位端部は第1のコネクタのハウジングの遠位端部内に少なくとも部分的に配置され、第1の組の対向する軸方向力を第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に印加し解放する時、カニューレが第1のシーリング部材を穿刺するように突出部が受け入れセクション内に、次いで第1のコネクタが第2のコネクタにロックされるようにロッキングセクション内に方向付けられ、第2の組の対向する軸方向力を第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に印加し解放する時、少なくとも1つの突出部は、ロッキングセクションから外に向けられ、次いで出口セクションの外に向けられ、第1のコネクタを前記第2のコネクタから解放することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタシステムであって、
近位端部および遠位端部を有する第1のコネクタであって、その中に前記第1のコネクタが針カニューレとカム部材とを受け入れる中央開口部を画定するハウジングを備え、前記カム部材は前記第1のコネクタの前記ハウジングの中央開口部に延びている少なくとも1つの突出部を有し、前記カム部材が前記第1のコネクタの前記ハウジングに対して相対的に回転可能である第1のコネクタと、
外部表面、近位端部、前記近位端部での第1のシーリング部材、および遠位端部を有する第2のコネクタであって、前記第2のコネクタの外部表面は、実質的に垂直な受け入れセクションと、前記受け入れセクションに対して実質的に垂直に延伸するロッキングセクションと、前記ロッキングセクションに対して実質的に垂直に延伸する実質的に垂直な出口セクションとを備える溝を画定する、第2のコネクタと、を備え、
前記第2のコネクタの前記近位端部は前記第1のコネクタの前記ハウジングの前記遠位端部内に少なくとも部分的に配置され、
第1の組の対向する軸方向力を前記第1のコネクタの前記近位端部および前記第2のコネクタの前記遠位端部に印加し解放する時、前記カニューレが前記第1のシーリング部材を穿刺するように、少なくとも1つの突出部が前記受け入れセクション内に方向付けられ、次いで前記第1のコネクタが前記第2のコネクタにロックされるように前記ロッキングセクション内に方向付けられ、
第2の組の対向する軸方向力を前記第1のコネクタの前記近位端部および前記第2のコネクタの前記遠位端部に印加し解放する時、前記少なくとも1つの突出部は、前記ロッキングセクションから外に向けられ、次いで前記出口セクションの外に向けられ、前記第1のコネクタを前記第2のコネクタから解放することを特徴とする医療用コネクタシステム。
【請求項2】
前記第2のコネクタは、前記外部表面から延伸し、前記溝を画定する少なくとも2つの突出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項3】
前記ロッキングセクションは、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタがロックされたとき、前記少なくとも1つの突出部を受け入れるロッキング凹部を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項4】
前記ロッキングセクションは、前記ロッキング凹部内へ前記第1のコネクタの前記少なくとも1つの突出部を方向付ける実質的に水平な壁をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項5】
前記受け入れセクションは、前記受け入れセクション内に前記第1のコネクタの前記少なくとも1つの突出部を方向付けるための斜面を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項6】
前記第1のコネクタは、前記ハウジング内に受け入れられるキャリアをさらに備え、前記キャリアは、前記キャリアの遠位端および前記キャリアの近位端の少なくとも1つの中に第2のシーリング部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項7】
前記第1のコネクタは、前記ハウジングの近位端と連結するキャップをさらに備え、前記キャップは、前記第1のコネクタを医療デバイスに連結するための取付具を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項8】
前記針カニューレの近位端は、前記キャップに固定されることを特徴とする請求項7に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項9】
前記第2のコネクタは、前記第2のコネクタの遠位端に医療連結部材と連結するための取付具をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項10】
前記第1のコネクタは、第1のインジケータをさらにそなえ、前記第2のコネクタは、第2のインジケータをさらに備え、前記第1のコネクタの前記近位端部および前記第2のコネクタの前記遠位端部に印加された第1の組の対向する軸方向力を印加し解放する時、前記第1のコネクタは軸方向に前記第2のコネクタに相対的にロックされ、前記第1のインジケータは、前記第2のインジケータと位置合わせされることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項11】
前記第1のインジケータおよび前記第2のインジケータは、軸方向バンドであることを特徴とする請求項10に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項12】
前記第1のインジケータは点であり、および前記第2のインジケータは、円であることを特徴とする請求項10に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項13】
前記第1のインジケータは、前記カム部材内に画定された窓を含み、前記第2のインジケータは軸方向バンドであることを特徴とする請求項10に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項14】
前記第1のインジケータは、前記カム部材内に画定された窓を含み、前記第2のインジケータはシンボルマークであることを特徴とする請求項10に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項15】
前記第1のコネクタの前記ハウジングは、平坦な把持部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項16】
前記第1のコネクタの前記ハウジングは、前記ハウジングの外側表面の周りに外を円周方向に延びる複数の環状リブを含むことを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項17】
前記第1のコネクタは、凹状の把持部分を画定することを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【請求項18】
前記第1のコネクタの前記近位端部および前記遠位端部の少なくとも1つは、円錐形状であることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイス用のコネクタシステムに関する。より詳細には、本発明は、流体を受け入れるおよび/または投薬するための第1の医療デバイスと、流体を受け入れるおよび/または投薬するための第2の医療デバイスとの間の流体移送を可能にするためのコネクタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物調製、薬物投与および他の類似の取り扱いに関する問題は、医療および薬理スタッフが、周囲空気中に逃げる恐れがある薬物または溶剤に暴露されるというリスクである。この問題は、細胞毒素、抗ウイルス薬、抗生剤、および放射性医薬品が関係するときに特に深刻である。他の危険領域は、ウイルス感染またはそのようなものに関する試料などの試料採取になり得る。点滴を実行する際、薬物または他の医療物質を点滴バッグまたは他の点滴流体容器の内側の点滴流体内に注入することがしばしば必要である。これは、しばしば、点滴バッグ上または点滴流体ライン上の注入ポートのセプタムまたは他の流体バリアを、対象の医療流体で充填されたシリンジの針で貫通することによって行われる。しかし、この前であっても、医療流体をバイアルからシリンジに、次いで、シリンジから第2の容器に移送することが必要になり得る。それらのステップの各々において、スタッフは、汚染によって医療流体に暴露され得る。そのような汚染は、空気中の蒸発した医療流体または煙霧質になり得る。汚染物質は、スタッフの肺を通して、または皮膚上で凝縮しその後スタッフの皮膚を貫通する空気中の蒸発した医療流体または煙霧質を通してスタッフを汚染し得る。一部の薬剤は、保護手袋を貫通し、それによってスタッフを汚染することがさらに知られている。
【0003】
このような汚染への暴露は、長期的に、上記で説明したスタッフの血液または人体内に驚くほど高い濃度の薬剤を生じさせることがある。たとえば、バイアル、シリンジ、点滴システムなどの間の多くの移送ステップにより、針の実際の挿入、およびたとえばバイアルなどの容器からの後退中、汚染のリスクが封じ込められる必要があることが理解されている。閉システム移送デバイスが、薬剤の移送中、薬剤が移送デバイス内に封じ込められることを確実にするために開発されている。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様では、医療コネクタシステムは、近位端部および遠位端部を有し、ハウジングと、付勢部材と、少なくとも1つの突出部とを含む第1のコネクタと、近位端部および遠位端部を有し、少なくとも1つの突出部を受け入れるための少なくとも1つの溝を含む第2のコネクタとを含む。付勢部材は、ばねになり得る。第2のコネクタの近位端部は、第1のコネクタのハウジングの遠位端部内に少なくとも部分的に配設されるように構成される。第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に施された第1の組の対向する軸方向力の印加および解放時、第1のコネクタは、第2のコネクタにロックされ、第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に対する第2の組の対向する軸方向力の印加および解放時、第1のコネクタは、第2のコネクタから解放される。
【0005】
第1のコネクタが第2のコネクタにロックされたとき、第1のコネクタの少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝と係合し、第1のコネクタが第2のコネクタから解放されたとき、第1のコネクタの少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝との係合から解放される。
【0006】
第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に印加される第1の組の対向する軸方向力の印加および解放時、付勢部材は、第1のコネクタを第2のコネクタに対して近位方向に付勢し、それにより、第1のコネクタの少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝と係合し、第1のコネクタを第2のコネクタ上にロックする。
【0007】
第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に対する第2の組の対向する軸方向力の印加および解放時、付勢部材は、第1のコネクタを第2のコネクタに対して近位方向に付勢して、第1のコネクタの少なくとも1つの突出部と第2のコネクタの少なくとも1つの溝との間の係合を解放する。
【0008】
少なくとも1つの溝は、遠位方向に軸方向に延びる第1のセクションと、第1のセクションの遠位端部から延び、第1のセクションの遠位端部から反れて遠位方向に傾斜する第2のセクションと、第2のセクションの遠位端部から近位方向に軸方向に延びる第3のセクションと、第3のセクションの近位端部から延び、第3のセクションの近位端部から反れて近位方向に傾斜する第4のセクションと、第4のセクションの近位端部から遠位方向に軸方向に延びる第5のセクションと、第5のセクションの遠位端部から延び、第5のセクションの遠位端部から反れて遠位方向に傾斜する第6のセクションと、第6の遠位端部から近位方向に軸方向に延びる第7のセクションと、第7のセクションの近位端部から延び、第7のセクションの近位端部から反れて近位方向に傾斜する第8のセクションとを含むことができる。
【0009】
あるいは、少なくとも1つの溝は、第4のセクションの近位端部から近位方向に軸方向に延びる追加のセクションをさらに含むことができ、第5のセクションは、追加のセクションの近位端部から延びる。
【0010】
第2のコネクタは、外部表面上に、少なくとも1つの溝の第1のセクションの近位端部まで延びる、遠位に傾斜するレッジをさらに含むことができる。
【0011】
第1のコネクタは、第1のコネクタの少なくとも1つの突出部が、第2のコネクタの少なくとも1つの溝の第4のセクションの近位端部内、または第2のコネクタの少なくとも1つの溝の追加のセクションの近位端部内に配設されたときに第2のコネクタにロックされる。
【0012】
第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に対する第1の組の対向する軸方向力の印加時、少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝の第1および第2のセクション内を進行する。第1の組の対向する軸方向力の解放時、付勢部材は、第1のコネクタを第2のコネクタに対して近位方向に付勢し、それにより、少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝の第3および第4のセクション内を進行し、第2のコネクタの第4のセクションの近位端部内に配設される。
【0013】
第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に対する第2の組の対向する軸方向力の印加時、少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝の第5および第6のセクション内を進行する。第2の組の対向する軸方向力の解放時、付勢部材は、第1のコネクタを第2のコネクタに対して近位方向に付勢し、それにより、少なくとも1つの突出部は、第2のコネクタの少なくとも1つの溝の第7および第8のセクション内を進行し、少なくとも1つの突出部と第2のコネクタの少なくとも1つの溝との間の係合を解放する。
【0014】
第1のコネクタはまた、少なくとも1つの突出部を有するカム部材を含むこともでき、カム部材は、ハウジングに回転可能に取り付けられ得る。
【0015】
第1のコネクタはまた、ハウジングに摺動可能に取り付けられたキャリアと、針カニューレとを含むこともでき、第2のコネクタはまた、第2のコネクタの近位端部から遠位端部まで延びる軸方向中央通路を含むこともできる。付勢部材は、ハウジングの近位端部とキャリアの間に配設され得る。
【0016】
第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に印加される第1の組の対向する軸方向力の印加時、キャリアは、第2のコネクタの近位端部と接触し、エネルギーが、付勢部材内に蓄えられる。加えて、第1のコネクタが第2のコネクタにロックされたとき、針カニューレは、中央通路内に受け入れられ、針カニューレの遠位端部は、第2のコネクタの遠位端部から延びる。第1のコネクタが第2のコネクタから解放されたとき、針カニューレの遠位端部は、第1のコネクタのハウジング内に封じ込められる。
【0017】
第1のコネクタのキャリアはまた、少なくとも1つのシーリング部材を含むこともできる。第1のコネクタが第2のコネクタにロックされたとき、針カニューレは、シーリング部材内を延び、第2のコネクタの中央通路内に受け入れられ、第2のコネクタの近位端部とシーリング部材の間にシールが作り出される。シールは、第2のコネクタの近位端部とシーリング部材の間に、付勢部材によってキャリア上にもたらされた遠位に向けられた力、および第1のコネクタの突出部によって第2のコネクタ上にもたらされた近位に向けられた力によって作り出される。
【0018】
第1のコネクタはまた、近位端部に、第1のコネクタを第1の医療デバイスに取り付けるための取り付け部分を含むこともできる。
【0019】
第1のコネクタおよび第2のコネクタはまた、医療コネクタシステムがロックされた位置にあるときをユーザに示すためのインジケータを含むこともできる。そのようなインジケータは、軸方向バンドまたは点および円を有する標的(bullseye)構成を含むことができる。
【0020】
本発明はまた、流体を受け入れるまたは投薬するための第1の医療デバイスから、流体を受け入れるまたは投薬するための第2の医療デバイスまで流体を移送する方法も対象とする。近位端部および遠位端部を有する第1のコネクタであって、近位端部が第1の医療デバイスに連結され、遠位端部が開放している第1のコネクタが、提供される。第1のコネクタは、ハウジングおよび針カニューレを含む。近位端部および遠位端部を有する第2のコネクタであって、遠位端部が第2の医療デバイスに連結される、第2のコネクタも提供される。第2のコネクタは、近位端部から遠位端部まで延びる中央通路を含む。第2のコネクタの近位端部は、第1のコネクタの開放遠位端部内に少なくとも部分的に挿入される。第1の組の対向する軸方向力が、第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に印加され、それから解放される。第1のコネクタは、第1の組の対向する軸方向力の解放時に第2のコネクタにロックされ、針カニューレは、中央通路内に延び、第2のコネクタの遠位端部を超えて、第2の医療デバイス内に入る。次いで、流体が、第1の医療デバイスから第2の医療デバイスまで針カニューレを通って移送される。
【0021】
方法は、第1のコネクタの近位端部および第2のコネクタの遠位端部に第2の組の対向する軸方向力を印加し解放するステップをさらに含むことができる。第1のコネクタは、第2のコネクタとのロッキング係合から解放され、針カニューレは、第2の組の対向する軸方向力の解放時、第1のコネクタのハウジング内に配設される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】シリンジである第1の医療デバイス、および圧力調節器(a)、IVバッグアダプタ(b)、または患者コネクタ(c)である第2の医療デバイスと共に示す、医療コネクタシステムの斜視図である。
図2】本発明の1つの態様による、図1に示す医療用コネクタシステムの分解斜視図である。
図3A】本発明の1つの態様による、図1に示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図3B】明確にするために第2のコネクタが省かれている、作動される位置にある第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による、線A-Aに沿った、図3Aの第1のコネクタの断面図である。
図4A】本発明の1つの態様による図1に示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図4B】本発明の1つの態様による、線A-Aに沿った図4Aの第2のコネクタの断面図である。
図4C】本発明の1つの態様による、図4Aの第2のコネクタの溝の概略図である。
図4D】本発明の代替の態様による、第2のコネクタの溝の概略図である。
図5A】本発明の1つの態様による、図1の医療コネクタシステムの第2のコネクタが設けられた患者コネクタの斜視図である。
図5B】本出願の第1の態様による、線A-Aに沿った図5Aの第2のコネクタの断面図である。
図6図3Aの第1のコネクタ内に挿入されるが、ロックされていない第2のコネクタを示す、本発明の1つの態様による図5Bの第2のコネクタの断面図である。
図7A】本発明の別の態様による、医療コネクタシステムの部分的な透明斜視図である。
図7B】第1のコネクタのハウジング内への第2のコネクタの挿入時のシステムを示す、本発明の1つの態様による、図7Aの医療コネクタシステムの部分的な透明斜視図である。
図7C】第1のコネクタおよび第2のコネクタに印加される第1の組の対向する力の印加後のシステムを示す、本発明の1つの態様による、図7Aの医療コネクタシステムの部分的な透明斜視図である。
図7D】第1のコネクタおよび第2のコネクタに印加される第1の組の対向する力の解放後のロックされた状態のシステムを示す、本発明の1つの態様による、図7Aの医療コネクタシステムの透明斜視図である。
図7E】第1のコネクタおよび第2のコネクタに印加される第2の組の対向する力の印加の開始時のシステムを示す、本発明の1つの態様による、図7Aの医療コネクタシステムの透明斜視図である。
図7F】第1のコネクタおよび第2のコネクタに印加される第2の組の対向する力の印加の完了時のシステムを示す、本発明の1つの態様による、図7Aの医療コネクタシステムの透明斜視図である。
図7G】第1のコネクタおよび第2のコネクタに印加される第2の組の対向する力の解放後の解放された状態のシステムを示す、本発明の1つの態様による、図7Aの医療コネクタシステムの透明斜視図である。
図8】透明ハウジングおよびインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図9】バイアルアダプタと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図10】IVバッグスパイクと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図11】患者コネクタと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図12図9の第2のコネクタにロックされた図8の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図13図10の第2のコネクタにロックされた図8の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図14図11の第2のコネクタにロックされた図8の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図15】透明ハウジングおよびインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図16】患者コネクタと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの上部斜視図である。
図17】本発明の1つの態様による図16の第2のコネクタの底部斜視図である。
図18図16の第2のコネクタにロックされた図15の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図19】透明ハウジングおよびインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明のさらに別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図20】バイアルアダプタと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明のさらに別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図21】患者コネクタと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明のさらに別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図22】不透明なハウジングおよびインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図23図22の線23-23に沿って切り取られた図22の第1のコネクタの断面図である。
図24】患者コネクタと併用するインジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図25図24の第2のコネクタにロックされた図22の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図26】透明ハウジングおよびインジケータを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図27】インジケータを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図28図27の第2のコネクタにロックされた図26の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図29】透明ハウジングおよび窓を備えたコネクタを示す、本発明のさらに別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図30】インジケータバンドを備えたコネクタを示す、本発明のさらに別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図31図30の第2のコネクタにロックされた図29の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図32】透明ハウジングおよび窓を備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図33】インジケータマークを備えたコネクタを示す、本発明の別の態様によって示す医療コネクタシステムの第2のコネクタの斜視図である。
図34図33の第2のコネクタにロックされた図32の第1のコネクタを示す、本発明の1つの態様による医療コネクタシステムの斜視図である。
図35】本発明の代替の態様による把持構成を示す、図1の医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図36】本発明の第2の代替の態様による把持構成を示す、図1の医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図37】本発明の第3の代替の態様による把持構成を示す、図1の医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図38】本発明の第4の代替の態様による把持構成を示す、図1の医療コネクタシステムの第1のコネクタの斜視図である。
図39】第1の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図40】第2の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図41】第3の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図42】第4の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図43】第5の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図44】第6の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図45】第7の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
図46】第8の代替の態様による第2のコネクタの溝の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これ以降の説明のために、「端部」、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」およびその派生語などの用語は、図に配向される通りに本発明に関連付けるものとする。しかし、本発明は、その反対が明白に明示されない限り、さまざまな代替の変更形態およびステップ順序をとることができることを理解されたい。また、添付された図に例示し、以下の明細書において説明する特有のデバイスおよびプロセスは、本発明の例示的な態様にすぎないことも理解されたい。故に、本明細書に開示する態様に関連付けられる特有の寸法および他の物理的特性は、限定的であると考えられるものではない。さらに、本発明は、その反対が明白に明示されない限り、さまざまな代替の変形形態およびステップ順序をとることができることを理解されたい。
【0024】
本発明は、医療デバイス用のコネクタシステム10を対象とする。1つの態様では、コネクタシステム10は、シリンジ(図1)などの、流体を受け入れるおよび/または投薬するための第1の医療デバイス12と、圧力均等化デバイス(図1(a))、バイアルアダプタ、患者コネクタ(図1(b))、IVバッグアダプタ(図1(c))、または流体を受け入れるまたは投薬するために使用される類似のデバイスなどの、流体を受け入れるまたは投薬するための第2の医療デバイス14との間を連結し、その間の流体移送を可能にするために利用され得る。システム全体は、薬物をバイアルなどの元の容器から患者に移送するために使用される。医療コネクタ10は、この閉システム移送を容易にするために使用されるツールである。医療コネクタシステム10は、第1のコネクタ16および第2のコネクタ18を含む。図2は、医療コネクタシステム10の1つの態様の分解図を示す。
【0025】
図2~3Bを参照すれば、第1のコネクタ16は、一方の端部においてシリンジまたはIVラインを受け入れ、他方の端部において第2のコネクタと対合するように構成されて第1の容器から第2の容器までのシールされた移送を容易にするシリンジアダプタとして具体化される。しかし、第1のコネクタ16を任意の他の適切な医療デバイスと連結して設けてもよい。第1のコネクタは、近位端部22および遠位端部24を有するハウジング20を含む。ハウジング20は、中央開口部26を画定する略円筒状の形状を有する。
【0026】
キャップ28が、ハウジング20の近位端部22に取り付けられる。キャップ28は、取付具30を含んで、第1のコネクタ16と第1の医療デバイス12を連結する。取付具は、第1のコネクタ16を第1の医療デバイス12にしっかりとシール式に取り付けることを可能にする任意の適切な構成のものであつてよい。可能な取付具は、限定はされないが、ルアーコネクタまたはスナップ嵌合コネクタを含む。キャップ28は、それを貫通する中央通路32を有し、針カニューレ36の近位端部34が、中央通路32内に受け入れられ、それにより、第1の医療デバイス12と針カニューレ36の間に流体連結が存在して、第1の医療デバイス12内の流体を針カニューレ36内に流入させることを可能にする。
【0027】
図2、3A、3B、および6に示す態様では、キャップ28は、ハウジング20上にスナップ嵌合される。レッジ38が、キャップ28の周囲周りを円周方向に延び、ハウジング20内の対応する円周方向凹部40内に受け入れられる。第1のコネクタ16の遠位端部に向かって傾斜される上側表面を有する少なくとも1つの突起部42は、レッジ38の上側表面と係合し、キャップ28をハウジング20の凹部40内に保持する。少なくとも1つの突起部42の傾斜した上側表面は、組み立て中、キャップ28がハウジング20上にスナップ嵌合することを可能にする。あるいは、キャップ28がハウジング20にしっかりと取り付けられる限り、任意の適切な手段を使用してキャップ28をハウジング20に取り付けてもよい。可能な代替の取り付け手段は、限定はされないが、代替のスナップ嵌合構成、永久連結の溶接、またはねじ式連結を含む。キャップ28がハウジング20に取り付けられたとき、針カニューレ36は、ハウジング20の中央開口部26内に延びるが、ハウジング20の遠位端部24を超えて延びない。ハウジング20の遠位端部は、第2のコネクタ18の少なくとも一部分を中央開口部26内に受け入れることを可能にするために開放しており、これは、以下でより詳細に論じられる。
【0028】
第1のコネクタ16はまた、カム部材44を含む。カム部材44は、円筒状の形状でよく、図2、3B、6、8A、および8Bに示すようにハウジング20の中央開口部26内に延びる少なくとも1つの突出部46を含む。カム部材44は、ハウジング20内に回転可能に配設される。カム部材44およびハウジング20は、円筒状として示され説明されるが、これらは、限定はされないが、円錐形または外側表面を有する形状を含む、ハウジング20内のカム部材44の回転を可能にする任意の適切な形状をとることができる。カム部材44の遠位端部48は、ハウジング20の遠位端部24においてレッジ50上に載り、カム部材44の近位端部はキャップ28に隣接し、それにより、カム部材44は、レッジ50およびキャップ28によってハウジング20内に保持される。
【0029】
あるいは、図7A~7G、9Aおよび9Bに示すように、カム部材44は、リング形状にされてよく、ハウジング20の遠位端部24近くの凹部内に保持されてよい。リング形状のカム部材44は、図7A~7G、9A、および9Bに示すようにハウジング20内に配設されてよく、またはたとえば、図8Dに示すようにハウジング20の外部でよい。
【0030】
キャリア54が、ハウジング20の中央開口部26内に配設される。キャリア54は、略円筒状の形状を有する。キャリア54の最も外側の表面は、カム部材44が円筒状形状(図2、3B、6、8Aおよび8B)を有する場合カム部材44の内側表面と、またはカム部材44がリング形状(図7A~7G、9Aおよび9B)を有する場合ハウジング20の内側表面と摺動接触しており、それにより、キャリア54は、ハウジング20内で軸方向に移動することができる。キャリア54は、軸方向中央開口部56と、少なくとも1つのシーリング部材58とを含む。針カニューレ36は、キャリア54の軸方向中央開口部56および少なくとも1つのシーリング部材58の両方内を延びる。
【0031】
図3Aおよび6に示す態様では、2つのシーリング部材58が設けられ、それにより、第1のシーリング部材は、キャリア54の近位端部60にあり、第2のシーリング部材は、キャリア54の遠位端部62にある。好ましくは、少なくとも1つのシーリング部材58は、キャリア54の遠位端部62に配設される。各々のシーリング部材58のより大きいレッジ部分は、キャリア54内の凹部66内に受け入れられて、シーリング部材58をキャリア54に取り付ける。図6に示す作動されるまたは連結された位置では、キャリア54は上方向に移動され、それにより、針カニューレ36は、キャリア54およびシーリング部材(58)内を延びて第1の医療デバイス12と第2の医療デバイス14を流体連通させる。図3Bに示すような作動されないまたは連結されない位置では、針カニューレ36の遠位端部は、キャリア54の中央開口部56内のシーリング部材58間に配置されて針カニューレ36の鋭敏にされた端部を保護し、針カニューレ36の管腔内に配置され得るいかなる薬剤も封じ込める。あるいは、針カニューレ36の鋭敏にされた端部を保護し、且つ、針カニューレ36の管腔内に配置され得るいかなる薬剤も封じ込める任意の構造体であって、限定ではなくなく単一の大きい膜を含む、任意の構造体内に針カニューレ36を封じ込めることもできる。システム10はまた、任意の他の適切な薬物送達機構または装置と連結して利用されてもよい。
【0032】
付勢部材68がキャップ28とキャリア54の近位端部の間に配設される。付勢部材68はばねであってよく、限定はされないが、プラスチックばねまたはゴム、TPE、もしくはシリコーンなどの弾性材料の造りを含む、他の適切な付勢部材を利用することができる。弾性材料は、複数の弾性ストランドを備えた格子形態で置かれてよく、または単一の弾性ストランドであってよい。付勢部材68は、キャリア54を第1のコネクタの遠位端部24に向けて付勢して、第2のコネクタ18から連結解除されたとき、上記で説明したように、針カニューレ3の遠位端部がキャリア54内に配置されることを確実にする。
【0033】
第2のコネクタ18は、遠位端部70および近位端部72を有し、軸方向中央通路74を画定する略円筒状であるが、第2のコネクタ18に適した他の形状が利用されてよい。第2のコネクタ18の遠位端部70は、圧力均等化デバイス、バイアルアダプタ、患者コネクタ、IVバッグアダプタまたは類似の流体送達デバイス(図4A、4B、および7A~9B)などの第2の医療デバイス14と一体的であつてよく、またはそのようなデバイスとの連結を行うための取付具を含むことができる。たとえば、図5A、5B、および6を参照すれば、第2のコネクタ18は、患者コネクタ上に設けられ、患者コネクタは、取付具75を含んで、第2のコネクタ18と患者IVラインまたは他の適切な連結を連結する。取付具75は、雄型ロッキングルアーコネクタとして示されるが、他の適切な取り付け装置が提供されてよい。第2のコネクタ18はまた、その近位端部72にシーリング部材73も含む。
【0034】
第2のコネクタ18は、その外側表面上に溝76を画定する。溝76は、いくつかの方向に延びるジグザグ形状を有する(図4A、4C、4D、および5A)。溝76は、遠位方向に略軸方向に延びる、すなわち第2のコネクタ18の底端部に向かって全体的に延びる第1のセクション78を画定する。溝76の第2のセクション80は、第1のセクション78の遠位端部78aから延び、第1のセクション78の遠位端部78aから反れて遠位方向に傾斜し、すなわち第1のセクション78の底端部から下方向にかつ反れて傾斜する。溝76の第3のセクション82は、第2のセクション80の遠位端部80aから近位方向に略軸方向に延び、すなわち第2のセクション80の底端部から全体的に上方向に延びる。溝76の第4のセクション84は、第3のセクション82の近位端部82aから延び、第3のセクション82の近位端部82aから反れて近位方向に傾斜し、すなわち、第3のセクション82の上部端部から上方向にかつ反れて傾斜する。溝76の第5のセクション86は、第4のセクション84の近位端部84aから遠位方向に略軸方向に延び、すなわち第4のセクション84の上部端部から下方向に延びる。溝76の第6のセクション88は、第5のセクション86の遠位端部86aから延び、第5のセクション86の遠位端部86aから遠位方向に反れて傾斜し、すなわち第5のセクション86の底端部から下方向にかつ反れて傾斜する。溝76の第7のセクション90は、第6のセクション88の遠位端部88aから近位方向に略軸方向に延び、すなわち、第6のセクション88の底端部から上方向に延びる。溝76の第8のセクション92は、第7のセクション90の近位端部から延び、第7のセクション90の近位端部から反れて近位方向に傾斜し、すなわち第7のセクション90の上部端部から上方向にかつ反れて傾斜する。
【0035】
溝76の第1の78、第3の82、第5の86、および第7の90は、垂直または第2のコネクタ18の長手方向軸に対して平行を含む略軸方向に、およびこれらが近位方向または遠方向に全体的に向けられる限り、わずかに傾斜する方向で延びるものとして説明されている。
【0036】
代替の態様では、図4Dおよび7A~9Bに示すように、追加のセクション94が、第4のセクション84の近位端部84aから近位方向に軸方向に延びることができ、第5のセクション86は、追加のセクション94の遠位端部84aから延びることができ、すなわち追加のセクション94は、第4のセクション84の上部端部から延びることができ、第5のセクション86は、追加のセクション94の底端部から延びることができる。追加のセクション94は、ロックされた位置においてさらなる安全性をもたらすことに役立つが、ロッキング連結を形成するために必要とはされない。
【0037】
近位に傾斜するレッジ96、すなわち第2のコネクタ18の底部に向かって傾斜するレッジが、第2のコネクタ18の外部に沿って延びる。傾斜するレッジ96の遠位端部は、溝76の第1のセクション78の近位端部まで延び、すなわち、傾斜するレッジ96の底端部は、溝76の第1のセクション78の上部端部まで延びる。
【0038】
第1のコネクタ16には、カム部材44の両側に2つの突出部46が設けられてよく(図3B)、第2のコネクタ18には、第2のコネクタ18の両側に2つの溝76が設けられてよい(図5A)。
【0039】
使用において、第2のコネクタ18の近位端部72は、第1のコネクタ16のハウジング20の開放遠位端部24内に挿入される(図7B)。第2のコネクタ18に対する第1のコネクタ16の配向に応じて、第1のコネクタ16のカム部材44上の突出部46は、第2のコネクタ18上の傾斜レッジ96と接触し、または、突出部46は、溝76の第1のセクション78内に受け入れられる。第2のコネクタ18の近位端部72は、キャリア54の遠位端部62と接触する。第2のコネクタ18は、第2のコネクタ18の近位端部72に隣接して配置されるシーリング部材73を含むことができ、このシーリング部材73はキャリア54の遠位端部62に配置されたシーリング部材58と共に係合し、シールを形成する。挿入後、対向する軸方向力が、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70上にかけられる(図7C)。キャリア54は、第2のコネクタ18の近位端部72によってハウジング20に対して近位方向に押し出される。その結果、エネルギーが、付勢部材68内に蓄えられる。ばねの場合、エネルギーはばねの圧縮によって蓄えられる。それと同時に、第2のコネクタ18は、第1のコネクタ16のハウジング20の中央開口部26内にさらに受け入れられる。第2のコネクタ18が、第1のコネクタ16のハウジング20の中央開口部26内にさらに受け入れられるにつれて、第1のコネクタ16のハウジング20内に回転可能に配設されたカム部材44上の突出部46は、第2のコネクタ18の傾斜するレッジ96を溝76まで辿り、溝76の第1のセクション78および第2のセクション80内を進み、または直接的に溝76の第1のセクション78および第2のセクション80内を進む。
【0040】
対向する軸方向力が解放されたとき、付勢部材68内に蓄えられたエネルギーは、第1のコネクタ16のハウジング20を第2のコネクタ18に対して近位方向に押し出す(図7D)。その結果、カム部材44上の突出部46は、溝76の第3のセクション82および第4のセクション84内を進み、追加のセクション94が溝76の第4のセクション84と第5のセクション86の間に設けられる場合、追加のセクション94に入る。付勢部材68によって、ハウジング20上に、したがってカム部材44上の突出部46上にもたらされた近位力は、突出部46を溝76内に保持し、それにより、第1のコネクタ16は、このとき第2のコネクタ18上にロックされる。このロックされた状態で、ハウジング20は、第1のコネクタ16を第2のコネクタ18から係合解除することなく、第2のコネクタ18に対して依然として回転され得る。
【0041】
好ましくは、第1のコネクタ16および第2のコネクタ18が、このロックされた係合状態にあるとき、第2のコネクタ18の近位端部72は、キャリア54の遠位端部62上のシーリング部材58とシーリング係合している。キャリア54上に付勢部材68によってもたらされた遠位力およびカム部材44上の突出部46によって第2のコネクタ18上にもたらされた近位力は、シーリング部材58と第2のコネクタ18の近位端部72との間の良好なシールを保証することに役立つ。
【0042】
第1のコネクタ16および第2のコネクタ18が、このロックされた係合状態にあるとき、針カニューレ36は、第2のコネクタ18の軸方向中央通路74内および第2の医療デバイス14内に延びる。これは、第1の医療デバイス12から針カニューレ36を通り第2の医療デバイス14に入るまでの流体路をもたらす。
【0043】
第1のコネクタ16と第2のコネクタ18の間のロッキング連結を解放することが望まれるとき、対向する軸方向力が、再度第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70上にかけられる(図7Eおよび7F)。キャリア54は、第2のコネクタ18の近位端部72によってハウジング20に対して近位方向に押し出される。その結果、エネルギーが、この付勢部材68内に蓄えられる。ばねの場合、エネルギーは、ばねの圧縮によって蓄えられる。それと同時に、第2のコネクタ18は、第1のコネクタ16のハウジング20の中央開口部26内にさらに受け入れられる。第2のコネクタ18が、第1のコネクタ16のハウジング20の中央開口部26内にさらに受け入れられるにつれて、カム部材44上の突出部46は、溝76の第5のセクション86および第6のセクション88内を進む。
【0044】
対向する軸方向力が解放されたとき、付勢部材68内に蓄えられたエネルギーは、第1のコネクタ16のハウジング20を第2のコネクタ18に対して近位方向に押し出す(図7G)。ハウジング20上の近位力の結果、カム部材44上の突出部46は、溝76の第7のセクション90および第8のセクション92内を進み、第1のコネクタ16は、第2のコネクタ18との係合から解放される。針カニューレ36の遠位端部は、再度、第1のコネクタ16のキャリア54内に封じ込められる。
【0045】
解放された位置では、針カニューレ36の先端部は、キャリア54の軸方向中央開口部56内の2つのシーリング部材58間に封じ込められる。したがって、ユーザは偶発的な針突き刺しから保護されるだけでなく、針カニューレ36内に残り得るすべての流体は、シーリング部材58によって針カニューレ36およびまたはキャリア54内に封じ込められる。
【0046】
コネクタシステム10が説明され、付勢部材68を有するものとして示されてきたが、別の態様は、付勢部材を含まない。この態様では、ユーザは、突起部46が溝76の第1の78および第2の80のセクション内を進行し、第1のコネクタ16が第2のコネクタ18上でこれ以上前進できなくなるまで、第1のコネクタ16を第2のコネクタ8上に押し付けて、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70上に対向する軸方向力を印加する。次いで、ユーザは、突起部46が溝76の第3の82および第4の84のセクション内を進行し、追加のセクション94に入るまで、第1のコネクタ16を第2のコネクタ18から引き離して、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70上に対向する軸方向力を印加する。追加のセクション94は、くぼみの形態であり、突起部46とのロッキング係合をもたらす。突起部46が追加のセクション94内にロックされたとき、第1のコネクタ16は第2のコネクタ18にロックされる。
【0047】
第1のコネクタ16と第2のコネクタ18の間のロッキング連結を解放することが望まれるとき、ユーザは、突起部46が追加のセクション94から解放され、溝76の第5の86および第6の88のセクション内を進行し、第1のコネクタ16が第2のコネクタ18上でこれ以上前進できなくなるまで、第1のコネクタ16を第2のコネクタ18上に押し付けて、再度、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70上に対向する軸方向力を印加する。次いで、ユーザは、突起部46が溝76の第7の90および第8の92のセクション内を進行し、第1のコネクタ16が第2のコネクタ18から解放されるまで、第1のコネクタ16を第2のコネクタ18から引き離して、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70上に対向する軸方向力を印加する。
【0048】
図8~25に示すように、第1のコネクタ16は、カム部材44の外側表面上に軸方向に延びるインジケータバンド98を有することができる。この場合、第1のコネクタ16のハウジング20は、透明である。第2のコネクタ18は、その外側表面上に軸方向に延びるインジケータバンド100を有することができる。インジケータバンド98、100は、カム部材44および第2のコネクタ18上に置かれ、それにより、第1のコネクタ16が第2のコネクタ18とロッキング係合しているとき、透明ハウジング20を通して見ることができるカム部材44上のインジケータバンド98は、第2のコネクタ18上のインジケータバンド100と位置合わせされて、コネクタシステムがロックされている視覚的表示をユーザに与える。好ましくは、カム部材44上のインジケータバンド98は、カム部材44の円周周りに突起部46から90°に配置される。あるいは、第2のコネクタ18が第2の医療デバイス14と一体的である場合、インジケータバンド100は、第2の医療デバイス14の外部表面上に含まれてよい。
【0049】
インジケータライン98は、図8および11に示すようにカム部材44および第2のコネクタ18の全長を延びることができ、または図19に示すようにカム部材44および第2のコネクタ18の長さの一部だけ延びることができる。あるいは、カム部材44がハウジング20の外部にある場合、ハウジング20は透明である必要はない。
【0050】
図26~28に示す別の例では、カム部材44を有するコネクタシステムでは、第1のコネクタ16は、ハウジング20の外側表面上に点102を有することができる。この場合、第1のコネクタ16のハウジング20は、透明である。第2のコネクタ18は、円104を有することができる。第1のコネクタ16が第2のコネクタ18とロッキング係合しているとき、ハウジング102上の点104は、透明ハウジング20を通して見ることができ、第2のコネクタ18上の円104内に配置されて、コネクタシステムがロックされている視覚的表示をユーザに与える。
【0051】
別の態様では、図29~34に示すように、カム部材44を有するコネクタシステムでは、カム部材44は、窓105を含むことができ、第2のコネクタは、インジケータバンド100(図30および31)またはインジケータマーク107(図33および34)を含むことができる。この場合、第1のコネクタ16のハウジング20は、透明である。第1のコネクタ16が第2のコネクタ18とロッキング係合しているとき、インジケータバンド100またはインジケータマーク107は、透明ハウジング20を通して見ることができ、カム部材44の窓105内に配置されて、コネクタシステムがロックされている視覚的表示をユーザに与える。さらに別の態様では、第2のコネクタ18上にあるインジケータバンド100またはインジケータマーク107の代わりに、色付けされた部分がキャリア54上に設けられてよい。この場合、インジケータは、キャリア54がハウジング20内に移動されたとき、不透明ハウジング内の窓を通して見ることができ得る。
【0052】
図35~38を参照すれば、第1のコネクタ16のハウジング20が、たとえば、図2には略円筒状であるように示されているが、第1のコネクタ16のハウジング20はまた、ユーザがハウジング20を把持する能力を強化するための特徴を含むこともできる。
【0053】
図35および36を参照すれば、第1のコネクタ16のハウジング20は、ハウジング20の他の部分の円筒状表面と比較して略平面領域である把持部分106を含むことができる。ハウジング20は、図35では、砂時計形状の円周を有する、凹状の平面の把持部分106を備えた略円筒状である。ハウジングは、図36では、丸みを帯びた端部を備えた略矩形形状の円周を有する凹状の平面の把持部分106を備えた略円筒状である。把持部分106は、ハウジング20がコネクタ16のユーザによってより容易に把持されることを可能にするための接触表面をもたらす。
【0054】
図37を参照すれば、第1のコネクタ16のハウジング20は、ハウジング20の外側表面の周りを円周方向に延びる複数の環状リブ108を含むことができる。ハウジング20は、ハウジング20の全長またはその長さの一部分だけを延びる複数の環状リブ108を含むことができる。環状リブ108は、ユーザがコネクタ16をより容易に把持するための表面をもたらす。
【0055】
図38を参照すれば、第1のコネクタ16のハウジング20はまた、突起または突出部を含む凸状の把持部分110を画定することもできる。凸状の把持部分110は、ハウジング20の一部分であり、この部分は、ハウジング20の円周周りを内方向に径方向に延びて、コネクタ16がユーザによってより容易に把持されることを可能にする接触表面をもたらす。
【0056】
第1のコネクタ16の突出部46は、内方向に径方向に延び、第2のコネクタ18の溝76は、第2のコネクタ18の外側表面上に配置されるが、突出部46は、外方向に径方向に延び、第2のコネクタ18の外側表面上に設けられてもよく、このとき第2のコネクタ18の溝76は、第2のコネクタ18の内部表面上に設けられる。
【0057】
図39~46に示すように、第2のコネクタ18の溝76は、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70に印加される第1の組の対向する軸方向力の印加および解放時、第1のコネクタ16が第2のコネクタ18に係止され、また、第1のコネクタ16の近位端部77および第2のコネクタ18の遠位端部70に対する第2の組の対向する軸方向力の印加および解放時、第1のコネクタ16が第2のコネクタ18から解放される限り、任意の数の経路をとることができる。これらは、リンクされ反復され得る通路(図39)と、第1の組の対向する軸方向力の印加および解放中ならびに第2の組の対向する軸方向力の印加および解放中同じ進路を辿る通路(図44および45)と、湾曲したセクションを有する通路(図43)と、共通の入口および出口点を有するが、ロッキングおよび解放ステップの大部分の間ループを辿るようにループ状にされる通路(図46)とを含む。すべての経路は、少なくとも5つの位置、すなわち(1)開始位置、(2)初期ベース位置、(3)中間(またはロックされた)位置、(4)二次ベース位置、および(5)終了位置を含むことができる。一部の経路の場合、初期ベース位置(2)および二次ベース位置(4)は、同じである(図44および45)。同様に、開始位置(1)および終了位置(5)もまた、経路に応じて同じでもよい(図46)。図に示す態様はカム部材44上に2つの突出部46および第2のコネクタ18上に2つの溝76を有するが、任意の数の突出部46が使用されてよい。対応する溝または溝76は、溝76の形状が、第1の組の対向する軸方向力の印加および解放時の第2のコネクタ18への第1のコネクタ16のロッキング、および第2の組の対向する軸方向力の印加および解放時の第2のコネクタ18からの第1のコネクタ16の解放を可能にする限り、突出部46の数および/または位置を考慮に入れて変更されまたは増減されてよい。加えて、突出部46および溝76の数は、等しくある必要はない。たとえば、1つの突出部46が、2つまたはそれ以上の反復された溝76パターンで使用されてよく、または2つの突出部46が4つの反復された溝76のパターンで使用されてよい。
【0058】
コネクタシステムは、第2のコネクタ18が固定された状態で第1のコネクタ16のハウジング20内に回転可能に配設された少なくとも1つの突起部46を備えたカム部材44を有するものとしてこれまで説明されてきた。あるいは、突起部46は、ハウジング20に直接的に固定されてよく、またはハウジング20にキー連結されてよい。この場合、第2のコネクタ18は、このとき、二次構成要素(シリンダに類似する)上に置かれ、溝76がハウジング20および突起部46に対して回転することを可能にする。
【0059】
コネクタシステムはまた、第2のコネクタ18の外部上の溝76および第1のコネクタ16の一部としてのカム部材44を有するものとしてこれまで説明されてきた。あるいは、溝76は、第1のコネクタ16のハウジング20の内壁上に置かれてよく、カム部材44は第2のコネクタ18の外部上に置かれてよい。この態様には2つの変形形態が存在する。第1に、少なくとも1つの突起部46を備えたカム部材44は、第2のコネクタ18の外部上の回転するワッシャであってよく、溝76は、第1のコネクタ16のハウジング20の内壁内に固定され得る。第2に、突起部46は、第2のコネクタ18の外部に固定されることが可能であり、溝は、二次構成要素(シリンダのような)の内側に置かれることが可能であり、この二次構成要素は、第1のコネクタ16のハウジング20の内壁内で自由に回転して、溝76を突起部46に対して回転させることを可能にすることができる。
【0060】
本開示は、例示的な設計を有するものとして説明されてきたが、本開示は、さらに、本開示の趣旨および範囲内で変更され得る。したがって、本出願は、その全般的な原理を用いる本開示のあらゆる変形形態、用途、または適合を含むよう意図される。さらに、本出願は、本開示が関係する当技術における知られているまたは慣習的な実践に含まれるような、かつ添付の特許請求の範囲の制限内に入る、本開示からのそのような逸脱を含むよう意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
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