(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032967
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】ジスフェリン二重ベクターを用いた遺伝子治療
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20240305BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20240305BHJP
C12N 7/01 20060101ALI20240305BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240305BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240305BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240305BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20240305BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240305BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240305BHJP
C12N 5/10 20060101ALN20240305BHJP
【FI】
C12N15/12 ZNA
C12N15/864 100Z
C12N7/01
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
A61K48/00
A61P21/00
A61K35/76
C12N5/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014797
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2022567513の分割
【原出願日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】63/024,338
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515289842
【氏名又は名称】リサーチ インスティチュート アット ネイションワイド チルドレンズ ホスピタル
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ルイーズ ロディーノ-クラパック
(57)【要約】
【課題】ジスフェリン二重ベクターを用いた遺伝子治療の提供。
【解決手段】ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチドが本明細書に記載される。さらに、そのような組換えポリヌクレオチドを含むプラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、細胞、および組成物がさらに記載される。そのような組換えポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、細胞および組成物は、ジスフェリン異常症を処置するために使用され得る。ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)、三好ミオパチー、および遠位前方コンパートメントミオパチーを含む常染色体劣性障害であり、これらは総称してジスフェリン異常症として知られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月13日に出願された米国仮出願第63/024,338号の米国特許法第119条(e)項に基づく優先権を主張し、この仮出願の内容は参考として本出願に援用される。
【0002】
電子提出物の参照による組み込み
本出願は、本開示の別個の部分として、その全体が参照により組み込まれ、以下のように識別されるコンピュータ可読形式の配列表を含む:ファイル名:106887_8070_SL.txt;サイズ:129,123バイト、作成;2021年5月11日。
【0003】
技術分野
本開示は、ヒトジスフェリン遺伝子の断片を含むポリヌクレオチド、ならびにそのようなポリヌクレオチドを含むプラスミド、ウイルスベクター、細胞、および組成物、ならびに、ジスフェリン欠損症、例えば肢帯型筋ジストロフィー2B型、ミオシミオパシーおよび遠位前方コンパートメントミオパチーを有する対象を処置するためにそのようなポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、および組成物を使用する方法を提供する。
【背景技術】
【0004】
背景
ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)、三好ミオパチー、および遠位前方コンパートメントミオパチーを含む常染色体劣性障害であり、これらは総称してジスフェリン異常症として知られる。肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)は、世界中で1/100,000~1/200,000の発生率が報告されている米国で最も一般的なLGMDの1つである。三好ミオパチーは、ジスフェリン異常症のより限定された遠位下肢形態である。実際、疾患範囲を考慮すると、LGMD2Bは、腓腹筋の萎縮によって遠位で始まることが多く、その後、時間とともに広がり近位筋に影響を及ぼす。ジスフェリンの喪失は、慢性筋線維喪失、炎症、脂肪置換および線維症を伴う進行性型のジストロフィーをもたらし、これらはすべて筋力低下の悪化につながる。
【0005】
ジスフェリン遺伝子は大きく、これまでに同定された55個のエクソンはゲノムDNAの少なくとも150kbに及んでいる。これらのエクソンは、およそ6.5kbのcDNAおよび2,088アミノ酸のタンパク質を予測する。ジスフェリンは、C末端疎水性膜貫通ドメインと、複数のC2ドメインを有するより長い細胞質配向親水性領域とで構成される237kDaのタンパク質である。ジスフェリンの欠損は、骨格筋のCa2+依存性膜修復を損なうことが、多くの研究により示されている(Song et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA 98:4084-4088,2001;Schnepp et al.,J.Virol.77:3495-3504,2003)。さらに、ジスフェリンは、アネキシンA1およびA2、AHNAK、およびカベオリン-3を含む膜修復に関与する他のタンパク質と相互作用することが示されている。骨格筋が機械的に活動的であり、損傷を受けやすいことを考慮すると、このシステムの重要性が強調される。したがって、強固な膜再封機構が存在しなければならない。ジスフェリンが存在しないかまたは突然変異していると、膜修復が損なわれ、筋線維壊死から始まる一連の事象が起こり、筋線維の喪失および進行性の四肢衰弱が生じる。筋線維再生能力の喪失は、ジスフェリン欠乏の寄与する結果であると考えられる。ジスフェリンはまた、小胞輸送およびエンドサイトーシス、T小管形成などに関連している。
【0006】
ジスフェリン遺伝子の突然変異は、総称してジスフェリン異常症として知られる肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)、三好ミオパチーおよび遠位前方コンパートメントミオパチーを含む対立遺伝子常染色体劣性障害を引き起こす(例えば、Grose et al.,PloS one 7:e39233,2012,Bansal et al.,Nature 423,168-172,2003,Moore,S.A.,et al.,J.Neuropathol.Exp.Neurol 65:995-1003,2006,Rosales et al.,Muscle Nerv 42:14-21,2010,Sondergaard et al.,Anns of Clin.Trans.Neurol.2:256-270,2015,Evesson et al.,J.Biol.Chem.285:28529-28539,2010、およびKlinge et al.,Soc.Exp.Biol.21:1768-1776,2007を参照のこと。それらは各々参照によりその全体が組み込まれる)。ジスフェリン欠乏症のあまり一般的でない表現型は、硬性脊椎症候群を呈する(Klinge et
al.,Muscle Nerve 41:166-173,2010、これは参照によりその全体が組み込まれる)。典型的には、患者は20代前半に徐々に進行する衰弱および高血清クレアチンキナーゼ(CK)を呈する。患者の約1/3が発症後15年以内に車椅子に依存するようになる。臨床的には、心臓は温存され、認知機能は影響を受けない。筋力低下の分布が比較的制限された表現型バリアントは、この障害の生活の質に大きく影響し得る潜在的な局所遺伝子置換治療の段階を設定した(Grose et al.,PLoS One 7:e39233,2012,Barton et al.,Muscle Nerve 42:22-29,2010)。単一ヌクレオチド変化は典型的なDYSF遺伝子突然変異であり、これはまた、導入遺伝子産物を免疫拒絶から保護するのに役立つ遺伝子導入の成功に有利である(Rodine-Klapac et al.,Mol.Ther.18:109-117,2010,Mendell et al.,N.Eng.J.Med.363:1429-1437,2010,Mendell et al.,Ann.Neurol.66:290-297,2009、これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる。)。
ジスフェリン異常症のための治療法も処置もない。集合的に、遺伝子置換または代用遺伝子置換を評価した前臨床研究は、複数の戦略が膜修復の回復においていくらかの有効性を示すことを示した。ジスフェリン遺伝子は、150kbのゲノムDNAを包含する55個のエクソンを含み、その関連cDNAは6.5kbである。しかし、遺伝子置換の場合、AAVのパッケージング限界は4.7kbであり、これは6.5kbのジスフェリンのcDNA配列よりも低い。したがって、機能的全長ジスフェリンタンパク質を必要とする対象に送達することができる新しい機構を必要とするLGMD2Bの処置が必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Song et al.,Proc.Natl.Acad.Sci USA 98:4084-4088,2001
【非特許文献2】Schnepp et al.,J.Virol.77:3495-3504,2003
【非特許文献3】Grose et al.,PloS one 7:e39233,2012
【非特許文献4】Bansal et al.,Nature 423,168-172,2003
【非特許文献5】Moore,S.A.,et al.,J.Neuropathol.Exp.Neurol 65:995-1003,2006
【非特許文献6】Rosales et al.,Muscle Nerv 42:14-21,2010
【非特許文献7】Sondergaard et al.,Anns of Clin.Trans.Neurol.2:256-270,2015
【非特許文献8】Evesson et al.,J.Biol.Chem.285:28529-28539,2010
【非特許文献9】Klinge et al.,Soc.Exp.Biol.21:1768-1776,2007
【非特許文献10】Barton et al.,Muscle Nerve 42:22-29,2010
【非特許文献11】Rodine-Klapac et al.,Mol.Ther.18:109-117,2010
【非特許文献12】Mendell et al.,N.Eng.J.Med.363:1429-1437,2010
【非特許文献13】Mendell et al.,Ann.Neurol.66:290-297,2009
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
要旨
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチドであって、組換えポリヌクレオチドが第1のヌクレオチド配列を含み、第1のヌクレオチド配列が、(a)配列番号1、6、または18のヌクレオチド配列;(b)配列番号1、6、または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6、または配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;(c)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(d)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(e)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(f)(e)のヌクレオチド配列の全長にわたって(e)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列、からなる、組換えポリヌクレオチドが本明細書において開示される。
【0009】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、逆位末端反復配列(ITR)、プロモーター、イントロン、選択マーカーまたは複製起点(ORI)から選択される1またはそれを超える追加のヌクレオチド配列をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、ITRを含む追加のヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ITRはAAV ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRはAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは2つのITRを含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3または配列番号17のヌクレオチド配列を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、プロモーターを含む追加のヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、筋肉特異的プロモーターは、ヒト骨格アクチン遺伝子エレメント、心筋アクチン遺伝子エレメント、デスミンプロモーター、骨格アルファ-アクチン(ASKA)プロモーター、トロポニンI(TNNI2)プロモーター、筋細胞特異的エンハンサー結合因子mef結合エレメント、筋肉クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、切断型MCK(tMCK)プロモーター、ミオシン重鎖(MHC)プロモーター、ハイブリッドa-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)プロモーター、C5-12プロモーター、マウスクレアチンキナーゼエンハンサーエレメント、骨格速筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋心筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋トロポニンi遺伝子エレメント、低酸素誘導性核因子から選択される。いくつかの実施形態では、筋肉特異的プロモーターはMHCK7プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは組換えプロモーターである。いくつかの実施形態では、組換えプロモーターは組換え筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、組換え筋肉特異的プロモーターは、組換えミオシン重鎖クレアチンキナーゼ筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、イントロンを含む追加のヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、5’ドナー部位、分岐点、および/または3’スプライス部位を含む。いくつかの実施形態では、イントロンはキメライントロンである。いくつかの実施形態では、イントロンは、ヒトβ-グロビン遺伝子由来の5’ドナー部位を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の分岐点を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の3’スプライスアクセプター部位を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、選択マーカーを含む追加のヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、β-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、配列番号6または配列番号18のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0014】
いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは、1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない。
【0015】
いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは、1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない。
【0016】
ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチド配列であって、組換えポリヌクレオチドが第2のヌクレオチド配列を含み、第2のヌクレオチド配列が、(a)配列番号2、8または19のヌクレオチド配列;(b)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(c)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(d)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(e)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(f)(d)のヌクレオチド配列の全長にわたって(e)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列、からなる、組換えポリヌクレオチド配列が本明細書において開示される。
【0017】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、逆位末端反復配列(ITR)、選択マーカー、複製起点(ORI)、非翻訳領域(UTR)、またはポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む1またはそれを超える追加のヌクレオチド配列をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、ITRを含む追加のヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ITRはAAV ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRはAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである。いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは2つのITRを含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3または17のヌクレオチド配列を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、ポリAシグナルを含むヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは人工ポリAシグナルである。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、選択マーカーを含む追加のヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、β-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、配列番号8または配列番号19のヌクレオチド配列を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第1の断片をコードする第1のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0022】
いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは、1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない。
【0023】
いくつかの実施形態では、組換えヌクレオチドは、1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない。
【0024】
(a)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端断片をコードする第1の組換えポリヌクレオチドを含む第1のAAVベクターであって、第1の組換えポリヌクレオチドが第1のヌクレオチド配列を含み、第1のヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、第1のAAVベクター;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2の組換えポリヌクレオチドを含む第2のAAVベクターであって、第2の組換えポリヌクレオチドが第2のヌクレオチド配列を含み、第2のヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、第2のAAVベクター、を含む、二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステムが本明細書においてさらに開示される。
【0025】
本明細書中にさらに開示されるのは、本明細書中に開示される組換えポリヌクレオチドのいずれかを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、ヒトジスフェリンタンパク質のN末端断片をコードする。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは、ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする。いくつかの実施形態では、AAVベクターは、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAVrh.10、AAVrh.20、またはAAVrh.74である。いくつかの実施形態では、AAVベクターはAAVrh.74である。
【0026】
本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示されるAAVベクターのいずれかを含む組成物である。
【0027】
(a)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端断片をコードする第1の組換えポリヌクレオチドを含む第1の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターであって、第1の組換えポリヌクレオチドが第1のヌクレオチド配列を含み、第1のヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、第1のrAAVベクター;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2の組換えポリヌクレオチドを含む第2のrAAVベクターであって、第2の組換えポリヌクレオチドが第2のヌクレオチド配列を含み、第2のヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、第2のrAAVベクター、を含む、組成物が本明細書においてさらに開示される。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1および第2のrAAVベクターのモル比は、約100:1~1:100、約10:1~1:10、約2:1~1:2または約1:1である。
【0029】
(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含み、ポリヌクレオチドが、第1のITRおよび第2のITRに挟まれている、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが、本明細書においてさらに開示される。
【0030】
いくつかの実施形態では、ITRはAAV ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRはAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のITRは、配列番号3または17のヌクレオチド配列を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、プロモーター、イントロン、選択マーカー、または複製起点(ORI)を含む1またはそれを超える追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、プロモーターを含む追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、筋肉特異的プロモーターは、ミオシン重鎖複合体-Eボックス筋肉クレアチンキナーゼ融合エンハンサー/プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは組換えプロモーターである。いくつかの実施形態では、組換えプロモーターは組換え筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、組換え筋肉特異的プロモーターはMHCK7プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、イントロンを含む追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、5’ドナー部位、分岐点、および/または3’スプライス部位を含む。いくつかの実施形態では、イントロンはキメライントロンである。いくつかの実施形態では、イントロンは、ヒトβ-グロビン遺伝子由来の5’ドナー部位を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の分岐点を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の3’スプライスアクセプター部位を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、選択マーカーを含む追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、β-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、AAVベクターは、配列番号6または配列番号15のヌクレオチド配列を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0036】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない。
【0037】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない。
【0038】
(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、ポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド;または(vi)(v)のポリヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含み、ポリヌクレオチドが、第1のITRおよび第2のITRに挟まれている、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが、本明細書においてさらに開示される。
【0039】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、選択マーカー、複製起点(ORI)、非翻訳領域(UTR)、またはポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む1またはそれを超えるポリヌクレオチド配列をさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、ITRはAAV ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRはAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3または17のヌクレオチド配列を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、ポリAシグナルを含む追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは人工ポリAシグナルである。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、選択マーカーを含む追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、β-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である。
【0043】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、配列番号8または配列番号16のヌクレオチド配列を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0045】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない。
【0046】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない。
【0047】
以下を含む、二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステムが本明細書において開示される:(I)(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含む、第1のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第1および第2のITRに挟まれている、第1のAAVベクター;(II)第2のAAVベクターであって、(a)第3の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなるポリヌクレオチド、および(c)第4のITRを含む、第2のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第3および第4のITRに挟まれている、第2のAAVベクター。
【0048】
(a)本明細書において開示される組換えポリヌクレオチドを含むプラスミド;(b)アデノウイルスヘルパープラスミド;および(c)rep-capプラスミドを含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)パッケージングシステムが、本明細書においてさらに開示される。いくつかの例では、アデノウイルスヘルパープラスミドは、pHELPプラスミドを含む。
【0049】
(a)本明細書において開示される組換えポリヌクレオチドを含むプラスミド;および(b)アデノウイルスヘルパープラスミドを含む、アデノ随伴ウイルスパッケージングシステムが、本明細書においてさらに開示される。いくつかの例では、アデノウイルスヘルパープラスミドは、pHELPプラスミドを含む。
【0050】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生する方法であって、細胞をAAVパッケージングシステムと接触させることを含み、AAVパッケージングシステムが、(a)本明細書において開示される組換えポリヌクレオチドを含むプラスミド;(b)アデノウイルスヘルパープラスミド;および(c)rep-capプラスミドを含む、方法が本明細書においてさらに開示される。いくつかの例では、細胞は宿主細胞であり、必要に応じて哺乳動物宿主細胞であり、さらに必要に応じてHEK293である。
【0051】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生する方法であって、パッケージング細胞株にAAVパッケージングシステムを形質導入することを含み、AAVパッケージングシステムが、(a)本明細書に開示される組換えポリヌクレオチドのいずれかを含むAAV発現カセットを含むプラスミド;および(b)アデノウイルスヘルパープラスミドを含み、パッケージング細胞株が、アデノ随伴ウイルスのrepおよびcap遺伝子を発現する、方法が本明細書においてさらに開示される。いくつかの例では、AAV rep遺伝子はRep78である。いくつかの例では、AAV cap遺伝子はRh74 cap遺伝子である。
【0052】
本明細書中にさらに開示されるのは、本明細書中に開示される組換えポリヌクレオチドのいずれかを含む細胞である。
【0053】
AAV発現カセットを含む細胞が本明細書にさらに開示され、AAV発現カセットは本明細書に開示される組換えポリヌクレオチドのいずれかを含む。いくつかの例において、プラスミドは、配列番号18または19と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチドを含む。いくつかの例において、プラスミドは配列番号18または19のポリヌクレオチドを含む。
【0054】
ジスフェリン異常症を処置する方法であって、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、(a)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む有効量の第1の組換えポリヌクレオチドであって、第1のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、有効量の第1の組換えポリヌクレオチド;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む有効量の第2の組換えポリヌクレオチドであって、第2のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、有効量の第2の組換えポリヌクレオチド、を投与することを含む方法が本明細書においてさらに開示される。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは筋肉内または静脈内投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1および第2のポリヌクレオチドは、同時または順次投与される。
【0057】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0058】
ジスフェリン異常症を処置する方法であって、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、(a)有効量の第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第1のポリヌクレオチドが、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなる、有効量の第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、および、(b)有効量の第2のAAVベクターであって、ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチドを含み、第2のポリヌクレオチドが、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチドと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなる、有効量の第2のAAVベクターを、投与することを含む方法が本明細書においてさらに開示される。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1のAAVベクターは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のAAVベクターは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のAAVベクターは同時に投与される。
【0060】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0061】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、有効量の本明細書に開示されるAAV二重ベクターシステムのいずれかを投与することを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、AAV二重ベクターシステムは、筋肉内または静脈内に投与する。
【0063】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0064】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、有効量の本明細書に開示される組成物のいずれかを投与することを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、組成物は筋肉内または静脈内投与される。
【0066】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0067】
本明細書でさらに開示されるのは、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象のジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組成物の使用であり、組成物は、(a)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む第1の組換えポリヌクレオチドであって、第1のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、第1の組換えポリヌクレオチド;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む第2の組換えポリヌクレオチドであって、第2のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、第2の組換えポリヌクレオチドを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のポリヌクレオチドは、同時に投与される。
【0069】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0070】
本明細書で開示されるのは、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象のジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組成物の使用であり、組成物は、(a)有効量の第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチド配列を含み、第1のポリヌクレオチドが、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなる、有効量の第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、および、(b)有効量の第2のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチドを含み、第2のポリヌクレオチドが、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチドと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなる、有効量の第2のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、第1のAAVベクターは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のAAVベクターは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のAAVベクターは同時に投与される。
【0072】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0073】
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組成物の使用であって、組成物が本明細書において開示されるAAV二重ベクターシステムのいずれかを含む、使用が本明細書において開示される。
【0074】
いくつかの実施形態では、組成物は筋肉内または静脈内投与される。
【0075】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0076】
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における、開示される組成物のいずれかの使用が本明細書において開示される。
【0077】
いくつかの実施形態では、組成物は筋肉内または静脈内投与される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0079】
いくつかの実施形態では、有効量の第1のAAVベクターは、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づいて、約1x106~1x1016vg/kg、約1x108~1x1015vg/kg、または約1x1010~1x1014vg/kgである。
【0080】
いくつかの実施形態では、有効量の第2のAAVベクターは、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づいて、約1x106~1x1016vg/kg、約1x108~1x1015vg/kg、または約1x1010~1x1014vg/kgである。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のAAVベクターは、少なくとも1、2、3、4、または5回投与される。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2のAAVベクターは、少なくとも1、2、3、4、または5回投与される。
【0083】
いくつかの実施形態では、有効量のAAV二重ベクターシステムは、約1x1010~1x1013ベクターゲノム(vg)、約1x1011~1x1013vg、1x1012~1x1013vgである。
【0084】
いくつかの実施形態では、AAV二重ベクターシステムは、少なくとも1、2、3、4、または5回投与される。
【0085】
いくつかの実施形態では、有効量の組成物は、約1x1010~1x1013ベクターゲノム(vg)、約1x1011~1x1013vg、1x1012~1x1013vgである。
【0086】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1、2、3、4、または5回投与される。
【0087】
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドであって、組換えポリヌクレオチド配列が、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む、組換えポリヌクレオチドが本明細書において開示される。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチド配列は、配列番号20のヌクレオチド配列を含む。
【0088】
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、組換えポリヌクレオチド配列が、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含み、方法が、細胞を、ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチドであって、第1のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、組換えポリヌクレオチド;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む第2の組換えポリヌクレオチドであって、第2のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、第2の組換えポリヌクレオチドと、接触させることを含む、方法が本明細書において開示される。
【0089】
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、組換えポリヌクレオチドが、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含み、方法が、細胞を、以下を含む二重AAVベクターシステムと接触させることを含む、方法が本明細書において開示される。(I)(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含む、第1のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第1および第2のITRに挟まれている、第1のAAVベクター;(II)第2のAAVベクターであって、(a)第3の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、ポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチドと少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなるポリヌクレオチド、および(c)第4のITRを含む、第2のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第3および第4のITRに挟まれている、第2のAAVベクター。
【0090】
いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、筋肉細胞、心臓細胞、幹細胞、衛星細胞、および/または肝臓細胞である。
【0091】
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、組換えポリヌクレオチド配列が、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含み、方法が、細胞を、ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチドであって、第1のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、組換えポリヌクレオチド;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む第2の組換えポリヌクレオチドであって、第2のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、第2の組換えポリヌクレオチドを、対象に投与することを含む、方法が本明細書において開示される。
【0092】
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、組換えポリヌクレオチドが、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含み、方法が、以下を含む二重AAVベクターシステムを対象に投与することを含む、方法が本明細書において開示される。(I)(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含む、第1のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第1および第2のITRに挟まれている、第1のAAVベクター;(II)第2のAAVベクターであって、(a)第3の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなるポリヌクレオチド、および(c)第4のITRを含む、第2のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第3および第4のITRに挟まれている、第2のAAVベクター。
【0093】
対象における、対象の筋ジストロフィーを処置する方法であって、ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドの発現を含み、組換えポリヌクレオチド配列が、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む、方法が本明細書で開示される。
【0094】
いくつかの実施形態では、本方法は、対象に、(a)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質のN末端をコードする第1のポリヌクレオチド配列を含む第1の組換えポリヌクレオチドであって、第1のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号1、6または18のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1、6または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6または18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列からなる、第1の組換えポリヌクレオチド;および(b)ヒトジスフェリンタンパク質のC末端断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列を含む第2の組換えポリヌクレオチドであって、第2のポリヌクレオチド配列が、(i)配列番号2、8、または19のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列からなる、第2の組換えポリヌクレオチド、を投与することを含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、本方法は、二重AAVベクターシステムを有する対象に投与することを含み、二重AAVベクターシステムは以下を含む。(I)(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含む、第1のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第1および第2のITRに挟まれている、第1のAAVベクター;(II)第2のAAVベクターであって、(a)第3の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、hDYSFタンパク質の断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなるヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;からなるポリヌクレオチド、および(c)第4のITRを含む、第2のAAVベクターであって、ポリヌクレオチドが第3および第4のITRに挟まれている、第2のAAVベクター。
【0096】
いくつかの実施形態では、対象は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ヒツジ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、またはネコから選択される哺乳動物である。
【0097】
いくつかの実施形態では、対象は、ジスフェリン異常症に罹患している。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】
図1は、ジスフェリン異常症を処置するための二重AAVベクターシステムの概略図を提供する。5’ベクター(例えば、5’hDYSF AAVベクター)、pAAV.MHCK7.DYSF5’.PTG(PTG=プロモーター/導入遺伝子)は、筋肉特異的MHCK7プロモーター、キメライントロン、コンセンサスコザック配列および配列番号12のアミノ酸1~1113に対応するDYSF cDNAの5’部分を含む。3’ベクター(例えば、3’hDYSF AAVベクター)、pAAV.DYSF3’.POLYAは、配列番号12のアミノ酸794~2080に対応するDYSF cDNAの3’部分と、ポリアデニル化シグナルを有するDYSF 3’UTRとを含む。
【0099】
【
図2】
図2は、pAAV.MHCK7.DYSF5’.PTG DNAベクタープラスミドマップを提供する。
【0100】
【
図3】
図3は、pAAV.DYSF3’.POLYAベクターDNAプラスミドMapを提供する。
【0101】
【
図4-1】
図4A~4Dは、二重ベクターシステムの送達後のジスフェリン発現を示す。免疫染色(
図4A)およびウエスタンブロット(
図4C)により、両方のベクターの送達後に強固な全長ジスフェリン発現が見られた。いずれかのベクターのみの送達では、異常なジスフェリン発現はなかった(
図4B:免疫染色、
図4D:ウエスタンブロット)。3222は全長の対照である。
【
図4-2】
図4A~4Dは、二重ベクターシステムの送達後のジスフェリン発現を示す。免疫染色(
図4A)およびウエスタンブロット(
図4C)により、両方のベクターの送達後に強固な全長ジスフェリン発現が見られた。いずれかのベクターのみの送達では、異常なジスフェリン発現はなかった(
図4B:免疫染色、
図4D:ウエスタンブロット)。3222は全長の対照である。
【0102】
【
図5】
図5A~5Cは、rAAVrh74.MHCK7.DYSF.DV送達後のジスフェリン発現の時間経過の結果を示す。
図5Aは、左前脛骨筋(LTA)への二重ベクターの送達後に見られるジスフェリン免疫標識(上パネル)による全長ジスフェリン発現を実証する。ジスフェリン発現は処置後1、3、および6ヶ月間持続し、病理学的異常応答はなかった(H&E、下パネル)。スケールバー、100μm。N=4/時点。
図5Bは、注射されたLTA(1群あたり2つ)における全長ジスフェリンの発現を実証する1、3、6ヶ月の試料のウエスタンブロットを示す。γ-チューブリンをローディング対照として使用した。
図5Cは、様々な組織に関する注射後3ヶ月および6ヶ月でのゲノムDNA(μg)あたりのベクターゲノムの体内分布プロットを示す。注:LTAを処置した;対数軸。
【0103】
【
図6】
図6は、3ヶ月または12ヶ月のエンドポイントでの、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの筋肉内注射によって処置した4匹の個々の動物由来の標的筋肉(LTA)および非標的組織のウエスタンブロット分析を示す。
【0104】
【
図7-1】
図7A~7Cは、AAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達後のジスフェリン発現を示す。
図7Aは、6x10
12vg(2.4e13vg/kg、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づく)のAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達後の組織のジスフェリン免疫標識を示す(n=6/用量)。示されている筋肉は、Dysf-/-、処置(AAV.DV)および野生型(WT)組織についての心臓、腓腹筋、横隔膜および四頭筋である。
図7Bは、前脛骨筋(LTA)、腓腹筋(RGAS)、四頭筋(LQD)、三頭筋(RTri)および横隔膜における中心核の定量化を示す。*p<0.05試料と野生型との間の有意差、#試料と野生型との間の有意差なし。
図7Cは、237kDの全長ジスフェリンバンドを示す組織溶解物(H:心臓、G:腓腹筋、Q:四頭筋、D:横隔膜)のウエスタンブロットを示し、γ-チューブリンがローディング対照として含まれる。
【
図7-2】
図7A~7Cは、AAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達後のジスフェリン発現を示す。
図7Aは、6x10
12vg(2.4e13vg/kg、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づく)のAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達後の組織のジスフェリン免疫標識を示す(n=6/用量)。示されている筋肉は、Dysf-/-、処置(AAV.DV)および野生型(WT)組織についての心臓、腓腹筋、横隔膜および四頭筋である。
図7Bは、前脛骨筋(LTA)、腓腹筋(RGAS)、四頭筋(LQD)、三頭筋(RTri)および横隔膜における中心核の定量化を示す。*p<0.05試料と野生型との間の有意差、#試料と野生型との間の有意差なし。
図7Cは、237kDの全長ジスフェリンバンドを示す組織溶解物(H:心臓、G:腓腹筋、Q:四頭筋、D:横隔膜)のウエスタンブロットを示し、γ-チューブリンがローディング対照として含まれる。
【0105】
【
図8】
図8は、AAVrh.74.DYSF.DV送達後の用量依存性膜膜再封活性を示す。
【0106】
【
図9】
図9は、AAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達後の線維症および炎症の逆転を示す。BlaJマウスを、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づいて、6x10
12vg(2.4e13vg/kg)で処置した。AAVrh.74.MHCK7.DYSF.DV(n=6)。腰筋を除去し、線維症(中央列)およびCD8単核細胞の存在について分析した。遺伝子送達後、両方のパラメータが有意に減少した。
【0107】
【
図10】
図10A~10Bは、rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達がDysf-/-マウスにおいて機能障害を回復させることを実証する。
図10A:横隔膜筋ストリップを採取し、特定の力を評価するためのプロトコルに供した。処置された横隔膜は力の有意な改善を示し(**P>0.01、ANOVA)、これは両方の用量で野生型の力と異ならなかった[2e12vgの総AAV.DYSF DV(8e13vg/kg、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づく)、または6e12vgの総AAV.DYSF.DV(2.4e13vg/kg、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づく)]。
図10Bは、膜再密封における用量依存性応答があったことを示す。低用量では有意な改善はなかった。
【0108】
【
図11】
図11A~11Dは、AAVキャプシドおよびジスフェリンに対するT細胞応答のモニタリングからの結果を示す。末梢血単核細胞を単離し、AAV5およびAAVrh.74キャプシド(青色バー)ならびにヒトジスフェリン(緑色)を含むペプチドに曝露した。AAV5キャプシドおよびジスフェリンに対するT細胞応答を3ヶ月(
図11A)および6ヶ月(
図11B)で監視した。AAVrh.74キャプシドおよびジスフェリンに対するT細胞応答を3ヶ月(
図11C)および6ヶ月(
図11D)で監視した。
【0109】
【
図12-1】
図12A~12Cは、非ヒト霊長類におけるジスフェリン発現を示す。
図12Aは、AAV5.DYSFまたはAAVrh.74.DYSF.DVのいずれかの注射の3ヶ月後および6ヶ月後のNHP組織の組織学(H&E)およびジスフェリン免疫蛍光(IF)画像を示す。H&E染色切片は、免疫浸潤の欠如および線維の壊死を示す。IF切片は、天然(シャム)と比較して注射組織におけるジスフェリンの過剰発現を示す。
図12Bは、AAV5.DYSFおよびAAVrh.74.DYSF.DVの両方についての注射後3ヶ月および6ヶ月の組織のウエスタンブロット画像を示す。重要なことに、注射された組織は、シャム対照と比較して、ジスフェリンの過剰発現を示す。陽性(+)対照は野生型マウス組織であり、陰性(-)対照は129-Dysf-/-非注射組織である。
図12Cは、左TAにAAVrh.74.DYSF.DVをIM注射した後のベクターゲノムの体内分布を示す。対数スケールに注意。
【
図12-2】
図12A~12Cは、非ヒト霊長類におけるジスフェリン発現を示す。
図12Aは、AAV5.DYSFまたはAAVrh.74.DYSF.DVのいずれかの注射の3ヶ月後および6ヶ月後のNHP組織の組織学(H&E)およびジスフェリン免疫蛍光(IF)画像を示す。H&E染色切片は、免疫浸潤の欠如および線維の壊死を示す。IF切片は、天然(シャム)と比較して注射組織におけるジスフェリンの過剰発現を示す。
図12Bは、AAV5.DYSFおよびAAVrh.74.DYSF.DVの両方についての注射後3ヶ月および6ヶ月の組織のウエスタンブロット画像を示す。重要なことに、注射された組織は、シャム対照と比較して、ジスフェリンの過剰発現を示す。陽性(+)対照は野生型マウス組織であり、陰性(-)対照は129-Dysf-/-非注射組織である。
図12Cは、左TAにAAVrh.74.DYSF.DVをIM注射した後のベクターゲノムの体内分布を示す。対数スケールに注意。
【0110】
【
図13】
図13は、ベクター由来のジスフェリン発現を確認するための抗FLAGの使用を実証する。N末端FLAGタグを使用して、内因性およびAAV由来のジスフェリンを区別した。
【発明を実施するための形態】
【0111】
詳細な説明
定義
【0112】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているものなどの用語は、本出願および関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことがさらに理解されよう。以下に明示的に定義されていないが、そのような用語は、それらの共通の意味に従って解釈されるべきである。
【0113】
本明細書の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。
【0114】
本技術の実施は、別段の指示がない限り、当業者の技能の範囲内である、組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、および組換えDNAの従来の技術を使用する。
【0115】
文脈が別段の指示をしない限り、本明細書に記載の本発明の様々な特徴を任意の組み合わせで使用することができることが特に意図される。さらに、本開示は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の特徴または特徴の組み合わせを除外または省略することができることも企図している。例示のために、本明細書が複合体が成分A、BおよびCを含むと述べている場合、A、BもしくはCのいずれかまたはそれらの組み合わせは、単独または任意の組み合わせで省略および放棄され得ることが特に意図される。
【0116】
特に明記しない限り、全ての特定の実施形態、特徴、および用語は、列挙された実施形態、特徴、または用語、およびそれらの生物学的等価物の両方を含むことを意図する。
【0117】
範囲を含むすべての数値表示、例えば、pH、温度、時間、濃度および分子量は、必要に応じて1.0または0.1の増分で、あるいは+/-15%、あるいは10%、あるいは5%、あるいは2%の変動で(+)または(-)変動する近似値であり、そのような範囲が含まれる。常に明示的に述べられているわけではないが、すべての数値指定の前に「約」という用語があることを理解されたい。また、常に明示的に述べられているわけではないが、本明細書に記載される試薬は単なる例示であり、そのような試薬の等価物は当技術分野で公知であることも理解されたい。
【0118】
本技術の実施は、別段の指示がない限り、当業者の技能の範囲内である、有機化学、薬理学、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、および組換えDNAの従来の技術を使用する。例えば、Sambrook,Fritsch and Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd
edition(1989);Current Protocols In Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(1987));the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,a Laboratory Manual,and Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987))を参照のこと。
【0119】
本明細書で使用される場合、「増加した」、「減少した」、「高い」、「低い」という用語またはそれらの任意の文法上の変形は、参照組成物、ポリペプチド、タンパク質などの約90%、80%、50%、20%、10%、5%、1%、0.5%、またはさらには0.1%の変形を指す。
【0120】
「許容され得る」、「有効な」または「十分な」という用語は、本明細書に開示される任意の成分、範囲、剤形などの選択を説明するために使用される場合、前記成分、範囲、剤形などが開示される目的に適していることを意図する。
【0121】
また、本明細書で使用される場合、「および/または」は、関連する列挙された1またはそれを超える項目のありとあらゆる可能な組み合わせ、ならびに代替(「または」)で解釈される場合は組み合わせの欠如を指し、包含する。
【0122】
本開示がポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチドまたは抗体に関連する場合、そのようなものの等価物または生物学的等価物が本開示の範囲内で意図されることは、明示的な列挙なしに推測されるべきであり、別段の意図がない限り、推測されるべきである。本明細書で使用される場合、「その生物学的等価物」という用語は、参照タンパク質、抗体、ポリペプチドまたは核酸に言及する場合、「その等価物」と同義であることを意図しており、所望の構造または機能を依然として維持しながら最小の配列同一性を有するものを意図する。本明細書で具体的に列挙されない限り、本明細書で言及される任意のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、その等価物も含むことが企図される。例えば、等価物は、参照配列の長さにわたって少なくとも約70%の相同性もしくは同一性、または少なくとも80%の相同性もしくは同一性、あるいは少なくとも約85%、あるいは少なくとも約90%、あるいは少なくとも約95%、あるいは98%のパーセントの相同性もしくは同一性を意図し、参照タンパク質、ポリペプチドまたは核酸と実質的に等価な生物学的活性を示す。あるいは、ポリヌクレオチドに言及する場合、その等価物は、1つの態様では、ストリンジェントな条件下で参照ポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドであり、さらなる態様では、参照ポリヌクレオチドまたはその相補体と同一または同様の活性または機能を有するポリヌクレオチドである。
【0123】
タンパク質またはポリペプチドの等価物(本明細書では参照と呼ぶ)は、参照と少なくとも50%(または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%)の同一性を共有し、参照の機能および製造可能性を保持する。
【0124】
本明細書で使用される場合、「機能」、「活性」、および「酵素活性」という用語は互換的に使用される。ジスフェリンの喪失は、骨格筋のCa2+依存性膜修復を損なうことが示されてい(Song et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:4084-4088,2001およびSchnepp et al.,J.Virol.77:3495-3504,2003)。さらに、ジスフェリンは、アネキシンA1およびA2、AHNAK、ならびにカベオリン-3を含む、膜修復に関与する他のタンパク質と相互作用することが示されている(Schnepp et al.,J.Virol.77:3495-3504,2003,Duan et al.,J.Virol.72:8568-8577,1998,Donsante et al.,Gene Ther.8:1343-1346,2001、およびMonahan et al.,Expert Opin.Drug.Saf.1:79-91,2002)。筋線維再生能力の喪失は、ジスフェリン欠乏の寄与する結果であると考えられる(Song et al.,Gene Ther.8:1299-1306,2001)。ジスフェリンはまた、小胞輸送およびエンドサイトーシスならびにT小管形成に関連している(Eveson et al.,The Journal of Biological Chemistry 285:28529-28539,2010,Klinge et al.,FASEB Journal:Official Publication of the Federation of American Societies for
Experimental Biology 21:1768-1776,2007、およびKlinge et al.,Muscle&Nerve 41:166-173,2010)。したがって、ジスフェリンの活性の例としては、限定されないが、骨格筋における膜修復、例えば、膜再封、筋線維再生能の予防または回復、小胞輸送、エンドサイトーシス、および横行(T-)小管形成が挙げられる。膜修復アッセイ、小胞輸送アッセイ、および管形成アッセイは当技術分野で公知であり、インビトロでジスフェリン活性を測定するために使用することができる。例えば、Carmeille et al.,Methods Mol.Biol.1668:195-207,2017,Vassilieva and Nusrat,Methods Mol.Biol.440:3-14,2008,Demonbreun et al.,Am.J.Pathol.184(1):248-59,2014を参照のこと。これらは各々、参照によりそれらの全体が組み込まれる。ジスフェリンの活性を測定するためのさらなる方法は、例えばGrose et al.,PLoS One 7:e39233,2012およびSondergaard et al.,Anns of Clin.Trans.Neurol.2:256-270,2015.に見られる。
【0125】
ポリヌクレオチドの等価物(本明細書では参照と呼ぶ)は、参照と少なくとも50%(または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%)の同一性を共有し、参照によってコードされるものと同じポリペプチドをコードするか、または参照によってコードされるポリペプチドの等価物をコードする。
【0126】
参照配列のアミノ酸/ヌクレオチド残基または連続セグメントと等価な(または対応する)試験配列の位置または連続セグメントに到達するために、試験配列と参照配列との間で配列アラインメントが行われる。互いにアライメントされた位置またはセグメントは、等価物として決定される。
【0127】
「アフィニティタグ」という用語は、アフィニティタグに結合することができる、すなわちアフィニティを有するリガンドを使用して、融合タンパク質の検出および/または細胞環境からの融合タンパク質の精製を可能にするために融合タンパク質内に含まれ得るポリペプチドを指す。リガンドは、抗体、樹脂、または相補的ポリペプチドであり得るが、これらに限定されない。アフィニティタグは、小さなペプチド、一般的には約4~16アミノ酸長のペプチドを含み得るか、またはより大きなポリペプチドを含み得る。一般的に使用されるアフィニティタグには、とりわけ、ポリアルギニン、FLAG、V5、ポリヒスチジン、c-Myc、Strep II、マルトース結合タンパク質(MBP)、N利用物質タンパク質(NusA)、チオレドキシン(Trx)、およびグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)が含まれる(例えば、GST Gene Fusion System Handbook-Sigma-Aldrichを参照のこと)。一実施形態では、親和性タグは、ポリヒスチジンタグ、例えばHis6タグ(配列番号21)である。融合タンパク質にアフィニティタグを含めることにより、アフィニティタグに緊密かつ特異的に結合することができるアフィニティ媒体を使用して、アフィニティ精製によって融合タンパク質を細胞環境から精製することが可能になる。親和性媒体は、例えば、アガロースまたは金属ビーズなどの固定相(マトリックス)に共有結合した金属荷電樹脂またはリガンドを含み得る。例えば、ポリヒスチジンタグ付き融合タンパク質(Hisタグ付き融合タンパク質とも呼ばれる)は、Ni2+またはCo2+ローディング樹脂を使用する固定化金属イオンクロマトグラフィーによって回収することができ、抗FLAGアフィニティーゲルを使用してFLAGタグ付き融合タンパク質を捕捉することができ、アガロースなどの固体支持体に架橋されたグルタチオンを使用してGSTタグ付き融合タンパク質を捕捉することができる。一態様では、アフィニティタグは精製タグまたはマーカーである。
【0128】
本明細書で使用される場合、「精製」、「精製すること」、または「分離すること」という用語は、細胞溶解物またはポリペプチドの混合物などの複合混合物から1またはそれを超える生体材料(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはウイルスベクター)を単離するプロセスを指す。精製、分離、または単離は完全である必要はなく、すなわち、複合混合物のいくつかの成分は、精製プロセス後に、1またはそれを超える生体材料(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはウイルスベクター)と共に残存し得る。しかしながら、精製生成物は、精製前の複合混合物と比較して1またはそれを超える生体材料(例えば、ポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはウイルスベクター)について濃縮されるべきであり、複合混合物内に最初に存在する他の成分のかなりの部分が精製プロセスによって除去されるべきである。
【0129】
本明細書で使用される「細胞」という用語は、必要に応じて対象または市販の供給源から得られる、原核細胞または真核細胞のいずれかを指し得る。いくつかの例では、細胞は、宿主細胞、例えば哺乳動物細胞または哺乳動物宿主細胞である。いくつかの例では、宿主細胞は、本明細書では産生細胞またはパッケージング細胞とも呼ばれる。いくつかの例では、細胞株はパッケージング細胞株である。
【0130】
「真核細胞」は、モネラ属を除く全ての生物界を含む。これらは、膜結合核を介して容易に区別することができる。動物、植物、菌類、原生生物は真核生物であり、すなわち、細胞が内膜と細胞骨格によって複雑な構造に組織化されている生物である。最も特徴的な膜結合構造は核である。特に明記しない限り、「宿主」という用語は、例えば酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核宿主を含む。真核細胞または宿主の非限定的な例としては、サル、ウシ、ブタ、マウス、ラット、鳥類、爬虫類およびヒト、例えば、HEK293細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、CHO-S細胞、CHO-K1細胞、293T細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、Sf9細胞、幹細胞、衛星細胞および筋肉細胞が挙げられる。筋肉細胞の例には、骨格筋細胞、心筋細胞、および平滑筋細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
「原核細胞」は、通常、核または任意の他の膜結合オルガネラを欠き、2つのドメイン、細菌および古細菌に分けられる。染色体DNAに加えて、これらの細胞は、エピソームと呼ばれる環状ループに遺伝情報を含むこともできる。細菌細胞は非常に小さく、ほぼ動物ミトコンドリアのサイズ(直径約1~2μmおよび長さ10μm)である。原核細胞は、3つの主要な形状:棒状、球状、およびらせんを特徴とする。真核生物のような精巧な複製プロセスを経る代わりに、細菌細胞は二分裂によって分裂する。例としては、バチルス細菌、大腸菌細菌およびサルモネラ菌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
核酸配列に適用される「コードする」という用語は、その天然の状態で、または当業者に周知の方法によって操作された場合に、転写および/または翻訳されてポリペプチドおよび/またはその断片のmRNAを産生することができる場合にポリペプチドを「コードする」と言われるポリヌクレオチドを指す。アンチセンス鎖は、そのような核酸の相補体であり、そこからコード配列を推定することができる。
【0133】
用語「同等物」または「生物学的同等物」は、特定の分子、生物学的または細胞物質に言及するときに交換可能に使用され、所望の構造または機能性を依然として維持しながら(例えば、類似の機能または活性を有する)、最小限の相同性を有するものを意図する。明示的に述べられていないが、参照ポリペプチド、タンパク質またはポリヌクレオチドに対する等価物または生物学的等価物に言及する場合、等価物または生物学的等価物は、参照ポリペプチド、タンパク質またはポリヌクレオチドに対する列挙された構造的関係および等価または実質的に等価な生物学的活性を有することを理解されたい。例えば、等価なポリペプチド、タンパク質またはポリヌクレオチドの非限定的な例としては、それに対してあるいはポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはタンパク質配列に関して、参照ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはタンパク質の長さにわたって、少なくとも60%、あるいは少なくとも65%、あるいは少なくとも70%、あるいは少なくとも75%、あるいは80%、あるいは少なくとも85%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド、タンパク質またはポリヌクレオチドが挙げられる。あるいは、等価なポリペプチドは、そのような参照ポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチドに高ストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズし、実質的に等価または等価な生物学的活性を有するポリヌクレオチドまたはその相補体によってコードされるものである。高ストリンジェンシーの条件は、本明細書に記載され、参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、その等価物は、基準ポリヌクレオチドの長さにわたって基準ポリヌクレオチド、例えば野生型ポリヌクレオチドに対して少なくとも70%、あるいは少なくとも75%、あるいは80%、あるいは少なくとも85%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも95%、または少なくとも97%の配列同一性を有する、ポリヌクレオチドまたはその相補体によってコードされるポリペプチドである。そのような等価なポリペプチドは、参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと同じ生物学的活性を有する。
【0134】
等価なポリヌクレオチドの非限定的な例としては、参照ポリヌクレオチドに対して少なくとも60%、あるいは少なくとも65%、あるいは少なくとも70%、あるいは少なくとも75%、あるいは80%、あるいは少なくとも85%、あるいは少なくとも90%、あるいは少なくとも95%、あるいは少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドが挙げられる。同等物はまた、参照ポリヌクレオチドに対して高ストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドまたはその相補体を意図する。そのような等価なポリヌクレオチドは、参照ポリヌクレオチドと同じ生物学的活性を有する。
【0135】
別の配列に対してある特定の割合(例えば、80%、85%、90%、または95%)の「配列同一性」を有するポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は、アラインメントされたとき、その割合の塩基(またはアミノ酸)が、参照ポリヌクレオチドの長さにわたって2つの配列を比較したときに同一であることを意味する。アラインメントおよびパーセント相同性または配列同一性は、当技術分野で公知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.1987)Supplement 30,セクション7.7.18、表7.7.1に記載されているものを使用して決定することができる。特定の実施形態では、デフォルトパラメータがアライメントに使用される。非限定的な例示的なアライメントプログラムは、デフォルトパラメータを使用するBLASTである。特に、例示的なプログラムは、BLASTNおよびBLASTPを含み、以下のデフォルトパラメータを使用する:遺伝コード=標準;フィルタ=なし;鎖=両方;カットオフ=60;期待値=10;マトリックス=BLOSUM62;記述=50シーケンス;ソート基準=高スコア;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS translations+SwissProtein+SPupdate+PIR。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi-bin/BLASTで見ることができる。配列同一性およびパーセント同一性は、それらをclustalW(2017年1月13日に最終アクセスされた、ウェブアドレス:genome.jp/tools/clustalw/で入手可能)またはClustal Omega(ebi.ac.uk/Tools/msa/clustalo/で入手可能)に組み込むことによって決定することができる。
【0136】
「相同性」または「同一性」または「類似性」は、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較の目的でアラインメントされ得る各配列中の位置を比較することによって決定され得る。比較される配列中の位置が同じ塩基またはアミノ酸によって占められる場合、分子はその位置で相同である。配列間の相同性の程度は、配列によって共有される一致または相同位置の数の関数である。「無関係な」または「非相同な」配列は、本開示の配列の1つと40%未満の同一性、あるいは25%未満の同一性を共有する。
【0137】
本明細書で使用される場合、「少なくとも90%同一」という用語は、2つの比較される配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)の約90%~約100%の同一性を指す。それはまた、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、約91%~約100%、約92%~約100%、約93%~約100%、約94%~約100%、約95%~約100%、約96%~約100%、約97%~約100%、約98%~約100%、または約99%~約100%の同一性を含む。
【0138】
本明細書で使用される場合、「保持する」、「類似する」および「同一である」という用語は、ポリヌクレオチド、タンパク質および/またはペプチドの機能、活性または機能活性を説明する際に交換可能に使用され、参照タンパク質、ポリヌクレオチドおよび/またはペプチドの活性の少なくとも約20%(限定されないが、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または約100%を含む)の機能活性を指す。
【0139】
「ハイブリダイゼーション」は、1またはそれを超えるポリヌクレオチドが反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化される複合体を形成する反応を指す。水素結合は、ワトソン-クリック塩基対合、フーグステイン結合、または任意の他の配列特異的な様式で起こり得る。複合体は、二重鎖構造を形成する2本の鎖、多重鎖複合体を形成する3本またはそれを超える鎖、単一の自己ハイブリダイズ鎖、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。ハイブリダイゼーション反応は、PCR反応の開始またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素的切断などのより広範なプロセスにおける工程を構成し得る。
【0140】
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、約25°C~約37°Cのインキュベーション温度;約6×SSC~約10×SSCのハイブリダイゼーション緩衝液濃度;約0%~約25%のホルムアミド濃度;約4×SSC~約8×SSCの洗浄溶液が挙げられる。中程度のハイブリダイゼーション条件の例としては、約40°C~約50°Cのインキュベーション温度;約9×SSC~約2×SSCの緩衝液濃度;約30%~約50%のホルムアミド濃度;および約5×SSC~2×SSCの洗浄溶液が挙げられる。高ストリンジェンシー条件の例としては、約55°C~約68°Cのインキュベーション温度;約1×SSC~約0.1×SSCの緩衝液濃度;約55%~約75%のホルムアミド濃度;および約1×SSC、0.1×SSCまたは脱イオン水の洗浄溶液が挙げられる。一般に、ハイブリダイゼーションのインキュベーション時間は5分~24時間であり、1回、2回、またはそれを超える洗浄工程を伴い、洗浄インキュベーション時間は、約1、2、または15分である。SSCは、0.15M NaClおよび15mMクエン酸緩衝液である。他の緩衝系を使用するSSCの等価物を使用することができることが理解される。一態様において、等価なポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下で参照ポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズするものである。別の態様では、等価なポリペプチドは、ストリンジェントな条件下で参照ポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドである。
【0141】
本明細書で使用される場合、「発現」は、ポリヌクレオチドがmRNAに転写されるプロセスおよび/または転写されたmRNAが続いてペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
【0142】
本明細書で使用される場合、「機能的」という用語は、特定の(particular)、指定された(specified)効果を達成することを意図するように、任意の分子、生物学的または細胞材料を修飾するために使用され得る。
【0143】
本明細書で使用される場合、「核酸配列」および「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指すために互換的に使用される。したがって、この用語には、一本鎖、二本鎖もしくは多本鎖のDNAもしくはRNA、ゲノムDNA、相補的DNA(cDNA)、DNA-RNAハイブリッド、またはプリン塩基およびピリミジン塩基もしくは他の天然、化学的もしくは生化学的に修飾された、非天然もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、メッセンジャーRNA(mRNA)、短いヘアピンRNA、および/または小さいヘアピンRNAを含む、および/またはコードする。一実施形態では、ポリヌクレオチドはmRNAであるか、またはmRNAをコードする。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、二本鎖(ds)DNA、例えば、操作されたds DNAまたは一本鎖RNAから合成されたds cDNAである。
【0144】
「タンパク質」、「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸、アミノ酸類似体またはペプチド模倣体の2またはそれを超えるサブユニットの化合物を指すために交換可能に、それらの最も広い意味で使用される。サブユニットは、ペプチド結合によって連結され得る。別の態様では、サブユニットは、他の結合、例えばエステル、エーテルなどによって連結されてもよい。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質またはペプチドの配列を含み得るアミノ酸の最大数に制限はない。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンならびにDおよびLの両方の光学異性体、アミノ酸類似体およびペプチド模倣物を含む、天然および/または非天然または合成アミノ酸を指す。
【0145】
本明細書で使用される場合、連続するアミノ酸配列は、少なくとも2つのアミノ酸を有する配列を指す。しかしながら、第1の部分および第2の部分の連続するアミノ酸配列は、第1の部分が第2の部分に直接コンジュゲートされるようにアミノ酸配列を限定しないことに留意されたい。第1の部分が、連結などの第3の部分を介して第2の部分に連結され、その結果1つの連続したアミノ酸配列を形成することも可能である。
【0146】
本明細書で使用される場合、「コンジュゲート」、「コンジュゲートした」、「コンジュゲートすること」および「コンジュゲーション」という用語は、分子間、特に2つのアミノ酸配列および/または2つのポリペプチド間の結合の形成を指す。コンジュゲーションは、直接的(すなわち、結合)または間接的(すなわち、さらなる分子を介する)であり得る。コンジュゲーションは共有結合または非共有結合であり得る。
【0147】
本明細書で使用される場合、連続するアミノ酸配列は、直接的または間接的に(例えばリンカーを介して)互いにコンジュゲートした2またはそれを超えるポリペプチドを含み得る。
【0148】
本明細書で使用される場合、「組換え発現系」という用語は、組換えによって形成された特定の遺伝物質の発現のための1つまたは複数の遺伝子構築物を指す。
【0149】
「遺伝子送達ビヒクル」は、挿入されたポリヌクレオチドを宿主細胞内に運ぶことができる任意の分子として定義される。遺伝子送達ビヒクルの例は、リポソーム、天然ポリマーおよび合成ポリマーを含むミセル生体適合性ポリマー;リポタンパク質;脂質ナノ粒子;ポリペプチド;多糖類;リポ多糖;人工ウイルスエンベロープ;金属粒子;および細菌、またはウイルス、例えば狂犬病ウイルス、フラビウイルス、レンチウイルス、バキュロウイルス、アデノウイルスおよびレトロウイルス、バクテリオファージ、コスミド、プラスミド、真菌ベクター、ならびに様々な真核生物および原核生物宿主における発現について記載されており、遺伝子治療ならびに単純なタンパク質発現のために使用され得る、当技術分野で典型的に使用される他の組換えビヒクルである。
【0150】
本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、遺伝子送達ビヒクルを使用して細胞または組織に送達することができる。本明細書で使用される「遺伝子送達」、「遺伝子導入」、「mRNAベースの送達」、「形質導入」などは、導入に使用される方法に関係なく、外因性ポリヌクレオチド(「導入遺伝子」と呼ばれることもある)の宿主細胞への導入を指す用語である。そのような方法には、ベクター媒介遺伝子導入などの様々な周知の技術(例えば、ウイルス感染/トランスフェクション、または例えばプロタミン複合体、脂質ナノ粒子、ポリマーナノ粒子、脂質-ポリマーハイブリッドナノ粒子、および無機ナノ粒子を含む様々な他のタンパク質ベースもしくは脂質ベースの遺伝子送達複合体、またはそれらの組み合わせによる)、ならびに「ネイキッド」ポリヌクレオチドの送達を促進する技術(例えば、エレクトロポレーション、「遺伝子銃」送達、およびポリヌクレオチドの導入に使用される様々な他の技術)が含まれる。導入されたポリヌクレオチドは、修飾されていなくてもよく、または、1またはそれを超える修飾を含んでいてもよい。例えば、修飾mRNAは、ARCAキャッピング;100~250個のアデノシン残基の尾部を付加する酵素的ポリアデニル化(配列番号22);および5-メチルシチジンによるシチジンの置換および/またはプソイドウリジンによるウリジンの置換の一方または両方を含んでもよい。導入されたポリヌクレオチドは、宿主細胞内で安定にまたは一過的に維持され得る。安定な維持には、典型的には、導入されたポリヌクレオチドが、宿主細胞と適合性の複製起点を含むか、あるいは、染色体外レプリコン(例えば、プラスミド)などの宿主細胞のレプリコンまたは核もしくはミトコンドリア染色体に組み込まれることが必要である。当該分野で公知であり、本明細書に記載されるように、哺乳動物細胞への遺伝子の移入を媒介することができるいくつかのベクターが知られている。
【0151】
「プラスミド」は、染色体DNAとは独立して複製することができる、染色体DNAとは別個の染色体外DNA分子である。多くの場合、それは環状で二本鎖である。プラスミドは、微生物の集団内での水平方向の遺伝子導入のための機構を提供し、典型的には、所与の環境状態下で選択的利点を提供する。プラスミドは、競争的な環境ニッチにおいて天然に存在する抗生物質に対する耐性を提供する遺伝子を保有し得るか、あるいは産生されたタンパク質は、同様の状況下で毒素として作用し得る。
【0152】
遺伝子工学で用いられる「プラスミド」は、「プラスミドベクター」と呼ばれる。そのような用途のために多くのプラスミドが市販されている。複製される遺伝子は、特定の抗生物質に対して細胞を耐性にする遺伝子およびマルチクローニングサイト(MCS、またはポリリンカー)を含むプラスミドのコピーに挿入され、マルチクローニングサイトは、この位置にDNA断片を容易に挿入することを可能にするいくつかの一般的に使用される制限部位を含む短い領域である。プラスミドの別の主な用途は、大量のタンパク質を作製することである。この場合、研究者らは、目的の遺伝子を有するプラスミドを含む細菌を増殖させる。細菌が抗生物質耐性を付与するタンパク質を産生するのと同様に、挿入された遺伝子から大量のタンパク質を産生するように誘導することもできる。
【0153】
「酵母人工染色体」または「YAC」は、大きなDNA断片(100kbより大きく3000kbまで)をクローニングするために使用されるベクターを指す。これは人工的に構築された染色体であり、酵母細胞における複製および保存に必要なテロメア、セントロメアおよび複製起点配列を含む。最初の環状プラスミドを使用して構築され、それらは制限酵素を使用することによって線状化され、次いで、DNAリガーゼは、凝集末端の使用によって線状分子内に目的の配列または遺伝子を付加することができる。YAC、YIps(酵母インテグレーティングプラスミド)およびYEps(酵母エピソーマルプラスミド)などの酵母発現ベクターは、酵母自体が真核細胞であるので、翻訳後修飾を有する真核タンパク質産物を得ることができるので極めて有用であるが、YACはBACよりも不安定であり、キメラ効果を生じることが分かっている。
【0154】
本明細書で使用される場合、「ウイルスキャプシド」または「キャプシド」という用語は、ウイルス粒子のタンパク質性シェルまたはコートを指す。キャプシドは、ウイルスゲノムをキャプシド化し、保護し、輸送し、宿主細胞に放出するように機能する。キャプシドは、一般に、タンパク質のオリゴマー構造サブユニット(「キャプシドタンパク質」)から構成される。本明細書で使用される場合、「キャプシド化された」という用語は、ウイルスキャプシド内に封入されていることを意味する。
【0155】
本明細書で使用される場合、ウイルスまたはプラスミドの言及における「ヘルパー」という用語は、ウイルス粒子または本明細書に開示される改変AAVなどの組換えウイルス粒子の複製およびパッケージングに必要な追加の成分を提供するために使用されるウイルスまたはプラスミドを指す。ヘルパーウイルスによってコードされる成分は、ビリオンアセンブリ、キャプシド化、ゲノム複製および/またはパッケージングに必要な任意の遺伝子を含み得る。例えば、ヘルパーウイルスは、ウイルスゲノムの複製に必要な酵素をコードし得る。AAV構築物と共に使用するのに適したヘルパーウイルスおよびプラスミドの非限定的な例としては、pHELP(プラスミド)、アデノウイルス(ウイルス)またはヘルペスウイルス(ウイルス)が挙げられる。
【0156】
本明細書で使用される場合、生物学的試料または試料は、対象、細胞株または培養細胞もしくは組織から得ることができる。例示的な試料としては、細胞試料、組織試料、血液などの液体試料および生物学的起源の他の液体試料(眼液(房水および硝子体液)、末梢血、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー液または射精前液、女性射精液、汗、涙、嚢胞液、胸膜および腹膜液、心膜液、腹水、リンパ、キームス、乳び、胆汁、間質液、月経、膿、皮脂、嘔吐物、膣分泌物/潮、滑液、粘膜分泌物、便水、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺液、胚盤胞腔液、または臍帯血が挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
本明細書で使用される場合、「検出可能なマーカー」という用語は、検出可能なシグナルを直接的または間接的に生成することができる少なくとも1つのマーカーを指す。このマーカーの非網羅的なリストには、例えば比色測定、蛍光、発光によって検出可能なシグナルを生成する酵素、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、グルコース6リン酸脱水素酵素、蛍光、発光色素などの発色団、電子顕微鏡によって、または、その導電率、アンペロメトリー、ボルタメトリー、インピーダンスなどによって検出可能な電気特性によって検出される電子密度を有するグループが含まれ、例えば、分子が物理的および/または化学的特性において検出可能な変化を誘発するのに十分な大きさである場合、その検出は、回折、表面プラズモン共鳴、表面変化、接触角変化などの光学的方法、または原子間力顕微鏡、トンネル効果、あるいは32P、35S、89Zrまたは125Iなどの放射性分子などの物理的方法により達成することができる。
【0158】
本明細書で使用される場合、「精製マーカー」という用語は、精製または同定に有用な少なくとも1つのマーカーを指す。このマーカーの非網羅的なリストには、His、lacZ、GST、マルトース結合タンパク質、NusA、BCCP、c-myc、CaM、FLAG、GFP、YFP、cherry、チオレドキシン、ポリ(NANP)、V5、Snap、HA、キチン結合タンパク質、Softag1、Softag3、StrepまたはSタンパク質が含まれる。適切な直接または間接蛍光マーカーとしては、FLAG、GFP、YFP、RFP、dTomato、cherry、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、DNP、AMCA、ビオチン、ジゴキシゲニン、Tamra、Texas Red、ローダミン、Alexa fluor、FITC、TRITCまたは任意の他の蛍光色素もしくはハプテンが挙げられる。
【0159】
本明細書で使用される場合、エピトープタグは、抗体によって認識される抗原として作用するタンパク質または炭水化物などの生物学的構造または配列である。特定の実施形態において、エピトープタグは、精製マーカーおよび/またはアフィニティタグと交換可能に使用される。
【0160】
「組成物」は、2またはそれを超える化合物の組み合わせ、例えば、活性ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ウイルスベクター、または抗体と、不活性(例えば、検出可能な標識)または活性(例えば、遺伝子送達ビヒクル)の別の化合物または組成物との組み合わせを意味することを意図している。
【0161】
「医薬組成物」は、活性ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは抗体と、不活性または活性の担体、例えば固体支持体との組み合わせを含み、組成物をインビトロ、インビボまたはエクスビボでの診断または治療使用に適したものにすることを意図している。
【0162】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る担体」という用語は、リン酸緩衝生理食塩水、水、および油/水または水/油エマルジョンなどのエマルジョン、および様々な種類の湿潤剤などの標準的な薬学的担体のいずれかを包含する。組成物はまた、安定剤および保存剤を含むことができる。担体、安定剤およびアジュバントの例については、Martin(1975)Remington’s Pharm.Sci.,15th Ed.(Mack Publ.Co.,Easton)を参照のこと。
【0163】
「対象」、「個体」または「患者」は、本明細書では互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指す。哺乳動物としては、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、ネコ、家畜、スポーツ動物、ペット、ウマおよび霊長類、特にヒトが挙げられるが、これらに限定されない。ヒトの処置に有用であることに加えて、本発明はまた、哺乳動物、げっ歯類などを含むコンパニオン哺乳動物、エキゾチック動物および家畜の獣医学的処置にも有用である。1つの実施形態において、哺乳動物には、ウマ、イヌおよびネコが含まれる。本発明の別の実施形態において、ヒトは、18歳未満の青年または乳児である。
【0164】
疾患を「処置すること」または「処置」には、以下が含まれる:(1)疾患を予防すること、すなわち、疾患に罹りやすい可能性があるが、疾患の症候をまだ経験または示していない患者において疾患の臨床症候を発症させないこと;(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患またはその臨床症候の発症を停止または減少させること;または(3)疾患を軽減すること、すなわち疾患またはその臨床症候の退行を引き起こすこと。一態様では、「処置」という用語は予防(prevention)または予防法(prophylaxis)を除外する。
【0165】
「処置」という用語に関連する「罹患している」という用語は、疾患と診断されているか、または疾患に罹りやすい患者または個体を指す。
【0166】
「有効量」は、有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1またはそれを超える投与、適用または投薬で投与することができる。そのような送達は、個々の投与単位が使用されるべき期間、治療剤のバイオアベイラビリティ、投与経路などを含む多くの変数に依存する。しかしながら、任意の特定の対象に対する本発明の治療剤の特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、対象の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事、投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置される特定の障害の重症度および投与形態を含む様々な因子に依存することが理解される。処置投与量は、一般に、安全性および有効性を最適化するために用量設定され得る。一態様では、有効量は治療有効量である。典型的には、インビトロおよび/またはインビボ試験からの用量-効果関係は、最初に、患者投与のための適切な用量に関する有用な指針を提供することができる。一般に、インビトロで有効であることが分かった濃度に見合った血清レベルを達成するのに有効な量の化合物を投与することが望まれる。これらのパラメータの決定は、十分に当業者の技術の範囲内である。これらの考慮事項、ならびに有効な製剤および投与手順は、当技術分野で周知であり、標準的な教科書に記載されている。この定義と一致して、本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、エクスビボ、インビトロまたはインビボでRNAウイルス複製を阻害するのに十分な量である。
【0167】
投与という用語は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)による投与を含むが、これらに限定されず、単独または一緒に、各投与経路に適した従来の非毒性の薬学的に許容され得る担体、アジュバント、賦形剤およびビヒクルを含有する適切な投与単位製剤で製剤化することができる。本発明は、投与経路、製剤または投与スケジュールによって限定されない。
【0168】
本明細書で使用される場合、「AAV」という用語は、アデノ随伴ウイルスの標準的な略語である。アデノ随伴ウイルスは、特定の機能が共感染ヘルパーウイルスによって提供される細胞でのみ増殖する一本鎖DNAパルボウイルスである。現在、特徴付けられているAAVの血清型は13種類ある。AAVの一般的な情報および総説は、例えば、Carter,Handbook of Parvoviruses 1:169-228,1989、およびBerns,Virology 1743-1764,1999に見出すことができる。しかしながら、様々な血清型が遺伝的レベルでさえ構造的にも機能的にも非常に密接に関連していることがよく知られているので、これらの同じ原理が追加のAAV血清型に適用可能であることが十分に予想される。(例えば、Blacklowe,Parvoviruses and Human Disease 165-174,1988,J.R.Pattison,ed.;およびRose,Comprehensive Virology 3:1-61,1974を参照のこと)。例えば、全てのAAV血清型は、相同なrep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明らかに示し、AAV2で発現されるものなどの3つの関連するキャプシドタンパク質を全て有する。関連性の程度は、ゲノムの長さに沿った血清型間の広範な交差ハイブリダイゼーションを明らかにするヘテロ二重鎖分析;および「逆位末端反復配列」(ITR)に対応する末端における類似の自己アニーリングセグメントの存在によってさらに示唆される。同様の感染性パターンはまた、各血清型における複製機能が同様の調節制御下にあることを示唆する。
【0169】
本明細書で使用される「AAV発現カセット」は、AAV末端反復配列(ITR)に挟まれている1またはそれを超える目的のポリヌクレオチ(または導入遺伝子)を含むヌクレオチド配列を指す。そのようなAAV発現カセットは、repおよびcap遺伝子産物をコードおよび発現するベクターでトランスフェクトされた宿主細胞に存在する場合、複製され、感染性ウイルス粒子(例えば、AAVベクター)にパッケージングされ得る。
【0170】
「AAVビリオン」または「AAVベクター」または「AAVウイルス粒子」または「AAVベクター粒子」は、少なくとも1つのAAVキャプシドタンパク質およびキャプシド化ポリヌクレオチドAAV発現カセットで構成されるウイルス粒子を指す。粒子が異種ポリヌクレオチド(すなわち、哺乳動物細胞に送達される導入遺伝子などの野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む場合、それは典型的に、「AAVベクター粒子」または単に「AAVベクター」と呼ばれる。したがって、AAVベクター粒子の産生は、そのようなプラスミドがAAVベクター粒子内に含まれるので、必然的にAAV発現カセットの産生を含む。
【0171】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は複製欠損パルボウイルスであり、その一本鎖DNAゲノムは、145ヌクレオチドの逆位末端反復配列(ITR)を含む長さ約4.7kbである。AAVには複数の血清型がある。AAV血清型のゲノムのヌクレオチド配列は公知である。例えば、AAV血清型2(AAV 2)ゲノムのヌクレオチド配列は、Srivastava et al.,J Virol,45:555-564(1983)に提示されており、Ruffing et al.,J Gen Virol,75:3385-3392(1994)によって訂正されている。他の例として、AAV-1の完全ゲノムは、GenBankアクセッション番号NC_002077に提供されており;AAV-3の完全ゲノムは、GenBankアクセッション番号NC_1829に提供されており;AAV-4の完全ゲノムは、GenBankアクセッション番号NC_001829に提供されており;AAV-5ゲノムは、GenBankアクセッション番号AF085716に提供されており;AAV-6の完全ゲノムはGenBankアクセッション番号NC_001862に提供されており;AAV-7およびAAV-8ゲノムの少なくとも一部は、それぞれGenBankアクセッション番号AX753246およびAX753249に提供されており(AAV-8に関する米国特許第7,282,199号および第7,790,449号も参照されたい);AAV-9ゲノムは、Gao et al.,J.Virol.,78:6381-6388(2004)に提供されており;AAV-10ゲノムはMol.Ther.,13(1):67-76(2006)に提供されており;AAV-11ゲノムは、Virology,330(2):375-383(2004)に提供されている。AAVrh.74のクローニングは、Rodino-Klapac.,et al.Journal of translational medicine 5,45(2007)に記載されている。ウイルスDNA複製(rep)、キャプシド化/パッケージングおよび宿主細胞染色体組込みを指示するシス作用配列がITR内に含まれる。3つのAAVプロモーター(それらの相対マップ位置についてp5、p19、およびp40と命名される)は、rep遺伝子およびcap遺伝子をコードする2つのAAV内部オープンリーディングフレームの発現を駆動する。2つのrepプロモーター(p5およびp19)は、単一のAAVイントロンの差次的スプライシング(例えば、AAV2ヌクレオチド2107および2227において)と合わせて、rep遺伝子から4つのrepタンパク質(rep78、rep68、rep52、およびrep40)の産生をもたらす。Repタンパク質は、ウイルスゲノムの複製に最終的に関与する複数の酵素特性を有する。cap遺伝子は、p40プロモーターから発現され、3つのキャプシドタンパク質VP1、VP2、およびVP3をコードする。選択的スプライシングおよび非コンセンサス翻訳開始部位は、3つの関連キャプシドタンパク質の産生を担う。単一のコンセンサスポリアデニル化部位は、AAVゲノムのマップ位置95に位置する。AAVのライフサイクルおよび遺伝学は、Muzyczka,Current Topics in Microbiology and Immunology,158:97-129(1992)に概説されている。
【0172】
本開示の組換えAAVゲノムは、本発明の核酸分子と、核酸分子に隣接する1またはそれを超えるAAV ITRとを含む。rAAVゲノム中のAAV DNAは、限定されないが、AAV血清型AAVrh.74、AAVrh.10、AAVrh.20、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12およびAAV-13を含む組換えウイルスが誘導され得る任意のAAV血清型に由来し得る。シュードタイプ化rAAVの産生は、例えば国際公開第01/83692号に開示されている。他のタイプのrAAVバリアント、例えばキャプシド突然変異を有するrAAVも企図される。例えば、Marsic et al.,Molecular Therapy,22(11):1900-1909(2014)を参照されたい。上記の背景のセクションで述べたように、様々なAAV血清型のゲノムのヌクレオチド配列は当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、骨格筋特異的発現を促進するために、AAV1、AAV6、AAV8またはAAVrh.74を用いる。
【0173】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別段の指示しない限り、複数の言及を含む。例えば、「細胞(a cell)」という用語は、それらの混合物を含む複数の細胞を含む。
【0174】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、組成物および方法が列挙された要素を含むが、他の要素を除外しないことを意味することを意図している。「から本質的になる(Consisting essentially of)」は、組成物および方法を定義するために使用される場合、記載された目的のために組み合わせにとって本質的に重要な他の要素を除外することを意味するものとする。したがって、本明細書で定義される要素から本質的になる組成物は、単離および精製方法からの微量汚染物質、ならびにリン酸緩衝生理食塩水、防腐剤などの薬学的に許容され得る担体を排除しない。「からなる(Consisting of)」は、他の成分の微量要素、および本発明の組成物を投与するための実質的な方法の工程、または組成物を製造するため、もしくは意図した結果を達成するためのプロセスの工程を超えるものを除くことを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0175】
DNAまたはRNAなどの核酸に関して本明細書で使用される「単離された」という用語は、巨大分子の天然源に存在する他のDNAまたはRNAからそれぞれ分離された分子を指す。「単離された核酸」という用語は、断片として天然に存在しない核酸断片を含むことを意味する。「単離された」という用語はまた、他の細胞タンパク質から単離されたポリペプチド、タンパク質および/または宿主細胞を指すために本明細書で使用され、精製ポリペプチドと組換えポリペプチドの両方を包含することを意味する。他の実施形態では、「単離された」という用語は、通常は天然に関連している細胞、組織、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片(複数可)が含まれる構成成分、細胞およびその他のものから分離されていることを意味する。例えば、単離された細胞は、異なる表現型または遺伝子型の組織または細胞から分離された細胞である。当業者には明らかなように、天然に存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片(複数可)は、その天然に存在する対応物と区別するために「単離」を必要としない。
【0176】
DNAまたはRNAなどのポリペプチドまたはポリヌクレオチドに関して本明細書で使用される「組換え」という用語は、分子クローニングなどの組換えの実験室的方法によって形成された分子を指す。分子クローニング技術は当技術分野で公知であり、ポリヌクレオチドのPCR増幅、ポリヌクレオチドの酵素消化、ポリヌクレオチドの発現カセット(例えば、哺乳動物発現カセット)へのライゲーション、ポリヌクレオチドによる細胞の形質転換、トランスフェクションまたは形質導入、およびポリペプチドを産生するためのポリヌクレオチドの発現を含み得るが、これらに限定されない。例えば、Green and Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2012を参照されたい。「組換えポリヌクレオチド」という用語は、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの断片を含むことを意味する。例えば、組換えポリヌクレオチドは、ヒトジスフェリンタンパク質をコードするポリヌクレオチドの断片を含み得る。組換えポリヌクレオチドは、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの断片のPCR増幅によって産生され得る。組換えポリペプチドは、1またはそれを超える組換えポリヌクレオチドの発現によって産生され得る。
【0177】
ヒトジスフェリン(hDSYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドが本明細書に開示される。ヒトジスフェリン(hDSYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドを含むプラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物が、本明細書中にさらに開示される。そのようなポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物を作製および使用する方法もまた、本明細書中に開示される。
【0178】
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチドであって、組換えポリヌクレオチドが第1のヌクレオチド配列を含み、第1のヌクレオチド配列が、(a)配列番号1、6、または18のヌクレオチド配列;(b)配列番号1、6、または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6、または配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;(c)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(d)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(e)hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(f)(e)のヌクレオチド配列の全長にわたって(e)のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列、からなる、組換えポリヌクレオチドが本明細書において開示される。
【0179】
ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチド配列であって、組換えポリヌクレオチドが第1のヌクレオチド配列を含み、第1のヌクレオチド配列が、(a)配列番号2、8または19のヌクレオチド配列;(b)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(c)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(d)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;(e)hDYSFタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または(f)(e)のヌクレオチド配列の全長にわたって(e)のポリヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるポリヌクレオチド配列、からなる、組換えポリヌクレオチド配列が本明細書においてさらに開示される。
【0180】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号1または6のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13または15のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質が、配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含み、ポリヌクレオチドは、第1のITRおよび第2のITRに挟まれている。
【0181】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、(i)配列番号2または8のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14または16のヌクレオチド配列;(iv)配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含み、ポリヌクレオチドは、第1のITRおよび第2のITRに挟まれている。
【0182】
アデノ随伴ウイルス(AAV)発現カセットが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、(a)本明細書に開示される逆位末端反復配列(ITRのいずれかを含む第1のITRであって;(b)本明細書中に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(c)本明細書に開示されるITRのいずれかを含む第2のITRを含み、(b)の5’hYDSYFポリヌクレオチドは、(a)および(c)の第1および第2のITRに挟まれている。
【0183】
いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、(a)本明細書に開示される逆位末端反復配列(ITRのいずれかを含む第1のITRであって;(b)本明細書中に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(c)本明細書に開示されるITRのいずれかを含む第2のITRを含み、(b)の3’hYDSYFポリヌクレオチドは、(a)および(c)の第1および第2のITRに挟まれている。
【0184】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAVベクターは、(a)本明細書に開示される逆位末端反復配列(ITRのいずれかを含む第1のITRであって;(b)本明細書中に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(c)本明細書に開示されるITRのいずれかを含む第2のITRを含み、(b)の5’hYDSYFポリヌクレオチドは、(a)および(c)の第1および第2のITRに挟まれている。
【0185】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、(a)本明細書に開示される逆位末端反復配列(ITRのいずれかを含む第1のITRであって;(b)本明細書中に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(c)本明細書に開示されるITRのいずれかを含む第2のITRを含み、(b)の3’hYDSYFポリヌクレオチドは、(a)および(c)の第1および第2のITRに挟まれている。
【0186】
二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステムが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、二重AAVベクターシステムは、(a)本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む第1のAAVベクターおよび(b)本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む第2のAAVベクターを含む。
【0187】
二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステムが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、二重AAVベクターシステムは、(a)本明細書に開示される5’hDYSF AAVベクターのいずれかを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる第1のAAVベクター(b)本明細書に開示される3’hDYSF AAVベクターのいずれかを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる第2のAAVベクターを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。
【0188】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAVベクターは、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター(例えば、ウイルスまたはウイルス粒子)、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、逆位末端反復配列(ITR)、プロモーター、イントロン、選択マーカーまたは複製起点(ORI)を含むか、それからなるか、それから本質的になる1またはそれを超えるヌクレオチド配列をさらに含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、逆位末端反復配列(ITR)、選択マーカー、複製起点(ORI)、非翻訳領域(UTR)またはポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む1またはそれを超える追加のヌクレオチド配列をさらに含む。
【0192】
ジスフェリン異常症を処置する方法が本明細書でさらに開示される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞、および組成物のいずれかを投与することを含む。
【0193】
本明細書中に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物のいずれかの、ジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における使用が本明細書でさらに開示される。
【0194】
相同組換えフラグメントおよびhDYSF断片
【0195】
AAV媒介遺伝子治療は、複数の疾患のための望ましい処置戦略を提示するが、AAVビリオンの制限的な4.7kbのパッケージング限界によって妨げられる。現在の治療法または有効な治療がない疾患、例えば、ジスフェリン異常症が特に興味深い。本明細書では、2つの部分ゲノムの相同組換えによってジスフェリン遺伝子の全長を作製または産生する方法が開示される。一例では、2つの部分的にパッケージングされたゲノムが、pAAV.MHCK7.DYSF5’.PTGおよびpAAV.DYSF3’.POLYAとして
図1に示されている。2つのゲノムが、AAVベクターにパッケージングされることによるウイルス送達または非ウイルス法(例えば、LNP)のいずれによるかにかかわらず、細胞(例えば、筋細胞)に送達されると、それらは全長ジスフェリンコード領域を含む転写物を生成し、機能的ジスフェリンタンパク質の発現をもたらす。2つのポリヌクレオチド間の重複領域は、全長ジスフェリン遺伝子を含有する転写物をもたらす相同組換えを促進する。全長ジスフェリン遺伝子を2つの部分的にパッケージングされたゲノムに分離することによって、この方法は、AAVパッケージングの制限を回避し、機能的な全長ジスフェリン遺伝子を産生することに成功する。一実施形態では、転写物は、配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を含む発現カセットである。一実施形態では、転写物は、配列番号20の配列を含む発現カセットである。
【0196】
いくつかの実施形態では、ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドであって、組換えポリヌクレオチド配列が、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む、組換えポリヌクレオチドが本明細書において開示される。いくつかの例では、組換えポリヌクレオチドは、配列番号20のヌクレオチド配列を含む。いくつかの例では、組換えポリペプチドを作製する方法が本明細書に開示される。いくつかの例では、この方法は、細胞を、hDYSFタンパク質の5’断片をコードする組換えポリヌクレオチドおよびhDYSFタンパク質の3’断片をコードする第2の組換えポリヌクレオチドと接触させることを含む。いくつかの例では、この方法は、細胞を、本明細書に記載の二重AAVベクターシステムと接触させることを含む。いくつかの例では、細胞は、真核細胞であり、必要に応じて筋肉細胞、心臓細胞、および/または肝臓細胞である。いくつかの例では、この方法は、hDYSFタンパク質の5’断片をコードする組換えポリヌクレオチドおよびhDYSFタンパク質の3’断片をコードする第2の組換えポリヌクレオチドを対象に投与することを含む。いくつかの例では、この方法は、本明細書に記載の二重AAVベクターシステムを対象に投与することを含む。いくつかの例では、この方法は、配列番号20、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む組換えポリヌクレオチドを発現させることによって、対象の筋ジストロフィーを処置することを含む。いくつかの例では、対象は、必要に応じてLGMD2Bまたは三好ミオパチーから選択される、ジスフェリン異常症を罹患している。
【0197】
また、本明細書中には、それぞれがヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードする2つの組換えポリヌクレオチドも開示され、それらは上記のような相同組換えによる全長ジスフェリン遺伝子の産生をもたらし得る。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドはhDYSFタンパク質の5’断片をコードする。いくつかの実施形態では、hDYSFタンパク質の5’断片をコードする組換えポリヌクレオチドは、5’hDYSFポリヌクレオチドと呼ばれる。いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドはhDYSFタンパク質の3’断片をコードする。いくつかの実施形態では、hDYSFタンパク質の3’断片をコードする組換えポリヌクレオチドは、3’hDSYFポリヌクレオチドと呼ばれる。
【0198】
5’hDYSFポリヌクレオチド
【0199】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の3330~3365、3330~3360、3330~3355、3335~3365、3335~3350、3340~3365、3340~3360、または3340~3355の連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の3360、3359、3358、3357、3356、3355、3354、3353、3352、3351、3350、3349、3348、3347、3346、3345、3344、3343、3342、3341、もしくは3340またはそれよりも少ない連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0200】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の3330~3365、3330~3360、3330~3355、3335~3365、3335~3350、3340~3365、3340~3360、または3340~3355の連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の3360、3359、3358、3357、3356、3355、3354、3353、3352、3351、3350、3349、3348、3347、3346、3345、3344、3343、3342、3341、もしくは3340またはそれよりも少ない連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%である。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%である。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%である。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0201】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の3330~3365、3330~3360、3330~3355、3335~3365、3335~3350、3340~3365、3340~3360、または3340~3355の連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域の3360、3359、3358、3357、3356、3355、3354、3353、3352、3351、3350、3349、3348、3347、3346、3345、3344、3343、3342、3341、もしくは3340、またはそれよりも少ない連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に15個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に10個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に5個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に1個のヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド100~4000、100~3900、100~3800、100~3750、100~3716、150~4000、150~3900、150~3800、150~3750、150~3716、200~4000、200~3900、200~3800、200~3750、200~3716、250~4000、250~3900、250~3800、250~3750、250~3716、300~4000、300~3900、300~3800、300~3750、300~3716、350~4000、350~3900、350~3800、350~3750、350~3716、370~4000、370~3900、370~3800、370~3750、370~3716、377~4000、377~3900、377~3800、377~3750、または377~3716の領域内に少なくとも1個のヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド377~3716の領域内に少なくとも1個のヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0202】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の3330~3365、3330~3360、3330~3355、3335~3365、3335~3350、3340~3365、3340~3360、または3340~3355の連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の3360、3359、3358、3357、3356、3355、3354、3353、3352、3351、3350、3349、3348、3347、3346、3345、3344、3343、3342、3341、もしくは3340、またはそれよりも少ない連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列と少なくとも85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列と少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0203】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列に対して10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個またはそれよりも少ないヌクレオチドのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列に対して5個またはそれよりも少ないヌクレオチドのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列に対して2個またはそれよりも少ないヌクレオチドのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域のヌクレオチド配列に対して1個またはそれよりも少ないヌクレオチドのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0204】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の3360、3359、3358、3357、3356、3355、3354、3353、3352、3351、3350、3349、3348、3347、3346、3345、3344、3343、3342、3341、もしくは3340、またはそれよりも少ない連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDSYFポリヌクレオチドは、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域を含み、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置3400~3716、3400~3700、3400~3650、3400~3600、3400~3550、3400~3500、3390~3716、3390~3700、3390~3650、3390~3600、3390~3550、3390~3500、3380~3716、3380~3700、3380~3650、3380~3500、3371~3716、3371~3700、3371~3650、3371~3600、3371~3550、または3371~3500を含む領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0205】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の3330~3365、3330~3360、3330~3355、3335~3365、3335~3350、3340~3365、3340~3360、または3340~3355の連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置1~100、1~200、1~300、1~350、1~375、1~376、100~200、100~300、100~350、100~375、100~376、200~300、200~350、200~375、または200~376からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置1~376からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0206】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の3360、3359、3358、3357、3356、3355、3354、3353、3352、3351、3350、3349、3348、3347、3346、3345、3344、3343、3342、3341、もしくは3340、またはそれよりも少ない連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置1~100、1~200、1~300、1~350、1~375、100~200、100~300、100~350、100~375、200~300、200~350、200~375からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置1~376からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0207】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号1のヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号1の全長にわたって配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号1の全長にわたって配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号1の全長にわたって配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号1の全長にわたって配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0208】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号13のヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号13の全長にわたって配列番号13のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号13の全長にわたって配列番号13のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号13の全長にわたって配列番号13のヌクレオチド配列と少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号13の全長にわたって配列番号13のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0209】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、野生型hDSYFタンパク質のN末端領域を含むhDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、野生型hDSYFタンパク質のN末端領域を含むhDYSFタンパク質の断片は、N末端hDYSFタンパク質と呼ばれる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基1~1113、200~1113、400~1113、500~1113、600~1113、650~113、650~1100、700~1100、700~1113、700~1050、700~1000、800~1113、800~1100、800~1050、900~1113、900~1100、1000~1113、または1000~1100を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる領域を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基1~1113、200~1113、400~1113、500~1113、600~1113、650~113、650~1100、700~1100、700~1113、700~1050、700~1000、800~1113、800~1100、800~1050、900~1113、900~1100、1000~1113、または1000~1100を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる領域を含む。いくつかの実施形態では、N末端hDYSFタンパク質は、アミノ酸残基999~1113、999~1100、1000~1113、または1000~1100を含む、からなる、または本質的にからなる領域を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0210】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、少なくとも1000アミノ酸長であり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基999~1113、999~1100、1000~1113、または1000~1100を含む領域を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、少なくとも1000アミノ酸長であり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基999~1113、999~1100、1000~1113、または1000~1100を含む領域を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0211】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0212】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、N末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってN末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも97%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9の全長にわたって配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9の全長にわたって配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9の全長にわたって配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも92%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9の全長にわたって配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、N末端hDYSFタンパク質は、配列番号9の全長にわたって配列番号9のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0213】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号6のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号6の全長にわたって配列番号6のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号6の全長にわたって配列番号6のヌクレオチド配列と少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号6の全長にわたって配列番号6のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0214】
いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号15のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号15の全長にわたって配列番号6のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号15の全長にわたって配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号15の全長にわたって配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0215】
3’hDYSFポリヌクレオチド
【0216】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の3500~4100、3500~4000、3500~3900、3500~3880、3500~3870、3600~4100、3600~4000、3600~3900、3600~3880、3600~3870、3700~4100、3700~4000、3700~3900、3700~3880、3700~3870、3800~4100、3800~4000、または3800~3900の連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の4100、4000、3900、3880、もしくは3870、またはそれよりも少ない連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0217】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の3500~4100、3500~4000、3500~3900、3500~3880、3500~3870、3600~4100、3600~4000、3600~3900、3600~3880、3600~3870、3700~4100、3700~4000、3700~3900、3700~3880、3700~3870、3800~4100、3800~4000、または3800~3900の連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の4100、4000、3900、3880、もしくは3870、またはそれよりも少ない連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも80%、82%、85%、87%、88%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも85%である。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%である。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の全長にわたって配列番号11のヌクレオチド配列に対して少なくとも95%である。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0218】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の3500~4100、3500~4000、3500~3900、3500~3880、3500~3870、3600~4100、3600~4000、3600~3900、3600~3880、3600~3870、3700~4100、3700~4000、3700~3900、3700~3880、3700~3870、3800~4100、3800~4000、または3800~3900の連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域の4100、4000、3900、3880、もしくは3870、またはそれよりも少ない連続ヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に15個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に10個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に5個またはそれよりも少ないヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に1個のヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2600~6850、2600~6800、2600~6780、2600~6750、2600~6725、2600~6700、2700~6850、2700~6800、2700~6780、2700~6750、2700~6725、2700~6700、2700~6680、2700~6650、2700~6625、2700~6620、2700~6619、2750~6850、2750~6800、2750~6780、2750~6750、2750~6725、2750~6700、2750~6680、2750~6650、2750~6625、2750~6620、2750~6619、2754~6850、2754~6800、2754~6780、2754~6750、2754~6725、2754~6700、2754~6680、2754~6650、2754~6625、2754~6620、または2754~6619の領域内に少なくとも1個のヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、5’ポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド2754~6619の領域内に少なくとも1個のヌクレオチドミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0219】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の3500~4100、3500~4000、3500~3900、3500~3880、3500~3870、3600~4100、3600~4000、3600~3900、3600~3880、3600~3870、3700~4100、3700~4000、3700~3900、3700~3880、3700~3870、3800~4100、3800~4000、または3800~3900の連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、5’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置6620~6914、6620~6900、6620~6800、6620~6700、6700~6914、6700~6800、6800~6914、または6800~6900からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、3’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置6620~6914からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0220】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号11の4100、4000、3900、3880、もしくは3870、またはそれよりも少ない連続するヌクレオチドを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、3’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置6620~6914、6620~6900、6620~6800、6620~6700、6700~6914、6700~6800、6800~6914、または6800~6900からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、3’hDSYFポリヌクレオチドは、配列番号11のヌクレオチド位置6620~6914からなる領域を含まない。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0221】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号2のヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号2の全長にわたって配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号2の全長にわたって配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号2の全長にわたって配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号2の全長にわたって配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0222】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号14のヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号14の全長にわたって配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号14の全長にわたって配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号14の全長にわたって配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号14の全長にわたって配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0223】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、野生型hDSYFタンパク質のC末端領域を含むhDYSFタンパク質の断片をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、野生型hDSYFタンパク質のC末端領域を含むhDYSFタンパク質の断片は、C末端hDYSFタンパク質と呼ばれる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基750~2080、750~2000、750~1900、775~2080、775~2000、775~1900、794~2080、794~2000、または794~1900を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる領域を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基750~2080、750~2000、750~1900、775~2080、775~2000、775~1900、794~2080、794~2000、または794~1900を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる領域を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0224】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、1400、1350、1325、1300、1290、もしくは1287、またはそれよりも少ないアミノ酸長を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基750~2080、750~2000、750~1900、775~2080、775~2000、775~1900、794~2080、794~2000、または794~1900を含む領域を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、少なくとも1400、1350、1325、1300、1290、もしくは1287、またはそれよりも少ないアミノ酸長であり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基750~2080、750~2000、750~1900、775~2080、775~2000、775~1900、794~2080、794~2000、または794~1900を含む領域を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0225】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、1400、1350、1325、1300、1290、もしくは1287、またはそれよりも少ないアミノ酸長を含むか、それからなるか、または本質的にそれからなり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号12のアミノ酸残基678~793、678~750、678~725、または678~700を含む領域を含まない。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0226】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0227】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも92%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、C末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列の全長にわたってC末端hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列と少なくとも97%同一であるヌクレオチド配列を含み、それからなり、またはそれから本質的になり、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10のアミノ酸配列を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態では、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10の全長にわたって配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも80%、82%、85%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10の全長にわたって配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10の全長にわたって配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも92%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10の全長にわたって配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、C末端hDYSFタンパク質は、配列番号10の全長にわたって配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0228】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号8のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号8の全長にわたって配列番号8のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号8の全長にわたって配列番号8のヌクレオチド配列と少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号8の全長にわたって配列番号8のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0229】
いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号16のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号16の全長にわたって配列番号16のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号16の全長にわたって配列番号16のヌクレオチド配列と少なくとも85%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、配列番号16の全長にわたって配列番号16のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。
【0230】
いくつかの実施形態では、5’hDSYFポリヌクレオチドおよび3’hDYSFポリヌクレオチドの配列は、少なくとも500、600、700、800、900、950、960、または963ヌクレオチドの重複を含む。いくつかの実施形態では、N末端hDSYFタンパク質およびC末端hDSYFタンパク質の配列は、少なくとも50、100、150、200、250、300、または320アミノ酸の重複を含む。
【0231】
逆位末端反復配列
【0232】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、1またはそれを超える逆位末端反復配列(ITRS)を含むか、それからなるか、またはそれから本質的になるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、2個、3個、4個、5個、もしくは6個、またはそれを超えるITRを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる2個、3個、4個、5個、もしくは6個、またはそれを超えるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、2個またはそれを超えるITRは同じである。いくつかの実施形態では、2個またはそれを超えるITRは異なる。
【0233】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは2個またはそれを超えるITRに挟まれている。いくつかの実施形態では、5’hDYSFポリヌクレオチドは、ITRの第1の対に挟まれている。いくつかの実施形態では、3’hDYSFポリヌクレオチドは、ITRの第2の対に挟まれている。いくつかの実施形態では、ITRの第1の対におけるITRは同じである。いくつかの実施形態では、ITRの第1の対におけるITRは異なる。いくつかの実施形態では、ITRの第2の対におけるITRは同じである。いくつかの実施形態では、ITRの第2の対におけるITRは異なる。いくつかの実施形態では、ITRの第1の対におけるITRは、ITRの第2の対におけるITRと同じである。いくつかの実施形態では、ITRの第1の対における少なくとも1つのITRは、ITRの第2の対における少なくとも1つのITRと同じである。いくつかの実施形態では、ITRの第1の対におけるITRは、ITRの第2の対におけるITRとは異なる。いくつかの実施形態では、ITRの第1の対における少なくとも1つのITRは、ITRの第2の対における少なくとも1つのITRとは異なる。
【0234】
いくつかの実施形態では、ITRはウイルス性ITRである。いくつかの実施形態では、ITRはAAV ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRは、AAV血清型AAVrh.20、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAVrh.74、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAVrh.10、AAV-11、AAV-12およびAAV-13の少なくとも1つの由来のITRから選択される。いくつかの実施形態では、AAV ITRはAAV2
ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRはAAV5 ITRである。AAV1~6のITR配列は、例えばGrimm et al.,J.Virol.80(1):426-39,2006に見ることができ、その全体が参照により組み込まれる。
【0235】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは逆位末端反復配列(ITR)以外のAAV配列を含まない。
【0236】
いくつかの実施形態では、組換えポリヌクレオチドは逆位末端反復配列(ITR)以外のウイルス配列を含まない。
【0237】
いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3の全長にわたって配列番号3のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3の全長にわたって配列番号3のヌクレオチド配列と少なくとも90%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3の全長にわたって配列番号3のヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3のヌクレオチド配列に対する10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個、またはそれより少ないヌクレオチドのミスマッチを含むヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ITRは、配列番号3のヌクレオチド配列に対する5個またはそれより少ないヌクレオチドのミスマッチを含むヌクレオチド配列を含む。
【0238】
プロモーター
【0239】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、1またはそれを超えるプロモーターを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは真核生物プロモーターである。真核生物プロモーターの例としては、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、伸長因子1アルファ(EF1a)プロモーター、CAGプロモーター、ホスホリセレートキナーゼ遺伝子(PGK)プロモーター、テトラサイクリン応答エレメント(TRE)プロモーター、ヒトU6核(U6)プロモーターおよびUASプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プロモーターは哺乳動物プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは構成的プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは誘導性プロモーターである。
【0240】
いくつかの実施形態では、プロモーターは組織特異的プロモーターである。組織の例としては、筋肉組織、上皮組織、結合組織および神経組織が挙げられるが、これらに限定されない。組織特異的プロモーターの例には、B29プロモーター、CD14プロモーター、CD43プロモーター、CD45プロモーター、CD68プロモーター、デスミンプロモーター、エラスターゼ-1プロモーター、エンドグリンプロモーター、フィブロネクチンプロモーター、Flt-1プロモーター、GFAPプロモーター、ICAM-2プロモーター、INF-βプロモーター、Mbプロモーター、NphsIプロモーター、OG-2プロモーター、SP-Bプロモーター、SYN1プロモーター、WASPプロモーター、SV40/bAlbプロモーター、SV40/hAlbプロモーター、SV40/CD43プロモーター、SV40/CD45プロモーター、およびNSE/RU5’プロモーターが含まれるが、これらに限定されない。
【0241】
いくつかの実施形態では、プロモーターは筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、筋肉特異的プロモーターは、ミオシン重鎖複合体-Eボックス筋肉クレアチンキナーゼ融合エンハンサー/プロモーターである。
【0242】
いくつかの実施形態では、プロモーターは組換えプロモーターである。いくつかの実施形態では、組換えプロモーターは組換え筋肉特異的プロモーターである。いくつかの実施形態では、組換え筋肉特異的プロモーターは、組換えミオシン重鎖クレアチンキナーゼ筋肉特異的プロモーターである。別の実施形態では、筋肉特異的プロモーターは、ヒト骨格アクチン遺伝子エレメント、心筋アクチン遺伝子エレメント、デスミンプロモーター、骨格アルファ-アクチン(ASKA)プロモーター、トロポニンI(TNNI2)プロモーター、筋細胞特異的エンハンサー結合因子mef結合エレメント、筋肉クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、切断型MCK(tMCK)プロモーター、ミオシン重鎖(MHC)プロモーター、ハイブリッドa-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)プロモーター、C5-12プロモーター、マウスクレアチンキナーゼエンハンサーエレメント、骨格速筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋心筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋トロポニンi遺伝子エレメント、低酸素誘導性核因子を含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、プロモーターは、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、配列番号4の全長にわたって配列番号4のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、87%、90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0244】
イントロン
【0245】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、1またはそれを超えるイントロンを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、イントロンは真核生物イントロンである。いくつかの実施形態では、イントロンは哺乳動物イントロンである。いくつかの実施形態では、イントロンは合成イントロンである。いくつかの実施形態では、イントロンはキメライントロンである。いくつかの実施形態では、イントロンは非コードエクソンに由来する。いくつかの実施形態では、イントロンは、5’hDYSFポリヌクレオチドの上流にあり、またはそれに対して5’である。
【0246】
いくつかの実施形態では、イントロンは、5’ドナー部位、分岐点、または3’スプライス部位のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、5’ドナー部位、分岐点、または3’スプライス部位のうちの2またはそれを超えるものを含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、5’ドナー部位、分岐点、および3’スプライス部位を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、イントロンは、ヒトβ-グロビン遺伝子由来の5’ドナー部位を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、イントロンは、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の分岐点を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、イントロンは、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の3’スプライスアクセプター部位を含む
【0250】
いくつかの実施形態では、イントロンは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、イントロンは、配列番号5の全長にわたって配列番号5のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、87%、90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0251】
選択マーカー
【0252】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、1またはそれを超える選択マーカーを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、細菌選択マーカーである。いくつかの実施形態では、選択マーカーは、抗生物質耐性遺伝子である。抗生物質耐性遺伝子の例としては、β-ラクタマーゼ、カナマイシン耐性遺伝子、Tn5由来のneo遺伝子、大腸菌ゲノム由来の突然変異体FabI遺伝子、およびURA3(酵母由来のオロチジン-5’リン酸デカルボキシラーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、β-ラクタマーゼ遺伝子である。いくつかの実施形態では、抗生物質耐性遺伝子は、カナマイシン耐性遺伝子である。
【0253】
ポリアデニル化シグナル
【0254】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステム、ウイルスパッケージングシステム、細胞および組成物は、1またはそれを超えるポリアデニル化(ポリA)シグナルを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは人工ポリAシグナルである。
【0255】
いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリAシグナルは、配列番号7の全長にわたって配列番号7のヌクレオチド配列と少なくとも80%、82%、85%、87%、90%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。
【0256】
発現カセットおよびパッケージングシステム
【0257】
アデノ随伴ウイルス(AAV)発現カセットが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、(a)本明細書に開示される逆位末端反復配列(ITRのいずれかを含む第1のITRであって;(b)本明細書中に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(c)本明細書に開示されるITRのいずれかを含む第2のITRを含み、(b)の5’hYDSYFポリヌクレオチドは、(a)および(c)の第1および第2のITRに挟まれている。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むAAV発現カセットは、5’hDYSF AAV発現カセットと呼ばれる。
【0258】
アデノ随伴ウイルス(AAV)プラスミドが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、(a)本明細書に開示される逆位末端反復配列(ITRのいずれかを含む第1のITRであって;(b)本明細書中に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(c)本明細書に開示されるITRのいずれかを含む第2のITRを含み、(b)の3’hYDSYFポリヌクレオチドは、(a)および(c)の第1および第2のITRに挟まれている。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むAAV発現カセットは、3’hDYSF AAV発現カセットと呼ばれる。
【0259】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)発現カセットは、(a)第1の反転末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、(i)配列番号1のヌクレオチド配列;(ii)配列番号1の全長にわたって配列番号1のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号13のヌクレオチド配列;(iv)配列番号13の全長にわたって配列番号13のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質が、配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含み、ポリヌクレオチド配列は、第1のITRおよび第2のITRに挟まれている。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるAAV発現カセットのいずれかは、プロモーター、イントロン、選択マーカー、または複製起点(ORI)を含む1またはそれを超える追加のポリヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号6のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号6の全長にわたって配列番号6のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号15のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号15の全長にわたって配列番号15のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは逆位末端反復配列(ITR)以外のAAV配列を含まない。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは逆位末端反復配列(ITR)以外のウイルス配列を含まない。
【0260】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)発現カセットは、(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、(i)配列番号2のヌクレオチド配列;(ii)配列番号2の全長にわたって配列番号2のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(iii)配列番号14のヌクレオチド配列;(ii)配列番号14の全長にわたって配列番号14のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列;(v)hDYSFタンパク質をコードするヌクレオチド配列であって、hDYSFタンパク質が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または(vi)(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のポリヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるポリヌクレオチド配列;からなるポリヌクレオチド、および(c)第2のITRを含み、ポリヌクレオチド配列は、第1のITRおよび第2のITRに挟まれている。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号8のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号8の全長にわたって配列番号8のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号16のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、配列番号16の全長にわたって配列番号16のヌクレオチド配列と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、AAV発現カセットは、選択マーカー、複製起点(ORI)、非翻訳領域(UTR)、またはポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む1またはそれを超えるポリヌクレオチド配列をさらに含む。
【0261】
アデノ随伴ウイルス(AAV)パッケージングシステムが本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAVパッケージングシステムは、(a)本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセット(b)アデノウイルスヘルパープラスミド;および(c)rep-capプラスミドのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルスヘルパープラスミドは、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子はAAV複製を媒介する。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子は、E4、E2aおよびVAから選択される。いくつかの実施形態では、rep-capプラスミドは、アデノ随伴ウイルスrep遺伝子およびcap遺伝子をコードする1またはそれを超えるポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、rep遺伝子は、Rep78、Rep68、Rep62、およびRep40から選択される1またはそれを超えるライフサイクルタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、cap遺伝子は、VP1、VP2およびVP3から選択される、1またはそれを超えるキャプシドタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、5’hDYSF AAV発現カセットは1またはそれを超えるITRを含む。いくつかの実施形態では、ITRはAAV ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRの血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型と同じである。いくつかの実施形態では、AAV ITRの血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型とは異なる。いくつかの実施形態では、AAV rep遺伝子の血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型と同じである。いくつかの実施形態では、AAV rep遺伝子の血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型とは異なる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される5’hDYSF
AAV発現カセットのいずれかを含むAAVパッケージングシステムを5’hDYSF
AAVパッケージングシステムと呼ぶ。
【0262】
いくつかの実施形態では、AAVパッケージングシステムは、(a)本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセット(b)アデノウイルスヘルパープラスミド;および(c)rep-capプラスミドのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルスヘルパープラスミドは、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子はAAV複製を媒介する。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子は、E4、E2aおよびVAから選択される。いくつかの実施形態では、rep-capプラスミドは、アデノ随伴ウイルスrep遺伝子およびcap遺伝子をコードする1またはそれを超えるポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、rep遺伝子は、Rep78、Rep68、Rep62、およびRep40から選択される1またはそれを超えるライフサイクルタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、cap遺伝子は、VP1、VP2およびVP3から選択される、1またはそれを超えるキャプシドタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、3’hDYSF AAV発現カセットは1またはそれを超えるITRを含む。いくつかの実施形態では、ITRはAAV
ITRである。いくつかの実施形態では、AAV ITRの血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型と同じである。いくつかの実施形態では、AAV ITRの血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型とは異なる。いくつかの実施形態では、AAV
rep遺伝子の血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型と同じである。いくつかの実施形態では、AAV rep遺伝子の血清型は、AAVキャプシドタンパク質の血清型とは異なる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセットのいずれかを含むAAVパッケージングシステムを3’hDYSF AAVパッケージングシステムと呼ぶ。
【0263】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルスパッケージングシステムは、(a)本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセット;および(b)アデノウイルスヘルパープラスミドのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルスヘルパープラスミドは、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子はAAV複製を媒介する。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子は、E4、E2aおよびVAから選択される。
【0264】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルスパッケージングシステムは、(a)本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセット;および(b)アデノウイルスヘルパープラスミドのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルスヘルパープラスミドは、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子はAAV複製を媒介する。いくつかの実施形態では、アデノウイルス由来の1またはそれを超える遺伝子は、E4、E2aおよびVAから選択される。
【0265】
ウイルスベクター
【0266】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(例えば、AAVウイルスまたはAAV粒子)が、本明細書においてさらに開示される。いくつかの実施形態では、AAVベクターは、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むAAVベクターは、5’hDYSF AAVベクターと呼ばれる。
【0267】
いくつかの実施形態では、5’hDYSF AAVベクターは、本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセットのいずれかを含む。
【0268】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むAAVベクターは、3’hDYSF AAVベクターと呼ばれる。
【0269】
いくつかの実施形態では、3’hDYSF AAVベクターは、本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセットのいずれかを含む。
【0270】
いくつかの実施形態では、AAVベクターは、血清型1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、rh.10、rh.20、またはrh.74のAVVである。いくつかの実施形態では、AAVベクターは血清型rh.74のAAVである。いくつかの実施形態では、AAVベクターは血清型5のAAVではない。
【0271】
本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示される2またはそれを超えるAAVベクターを含む二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステムである。いくつかの実施形態では、二重AAVベクターシステムは、(a)本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む第1のAAVベクターおよび(b)本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む第2のAAVベクターを含む。
【0272】
いくつかの実施形態では、二重AAVベクターシステムは、(a)本明細書に開示される5’hDYSF AAVベクターのいずれかを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる第1のAAVベクター(b)本明細書に開示される3’hDYSF AAVベクターのいずれかを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる第2のAAVベクターを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になる。
【0273】
組成物
【0274】
本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む、からなる、またはから本質的になる組成物である。本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む、からなる、またはから本質的になる組成物である。本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示される5’hDYSFプラスミドのいずれかを含む、からなる、またはから本質的になる組成物である。本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示される3’hDYSFプラスミドのいずれかを含む、からなる、またはから本質的になる組成物である。本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示される二重AAVベクターシステムのいずれかを含む、からなる、またはから本質的になる組成物である。本明細書にさらに開示されるのは、本明細書に開示されるAAVベクターのいずれかを含む、からなる、またはから本質的になる組成物である。
【0275】
(a)本明細書に開示する5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む、それからなる、または本質的にそれからなる組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター;および(b)薬学的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる、組成物が本明細書でさらに開示される。
【0276】
(a)本明細書に開示する3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む、それからなる、または本質的にそれからなる組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター;および(b)薬学的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる、組成物が本明細書でさらに開示される。
【0277】
(a)第1の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)であって、第1のrAAVが、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む、それからなる、または本質的にそれからなるもの;および(b)第2の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)であって、第2のrAAVが、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む、それからなる、または本質的にそれからなるもの、を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる、組成物が本明細書でさらに開示される。
【0278】
(a)第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子であって、第1のAAV粒子が、本明細書に開示する5’hDYSF AAVベクターのいずれかを含む、それからなる、または本質的にそれからなるもの;および(b)第2のアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子であって、第2のAAV粒子が、本明細書に開示する3’hDYSF AAVベクターのいずれかを含む、それからなる、または本質的にそれからなるもの、を含む、それらからなる、または本質的にそれらからなる、組成物が本明細書でさらに開示される。
【0279】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される任意の組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体、希釈剤、賦形剤、またはアジュバントをさらに含む。許容され得る担体、希釈剤およびアジュバントは、レシピエントに対して非毒性であり、好ましくは使用される投与量および濃度で不活性であり、緩衝液およびプルロニック(登録商標)などの界面活性剤を含む。許容され得る担体の例としては、リン酸緩衝生理食塩水、防腐剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0280】
薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤は、注射可能な使用に適したものであり得る。注射用途に適した薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤の例としては、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射用溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が挙げられる。すべての場合において、形態は無菌でなければならず、容易な注射可能性が存在する程度に流動性でなければならない。これは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒径の管理、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
【0281】
滅菌注射用溶液は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、または二重ベクターシステムを、必要に応じて、上に列挙した様々な他の成分と共に適切な溶媒中に必要な量で組み込み、続いてフィルタ滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、滅菌された活性成分を、塩基性分散媒および上に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これにより、活性成分および任意の追加の所望の成分の粉末が、以前に滅菌濾過されたその溶液から得られる。
【0282】
AAVベクターの産生方法
【0283】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(例えば、ウイルスまたはウイルス粒子)を産生する方法が本明細書に開示される。AAVベクターを産生する方法は当技術分野で公知である。例えば、そのような方法は、例えば、国際公開第01/83692号に開示されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。AAV産生の一般原理は、例えば、Carter,Current Opinions in Biotechnology 1533-1539,1992;およびMuzyczka,Curr.Topics in Microbial.and Immunol.158:97-129,1992に概説されており、その各々は参照によりその全体が組み込まれる。AAVを産生するための様々なアプローチが、Ratschin et al.,Mol.Cell.Biol.4:2072,1984;Hermonat et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6466,1984;Tratschin et
al.,Mo1.Cell.Biol.5:3251,1985;McLaughlin et al.,J.Virol.,62:1963,1988;and Lebkowski et al.,Mol.Cell.Biol.,7:349,1988;Samulski et al.,J.Virol.,63:3822-3828,1989;米国特許第5,173,414号;国際公開第95/13365号および対応する米国特許第5,658.776号;国際公開第95/13392号;国際公開第96/17947号;PCT/US98/18600;国際公開第97/09441号(PCT/US96/14423);国際公開第97/08298号(PCT/US 96/13872);国際公開第97/21825号(PCT/US 96/20777);国際公開第97/06243号(PCT/FR 96/01064);国際公開第99/11764号;Perrin et al.,Vaccine 13:1244-1250,1995;Paul et al.,Human Gene Therapy 4:609-615,1993;Clark et al.,Gene Therapy 3:1124-1132,1996;米国特許第5,786,211号;米国特許第5,871,982号明細書;および米国特許6,258,595号に記載されており、これらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0284】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生するための方法は、本明細書に開示されるAAVパッケージングシステムのいずれかで細胞を形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、アデノ随伴ウイルスのrepおよびcap遺伝子を安定に発現する組換え細胞である。いくつかの実施形態では、本方法は、形質導入細胞の集団を産生するために細胞を培養することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、形質導入細胞の集団から上清を回収することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、上清を1またはそれを超える精製工程に供して精製AAVベクター試料を生成することをさらに含み、AAVベクター試料は細胞デブリおよびタンパク質を実質的に含まない。代替的に、または追加して、本方法は、形質導入細胞の集団を溶解して細胞溶解物を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞溶解物を1またはそれを超える精製工程に供して精製AAVベクター試料を生成することをさらに含み、AAVベクター試料は、細胞デブリおよびタンパク質を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、精製AAVベクター試料の純度は、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%純粋である。
【0285】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生するための方法は、本明細書に開示される5’hDYSF AAVパッケージングシステムのいずれかで細胞を形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、アデノ随伴ウイルスのrepおよびcap遺伝子を安定に発現する組換え細胞である。いくつかの実施形態では、本方法は、形質導入細胞の集団を産生するために細胞を培養することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、形質導入細胞の集団から上清を回収することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、上清を1またはそれを超える精製工程に供して精製AAVベクター試料を生成することをさらに含み、AAVベクター試料は細胞デブリおよびタンパク質を実質的に含まない。代替的に、または追加して、本方法は、形質導入細胞の集団を溶解して細胞溶解物を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞溶解物を1またはそれを超える精製工程に供して精製AAVベクター試料を生成することをさらに含み、AAVベクター試料は、細胞デブリおよびタンパク質を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、精製AAVベクター試料の純度は、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%純粋である。
【0286】
いくつかの実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生するための方法は、本明細書に開示される3’hDYSF AAVパッケージングシステムのいずれかで細胞を形質導入することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は真核細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、アデノ随伴ウイルスのrepおよびcap遺伝子を安定に発現する組換え細胞である。いくつかの実施形態では、本方法は、形質導入細胞の集団を産生するために細胞を培養することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、形質導入細胞の集団から上清を回収することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、上清を1またはそれを超える精製工程に供して精製AAVベクター試料を生成することをさらに含み、AAVベクター試料は細胞デブリおよびタンパク質を実質的に含まない。代替的に、または追加して、本方法は、形質導入細胞の集団を溶解して細胞溶解物を生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞溶解物を1またはそれを超える精製工程に供して精製AAVベクター試料を生成することをさらに含み、AAVベクター試料は、細胞デブリおよびタンパク質を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、精製AAVベクター試料の純度は、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%純粋である。
【0287】
細胞
【0288】
本明細書中にさらに開示されるのは、本明細書中に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む細胞である。細胞は、原核細胞または真核細胞であり得る。真核細胞の非限定的な例としては、哺乳動物、例えばハムスター、マウス、ラット、イヌ、ヒツジまたはヒトの細胞が挙げられる。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むプラスミドでトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、細胞に、本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセットのいずれかを形質導入する。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に開示される5’hDYSF AAVベクターのいずれかに感染する。
【0289】
本明細書中にさらに開示されるのは、本明細書中に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含むプラスミドでトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、細胞に、本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセットのいずれかを形質導入する。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に開示される3’hDYSF AAVベクターのいずれかに感染する。
【0290】
本明細書に開示される細胞のいずれも、感染性rAAVを産生するパッケージング細胞であり得る。いくつかの実施形態では、パッケージング細胞は、HeLa細胞、293細胞およびPerC.6細胞(同族293株)などの安定に形質転換された癌細胞である。別の実施形態では、パッケージング細胞は、形質転換された癌細胞でない細胞、例えば低継代293細胞(アデノウイルスのE1で形質転換されたヒト胎児腎臓細胞)、MRC-5細胞(ヒト胎児線維芽細胞)、WI-38細胞(ヒト胎児線維芽細胞)、Vero細胞(サル腎臓細胞)およびFRhL-2細胞(アカゲザル胎児肺細胞)である。原核細胞の非限定的な例には、細菌細胞(例えば、大腸菌)および古細菌細胞が含まれる。本開示の細胞は、細胞バンク、例えば、非GMP目的用のアクセション細胞バンク(ACB)またはGMPマスター細胞バンク(MCB)を産生するために使用することができる。細胞のアリコートは、一実施形態では、産生用のバイオリアクタ内で培養する前に、元の接種材料からより大きな体積に拡大される。
【0291】
処置方法
【0292】
ジスフェリン異常症を処置する方法が本明細書でさらに開示される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、(a)本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む有効量の第1のポリヌクレオチド;および(b)本明細書中に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかを含む有効量の第2のポリヌクレオチドを、投与することを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、第1のポリヌクレオチドは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、第2のポリヌクレオチドは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のポリヌクレオチドは、同時に投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のポリヌクレオチドは、順次投与される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0293】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、(a)本明細書に開示される5’hDYSFアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターのいずれかを含む有効量の第1のAAVベクター;および(b)本明細書中に開示される3’hDYSFアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターのいずれかを含む有効量の第2のAAVベクターを、投与することを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、第1のAAVベクターは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、第1のAAVベクターは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のAAVベクターは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、第2のAAVベクターは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のAAVベクターは同時に投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のAAVベクターは順次投与される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0294】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、(a)本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセットのいずれかを含む有効量の第1のAAV発現カセット;および(b)本明細書に開示される3’hDSYF AAV発現カセットのいずれかを含む有効量の第2のAAV発現カセットを投与することを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、第1のAAV発現カセットは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、第1のAAV発現カセットは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第2のAAV発現カセットは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、第2のAAV発現カセットは筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のAAV発現カセットは同時に投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2のAAV発現カセットは順次投与される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0295】
いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症を処置する方法は、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、(a)本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかおよび本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(b)本明細書に開示される5’hDYSF AAVベクターのいずれかおよび本明細書に開示される3’hDYSF AAVベクターのいずれか;(c)本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセットのいずれかおよび本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセットのいずれか;または(d)本明細書に開示される二重AAVベクターシステムのいずれかを含む、有効量の組成物を投与することを含むか、それからなるか、または本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0296】
本明細書中にさらに開示されるのは、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組換えポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、ベクターシステムおよび組成物のいずれかの使用である。
本明細書において開示されるのは、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における、(a)本明細書に開示される5’hDYSFポリヌクレオチドのいずれかおよび本明細書に開示される3’hDYSFポリヌクレオチドのいずれか;(b)本明細書に開示される5’hDYSF AAVベクターのいずれかおよび本明細書に開示される3’hDYSF AAVベクターのいずれか;(c)本明細書に開示される5’hDYSF AAV発現カセットのいずれかおよび本明細書に開示される3’hDYSF AAV発現カセットのいずれか;または(d)(e)本明細書に開示される二重AAVベクターシステムのいずれかを含む組成物の使用である。いくつかの実施形態では、組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸入スプレー経鼻、膣、直腸、舌下、尿道(例えば、尿道坐剤)または局所投与経路(例えば、ゲル、軟膏、クリーム、エアロゾルなど)によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は筋肉内または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、ジスフェリン異常症は、肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである。
【0297】
本発明の方法で投与されるAAVベクターの力価は、例えば、特定のAAV、投与様式、処置目標、個体、および標的とされる細胞型(複数可)に応じて異なり、当技術分野で標準的な方法によって決定され得る。AAVの力価は、1ml当たり少なくとも約1x106、約1x107、約1x108、約1x109、約1x1010、約1x1011、約1x1012、約1x1013~約1x1014またはそれを超えるDNase耐性粒子(DRP)の範囲であり得る。投与量はまた、ウイルスゲノム(vg)の単位で表され得る。例えば、AAVの投与量は、少なくとも約1x106、約1x107、約1x108、約1x109、約1x1010、約1x1011、約1x1012、約2x1012、約3x1012、約4x1012、約5x1012、約6x1012、約7x1012、約8x1012、約9x1012、約1x1013~約1x1014ウイルスゲノムの範囲であり得る。
【0298】
AAV投与量は、ELISA、逆転写酵素活性の評価、FACS、形質導入アッセイ、ノーザンブロッティング(例えば、半定量的ノーザン)、ドットブロット分析またはPCR(例えば、qPCR)を含むがこれらに限定されない複数の方法によって決定することができる。AAV用量は、定量的リアルタイムPCR(qPCR)でAAVベクターゲノムを測定することによって決定できることは周知である。そのようなqPCR法は、従来の形質導入アッセイからの矛盾または任意の結果を克服する。PCR投与量決定の一実施形態では、プラスミドDNAが較正標準として使用される。プラスミドの形態は、qPCR法からの投与量結果に影響を及ぼし得る。一実施形態では、環状またはスーパーコイルDNAまたはプラスミドを定量標準として使用する。
【0299】
いくつかの実施形態では、投与量は、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づいて、vg/kgの単位で表され得る。例えば、AAVの投与量は、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づいて、約1x106~1x1016vg/kg、約1x108~1x1015vg/kg、または約1x1010~1x1014vg/kgである。別の実施形態では、投与量は、約少なくとも1x106、約1x107、約1x108、約1x109、約1x1010、約1x1011、約1x1012、約2x1012、約4x1012、約6x1012、約8x1012、約1x1013、約2x1013、約2.4x1013、約3x1013、約4x1013、約5x1013、約6x1013、約7x1013、約8x1013、約9x1013、約1x1014、約1x1015、または少なくとも約1x1016vg/kgである。一実施形態では、投与量は、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づいて、少なくとも2x1012、4x1012、6x1012、8x1012、1x1013、2x1013、2.4x1013、3x1013、4x1013、5x1013、6x1013、7x1013、または8x1013vg/kgである。
【0300】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、少なくとも約1x106、約1x107、約1x108、約1x109、約1x1010、約1x1011、約1x1012、約2x1012、約3x1012、約4x1012、約5x1012、約6x1012、約7x1012、約8x1012、約9x1012、約1x1013vgを注射あたり1.5mlの総体積で投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、少なくとも約1x106、約1x107、約1x108、約1x109、約1x1010、約1x1011、約1x1012、約2x1012、約3x1012、約4x1012、約5x1012、約6x1012、約7x1012、約8x1012、約9x1012、約1x1013、約2x1013、約5x1013、約7x1013、約1x1014vgの総1日用量を投与することを含む。キャプシド化されたベクターゲノム力価を決定する1つの例示的な方法は、参照によりその全体が組み込まれるPozsgai et al.,Mol.Ther.25(4):855-869,2017に記載される方法のような定量的PCRを用いる。
【0301】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、1日に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、1週間に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、1ヶ月に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10日ごとに対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14週間ごとに対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10日にわたって対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20週間にわたって対象に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヶ月にわたって対象に投与される。
【0302】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかを全身投与することを含む。例えば、全身投与は、全身が影響を受けるように循環系に投与することである。全身投与には、消化管からの吸収などの経腸投与、および注射、注入または埋め込みによる非経口投与が含まれる。
【0303】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかを局所的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかを1またはそれを超える組織に投与することを含む。いくつかの実施形態では、組織は、筋肉組織、上皮組織、結合組織および神経組織から選択される。いくつかの実施形態では、組織は筋肉組織である。
【0304】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかを対象の足に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステム、または組成物のいずれかを対象の短指伸筋(EDB)に投与することを含む。
【0305】
併用療法も本発明によって企図される。本明細書で使用される組み合わせは、同時処置および逐次処置の両方を含む。本発明の方法と標準的な医学的処置(例えば、コルチコステロイド)との組み合わせは、新規な治療との組み合わせと同様に、特に企図される。
【0306】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される方法は、本明細書中に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムまたは組成物のいずれかを対象に投与することの前または後に、対象におけるジスフェリン遺伝子における突然変異の有無を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムまたは組成物のいずれかが、ジスフェリン遺伝子における突然変異の存在が検出されたときに対象に投与される。例示的なジスフェリン突然変異としては、限定されないが、c.1392dupA、c.3035G>A(p.W1012X)、c.2858dupT、c.2779del G、c.5594delG、c.4201dupA、c.1795_1799dupTACT、c.3832C>T(p.Q1278X)、c.757C>T(p.R253W)、c.855+1delG、c.3126G>A(p.W1042X)、c.1663C>T(p.R555W)、c.610C>T(p.R204X)、c.3112C>T(p.R1038X)、c.1368C>G(p.C456W)、c.5713C>T(p.R1905X)、c.3826C>G(p.I1276V)、c.3843+1G>A、c.4167+1G>C、c.2643+1G>A、c.797T>C(p.I266P)、c4876delG、c.3477C>A(p.Y1159X)、c.3137G>A(p.R1046H)、c.509C>A(p.A170E)、c.3967C>T(p.Q1323X)、3191_3196dupGAGGCG、c.3992G>T(p.R1331L)、c.3516_3517delTT、c.247delG、c.1180+11C>T、c896G>A(p.G299E)、c.5078G>A(p.R1693Q)、c.5979dupA、c.3348+1_3348+4delGTAT、c.5314_5318delAGCCC、およびc565C>G(p.L189V)が挙げられる。いくつかの例では、ジスフェリン遺伝子は、c.1392dupA、c.3035G>A(p.W1012X)、c.2858dupT、c.2779del G、c.5594delG、c.4201dupA、c.1795_1799dupTACT、c.3832C>T(p.Q1278X)、c.757C>T(p.R253W)、c.855+1delG、c.3126G>A(p.W1042X)、c.1663C>T(p.R555W)、c.610C>T(p.R204X)、c.3112C>T(p.R1038X)、c.1368C>G(p.C456W)、c.5713C>T(p.R1905X)、c.3826C>G(p.I1276V)、c.3843+1G>A、c.4167+1G>C、c.2643+1G>A、c.797T>C(p.I266P)、c4876delG、c.3477C>A(p.Y1159X)、c.3137G>A(p.R1046H)、c.509C>A(p.A170E)、c.3967C>T(p.Q1323X)、3191_3196dupGAGGCG、c.3992G>T(p.R1331L)、c.3516_3517delTT、c.247delG、c.1180+11C>T、c896G>A(p.G299E)、c.5078G>A(p.R1693Q)、c.5979dupA、c.3348+1_3348+4delGTAT、c.5314_5318delAGCCC、およびc565C>G(p.L189V)を含むがこれらに限定されない1またはそれを超える突然変異を含む。
【0307】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される方法は、本明細書中に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムまたは組成物のいずれかを対象に投与することの前または後に、対象におけるジスフェリンタンパク質のレベルを検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される方法は、本明細書中に開示されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムまたは組成物のいずれかを対象に投与した後に、対象におけるジスフェリンタンパク質のレベルを検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、ジスフェリンのレベルを検出することは、ジスフェリン遺伝子の発現を検出することを含む。ジスフェリン遺伝子の発現を検出することは、ジスフェリンDNAまたはRNAレベルを定量することを含み得る。代替的または追加的に、ジスフェリンタンパク質のレベルを検出することは、ジスフェリンタンパク質のレベルを定量することを含む。いくつかの実施形態では、ジスフェリンタンパク質のレベルは、対象からの試料において検出される。いくつかの実施形態では、試料は体液試料である。体液試料の例としては、血液、尿、汗、唾液、便および滑液が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、血液試料は血漿試料または血清試料である。いくつかの例において、本方法は、例えばAthena Diagnostics(CPT:81408(1))からのジスフェリンDNAシーケンシング試験をさらに含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される方法は、対象に投与されるポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムまたは組成物のいずれかの用量または投与頻度を改変することをさらに含む。いくつかの実施形態では、用量または投与頻度の改変は、ジスフェリンタンパク質レベルの検出に基づく。いくつかの実施形態では、用量または投与頻度は、対象におけるジスフェリンタンパク質レベルが、より早い時点(例えば、ポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムもしくは組成物を投与する前、または最初の用量のポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムもしくは組成物を投与した後であるがその後の用量のポリヌクレオチド、プラスミド、ウイルスベクター、二重ベクターシステムもしくは組成物を投与する前)からの対象のジスフェリンタンパク質レベルと比較して増加する場合に減少する。
【0309】
キット
【0310】
なおさらなる態様では、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ベクター、細胞およびシステムのうちの1またはそれを超えるいずれかまたは組成物、および使用説明書を含むか、あるいはそれから本質的になるか、またはさらにそれからなる、キットが提供される。一態様では、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ベクター、細胞およびシステムのうちの1またはそれを超えるいずれかまたは組成物は、検出可能に標識されているか、または精製もしくは検出可能なマーカーをさらに含む。いくつかの場合において、キットは、a)本明細書中に記載される組換えポリヌクレオチドである第1のポリヌクレオチドおよび本明細書中に記載される組換えポリヌクレオチドである第2のポリヌクレオチド;またはb)本明細書に記載のAAVベクターである第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、および本明細書に記載のAAVベクターである第2のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター;またはc)本明細書に記載のAAV二重ベクターシステム;またはd)本明細書に記載の組成物;またはe)本明細書に記載の細胞(例えば、宿主細胞、必要に応じて哺乳動物細胞);および必要に応じて使用のための使用説明書を含む。
【実施例0311】
実施例1:二重AAVベクターシステムの生成
【0312】
この実施例は、本明細書に開示される二重AAVベクターシステムを産生するための例示的な方法を提供する。この実施例では、二重AAVベクターrAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVが産生される。rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVは、筋肉特異的MHCK7プロモーターの制御下の二重ベクター(DV)からのヒトジスフェリンを発現する非複製組換えAAV血清型rh74(AAVrh74)である。二重ベクターは、ジスフェリンcDNA配列の5’部分または3’部分のいずれかを含み、これらの部分は約1kb重複しており、組換えを促進して全長ヒトジスフェリン遺伝子を産生する。ヒトジスフェリンcDNAの一部を含む発現カセットは、AAV2逆位末端反復配列(ITR)に挟まれている(
図1)。
【0313】
rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVを構築するために、ヒトジスフェリンcDNAを、AAVのパッケージング容量(<4.7kb)に合う2つの構築物に分割した。5’ベクター(例えば、5’hDYSF AAVベクター)、pAAV.MHCK7.DYSF5’.PTG(PTG=プロモーター/導入遺伝子)は、筋肉特異的MHCK7プロモーター、キメライントロン、コンセンサスコザック配列およびジスフェリンアミノ酸配列のアミノ酸1~1113に対応するDYSF cDNAの5’部分を含む。3’ベクター(例えば、3’hDYSF AAVベクター)、pAAV.DYSF3’.POLYAは、ジスフェリンアミノ酸配列のアミノ酸794~2080に対応するDYSF
cDNAの3’部分と、ポリアデニル化シグナルを有するDYSF 3’UTRとを含む。5’hDYSF AAVベクターおよび3’hDYSF AAVベクターの発現カセットの配列は、それぞれ配列番号6および8として開示されている。
【0314】
以前の研究では、骨格筋、横隔膜、および心筋発現を達成するMHCK7プロモーター(Salva et al.Mol Ther 15,320-329(2007)、参照によりその全体が組み込まれる)およびAAVrh74を使用して心臓発現が検証されている(Sondergaard et al.Annals of clinical
and Transl Neurology 2,256-270(2015)(参照によりその全体が組み込まれる))。5’hDYSF AAVベクターおよび3’hDSYF AAVベクターを別々のAAVrh.74ビリオンにキャプシド化した。AAVrh.74血清型の分子クローンをアカゲザルリンパ節からクローニングした。これは、Rodino-Klapac et al.Journal of Translational medicine 5,45(2007)に記載されており、その全体が参照により組み込まれる。
【0315】
5’hDYSF AAVベクター(AAVベクタープラスミドpAAV.MHCK7.DYSF5’.PTG)
【0316】
第1の組換え一本鎖AAVベクターは、AAVベクターDNAプラスミドpAAV.MHCK7.DYSF5’.PTGを使用して産生した。ヒトジスフェリン部分cDNA配列の5’部分(ヒトcDNA、Genbankアクセション番号NM_003494.3)を駆動するMHCK7発現カセットをベクター骨格pAAV-CMV(Clontech)に挿入することによってプラスミドを構築した。(プラスミドマップについては
図2を参照のこと。具体的な配列情報については表1を参照のこと。)キメライントロンが存在し、ヒトβ-グロビン遺伝子の第1のイントロン由来の5’ドナー部位および分岐点および免疫グロブリン遺伝子重鎖可変領域のリーダーと本体との間にあるイントロン由来の3’スプライスアクセプター部位とから構成されていた。このベクターに含まれる唯一のウイルス配列はAAV2の逆位末端反復配列であり、これはウイルスDNA複製およびrAAVベクターゲノムのパッケージングの両方に必要である。2つのITR間の配列は、AAVrh74ビリオンにキャプシド化されるDNAの部分である。
【表1】
【0317】
3’hDYSF AAVベクター(AAVベクタープラスミドpAAV.DYSF3’.POLY)
【0318】
第2の組換え一本鎖AAVベクターは、AAVベクターDNAプラスミドpAAV.DYSF3’.POLYAを使用して産生した。ヒトジスフェリン部分cDNA配列(ヒトcDNA、Genbankアクセション番号NM_003494.3)をベクター骨格pAAV-CMV(Clontech)に挿入することによってプラスミドを構築した。(プラスミドマップについては
図3を参照のこと。具体的な配列情報については表2を参照のこと。)内因性ジスフェリン3’非翻訳領域およびポリAシグナル配列を効率的な転写終結のために使用した。このベクターに含まれる唯一のウイルス配列はAAV2の逆位末端反復配列であり、これはウイルスDNA複製およびrAAVベクターゲノムのパッケージングの両方に必要である。2つのITR間の配列は、AAVrh74ビリオンにキャプシド化されるDNAの部分である。
【表2】
【0319】
AAVヘルパープラスミド(pNLRep2-Caprh74)
【0320】
親プラスミドpNLrepをp5E18およびpCLR3Kから構築した。(Bansal,D.,et al.Defective membrane repair in
dysferlin-deficient muscular dystrophy.Nature 423,168-172(2003)を参照のこと。これは参照によりその全体が組み込まれる)。p5E18はpAAV/Adに基づく。これはAAV2 rep遺伝子およびcap遺伝子を含み、p5プロモーターはrepの5’末端から除去され、capの3’末端に配置され、p5とrepとの間に3kbスペーサー配列が存在することになる(具体的な配列情報については表3を参照)。pCLR3Kを生成するために、ヒトコラーゲンイントロンをPCRによって増幅し、次いで、位置1,052でpAd/AAVにクローニングした。pNLrepを構築するために、p5E18のBamHI/XbaI断片を、pCLR3k由来の3kbコラーゲンイントロンを含むBamHI/XbaI断片で置き換えた。rh74 cap遺伝子をPCR増幅し、Swa I/Not I制限部位を使用してpNLrep中のAAV2 cap遺伝子の代わりにクローニングして、pNLRep2-Caprh74を得た。AAV rh74キャプシド遺伝子の同一性をDNAプラスミドシーケンシングによって確認した。
【表3】
【0321】
アデノウイルスヘルパープラスミド(pHELP)
【0322】
プラスミドpHELPは、Applied Viromics(Fremont,CA 94538)から入手し、サイズが11,635bpである(具体的な配列情報については表4を参照のこと)。プラスミドは、AAV複製に重要なアデノウイルスゲノムの領域、すなわちE2A、E4、およびVA RNAを含む(アデノウイルスE1機能は293個の細胞によって提供される)。プラスミドはpBluescript骨格に基づいており、また、アンピシリンに対する耐性を付与するTEM-1β-ラクタマーゼ遺伝子をコードするbla遺伝子(10,182~11,042bp)、細菌ColE1複製起点(9,315~10,167bp)およびf1一本鎖DNA複製起点(11,172~11,627bp)も含む。このプラスミドに存在するアデノウイルス配列は、アデノウイルスゲノムの約28%(9,280/35,938)のみを表し、逆位末端反復配列などの複製に重要なシス要素を含有しない。これら3つのアデノウイルス遺伝子の同一性を、実施したDNAプラスミドシーケンシングによって確認した。DNA分析により、3つのアデノウイルス5型遺伝子領域との100%の相同性が明らかになった(参照によりその全体が組み込まれるGenBankアクセッション番号AF369965)。
【表4】
【0323】
実施例2:二重AAVベクターシステムを使用したウイルス生成物の製造
【0324】
HEK293細胞を、最適化リン酸カルシウム共沈殿法を使用して3つの産生プラスミド((i)AAVベクタープラスミド、例えば5’hDYSF AAVベクターまたは3’hDYSF AAVベクター;(ii)アデノウイルス(Ad)ヘルパープラスミド;および(iii)AAVヘルパープラスミド)でトランスフェクトした。細胞をトランスフェクトすることは、AAVベクタープラスミド、Adヘルパープラスミド、AAVヘルパープラスミドおよびCaCl2を含有するDNA/カルシウム溶液を調製することと、最適な沈殿物を得るために等体積の2×HEPES緩衝生理食塩水と混合することとを含む。次いで、沈殿物をHEK 293細胞に添加し、インキュベートした。次いで、沈殿物をHEK 293細胞に添加し、インキュベートした。インキュベーション後、培地を交換し、その時点でヌクレアーゼを添加した。
【0325】
実施例3:rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DV筋肉内送達の有効性の決定。
【0326】
約1kbの重複配列を有するMHCK7.DYSFカセットの5’および3’部分を含む2つのAAV発現カセットを生成した(
図1参照)。プラスミドをAAVrh.74ベクターにパッケージングした。4週齢のDysf
-/-マウスを前脛骨筋への筋肉内注射によって1x10
11vgの各ベクターで処置し、1ヶ月で剖検した。免疫染色(
図4A)およびウエスタンブロット(
図4C)により、両方のベクターの送達後に強固な全長ジスフェリン発現が見られた。いずれかのベクターのみの送達では、異常なジスフェリン発現はなかった(
図4B、免疫染色、および
図4D、ウエスタンブロット)。3222は全長の対照である。ジスフェリンを発現する筋線維の数を定量し、表5に示した。
【表5】
【0327】
前脛骨筋への筋肉内注射後の安全性を評価するための時間経過研究を開始した(表6)。タンパク質発現およびベクター生体内分布も評価した。1、3、6、9および12ヶ月のエンドポイントで、動物を完全に剖検し、ジスフェリン発現(
図5A~5C(1、3、および6ヶ月が示されている))、ベクター生体内分布(表7)ならびに筋肉および非標的器官の組織病理学について評価した。脛骨筋(TA)を注射した。各動物について組織病理学について分析した組織には以下が含まれた:生殖腺、肝臓、心臓、肺、脾臓、腎臓、横隔膜、左(処置)および右前脛骨筋。所見は同定されなかった。
【表6】
【表7】
【0328】
筋肉内注射後、注射された前脛骨筋でジスフェリンの発現が見られた(
図6)。静脈内送達後、ジスフェリンの発現が骨格筋および心筋で見られた(
図7A)。
【0329】
マウスのさらなるコホートを処置して、膜修復のための最小有効用量を決定した。3つの用量のAAVベクターを、8週齢の129Dysf-/-マウスのFDBに注射した(n=6/群)。対照Dysf-/-群に生理食塩水を投与し、129WTマウスの群を系統特異的正常対照とした。
図8に示すように、AAVrh.74.DYSF.DV処置は、用量依存性膜再封を明らかにした。並行した発現研究は、高用量が線維形質導入の>50%の発現をもたらすことを示す。この用量は、筋重量に対して正規化した場合、発現および安全性研究のために前脛骨筋に与えたものと同等である(
図4A~5C)。
【表8】
【0330】
rAAVrh.74.MHCK7.DYSF.DVの全身送達
【0331】
二重ベクター送達の全身送達の実現可能性/有効性を試験するために用量設定研究を行った。この系統における確立された機能的MRI/MRS結果に基づいて、BlaJマウス(BL6マウスに戻し交配したAJジスフェリン欠損マウス)を研究に使用した。3群のマウス(群あたりn=6)を、6週齢で、生理食塩水、2e12vgの総AAV.DYSF DV(8e13vg/kg、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づく)、または6e12vgの総AAV.DYSF.DV(2.4e13vg/kg、定量標準としてのスーパーコイルDNAまたはプラスミドに基づく)のいずれかによる尾静脈注射によって処置した。エンドポイント分析は3ヶ月で行われ、横隔膜生理学、FDBにおける膜修復アッセイ、およびジスフェリン発現を定量化し組織病理学を評価するための完全剖検を含んだ。4
【0332】
4ヶ月の研究エンドポイントで、完全な剖検を行った。横隔膜を力測定に供し、膜修復の回復についてFDB筋肉を試験し、発現、ベクター生体内分布および組織病理学について筋肉および器官を採取した。高用量では、ジスフェリン発現は全ての筋肉に広がっていた(
図7Aおよび7B)が、低用量では低レベルの可変発現を有していた。20週目で、BlaJは組織学的に非常に軽度の表現型を有する。対照と比較して、再生のマーカーとして中心核の有意な増加がある。処置マウスは、高用量で中心核形成の有意な減少を示した(
図7B)。最も影響を受けた筋肉である腰筋は、高用量(6e12vg)での処置で線維症および炎症の減少を示した(
図9)。横隔膜の力欠損は高用量と低用量の両方で回復し(
図10A)、FDB筋の膜修復に用量依存的応答があった(
図10B)。
【0333】
実施例4:NHPにおけるAAV5およびAavrh.74.Mhck7.Dysf.Dv送達による全長ジスフェリン発現の安全性および有効性
【0334】
方法:筋肉内注射によってAAV.MHCK7.DYSF.FLAGで4つのNHPを処置した。2つのNHPをAAV5.MHCK7.DYSFで処置し、2つをAAVrh.74.MHCK7.DYSF.FLAGで処置した。本発明者らの臨床試験デザインを反映して、1匹の動物を3ヶ月で分析し、2匹を6ヶ月で分析した。動物は、AAV5およびrh.74キャプシドおよびジスフェリンに対するT細胞(
図11A~11D)ならびに抗AAV Ab力価(表9)を測定するためのELISpot分析を含むベースライン化学および免疫学的研究を受けた。
【0335】
PBMCを刺激するために使用されるペプチドプールは、すべての可能な抗原エピトープを捕捉するように、15アミノ酸長であり、10アミノ酸が重複するように設計された。ペプチドに反応する細胞はインターフェロン-γを放出し、ELISpotアッセイによってスポットとして定量される。100万細胞あたりのスポットを、陽性反応閾値として50スポット/1x10
6細胞でカウントした。持続的な免疫応答は観察されなかった。全ての動物は、研究エンドポイント(
図16A)で発現した。これらの研究を研究全体にわたって2週間ごとに繰り返した。研究エンドポイントでは、遺伝子発現研究に加えて、重要な臓器組織の組織病理学および体内分布研究を含む動物に対して完全な剖検を行った。
【0336】
結果:観察可能な毒性は見られなかった。出願人らは、アカゲザルとヒトのジスフェリンを区別しない抗ジスフェリン抗体を使用して、ジスフェリンの過剰発現を実証した(
図12A~12C)。ベクター由来のジスフェリン発現を確認するために、抗FLAG免疫染色も行った(
図13)。AAV5.DYSF注射TAでは、筋肉はジスフェリンの104.9%(3mo)および122.6%(6mo)の過剰発現を示したが、AAVrh.74.DYSF.DV注入TAは、非注射対照と比較して122.0%(3mo)および115.2%(6mo)の過剰発現を有していた。NHPにおける組織レベルで毒性は観察されず、炎症または筋線維壊死は見られなかった。免疫学的アッセイは、ELISpotによってキャプシドまたは導入遺伝子に対するいかなる異常な応答も示さなかった(
図11A~11D)。さらに、全血球計算および化学パネルは、いずれのマカクにおいても異常値を示さなかった。予想通り、抗AAV抗体力価は遺伝子導入後に上昇した。エンドポイント抗AAVrh.74力価は、抗AAV5よりも低かった。
【表9】
【0337】
同等物
【0338】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本技術が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0339】
本明細書に例示的に記載された本技術は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の制限がない状態で適切に実施され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、広範に、限定することなく読まれるものとする。さらに、本明細書で使用される用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴またはその一部の均等物を除外する意図はないが、特許請求される本技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。
【0340】
したがって、本明細書で提供される材料、方法、および例は、好ましい態様の代表であり、例示的なものであり、本技術の範囲に対する限定として意図されるものではないことを理解されたい。
【0341】
本技術は、本明細書において広く一般的に説明されている。一般的な開示に含まれるより狭い種および亜属グループ化の各々も、本技術の一部を形成する。これは、除外された材料が本明細書に具体的に記載されているか否かにかかわらず、属から任意の主題を除去するという条件または否定的限定を伴う本技術の一般的説明を含む。
【0342】
さらに、本技術の特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載される場合、当業者は、本技術がそれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループに関しても記載されることを認識するであろう。
【0343】
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それぞれが個別に参照により組み込まれるのと同じ程度に、その全体が参照により明示的に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。
【0344】
他の態様は、以下の特許請求の範囲内に記載される。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えポリヌクレオチドが第1のヌクレオチド配列を含み、前記第1のヌクレオチド配列が、
(a)配列番号1、6、または18のヌクレオチド配列;
(b)配列番号1、6、または18のそれぞれの全長にわたって配列番号1、配列番号6、または配列番号18のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;
(c)配列番号13または15のヌクレオチド配列;
(d)配列番号13または15のそれぞれの全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;
(e)前記hDYSFタンパク質の前記断片をコードするヌクレオチド配列であって、前記断片が配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または
(f)(e)のヌクレオチド配列の全長にわたって(e)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列、
からなる、組換えポリヌクレオチド。
(項目2)
逆位末端反復配列(ITR)、プロモーター、イントロン、選択マーカーまたは複製起点(ORI)から選択される1またはそれを超える追加のヌクレオチド配列をさらに含む、項目1に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目3)
前記ITRがAAV ITRである、項目2に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目4)
前記AAV ITRがAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである、項目3に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目5)
2つのITRを含む、項目2~4のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目6)
前記ITRが配列番号3または配列番号17のヌクレオチド配列を含む、項目2~5のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目7)
前記プロモーターが筋肉特異的プロモーターを含む、項目2~6に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目8)
前記筋肉特異的プロモーターが、ヒト骨格アクチン遺伝子エレメント、心筋アクチン遺伝子エレメント、デスミンプロモーター、骨格アルファ-アクチン(ASKA)プロモーター、トロポニンI(TNNI2)プロモーター、筋細胞特異的エンハンサー結合因子mef結合エレメント、筋肉クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、切断型MCK(tMCK)プロモーター、ミオシン重鎖(MHC)プロモーター、ハイブリッドa-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)プロモーター、C5-12プロモーター、マウスクレアチンキナーゼエンハンサーエレメント、骨格速筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋心筋トロポニンc遺伝子エレメント、遅筋トロポニンi遺伝子エレメント、低酸素誘導性核因子から選択される、項目7に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目9)
前記筋肉特異的プロモーターがMHCK7プロモーターを含む、項目7に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目10)
前記プロモーターが組換えプロモーターを含む、項目2~6のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目11)
前記組換えプロモーターが組換え筋肉特異的プロモーターを含む、項目10に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目12)
前記プロモーターが配列番号4のヌクレオチド配列を含む、項目2~11のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目13)
前記イントロンが、5’ドナー部位、分岐点および/または3’スプライス部位を含む、項目2~12のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目14)
前記イントロンがキメライントロンを含む、項目2~13のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目15)
前記イントロンがヒトβ-グロビン遺伝子由来の5’ドナー部位を含む、項目2~14のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目16)
前記イントロンが免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の分岐点を含む、項目2~15のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目17)
前記イントロンが免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の3’スプライスアクセプター部位を含む、項目2~16のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目18)
前記イントロンが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、項目2~17のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目19)
前記選択マーカーが抗生物質耐性遺伝子である、項目2~18のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目20)
前記抗生物質耐性遺伝子がβ-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である、項目19に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目21)
配列番号6または配列番号18のヌクレオチド配列を含む、項目1に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目22)
項目1~21のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えヌクレオチドが、前記hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない、組換えポリヌクレオチド。
(項目23)
項目1~22のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えヌクレオチドが、1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない、組換えポリヌクレオチド。
(項目24)
1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない、項目1~22のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目25)
ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードする組換えポリヌクレオチド配列であって、前記組換えポリヌクレオチドが第2のヌクレオチド配列を含み、前記第2のヌクレオチド配列が、
(a)配列番号2、8または19のヌクレオチド配列;
(b)配列番号2、8または19のそれぞれの全長にわたって配列番号2、8または19のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;
(c)配列番号14または16のヌクレオチド配列;
(d)配列番号14または16のそれぞれの全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;
(e)前記hDYSFタンパク質の前記断片をコードするポリヌクレオチド配列であって、前記hDYSFタンパク質の前記断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド配列;または
(f)(d)のヌクレオチド配列の全長にわたって(e)のポリヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド配列、
からなる、組換えポリヌクレオチド配列。
(項目26)
逆位末端反復配列(ITR)、選択マーカー、複製起点(ORI)、非翻訳領域(UTR)、またはポリアデニル化(ポリA)シグナルを含む1またはそれを超える追加のヌクレオチドをさらに含む、項目25に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目27)
前記ITRがAAV ITRである、項目26に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目28)
前記AAV ITRがAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである、項目27に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目29)
2つのITRをさらに含む、項目25、27または28のいずれか一項に記載の組換えヌクレオチド。
(項目30)
前記ITRが配列番号3または17のヌクレオチド配列を含む、項目26~29のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目31)
前記ポリAシグナルが人工ポリAシグナルである、項目26~30のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目32)
前記ポリAシグナルが配列番号7のヌクレオチド配列を含む、項目26~31のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目33)
前記選択マーカーが抗生物質耐性遺伝子を含む、項目26~32のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目34)
前記抗生物質耐性遺伝子がβ-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子を含む、項目33に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目35)
配列番号8または配列番号19のヌクレオチド配列を含む、項目25に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目36)
項目25~35のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えヌクレオチドが、前記hDYSFタンパク質の第1の断片をコードする第1のポリヌクレオチド配列をさらに含まない、組換えポリヌクレオチド。
(項目37)
項目25~36のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えヌクレオチドが、1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない、組換えポリヌクレオチド。
(項目38)
1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない、項目25~36のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目39)
(a)第1のAAVベクターであって、項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、第1のAAVベクター;および
(b)第2のAAVベクターであって、項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む、第2のAAVベクター
を含む、二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステム。
(項目40)
項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
(項目41)
前記AAVベクターが、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAVrh.10、AAVrh.20、またはAAVrh.74である、項目40に記載のAAVベクター。
(項目42)
前記AAVベクターがAAVrh.74である、項目40に記載のAAVベクター。
(項目43)
項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
(項目44)
前記AAVベクターが、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAVrh.10、AAVrh.20、またはAAVrh.74である、項目43に記載のAAVベクター。
(項目45)
前記AAVベクターがAAVrh.74である、項目43に記載のAAVベクター。
(項目46)
項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドまたは項目40~45のいずれか一項に記載のAAVベクターを含む組成物。
(項目47)
(a)項目40~42のいずれか一項に記載のAAVベクターを含む、第1の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクター;および
(b)項目43~45のいずれか一項に記載のAAVベクターを含む、第2のrAAVベクター
を含む、組成物。
(項目48)
第1および第2のrAAVベクターのモル比が、約100:1~1:100、約10:1~1:10、約2:1~1:2または約1:1である、項目47記載の組成物。
(項目49)
(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);
(b)ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、
i.配列番号1または6のヌクレオチド配列;
ii.配列番号1または6の全長にわたって配列番号1または6のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;
iii.配列番号13または15のヌクレオチド配列;
iv.配列番号13または15の全長にわたって配列番号13または15のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;
v.前記hDYSFタンパク質の前記断片をコードするヌクレオチド配列であって、前記hDYSFタンパク質の前記断片が、配列番号9のアミノ酸配列からなる、ヌクレオチド配列;または
vi.(v)のヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;
からなるポリヌクレオチド、および
(c)第2のITR
を含み、
前記ポリヌクレオチドが、前記第1のITRおよび前記第2のITRに挟まれている、
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
(項目50)
プロモーター、イントロン、選択マーカー、または複製起点(ORI)から選択される1またはそれを超える追加のポリヌクレオチドをさらに含む、項目49に記載のAAVベクター。
(項目51)
前記ITRがAAV ITRである、項目49または50に記載のAAVベクター。
(項目52)
前記AAV ITRがAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである、項目51に記載のAAVベクター。
(項目53)
前記第1のITRおよび/または前記第2のITRが配列番号3または17のヌクレオチド配列を含む、項目49~52のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目54)
前記プロモーターが筋肉特異的プロモーターである、項目50~53のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目55)
前記筋肉特異的プロモーターがミオシン重鎖複合体-Eボックス筋肉クレアチンキナーゼ融合エンハンサー/プロモーターである、項目54に記載のAAVベクター。
(項目56)
前記プロモーターが組換えプロモーターである、項目50~53のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目57)
前記組換えプロモーターが組換え筋肉特異的プロモーターである、項目56に記載のAAVベクター。
(項目58)
前記組換え筋特異的プロモーターがMHCK7プロモーターである、項目57に記載のAAVベクター。
(項目59)
前記プロモーターが配列番号4のヌクレオチド配列を含む、項目50~58のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目60)
前記イントロンが、5’ドナー部位、分岐点、および/または3’スプライス部位を含む、項目50~59のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目61)
前記イントロンがキメライントロンである、項目50~60のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目62)
前記イントロンが、ヒトβグロビン遺伝子由来の5’ドナー部位を含む、項目50~61のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目63)
前記イントロンが、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の分岐点を含む、項目50~62のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目64)
前記イントロンが、免疫グロブリンG(IgG)重鎖由来の3’スプライスアクセプター部位を含む、項目50~63のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目65)
前記イントロンが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、項目50~64のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目66)
前記選択マーカーが抗生物質耐性遺伝子である、項目50~65のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目67)
前記抗生物質耐性遺伝子がβ-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である、項目66に記載のAAVベクター。
(項目68)
配列番号6または配列番号15のヌクレオチド配列を含む、項目49~67のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目69)
前記hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない、項目49~68のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目70)
1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない、項目49~69のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目71)
1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない、項目49~69のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目72)
(a)第1の逆位末端反復配列(ITR);
(b)ヒトジスフェリンタンパク質の断片をコードするポリヌクレオチドであって、
i.配列番号2または8のヌクレオチド配列;
ii.配列番号2または8の全長にわたって配列番号2または8のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列;
iii.配列番号14または16のヌクレオチド配列;
iv.配列番号14または16の全長にわたって配列番号14または16のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列;
v.前記hDYSFタンパク質の前記断片をコードするポリヌクレオチドであって、前記hDYSFタンパク質の前記断片が、配列番号10のアミノ酸配列からなる、ポリヌクレオチド;または
vi.(v)のポリヌクレオチド配列の全長にわたって(v)のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチド;
からなるポリヌクレオチド、および
(c)第2のITR
を含み、
前記ポリヌクレオチドが、前記第1のITRおよび前記第2のITRに挟まれている、
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター。
(項目73)
選択マーカー、複製起点(ORI)、非翻訳領域(UTR)またはポリアデニル化(ポリA)シグナルから選択される1またはそれを超えるポリヌクレオチドをさらに含む、項目72に記載のAAVベクター。
(項目74)
前記ITRがAAV ITRである、項目72または73に記載のAAVベクター。
(項目75)
前記AAV ITRがAAV2 ITRまたはAAV3 ITRである、項目74に記載のAAVベクター。
(項目76)
前記ITRが配列番号3または17のヌクレオチド配列を含む、項目72~75のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目77)
前記ポリAシグナルが人工ポリAシグナルである、項目73~76のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目78)
前記ポリAシグナルが配列番号7のヌクレオチド配列を含む、項目73~77のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目79)
前記選択マーカーが抗生物質耐性遺伝子である、項目73~78のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目80)
前記抗生物質耐性遺伝子がβ-ラクタマーゼ遺伝子またはカナマイシン耐性遺伝子である、項目79に記載のAAVベクター。
(項目81)
配列番号8または配列番号16のヌクレオチド配列を含む、項目72~80のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目82)
前記hDYSFタンパク質の第2の断片をコードする第2のポリヌクレオチド配列をさらに含まない、項目72~81のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目83)
1またはそれを超えるITR以外のAAV配列を含まない、項目72~82のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目84)
1またはそれを超えるITR以外のウイルス配列を含まない、項目72~82のいずれか一項に記載のAAVベクター。
(項目85)
(a)項目40~42および49~71のいずれか一項に記載のAAVベクターを含む、第1のAAVベクター;および
(b)項目43~45および72~84のいずれか一項に記載のAAVベクターを含む、第2のAAVベクター
を含む、二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステム。
(項目86)
前記AAVベクターが、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAVrh.10、AAVrh.20、またはAAVrh.74である、項目85に記載の二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステム。
(項目87)
前記AAVベクターがAAVrh.74である、項目85に記載の二重アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターシステム。
(項目88)
(a)項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むプラスミド;
(b)アデノウイルスヘルパープラスミド;および
(c)rep-capプラスミド
を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)パッケージングシステム。
(項目89)
(a)項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むプラスミド;および
(b)アデノウイルスヘルパープラスミド
を含む、アデノ随伴ウイルスパッケージングシステム。
(項目90)
前記アデノウイルスヘルパープラスミドがpHELPプラスミドを含む、項目88または89に記載のアデノ随伴ウイルスパッケージングシステム。
(項目91)
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生する方法であって、細胞を、項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むプラスミドまたは項目88に記載のAAVパッケージングシステムと接触させることを含む方法。
(項目92)
前記細胞が宿主細胞であり、必要に応じて哺乳動物宿主細胞であり、さらに必要に応じてHEK293である、項目91に記載の方法。
(項目93)
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを産生する方法であって、パッケージング細胞株に、項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むプラスミドを形質導入することを含み、前記パッケージング細胞株が、アデノ随伴ウイルスのrepおよびcap遺伝子を発現する、方法。
(項目94)
前記AAV rep遺伝子がRep78である、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記AAV cap遺伝子がRh74 cap遺伝子である、項目93に記載の方法。
(項目96)
項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含む細胞。
(項目97)
項目1~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを含むプラスミドを含む細胞。
(項目98)
前記プラスミドが、配列番号18または19と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるポリヌクレオチドを含む、項目88~90のいずれか一項に記載のAAVパッケージングシステム、項目91~95のいずれか一項に記載の方法、または項目96もしくは97に記載の細胞。
(項目99)
前記プラスミドが、配列番号18または19のポリヌクレオチドを含む、項目88~90のいずれか一項に記載のAAVパッケージングシステム、項目91~95のいずれか一項に記載の方法、または項目96もしくは97に記載の細胞。
(項目100)
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、
(a)有効量の第1のポリヌクレオチドであって、前記第1のポリヌクレオチドが項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドである、有効量の第1のポリヌクレオチド;および
(b)有効量の第2のポリヌクレオチドであって、前記第2のポリヌクレオチドが項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドである、第2のポリヌクレオチド
を投与することを含む、ジスフェリン異常症を処置する方法。
(項目101)
前記第1のポリヌクレオチドおよび/または第2のポリヌクレオチドが筋肉内または静脈内に投与される、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記第1および第2のポリヌクレオチドが同時または順次投与される、項目100または101に記載の方法。
(項目103)
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、
(a)有効量の第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記第1のAAVベクターが項目40~42および49~71のいずれか一項に記載のAAVベクターである、第1のAAVベクター;および
(b)有効量の第2のAAVベクターであって、前記第2のAAVベクターが項目43~45および72~84のいずれか一項に記載のAAVベクターである、第2のAAVベクター
を投与することを含む、ジスフェリン異常症を処置する方法。
(項目104)
前記第1のAAVベクターおよび/または第2のAAVベクターが筋肉内または静脈内に投与される、項目103に記載の方法。
(項目105)
前記第1および第2のAAVベクターが同時または順次投与される、項目103または104に記載の方法。
(項目106)
ジスフェリン異常症を処置する方法であって、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、有効量の項目39または85~87のいずれか一項に記載のAAV二重ベクターシステムを投与することを含む方法。
(項目107)
前記AAV二重ベクターシステムが筋肉内または静脈内投与される、項目106に記載の方法。
(項目108)
ジスフェリン異常症を処置する方法であって、ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象に、有効量の項目46~48のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む方法。
(項目109)
前記組成物が筋肉内または静脈内投与される、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記ジスフェリン異常症が肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである、項目100~109のいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組成物の使用であって、前記組成物が、
(a)項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドである、第1のポリヌクレオチド;および
(b)項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドである、第2のポリヌクレオチド
を含む、使用。
(項目112)
ジスフェリン異常症の必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組成物の使用であって、前記組成物が、
(a)有効量の第1のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記第1のAAVベクターが項目40~42および49~71のいずれか一項に記載のAAVベクターである、第1のAAVベクター;および
(b)有効量の第2のアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであって、前記第2のAAVベクターが項目43~45および72~84のいずれか一項に記載のAAVベクターである、第2のAAVベクター
を含む、使用。
(項目113)
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における組成物の使用であって、前記組成物が項目39または85~87に記載のAAV二重ベクターシステムを含む、使用。
(項目114)
ジスフェリン異常症の処置を必要とする対象におけるジスフェリン異常症を処置するための医薬の製造における、項目46~48のいずれか一項に記載の組成物の使用。
(項目115)
前記組成物が筋肉内または静脈内に投与される、項目111~114のいずれか一項に記載の使用。
(項目116)
前記ジスフェリン異常症が肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである、項目111~114のいずれか一項に記載の使用。
(項目117)
前記有効量の前記第1のAAVベクターが、約1x106~1x1016vg/kg、約1x108~1x1015vg/kg、または約1x1010~1x1014vg/kgであり、前記投与量が、スーパーコイルPCR定量化標準によって測定される、項目100~110のいずれか一項に記載の方法。
(項目118)
前記有効量の前記第1のAAVベクターが1.2e13vg/kgであり、前記投与量がスーパーコイルPCR定量標準によって測定される、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記有効量の前記第2のAAVベクターが、約1x106~1x1016vg/kg、約1x108~1x1015vg/kg、または約1x1010~1x1014vg/kgであり、前記投与量が、スーパーコイルPCR標準によって測定される、項目100~110および117のいずれか一項に記載の方法。
(項目120)
前記有効量の前記第2のAAVベクターが1.2e13vg/kgであり、前記投与量がスーパーコイルPCR定量標準によって測定される、項目119に記載の方法。
(項目121)
総AAVベクター投与量が2.4e13vg/kgであり、前記投与量がスーパーコイルPCR標準によって測定される、項目117~120のいずれか一項に記載の方法。
(項目122)
ヒトジスフェリン(hDYSF)タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドであって、前記組換えポリヌクレオチド配列が、配列番号20のヌクレオチド配列、または配列番号20のヌクレオチド配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含む、組換えポリヌクレオチド。
(項目123)
前記組換えポリヌクレオチド配列が配列番号20のヌクレオチド配列を含む、項目122に記載の組換えポリヌクレオチド。
(項目124)
項目122に記載の組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドおよび項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドと細胞を接触させること、またはこれらを細胞において発現させることを含む方法。
(項目125)
項目39および85~87のいずれか一項に記載の二重AAVベクターシステムと細胞を接触させることを含む、項目122に記載の組換えポリヌクレオチドを作製する方法。
(項目126)
前記細胞が真核細胞である、項目124または125に記載の組換えポリヌクレオチドを作製する方法。
(項目127)
前記細胞が、筋肉細胞、心臓細胞、幹細胞、衛星細胞および/または肝臓細胞である、項目124または125に記載の組換えポリヌクレオチドを作製する方法。
(項目128)
項目122に記載の組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドおよび項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドを対象に投与することを含む方法。
(項目129)
項目122に記載の組換えポリヌクレオチドを作製する方法であって、項目39および85~87のいずれか一項に記載の二重AAVベクターシステムまたは項目47もしくは48に記載の組成物を対象に投与することを含む方法。
(項目130)
対象の筋ジストロフィーを処置する方法であって、前記対象における項目122に記載の組換えポリヌクレオチドの発現を含む方法。
(項目131)
項目1~24のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドおよび項目25~38のいずれか一項に記載の組換えポリヌクレオチドまたは項目47もしくは48に記載の組成物を対象に投与することを含む、項目130に記載の方法。
(項目132)
項目39および85~87のいずれか一項に記載の二重AAVベクターシステムを対象に投与することを含む、項目130に記載の方法。
(項目133)
前記対象が、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ヒツジ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、またはネコから選択される哺乳動物である、項目128~132のいずれか一項に記載の方法。
(項目134)
前記対象がジスフェリン異常症に罹患している、項目128~133のいずれか一項に記載の方法。
(項目135)
前記ジスフェリン異常症が肢帯型筋ジストロフィー2B型(LGMD2B)または三好ミオパチーである、項目134に記載の方法。