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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033004
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】センサ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240305BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 460
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015809
(22)【出願日】2024-02-05
(62)【分割の表示】P 2020563236の分割
【原出願日】2019-12-23
(31)【優先権主張番号】P 2018248431
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】313001332
【氏名又は名称】積水ポリマテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】友岡 真一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 康
(57)【要約】
【課題】電容量センサ等のセンサについて、センサ本体部から伸長するテール部を折り曲げた際の断線リスクを低減すること。
【解決手段】ベース基材20とセンサシート10とを備え、前記センサシート10は、センサ電極12を有するセンサ本体部10aと、前記センサ電極12に導通する配線14を有しており前記ベース基材20に対して突出して伸長するテール部10bとを有するセンサ1について、前記ベース基材20は、前記センサ本体部10aと固着する接合面部40と、前記テール部10bが繋がる前記センサ本体部10aのテール支持部10a1との対向位置に設けられ、前記テール支持部10a1に対して固着しない離間部60とを有することとした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材とセンサシートとを備え、
前記センサシートは、センサ電極を有するセンサ本体部と、前記センサ電極に導通する配線を有しており前記ベース基材に対して突出して伸長するテール部とを有するセンサにおいて、
前記ベース基材は、
前記センサ本体部と固着する接合面部と、
前記テール部が繋がる前記センサ本体部のテール支持部との対向位置に設けられ、前記テール支持部に対して固着しない離間部とを有することを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記離間部は、前記接合面部に対して凹ませてなる凹部である
請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記離間部は、前記テール支持部と前記ベース基材との間に介在する耐熱性樹脂部材である
請求項1記載のセンサ。
【請求項4】
前記センサシートの前記離間部に対向する部位に前記テール部の外縁に沿う2つの切り込みを有する
請求項1~請求項3何れか1項記載のセンサ。
【請求項5】
前記センサ本体部は、天面部と側面部とを有する立体形状である
請求項1~請求項4何れか1項記載のセンサ。
【請求項6】
前記フィルムシート及び前記ベース基材が透光性材料からなり、
前記センサシートはバックライト光を透過して照光可能である
請求項1~請求項5何れか1項記載のセンサ。
【請求項7】
前記複数のセンサ電極が静電容量変化を検出する静電容量センサ用電極である
請求項1~請求項6何れか1項記載のセンサ。
【請求項8】
ベース基材とセンサシートとを備え、
前記センサシートは、センサ電極を有するセンサ本体部と、前記センサ電極に導通する配線を有しており前記ベース基材に対して突出して伸長するテール部とを有するものであり、
前記センサシートに樹脂材でなる前記ベース基材を一体成形するセンサの製造方法において、
前記テール部が繋がる前記センサ本体部のテール支持部に前記樹脂材と固着しないマスキング部を設け、
前記マスキング部を覆うように前記ベース基材を一体成形し、
前記テール支持部を屈曲することで前記ベース基材に対して前記テール部を曲げることを特徴とするセンサの製造方法。
【請求項9】
前記マスキング部が、耐熱性テープである
請求項8記載のセンサの製造方法。
【請求項10】
前記ベース基材の一体成形後に前記耐熱性テープを剥離して除去する
請求項9記載のセンサの製造方法。
【請求項11】
前記マスキング部が、耐熱性塗料でなる塗層である
請求項8記載のセンサの製造方法。
【請求項12】
前記マスキング部が、粘着性高分子材テープである
請求項8記載のセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器の入力操作等に用いる静電容量センサ等のセンサと、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器において、タッチによる入力操作を行うための操作デバイスが用いられている。入力操作を検知するセンサには、例えば静電容量センサが使用されている。静電容量センサは、例えば、硬質樹脂等でなるベース基材と、樹脂フィルムでなるフィルムシートとを有する。フィルムシートは、ベース基材に保持されるセンサ本体部と、センサ本体部から突出して伸長するテール部とを有する。
【0003】
センサ本体部は、ベース基材に保持されている。センサ本体部には、導電性インキ等によって、複数のセンサ電極と各センサ電極から伸長する配線が印刷により形成されている。テール部は、センサ本体部から突出して伸長している。即ちテール部は、電子機器の筐体内部の部品のレイアウトに応じて配線を自由に引き回すことができるように、ベース基材に保持されていない。テール部には、複数のセンサ電極から伸長する配線がセンサ本体部から連続して形成されている。各配線の端部には、端子部が形成されている。端子部は、電子機器の筐体に配置される回路基板のコネクタに対して接続される。こうした従来の静電容量センサは、例えば、特開2013-247029号公報(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-247029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の静電容量センサは、テール部が折れ曲がってしまうことがある。テール部の折れ曲がりは、例えば、電子機器の筐体に配置する際、端子部をコネクタに接続する際に起こりうる。また、テール部は、回路基板の配置に応じて、敢えて折り曲げて配置しなければならない場合もある。テール部が剛性の成形体から突出して設けられるような場合には、その成形体との境界で折り曲げられることから、折り曲げ部分に強い負荷がかかるため、その部分にある配線がフィルムシートに対して捲れ上がり、それによって断線することがある。
【0006】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、静電容量センサ等のセンサについて、センサ本体部から伸長するテール部を折り曲げた際の断線リスクを低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様のセンサ及びその製造方法は、以下のように構成される。
【0008】
即ち本発明の一態様は、ベース基材とセンサシートとを備え、前記センサシートは、センサ電極を有するセンサ本体部と、前記センサ電極に導通する配線を有しており前記ベース基材に対して突出して伸長するテール部とを有するセンサについて、前記ベース基材は、前記センサ本体部と固着する接合面部と、前記テール部が繋がる前記センサ本体部のテール支持部との対向位置に設けられ、前記テール支持部に対して固着しない離間部とを有することを特徴とする。
【0009】
前記本発明の一態様のセンサによれば、テール支持部に対して固着しない離間部においてはセンサシートがベース基材からの拘束が解かれ、その先に設けたテール部が折れ曲がり易くなる。そのため、配線の断線リスクを低減することができる。
【0010】
前記離間部は、前記接合面部に対して凹ませてなる凹部であるものとして構成できる。本発明の一態様によれば、前記センサシートと前記ベース基材との間に隙間を生じさせることができる。離間部を凹部とすれば前記センサシートと前記ベース基材とを物理的に隔てることが可能である。
【0011】
本発明の一態様では、前記離間部は、前記テール支持部と前記ベース基材との間に介在する耐熱性樹脂部材であるものと構成できる。本発明の一態様によれば、耐熱性樹脂部材がセンサシートとベース基材との間に介在して、隙間を開けずに両者の接合を解くことができる。
【0012】
本発明の一態様は、前記センサシートの前記離間部に対向する部位に前記テール部の外縁に沿う2つの切り込みを有するものとして構成できる。本発明の一態様によれば、2つの切り込みに挟まれた箇所がベース基材の拘束から開放されて変形し易くなる。そのため、テール部がより変形し易いセンサとすることができ、配線の断線リスクを低減することができる。
【0013】
本発明の一態様は、前記センサ本体部は、天面部と側面部とを有する立体形状として構成できる。本発明の一態様によれば、センサ本体部が天面部と側面部を有する立体形状であるため、デザイン性を高めるための立体的な形状的工夫を、センサ自体に設けることができる。その一例として、センサ本体部の天面部は、平面形状、湾曲面形状等として形成することができる。センサ本体部の側面部は、円柱状、多角柱状の外周面形状等として形成することができる。
【0014】
前記本発明の一態様は、前記フィルムシート及び前記ベース基材が透光性材料からなり、前記センサシートはバックライト光を透過して照光可能であるものとして構成できる。本発明の一態様によれば、前記センサシートがバックライト光を透過して照光可能であるため、センサ本体部を光らせることができ、夜間や暗所でも操作面を明示し、特定させることができる
【0015】
前記本発明の一態様は、前記複数のセンサ電極が静電容量変化を検出する静電容量センサ用電極として構成できる。本発明の一態様によれば、前記特徴を有する本発明の一態様のセンサを静電容量センサとして実現できる。
【0016】
本発明の一態様は、また、ベース基材とセンサシートとを備え、前記センサシートは、センサ電極を有するセンサ本体部と、前記センサ電極に導通する配線を有しており前記ベース基材に対して突出して伸長するテール部とを有するものであり、前記センサシートに樹脂材でなる前記ベース基材を一体成形するセンサの製造方法について、前記テール部が繋がる前記センサ本体部のテール支持部に前記樹脂材と固着しないマスキング部を設け、前記マスキング部を覆うように前記ベース基材を一体成形し、前記テール支持部を屈曲することで前記ベース基材に対して前記テール部を曲げることを特徴とする。
【0017】
前記本発明の一態様のセンサの製造方法によれば、前記ベース基材における前記センサ本体部と固着する接合面部と、前記テール部が繋がる前記センサ本体部のテール支持部と、の対向位置に、前記テール支持部に対して固着しない離間部を設けることができる。この離間部においてはセンサシートがベース基材からの拘束が解かれ、その先に設けたテール部が折れ曲がり易くなるため、配線の断線リスクを低減することができるセンサを提供することができる。
【0018】
前記本発明の一態様は、前記マスキング部が、耐熱性テープであるものとすることができる。本発明の一態様によれば、前記耐熱性テープが前記ベース基材に固着せず、前記離間部を形成することができる。また本発明の一態様によれば耐熱性テープによってマスキング部を容易に形成できる。
【0019】
前記本発明の一態様は、前記ベース基材の一体成形後に前記耐熱性テープを剥離して除去するものとして構成できる。前記本発明の一態様では、前記ベース基材の一体成形後に前記耐熱性テープを剥離して除去することとしたため、前記耐熱性テープを除去した部分が空隙となり、その部分を前記離間部とすることができる。
【0020】
そして、前記本発明の一態様は、前記マスキング部が、耐熱性塗料でなる塗層であるものとすることができる。前記本発明の一態様は、前記マスキング部を耐熱性塗料でなる塗層であるものとしたため、前記塗層は、前記ベース基材に固着せず、前記離間部を形成することができる。また、前記本発明の一態様は、前記マスキング部が、粘着性高分子材テープであるものとすることができる。前記本発明の一態様は、前記マスキング部を粘着性高分子材テープであるものとしたため、成形時間が短い又は成形温度が低い場合には、非耐熱性の粘着性高分子材テープでも前記ベース基材に固着せず、前記離間部を形成することができる。
【0021】
前記センサ電極は、前記フィルムシートの表面又は裏面に形成することができる。また、前記センサ電極は、前記フィルムシートの両面に形成することができる。本発明の一態様によれば、センサ電極の配置を多様化することができ、様々なセンサを実現できる。
【0022】
前記センサ本体部と前記ベース基材は、一体の成形体として構成できる。本発明の一態様によれば、ベース基材とセンサ本体部とが一体物となる。このためベース基材のデザイン形状に合わせてセンサ本体部を形成することができ、多様なデザインのセンサを実現できる。
【0023】
前記本発明の一態様のセンサは、前記ベース基材の底面と対向位置するコネクタを実装した回路基板を有するものとして構成できる。これによればベース基材の底面に近接してコネクタ及び回路基板を配置できるので、センサをコネクタ及び回路基板を含めて小型化できる。
【0024】
前記本発明の一態様のベース基材は、天面部と筒状の側面部とを有し、前記センサシートのテール部は、前記側面部の内側に向けて配置するように構成できる。これによればテール部がベース基材の内側の筒状空間に配置されるので、センサを小型化できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様によれば、センサシートのテール部を折り曲げた際の配線の断線リスクを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態の静電容量センサの概略平面図である。
図2図1の静電容量センサの概略正面図である。
図3図1の静電容量センサであり、分図A図1のIIIA-IIIA線断面図、分図B図1のIIIB-IIIB線断面図である。
図4図1の静電容量センサの製造方法の一例を示す説明図である。
図5図3Aで示すテール部を下方に屈曲した状態の図3A相当の断面図である。
図6図5で示すテール部をベース基材の裏面に屈曲した状態を示す図3A相当の断面図である。
図7】第1実施形態の第1変形例の静電容量センサの説明図である。
図8】第1実施形態の第2変形例の静電容量センサの説明図である。
図9】第2実施形態の静電容量センサの図3B相当断面図である。
図10】別の変形例の静電容量センサのベース基材とセンサシートとの結合部分を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施形態に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施形態では本発明の一態様に係るセンサの具体例として静電容量センサを例示して説明する。なお、各実施形態で共通する部材については、同一の符号を付して重複説明を省略する。また、各実施形態で共通する材質、作用、効果等についても重複説明を省略する。
【0028】
第1実施形態〔図1図4
【0029】
本実施形態の静電容量センサ1は、センサシート10と、ベース基材20とを備える。
【0030】
センサシート10は、センサ本体部10aとテール部10bとを有する。センサ本体部10aは、ベース基材20の天面部20aと側面部20bに積層して固着している。センサ本体部10aとベース基材20とは、検知部1Aを構成する。テール部10bは、検知部1Aから伸長して、「接続対象物」としての回路基板30のコネクタ31に導通接続する配線接続部1Bを構成している。
【0031】
センサシート10は、樹脂フィルムでなるフィルムシート11を有する。フィルムシート11には、積層して形成した複数のセンサ電極12と、端子部13と、複数の配線14(14a~14h)とを有する。センサシート10の最表面には、端子部13を除き、センサ電極12と配線14を保護するレジスト層15が形成されている。センサ電極12、端子部13、配線14、レジスト層15は、フィルムシート11に形成した印刷層として設けられている。なお、センサシート10にはさらに、耐紫外線層、耐硫化性層、装飾層、プライマー層などを形成することも可能である。
【0032】
複数のセンサ電極12は、図1で示すように、それぞれひし形面を形成している。複数のセンサ電極12は、静電容量センサ1の回路パターン(第1の回路パターン12a、第2の回路パターン12b)を形成している。図1において左右方向をX軸方向、上下方向をY軸方向とすると、第1の回路パターン12aは、対角線の長い方の頂点が図1の左右方向(X軸方向)で連続して繋がる複数のセンサ電極12で構成される。第1の回路パターン12aは、X軸方向に伸長する回路パターンがY軸に交差して並んで配置するため、センサ本体部10aにおけるY座標を検出することができる。第2の回路パターン12bは、対角線の長い方の頂点が図1の上下方向(Y軸方向)で連続して繋がる複数のセンサ電極12で構成される。第2の回路パターン12bは、Y軸方向に伸長する回路パターンがX軸方向に交差して並んで配置するため、センサ本体部10aにおけるX座標を検出することができる。したがって、第1の回路パターン12aと第2の回路パターン12bのそれぞれの静電容量の変化を組合せることによって、タッチ操作が行われたXY座標を検知することができる。
【0033】
図3Aの部分拡大図で示すように、第1の回路パターン12aは、フィルムシート11の裏面11bに形成されている。第2の回路パターン12bは、フィルムシート11の表面11aに形成されている。第1の回路パターン12aと第2の回路パターン12bは、平面視で、第1の回路パターン12aをなすセンサ電極12のひし形の頂点と第2の回路パターン12bをなすセンサ電極12のひし形の頂点とが、フィルムシート11の厚み方向で交差する位置に配置されている。他方、第1の回路パターン12aをなすセンサ電極12のひし形と第2の回路パターン12bをなすセンサ電極12のひし形とは、フィルムシート11の厚み方向で互いに重ならないように配置されている。このように相互に配置される第1の回路パターン12aをなすセンサ電極12と第2の回路パターン12bをなすセンサ電極12は、タッチ操作が行われたXY座標を検知するための操作座標を形成している。
【0034】
センサシート10のセンサ本体部10aの表面10cには、ベース基材20が固着され積層されてタッチ操作を行う操作面を形成する。よってセンサシート10とベース基材20とは、一体物として形成されている。そして一体物であることで、センサ本体部10aをベース基材20に沿った形状に形成することができる。そのためフィルムシート11は、材料としては平坦なフィルムであるが、ベース基材20の形状に応じて、ドーム状又は円弧状などの立体操作面を有するように形成することができる。また、センサシート10は、ベース基材20の天面部20aだけでなく、その筒状の側面部20bにも沿う。これにより、ベース基材20の天面部20aから側面部20bに至る角部分に丸みを持たせたセンサシート10として形成することができる。センサシート10のセンサ本体部10aの表面10cには、さらにレジスト層15を設け、センサシート10とベース基材20に固着して積層してもよい。センサシート10及びベース基材20は、透光性材料を用いると、バックライト光を透過することができる。
【0035】
ベース基材20の天面部20aと側面部20bには、ベース基材20がセンサシート10のフィルムシート11と接合した「接合面部」としての接合面40を有しており、図3Aの部分拡大図で示すように、その接合面40の端50からフィルムシート11が突出してテール部10bを形成している。このテール部10bとベース基材20との境界部分は、ベース基材20の側面部20bに形成された前記接合面40の端50に、その接合面40がそのまま延長した場合を想定した仮想延長面よりもベース基材20が凹んだ「凹部」としての離間部60を形成している。離間部60は、ベース基材20の構成である。離間部60と対向位置するセンサシート10の部分は、センサ本体部10aの一部分である。その一部分は、ベース基材20に対して固着しておらず、テール部10bを屈曲可能に支持するテール支持部10a1を構成する。
【0036】
離間部60を形成する方法は多数存在するが、図4を参照してその一例について説明する。離間部60を形成する部分に対応するフィルムシート11の表面11aに耐熱性テープ61又は印刷層のようなマスキング部材を介在させる方法がある。ここでは耐熱性テープ61を用いるセンサシート10の製造方法を説明する。まず平面状のフィルムシート11にセンサ電極12及び配線14、そしてレジスト層15等を印刷等により設けておき、これを真空成形等により仮絞りを行って図4Aで示すような形状にフィルムシート11を成形する。次に、図4Bで示すように離間部60を形成するフィルムシート11の部分に耐熱性テープ61を貼り付けておく。フィルムシート11に貼り付けた耐熱性テープ61は「マスキング部」を構成する。そしてフィルムシート11を射出成形金型に配置してベース基材20となる溶融樹脂を射出し、固化して図4Cで示すようにフィルムシート11とベース基材20を一体成形する。次に、耐熱性テープ61を取り除くことで、図4Dで示すように、耐熱性テープ61の厚み及び面積とほぼ同じ大きさの空間となる「凹部」としての離間部60が形成された一体成形体を得る。その後、図4Eで示すようにテール支持部10a1を屈曲させることでテール部10bを折り曲げる。
【0037】
耐熱性テープ61は、ベース基材20にセンサシート10を一体化させる成形温度でも溶けたり軟化したりしない材質のものからなる。例えば、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ガラスクロス、その他にはアルミニウム又は銅など各種の金属箔などが挙げられる。
【0038】
あるいは耐熱性テープ61として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等の樹脂フィルムの表面に、耐熱性高分子組成物を塗工した層を設けたものを用いることができる。耐熱性高分子組成物としてはシリコーン系やフロロシリコーン系、フッ素系などの高分子組成物が挙げられる。
【0039】
そして耐熱性テープ61はまた、こうした材質からなる基材上にさらに耐熱性の粘着剤を有していることが好ましい。粘着剤としては、例えばアクリル系又はシリコーン系、フッ素系などからなる耐熱性の高い粘着剤を用いることができる。なお、耐熱性テープ61が、樹脂フィルムの表面に耐熱性高分子組成物からなる層を設けたものである場合には、この粘着剤は、耐熱性高分子組成物からなる層とは反対側の樹脂フィルムの表面に設けることが好ましい。耐熱性テープ61の表面は、平坦でベース基材20となる溶融樹脂が咬みついたり浸透したりしない平滑性を有することが好ましい。
【0040】
なお、本実施形態では、「マスキング部」として、耐熱性テープ61を適用している一例について説明しているが、他の態様とすることも可能である。例えば、基材が天然高分子材のセロファンテープや、基材が合成高分子材のOPP(Oriented Poly Propylene)テープ等の汎用の非耐熱性の粘着性高分子材テープは、成形時間や成形温度の影響が小さい場合には、本発明の「マスキング部」の一態様として用いることができる。すなわち、これらの粘着性高分子材テープは、非耐熱性でも成形時間が短い又は成形温度が低い場合には、ベース基材20となる溶融樹脂と固着せずに、また、フィルムシート20からも剥がすことができるので、離間部60を形成する際における「マスキング部」として適用できる。
【0041】
静電容量センサ1の構成部位の説明に戻ると、テール部10bは、ベース基材20の筒状の側面部20bの底面内縁20dから、ベース基材20に固着せずに伸長する部分である。テール部10bは、センサ本体部10aから突出しており、突出した先端に端子部13を備える。配線14は、フィルムシート11にあるセンサシート10のセンサ本体部10aから、フィルムシート11の側面11cとテール部10bとを通じて端子部13に伸長する。
【0042】
具体的には、センサ電極12の第1の回路パターン12aは、フィルムシート11の裏面11bに形成されている。このため、第1の回路パターン12aから伸長する配線14は、第1の回路パターン12aからテール部10bの端子部13に至るまで、フィルムシート11の裏面11bに形成されている。
【0043】
これに対して、第2の回路パターン12bは、フィルムシート11の表面11aに形成されている。このため、第2の回路パターン12bから伸長する配線14は、第2の回路パターン12bからテール部10bのスルーホール10b1に至るまで、フィルムシート11の表面11aに形成されている。そして、配線14は、スルーホール10b1を貫通してフィルムシート11の裏面11bに到達した後、端子部13まで伸長する。
【0044】
したがって、複数の配線14は、スルーホール10b1と端子部13との間では、すべてフィルムシート11の裏面11bに形成されている。これに対して、センサ本体部10aとスルーホール10b1との間では、複数の配線14のうちの何本かはフィルムシート11の表面11aに形成され、残りの何本かはフィルムシート11の裏面11bに形成されている。
【0045】
次に、静電容量センサ1を形成する各部位の材質、機能等について説明する。
【0046】
フィルムシート11は、センサシート10の基材であり、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを用いる。熱可塑性樹脂であれば、加熱することでベース基材20の形状に対応した形状に容易に成形することができるからである。こうした樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)などを挙げることができる。センサシート10の裏面10dに記号又は数字等、何らかの表示を表す表示部(図示せず)を設ける場合などは、透明性のある樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0047】
フィルムシート11の厚さは、形状保持のための定形性、折曲げが可能な可撓性等を有する必要から、10~500μmであることが好ましい。またフィルムシート11には、後述するセンサ電極12の材料となる導電性高分子との密着性を高めるプライマー層又は表面保護層、帯電防止等を目的とするオーバーコート層などを設けたり、予め表面処理を施しておいたりすることもできる。
【0048】
センサ電極12は、導電インキ又は導電性高分子を含む導電層からなる。導電性高分子を用いればベース基材20との一体成形の際にセンサ電極12が伸ばされても、断線し難い。また、液状の塗液を形成し印刷形成することができ、ITO等と比べて安価にセンサ電極12が得られる点でも好ましい。一方、透明性が必要でない場合には、銀インキ又はカーボンペースト等の導電インキでセンサ電極12を形成することができる。銀インキは、低抵抗で感度の優れたセンサ電極12を形成できる点で好ましい。一方、カーボンペーストは、導電性高分子よりも安価にセンサ電極12が得られる点、又は耐候性に優れる点で好ましい。
【0049】
センサ電極12となる導電性高分子の材質には、透明な層を形成できる導電性高分子が用いられる。こうした透明性のある導電性高分子には、ポリパラフェニレン又はポリアセチレン、PEDOT-PSS(ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルホン酸)等が例示できる。センサ電極12の層厚は、0.04~1.0μmが好ましく、0.06~0.4μmがさらに好ましい。層厚が0.04μm未満であるとセンサ電極12の抵抗値が高くなるおそれがあり、層厚が1.0μmを超えると透明性が低くなるおそれがある。なお、センサ電極12の層厚は、フィルムシート11にセンサ電極12を形成して原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができる。
【0050】
配線14は、センサ電極12を端子部13まで導通接続するものである。配線14の材質は、銅、アルミニウム、銀又はそれらの金属を含む合金等の高導電性金属を含む導電ペースト又は導電インキから形成されることが好ましい。また、これらの金属又は合金の中でも導電性が高く、銅よりも酸化し難いという理由から銀配線とすることが好ましい。
【0051】
配線14の厚さは1.0~20μmとすることが好ましい。配線14の厚さが1.0μm未満では配線14の抵抗値が上昇し易く、ノイズの原因になるおそれがある。一方、配線14の厚さが20μmを超えると、段差が大きくなることから、レジスト層15を塗布するときに気泡が入るおそれが高くなる。気泡が入ると破裂して穴ができ、配線14に含まれる高導電性金属が腐食しやすくなるという不具合がある。また、配線14の抵抗値は300Ω以下とすることが好ましい。配線14の抵抗値が300Ωを超えるとノイズが増加して感度が悪くなるおそれがある。
【0052】
端子部13は、静電容量センサ1を回路基板30のコネクタ31に導電接続するための接続部である。端子部13は、配線14の先端をカーボンインキで覆うこと等により形成することができる。
【0053】
レジスト層15は、隣接するセンサ電極12どうしの導通防止と、センサ電極12を紫外線及び引っ掻き等から保護するために設けられる絶縁性の保護膜である。レジスト層15は、透明性である。また、レジスト層15は、銀ペースト又は金属からなる配線14の腐食を防止する機能も有する。レジスト層15となる樹脂には、硬質の樹脂が選択され、例えば、アクリル系又はウレタン系、エポキシ系、ポリオレフィン系の樹脂、その他の樹脂を用いることができる。レジスト層15の厚さは、通常は、6~30μmであり、好ましくは10~20μmである。その理由は、レジスト層15の厚さが30μmを超えると柔軟性に乏しくなり、厚さが6μm未満であるとセンサ電極12の保護が不十分となるおそれがあるからである。
【0054】
次に、既に説明済みのものを除き、本実施形態の静電容量センサ1の作用・効果を説明する。
【0055】
一般に、一体成形又はインサート成形等の通常の成形方法では、フィルムシート11とベース基材20とがその積層面全体で互いに固着する。そのため配線14を有するテール部10bは、図3Aで示すように、ベース基材20の側方に延伸した状態に形成することや容易であるが、下側や内側などフィルムシート11の広がり方向に対して90度以上の角度を有する任意の方向に延ばすことは難しい。しかしながら、センサシート10となるフィルムシート11に、ベース基材20と固着しない離間部60を設けることで、任意の方向に曲げ易いテール部10bを得ることができる。即ち、図5で示すように、テール部10bを側面部1A2に沿った下方に折り曲げ、さらに図6で示すように、テール部10bをベース基材20の内側に収容するように折り曲げることも容易である。
【0056】
静電容量センサ1では、テール部10bがベース基材20の底面内縁20dからは離間部60の部分だけ離れているため、上記のようにベース基材20の底面部20c側にテール部10bを折り曲げて配置することが容易となる。よってテール部10bの配置を含めて静電容量センサ1の全体を小型化することができる。
【0057】
ベース基材20は、電子機器の第1の分割筐体として構成できる。ベース基材20の開口部20eには、第2の分割筐体32と組み合わせることができる。第1の分割筐体(ベース基材20)と第2の分割筐体32で組み合わされる筐体の内側には収容空間が形成される。収容空間には回路基板30を配置することができる。テール部10bの端子部13は、筐体の内部でコネクタ31と接続することができる。
【0058】
検知部1Aは、天面部1A1と側面部1A2を有する立体形状であるため、デザイン性を高めるための立体的な形状的工夫を、静電容量センサ1自体に設けることができる。例えば、操作面となる検知部1Aの天面部1A1は、平面形状、湾曲面形状等として形成することができる。側面部1A2は、円柱状、多角柱状の外周面形状等として形成することができる。あるいはまた、天面部1A1と側面部1A2が滑らかに繋がったドーム形状等とすることができる。
【0059】
レジスト層15は、センサ電極12と配線14を確実に保護できる。また、レジスト層15はセンサ電極12どうしを確実に絶縁できる。
【0060】
第1実施形態の第1変形例〔図7
【0061】
第1実施形態の第1変形例による静電容量センサ2の断面図を図7に示す。静電容量センサ2は、耐熱性テープ61を取り除かずにそのまま静電容量センサ2内に置きとどめたものである。耐熱性テープ61を剥離除去せずに、そのまま残しておくことで、耐熱性テープ61が離間部60となり、耐熱性テープ61とベース基材20との界面が剥離し易くなる。その他の構成は静電容量センサ1と同様である。
【0062】
第1実施形態の第2変形例〔図8
【0063】
第1実施形態の第2変形例による静電容量センサ3の断面図を図8に示す。上記第1変形例による静電容量センサ2で用いた耐熱性テープ61の代替品及び代替方法として、耐熱性塗料をフィルムシート11の表面11aに塗布する方法を採用することができる。フィルムシート11の表面11aに塗布され硬化した塗層62は「マスキング部」を構成する。耐熱性塗料としては、例えば、フッ素系又はシリコーン系のベースに無機フィラーを含有した耐熱塗料を利用することができる。あるいは熱硬化型又は紫外線硬化型の塗料を用いてもよい。この塗層62を除去せずにそのまま残しておくことで、塗層62が離間部60となり、塗層62とベース基材20との界面が剥離し易くなる。その他の構成は静電容量センサ2と同様である。
【0064】
第2実施形態〔図9
【0065】
第2実施形態の静電容量センサ4は、センサシート10の離間部60に対向する部位に切り込み10eを有していることを特徴とする。それ以外の構成は、静電容量センサ1と同様である。図9には、切り込み10eを有する静電容量センサ4の断面図を示す。切り込み10eを有しない図3Bで示す第1実施形態の静電容量センサ1と比較すると、テール部10bがベース基材20の内側に折れ曲がり易くなっている。
【0066】
切り込み10eはベース基材20となる溶融樹脂が浸入しない程度に、隙間の無い太さである必要がある。切り込み10eの幅が太くなると、溶融樹脂が浸入してセンサシート10と固着する可能性があり好ましくない。マスキング部や耐熱性テープ61は、切り込み10eを覆うように設けておくことが好ましい。センサシート10にベース基材20を一体成形する際に溶融樹脂が切り込み10eに浸入することを避け易くするためである。マスキング部や耐熱性テープ61は、第1実施形態の第1変形例による静電容量センサ2のように、一体成形の後に剥離して除去することもできる。センサシート10は、側面部1A2の下端から突出したテール部10bのみならず、側面部1A2に対向する部分でも切り込み10eに挟まれたフィルムシート11の部分は、ベース基材20から離れ、切り込み10eを設けた長さだけベース基材20の内側に向けて曲げ延ばすことができる。
【0067】
その他の変形例
【0068】
上記実施形態では、絞り加工して上に凸形状としたセンサ本体部10aでは、センサシート10の表面10cをベース基材20で覆うこととしつつ、センサ本体部10aから外方に突出したテール部10bを有する静電容量センサ1について説明したが、テール部10bの長さがベース基材20の側面部20b内に収まる長さとしたものでも良い。但し、この側面部20bから離れてコネクタ31に導通接続する必要があり、切り込み10eを設けて、切り込み10eに挟まれた部分がテール部10bとなるようにする。
【0069】
センサシート10とベース基材20とが接合する部分の形状及び向きは特に限定されるものではなく、図10で示すように、ベース基材20の下端に設けたセンサシート10との間で離間部60を形成するようなものであっても良い。
【0070】
前記実施形態は、本発明の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、実施形態の変更又は公知技術の付加、組合せ等を行い得るものであり、それらの技術もまた本発明の範囲に含まれるものである。例えば、テール部10bの両端側に配置される配線14は、フィルムシート11の表面11a又は裏面11bのどちらに設けても良い。
【0071】
前記実施形態の静電容量センサ1,2,3は、着色や文字・数字・記号等の表示部を含む加飾層を設けてもよい。レジスト層15を加飾層として構成してもよく、この場合には加飾層を保護する保護層を設けてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 静電容量センサ(センサ、第1実施形態)
1A 検知部
1A1 天面部
1A2 側面部
1B 配線接続部
2 静電容量センサ(センサ、第1実施形態の第1変形例)
3 静電容量センサ(センサ、第1実施形態の第2変形例)
4 静電容量センサ(センサ、第2実施形態)
10 センサシート
10a センサ本体部
10a1 テール支持部
10b テール部
10b1 スルーホール
10c 表面
10d 裏面
10e 切り込み
11 フィルムシート
11a 表面
11b 裏面
11c 側面
12 センサ電極
12a 第1の回路パターン
12b 第2の回路パターン
13 端子部
14 配線
15 レジスト層
16 屈曲部
16a 外側屈曲面
16b 内側屈曲面
20 ベース基材
20a 天面部
20b 側面部
20c 底面部
20d 底面内縁
20e 開口部
30 回路基板
31 コネクタ
32 第2の筐体
40 接合面
50 接合面の端
60 離間部
61 耐熱性テープ(マスキング部、耐熱性樹脂部材)
62 塗層(マスキング部、耐熱性樹脂部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基材と前記ベース基材に固着するセンサシートとを備え、
前記センサシートは、センサ電極を有するセンサ本体部と、前記センサ電極に導通する配線を有しており前記ベース基材及びセンサ本体部に対して突出して伸長するテール部とを有するセンサにおいて、
前記センサシートは、前記ベース基材に対して固着せず、前記ベース基材と重なる位置にあり、前記センサ本体部の端部に設けられて、前記テール部と繋がって前記テール部を屈曲可能に支持するテール支持部を有しており、
前記ベース基材は、
前記センサ本体部と固着する接合面部と、
記テール支持部との対向位置に設けられ、前記テール支持部に対して固着しない離間部とを有しており、
前記テール部は、前記テール支持部を屈曲することで前記ベース基材に対して折り曲げられており、
前記離間部は、前記ベース基材と前記テール支持部との間に設けられていることを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記離間部は、前記接合面部に対して凹ませてなる凹部である
請求項1記載のセンサ。
【請求項3】
前記離間部は、前記テール支持部と前記ベース基材との間に介在する耐熱性樹脂部材である
請求項1記載のセンサ。
【請求項4】
前記離間部は、前記接合面部の端部に隣接して設けられている
請求項1~請求項3何れか1項記載のセンサ。
【請求項5】
前記離間部は、前記ベース基材の底面の下端側に設けられている
請求項1~請求項4何れか1項記載のセンサ。
【請求項6】
前記離間部は、前記テール支持部と前記ベース基材との間に介在する耐熱性テープ、耐熱性塗料でなる塗層又は粘着性高分子材テープである
請求項1記載のセンサ。
【請求項7】
前記複数のセンサ電極が静電容量変化を検出する静電容量センサ用電極である
請求項1~請求項6何れか1項記載のセンサ。
【請求項8】
ベース基材と前記ベース基材に固着するセンサシートとを備え、
前記センサシートは、センサ電極を有するセンサ本体部と、前記センサ電極に導通する配線を有しており前記ベース基材及び前記センサ本体部に対して突出して伸長するテール部とを有するものであり、
前記センサシートに樹脂材でなる前記ベース基材を一体成形するセンサの製造方法において、
前記センサシートは、前記ベース基材に対して固着せず、前記ベース基材と重なる位置にあり、前記センサ本体部の端部に設けられて、前記テール部と繋がって前記テール部を屈曲可能に支持するテール支持部を有しており、
前記テール支持部に前記樹脂材と固着しないマスキング部を設け、
前記マスキング部を覆うように前記ベース基材を一体成形し、
前記テール支持部を屈曲することで前記ベース基材に対して前記テール部を曲げることを特徴とするセンサの製造方法。
【請求項9】
前記マスキング部が、耐熱性テープである
請求項8記載のセンサの製造方法。
【請求項10】
前記ベース基材の一体成形後に前記耐熱性テープを剥離して除去する
請求項9記載のセンサの製造方法。
【請求項11】
前記マスキング部が、耐熱性塗料でなる塗層である
請求項8記載のセンサの製造方法。
【請求項12】
前記マスキング部が、粘着性高分子材テープである
請求項8記載のセンサの製造方法。