(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033014
(43)【公開日】2024-03-12
(54)【発明の名称】医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/423 20060101AFI20240305BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20240305BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K31/423
A61P3/06
A61P1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016048
(22)【出願日】2024-02-06
(62)【分割の表示】P 2022065283の分割
【原出願日】2018-06-29
(31)【優先権主張番号】P 2017129306
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 信
(72)【発明者】
【氏名】南園 明人
(57)【要約】
【課題】ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、安定性に優れる医薬組成物を提供すること。
【解決手段】ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、水分含量が0.8~1.5質量%であり、且つ固形製剤である、医薬組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、水分含量が0.8~1.5質量%であり、且つ固形製剤である、医薬組成物。
【請求項2】
前記ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、ペマフィブラートの結晶である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ペマフィブラートの結晶が、95~101℃の融点を示す結晶である、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有するものである、請求項2又は3記載の医薬組成物。
【請求項5】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、請求項1~4のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載の医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる、医薬品。
【請求項7】
前記気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項6記載の医薬品。
【請求項8】
ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し且つ固形製剤である医薬組成物の水分含量を0.8~1.5質量%とする工程を含む、医薬組成物中のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の安定化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の構造式:
【0003】
【0004】
で表されるペマフィブラート(化学名:(2R)-2-[3-({1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]アミノ}メチル)フェノキシ]ブタン酸((2R)-2-[3-([1,3-Benzoxazol-2-yl[3-(4-methoxyphenoxy)propyl]amino]methyl)phenoxy]butanoic acid)、国際一般名:Pemafibrate)若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、優れたPPARαアゴニスト活性を有し、血漿トリグリセライド濃度の低下やHDLコレステロールの増加等の作用を示し、脂質異常症(高脂血症)の予防や治療に有用であること(特許文献1、非特許文献1、2)や、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)の予防や治療に有用であること(特許文献2)が知られている。
【0005】
ところで、医薬品の有効成分として有用な化合物は通常何らかの医薬組成物として製剤化されて投与されることとなるが、医薬組成物が製造されてから投与されるまでに長期間経過することも珍しいことではない。そのため、期待する薬効の発揮の観点や予期せぬ副作用の回避の観点から、医薬組成物中での有効成分の安定性の確保が極めて重要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/023777号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2015/005365号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Yukiyoshi Yamazaki, et al., Synthesis, 2008(7), 1017-1022.
【非特許文献2】Fruchart JC. Cardiovasc Diabetol. 2013; 12: 82.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、有効成分の安定性はその物理的・化学的特性に大きく左右されるところ、当該特性はその化学構造等から予め予測出来ないことが多く、医薬組成物を実際に製造して初めて問題が判明することも少なくない。
そのため、医薬組成物中での有効成分の安定性を確保する技術の確立には多大な試行錯誤を要するのが通常である。
そして、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物については、上記のような薬理効果を示すということが報告されているのみであり、医薬組成物とすることについてはこれまでに具体的に検討がされておらず、医薬組成物中での安定性についてはこれまでに全く報告されていなかった。
このような背景の下、本発明者らが、安定性に優れるペマフィブラート含有医薬組成物を提供するため鋭意検討したところ、ペマフィブラートそのもの自体は水分に対して極めて安定であるにも拘らず、3質量%超の水分含量を示すペマフィブラート含有医薬組成物においては、ペマフィブラートの分解物(類縁物質)が増加しやすく、安定性に問題が生じることが判明した。
したがって、本発明は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、安定性に優れる医薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明者らは、上記の状況に鑑み医薬組成物中でのペマフィブラートの安定性について更に検討を進めた結果、ペマフィブラートの安定性は医薬組成物の水分含量と相関し、医薬組成物の水分含量を2.4質量%以下とすることによって、ペマフィブラートの分解物の増加が抑制され、安定性に優れるペマフィブラート含有医薬組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、水分含量が2.4質量%以下である、医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物の水分含量を2.4質量%以下とする工程を含む、医薬組成物中のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の安定化方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ペマフィブラートの分解物の増加が抑制され、安定性に優れるペマフィブラート含有医薬組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】試験例3で得られたペマフィブラートの結晶の粉末X線回折パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物>
本明細書において「ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」には、ペマフィブラート(化学名:(2R)-2-[3-({1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル[3-(4-メトキシフェノキシ)プロピル]アミノ}メチル)フェノキシ]ブタン酸((2R)-2-[3-([1,3-Benzoxazol-2-yl[3-(4-methoxyphenoxy)propyl]amino]methyl)phenoxy]butanoic acid)、国際一般名:Pemafibrate)そのもののほか、ペマフィブラートの薬学上許容される塩、さらにはペマフィブラートやその薬学上許容される塩と、水やアルコール(例えば、エタノール)等との溶媒和物も含まれる。薬学上許容される塩としては特に限定されないが、例えば、酸付加塩や塩基付加塩等が挙げられる。酸付加塩としては、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような無機酸との酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。また、塩基付加塩としては、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩;アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、コリジン、ルチジン等のアミンとの塩;リシン、アルギニン、シンコニン、シンコニジン等の有機塩基との塩基付加塩等が挙げられる。
【0014】
ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は公知の化合物であり、例えば、特許文献1、非特許文献1、米国特許第7,109,226号明細書に開示の方法により製造することができる。本発明においては、非特許文献1に記載の方法で製造できる、ペマフィブラートの結晶(好適には、第十七改正日本薬局方 融点測定法第1法に従って測定したとき、95~101℃、特に好適には97~100℃の融点を示す結晶)を用いるのが好ましい。下記試験例の通り、非特許文献1に記載の方法で製造できるペマフィブラートの結晶は吸湿性を有しないため、これを含有する医薬組成物は、その製造時において水分含量の調整が容易となり、また、保存時においても水分含量の変化を抑制できるというメリットを有する。なお、これらの文献の内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0015】
医薬組成物におけるペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量は特に限定されず、製剤の種類、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定することができる。例えば、1日あたり、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を、ペマフィブラートのフリー体に換算して0.05~0.8mg、より好適には0.075~0.6mg、特に好適には0.1~0.4mg服用できる量を含有せしめることができる。
医薬組成物におけるペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の含有量としては、医薬組成物全質量に対して、ペマフィブラートのフリー体換算で0.005~5質量%であるのが好ましく、0.01~1質量%であるのがより好ましく、0.05~0.5質量%であるのが特に好ましい。
【0016】
本明細書において「医薬組成物」の剤形は特に限定されず、固形状、半固形状、又は液状製剤のいずれであってもよく、その利用目的等に応じて選択することができる。医薬組成物の剤形としては、例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形が挙げられる。具体的には例えば、経口投与用の剤形としては、錠剤(例えば、通常錠、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などを含む)、カプセル剤、顆粒剤(例えば、発泡顆粒剤などを含む)、散剤、丸剤等の固形製剤;経口ゼリー剤等の半固形状製剤;経口液剤(例えば、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤などを含む)等の液状製剤等が挙げられる。また、非経口投与用の剤形としては、注射剤、吸入剤、点眼剤、点耳剤、点鼻剤、坐剤、外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤等が挙げられる。
【0017】
医薬組成物としては、服用のし易さ及び製造のし易さの観点から、固形製剤であるのが好ましい。
固形製剤としては、経口投与用固形製剤が好ましく、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤がより好ましく、錠剤が特に好ましい。
【0018】
医薬組成物の水分含量は、ペマフィブラートの分解物の増加を抑制する観点から、2.4質量%以下である必要があるが、好ましくは約2.1質量%以下、より好ましくは約1.9質量%以下、さらに好ましくは約1.7質量%以下、さらにより好ましくは約1.5質量%以下、特に好ましくは約1.3質量%以下であり、また、好ましくは約0.3質量%以上、より好ましくは約0.5質量%以上、さらに好ましくは約0.8質量%以上、さらにより好ましくは約1.0質量%以上、特に好ましくは約1.2質量%以上である。特に、約0.8~約1.5質量%(なかでも特に約1.2~約1.3質量%)とした場合に、ペマフィブラートの分解物の増加を大幅に抑制できる。
ここで、「医薬組成物の水分含量」は、乾燥減量試験法により測定される。具体的には、第十七改正日本薬局方の乾燥減量試験法に準拠し、乾燥減量値(質量%)として測定する。ここで、測定条件(乾燥温度及び乾燥時間)は以下の通り設定する。すなわち、乾燥温度は、加熱する場合には、医薬組成物に配合されている成分に応じて付着水の量を測定できるよう設定すれば良い。例えば、結晶水を有する製剤添加物が配合されている場合においては、当該結晶水がとばない程度の低い温度を設定する。このような温度としては具体的には例えば、常圧で乾燥させる場合には60~80℃程度が考えられる。また、乾燥時間は、水分含量がおよそ恒量に達したものとみなせる程度の時間とする。具体的には例えば、乾燥減量の測定値の1時間当たりの変化量が0.1質量%以下となるまでの時間とする。
なお、既に気密包装体で包装されている医薬組成物の水分含量を測定する場合は、気密包装体内での水分含量を正確に評価する観点から、気密包装体から取り出した直後に測定するのが好ましい。
【0019】
本発明の医薬組成物には、その剤形に応じて、上記成分以外に製薬上許容される担体(製剤添加物)を加えてもよい。こうした製剤添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、可塑剤、フィルム形成剤、粉体、難水溶性高分子物質、抗酸化剤、矯味剤、甘味剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、これらの製剤添加物としては、具体的には例えば、医薬品添加物辞典2016(株式会社薬事日報社発行)、Handbook of Pharmaceutical Excipients, Seventh Edition(Pharmaceutical Press社発行)等に収載されたものを用いればよい。
【0020】
賦形剤としては、具体的には例えば、ケイ酸アルミニウム、無水硫酸ナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、塩化ナトリウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機系賦形剤;アメ粉、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)、果糖、カラメル、カンテン、キシリトール、パラフィン、結晶セルロース、ショ糖、麦芽糖、乳糖、乳糖水和物、白糖、ブドウ糖、プルラン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、マルチトール、還元麦芽糖水アメ、粉末還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチトール、トレハロース、還元パラチノース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、クエン酸カルシウム等の有機系賦形剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら賦形剤の中では、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、乳糖水和物、マンニトールが好ましい。
【0021】
崩壊剤としては、具体的には例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等のスーパー崩壊剤やカルメロース、カルメロースカルシウム、デンプン、ショ糖脂肪酸エステル、ゼラチン、炭酸水素ナトリウム、デキストリン、デヒドロ酢酸及びその塩、ポビドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら崩壊剤の中では、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドンが好ましい。
【0022】
結合剤としては、具体的には例えば、牛脂硬化油、硬化油、水素添加植物油、ダイズ硬化油、カルナウバロウ、サラシミツロウ、ミツロウ、モクロウ等の油脂類の他、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)、デキストリン、プルラン、アラビアゴム、カンテン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、ポビドン、ポリビニルアルコール、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら結合剤の中では、カルナウバロウ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、デンプン(コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン等)が好ましい。
【0023】
滑沢剤としては、具体的には例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら滑沢剤の中では、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムが好ましい。
【0024】
可塑剤としては、具体的には例えば、クエン酸トリエチル、グリセリン、ゴマ油、ソルビトール、ヒマシ油、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンオレイン酸エステル)等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら可塑剤の中では、クエン酸トリエチル、グリセリンが好ましい。
【0025】
フィルム形成剤としては、具体的には例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のアルキルセルロース;アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸又はその塩;カラギーナン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース;キサンタンガム;ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等のヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等のヒドロキシアルキルセルロースフタレート;プルラン;ポリ酢酸ビニル;ポリ酢酸ビニルフタレート;ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらフィルム形成剤の中では、ヒドロキシアルキルセルロースが好ましい。
【0026】
粉体としては、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、法定色素等の有機粉体又は無機粉体が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら粉体の中では、酸化チタン、三二酸化鉄、法定色素が好ましい。
【0027】
難水溶性高分子物質としては、具体的には例えば、カルボキシビニルポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
抗酸化剤としては、具体的には例えば、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、天然ビタミンE、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
矯味剤としては、具体的には例えば、リモネン、ピネン、カンフェン、サイメン、シネオール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、メントール、テルピネオール、ロジノール、ボルネオール、イソボルネオール、メントン、カンフル、オイゲノール、シンゼイラノール等のテルペン;トウヒ油、オレンジ油、ハッカ油、樟脳白油、ユーカリ油、テレピン油、レモン油、ショウキョウ油、チョウジ油、ケイヒ油、ラベンダー油、ウイキョウ油、カミツレ油、シソ油、スペアミント油等のテルペンを含有する精油;アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸及びこれらの塩等の酸味剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
甘味剤としては、例えば、アスパルテーム、ステビア、スクラロース、グリチルリチン酸、ソーマチン、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0030】
本発明の医薬組成物は、その剤形に応じて公知の方法により製造することができる。
例えば、医薬組成物が固形製剤である場合には、粉砕、混合、造粒、乾燥、整粒、分級、充填、打錠、コーティング等の単位操作を適宜組み合わせることにより製造することができる。
より具体的には例えば、医薬組成物の剤形が顆粒剤、散剤、丸剤等の粒状の製剤の場合、必要に応じ賦形剤や結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤添加物を用い、これらの成分を混合した後、押出造粒、転動造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧造粒、溶融造粒、破砕造粒等の公知の造粒方法により造粒して造粒物を得、さらに必要に応じて分級、整粒等することで製造することができる。なお、得られた造粒物は、公知の方法によりコーティング剤等で被覆することもできる。
また、医薬組成物の剤形が錠剤の場合、必要に応じ賦形剤や結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の適当な製剤添加物を用い、これらの成分を混合して混合物を得、これを直接圧縮(打錠)すること(直接粉末圧縮法)や、上記の造粒物を必要に応じて分級、整粒等したあと圧縮(打錠)すること(半乾式顆粒圧縮法、乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法など)により製造することができる。なお、得られた圧縮物(錠剤)は、公知の方法によりコーティング剤等で被覆することもできる。
さらに、医薬組成物の剤形がカプセル剤の場合、上記の造粒物や圧縮物を、カプセルに充填すればよい。
【0031】
また、医薬組成物の水分含量を調整する手段としては、加湿手段と乾燥手段とが挙げられ、医薬組成物の剤形等に応じてこれらの手段を適宜選択し組み合わせればよい。
加湿手段としては、例えば、湿式造粒操作において練合液として含水溶媒を用いる手段等が挙げられる。
乾燥手段としては、例えば、乾燥装置を用いる手段や乾燥剤を用いる手段が挙げられる。ここで、乾燥装置としては、医薬品や食品の分野で通常使用されているものを用いることができ、具体的には例えば、箱型乾燥機、流動層乾燥機、噴霧乾燥機、凍結乾燥機、真空乾燥機、高周波乾燥機等を挙げることができる。また、乾燥剤としては、医薬品や食品の分野で通常使用されているものを用いることができ、具体的には例えば、シリカゲル、シリカアルミナゲル(例えば、アロフェン)、天然ゼオライト、合成ゼオライト(例えば、モレキュラーシーブ)、生石灰(酸化カルシウム)、ベントナイトクレイ(例えば、モンモリロナイト)、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び酸化マグネシウムから選択される1種以上が挙げられ、これらと活性炭を混合したものであってもよい。乾燥手段としては、医薬組成物の水分含量の調整の容易さの観点から、乾燥装置を用いる方法が好ましい。
なお、これらの加湿手段や乾燥手段は、医薬組成物の製造途中で行ってもよいし、医薬組成物の製造後に行ってもよい。
【0032】
医薬組成物は、さらに気密包装体に収容されていてもよい(なお、以下、本明細書において、医薬組成物を気密包装体に収容してなるものを「医薬品」と称する。)。医薬組成物を気密包装体に収容することにより、包装体外からの水分の侵入が妨げられる結果、包装体内部に存在する医薬組成物の水分含量が長期間に渡って安定的に保たれ、結果として医薬組成物中でのペマフィブラートの分解物の増加を長期間に渡って抑制できる。
本明細書において「気密包装体」とは、通常の取扱い、運搬又は保存等の状態において、水分の包装体外からの実質的な侵入を抑制し得る包装を意味し、第十七改正日本薬局方 通則に定義される「気密容器」及び「密封容器」を包含する概念である。気密包装体としては、定形、不定形のいずれのものも用いることができ、具体的には例えば、ビン包装、SP(Strip Package)包装、PTP(Press Through Package)包装、ピロー包装、スティック包装等が挙げられる。気密包装体としては、これらを複数組み合わせたものであってもよく、具体的には例えば、医薬組成物をまずPTP包装にて包装し、これをさらにピロー包装にて包装する態様等が挙げられる。
【0033】
気密包装体の包装材料(素材)としては、防湿性を発揮し得るものであれば特に限定されず、医薬品や食品等の分野で、水分に弱い内容物の防湿等を目的として用いられる材料を適宜用いることができる。
ビン包装に用いられるビン本体の材料としては例えば、ガラス、プラスチック(ポリエステル、ポリエチレン(低密度(LDPE)、中密度(MDPE)、高密度(HDPE)を含む)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン等)、金属(アルミニウム等)などが挙げられる。ビン包装するに際しては、例えば、医薬組成物を、市販のビン内に適当な数量格納し、次いで、適当な栓や蓋で封をすればよい。なお、ビンは、格納する医薬組成物の数量等に応じた大きさのものを適宜選択すればよく、ビンの容量としては例えば、10~500mL程度であり、14~400mLが好ましく、24~350mLがより好ましい。ビン包装の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)がより好ましく、高密度ポリエチレン(HDPE)が特に好ましい。
【0034】
また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料としては例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエステル(PET)、グリコール変性PET(PET-G)、二軸延伸ナイロン(ONy、PA)、セロハン、紙、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、無延伸ポリプロピレン(CPP、IPP)、アイオノマー樹脂(IO)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、二軸延伸ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニル(PVC)、環状ポリオレフィン(COC)、無延伸ナイロン(CNy)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、硬質塩化ビニル(VSC)等の樹脂や、アルミニウム箔(AL)のような金属箔等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜組み合わせた多層構造としてもよい。斯かる多層構造としては例えば、PVCとPVDCを積層したもの(PVC/PVDC。以下、同様に省略して表記する。)、PVC/PVDC/PE/PVC、PVC/PVDC/PE/PVDC/PVC、CPP/COC/CPP、PVC/AL、CPP/AL、CPP/CPP/CPP等が挙げられる。斯かる多層構造を形成する方法としては、押出しラミネート、ドライラミネート、共押出しラミネート、サーマルラミネート、ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ヒートラミネート等の公知のラミネート方法が挙げられる。SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装等に用いられる包装材料としては、ポリ塩化ビニル、アルミニウム箔が好ましい。
【0035】
PTP包装の形態としては、公知の方法で樹脂シート等に所望数形成したポケットに、医薬組成物を1個又は1投与単位ずつ格納し、次いでアルミニウム箔等の金属箔を構成材料とするシートをフタ材として用いて蓋をすることが挙げられる。なお、ポケットを形成するシートとしてもアルミニウム箔を構成材料とするシートを用いた、いわゆる両面アルミPTP包装としてもよい。本発明においては、防湿性を高める観点から、PTP包装をさらにピロー包装(例えば、アルミピロー包装など)により包装するのが好ましい。
SP包装やピロー包装、スティック包装の形態としては、公知の方法で樹脂シートやアルミニウム箔を構成材料とするシート等を用いて、医薬組成物を1個又は1投与単位ずつ包装することが挙げられる。本発明においては、防湿性を高める観点から、アルミニウム箔を構成材料とするシートを用いるのが好ましい。
【0036】
なお、本明細書において、医薬品における医薬組成物の包装体内部での占有率(容積率)は、包装体がビン包装の場合、通常、25~90%であり、28~75%が好ましく、30~50%がより好ましい。また、包装体がSP包装、PTP包装、ピロー包装、スティック包装の場合、通常、30~98%であり、40~95%が好ましく、45~93%がより好ましく、50~90%が特に好ましい。なお、この場合において、占有率とは、包装体内部の全容積に対する医薬組成物の占有率を意味するものであり、包装体内部に格納した医薬組成物の破損防止のための詰め物や中栓等は、空間占有率を算出するに際して考慮されるものではない。
【0037】
気密包装体としては、市販の包装体をそのまま用いてもよく、また市販の包装材料を加工して用いてもよい。市販品のビン包装の包装体としては、例えば、Z-シリーズ(阪神化成工業社製)等が挙げられる。また、SP包装、PTP包装、ピロー包装やスティック包装用の包装材料としては、スミライトVSS、スミライトVSL、スミライトNS、スミライトFCL(以上、住友ベークライト社製)、TASシリーズ(大成化工社製)、PTP用ビニホイル、PTP用スーパーホイル(以上、三菱樹脂社製)、ニッパクアルミ箔(日本製箔社製)、アルミ箔銀無地(大和化学工業社製)等が挙げられる。
【0038】
医薬組成物を気密包装体に収容する方法は特に限定されるものではなく、包装体内への医薬組成物の投入等の適当な手段により、医薬組成物を包装体内に配置することで達成できる。この場合において、包装体内に医薬組成物とともに乾燥剤(例えば、円柱状(錠剤型)のものやシート状のもの)を投入する手段を用いてもよい。
【0039】
本発明の医薬組成物の適用疾患は何ら限定されず、現時点で公知の、又は将来的に見出される、ペマフィブラートの投与が有効であるとされる疾患の予防又は治療に広く用いることができる。
例えば、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は優れたPPARαアゴニスト活性を有し、血漿トリグリセライド濃度の低下やHDLコレステロールの増加等の作用を有する。従って、本発明の医薬組成物は、好適には、脂質異常症(高脂血症、より詳細には例えば、原発性高脂血症、続発性高脂血症等)の予防及び/又は治療剤として、さらに好適には高トリグリセライド血症の予防及び/又は治療剤等として使用できる。
また、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)の予防又は治療に有用である。従って、本発明の医薬組成物は、NAFLD(より好適には、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎))の予防及び/又は治療剤等としても使用できる。
さらに、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は、原発性胆汁性肝硬変の治療剤等として使用してもよい。
【0040】
医薬組成物の服用経路は特に限定されず、適用する疾患、製剤の種類、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定することができるが、服用の容易性の観点から、経口投与が好ましい。また、医薬組成物は、1日につき1~4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に服用することができる。
【0041】
なお、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様を開示する。
[1-1] ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有し、水分含量が2.4質量%以下(好適には0.3~2.4質量%、より好適には0.5~2.4質量%、さらに好適には0.8~2.4質量%、さらにより好適には1.0~2.4質量%、特に好適には1.2~2.4質量%)である、医薬組成物。
[1-2] 水分含量が、2.1質量%以下(好適には0.3~2.1質量%、より好適には0.5~2.1質量%、さらに好適には0.8~2.1質量%、さらにより好適には1.0~2.1質量%、特に好適には1.2~2.1質量%)である、[1-1]記載の医薬組成物。
[1-3] 水分含量が、1.9質量%以下(好適には0.3~1.9質量%、より好適には0.5~1.9質量%、さらに好適には0.8~1.9質量%、さらにより好適には1.0~1.9質量%、特に好適には1.2~1.9質量%)である、[1-1]記載の医薬組成物。
[1-4] 水分含量が、1.7質量%以下(好適には0.3~1.7質量%、より好適には0.5~1.7質量%、さらに好適には0.8~1.7質量%、さらにより好適には1.0~1.7質量%、特に好適には1.2~1.7質量%)である、[1-1]記載の医薬組成物。
[1-5] 水分含量が、1.5質量%以下(好適には0.3~1.5質量%、より好適には0.5~1.5質量%、さらに好適には0.8~1.5質量%、さらにより好適には1.0~1.5質量%、特に好適には1.2~1.5質量%)である、[1-1]記載の医薬組成物。
[1-6] 水分含量が、1.3質量%以下(好適には0.3~1.3質量%、より好適には0.5~1.3質量%、さらに好適には0.8~1.3質量%、さらにより好適には1.0~1.3質量%、特に好適には1.2~1.3質量%)である、[1-1]記載の医薬組成物。
[1-7] ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、ペマフィブラートの結晶である、[1-1]~[1-6]のいずれか記載の医薬組成物。
[1-8] ペマフィブラートの結晶が、95~101℃(好適には97~100℃)の融点を示す結晶である、[1-7]記載の医薬組成物。
[1-9] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有するものである、[1-7]又は[1-8]記載の医薬組成物。
[1-10] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、20.6±0.2°付近及び22.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有するものである、[1-7]又は[1-8]記載の医薬組成物。
[1-11] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有するものである、[1-7]又は[1-8]記載の医薬組成物。
[1-12] 固形製剤である、[1-1]~[1-11]のいずれか記載の医薬組成物。
[1-13] 錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[1-1]~[1-12]のいずれか記載の医薬組成物。
[1-14] 脂質異常症(高脂血症、より詳細には例えば、原発性高脂血症、続発性高脂血症等)、NAFLD(より好適には、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎))及び原発性胆汁性肝硬変から選ばれる疾患の予防及び/又は治療剤である、[1-1]~[1-13]のいずれか記載の医薬組成物。
[1-15] [1-1]~[1-14]のいずれか記載の医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる、医薬品。
[1-16] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[1-15]記載の医薬品。
【0042】
[2-1] ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物の水分含量を2.4質量%以下(好適には0.3~2.4質量%、より好適には0.5~2.4質量%、さらに好適には0.8~2.4質量%、さらにより好適には1.0~2.4質量%、特に好適には1.2~2.4質量%)とする工程を含む、医薬組成物中のペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の安定化方法(好適には、ペマフィブラートの分解物の増加を抑制する方法。)。
[2-2] 医薬組成物の水分含量を、2.1質量%以下(好適には0.3~2.1質量%、より好適には0.5~2.1質量%、さらに好適には0.8~2.1質量%、さらにより好適には1.0~2.1質量%、特に好適には1.2~2.1質量%)とするものである、[2-1]記載の方法。
[2-3] 医薬組成物の水分含量を、1.9質量%以下(好適には0.3~1.9質量%、より好適には0.5~1.9質量%、さらに好適には0.8~1.9質量%、さらにより好適には1.0~1.9質量%、特に好適には1.2~1.9質量%)とするものである、[2-1]記載の方法。
[2-4] 医薬組成物の水分含量を、1.7質量%以下(好適には0.3~1.7質量%、より好適には0.5~1.7質量%、さらに好適には0.8~1.7質量%、さらにより好適には1.0~1.7質量%、特に好適には1.2~1.7質量%)とするものである、[2-1]記載の方法。
[2-5] 医薬組成物の水分含量を、1.5質量%以下(好適には0.3~1.5質量%、より好適には0.5~1.5質量%、さらに好適には0.8~1.5質量%、さらにより好適には1.0~1.5質量%、特に好適には1.2~1.5質量%)とするものである、[2-1]記載の方法。
[2-6] 医薬組成物の水分含量を、1.3質量%以下(好適には0.3~1.3質量%、より好適には0.5~1.3質量%、さらに好適には0.8~1.3質量%、さらにより好適には1.0~1.3質量%、特に好適には1.2~1.3質量%)とするものである、[2-1]記載の方法。
[2-7] ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が、ペマフィブラートの結晶である、[2-1]~[2-6]のいずれか記載の方法。
[2-8] ペマフィブラートの結晶が、95~101℃(好適には97~100℃)の融点を示す結晶である、[2-7]記載の方法。
[2-9] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有するものである、[2-7]又は[2-8]記載の方法。
[2-10] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、20.6±0.2°付近及び22.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有するものである、[2-7]又は[2-8]記載の方法。
[2-11] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有するものである、[2-7]又は[2-8]記載の方法。
[2-12] 医薬組成物が、固形製剤である、[2-1]~[2-11]のいずれか記載の方法。
[2-13] 医薬組成物が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[2-1]~[2-12]のいずれか記載の方法。
[2-14] 医薬組成物が、脂質異常症(高脂血症、より詳細には例えば、原発性高脂血症、続発性高脂血症等)、NAFLD(より好適には、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎))及び原発性胆汁性肝硬変から選ばれる疾患の予防及び/又は治療剤である、[2-1]~[2-13]のいずれか記載の方法。
[2-15] さらに、医薬組成物を気密包装体に収容する工程を含む、[2-1]~[2-14]のいずれか記載の方法。
[2-16] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[2-15]記載の方法。
【0043】
また、本発明は、上記態様とは別に、以下の態様を開示する。下記試験例の通り、ペマフィブラートの結晶は吸湿性を有しないため、以下の態様によれば、医薬組成物の製造時においてその水分含量を調整することが容易となり、また、保存時においても水分含量の変化を抑制できるというメリットを有する。
[3-1] ペマフィブラートの結晶を含有する、医薬組成物。
[3-2] ペマフィブラートの結晶が、95~101℃(好適には97~100℃)の融点を示す結晶である、[3-1]記載の医薬組成物。
[3-3] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有するものである、[3-1]又は[3-2]記載の医薬組成物。
[3-4] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、20.6±0.2°付近及び22.5±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有するものである、[3-1]又は[3-2]記載の医薬組成物。
[3-5] ペマフィブラートの結晶が、銅Kα線の照射で得られる粉末X線回折パターンとして7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近の回折角(2θ)にピークを有するものである、[3-1]又は[3-2]記載の医薬組成物。
[3-6] 水分含量が2.4質量%以下(好適には0.3~2.4質量%、より好適には0.5~2.4質量%、さらに好適には0.8~2.4質量%、さらにより好適には1.0~2.4質量%、特に好適には1.2~2.4質量%)である、[3-1]~[3-5]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-7] 水分含量が、2.1質量%以下(好適には0.3~2.1質量%、より好適には0.5~2.1質量%、さらに好適には0.8~2.1質量%、さらにより好適には1.0~2.1質量%、特に好適には1.2~2.1質量%)である、[3-1]~[3-5]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-8] 水分含量が、1.9質量%以下(好適には0.3~1.9質量%、より好適には0.5~1.9質量%、さらに好適には0.8~1.9質量%、さらにより好適には1.0~1.9質量%、特に好適には1.2~1.9質量%)である、[3-1]~[3-5]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-9] 水分含量が、1.7質量%以下(好適には0.3~1.7質量%、より好適には0.5~1.7質量%、さらに好適には0.8~1.7質量%、さらにより好適には1.0~1.7質量%、特に好適には1.2~1.7質量%)である、[3-1]~[3-5]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-10] 水分含量が、1.5質量%以下(好適には0.3~1.5質量%、より好適には0.5~1.5質量%、さらに好適には0.8~1.5質量%、さらにより好適には1.0~1.5質量%、特に好適には1.2~1.5質量%)である、[3-1]~[3-5]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-11] 水分含量が、1.3質量%以下(好適には0.3~1.3質量%、より好適には0.5~1.3質量%、さらに好適には0.8~1.3質量%、さらにより好適には1.0~1.3質量%、特に好適には1.2~1.3質量%)である、[3-1]~[3-5]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-12] 固形製剤である、[3-1]~[3-11]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-13] 錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又は丸剤である、[3-1]~[3-12]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-14] 脂質異常症(高脂血症、より詳細には例えば、原発性高脂血症、続発性高脂血症等)、NAFLD(より好適には、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎))及び原発性胆汁性肝硬変から選ばれる疾患の予防及び/又は治療剤である、[3-1]~[3-13]のいずれか記載の医薬組成物。
[3-15] [3-1]~[3-14]のいずれか記載の医薬組成物が、気密包装体に収容されてなる、医薬品。
[3-16] 気密包装体が、ビン包装、SP包装、PTP包装、ピロー包装及びスティック包装よりなる群から選ばれる1種以上である、[3-15]記載の医薬品。
【0044】
なお、ペマフィブラートの結晶は、例えば、非特許文献1に記載のペマフィブラートの結晶の製造方法に準じて、酢酸エチル/へプタン混液から再結晶させることにより製造できる。具体的には、ペマフィブラートを、その終濃度が20w/v%程度となる量の酢酸エチルに加えて60℃程度に加温して溶解し、放冷した後、これに体積として2~5倍程度のへプタンを加え、室温(1~30℃)程度にて一晩程度放置することにより、ペマフィブラートの結晶を得ることができる。
【実施例0045】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
なお、以下の試験例において、HPLCを用いた測定は、カラムとしてODSカラムを、検出器として紫外吸光光度計をそれぞれ用いて行った。
【0046】
[試験例1]ペマフィブラートの安定性の確認
ペマフィブラート250mgをシャーレに入れて、蓋を開けた状態(開放状態)で暗所にて40℃、75%相対湿度(RH)の条件下で3ヵ月間保存した。
保存開始前、及び40℃75%RHの条件下で3ヵ月間保存後の、ペマフィブラート由来の分解物(類縁物質)の量を、以下の方法により評価した。
すなわち、HPLC装置を用い、類縁物質に由来するピークの面積の合計を、ペマフィブラートに由来するピークの面積に対する比率(%)として評価し、この比率を「類縁物質総量(%)」とした。
結果を表1に示す。
【0047】
【0048】
表1に示すように、ペマフィブラートそのものは水分に対して安定であり、75%RHもの高湿度条件下で3ヵ月間保存後も類縁物質の実質的な増加は認められなかった。
【0049】
[試験例2]安定性試験
下記の方法に従い、ペマフィブラートを含有する医薬組成物(錠剤)を製造し、乾燥して表2に示す各水分含量に調整した(なお、水分含量の測定方法は下記の通りである。)。その後、水分含量の調整された各錠剤を、容量約20mLのガラス瓶(第十七改正日本薬局方 通則に定義される気密容器)に隙間無く充填し、暗所にて80℃の条件下で3日間保存した。そして、保存開始前、及び80℃3日間保存後の、ペマフィブラート由来の類縁物質総量(%)を、試験例1と同様の方法によりHPLC装置を用いて評価し、さらに、類縁物質の増加量(%)を下記の方法に従って測定した。
【0050】
<錠剤の製造>
ペマフィブラート、乳糖水和物、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及び結晶セルロースを混合した後、精製水を用いて練合し、造粒し、乾燥した後、整粒して造粒物を得た。得られた造粒物にステアリン酸マグネシウムを混合した後、打錠し、1錠(120mg)当たりにペマフィブラートをフリー体換算で0.1mg含有する錠剤を得た。
【0051】
<錠剤の水分含量の測定>
錠剤の水分含量は、第十七改正日本薬局方の乾燥減量試験法に準拠し、乾燥減量値として測定した。具体的には、乾燥後の錠剤を一部(9錠)取り出し、径2mm以下まで粉砕し、これをはかり瓶に入れて錠剤粉砕物の層が5mm以下になるように広げたあと、乾燥温度を80℃、乾燥時間を4時間として常圧にて乾燥を行い、乾燥減量値を測定した。なお、乾燥開始から4時間目の時点での、1時間当たりの乾燥減量値の変化量は0.1質量%以下であり、恒量に達したものと判断された。
【0052】
<類縁物質の増加量(%)の測定>
保存開始前、及び80℃3日間保存後のペマフィブラート由来の類縁物質総量(%)から、以下の式に従い類縁物質の増加量(%)を算出した。
【0053】
類縁物質の増加量(%)=(80℃3日間保存後のペマフィブラート由来の類縁物質総量(%))-(保存開始前のペマフィブラート由来の類縁物質総量(%))
結果を表2に示す。
【0054】
【0055】
表2から明らかなように、医薬組成物の水分含量と類縁物質の増加量との間には相関があり、医薬組成物の水分含量が3.4質量%の場合にはペマフィブラートの分解物が多量に生成する一方、医薬組成物の水分含量を2.4質量%以下とすることによって、ペマフィブラートの分解物の増加を抑制できることが明らかとなった。特に、医薬組成物の水分含量が0.8~1.5質量%である場合には、ペマフィブラートの分解物の増加は顕著に抑制された。
【0056】
以上の試験結果より、ペマフィブラート若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物の水分含量を2.4質量%以下とすることによって、ペマフィブラートの分解物の増加が抑制され、安定性に優れるペマフィブラート含有医薬組成物が得られることが明らかとなった。
【0057】
[試験例3]ペマフィブラートの結晶の物性評価
ペマフィブラートを、非特許文献1に記載のペマフィブラートの結晶の製造方法に準じて酢酸エチル/へプタン混液から再結晶させて、ペマフィブラートの結晶を製造した。
【0058】
得られた結晶について、以下の通り、粉末X線回折測定、融点測定、及び吸湿性評価を行った。
<粉末X線回折測定>
粉末X線回折の測定は、粉砕した結晶サンプルをX線回折用シリコン無反射試料板の試料ホルダー部分に充填し、以下の条件で行った。
・粉末X線回折測定装置:RINT2000((株)リガク製)
・X線種:銅Kα線(λ=1.54Å)
・回折角2θの走査範囲:2.000~40.000°
・サンプリング幅:0.020°
・スキャン速度:2.000°/分
【0059】
得られた回折パターンを
図1に示す。なお、
図1中、縦軸は回折強度(カウント/秒(cps))を、横軸は回折角2θ(°)を示す。
また、強度が1700cpsを超える主要なピークについて、回折角2θ、半価幅、d値、強度及び相対強度を表3に示す。
【0060】
【0061】
図1及び表3から、7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近の回折角(2θ)に主要なピークを有することが明らかとなった。
また、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、20.6±0.2°付近及び22.5±0.2°付近、特に15.3±0.2°付近及び22.5±0.2°付近の回折角(2θ)に強度の強いピークを有することが明らかとなった。
以上の測定結果から、ペマフィブラートの結晶は、7.3±0.2°付近、14.6±0.2°付近、15.3±0.2°付近、16.2±0.2°付近、18.2±0.2°付近、18.9±0.2°付近、20.6±0.2°付近、21.5±0.2°付近、22.5±0.2°付近及び24.1±0.2°付近よりなる群から選ばれる1以上の回折角(2θ)にピークを有するものであることが確認された。
【0062】
<融点測定>
融点の測定は、第十七改正日本薬局方 融点測定法第1法に従って、精密融点測定器(MEL-270:柴田科学(株)製)を用いて測定した。
融点の測定は3回実施した。その平均値は99.5℃であった。
以上の測定結果から、ペマフィブラートの結晶は、第十七改正日本薬局方 融点測定法第1法に従って測定したとき、95~101℃、特に好適には97~100℃の融点を示すものであることが確認された。
【0063】
<吸湿性評価>
吸湿性の評価は、ペマフィブラートの結晶250mgをシャーレに入れて、蓋を開けた状態(開放状態)で暗所にて25℃、83%相対湿度(RH)の条件下で3ヵ月間保存し、保存前後の水分含量を測定することにより行った。なお、水分含量の測定は、第十七改正日本薬局方 水分測定法(カールフィッシャー法)に従って、電量適定法により実施した。
結果を表4に示す。
【0064】
【0065】
表4から明らかなように、83%RHもの高湿度条件下で長期間保存した後も、ペマフィブラートの結晶の水分含量は実質的に変化しておらず、ペマフィブラートの結晶は吸湿性が無いことが確認された。従って、斯かるペマフィブラートの結晶を含有する医薬組成物は、その製造時において水分含量を調整することが容易であり、また、保存時においても水分含量の変化を抑制できることが明らかとなった。
【0066】
[製造例1~6]
表5に記載の成分及び分量(mg)を1錠当りに含有する錠剤を、常法により製造できる。なお、表中の「水分含量(乾燥減量値)(質量%)」は、第十七改正日本薬局方の乾燥減量試験法に準拠して試験を実施した場合に得られる乾燥減量値を示す。
【0067】
【0068】
[製造例7~12]
製造例1~6の錠剤を高密度ポリエチレン製のビン(ボトル)に収容して、製造例7~12の医薬品を得ることができる。
【0069】
[製造例13~18]
製造例1~6の錠剤を、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS-1202)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体3シート(1シート当たり錠剤を10錠収容する)をさらにアルミピロー包装し、製造例13~18の医薬品を得ることができる。
【0070】
[製造例19~24]
製造例1~6の錠剤を、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSS-1104)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体2シート(1シート当たり錠剤を12錠収容する)をアルミピロー包装し、製造例19~24の医薬品を得ることができる。
【0071】
[製造例25~30]
製造例1~6の錠剤を、予めポケット部分を成形した樹脂シート(住友ベークライト社製:商品名 スミライトVSL-4501)のポケット部分に入れ、次いでPTP用アルミ箔(大和化学工業社製:商品名 アルミ箔銀無地)で蓋をしてPTP包装する。得られたPTP包装体3シート(1シート当たり錠剤を10錠収容する)をさらにアルミピロー包装し、製造例25~30の医薬品を得ることができる。
【0072】
[製造例31~36]
製造例1~6の錠剤をガラスビンに収容し、製造例31~36の医薬品を得ることができる。
本発明によれば、血漿トリグリセライド濃度の低下やHDLコレステロールの増加等の作用を示すペマフィブラートを含有し、安定性に優れる医薬組成物を提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。