(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003303
(43)【公開日】2024-01-15
(54)【発明の名称】電気電子機器収納用箱
(51)【国際特許分類】
H02B 1/42 20060101AFI20240105BHJP
H02J 4/00 20060101ALI20240105BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20240105BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H02B1/42
H02J4/00
H02J1/00 304E
H01H9/54 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102344
(22)【出願日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安村 直樹
【テーマコード(参考)】
5G034
5G066
5G165
5G211
【Fターム(参考)】
5G034AB06
5G066MA02
5G165DA02
5G165EA02
5G165EA03
5G165EA04
5G165JA04
5G165NA10
5G165PA04
5G165PA05
5G211AA05
5G211DD01
5G211DD11
5G211GG04
(57)【要約】
【課題】三つ以上の電源を切り替え可能とした電気電子機器収納用箱を提供すること。
【解決手段】共通端子の接続先を第一端子と第二端子の間で切り替える切替開閉器を二つ以上備えた電気電子機器収納用箱1であって、一つの切替開閉器は、第一端子に第一の電源を接続可能とするとともに第二端子に第二の電源を接続可能とし、他の切替開閉器の一つは、第一端子又は第二端子の何れか一方に第三の電源を接続可能とする電気電子機器収納用箱1とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通端子の接続先を第一端子と第二端子の間で切り替える切替開閉器を二つ以上備えた電気電子機器収納用箱であって、
一つの切替開閉器は、第一端子に第一の電源を接続可能とするとともに第二端子に第二の電源を接続可能とし、
他の切替開閉器の一つは、第一端子又は第二端子の何れか一方に第三の電源を接続可能とする電気電子機器収納用箱。
【請求項2】
切替開閉器は、
第一端子と第二端子の両方に電圧が印加される場合には、共通端子との接続先を第一端子と第二端子のうち優先度の高い方とし、
第一端子と第二端子のうち優先度の高い方に電圧が印加されず、優先度の低い方に電圧が印加される場合には、共通端子との接続先を第一端子と第二端子のうち優先度の低い方とする請求項1に記載の電気電子機器収納用箱。
【請求項3】
共通端子に自身とは異なる切替開閉器の第一端子若しくは第二端子を接続する第一切替開閉器と、
第一端子及び第二端子の一方に電源を接続可能とし、他方に自身とは異なる切替開閉器の共通端子を接続可能とし、共通端子に負荷機器を接続可能とする第二切替開閉器と、
を備える請求項2に記載の電気電子機器収納用箱。
【請求項4】
第一端子及び第二端子の一方に第四の電源を接続可能とし、他方に自身とは異なる切替開閉器の共通端子を接続し、共通端子に自身とは異なる切替開閉器の第一端子若しくは第二端子を接続する第三切替開閉器を備える請求項3に記載の電気電子機器収納用箱。
【請求項5】
切替開閉器に接続するために電気電子機器収納用箱の外部から内部に配線がなされる電源は、全て異なる種類の電源である請求項1から4の何れかに記載の電気電子機器収納用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2台以上の切替開閉器を備えた電気電子機器収納用箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、第1電源と第2電源を切り替え可能な切替開閉器を備えた分電盤は知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、分電盤内に電源切り替え用の切替開閉器が1台設置されている場合、2つの電源の切り替えを行うことが可能となるが、第1電源及び第2電源の両方からの出力が無くなってしまった場合には、分電盤から負荷への給電は滞ってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、三つ以上の電源を切り替え可能とした電気電子機器収納用箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、共通端子の接続先を第一端子と第二端子の間で切り替える切替開閉器を二つ以上備えた電気電子機器収納用箱であって、一つの切替開閉器は、第一端子に第一の電源を接続可能とするとともに第二端子に第二の電源を接続可能とし、他の切替開閉器の一つは、第一端子又は第二端子の何れか一方に第三の電源を接続可能とする電気電子機器収納用箱とする。
【0007】
また、切替開閉器は、第一端子と第二端子の両方に電圧が印加される場合には、共通端子との接続先を第一端子と第二端子のうち優先度の高い方とし、第一端子と第二端子のうち優先度の高い方に電圧が印加されず、優先度の低い方に電圧が印加される場合には、共通端子との接続先を第一端子と第二端子のうち優先度の低い方とする構成とすることが好ましい。
【0008】
また、共通端子に自身とは異なる切替開閉器の第一端子若しくは第二端子を接続する第一切替開閉器と、第一端子及び第二端子の一方に電源を接続可能とし、他方に自身とは異なる切替開閉器の共通端子を接続可能とし、共通端子に負荷機器を接続可能とする第二切替開閉器と、を備える構成とすることが好ましい。
【0009】
また、第一端子及び第二端子の一方に第四の電源を接続可能とし、他方に自身とは異なる切替開閉器の共通端子を接続し、共通端子に自身とは異なる切替開閉器の第一端子若しくは第二端子を接続する第三切替開閉器を備える
構成とすることが好ましい。
【0010】
また、切替開閉器に接続するために電気電子機器収納用箱の外部から内部に配線がなされる電源は、全て異なる種類の電源とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、三つ以上の電源を切り替え可能とした電気電子機器収納用箱を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、電気電子機器収納用箱の蓋などは省略している。
【
図2】
図1とは異なる電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、電気電子機器収納用箱の蓋などは省略している。
【
図3】第一切替開閉器と第二切替開閉器と電源と負荷機器の関係例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第一端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第一端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図4】第一切替開閉器と第二切替開閉器と電源と負荷機器の関係例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第二端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第一端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図5】第一切替開閉器と第二切替開閉器と電源と負荷機器の関係例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第二端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第二端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図6】電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、
図2とは異なり、第二切替開閉器の第一端子に電源を接続した例を示す図である。
【
図7】第一切替開閉器と第二切替開閉器と電源と負荷機器の関係例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第一端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第一端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図8】第一切替開閉器と第二切替開閉器と電源と負荷機器の関係例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第一端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第二端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図9】第一切替開閉器と第二切替開閉器と電源と負荷機器の関係例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第二端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第二端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図10】切替開閉器を電気電子機器収納用箱に三台収納した場合における、各切替開閉器と電源と負荷機器の接続例を示した図である。
【
図11】第一切替開閉器と第二切替開閉器と第三切替開閉器と電源と負荷機器の接続例を示した図である。ただし、第一切替開閉器は第一端子が共通端子と接続しており、第二切替開閉器は第一端子が共通端子と接続しており、第三切替開閉器は第一端子が共通端子と接続している状態を表している。
【
図12】
図1とは異なる電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、電気電子機器収納用箱の蓋などは省略している。
【
図13】
図1とは異なる電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、電気電子機器収納用箱の蓋などは省略している。
【
図14】
図1とは異なる電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、電気電子機器収納用箱の蓋などは省略している。
【
図15】
図2とは異なる電気電子機器収納用箱に収納された電気電子機器の配置例を示した図である。ただし、電気電子機器収納用箱の蓋などは省略している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図5に示されていることから理解されるように、本実施形態の電気電子機器収納用箱1は、共通端子の接続先を第一端子と第二端子の間で切り替える切替開閉器を二つ以上備えている。この電気電子機器収納用箱1の、一つの切替開閉器は、第一端子に第一の電源を接続可能とするとともに第二端子に第二の電源を接続可能とし、他の切替開閉器の一つは、第一端子又は第二端子の何れか一方に第三の電源を接続可能とする。このため、三つ以上の電源を切り替え可能とした電気電子機器収納用箱1を提供することが可能となる。
【0014】
電気電子機器収納用箱1は、筐体と、筐体に収納される電気電子機器を備えている。また、電気電子機器収納用箱1に備えられる電気電子機器は、電気や電子に関連する機器であるなら如何なるものであってもよい。典型的な電気電子機器として、ブレーカ81、開閉器、変圧器、継電器、通信装置、計測装置、制御装置、センサ機器、空調機器などが例示できる。なお、電気電子機器には、切替開閉器を含み、筐体に複数の切替開閉器のみが収納された場合においても電気電子機器収納用箱1となることは言うまでもない。
【0015】
以下では、主に、電源の切り替えを行うことを目的とした電源切替盤や分電盤、配電盤、制御盤、高圧受電設備などの配電を目的とした電気電子機器収納用箱1に基づいて説明を行うが、電気電子機器収納用箱1はサーバや通信装置、演算装置などを備えたシステムラックでもよい。
【0016】
実施形態の切替開閉器は、第一端子、第二端子、共通端子の3種類の端子を備え、共通端子の接続先を第一端子と第二端子との間で切り替えることが可能である。第一端子、第二端子、共通端子の各端子には、電源や電気電子機器(切替開閉器を含む)、負荷機器91など、様々なものが接続可能である。
【0017】
電源は、電気エネルギーの供給源となるものならいかなるものであってもよい。典型的には、「商用電源」、「電池(例えば、一次電池・二次電池(例えば、蓄電池)・燃料電池などの化学電池や、太陽電池などの物理電池)」、「発電機(ガソリン等の燃料を使用した発電機など)」、「発電設備(火力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電(太陽電池と蓄電池を備えた設備)、地熱発電、バイオマス発電など)」などが例示できる。
【0018】
上記した例から理解されるように、電気電子機器収納用箱1に給電する電源は複数種類存在する。商用電源と電池や、発電機と発電設備のように、上記した例におけるカテゴリーが異なる電源が種類の異なる電源であることはもちろんのこと、二次電池と物理電池、風力発電と太陽光発電のように、上記した例におけるカテゴリーが同じ電源であっても、種類が異なるものがある。なお、太陽電池は太陽光パネルのみ、太陽光発電は太陽光パネルと蓄電池を備えた設備という点で異なる種類の電源である。
【0019】
切替開閉器に接続するために電気電子機器収納用箱1の外部から内部に配線がなされる電源は、全て異なる種類の電源とすることが好ましい。
【0020】
電源から切替開閉器に送られた電気は、切替開閉器から負荷機器91に送られる。この負荷機器91は、供給された電気エネルギーを消費して動作する機器である。切替開閉器と負荷機器91は直接接続される場合に限らず、ブレーカなどを介して切替開閉器と負荷機器91が接続されるものであってもよい。また、複数の負荷機器91へ給電可能な分電盤や配電盤などを介して切替開閉器と負荷機器91が接続されるものであってもよい。
【0021】
ところで、実施形態の切替開閉器は、共通端子の接続先を第一端子と第二端子の間で切り替えるものである。この切り替えは自動で行われるものについて説明を行うが、切り替えが手動で行われるものであってもよい。より具体的には、第一端子及び第二端子の電圧の印加の状況が確認され、その結果から必要に応じて切り替えが自動で行われる。切り替えが手動の場合には、必要に応じて手動で行われる。
【0022】
例えば、第一端子及び第二端子の両方に電圧が印加されている場合もある。このため、第一端子と第二端子の何れかを優先度が高くなるように設定するのが好ましい。第一端子と第二端子の何れかの優先度が高くなるように設定することで、第一端子及び第二端子の両方に電圧が印加されている場合であっても、第一端子若しくは第二端子の一方を共通端子の接続先とすることができる。
【0023】
また、切替開閉器は、第一端子と第二端子の両方に電圧が印加される場合には、共通端子との接続先を第一端子と第二端子のうち優先度の高い方とし、第一端子と第二端子のうち優先度の高い方に電圧が印加されず、優先度の低い方に電圧が印加される場合には、共通端子との接続先を第一端子と第二端子のうち優先度の低い方とする、ように構成することが好ましい。
【0024】
例えば、
図1や
図2に示すように電源Aを第一端子11に接続し、電源Bを第二端子12に接続しているとする。この状況において、第一端子11の優先度を高く設定する場合であって、電源A及び電源Bの両方の電源から正常に第一端子11及び第二端子12へ給電されている場合には、共通端子13の接続先は第一端子11となる。つまり共通端子13には電源Aから給電される。
【0025】
また、この状況において電源Aに異常が生じ、電源Aから第一端子11への給電がなくなった場合(正常な電圧が印加されなくなった場合)には、共通端子13の接続先は第二端子12に切り替えられ、電源Bから給電されるようになる。
【0026】
その後、電源Aの異常が解消され、電源Aから第一端子11への給電が再開(正常な電圧が印加)されると、共通端子13の接続先は第一端子11に切り替えられ、電源Aから給電されるようになる。
【0027】
なお、第二端子12の優先度を第一端子11よりも高く設定する場合には、第一端子11と第二端子12の関係が上記した説明とは逆となり、共通端子13の接続先は通常、第二端子12となる。つまり、通常、電源Bから共通端子13に給電される。
【0028】
実施形態の電気電子機器収納用箱1では、上記のように動作可能な切替開閉器を二つ以上備えることで、三つ以上の電源を切り替え可能とする。また、各電源に優先度を設定し、優先度の高い電源から優先的に給電することができるようになる。
【0029】
ここで、電気電子機器収納用箱1に2台の切替開閉器を備える例について説明をする。2台の切替開閉器の一方を第一切替開閉器10とし他方を第二切替開閉器20とする。
図1に示すことから理解されるように、第一切替開閉器10は、ブレーカ81を介して第一端子11に電源Aを接続可能とし、ブレーカ81を介して第二端子12に電源Bを接続可能とするとともに、共通端子13に第二切替開閉器20の第一端子21を接続する。第二切替開閉器20は、第一端子21に第一切替開閉器10の共通端子13を接続し、第二端子22にブレーカ81を介して電源Cを接続可能とするとともに、共通端子23に負荷機器91を接続する。
【0030】
このように、共通端子に自身とは異なる切替開閉器の第一端子若しくは第二端子を接続する第一切替開閉器10と、第一端子21及び第二端子22の一方に電源を接続可能とし、他方に自身とは異なる切替開閉器の共通端子を接続可能とし、共通端子23に負荷機器91を接続可能とする第二切替開閉器20と、を備える構成とすることが好ましい。
【0031】
ブレーカ81は必ずしも切替開閉器と同じ電気電子機器収納用箱1に収納する必要はないため、電気電子機器収納用箱1に収納される電気電子機器を切替開閉器のみとし、その切替開閉器を2台以上備えた構成としてもよい(
図2参照)。また、切替開閉器の端子と電源や負荷機器91との接続はブレーカ81を介する構成としてもよい。
【0032】
なお、「端子に電源が接続可能」な構成としては、端子と電源が直接接続され、電源から端子に常に給電される構成を含むのはもちろんのこと、端子と電源がブレーカ81を介して接続され、ブレーカ81がONされた場合に、電源から端子に給電される構成も含む。また、端子と電源が常時は接続されておらず、端子に接続されたコンセントやプラグなどの接続部材と、電源に設けられたプラグやコンセントなどの被接続部材が接続されることにより、電源から端子に給電される構成であってもよい。
【0033】
ここで、「第一切替開閉器10と第二切替開閉器20の優先度が共に第一端子に設定されている場合の例」について説明をする。電源Aから第一切替開閉器10の第一端子11へ給電されている場合であって、
図3に示すように、既に共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、そのままの状態を維持し、
図4や
図5に示すように、共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、共通端子13の接続先は第一端子11へ切り替わる。このようにして、電源Aから第一端子11及び共通端子13を介して第一切替開閉器10の二次側に給電される。
【0034】
図1及び
図3に示す例では、第一切替開閉器10の共通端子13は第二切替開閉器20の第一端子21に接続されているため、電源Aから第一切替開閉器10を介して第一端子21に給電される。なお、第二切替開閉器20の共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、電源Aからそのまま第二切替開閉器20の二次側に給電されるが、第二切替開閉器20の共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、共通端子23の接続先を第一端子11に切り替えることで、電源Aから第一切替開閉器10及び第二切替開閉器20を介して負荷機器91に給電される。
【0035】
電源Aからの給電はなく、電源Bから第一切替開閉器10の第二端子12へ給電されている場合であって、
図4に示すように、既に共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、そのままの状態を維持し、
図3に示すように、共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、共通端子13の接続先を第二端子12へ切り替える。このようにして、電源Bから第一切替開閉器10の第二端子部12及び共通端子13を介して第二切替開閉器20に給電される。その後、負荷機器91へ給電するための流れは上記した例と同様にすればよい。
【0036】
電源A及び電源Bからの給電はなく、電源Cから第二切替開閉器20の第二端子22へ給電されている場合であって、
図5に示すように、既に共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、そのままの状態を維持し、
図3や
図4に示すように、共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、共通端子23の接続先を第二端子22へ切り替える。このようにして、電源Cから第二端子22及び共通端子23を介して負荷機器91に給電される。
【0037】
上記した例では、電源Aと電源Bと電源Cの中での優先度は電源Aが一番高く、電源Cが一番低い。つまり電源は電源Aが優先的に利用され、その次に電源Bが利用され、電源Aも電源Bも利用できない場合に電源Cを利用する。この例では、電源A、電源Bからの給電はなく、電源Cから給電されている場合に、電源Aや電源Bから各端子への給電が再開した場合には、電源Aや電源Bからの給電に切り替わるようにしている。
【0038】
次に「第一切替開閉器10と第二切替開閉器20の優先度が共に第二端子に設定されている場合の例」について説明をする。電源Cから第二切替開閉器20の第二端子22へ給電されている場合であって、
図5に示すように、既に共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、そのままの状態を維持し、共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、共通端子23の接続先は第二端子22へ切り替わる。このようにして、電源Cから第二端子22及び共通端子23を介して負荷機器91に給電される。
【0039】
電源Cからの給電はなく、電源Bから第一切替開閉器10の第二端子12へ給電されている場合であって、
図4に示すように、共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、そのままの状態を維持し、
図3に示すように、共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、共通端子13の接続先は第二端子12へ切り替わる。このようにして、電源Bから第二端子12及び共通端子13を介して第一切替開閉器10の二次側へ給電される。
【0040】
一方で、第一切替開閉器10の共通端子13は第二切替開閉器20の第一端子21と接続されるため、電源Bから第一端子21へ給電される。第二切替開閉器20において、電源Cからの給電はなく、電源Bから第一端子21へ給電されている場合であって、
図4に示すように、既に共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、そのままの状態を維持し、
図5に示すように、共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、共通端子23の接続先は第一端子21へ切り替わる。このようにして、電源Bから第一切替開閉器10及び第二切替開閉器20を介して負荷機器91に給電される。
【0041】
電源C、電源Bからの給電はなく、電源Aから第一切替開閉器10の第一端子11へ給電されている場合であって、
図3に示すように、共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、そのままの状態を維持し、
図4に示すように、共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、共通端子13の接続先は第一端子11へ切り替わる。このようにして、電源Aから第一端子11及び第二端子13を介して第二切替開閉器20の二次側に給電がなされる。その後、負荷機器91へ給電するための流れは上記した例と同様にすればよい。
【0042】
つまり、電源Aと電源Bと電源Cの中での優先度は電源Cが一番高く、電源Aが一番低い。つまり電源は電源Cが優先的に利用され、その次に電源Bが利用され、電源Cも電源Bも利用できない場合に電源Aを利用する。この例では、電源C、電源Bからの給電はなく、電源Aから給電されている場合に、電源Cや電源Bから各端子への給電が再開した場合には、電源Cや電源Bからの給電に切り替わるようにしている。
【0043】
特に電源Cから第二切替開閉器20の第二端子22への給電が再開した場合には、第二切替開閉器20の共通端子23の接続先を第二端子22に切り替えるだけで、電源Cを使用することが可能となるため、即座に優先度の高い電源を使用することができるようになる。
【0044】
次に、電気電子機器収納用箱1に収納した電気電子機器を切替開閉器2台のみとし、第二切替開閉器20は、第一端子21に電源Cを接続可能とし、第二端子22に第一切替開閉器10の共通端子13を接続する例で説明する(
図6参照)。この例では、
図1に示すような電源と切替開閉器との間に介在するブレーカ81を備える電気電子機器収納用箱1ではなく、電源と切替開閉器の間に介在するブレーカ81を電気電子機器収納用箱1に収納していない。もちろん電源と切替開閉器を直接接続するものであってもよい。
【0045】
この例でも上記した例と同様に、2台の切替開閉器の一方を第一切替開閉器10とし他方を第二切替開閉器20とする。また、第一切替開閉器10は、第一端子11に電源Aを接続可能とし、第二端子12に電源Bを接続可能するとともに、共通端子13に第二切替開閉器20の第二端子22を接続する。また、第二切替開閉器20は、第一端子21に電源Cを接続可能とし、第二端子22に第一切替開閉器10の共通端子13を接続するとともに、共通端子23に負荷機器91を接続する。
【0046】
このように、
図6に示したような接続をした場合における「第一切替開閉器10と第二切替開閉器20の優先度が共に第一端子に設定されている場合の例」について説明をする。電源Cから第二切替開閉器20の第一端子21へ給電されている場合であって、
図7に示すように、既に共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、そのままの状態を維持し、
図8や
図9に示すように、共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、共通端子23の接続先を第一端子21へ切り替える。このようにして、電源Cから第一端子21及び第二端子22を介して負荷機器91に給電される。
【0047】
電源Cからの給電はなく、電源Aから第一切替開閉器10の第一端子11へ給電されている場合であって、
図8に示すように、既に共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、そのままの状態を維持し、
図9に示すように、共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、共通端子13の接続先を第一端子11へ切り替える。このようにして、電源Aから第一端子11及び共通端子13を介して第一切替開閉器10の二次側へ給電される。
【0048】
一方で、第一切替開閉器10の共通端子13は第二切替開閉器20の第二端子22と接続されるため、電源Aから第二端子22へ給電される。第二切替開閉器20において、電源Cからの給電はなく、電源Aから第二端子22へ給電されている場合であって、
図8に示すように、既に共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、そのままの状態を維持し、
図7に示すように、共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、共通端子23の接続先を第二端子22へ切り替える。このようにして、電源Aから第一切替開閉器10及び第二切替開閉器20を介して負荷機器91に給電される。
【0049】
電源C及び電源Aからの給電はなく、電源Bから第一切替開閉器10の第二端子12へ給電されている場合であって、
図9に示すように、既に共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、そのままの状態を維持し、
図8に示すように、共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、共通端子13の接続先を第二端子12へ切り替える。このようにして、電源Bから第二端子12及び共通端子13を介して第一切替開閉器10の二次側に給電される。その後、負荷機器91へ給電するための流れは上記した例と同様にすればよい。
【0050】
上記した例では、電源Aと電源Bと電源Cの中での優先度は電源Cが一番高く、電源Bが一番低い。つまり電源は電源Cが優先的に利用され、その次に電源Aが利用され、電源Cも電源Aも利用できない場合に電源Bを利用する。
【0051】
次に、
図6に示したような接続をした場合における「第一切替開閉器10と第二切替開閉器20の優先度が共に第二端子に設定されている場合の例」について説明をする。電源Bから第一切替開閉器10の第二端子12へ給電されている場合であって、
図9に示すように、既に共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、そのままの状態を維持し、
図7や
図8に示すように、共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、共通端子13の接続先を第二端子12へ切り替える。このようにして、電源Bから第二端子12及び共通端子13を介して第一切替開閉器10の二次側に給電される。
【0052】
一方で、第一切替開閉器10の共通端子13は第二切替開閉器20の第二端子22と接続されるため、電源Bから第二端子22へ給電される。電源Bから第二端子22へ給電されている場合であって、
図9に示すように、既に共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、そのままの状態を維持し、共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、共通端子23の接続先を第二端子22へ切り替える。このようにして、電源Bから第一切替開閉器10及び第二切替開閉器20を介して負荷機器91に給電される。
【0053】
電源Bからの給電はなく、電源Aから第一切替開閉器10の第一端子11へ給電されている場合であって、
図7や
図8に示すように、既に共通端子13の接続先が第一端子11の場合には、そのままの状態を維持し、
図9に示すように、共通端子13の接続先が第二端子12の場合には、共通端子13の接続先を第一端子11へ切り替える。このようにして、電源Aから第一端子11及び共通端子13を介して第一切替開閉器10の二次側に給電される。その後、負荷機器91へ給電するための流れは上記した例と同様にすればよい。
【0054】
電源B及び電源Aからの給電はなく、電源Cから第二切替開閉器20の第一端子21へ給電されている場合であって、
図7に示すように、既に共通端子23の接続先が第一端子21の場合には、そのままの状態を維持し、
図8や
図9に示すように、共通端子23の接続先が第二端子22の場合には、共通端子23の接続先を第一端子へ切り替える。このようにして、電源Cから第一端子21及び第二端子23を介して負荷機器91給電される。
【0055】
上記した例では、電源Aと電源Bと電源Cの中での優先度は電源Bが一番高く、電源Cが一番低い。つまり電源は電源Bが優先的に利用され、その次に電源Aが利用され、電源Bも電源Aも利用できない場合に電源Cを利用する。
【0056】
なお、上記した例では、第一切替開閉器10と第二切替開閉器20の優先度が共に同じ端子に設定される場合における各電源の優先度の説明を行ったが、第一切替開閉器10と第二切替開閉器20の優先度がそれぞれ別の端子に設定されるものであってもよい。それにより、電源の優先度は変更される。
【0057】
次に、電気電子機器収納用箱1に3台の切替開閉器を備える例について説明をする(
図10参照)。3台の切替開閉器のうちの一台を第一切替開閉器10とし、他の一台を第二切替開閉器20とし、残りの一台を第三切替開閉器30とする。
図10に示す例では、第一切替開閉器10は、第一端子11に電源Aを接続可能とし、第二端子12に電源Bを接続可能するとともに、共通端子13に第三切替開閉器30の第二端子32を接続する。また、第三切替開閉器30は、第一端子31に電源Cを接続可能とし、第二端子32に第一切替開閉器10の共通端子13を接続するとともに、共通端子33に第二切替開閉器20の第二端子22を接続する。また、第二切替開閉器20は、第一端子21に電源Dを接続可能とし、第二端子22に第三切替開閉器30の共通端子33を接続するとともに、共通端子23に負荷機器91を接続する。
【0058】
この例から理解されるように、第一端子31及び第二端子32の一方に第四の電源を接続可能とし、他方に自身とは異なる切替開閉器の共通端子を接続し、共通端子33に自身とは異なる切替開閉器の第一端子若しくは第二端子を接続する第三切替開閉器30を備える構成とすることが好ましい。
【0059】
図10に示す例において、第一切替開閉器10と第二切替開閉器20と第三切替開閉器30の優先度が共に第一端子に設定されている場合、
図11に示すことから理解されるように、全ての電源が利用可能な場合において、電源は電源Dが優先的に利用され、その次に電源Cが利用され、その次に電源Aが利用され、それらが全て利用できない場合に電源Bが利用される。
【0060】
図10に示す例において、第一切替開閉器10と第二切替開閉器20と第三切替開閉器30の優先度が共に第二端子に設定されている場合、
図11に示すことから理解されるように、全ての電源が利用可能な場合において、電源は電源Bが優先的に利用され、その次に電源Aが利用され、その次に電源Cが利用され、それらが全て利用できない場合に電源Dが利用される。
【0061】
もちろん、第一切替開閉器10、第二切替開閉器20、第三切替開閉器30の優先度がそれぞれ別の端子に設定されるものであってもよい。その設定の違いにより、電源の優先度を変更できる。
【0062】
ここで、
図1に示す例で、具体的に電源を当てはめた例を説明する。
図1に示す例で電源Aを商用電源、電源Bを太陽光発電、電源Cを電気自動車(ハイブリッドカーを含む)のバッテリとし、電気電子機器収納用箱1を電源切替盤として説明する。
【0063】
優先順位は、前述通りであるため、商用電源、太陽光発電、電気自動車のバッテリの順に利用される設定となる。このため、商用電源が正常な場合には、商用電源から電源切替盤へ給電される。商用電源が停電した場合には、太陽光発電から電源切替盤へ給電される。商用電源も太陽光発電も利用できない場合に電気自動車のバッテリから電源切替盤へ給電される。
【0064】
太陽光発電は太陽光パネルと蓄電池を備え、太陽光パネルにより発電した電気を蓄電池に蓄え、蓄電池から給電するものである。商用電源が停電し、悪天候により太陽光パネルからの発電が十分なく、蓄電池に所定量の電気が蓄えられていないなどの場合には、太陽光発電は正常ではないと判断され、電気自動車のバッテリから電源切替盤へ給電される。
【0065】
ところで、電気自動車のバッテリと第二切替開閉器20の第二端子22の接続は、必要に応じて接続部材と被接続部材を接続することで行われるようにすることが好ましい。この場合、接続部材と被接続部材が接続され、電気自動車のバッテリから第二切替開閉器20の第二端子22へ給電された後、第二切替開閉器20の共通端子23の接続先が第二端子22へ切り替えられる。
【0066】
電気電子機器収納用箱1は、
図1に示すように、電源と切替開閉器の間にブレーカ81を配置するものであってもよいが、切替開閉器とブレーカとの配置については、特に限定するものではない。例えば、
図12に示すように、ブレーカ81と切替開閉器を交互に配置するものであってもよいし、
図13に示すように、ブレーカ81を一方の端部側にまとめて配置し、切替開閉器を他方の端部側にまとめて配置するものであってもよい。
【0067】
また、
図2に示すように切替開閉器のみを2台以上備えた電気電子機器収納用箱1であってもよいが、
図14に示すように、切替開閉器と負荷機器91の間にブレーカ81を配置するものであってもよい。
【0068】
さらに、
図15に示す電気電子機器収納用箱1に示すように、第一切替開閉器10の第一端子11に2つの電源を接続させるものとしてもよい。第一切替開閉器10の第一端子11に2つの電源を接続させる場合とは、例えば、電源Aが商用電源、電源Bが太陽光発電であって、負荷機器91で消費される電気よりも太陽光発電により発電された電気の方が多い場合には、太陽光発電により賄われ、余剰分についてはバッテリへ充電される。また、負荷機器91で消費される電気よりも太陽光発電により発電された電気の方が少ない場合には、足りない分を商用電源により賄われる。
【0069】
このとき、商用電源が停電した場合には、太陽光発電により発電された電気が商用電源側に逆流してしまうことを禁止するため、太陽光発電から第一切替開閉器10の第一端子11への給電も停止される。その結果、電源Cから第一切替開閉器10の第二端子12への給電がある場合には、第一切替開閉器10の共通端子13の接続先が第二端子12へ切り替わる。この電源Cを商用電源や太陽光発電とは異なる電源としてもよいが、電源Cと電源Bを共通の太陽光発電としてもよい。つまり、太陽光発電は、第一切替開閉器10の第一端子11に給電する第一ルートと、第一切替開閉器10の第二端子12に給電する第二ルートを備えるものとしておき、商用電源が正常な場合には、第一ルートから給電し、商用電源が停電したことを検知した場合には、ルートを切り替え、第二ルートから給電するようにしてもよい。
【0070】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 電気電子機器収納用箱
10 第一切替開閉器
11 第一端子(第一切替開閉器)
12 第二端子(第一切替開閉器)
13 共通端子(第一切替開閉器)
20 第二切替開閉器
21 第一端子(第二切替開閉器)
22 第二端子(第二切替開閉器)
23 共通端子(第二切替開閉器)
91 負荷機器