(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024033058
(43)【公開日】2024-03-13
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 29/24 20060101AFI20240306BHJP
G01N 29/32 20060101ALI20240306BHJP
G07D 7/08 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
G01N29/24
G01N29/32
G07D7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136436
(22)【出願日】2022-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】中井 豊
(72)【発明者】
【氏名】小野 富男
(72)【発明者】
【氏名】山本 紀子
【テーマコード(参考)】
2G047
3E041
【Fターム(参考)】
2G047AA08
2G047AB04
2G047AD16
2G047BA01
2G047BC03
2G047EA10
2G047GA14
2G047GB17
3E041AA01
3E041AA02
3E041BB10
3E041EA05
(57)【要約】
【課題】検査精度を向上できる検査装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、検査装置は、超音波を出射可能な複数の出射素子を含む出射部を含む。複数の出射素子は、第1方向に沿って並ぶ複数の第1列素子と、第1周辺素子と、第2周辺素子と、を含む。第2周辺素子の第2方向における第2周辺素子位置は、第1周辺素子の第2方向における第1周辺素子位置と異なる。第1周辺素子の第1方向における位置は、第2周辺素子の第1方向における位置と、複数の第1列素子の第1方向における位置と、の間にある。第1周辺素子と第2周辺素子との間の第1周辺素子距離は、複数の第1列素子の1つと、複数の第1列素子の他の1つと、の間の第1列素子距離よりも長い。複数の第1列素子の他の1つは、複数の第1列素子の1つの隣である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を出射可能な複数の出射素子を含む出射部を備え、
前記複数の出射素子は、
第1方向に沿って並ぶ複数の第1列素子と、
第1周辺素子と、
第2周辺素子と、
を含み、
前記第1方向に対して垂直な第2方向において前記第1周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2方向において前記第2周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2周辺素子の前記第2方向における第2周辺素子位置は、前記第1周辺素子の前記第2方向における第1周辺素子位置と異なり、
前記第1周辺素子の前記第1方向における位置は、前記第2周辺素子の前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第1周辺素子と前記第2周辺素子との間の第1周辺素子距離は、前記複数の第1列素子の1つと、前記複数の第1列素子の他の1つと、の間の第1列素子距離よりも長く、
前記複数の第1列素子の前記他の1つは、前記複数の第1列素子の前記1つの隣である、検査装置。
【請求項2】
前記第1周辺素子の前記第1方向における中心と、前記第2周辺素子の前記第1方向における中心と、の間の前記第1方向における距離は、前記複数の第1列素子の前記1つの前記第1方向における中心と、前記複数の第1列素子の前記他の1つの前記第1方向における中心と、の間の距離の0.8倍以上1.2倍以下である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記複数の出射素子は、第1他周辺素子及び第2他周辺素子をさらに含み、
前記第1他周辺素子の前記第1方向における位置は、前記複数の第1列素子の前記第1方向における前記位置と、前記第2他周辺素子の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記複数の第1列素子の前記第1方向における前記位置は、前記第1周辺素子の前記第1方向における前記位置と、前記第1他周辺素子の前記第1方向における前記位置と、の間にあり、
前記第2方向において前記第1他周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2方向において前記第2他周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2他周辺素子の前記第2方向における第2他周辺素子位置は、前記第1他周辺素子の前記第2方向における第1他周辺素子位置と異なり、
前記第1他周辺素子と前記第2他周辺素子との間の第1他周辺素子距離は、前記第1列素子距離よりも長い、請求項1に記載の検査装置。
【請求項4】
前記複数の出射素子は、前記第1方向に沿って並ぶ複数の第2列素子をさらに含み、
前記複数の第2列素子の前記第2方向における第2列素子位置は、前記複数の第1列素子の前記第2方向における第1列素子位置とは異なり、
前記複数の第2列素子の1つの前記第1方向における位置は、前記複数の第1列素子の前記1つの前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記他の1つの前記第1方向における位置と、の間にある、請求項1に記載の検査装置。
【請求項5】
前記第1周辺素子距離は、前記第1列素子距離の1.7倍以上である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項6】
超音波を出射可能な複数の出射素子を含む出射部を備え、
前記出射部は、第1面を含み、
前記第1面は、第1領域及び第1周辺領域を含み、
前記複数の出射素子は、
前記第1領域に設けられた複数の第1列素子と、
前記第1周辺領域に設けられた複数の周辺素子と、
を含み、
前記複数の周辺素子は、第1周辺素子及び第2周辺素子を含み、
前記複数の第1列素子は、前記第1面に沿う第1方向に沿って並び、
前記第1周辺領域の第2方向に沿う第1周辺領域長さは、前記第1領域の前記第2方向に沿う第1領域長さよりも長く、
前記第2方向は、前記第1面に沿い、前記第2方向は、前記第1方向に対して垂直である、検査装置。
【請求項7】
複数の受信素子を含む受信部をさらに備え、
前記複数の受信素子の1つは、前記複数の出射素子の1つと対向し、
前記複数の受信素子は、前記複数の出射素子から出射された前記超音波を受信可能である、請求項1または6に記載の検査装置。
【請求項8】
検査対象を支持可能な支持部をさらに備え、
前記支持部は、前記複数の出射素子と前記複数の受信素子との間の空間を搬送方向に沿って前記検査対象を通過させ、
前記搬送方向は、前記複数の出射素子の前記1つから前記複数の受信素子の前記1つへの第3方向と交差する、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記検査対象が前記空間を通過するときに、前記検査対象の一部は、前記第3方向において前記複数の第1列素子と重なる、請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記検査対象が前記空間を通過するときに、前記検査対象の端部は、前記第3方向において、前記第1周辺素子及び前記第2周辺素子の少なくともいずれかと重なる、請求項9に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば超音波などを用いた検査装置がある。検査精度の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、検査精度を向上できる検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、検査装置は、超音波を出射可能な複数の出射素子を含む出射部を含む。前記複数の出射素子は、第1方向に沿って並ぶ複数の第1列素子と、第1周辺素子と、第2周辺素子と、を含む。前記第1方向に対して垂直な第2方向において前記第1周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられない。前記第2方向において前記第2周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられない。前記第2周辺素子の前記第2方向における第2周辺素子位置は、前記第1周辺素子の前記第2方向における第1周辺素子位置と異なる。前記第1周辺素子の前記第1方向における位置は、前記第2周辺素子の前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記第1方向における位置と、の間にある。前記第1周辺素子と前記第2周辺素子との間の第1周辺素子距離は、前記複数の第1列素子の1つと、前記複数の第1列素子の他の1つと、の間の第1列素子距離よりも長い。前記複数の第1列素子の前記他の1つは、前記複数の第1列素子の前記1つの隣である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的側面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図4】
図4は、検査装置の特性を例示するグラフである。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図2は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的側面図である。
図1及び
図2に示すように、実施形態に係る検査装置110は、出射部10を含む。出射部10は、複数の出射素子10Eを含む。複数の出射素子10Eは、超音波10wを出射可能である。
【0009】
図2に示すように、検査装置110において、受信部50が設けられる。受信部50は、複数の受信素子50Eを含んで良い。検査装置110において、支持部60が設けられて良い。
【0010】
超音波10wは、出射部10と受信部50との間の検査対象80に入射する。検査対象80を通過した超音波10wが、受信部50の複数の受信素子50Eに入射する。受信部50から信号Sdが出力される。信号Sdは、受信部50に入射した超音波10wに応じている。
【0011】
支持部60は、例えば、出射部10と受信部50との間に設けられる。支持部60は、検査対象80を支持可能である。検査対象80は、出射部10と受信部50との間の空間SPを、搬送方向80Dに沿って通過する。出射部10から受信部50への方向(例えば、第3方向D3)は、搬送方向80Dと交差する。第3方向D3は、搬送方向80Dに対して傾斜しても良い。
【0012】
検査対象80は、例えば紙幣などである。検査対象は、有価証券などの紙類でも良い。検査対象80の材料は任意である。検査対象80は、例えば、紙及び樹脂の少なくともいずれかを含む。
【0013】
例えば、支持部60は、第1搬送部61(例えばローラ)及び第2搬送部62(例えばローラ)により搬送される。支持部60において、第1搬送部61及び第2搬送部62との間に搬送ベルト(またはローラ)などが設けられて良い。支持部60の上に検査対象80が置かれる。支持部60の搬送に伴って、検査対象80が搬送方向80Dに沿って搬送される。
【0014】
例えば、出射部10の複数の出射素子10Eは、変形可能な膜部を含む。複数の出射素子10Eの膜部は、超音波10wを出射する。複数の出射素子10Eに送信回路10Dが接続される。送信回路10Dからの駆動信号により、複数の出射素子10Eの膜部が変形して、超音波10wが出射する。複数の出射素子10Eの膜部の変形は、例えば、圧電素子などにより生じる。
【0015】
例えば、受信部50に含まれる複数の受信素子50Eは、変形可能な膜部を含む。複数の受信素子50Eの膜部は、受信した超音波10wにより変形する。複数の受信素子50Eの膜部の変形が、圧電素子などにより電気信号に変換される。例えば、複数の受信素子50Eから出力された信号が、受信回路50Dに供給される。受信回路50Dは、信号を増幅して、信号Sdを出力する。
【0016】
処理部70は、信号Sdを処理して、検査信号S1を出力可能である。検査信号S1は、検査対象80の検査結果に関する情報を含む。処理部70は、送信回路10Dに制御信号Scを供給しても良い。送信回路10Dからの駆動信号は、制御信号Scに基づく。
【0017】
図2に示すように、出射部10は、第1導波部10Gを含んでも良い。複数の出射素子10Eのそれぞれで発生した超音波10wは、第1導波部10Gを通過して、受信部50に向けて進む。受信部50は、第2導波部50Gを含んでも良い。検査対象80を含む空間SPを通過した超音波10wは、第2導波部50Gを通過して、複数の受信素子50Eのそれぞれに向けて進む。
【0018】
出射部10は、第1面10Fを含む。例えば、第1面10Fに複数の出射素子10Eが設けられる。受信部50は、第2面50Fを含む。例えば、第2面50Fに複数の受信素子50Eが設けられる。第2面50Fは、第1面10Fと対向する。
【0019】
図1は、第1面10Fに設けられた複数の出射素子10Eの配列の例を示している。
図1に示すように、複数の第1列素子11、第1周辺素子21及び第2周辺素子22を含む。複数の第1列素子11は、第1方向D1に沿って並ぶ。
【0020】
図1に示すように、複数の第1列素子11は、出射部10から受信部50への方向(第3方向D3)において、検査対象80の中央部と重なる。第1周辺素子21及び第2周辺素子22は、第3方向D3において、検査対象80の1つの端部を含む領域と重なる。検査対象80は、搬送方向80Dに沿って移動する。
図1には、搬送ローラまたは搬送ベルトなどの搬送領域60Rが例示されている。
【0021】
図2に示すように、第3方向D3は、第1面10Fに対して垂直である。
図1に示すように、第1方向D1は、第1面10Fに沿う。第1方向D1をX軸方向とする。X軸方向に対して垂直な1つの方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向に対して垂直な方向をZ軸方向とする。
【0022】
第1方向D1に対して垂直な1つの方向を第2方向D2とする。第2方向D2は、第1面10Fに沿う。第2方向D2は、例えば、Y軸方向である。第3方向D3は、例えば、Z軸方向に沿う。
【0023】
図1に示すように、第1方向D1に対して垂直な第2方向D2において第1周辺素子21と重なる他の出射素子10Eが設けられない。第2方向D2において第2周辺素子22と重なる他の出射素子10Eが設けられない。不要な出射素子10Eが省略される。実用的な検査装置110が得られる。
【0024】
第2周辺素子22の第2方向D2における第2周辺素子位置P22は、第1周辺素子21の第2方向D2における第1周辺素子位置P21と異なる。第1周辺素子21の第1方向D1における位置は、第2周辺素子22の第1方向D1における位置と、複数の第1列素子11の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0025】
第1周辺素子21と第2周辺素子22との間の距離を第1周辺素子距離dp1とする。複数の第1列素子11の1つ(素子11a)と、複数の第1列素子11の他の1つ(素子11b)と、の間の距離を第1列素子距離d1とする。複数の第1列素子11の上記の他の1つ(素子11b)は、複数の第1列素子11の上記の1つ(素子11a)の隣である。
【0026】
実施形態において、第1周辺素子距離dp1は、第1列素子距離d1よりも長い。これにより、以下に説明するように、検査対象80の端部において、クロストークが抑制される。これにより、検査精度を向上できる。
【0027】
例えば、検査対象80の端部の第1方向D1における位置は変動する。これにより、例えば、検査対象80の端部に対応する位置の出射素子10Eにおいて、検査対象80との重なり状態が変化する。例えば、出射素子10Eが検査対象80と重ならない場合、その出射素子10Eから出射した超音波10wの強度は実質的に減衰しない。一方、出射素子10Eが検査対象80と重なる場合、その出射素子10Eから出射した超音波10wは検査対象80の状況に応じて減衰する。例えば、超音波10wの強度が減衰しない場合、超音波10wは、周辺の出射素子10Eから出射した超音波10wに影響を与える。これにより、クロストークが生じる。クロストークに起因するノイズが生じる。
【0028】
実施形態においては、検査対象80の端部に対応する複数の出射素子10E(例えば、第1周辺素子21及び第2周辺素子22)において、互いの距離が、複数の第1列素子11における互いの距離よりも長くする。これにより、検査対象80の端部の第1方向D1における位置が変動した場合においても、位置の変動に基づくクロストークが抑制できる。実施形態によれば、検査精度を向上できる検査装置を提供できる。
【0029】
図1に示すように、この例では、第1周辺素子21の第2方向D2における第1周辺素子位置P21は、複数の第1列素子11の第2方向D2における第1列素子位置P11とは異なる。これにより、第1周辺素子21から出射した超音波10wにおいて、検査対象80の端部の位置の変動が第1列素子11に与える影響が抑制できる。
【0030】
この例では、第2周辺素子22から複数の第1列素子11の上記の1つ(素子11a)への方向は、第1方向D1に沿う。例えば、第2周辺素子位置P22は、第1列素子位置P11と実質的に同じである。
【0031】
実施形態において、第1周辺素子位置P21及び第2周辺素子位置P22の少なくともいずれかが、複数の第1列素子11の第2方向D2における第1列素子位置P11と異なっても良い。
【0032】
図1に示すように、第1周辺素子21の第1方向D1における中心と、第2周辺素子22の第1方向D1における中心と、の間の第1方向D1における距離を距離pt2とする。複数の第1列素子11の上記の1つ(素子11a)の第1方向D1における中心と、複数の第1列素子11の上記の他の1つの第1方向D1における中心と、の間の距離を距離pt1とする。距離pt1は、複数の第1列素子11のピッチに対応する。実施形態において、距離pt2は、距離pt1と実質的に同じで良い。例えば、距離pt2は、距離pt1の0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましい。これにより、例えば、検査対象80の端部の第1方向D1における位置を、目的とする高い精度で検出できる。例えば、検査対象80の端部に含まれる異常を、高い精度で検出できる。
【0033】
図1に示すように、複数の出射素子10Eは、第1他周辺素子31及び第2他周辺素子32をさらに含んで良い。第1他周辺素子31の第1方向D1における位置は、複数の第1列素子11の第1方向D1における位置と、第2他周辺素子32の第1方向D1における位置と、の間にある。複数の第1列素子11の第1方向D1における位置は、第1周辺素子21の第1方向D1における位置と、第1他周辺素子31の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0034】
第1周辺素子21及び第2周辺素子22は、検査対象80の1つの端部を含む領域に対応する位置に設けられる。第1他周辺素子31及び第2他周辺素子32は、検査対象の他の1つの端部を含む領域に対応する位置に設けられる。複数の第1列素子11は、検査対象80の中央部(2つの端部の間)に対応する位置に設けられる。
【0035】
例えば、第2方向D2において、第1他周辺素子31と重なる他の出射素子が設けられない。第2方向D2において、第2他周辺素子32と重なる他の出射素子が設けられない。不要な出射素子10Eが省略される。実用的な検査装置110が得られる。
【0036】
第2他周辺素子32の第2方向D2における第2他周辺素子位置P32は、第1他周辺素子31の第2方向D2における第1他周辺素子位置P31と異なる。第1他周辺素子31と第2他周辺素子32との間の第1他周辺素子距離dq1は、第1列素子距離d1よりも長い。検査対象80の他の端部の第1方向D1における位置の変動に起因するクロストークが、抑制できる。
【0037】
第1他周辺素子31の第1方向D1における中心と、第2他周辺素子32の第1方向D1における中心と、の間の第1方向D1における距離を距離pt3とする。距離pt3は、例えば、距離pt1の0.8倍以上1.2倍以下であることが好ましい。上記のように、距離pt1は、複数の第1列素子11の上記の1つ(素子11a)の第1方向D1における中心と、複数の第1列素子11の上記の他の1つの第1方向D1における中心と、の間の距離である。例えば、検査対象80の他の端部の第1方向D1における位置を、目的とする高い精度で検出できる。例えば、検査対象80の他の端部に含まれる異常を、高い精度で検出できる。
【0038】
図1に示すように、この例では、第1他周辺素子位置P31は、複数の第1列素子11の第2方向D2における第1列素子位置P11とは異なる。第2他周辺素子位置P32が、第1列素子位置P11と異なっても良い。
【0039】
図3は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図3は、受信部50の第2面50Fにおける複数の受信素子50Eの配列を例示している。第2面50Fに複数の受信素子50Eが設けられる。
図1及び
図3に示すように、この例では、複数の受信素子50Eの位置は、複数の出射素子10Eの位置と対応する。
【0040】
例えば、複数の受信素子50Eの1つは、複数の出射素子10Eの1つと対向する。複数の受信素子50Eは、複数の出射素子10Eから出射された超音波10wを受信可能である。
【0041】
図2に関して説明したように、検査装置110は、支持部60を含んで良い。支持部60は、検査対象80を支持可能である。支持部60は、複数の出射素子10Eと複数の受信素子50Eとの間の空間SPを搬送方向80Dに沿って検査対象80を通過させる。搬送方向80Dは、複数の出射素子10Eの上記の1つから複数の受信素子50Eの上記の1つへの方向(例えば第3方向D3)と交差する。
【0042】
検査対象80が空間SPを通過するときに、検査対象80の一部(例えば中央部)は、第3方向D3において複数の第1列素子11と重なる。検査対象80が空間SPを通過するときに、検査対象80の端部は、第3方向D3において、第1周辺素子21及び第2周辺素子22の少なくともいずれかと重なる。検査対象80が空間SPを通過するときに、検査対象80の他の端部は、第3方向D3において、第1他周辺素子31及び第2他周辺素子32の少なくともいずれかと重なる。
【0043】
実施形態において、複数の受信素子50Eの配置は、種々の変形が可能である。例えば、多くの複数の受信素子50Eがマトリクス状に設けられても良い。
図1及び
図3に例示するように、複数の受信素子50Eが複数の出射素子10Eに対応して設けられることで、より効率的な検査が実施できる。
【0044】
図4は、検査装置の特性を例示するグラフである。
図4は、第1周辺素子距離dp1を変更したときの特性を例示している。既に説明したように、第1周辺素子距離dp1は、第1周辺素子21と第2周辺素子22との間の距離である。
図4の横軸は、距離比R1である。距離比R1は、第1周辺素子距離dp1の第1列素子距離d1に対する比(dp1/d1)である。既に説明したように、第1列素子距離d1は、複数の第1列素子11の1つ(素子11a)と、複数の第1列素子11の他の1つ(隣の素子11b)と、の間の距離である。
図4の縦軸は、S/N比である。S/N比は、検査対象80の端部の位置が変動したときに生じるクロストークの程度に対応する。S/N比が低いときに、クロストークが大きい。S/N比が高いときに、クロストークが小さい。
【0045】
図4に示すように、距離比R1が低いとS/N比が低い。距離比R1が1.7以上になると、S/N比は2以上になる。
【0046】
実施形態において、第1周辺素子距離dp1は、第1列素子距離d1の1.7倍以上であることが好ましい。これにより、高いS/N比が得られる。第1周辺素子距離dp1は、第1列素子距離d1の2倍以上でも良い。より高いS/N比が得られる。例えば、第1周辺素子距離dp1は、第1列素子距離d1の10倍以下でも良い。第1周辺素子距離dp1が過度に長いと、出射部10の第2方向D2に沿う長さが過度に長くなる。第1周辺素子距離dp1が第1列素子距離d1の10倍以下であることで、実用的な小型の出射部10が得られる。
【0047】
図5は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図5は、検査装置110の出射部10を例示している。既に説明したように、出射部10は、複数の出射素子10Eを含む。複数の出射素子10Eは、超音波10wを出射可能である(
図2参照)。出射部10は、第1面10Fを含む。
【0048】
図5に示すように、第1面10Fは、第1領域10R及び第1周辺領域10Aを含む。複数の出射素子10Eは、第1領域10Rに設けられた複数の第1列素子11と、第1周辺領域10Aに設けられた複数の周辺素子20と、を含む。複数の周辺素子20は、第1周辺素子21及び第2周辺素子22を含む。複数の第1列素子11は、第1面10Fに沿う第1方向D1に沿って並ぶ。
【0049】
図5に示すように、第1周辺領域10Aの第2方向D2に沿う第1周辺領域長さLP1は、第1領域10Rの第2方向D2に沿う第1領域長さL1よりも長い。第2方向D2は、第1面10Fに沿う。第2方向D2は、第1方向D1に対して垂直である。
【0050】
第2方向D2に沿う長さが長い第1周辺領域10Aに複数の周辺素子20が設けられる。第1周辺領域10Aにおける複数の周辺素子20の密度は、第1領域10Rにおける複数の第1列素子11の密度よりも低い。これにより、第1周辺領域10Aにおいてクロストークが抑制できる。
【0051】
後述するように、複数の周辺素子20の数は3以上でも良い。第2周辺素子22は、複数の周辺素子20の中で、第1周辺素子21に最も近い。
【0052】
図5に示すように、第1面10Fは、第2周辺領域10Bをさらに含んで良い。第1領域10Rは、第1方向D1において、第1周辺領域10Aと第2周辺領域10Bとの間にある。複数の出射素子10Eは、第2周辺領域10Bに設けられた複数の他周辺素子30を含む。第2周辺領域10Bの第2方向D2に沿う第2周辺領域長さLP2は、第1領域長さL1よりも長い。例えば、第2周辺領域10Bにおける複数の他周辺素子30の密度は、第1領域10Rにおける複数の第1列素子11の密度よりも低い。これにより、第2周辺領域10Bにおいてクロストークが抑制できる。
【0053】
後述するように、複数の他周辺素子30の数は3以上でも良い。第2他周辺素子32は、複数の他周辺素子30の中で、第1他周辺素子31に最も近い。
【0054】
第2方向D2において第1周辺素子21と重なる他の出射素子10Eが設けられなくて良い。第2方向D2において第2周辺素子22と重なる他の出射素子10Eが設けられなくて良い。第2方向D2において第1他周辺素子31と重なる他の出射素子10Eが設けられなくて良い。第2方向D2において第2他周辺素子32と重なる他の出射素子10Eが設けられなくて良い。
【0055】
図5に例示する第1周辺領域10Aに設けられた複数の周辺素子20において、複数の周辺素子20の第1方向D1におけるピッチ(
図1に例示する距離pt2)は、複数の第1列素子11の第1方向D1におけるピッチ(
図1に例示する距離pt1)と実質的に同じで良い。
【0056】
図5に例示する第2周辺領域10Bに設けられた複数の他周辺素子30において、複数の他周辺素子30の第1方向D1におけるピッチ(
図1に例示する距離pt3)は、複数の第1列素子11の第1方向D1におけるピッチ(
図1に例示する距離pt1)と実質的に同じで良い。
【0057】
例えば、第1周辺領域10Aと第1領域10Rとの間の領域は、搬送領域60R(
図1参照)と対向して良い。例えば、第2周辺領域10Bと第1領域10Rとの間の領域は、他の搬送領域60R(
図1参照)と対向して良い。第1周辺領域10Aは、搬送領域60Rの外に位置する。第2周辺領域10Bは、搬送領域60Rの外に位置する。第1領域10Rは、2つの搬送領域60Rの間の領域に対応する。
【0058】
図6は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図6は、出射部10に関する1つの例を示している。
図6に示すように、実施形態に係る検査装置111において、複数の出射素子10Eは、複数の第2列素子12を含む。これを除く検査装置111の構成は、検査装置110の構成と同様で良い。
【0059】
複数の第2列素子12は、第1方向D1に沿って並ぶ。複数の第2列素子12の第2方向D2における第2列素子位置P12は、複数の第1列素子11の第2方向D2における第1列素子位置P11とは異なる。
【0060】
複数の第2列素子12の1つの第1方向D1における位置は、複数の第1列素子11の上記の1つ(例えば素子11a)の第1方向D1における位置と、複数の第1列素子11の上記の他の1つ(例えば素子11b)の第1方向D1における位置と、の間にある。
【0061】
複数の第2列素子12のピッチは、複数の第1列素子11のピッチ(距離pt1)と実質的に同じでよい。半ピッチシフトした複数の第2列素子12が設けられて良い。これにより、検査における高い解像度が得られる。
【0062】
図6に示すように、複数の出射素子10Eは、第3周辺素子23をさらに含んで良い。例えば、第2方向D2において第3周辺素子23と重なる他の出射素子10Eが設けられない。第1周辺素子21の第1方向D1における位置は、第3周辺素子23の第1方向D1における位置と、複数の第1列素子11の第1方向D1における位置と、の間にある。第1周辺素子21と第3周辺素子23との間の距離、及び、第2周辺素子22と第3周辺素子23との間の距離は、第1列素子距離d1よりも長い。クロストークが抑制される。検査対象80の端部において、高い解像度を維持した検査が可能である。
【0063】
図6に示すように、複数の出射素子10Eは、第3他周辺素子33をさらに含んで良い。例えば、第2方向D2において第3他周辺素子33と重なる他の出射素子10Eが設けられない。第1他周辺素子31の第1方向D1における位置は、複数の第1列素子11の第1方向D1における位置と、第3他周辺素子33の第1方向D1における位置と、の間にある。第1他周辺素子31と第3他周辺素子33との間の距離、及び、第2他周辺素子32と第3他周辺素子33との間の距離は、第1列素子距離d1よりも長い。クロストークが抑制される。検査対象80の端部において、より高い解像度の検査が可能である。検査精度を向上できる検査装置が提供できる。
【0064】
図7は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図7は、検査装置111の出射部10を例示している。
図7に示すように、第1面10Fは、第1領域10R、第1周辺領域10A及び第2周辺領域10Bを含む。第1領域10Rに、複数の第1列素子11及び複数の第2列素子12が設けられる。第1周辺領域10Aに複数の周辺素子20(第1周辺素子21、第2周辺素子22及び第3周辺素子23など)が設けられる。第2周辺領域10Bに複数の他周辺素子30(第1他周辺素子31、第2他周辺素子32及び第3他周辺素子33など)が設けられる。
【0065】
図7に示すように、第1周辺領域10Aの第2方向D2に沿う第1周辺領域長さLP1は、第1領域10Rの第2方向D2に沿う第1領域長さL1よりも長い。第2周辺領域10Bの第2方向D2に沿う第2周辺領域長さLP2は、第1領域10Rの第2方向D2に沿う第1領域長さL1よりも長い。
【0066】
例えば、第1周辺領域10Aにおける複数の周辺素子20の密度は、第1領域10Rにおける複数の第1列素子11の密度よりも低い。これにより、第1周辺領域10Aにおいてクロストークが抑制できる。例えば、第2周辺領域10Bにおける複数の他周辺素子30の密度は、第1領域10Rにおける複数の第1列素子11の密度よりも低い。これにより、第2周辺領域10Bにおいてクロストークが抑制できる。
【0067】
図8は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図8は、出射部10の1つの例を示している。
図8に示すように、実施形態に係る検査装置112において、複数の第1列素子11及び複数の第2列素子12が設けられる領域が、第1周辺素子21、第2周辺素子22及び第3周辺素子23が設けられる領域と離れている。複数の第1列素子11及び複数の第2列素子12が設けられる領域が、第1他周辺素子31、第2他周辺素子32及び第3他周辺素子33が設けられる領域と離れている。これらを除く検査装置112の構成は、例えば、検査装置111の構成と同様で良い。
【0068】
例えば、検査装置112において、第1周辺素子距離dp1は、第1列素子距離d1よりも長い。第1他周辺素子距離dq1は、第1列素子距離d1よりも長い。クロストークが抑制される。検査精度を向上できる検査装置が提供できる。
【0069】
検査装置112において、第1周辺素子21の第1方向D1における中心と、第3周辺素子23の第1方向D1における中心と、の間の第1方向D1における距離px2は、距離pt1の0.8倍以上1.2倍以下でも良い。第1他周辺素子31の第1方向D1における中心と、第3他周辺素子33の第1方向D1における中心と、の間の第1方向D1における距離px3は、距離pt1の0.8倍以上1.2倍以下でも良い。
【0070】
図9は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図9は、検査装置112の出射部10を例示している。
図9に示すように、第1面10Fは、第1領域10R、第1周辺領域10A及び第2周辺領域10Bを含む。第1周辺領域長さLP1は、第1領域長さL1よりも長い。第2周辺領域長さLP2は、第1領域長さL1よりも長い。例えば、第1周辺領域10Aにおける複数の周辺素子20の密度は、第1領域10Rにおける複数の第1列素子11の密度よりも低い。これにより、第1周辺領域10Aにおいてクロストークが抑制できる。例えば、第2周辺領域10Bにおける複数の他周辺素子30の密度は、第1領域10Rにおける複数の第1列素子11の密度よりも低い。これにより、第2周辺領域10Bにおいてクロストークが抑制できる。
【0071】
図10は、第1実施形態に係る検査装置を例示する模式的平面図である。
図10は、出射部10を例示している。
図10に示すように、実施形態に係る検査装置113において、複数の第1列素子11及び複数の第2列素子12に加えて、複数の第3列素子13及び第4列素子14が設けられる。これを除く検査装置113の構成は、例えば、検査装置111の構成と同様で良い。
【0072】
複数の第3列素子13は、第1方向D1に沿って並ぶ。複数の第4列素子14は、第1方向D1に沿って並ぶ。複数の第4列素子14の1つの第1方向D1における位置は、複数の第3列素子13の1つの第1方向D1における位置と、複数の第3列素子13の他の1つの第1方向D1における位置と、の間にある。
【0073】
例えば、複数の搬送領域60Rが第2方向D2において互いに離れて設けられても良い。複数の搬送領域60Rの第2方向D2における1つの位置に対応して、複数の第1列素子11及び複数の第2列素子12が設けられて良い。複数の搬送領域60Rの第2方向D2における他の1つの位置に対応して、複数の第3列素子13及び複数の第4列素子14が設けられて良い。検査装置113においても、クロストークが抑制できる。検査精度を向上できる検査装置が提供できる。
【0074】
実施形態は、以下の構成(例えば技術案)を含んで良い。
(構成1)
超音波を出射可能な複数の出射素子を含む出射部を備え、
前記複数の出射素子は、
第1方向に沿って並ぶ複数の第1列素子と、
第1周辺素子と、
第2周辺素子と、
を含み、
前記第1方向に対して垂直な第2方向において前記第1周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2方向において前記第2周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2周辺素子の前記第2方向における第2周辺素子位置は、前記第1周辺素子の前記第2方向における第1周辺素子位置と異なり、
前記第1周辺素子の前記第1方向における位置は、前記第2周辺素子の前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第1周辺素子と前記第2周辺素子との間の第1周辺素子距離は、前記複数の第1列素子の1つと、前記複数の第1列素子の他の1つと、の間の第1列素子距離よりも長く、
前記複数の第1列素子の前記他の1つは、前記複数の第1列素子の前記1つの隣である、検査装置。
【0075】
(構成2)
前記第1周辺素子位置及び前記第2周辺素子位置の少なくともいずれかは、前記複数の第1列素子の前記第2方向における第1列素子位置とは異なる、構成1に記載の検査装置。
【0076】
(構成3)
前記第1周辺素子の前記第1方向における中心と、前記第2周辺素子の前記第1方向における中心と、の間の前記第1方向における距離は、前記複数の第1列素子の前記1つの前記第1方向における中心と、前記複数の第1列素子の前記他の1つの前記第1方向における中心と、の間の距離の0.8倍以上1.2倍以下である、構成1に記載の検査装置。
【0077】
(構成4)
前記第1周辺素子位置は、前記複数の第1列素子の前記第2方向における第1列素子位置とは異なる、構成3に記載の検査装置。
【0078】
(構成5)
前記第2周辺素子から前記複数の第1列素子の前記1つへの方向は、前記第1方向に沿う、構成4に記載の検査装置。
【0079】
(構成6)
前記複数の出射素子は、第1他周辺素子及び第2他周辺素子をさらに含み、
前記第1他周辺素子の前記第1方向における位置は、前記複数の第1列素子の前記第1方向における前記位置と、前記第2他周辺素子の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記複数の第1列素子の前記第1方向における前記位置は、前記第1周辺素子の前記第1方向における前記位置と、前記第1他周辺素子の前記第1方向における前記位置と、の間にあり、
前記第2方向において前記第1他周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2方向において前記第2他周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第2他周辺素子の前記第2方向における第2他周辺素子位置は、前記第1他周辺素子の前記第2方向における第1他周辺素子位置と異なり、
前記第1他周辺素子と前記第2他周辺素子との間の第1他周辺素子距離は、前記第1列素子距離よりも長い、構成1に記載の検査装置。
【0080】
(構成7)
前記第1他周辺素子の前記第1方向における中心と、前記第2他周辺素子の前記第1方向における中心と、の間の前記第1方向における距離は、前記複数の第1列素子の前記1つの前記第1方向における中心と、前記複数の第1列素子の前記他の1つの前記第1方向における中心と、の間の距離の0.8倍以上1.2倍以下である、構成6に記載の検査装置。
【0081】
(構成8)
前記第1他周辺素子位置は、前記複数の第1列素子の前記第2方向における第1列素子位置とは異なる、構成6に記載の検査装置。
【0082】
(構成9)
前記複数の出射素子は、第3他周辺素子をさらに含み、
前記第2方向において前記第3他周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第1他周辺素子の前記第1方向における前記位置は、前記複数の第1列素子の前記第1方向における前記位置と、前記第3他周辺素子の前記第1方向における位置と、の間にあり、
前記第1他周辺素子と前記第3他周辺素子との間の距離、及び、前記第2他周辺素子と前記第3他周辺素子との間の距離は、前記第1列素子距離よりも長い、構成6に記載の検査装置。
【0083】
(構成10)
前記複数の出射素子は、第3周辺素子をさらに含み、
前記第2方向において前記第3周辺素子と重なる他の前記出射素子が設けられず、
前記第1周辺素子の前記第1方向における前記位置は、前記第3周辺素子の前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記第1方向における前記位置と、の間にあり、
前記第1周辺素子と前記第3周辺素子との間の距離、及び、前記第2周辺素子と前記第3周辺素子との間の距離は、前記第1列素子距離よりも長い、構成1~9のいずれか1つに記載の検査装置。
【0084】
(構成11)
前記複数の出射素子は、前記第1方向に沿って並ぶ複数の第2列素子をさらに含み、
前記複数の第2列素子の前記第2方向における第2列素子位置は、前記複数の第1列素子の前記第2方向における第1列素子位置とは異なり、
前記複数の第2列素子の1つの前記第1方向における位置は、前記複数の第1列素子の前記1つの前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記他の1つの前記第1方向における位置と、の間にある、構成1に記載の検査装置。
【0085】
(構成12)
前記第1周辺素子距離は、前記第1列素子距離の1.7倍以上である、構成1に記載の検査装置。
【0086】
(構成13)
超音波を出射可能な複数の出射素子を含む出射部を備え、
前記出射部は、第1面を含み、
前記第1面は、第1領域及び第1周辺領域を含み、
前記複数の出射素子は、
前記第1領域に設けられた複数の第1列素子と、
前記第1周辺領域に設けられた複数の周辺素子と、
を含み、
前記複数の周辺素子は、第1周辺素子及び第2周辺素子を含み、
前記複数の第1列素子は、前記第1面に沿う第1方向に沿って並び、
前記第1周辺領域の第2方向に沿う第1周辺領域長さは、前記第1領域の前記第2方向に沿う第1領域長さよりも長く、
前記第2方向は、前記第1面に沿い、前記第2方向は、前記第1方向に対して垂直である、検査装置。
【0087】
(構成14)
前記第1面は、第2周辺領域をさらに含み、
前記第1領域は、前記第1方向において、前記第1周辺領域と前記第2周辺領域との間にあり、
前記複数の出射素子は、前記第2周辺領域に設けられた複数の他周辺素子を含み、
前記第2周辺領域の前記第2方向に沿う第2周辺領域長さは、前記第1領域長さよりも長い、構成13に記載の検査装置。
【0088】
(構成15)
前記複数の出射素子は、前記第1領域に設けられた複数の第2列素子をさらに含み、
前記複数の第2列素子の前記第2方向における第2列素子位置は、前記複数の第1列素子の前記第2方向における第1列素子位置とは異なり、
前記複数の第2列素子の1つの前記第1方向における位置は、前記複数の第1列素子の前記1つの前記第1方向における位置と、前記複数の第1列素子の前記他の1つの前記第1方向における位置と、の間にある、構成14に記載の検査装置。
【0089】
(構成16)
前記複数の周辺素子の前記第1方向におけるピッチは、前記複数の第1列素子の前記第1方向におけるピッチと実質的に同じである、構成15に記載の検査装置。
【0090】
(構成17)
複数の受信素子を含む受信部をさらに備え、
前記複数の受信素子の1つは、前記複数の出射素子の1つと対向し、
前記複数の受信素子は、前記複数の出射素子から出射された前記超音波を受信可能である、構成1または13に記載の検査装置。
【0091】
(構成18)
検査対象を支持可能な支持部をさらに備え、
前記支持部は、前記複数の出射素子と前記複数の受信素子との間の空間を搬送方向に沿って前記検査対象を通過させ、
前記搬送方向は、前記複数の出射素子の前記1つから前記複数の受信素子の前記1つへの第3方向と交差する、構成17に記載の検査装置。
【0092】
(構成19)
前記検査対象が前記空間を通過するときに、前記検査対象の一部は、前記第3方向において前記複数の第1列素子と重なる、構成18に記載の検査装置。
【0093】
(構成20)
前記検査対象が前記空間を通過するときに、前記検査対象の端部は、前記第3方向において、前記第1周辺素子及び前記第2周辺素子の少なくともいずれかと重なる、構成19に記載の検査装置。
【0094】
実施形態によれば、検査精度を向上できる検査装置が提供できる。
【0095】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、検査装置に含まれる出射部、受信部、支持部、送信回路、受信回路及び処理部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0096】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0097】
その他、本発明の実施の形態として上述した検査装置及び検査方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての検査装置及び検査方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0098】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
10…出射部、 10A、10B…第1、第2周辺領域、 10D…送信回路、 10E…出射素子、 10F…第1面、 10G…第1導波部、 10R…第1領域、 10w…超音波、 11~14…第1~第4列素子、 11a、11b…素子、 20…周辺素子、 21~23…第1~第3周辺素子、 30…他周辺素子、 31~33…第1~第3他周辺素子、 50…受信部、 50D…受信回路、 50E…受信素子、 50F…第2面、 50G…第2導波部、 60…支持部、 60R…搬送領域、 61、62…第1、第2搬送部、 70…処理部、 80…検査対象、 80D…搬送方向、 110~113…検査装置、 D1~D3…第1~第3方向、 L1…第1領域長さ、 LP1、LP2…第1、第2周辺領域長さ、 P11、P12…第1、第2列素子位置、 P21、P22…第1、第2周辺素子位置、 P31、P32…第1、第2他周辺素子位置、 R1…距離比、 S1…検査信号、 SP…空間、 Sc…制御信号、 Sd…信号、 d1…第1列素子距離、 dp1…第1周辺素子距離、 dq1…第1他周辺素子距離、 pt1~pt3…距離、 px2、px3…距離